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明細書 :内視鏡用拡張装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成31年4月11日(2019.4.11)
発明の名称または考案の名称 内視鏡用拡張装置
国際特許分類 A61B   1/04        (2006.01)
A61B   1/00        (2006.01)
FI A61B 1/04 540
A61B 1/00 R
A61B 1/00 511
A61B 1/00 522
A61B 1/00 526
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 39
出願番号 特願2018-524002 (P2018-524002)
国際出願番号 PCT/JP2017/022164
国際公開番号 WO2017/217498
国際出願日 平成29年6月15日(2017.6.15)
国際公開日 平成29年12月21日(2017.12.21)
優先権出願番号 2016119832
優先日 平成28年6月16日(2016.6.16)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】高木 康博
出願人 【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査請求 未請求
テーマコード 4C161
Fターム 4C161BB02
4C161BB06
4C161BB08
4C161CC03
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF02
4C161FF03
4C161HH51
4C161HH52
4C161HH53
4C161JJ17
4C161LL03
4C161LL08
4C161MM05
4C161MM10
4C161NN01
4C161NN05
4C161PP06
4C161PP11
4C161PP19
4C161QQ02
4C161QQ03
4C161QQ04
4C161QQ07
4C161QQ09
4C161QQ10
4C161RR04
4C161RR26
4C161WW13
4C161WW17
要約 1つの内視鏡を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張できる内視鏡用拡張装置を提供する。
内視鏡(20)は、対物レンズ(22)、複数のリレーレンズ系(24)、アイピース(26)を備え、射出瞳(Exp)がアイピース(26)の直後に形成される。アイピース(26)には取付部(32)により内視鏡用拡張装置の筐体(39)が取り付けられる。筐体(39)には、機能化プラットフォーム(31)を形成するリレー光学系(34)及び分岐部(36)が設けられる。内視鏡用拡張装置(30)は、内視鏡(20)の射出瞳(Exp)を、リレー光学系(34)を用いてアイピース(26)から離れた位置に移動させる。分岐部(36)で分岐された光路を伝播した光は、受光部(38)で受光される。このように構成した内視鏡用拡張装置(30)を用いることで1つの内視鏡(20)を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張できる。
特許請求の範囲 【請求項1】
光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、
内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を複数の光路に分岐する分岐部と、
前記分岐部で分岐された何れかの光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられた受光部と、
を備えた内視鏡用拡張装置。
【請求項2】
前記取付部は、前記内視鏡のアイピースに取り付けられる
請求項1に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項3】
前記取付部は、前記内視鏡の射出瞳に対する前記リレー光学系の入射瞳の位置関係を調整する取付調整部を含む
請求項1又は請求項2に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項4】
前記リレー光学系は、前記内視鏡により形成される射出瞳を入射瞳として、前記内視鏡の射出瞳をリレーするように取り付けられ、
前記分岐部は、前記リレー光学系の射出側の端部から前記リレー光学系の射出瞳位置までの空間で、かつ前記リレー光学系の光路上に設けられる
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項5】
前記分岐部及び前記受光部の少なくとも一方は、前記リレー光学系の射出瞳位置に対して、前受光部で受光する光の位置を調整する位置調整部を含む
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項6】
前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光の一部を反射し残りの少なくとも一部の光を透過する光学素子を含む
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項7】
前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光を瞳分割により、右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記分岐部で瞳分割した2つの光の各々を受光可能な位置に配置され、
前記受光部の各々で受光された光から得られる右目用画像と左目用画像とに基づいて立体像を表示する表示部を含む立体カメラ装置である
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項8】
前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光を、所定画素だけ離間した異なる画像が複数得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記分岐部で分割した複数の光の各々を受光可能な位置に配置され、
前記受光部の各々で受光された光から得られる複数の画像を合成して高画質化画像を表示する表示部を含む高画質カメラ装置である
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項9】
前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に、前記分岐部で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項10】
前記発光部は、予め定めたパターン画像を投影する投影装置である
請求項9に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項11】
前記分岐部は、対象物に照射される光と、対象物に照射された光により発生した光とが得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された光を受光し、受光した光に基づいて前記内視鏡により観察した対象物から前記内視鏡の先端までの距離を計測する距離計測装置である
請求項9に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項12】
前記分岐部は、対象物に照射される照射光と、対象物に照射された照射光が対象物で反射された反射光とが得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された照射光の反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記内視鏡により観察した対象物の三次元形状を計測する形状計測装置である
請求項9に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項13】
前記分岐部は、対象物に照射される励起光と、対象物に照射された励起光により励起された蛍光とが得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された励起光により励起された蛍光を受光する蛍光観察装置である
請求項9に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項14】
前記分岐部は、対象物に照射される照射光と、対象物に照射された照射光が対象物で反射された反射光とが得られるように光を分岐し、
前記受光部は、前記照射光を分割して参照光を得る参照光分割部を含み、
前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された照射光が対象物で反射された反射光と、前記参照光との干渉及び前記照射光の走査結果に基づいて対象物表面の内部構造を検出する内部構造検出装置である
請求項9に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項15】
前記リレー光学系の入射側でかつ、前記内視鏡の射出瞳の近傍に、全ての前記受光部へ光を結像に共通に作用するレンズ系を設けた
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の内視鏡用拡張装置。
【請求項16】
光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、
内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を瞳分割により右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐する立体表示用分岐部と、対象物に照射する照射光及び前記照射光による対象物の反射光が得られるように光を分岐する内部構造検出用分岐部とを含む分岐部と、
前記立体表示用分岐部で瞳分割された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ瞳分割された光の各々を用いて右目用画像及び左目用画像を形成する立体カメラ装置と、前記内部構造検出用分岐部で分岐された光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記照射光を発光する発光部及び前記照射光の一部を参照光とする参照光分割部を含み、前記反射光と前記参照光との干渉結果に基づいて対象物表面の内部構造を検出する内部構造検出装置と、を含む受光部と、
を備えた内視鏡用拡張装置。
【請求項17】
光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、
内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を瞳分割により右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐する立体表示用分岐部と、前記リレー光学系から射出された光を、所定画素だけ離間した異なる画像が複数得られるように光を分岐する高画質用分岐部とを含む分岐部と、
前記立体表示用分岐部で瞳分割された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ瞳分割された光の各々を用いて右目用画像及び左目用画像を形成するための立体カメラ装置と、前記高画質用分岐部で分割された複数の光の各々を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、各々で受光された光から得られる複数の画像を合成して高画質化画像を表示するための高画質カメラ装置と、を含む受光部と、
を備えた内視鏡用拡張装置。
【請求項18】
光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、
内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、
前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされる光として、対象物に照射される励起光と、対象物に照射された励起光により励起された蛍光とが得られるように光を分岐する蛍光用分岐部と、予め定めたパターン画像が対象物に投影されるように光を分岐する投影用分岐部と、を含む分岐部と、
前記蛍光用分岐部で分岐された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記励起光を発光する発光部を含むと共に、前記蛍光用分岐部で分岐される光の光路を伝播するように前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播された励起光により励起された蛍光を受光する蛍光観察装置と、前記投影用分岐部で分岐された光の光路を伝播させてパターン画像を投影可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記投影用分岐部で分岐される光の光路を伝播するように前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に沿って前記パターン画像を投影する投影装置と、を含む受光部と、
を備えた内視鏡用拡張装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
開示の技術は、内視鏡用拡張装置に関する。
【背景技術】
【0002】
細長の挿入部を体腔内等に挿入して、直接目視できない部位を観察する内視鏡が広く用いられている。一般的な内視鏡は、細長の挿入部の内部に、対物光学系と、リレーレンズ(硬性鏡の場合)やイメージガイドファイバ(軟性鏡の場合)等の像伝送光学系を有している。そして、目視観察用の内視鏡は、観察対象からこれらの光学系を経た光を、接眼光学系や撮像光学系を介して観察像として観察するように構成されている。また、映像観察用のビデオ内視鏡においては、先端に対物光学系とCCD等の撮像素子を内蔵して構成されている。
【0003】
ところで、近年、内視鏡の利用は増加しており、体腔内の観察による診断精度の向上及び体腔内における各種処置を可能とするため、様々な観察機能が付加された専用の内視鏡装置が各種提案されている。
【0004】
例えば、一般的な内視鏡では、観察部位を遠近感のない平面として提供するようになっているため、例えば体腔壁表面の微細な凹凸等を観察することが困難であった。そこで、複数の観察光学系を並列に設け、これらの光学系の光軸を離して視差を持つように観察光学系を配置して観察部位を立体視できるように構成し、例えば体腔壁表面の微細な凹凸等を観察可能にした立体視内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、所定波長の励起光を照明した部位で発光する蛍光成分を観察することで照明した部位における細胞の状態を観察可能にした蛍光観察の内視鏡装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平6-194581号公報
【特許文献2】特開2008-289863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、診断精度の向上及び体腔内における各種処置を可能とするためには、所望の観察機能が付加された専用の内視鏡装置を観察機能毎に用意する必要があり、所望の観察機能を得るためには、内視鏡を交換しなければならなかった。
【0008】
開示の技術は、これらの事情に鑑みてなされたもので、1つの内視鏡を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張できる内視鏡用拡張装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様の内視鏡用拡張装置は、光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を複数の光路に分岐する分岐部と、前記分岐部で分岐された何れかの光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられた受光部と、を備える。
【0010】
第2態様の内視鏡用拡張装置では、前記取付部は、前記内視鏡のアイピースに取り付けられる。
【0011】
第3態様の内視鏡用拡張装置では、前記取付部は、前記内視鏡の射出瞳に対する前記リレー光学系の入射瞳の位置関係を調整する取付調整部を含む。
【0012】
第4態様の内視鏡用拡張装置では、前記リレー光学系は、前記内視鏡により形成される射出瞳を入射瞳として、前記内視鏡の射出瞳をリレーするように取り付けられ、前記分岐部は、前記リレー光学系の射出側の端部から前記リレー光学系の射出瞳位置までの空間で、かつ前記リレー光学系の光路上に設けられる。
【0013】
第5態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部及び前記受光部の少なくとも一方は、前記リレー光学系の射出瞳位置に対して、前受光部で受光する光の位置を調整する位置調整部を含む。
【0014】
第6態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光の一部を反射し残りの少なくとも一部の光を透過する光学素子を含む。
【0015】
第7態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光を瞳分割により、右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐し、前記受光部は、前記分岐部で瞳分割した2つの光の各々を受光可能な位置に配置され、前記受光部の各々で受光された光から得られる右目用画像と左目用画像とに基づいて立体像を表示する表示部を含む立体カメラ装置である。
【0016】
第8態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、前記リレー光学系から射出された光を、所定画素だけ離間した異なる画像が複数得られるように光を分岐し、前記受光部は、前記分岐部で分割した複数の光の各々を受光可能な位置に配置され、前記受光部の各々で受光された光から得られる複数の画像を合成して高画質化画像を表示する表示部を含む高画質カメラ装置である。
【0017】
第9態様の内視鏡用拡張装置では、前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に、前記分岐部で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む。
【0018】
第10態様の内視鏡用拡張装置では、前記発光部は、予め定めたパターン画像を投影する投影装置である。
【0019】
第11態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、対象物に照射される光と、対象物に照射された光により発生した光とが得られるように光を分岐し、前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された光を受光し、受光した光に基づいて前記内視鏡により観察した対象物から前記内視鏡の先端までの距離を計測する距離計測装置である。
【0020】
第12態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、対象物に照射される照射光と、対象物に照射された照射光が対象物で反射された反射光とが得られるように光を分岐し、前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された照射光の反射光を受光し、受光した反射光に基づいて前記内視鏡により観察した対象物の三次元形状を計測する形状計測装置である。
【0021】
第13態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、対象物に照射される励起光と、対象物に照射された励起光により励起された蛍光とが得られるように光を分岐し、前記受光部は、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された励起光により励起された蛍光を受光する蛍光観察装置である。
【0022】
第14態様の内視鏡用拡張装置では、前記分岐部は、対象物に照射される照射光と、対象物に照射された照射光が対象物で反射された反射光とが得られるように光を分岐し、前記受光部は、予め定めた参照光を発光する参照光発生部を含み、前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播可能な位置に配置された前記発光部で発光された照射光が対象物で反射された反射光と、前記参照光との干渉及び前記照明光の走査結果に基づいて対象物表面の内部構造を検出する内部構造検出装置である。
【0023】
第15態様の内視鏡用拡張装置では、前記リレー光学系の入射側でかつ、前記内視鏡の射出瞳の近傍に、全ての前記受光部へ光を結像に共通に作用するレンズ系を設けている。
【0024】
第16態様の内視鏡用拡張装置では、光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を瞳分割により右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐する立体表示用分岐部と、対象物に照射する照射光及び前記照射光による対象物の反射光が得られるように光を分岐する内部構造検出用分岐部とを含む分岐部と、前記立体表示用分岐部で瞳分割された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ瞳分割された光の各々を用いて右目用画像及び左目用画像を形成する立体カメラ装置と、前記内部構造検出用分岐部で分岐された光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記照射光を発光する発光部及び前記照射光の一部を参照光とする参照光分割部を含み、前記反射光と前記参照光との干渉結果に基づいて対象物表面の内部構造を検出する内部構造検出装置と、を含む受光部と、を備える。
【0025】
第17態様の内視鏡用拡張装置では、光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされた光を瞳分割により右目用画像と左目用画像とが得られるように光を分岐する立体表示用分岐部と、前記リレー光学系から射出された光を、所定画素だけ離間した異なる画像が複数得られるように光を分岐する高画質用分岐部とを含む分岐部と、前記立体表示用分岐部で瞳分割された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ瞳分割された光の各々を用いて右目用画像及び左目用画像を形成するための立体カメラ装置と、前記高画質用分岐部で分割された複数の光の各々を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、各々で受光された光から得られる複数の画像を合成して高画質化画像を表示するための高画質カメラ装置と、を含む受光部と、を備える。
【0026】
第18態様の内視鏡用拡張装置では、光が入射される入射窓を備え、内部に光学部品を収納可能な筐体と、内視鏡から射出された光が前記入射窓から前記筐体の内部に入射されるように前記筐体を前記内視鏡の出射側に取り付けるための取付部と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記入射窓から入射された光をリレーするリレー光学系と、前記筐体の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられ、前記リレー光学系でリレーされる光として、対象物に照射される励起光と、対象物に照射された励起光により励起された蛍光とが得られるように光を分岐する蛍光用分岐部と、予め定めたパターン画像が対象物に投影されるように光を分岐する投影用分岐部と、を含む分岐部と、前記蛍光用分岐部で分岐された光の光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記励起光を発光する発光部を含むと共に、前記蛍光用分岐部で分岐される光の光路を伝播するように前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に伝播された励起光により励起された蛍光を受光する蛍光観察装置と、前記投影用分岐部で分岐された光の光路を伝播させてパターン画像を投影可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられ、かつ前記投影用分岐部で分岐される光の光路を伝播するように前記リレー光学系の光の射出方向と逆方向に沿って前記パターン画像を投影する投影装置と、を含む受光部と、を備える。
【発明の効果】
【0027】
開示の技術によれば、1つの内視鏡を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張できる内視鏡用拡張装置を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第2実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第3実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】第4実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第5実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第6実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】第7実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】第8実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】第9実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】第10実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】第11実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図13】第12実施形態に係る内視鏡装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】射出瞳に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態は、内視鏡として硬性内視鏡を用いた場合を一例として説明する。

【0030】
[第1実施形態]
第1実施形態では、1つの内視鏡を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張可能な構成として、機能化プラットフォームを提供する。
図1に、第1実施形態に係る機能化プラットフォームを有する内視鏡装置の構成の一例を示す。第1実施形態に係る内視鏡装置10は、目視観察用の内視鏡20に、詳細を後述する機能化プラットフォームを備えた内視鏡用拡張装置30が取り付けられて構成されている。

【0031】
図1に示すように、内視鏡20は、対物レンズ22、複数のリレーレンズ系24、及びアイピース26を備えている。対物レンズ22は、鏡筒28に連結されている。鏡筒28内には複数のリレーレンズ系24が設けられている。また、鏡筒28には、アイピース26が連結されている。

【0032】
対物レンズ22は、広範囲を観察できるように、例えば、前側レンズ群22A及び後側レンズ群22Bを備えており、体腔内等の対象物Obを縮小した実像Rgを結像する。また、複数のリレーレンズ系24の各々は、例えば、レンズ24A,24B,24Cの組み合わせレンズによるレンズ群で形成されており、体腔内等の対象物Obの状態を体腔外で観察できるように、複数のリレーレンズ系24を連結して距離の長い結像系を実現している。つまり、それぞれのリレーレンズ系24は、入射側と出射側の光線状態が同一になるように設計されており、複数のリレーレンズ系24によって、対物レンズ22が形成した実像Rgを、結像を繰り返すことで伝達する。そして、アイピース26は、例えば接眼レンズ26Aを鏡筒28に固定するためのアタッチメント26Bを備えており、リレーレンズ系24が伝達した実像を、虚像結像して、アイピース26より鏡筒28側に後方に拡大結像する。

【0033】
対物レンズ22内には開口絞りAsが形成されており、開口絞りAsについて入射側の像が入射瞳(開口絞りAsをその入射側にある光学系で結像した像)Enpであり、アイピース26側の像が射出瞳(開口絞りAsをその出射側にある光学系で結像した像)Expである。一般的に、射出瞳Expはアイピース26より鏡筒28と反対側の直近に形成されるように設計されており、観察者がここの目を置いて体腔内等の対象物Obの状態を目視によって観察可能にしている。

【0034】
図1の例では、開口絞りAsは、対物レンズ22を構成する前側レンズ群22A及び後側レンズ群22Bの間に位置している。また、図1の例では、対物レンズ22の射出側で、対物レンズ22により縮小された実像Rgが形成された位置に、視野絞りFsが設けられている。

【0035】
ここで、内視鏡20は、体腔内等の対象物Obの状態を目視観察するために、アイピース26の最外部と射出瞳Expとの距離は数mmと近接していることが一般的である。このようにアイピース26の最外部と射出瞳Expとの距離が近接している場合、複雑な構成を有するデバイスを取り付けることは困難である。また、複数のデバイスを取り付けることも困難である。

【0036】
そこで、第1実施形態では、アイピース26の最外部と射出瞳Expとの距離は数mmと近接している状態を利用し、機能化プラットフォームを形成することにより、内視鏡20を複数の観察機能を有する内視鏡装置10に拡張可能な内視鏡用拡張装置を提供する。

【0037】
第1実施形態に係る内視鏡用拡張装置30は、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間には、ビームスプリッタやミラー等の光学素子により光路を複数に分岐する分岐部36が設けられ、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36で分岐(偏向)されて、分岐された光路の先に設けられた特定の観察機能を実現するデバイスへ向けて提供される。これによって、内視鏡20からの光、例えば体腔内等の対象物Obの像を示す光を、分岐部36で分岐した光路に応じた複数のデバイスで利用できる。これらのリレー光学系34及び分岐部36は、複数の観察機能を有する内視鏡装置10に拡張するための機能化プラットフォーム31を形成する。リレー光学系34は、アフォーカル光学系に準じた構成とされており、等倍又は一定の倍率で射出瞳Expをリレーするようになっている。

【0038】
次に、内視鏡用拡張装置30の各構成を詳細に説明する。
図1に示すように、内視鏡用拡張装置30は、内部に光学部品を収納可能な筐体39、リレー光学系34、分岐部36及び受光部38を備えている。筐体39は、光が入射される入射窓39Aを備えており、内視鏡20から射出された光が入射窓39Aから筐体39の内部に入射されるように、取付部32によって、筐体39を内視鏡20の出射側に取り付けられる。また、入射窓39Aから入射された光は、筐体39の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられたリレー光学系34によってリレーされる。リレー光学系34でリレーされた光により形成された光路は、筐体39の内部に固定又は取り外し可能に取り付けられた分岐部36によって複数に分岐される。分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播した光は、受光部38で受光される。受光部38は、分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播した光を受光可能な位置に固定又は取り外し可能に取り付けられる。このように構成した内視鏡用拡張装置30を用いることによって、1つの内視鏡20を複数の観察機能を有する内視鏡に拡張できる。

【0039】
つまり、内視鏡用拡張装置30は、筐体39及び取付部32を備えており、リレー光学系34、分岐部36、及び受光部38は固定又は着脱可能に筐体39に取り付けられる。

【0040】
詳細には、取付部32は、筐体39に連結されてアイピース26に取り付けられる。つまり、取付部32は、アイピース26に固定する固定部32Aと、固定部32A及び筐体39の互いの位置関係を相対的に調整する取付調整部としての取付調整部32Bとを含んでいる。なお、取付調整部32Bは、図1に示すように、内視鏡20の射出光軸に沿う方向をZ軸とし、Z軸に直交しかつ互いに直交する方向をX軸及びY軸とする3次元空間上で位置調整可能になっている。筐体39は、取付部32が取り付けられた部位に、光が入射される入射窓39Aを備えており、取付部32をアイピース26に取り付けることによって、内視鏡20から射出された光を入射窓39Aから筐体39の内部に入射させることができる。

【0041】
また、取付調整部32Bは、回転位置も調整することができる。例えば、Z軸を中心として筐体39を回転可能にして回転位置を調整することで、像を回転調整をすることができる。また、X軸及びY軸を中心として筐体39を回転可能にして回転位置を調整することで、光軸CLに対して筐体39の向きを調整する、あおり調整をすることができる。従って、取付調整部32Bは、X軸、Y軸及びZ軸の少なくとも1軸を中心として筐体39を回転可能にして回転位置を調整することができるようになっている。

【0042】
リレー光学系34は、内視鏡20を構成するアイピース26の光の射出側に位置するように、筐体39に取り付けられ、入射側の内視鏡20の射出瞳Expを射出側に再結像させる光学系として機能する。つまり、リレー光学系34は、内視鏡20により形成された射出瞳Expを、リレーする。詳細には、リレー光学系34は、入射側の内視鏡20の射出瞳Expを射出側に再結像させるためのレンズ群34Aと、レンズ群34Aを筐体39に連結するアタッチメント34Bと、アタッチメント34Bで連結されたレンズ群34A及び筐体39の互いの位置関係を相対的に調整する位置調整部34Cと、を含んでいる。レンズ群34Aは、第1レンズ系34A-1及び第2レンズ系34A-2を離間して設けたアフォーカル光学系に準じた構成とされ、第1レンズ系34A-1及び第2レンズ系34A-2の焦点距離と間隔の関係から等倍又は一定の倍率で射出瞳Expをリレーする。例えば、第1レンズ系34A-1が焦点距離f1とされ、第2レンズ系34A-2が焦点距離f2とされる場合、第1レンズ系34A-1及び第2レンズ系34A-2を(f1+f2)の距離だけ離間させる。この場合、レンズ群34Aの倍率は、f2/f1になる。

【0043】
なお、位置調整部34Cは、光軸及びレンズ群34Aによる射出瞳Expの位置調整のため、前記取付調整部32Bと同様に、X軸、Y軸、Z軸による3次元空間上で位置調整可能になっている(図1)。また、リレー光学系34は、後側焦点位置まで予め定めた距離を確保するように設計されており、リレー光学系34のレンズ群34Aの後側のレンズ最終面から、リレー光学系34により形成される射出瞳Expまでの間に、後述する分岐部36を設けることができるように、光学空間が形成されるようになっている。

【0044】
分岐部36は、リレー光学系34により形成されたリレー光学系34のレンズ最終面から射出瞳Expまでの間の光学空間に位置するように、筐体39に取り付けられ、リレー光学系34でリレーされた光の光路を複数に分岐するための光学系として機能する。つまり、分岐部36は、リレー光学系34でリレーされた光を複数に分岐する偏向素子36Aと、偏向素子36Aを筐体39に連結するアタッチメント36Bと、アタッチメント36Bで連結された偏向素子36A及び筐体39の互いの位置関係を相対的に調整する位置調整部36Cと、を含んでいる。なお、位置調整部36Cは、分岐光路及び偏向素子36Aにより偏向された射出瞳Expの位置調整のため、前記取付調整部32Bと同様に、X軸、Y軸、Z軸による3次元空間上で位置調整可能になっている(図1)。また、図1に示す例では、偏向素子36Aにより、リレー光学系34でリレーされた光の光路を3つに分岐する光学系を一例として示した。この分岐部36により分岐する光路は3つに限定されるものではなく、2つ以上あればいくつでもよい。

【0045】
なお、第1実施形態に係る内視鏡装置10を、映像観察用のビデオ内視鏡として用いる場合は、1光路でよく、分岐部36は、リレー光学系34でリレーされた光の光路をそのまま通過、または反射(偏向)すればよい。

【0046】
受光部38は、分岐部36を通過した各々の光を受光するように、筐体39に取り付けられ、内視鏡20からの光を受光して、体腔内等の対象物Obを観察するためのデバイスとして機能する。なお、図1に示す例では、分岐部36により、リレー光学系34でリレーされた光の光路が3つに分岐された光路の各々を伝播した光を受光可能な位置に受光部38が取り付けられた場合を示した。また、以下の説明では、分岐部36により、3つに分岐された各光路を伝播した光を受光する受光部38を区別する場合、リレー光学系34の光軸に沿う方向に取り付けた受光部38を受光部38-1と表記して説明する。また、矢印Y方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38を受光部38-2と表記し、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38を受光部38-3と表記して説明する。

【0047】
なお、第1実施形態では、筐体39の内部に収納可能な光学部品として、リレー光学系34、分岐部36及び受光部38の各々を筐体39の内部に取り付けた場合を説明するが、開示の技術は、これらの光学部品の全てを常時固定又は取り外し可能に形成することに限定されない。例えば、リレー光学系34、分岐部36及び受光部38の少なくとも1つを筐体39に固定してもよい。

【0048】
ところで、リレー光学系34を含めた内視鏡用拡張装置30及び内視鏡20の光学系には双方向性がある。つまり、第1実施形態に係る内視鏡装置10は、体腔内等からその外部へ光を取り出すだけでなく、光を外部から体腔内等へ導入することもできる。このため、受光部38に備えるデバイスは、カメラ等で代表される受光型のデバイスだけではなく、体腔内等へ光を導入するために、発光型のデバイスや受発光型のデバイスを用いることができる。この場合、内視鏡用拡張装置30は、受光部38を、送光部として機能するように構成したり、送受光部として機能するように構成すればよい。また、分岐部36は、送光部や送受光部から送光された光をリレー光学系34へ向かう光路へ合波するように構成すればよい。例えば、光路を分岐(偏向)した偏向素子36Aを、逆方向に光を伝播する、つまり、送光部や送受光部から送光された光をリレー光学系34へ案内する光案内素子として機能するように用いればよい。

【0049】
内視鏡用拡張装置30は、制御装置40に接続されており、受光部38で受光した光を用いて体腔内等の対象物Obを表示したり、体腔内等の対象物Obを計測した計測結果を表示したりする。
次に、制御装置40について説明する。

【0050】
図2に、制御装置40を実現可能なコンピュータ構成の一例を示す。制御装置40は、ディスプレイ等の表示部42、装置本体44及びキーボード等の入力部46を備えている。装置本体44は、CPU44A、RAM44B、ROM44C、およびインタフェース(I/O)44Gを備え、これらはバス44Hを介して互いに接続されている。また、バス44Hには、例えば立体像表示プログラム等の制御プログラム44Eを記憶した記憶部44Dが接続されている。また、インタフェース44Gには、受光部38-1、38-2、38-3も接続されている。なお、記憶部44Dは、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性のフラッシュメモリ等によって実現できる。

【0051】
CPU44Aは、立体像表示プログラム等の制御プログラム44Eを記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で受光した光に基づいた体腔内等の対象物Obの表示、体腔内等の対象物Obの計測等の拡張機能が実行される。

【0052】
以上説明したように、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。そして、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に設けられた分岐部36によって、光路が複数に分岐され、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36で分岐(偏向)される。分岐された光路の先には特定の観察機能を実現するデバイスが設けられており、内視鏡20からの光、例えば体腔内等の対象物Obの像を示す光を、分岐部36で分岐した光路に応じた複数のデバイスで利用できる。これによって、アイピース26の最外部と射出瞳Expとの距離は数mmと近接している状態のまま、機能化プラットフォーム31を形成することにより、内視鏡20を複数の観察機能を有する内視鏡装置10に拡張可能な内視鏡用拡張装置30を提供することができる。

【0053】
つまり、1つの内視鏡20をそのまま利用して、複数の観察機能を有する内視鏡装置10に拡張することができる。これは、内視鏡20に機能化プラットフォーム31を有する内視鏡用拡張装置30を取り付けるのみで、専用の観察機能を有する専用の内視鏡として作動する内視鏡装置を構築可能なためである。つまり、既存の内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置30を取り付ける簡単な作業のみで、内視鏡20が、専用の機能を有する内視鏡装置10として扱うことができる。従って、専用の観察機能を有する装置を内視鏡20に取り付ける特別なアタッチメント等の専用接続部を備えることに比べて、簡単な構成及び簡単な作業で、複数の観察機能を有する内視鏡装置10に拡張することができる。

【0054】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、受光部38の一例として、内視鏡20から出射された光を瞳分割した左右の各画像から立体像を形成して提供する立体カメラ装置を用いた場合を説明する。つまり、観察機能の一例として、体腔内等の対象物Obについて立体像を形成して提供するために、左右の眼に対応した2台のカメラ装置を用いた2眼式立体表示の原理による立体カメラ装置を用いたものである。なお、第2実施形態は第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0055】
図3に、第2実施形態に係る内視鏡装置12の構成の一例を示す。第2実施形態に係る内視鏡装置12は、目視観察用の内視鏡20に、内視鏡用拡張装置302が取り付けられたものである。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0056】
第2実施形態に係る内視鏡装置12を構成する内視鏡用拡張装置302は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。第2実施形態では、左右の各画像から立体像を形成するため、リレー光学系34でリレーされた光は、2つに分岐すればよい。従って、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、透過光と反射光とが均等に分岐されるビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子361が設けられ、光学素子361により光路が2光路に分岐される。つまり、光学素子361は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路と、矢印Y方向と逆方向の光路とに分岐する。

【0057】
受光部38は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向に取り付けた受光部38-1と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38-3とを用いる。第2実施形態では、受光部38-2は不要である。受光部38-1及び受光部38-3の各々には、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、これら受光部38-1及び受光部38-3の各々の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。さらに、受光部38-1及び受光部38-3は、視差を確保するため、各々リレー光学系34の光軸CLから所定距離Lthを隔てて、つまり所定のカメラ間隔で取り付けられている。

【0058】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36で分岐されて、視差が確保された左右の各画像として撮像される。このように、分岐部36で分岐した各光路にカメラ装置を取り付けることで、立体像を得ることができる。つまり、機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、透過光と反射光とが均等に分岐されるビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子361を設け、受光部38で、光軸CLから所定距離Lthを隔てて視差を確保し、内視鏡20からの光、例えば体腔内等の対象物Obの像を示す光を受光することで、立体像を形成するための左右の各画像を撮像することができる。

【0059】
第2実施形態に係る内視鏡用拡張装置302は、制御装置40に接続されており、受光部38-1及び受光部38-3で受光した光による視差を有する左右の各画像を用いて体腔内等の対象物Obを、表示部42に立体表示する。

【0060】
従って、第2実施形態では、CPU44Aは、立体像表示プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して立体像表示処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で受光した光に基づいた体腔内等の対象物Obの立体表示の拡張機能が実行される。

【0061】
以上説明したように、第2実施形態では、内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付ける。また、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、透過光と反射光とを均等に分岐する光学素子361を設け、光軸CLから所定距離Lthを隔てて視差を確保したカメラ装置を受光部38に設けることで、立体像を形成するための左右の各画像を撮像することができる。従って、体腔内等の対象物Obの状態を目視観察する状態の内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付けるのみで、立体表示装置として機能する内視鏡装置12を提供することができる。

【0062】
また、第2実施形態では、内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付けるのみで、立体表示装置として機能する内視鏡装置12を提供することができる。つまり、細い挿入部分(例えば5mm程度)を有する既存の内視鏡20を用いて、立体表示装置を実現できる。一方、これまでは、立体像を形成するための左右の各画像を得るために、独立した光路が要求され、内視鏡の挿入部分には一定の直径(例えば10mm)が必要とされていた。これに対して第2実施形態では、既存の内視鏡20を拡張して立体表示装置として機能する内視鏡装置12を提供できるので、これまで困難であった細い挿入部分の内視鏡20であっても、立体表示装置として機能する内視鏡装置12へ拡張可能である。このことは、内視鏡を挿入する対象者(例えば患者)への負担を軽減することに好ましく機能する。

【0063】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、観察機能の一例として、体腔内等の対象物Obについて立体像を形成して提供するために、左右の眼に対応した2台のカメラ装置を用いた2眼式立体表示の原理による立体カメラ装置を用いたものである。なお、第3実施形態は第2実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0064】
図4に、第3実施形態に係る内視鏡装置13の構成の一例を示す。第3実施形態に係る内視鏡装置13は、図2に示す分岐部36に設けられたビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子361に代えて、プリズムミラー等の反射素子362による表面反射で光路を2光路に分岐する。

【0065】
分岐部36には、左右に均等に反射されるプリズムミラー等の反射素子362が設けられ、反射素子362により光路が2光路に分岐される。第3実施形態では、反射素子362の一例として、直角プリズムミラーを用いた場合を説明する。反射素子362は、リレー光学系34の光軸CLに直交する光路で、矢印Y方向に沿う方向の光路と、矢印Y方向と逆方向の光路とに分岐する。また、反射素子362は、頭頂部がリレー光学系34の光軸CLに一致するように取り付けられる。これにより、リレー光学系34でリレーされた光のうち光軸CLを境界とした一方の光は、反射素子362の一方の反射面で、リレー光学系34の光軸CLに直交する矢印Y方向の光路に反射される。一方、リレー光学系34でリレーされた光のうち光軸CLを境界とした他方の光は、反射素子362の他方の反射面で、リレー光学系34の光軸CLに直交する矢印Y方向と逆方向の光路に反射される。

【0066】
受光部38は、矢印Y方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38を受光部38-2と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38-3とを用いる。受光部38-2及び受光部38-3の各々には、第2実施形態と同様に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、これら受光部38-2及び受光部38-3の各々の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。

【0067】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36で分岐されて、視差が確保された左右の各画像として撮像される。

【0068】
以上説明したように、第3実施形態では、内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付け、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、反射素子362を設け、視差を確保するようにカメラ装置を受光部38に設けることで、立体像を形成するための左右の各画像を撮像することができる。従って、体腔内等の対象物Obの状態を目視観察する状態の内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付けるのみで、立体表示装置として機能する内視鏡装置13を提供することができる。

【0069】
また、第3実施形態では、リレー光学系34でリレーされた光を反射素子362で反射するので、光を光学部材を透過させた場合に比べて、光の減衰を抑制することができる。

【0070】
なお、第3実施形態では、プリズムミラー等の偏向素子362を用いて光路を2光路に分岐する場合を説明したが、反射素子362はプリズムミラーに限定されるものではなく、反射面が交差する複数の反射ミラーにより反射素子362を構成してもよい。また、左右の各画像の少なくとも一方の光を反射ミラーにより反射するように反射素子362を構成してもよい。また、第3実施形態では、プリズムミラー等の反射素子362による表面反射で光路を2光路に分岐する場合を説明したが、反射素子362はプリズムの内部で反射するように構成してもよい。

【0071】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態は、受光部38の一例として、例えば体腔内等の対象物Obをカメラ装置により観察する機能に、距離を計測する機能を追加したものである。第4実施形態では、受光部38が、リレー光学系34の光の射出方向と逆方向に、分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む。なお、第4実施形態は第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0072】
図5に、第4実施形態に係る内視鏡装置14の構成の一例を示す。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0073】
第4実施形態に係る内視鏡装置14を構成する内視鏡用拡張装置304は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。内視鏡用拡張装置304は、対象物Obを観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。

【0074】
また、内視鏡用拡張装置304には、内視鏡20の先端から対象物Obまでの距離を計測するための距離センサ383が受光部38に取り付けられる。第4実施形態では、距離センサ383の一例としてタイムオブフライト(TOF)法を用いて赤外光を送受光することにより距離を計測するセンサを用いる。つまり、内視鏡用拡張装置304の受光部38-3には、赤外光を発光する赤外発光部383T及び赤外光を受光する赤外受光部383Rを備えた赤外距離センサ383が取り付けられる。また、射出瞳Expは、赤外距離センサ383のセンサ面と一致させる。タイムオブフライト法は、赤外発光部383Tで赤外光を発光してから対象物Obで反射された赤外光を赤外受光部383Rで受光するまでの経過時間を計測し、経過時間を距離Lに換算する。また、赤外発光部383Tから内視鏡20の先端部までの距離Loは予め求めておくことができるので、減算(=L-Lo)することにより、内視鏡20の先端から対象物Obまでの距離Lzを求めることができる。

【0075】
そこで、第4実施形態では、赤外光を送受光するために、リレー光学系34でリレーされた光の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、赤外光を反射するビームスプリッタやダイクロイックミラー等の赤外反射素子363が設けられ、赤外反射素子363により光路が分岐される。従って、第4実施形態では、赤外反射素子363は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路から、矢印Y方向と逆方向の光路に反射する。または、赤外反射素子363は、受光部38-3からの矢印Y方向の光路から、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向(矢印Z方向と逆方向)の光路に反射する。

【0076】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36に取り付けられた赤外反射素子363を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。イメージセンサ382で撮像した画像は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを観察させることができる。

【0077】
一方、赤外距離センサ383を構成する赤外発光部383Tで赤外光を発光させ、対象物Obで反射した赤外光を赤外受光部383Rで受光する。この経過時間を距離Lに換算し、赤外発光部383Tから内視鏡20の先端部までの距離Loを減算することで、内視鏡20の先端から対象物Obまでの距離Lzを求める。この処理は、制御装置40で処理される。つまり、第4実施形態では、CPU44Aは、距離計測プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して距離計測処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で送受光した赤外光に基づいて対象物Obまでの距離を計測する拡張機能が実行される。CPU44Aは、計測結果を、表示部42に表示させることができる。

【0078】
以上説明したように、第4実施形態では、内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置304を取り付ける。また、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、赤外反射素子363を取り付け、受光部38に取り付けた赤外距離センサ383で発光された赤外光を対象物Obへ照射し、その反射光を受光し、経過時間から距離Lzを求める。従って、体腔内等の対象物Obの状態を目視観察する状態の内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置302を取り付けるのみで、距離計測装置として機能する内視鏡装置14を提供することができる。

【0079】
また、第4実施形態では、可視光が抑制された赤外光を送受光する赤外距離センサ383を用い、波長選択性を有する赤外反射素子363を用いて光路を偏向するので、対象物Obを観察するための可視光の損失を抑えることができる。

【0080】
さらに、例えば腹腔鏡手術のように、内視鏡20を用いて手術を実施する場合に、術者は内視鏡20の先端から臓器までを距離を知ることができ、手術の安全性を向上させることができる。

【0081】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態は、受光部38の一例として、例えば体腔内等の対象物Obをカメラ装置により観察する機能に、対象物Obへ予め定めたパターン画像(マーキングパターン)を投影する機能を追加したものである。第5実施形態では、受光部38が、リレー光学系34の光の射出方向と逆方向に、分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む。なお、第5実施形態は第4実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0082】
図6に、第5実施形態に係る内視鏡装置15の構成の一例を示す。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0083】
第5実施形態に係る内視鏡装置15を構成する内視鏡用拡張装置305は、第4実施形態と同様に、対象物Obを観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、内視鏡用拡張装置305は、対象物Obへ予め定めたパターン画像(マーキングパターン)を投影する機能を備えるために、投影装置384を備えている。

【0084】
つまり、第5実施形態に係る内視鏡装置15を構成する内視鏡用拡張装置305は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。第5実施形態では、投影装置384から射出されたパターン画像を対象物Obへ投影するため、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、透過光と反射光とに分岐されるビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子364が設けられ、光学素子364により光路が2光路に分岐される。従って、光学素子364は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路と、矢印Y方向と逆方向の光路とに分岐される。

【0085】
受光部38は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向に取り付けた受光部38-1と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38-3とを用いる。第5実施形態では、受光部38-2は不要である。受光部38-1には、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、受光部38-3には、投影装置384が取り付けられる。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。

【0086】
第5実施形態では、投影装置384の一例としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いた装置を用いる。MEMSミラーを用いた投影装置384は、MEMSミラー384P及び1又は複数のレーザ装置384Lを備えている。投影装置384は、微小なMEMSミラー384Pを備え、MEMSミラー384Pの反射面にレーザ装置384Lから射出されたレーザ光を照射し、MEMSミラー384Pの傾きを制御することによって、MEMSミラー384Pで反射した反射光を対象物Ob上で走査することで、その走査に応じたパターン画像を対象物Obへ投影する。また、投影装置384では、射出瞳Expと、MEMSミラー384Pの反射面の位置とを一致させる。これにより、対象物Obには、鮮明なパターン画像が投影される。

【0087】
なお、MEMSミラー384Pを用いた投影装置384は、結像レンズなどのレンズ系を用いないため、ぼけが抑制された画像を投影することができる。また、MEMSミラー384Pへレーザ光を照射するレーザ装置384Lは、単色のパターン画像を投影する場合は、単色のレーザ光を射出するレーザ装置384Lを用いればよい。また、複数色によってパターン画像を投影する場合は、複数のレーザ装置384Lを用いればよい。なお、カラーのパターン画像を投影する場合、RGB(赤緑青)の各色を射出するレーザ装置384Lを用いて各色成分を調整することで、カラーのパターン画像を投影することができる。

【0088】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36に取り付けられた光学素子364を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。イメージセンサ382で撮像した画像は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを観察させることができる。

【0089】
一方、投影装置384から射出されたパターン画像は、光学素子364で反射されて対象物Obへ投影される。そして、対象物Obで反射された反射光も分岐部36に取り付けられた光学素子364を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。予め定めたパターン画像を投影する処理は、制御装置40で処理される。つまり、第5実施形態では、CPU44Aは、パターン画像投影プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開してパターン画像投影処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で射出したパターン画像が対象物Obへ投影され、対象物Ob上にパターン画像が投影された状態の画像がカメラ装置で撮像される拡張機能が実行される。CPU44Aは、撮像画像を、表示部42に表示させることができる。

【0090】
以上説明したように、第5実施形態では、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、光学素子364を取り付け、受光部38に取り付けた投影装置384で射出されたパターン画像を対象物Obへ投影し、パターン画像が投影された対象物Obを撮像する。従って、体腔内等の対象物Obの状態を観察する場合に、パターン画像により対象物上に目標を定めたり、空間把握したりすることができる投影装置として機能する内視鏡装置15を提供することができる。

【0091】
また、例えば腹腔鏡手術のように、内視鏡20を用いて手術を実施する場合に、術者は内視鏡20による撮像画像を参照しつつ、投影装置384で術野をマーキングすることができ、手術器具の誘導や注目すべき術野の指定をすることが容易になり、施術の進行を促進したり安全性を向上させたりすることができる。

【0092】
さらに、第5実施形態では、投影装置384で投影する投影光にレーザ光を用いているので、単色のレーザ光を用いて、波長選択性を有する光学素子364により光路を分岐すれば、対象物Obを観察するための可視光の損失を抑えることができる。

【0093】
さらにまた、投影装置384でカラーのパターン画像を投影する一例としてRGBの各色を射出するレーザ光を用い、RGB各色のレーザ光の波長のみを反射する波長選択性を有する光学素子364により光路を分岐すれば、各レーザ光の波長のみの光減衰で抑えることができ、対象物Obを観察するための可視光の損失を抑えることができる。

【0094】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態は、受光部38の一例として、例えば体腔内等の対象物Obをカメラ装置により観察する機能に、対象物Obの三次元形状を計測する機能を追加したものである。体腔内等の対象物Obの三次元形状を計測する場合、内視鏡20の先端部の面積が小さいため、三角測量の原理を用いたステレオカメラ法、光切断法及びモアレ計測法等の三次元計測方法では対象物Obの三次元形状を計測することは困難である。そこで、第6実施形態では、第4実施形態で用いたタイムオブフライト(TOF)法を利用して対象物Obの三次元形状を計測する。なお、第6実施形態は第4実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0095】
図7に、第6実施形態に係る内視鏡装置16の構成の一例を示す。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0096】
第6実施形態に係る内視鏡装置16を構成する内視鏡用拡張装置306は、第4実施形態と同様に、対象物Obを観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。つまり、第6実施形態に係る内視鏡装置16を構成する内視鏡用拡張装置306は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。

【0097】
また、第6実施形態に係る内視鏡用拡張装置306は、タイムオブフライト(TOF)法を利用して対象物Obの三次元形状を計測する機能を備えるために、赤外光源385及びTOFデプスカメラ386を備えている。赤外光源385は、赤外光を発光するものである。TOFデプスカメラ386は、二次元的な距離分布を求めるものであり、レンズ386L及びTOFイメージセンサ386を備えている。つまり、赤外光源385で赤外光を発光してから対象物Obで反射された赤外光をTOFデプスカメラ386でセンサ面の各位置で受光するまでを計測した経過時間を距離に換算し、各位置の距離(TOFイメージセンサ386面上の時間差)により、対象物Obの三次元形状を求めることができる。言い換えれば、赤外光源385で発光された赤外光は、対象物Obに照射され、照射された赤外光により三次元形状に応じて反射された対象物Obの反射光を、TOFイメージセンサ386により受光し、TOFイメージセンサ386に到達した赤外光の時間差を解析することで、対象物Obの2次元的な奥行き分布を求めることができる。

【0098】
そこで、第6実施形態では、赤外光源385から射出された赤外光を対象物Obへ照射するため、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、赤外光を反射するビームスプリッタやダイクロイックミラー等の赤外反射素子365が設けられ、赤外反射素子365により光路が分岐される。赤外反射素子365は、受光部38-2からの矢印Y方向と逆方向の光路から、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向(矢印Z方向と逆方向)の光路に反射する光路を形成する。

【0099】
また、第6実施形態では、対象物Obの反射光を検出するために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、赤外光を反射するビームスプリッタやダイクロイックミラー等の赤外反射素子366が設けられ、赤外反射素子366により光路が分岐される。つまり、赤外反射素子366は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向(矢印Z方向)の光路から、受光部38-3へ向かう矢印Y方向と逆方向の光路に反射する光路を形成する。

【0100】
受光部38は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向に取り付けた受光部38-1と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播される発光部として機能する受光部38-2と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38-3とを用いる。受光部38-1には、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含む通常観察用のカメラ装置が取り付けられる。また、受光部38-2には、赤外光源385が取り付けられ、受光部38-3には、TOFイメージセンサ386が取り付けられる。

【0101】
第6実施形態では、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36に取り付けられた赤外反射素子365及び赤外反射素子366を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。イメージセンサ382で撮像した画像は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを観察させることができる。

【0102】
一方、赤外光源385から射出された赤外光は、赤外反射素子365で反射されて対象物Obへ照射される。そして、対象物Obで反射された反射光は分岐部36に取り付けられた赤外反射素子366で反射され、受光部38-3に取り付けられたTOFイメージセンサ386へ至る。

【0103】
TOFイメージセンサ386の検出結果から対象物Obの三次元形状を演算する処理は、制御装置40で処理される。つまり、CPU44Aは、TOFイメージセンサ386で撮像された撮像画像を、解析し、対象物Obの三次元形状を演算する。この場合、CPU44Aは、三次元形状演算プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して三次元形状演算処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で射出した構造光が対象物Ob表面における反射光に応じた対象物Obの三次元形状を求める拡張機能が実行される。なお、CPU44Aは、対象物Obの三次元形状を演算結果を表示部42に表示させることができる。

【0104】
以上説明したように、第6実施形態では、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、赤外反射素子365、366を取り付け、受光部38に取り付けた赤外光源385により赤外光を対象物Obへ照射し、対象物Ob表面における反射光をTOFイメージセンサ386で撮像する。そして、TOFイメージセンサ386で撮像した撮像画像を解析することにより、対象物Obの三次元形状を求める。従って、体腔内等の対象物Obの状態を観察する場合に、対象物Obの三次元形状を計測する機能を有した内視鏡装置16を提供することができる。

【0105】
また、例えば腹腔鏡手術のように、内視鏡20を用いて手術を実施する場合に、施術中に、術者は内視鏡20による撮像画像を参照しつつ、対象物Obである臓器の三次元形状を計測することができる。

【0106】
さらに、第6実施形態では、赤外反射素子366を、波長選択性を有する光学素子、つまり可視光が抑制された赤外光を反射する光学素子を用いているので、対象物Obを観察するための可視光の損失を抑えることができる。

【0107】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態を説明する。第7実施形態は、受光部38の一例として、例えば体腔内等の対象物Obをカメラ装置による通常の観察機能に、蛍光観察機能を追加したものである。第7実施形態では、受光部38が、リレー光学系34の光の射出方向と逆方向に、分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む。なお、第7実施形態は第6実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0108】
例えば、体腔内等の対象物Obに紫外光や青色光の励起光源による励起光を照射した際に、治療の必要性を有する患部で特有の蛍光発光を生じる場合がある。そこで、励起光をカットする波長フィルタをカメラ装置に取り付けて撮影することで、特有の蛍光発光した部位を撮像することができ、患部を判別することが可能になる。第7実施形態は、励起光の照射による患部の蛍光発光を観察可能にしたものである。

【0109】
図8に、第7実施形態に係る内視鏡装置17の構成の一例を示す。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0110】
第7実施形態に係る内視鏡装置17を構成する内視鏡用拡張装置307は、第6実施形態と同様に、対象物Obを観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられ、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させている。

【0111】
また、第7実施形態に係る内視鏡用拡張装置307は、対象物Obに対する蛍光観察機能を備えるために、励起光源387及び蛍光観察用カメラ装置388を備えている。励起光源387は、紫外光や青色光等の励起光を発光するもので、発光された励起光は、対象物Obに照射される。蛍光観察用カメラ装置388は、励起光により励起され発光した蛍光発光部位を撮像するために、励起光をカットする波長フィルタ388F,結像レンズ388L及びイメージセンサ388Sを含んでいる。

【0112】
第7実施形態では、励起光源387から射出された励起光を対象物Obへ照射するため、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、励起光を反射するビームスプリッタ等の励起光反射素子367が設けられ、励起光反射素子367により光路が分岐される。励起光反射素子367は、受光部38-2からの矢印Y方向と逆方向の光路から、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向(矢印Z方向と逆方向)の光路に反射する光路を形成する。

【0113】
また、第7実施形態では、対象物Obの励起光により励起された蛍光発光を検出するために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、蛍光発光を反射するビームスプリッタ等の蛍光反射素子368が設けられ、蛍光反射素子368により光路が分岐される。つまり、蛍光反射素子368は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向(矢印Z方向)の光路から、受光部38-3へ向かう矢印Y方向と逆方向の光路に蛍光を反射する光路を形成する。

【0114】
受光部38は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向に取り付けた受光部38-1と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播される励起光の発光部として機能する受光部38-2と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した蛍光発光を受光する受光部38-3とを用いる。受光部38-1には、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含む通常観察用のカメラ装置が取り付けられる。また、受光部38-2には、励起光源387が取り付けられ、受光部38-3には、蛍光観察用カメラ装置388が取り付けられる。

【0115】
第7実施形態では、リレー光学系34でリレーされた通常光は、分岐部36に取り付けられた励起光反射素子367及び蛍光反射素子368を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。イメージセンサ382で撮像した画像は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを観察させることができる。

【0116】
一方、励起光源387から射出された励起光は、励起光反射素子367で反射されて対象物Obへ照射される。そして、対象物Obで励起光により励起されて蛍光発光した光は分岐部36に取り付けられた蛍光反射素子368で反射され、受光部38-3に取り付けられた蛍光観察用カメラ装置388へ至る。通常のカメラ装置による撮像画像と蛍光観察用カメラ装置388による撮像画像とは、制御装置40で処理され、表示部42に、各々別々に、または重ね合わせた画像処理が施されて表示される。つまり、第7実施形態では、CPU44Aは、蛍光観察プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して蛍光観察処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で励起光により励起された蛍光光が対象物Obの撮像画像と並べて、または重ね合わされて表示される拡張機能が実行される。

【0117】
以上説明したように、第7実施形態では、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、励起光反射素子367、及び蛍光反射素子368を取り付け、受光部38に取り付けた励起光源387で射出された励起光を対象物Obへ照射し、励起された蛍光発光が蛍光観察用カメラ装置388で撮像される。従って、体腔内等の対象物Obの状態を観察する場合に、体腔内等の対象物Obに、治療の必要性を有する患部で特有の蛍光発光を生じる部位を撮像することができ、患部を判別する支援を可能ににする機能を有した内視鏡装置17を提供することができる。

【0118】
また、例えば腹腔鏡手術のように、内視鏡20を用いて患部を観察する場合に、自家蛍光観察(AFI)により悪性腫瘍を判別することができる。

【0119】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態を説明する。第8実施形態は、受光部38の一例として、例えば体腔内等の対象物Obをカメラ装置により観察する機能に、対象物Obの組織表面下の数mmの組織情報を測定する機能を追加したものである。第8実施形態では、受光部38が、リレー光学系34の光の射出方向と逆方向に、分岐部36で分岐された何れかの光路を伝播するように、発光する発光部を含む。なお、第8実施形態は第4実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0120】
図9に、第8実施形態に係る内視鏡装置18の構成の一例を示す。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0121】
第8実施形態に係る内視鏡装置18を構成する内視鏡用拡張装置308は、第4実施形態と同様に、対象物Obを観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置は、受光部38-1の結像レンズ381の入射瞳に射出瞳Expが位置するように取り付けられる。また、内視鏡用拡張装置308は、対象物Obの組織表面下の数mmの組織情報を測定する機能を備えるために、内部構造測定装置389を備えている。

【0122】
第8実施形態では、内部構造測定装置389の一例として眼底の組織検査などで利用されている光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の技術を用いる。光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、対象物Obで反射した光と参照光の低コヒーレンス干渉を用いて、生体表面から数mm程度の生体内部の構造を測定する技術である。つまり、レーザ光等のコヒーレント光では、ハーフミラー等で分岐した光を反射ミラーで戻し、合波させた場合、2光路の光路差に応じて干渉が生じる。ところが、白色光のような低コヒーレント光では、2光路の光路差が一致した場合に干渉が生じる。そこで、2光路の一方の光路の反射ミラーを光軸方向に移動させると、他方の光路上で同一距離にある情報を得ることができる。従って、他方の光路を対象物表面の法線方向に設定すれば、対象物Obの組織表面下の組織情報を測定することが可能になる。なお、反射ミラーの移動に代えて、分光器で検出されるスペクトル分布を解析することで、奥行き方向(深さ方向)の分布を得る技術も知られている。また、光源に周波数可変レーザを用いて、奥行き方向(深さ方向)の分布を得る技術も知られている。第8実施形態では、反射ミラーの移動に代えて、分光器であられるスペクトル分布を解析することで、対象物Obの組織表面下の数mmの組織情報を測定する場合を一例として説明する。

【0123】
第8実施形態に係る内視鏡装置18を構成する内視鏡用拡張装置308は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。第8実施形態では、対象物Obの組織表面下の組織情報を測定するため、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を2つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、詳細を後述する、内部構造測定装置389から射出された光を反射すると共に、対象物Obでの反射光を反射するビームスプリッタ等の光学素子369が設けられ、光学素子369により光路が2光路に分岐される。つまり、光学素子369は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路と、矢印Y方向と逆方向の光路とに分岐される。

【0124】
受光部38は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向に取り付けた受光部38-1と、矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38-3とを用いる。第8実施形態では、受光部38-2は不要である。受光部38-1には、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられる。また、受光部38-3には、内部構造測定装置389が取り付けられる。

【0125】
第8実施形態では、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を一例として用いる内部構造測定装置389は、低コヒーレント光源389A、及び分光器389Bを備えている。低コヒーレント光源389Aには、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を用いることができる。低コヒーレント光源389Aは、一端がカプラ389Cに接続されたファイバ389F-1の他端に接続される。また、カプラ389Cにはファイバ389F-2の一端も接続されており、ファイバ389F-2の他端は、矢印Y方向と逆方向の光路へ案内するミラー389Dへ接続される。第8実施形態では、ミラー389Dは、1次元走査又は2次元走査を可能とするスキャナとして機能するようにMEMSミラーを用いている。以下、MEMSミラー389Dと表記する。MEMSミラー389Dはリレー光学系34の射出瞳Expと一致するように配置されている。一方、分光器389Bは、一端がカプラ389Cに接続されたファイバ389G-1の他端に接続される。また、カプラ389Cにはファイバ389G-2の一端も接続されており、ファイバ389G-2の他端は、参照ミラー389Eに接続される。なお、ファイバ389G-2は、内視鏡20、内視鏡用拡張装置308、及び内視鏡用拡張装置内の光路長に合わせた距離となるように長さが調整される。また、ファイバ389F-1及びF-2並びにファイバ389G-1及びG-2は、低コヒーレント光源389A、及び分光器389Bに近い位置で、カプラ389Cに接続される。

【0126】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36に取り付けられた光学素子369を通過し、受光部38-1に取り付けられた結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置へ至る。イメージセンサ382で撮像した画像は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを観察させることができる。

【0127】
一方、低コヒーレント光源389Aから射出された光は、光学素子369で反射されて対象物Obへ照射される。そして、対象物Obで反射された反射光が光学素子369で反射され、分光器389Bによりスペクトル分布が検出される。検出されたスペクトル分布を解析することで、対象物Obの組織表面下の組織情報を得る。分光器389Bで検出されるスペクトル分布を解析する処理は、制御装置40で処理される。つまり、第8実施形態では、CPU44Aは、解析プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して解析処理を実行する。これによって、内視鏡用拡張装置30で射出した低コヒーレント光による対象物Obの組織表面下が測定される拡張機能が実行される。CPU44Aは、解析結果を、表示部42に表示させることができる。

【0128】
これによって、MEMSミラー389Dで対象物Obをスキャンすることにより、対象物Obの表面近傍の断層画像を得ることができる。例えば、対象物Obへ照射する光(ビーム)を1次元走査すれば対象物Obの組織表面下の2次元情報を得ることができる。また、2次元走査すれば対象物Obの組織表面下の3次元情報を得ることができる。

【0129】
以上説明したように、第8実施形態では、内視鏡用拡張装置302に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、光学素子369を取り付け、受光部38に取り付けた、内部構造測定装置389で対象物Obの組織表面下の組織情報を得る。従って、体腔内等の対象物Obの状態を観察する場合に、内部構造測定装置389で同時に対象物Obの組織表面下の組織情報を得ることができる測定装置として機能する内視鏡装置18を提供することができる。

【0130】
また、例えば腹腔鏡手術のような施術中に、低コヒーレント光の照射によって、組織の内部状態を検査できるため、組織の切除を必要とする生検の回数を減らすことができる。

【0131】
さらに、第8実施形態では、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)では、人体に対する透過性が高い赤外光を利用することができるため、波長選択性のあるビームスプリッタを用いることで、光の損失を抑えることができる。

【0132】
[第9実施形態]
次に、第9実施形態を説明する。第9実施形態は、受光部38の一例として、受光部38の各々にカメラ装置を取り付けた場合を説明する。また、第9実施形態は、カメラ装置の一例として、ハイビジョンカメラの4倍の高画質化したカメラ装置(所謂、4K解像度のカメラ装置)として機能する内視鏡用拡張装置を提供するものである。なお、第9実施形態は第1実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0133】
図10に、第9実施形態に係る内視鏡装置19の構成の一例を示す。第9実施形態に係る内視鏡装置19は、目視観察用の内視鏡20に、内視鏡用拡張装置309が取り付けられたものである。なお、内視鏡20は、第1実施形態と同様の構成のため、詳細な説明を省略する。

【0134】
第9実施形態に係る内視鏡装置19を構成する内視鏡用拡張装置309は、第1実施形態と同様に、内視鏡20の射出瞳Expを、リレー光学系34を用いてアイピース26から離れた位置に移動させる。第9実施形態では、所謂4K解像度の高画質化画像を得るために、リレー光学系34でリレーされた光は、4つに分岐する。つまり、リレー光学系34と、移動された射出瞳Expとの間に位置する分岐部36には、透過光と反射光とを分岐されるビームスプリッタやハーフミラー等の光学素子が設けられる。

【0135】
図10に示す例では、分岐部36は、リレー光学系34でリレーされた光を4光路に分岐するために、各々光路を2分岐するプリズムミラーなどの偏向素子374、375、376を含んでいる。これらの偏向素子374、375、376は、後述する受光部の各々に均等に光が照射されるように透過光と反射光とを分岐する。例えば、偏向素子374は、反射光と透過光とが均等になるように分岐する。つまり、偏向素子374は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路と、矢印Y方向と逆方向の光路とに分岐する。また、偏向素子375は、矢印Y方向と逆方向の光路と、矢印Z方向(光軸CLに沿う方向)の光路とに分岐する。さらに、偏向素子376は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路と、矢印Y方向の光路とに分岐する。

【0136】
受光部38は、受光部38-1と、受光部38-2と、受光部38-3とを含む。受光部38-1は、偏向素子374、376を透過し、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を伝播した光を受光する受光部である。また、受光部38-2は、偏向素子374の透過後に偏向素子376により矢印Y方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部である。さらに、受光部38-3は、偏向素子374により矢印Y方向と逆方向に分岐された光路を伝播した光を受光する受光部である。受光部38-3は、受光部38-3A及び受光部38-3Bを含んでおり、受光部38-3Aは、偏向素子374の反射後に偏向素子375を透過し、矢印Y方向と逆方向の光路を伝播した光を受光する。また、受光部38-3Bは、偏向素子374及び偏向素子375を反射し、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路を伝播した光を受光する。

【0137】
第9実施形態では、受光部38-1、38-2及び38-3(38-3Aと38-3B)の各々には、ハイビジョン用の結像レンズ371及びイメージセンサ372を含むハイビジョンカメラ装置370が取り付けられる。また、これら受光部38の各々の結像レンズ371の入射瞳に射出瞳Expが位置するように結像レンズ371及びイメージセンサ372を含むハイビジョンカメラ装置370が取り付けられる。また、第9実施形態では、受光部38-1、38-2及び38-3(38-3Aと38-3B)の各々には、内視鏡用拡張装置309をハイビジョンカメラの4倍の高画質化したカメラ装置として機能させるため、例えば、結像レンズ371の光軸から所定量だけずらしてイメージセンサ372を取り付ける。具体的には、受光部38-1のハイビジョンカメラ装置を基準にして、受光部38-2では右側に半画素分ずらし、受光部38-3Aでは上側に半画素分ずらし、受光部38-3Bでは右側に半画素分と上側に半画素分ずらす。

【0138】
また、例えば、対象物Obの画像領域を縦横に4分割し、分割した小領域をハイビジョンカメラ装置370の撮像領域に設定し、右上、右下、左上、及び左下の各画像領域を担当するハイビジョンカメラ装置370で撮像するようにしてもよい。これは、結像レンズ371に対してイメージセンサ372の位置を、撮像領域の設定と上下左右に反転して、左下、左上、右下、および右上にずらすことで実現できる。この場合、各ハイビジョンカメラ装置370で撮像された画像を連結することにより、縦横の各々に2倍の画素の画像を得ることができる。

【0139】
従って、リレー光学系34でリレーされた光は、分岐部36で分岐されて、各光路にハイビジョンカメラ装置370を取り付けることで、ハイビジョンカメラの4倍の高画質画像を得ることができる。

【0140】
なお、第9実施形態に係る内視鏡用拡張装置309は、制御装置40に接続されており、受光部38-1、38-2及び38-3(38-3Aと38-3B)の各々で撮像した各画像を用いて体腔内等の対象物Obを、高画質して表示部42に表示する。表示部42への対象物Obの表示処理は、制御装置40により実行される。つまり、第9実施形態では、CPU44Aは、高画質表示プログラムを制御プログラム44Eとして記憶部44Dから読み出してRAM44Bに展開して高画質表示処理を実行する。これによって、第9実施形態では、内視鏡用拡張装置309で受光した光に基づいた体腔内等の対象物Obの高画質表示の拡張機能が実行される。

【0141】
また、第9実施形態では、高画質化画像の一例として、4つのハイビジョンカメラ装置370によって、縦横の各々に2倍の画素の画像を得て、ハイビジョンカメラ装置の4倍に高画質化したカメラ装置として機能させる場合を説明したが、縦横の何れか一方に2倍の画素の画像を得て、縦横の何れか一方の方向に2倍に高画質化したカメラ装置として機能させてもよい。また、3台以上のカメラを備えて3倍以上に高画質化したカメラ装置として機能させてもよい。

【0142】
以上説明したように、第9実施形態では、内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置309を取り付ける。また、内視鏡用拡張装置309に含まれる機能化プラットフォーム31を構成する分岐部36に、透過光と反射光とを均等に分岐する偏向素子374、376を設け、ハイビジョンカメラ装置370を受光部38の各々に設けることで、上下左右の各画像を撮像することができる。従って、体腔内等の対象物Obの状態を目視観察する状態の内視鏡20のアイピース26に、内視鏡用拡張装置309を取り付けるのみで、高画質表示装置として機能する内視鏡装置19を提供することができる。

【0143】
[第10実施形態]
次に、第10実施形態を説明する。第10実施形態は、受光部38の一例として、立体像を提供する立体カメラ装置、及び対象物Obの組織表面下の組織情報を測定する測定装置を含む場合を説明する。なお、第10実施形態は、第2実施形態及び第8実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0144】
図11に、第10実施形態に係る内視鏡装置12Xの構成の一例を示す。第10実施形態に係る内視鏡装置12Xは、目視観察用の内視鏡20に、内視鏡用拡張装置310が取り付けられたものである。内視鏡用拡張装置310は、第2実施形態の内視鏡用拡張装置302(図3)と、第8実施形態の内視鏡用拡張装置308(図9)との各々の主要な構成を含んでいる。

【0145】
詳細には、内視鏡用拡張装置310では、第1機能として、対象物Obの立体表示の拡張機能を実現するために、リレー光学系34でリレーされた光が、光学素子361により分岐され、受光部38-1と、受光部38-3とに向うように構成される。

【0146】
受光部38-1及び受光部38-3の各々は、カメラ装置として結像レンズ381及びイメージセンサ382を含み、視差を確保するために光軸CLから所定距離Lthを隔てて、つまり所定のカメラ間隔で取り付けられる。従って、受光部38-1及び受光部38-3の各々のイメージセンサ382で、視差が確保された立体像を形成するための左右の各画像が撮像される。イメージセンサ382で撮像した画像各々は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを立体像として観察者に観察させることができる。

【0147】
次に、第2機能として、組織表面測定機能を実現するために、リレー光学系34の下流側に光学素子369及び受光部38-2としての内部構造測定装置389が設けられ、内部構造測定装置389に関する光を利用可能に光学素子369で光路が2光路に分岐される。つまり、光学素子369は、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の光路の一部を、矢印Y方向の光路に分岐する。これにより、リレー光学系34でリレーされた光の一部は、光学素子369により矢印Y方向へ伝播され、内部構造測定装置389へ向かう。一方、内部構造測定装置389からの光は、矢印Y方向と逆方向に伝播され、光学素子369により光軸CLに沿う方向にリレー光学系34へ向かう。

【0148】
内部構造測定装置389は、第8実施形態で説明したように、対象物Obの組織表面下の数mmの組織情報を測定する。つまり、低コヒーレント光源389Aから射出された光は、光学素子369で反射されて対象物Obへ照射されて、対象物Obで反射された反射光が光学素子369で反射され、分光器389Bによりスペクトル分布が検出される。制御装置40は、検出されたスペクトル分布を解析して、対象物Obの組織表面下の組織情報を得る。制御装置40は、解析結果を、表示部42に表示させることにより、対象物Obの組織表面下の組織情報を観察者に提示する。つまり、MEMSミラー389Dで対象物Obをスキャンすることにより、対象物Obの表面近傍の断層画像を提供することができる。例えば、対象物Obへの照射光の1次元走査により対象物Obの組織表面下の2次元情報を得ることができ、2次元走査すれば対象物Obの組織表面下の3次元情報を得ることができる。

【0149】
以上説明したように、第10実施形態では、プラットフォーム31によって、立体像を形成して提供する機能と組織表面測定機能とを同時に提供可能な内視鏡用拡張装置310を提供する。従って、観察者は、対象物Obの立体像を観察しつつ、対象物Obの視野範囲内(観察している立体像)における組織表面下の組織情報を得ることができる。これによって、例えば体腔内等の状態を観察する場合に、体腔内等の表面部位の立体像を観察し、観察者が注目する注目部位を観察している際に、注目部位の組織表面下の組織情報を同時に得ることができる。このため、観察者は、対象物Obの立体像を観察する機能と、対象物Obの組織表面下の組織情報を得る機能の双方を実行するために、機能毎の専用の内視鏡装置10に交換する必要はない。

【0150】
なお、体腔内等の表面部位の立体像を観察しながら、観察者が注目する注目部位を探索して、探索した注目部位についてのみ、内部構造測定装置389が組織表面下の組織情報を出力するようにしてもよい。この場合、観察者が注目部位の立体像を観察しているときにキーボード等の入力部46を操作して内部構造測定装置389により組織表面下の組織情報が出力されるようにすればよい。このようにすることで、常時、組織表面下の組織情報を得る場合と比較して、観察者が注目したい部位のみの組織表面下の組織情報を得ることができる。

【0151】
また、第10実施形態では、立体像を形成して提供する機能を実現する構成は、所謂3D(ディメンジョン)ユニットとして扱いことができ、同時に提供可能な組織表面測定機能を実現する構成を含めて4Dユニットとして提供することができる。この組織表面測定機能を実現する構成として、赤外波長域の光(赤外光)を用いることで、組織表面測定するための光が立体像を観察するための画像として撮像されることを抑制して、立体像を形成して提供する機能と、組織表面測定機能とを共存させることができる。また、立体像を形成して提供する機能と、組織表面測定機能とについて光損失を抑制した射出瞳の多重化を実現することができる。

【0152】
さらに、第10実施形態では、対象物Obをスキャンする組織表面測定機能により、対象物Obの表面近傍の断層画像を得ることができる。この対象物Obの表面近傍の断層画像から、組織表面を画像処理して各位置の3次元座標を求めることができ、組織表面におけるスキャンラインの3次元形状を決定することもできる。これによって、対象物Obの立体像を形成する左右の画像にスキャンラインをレンダリングすることで、段像画像を立体的に表示することもできる。また、断層画像を立体像にオーバレイすることによって、4D画像として観察者に提示することができる。

【0153】
[第11実施形態]
次に、第11実施形態を説明する。第11実施形態は、受光部38の一例として、立体像を提供する立体カメラ装置と、高画質カメラ装置とを含む場合を説明する。なお、第11実施形態は第2実施形態及び第9実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0154】
図12に、第11実施形態に係る内視鏡装置19Xの構成の一例を示す。第11実施形態に係る内視鏡装置19Xは、目視観察用の内視鏡20に、内視鏡用拡張装置311が取り付けられたものである。内視鏡用拡張装置311は、第2実施形態の内視鏡用拡張装置302(図3)と、第9実施形態の内視鏡用拡張装置309(図10)との各々の主要な構成を含んでいる。

【0155】
詳細には、内視鏡用拡張装置311では、第1機能として、高画質機能を実現するために、リレー光学系34でリレーされた光が、光学素子374、375、376により分岐され、受光部38-1、受光部38-2、及び受光部38-3(受光部38-3Aと受光部38-3B)に向うように構成される。

【0156】
受光部の各々には、ハイビジョン用の結像レンズ371及びイメージセンサ372を含むハイビジョンカメラ装置370が取り付けられる。また、受光部38-1、38-2及び38-3(38-3Aと38-3B)の各々は、第9実施形態と同様に、高画質化したカメラ装置として機能させるため、例えば、結像レンズ371の光軸から所定量だけずらしてイメージセンサ372を取り付ける。

【0157】
また、第11実施形態では、一部のハイビジョンカメラ装置370を、第2機能である対象物Obの立体表示の拡張機能を実現するためのカメラ装置と兼用させている。図12に示す例では、受光部38-3Aを、視差を確保するために光軸CLから所定距離Lthを隔てて、つまり所定のカメラ間隔で取り付けられる。例えば、対象物Obの画像領域を縦横に4分割した小領域の各々を撮像領域に設定し、ハイビジョンカメラ装置370で右上、右下、左上、及び左下の各画像領域を担当させることで、高画質画像の撮像を実現させることができる。

【0158】
受光部38-3Aのハイビジョンカメラ装置370(受光部38-3A)は、後述する第2機能である立体像の観察機能を実現するためのカメラ装置と兼用させるので、兼用するハイビジョンカメラ装置370(受光部38-3A)に設定された対象物Obの画像領域を4分割した小領域の撮像領域からずれが生じる場合がある。この場合、兼用するハイビジョンカメラ装置370(受光部38-3A)は、第1機能として高画質画像を撮像する場合には設置位置による撮像領域から、設定された小領域の撮像領域を抽出して用いるようにすればよい。この画像処理は制御装置40によって実現することができる。

【0159】
次に、第2機能として、立体像の観察機能を実現するために、リレー光学系34の下流側に光学素子361が設けられ、リレー光学系34でリレーされた光が、光学素子361により分岐され、受光部38-2X(図3に示す受光部38-1として機能する)と、受光部38-3A(図3に示す受光部38-3として機能する)とに向うように構成される。

【0160】
受光部38-2X及び受光部38-3Aの各々は、視差を確保するために光軸CLから所定距離Lthを隔てて、つまり所定のカメラ間隔で取り付けられる。従って、受光部38-2Xのイメージセンサ382と、受光部38-3Aのイメージセンサ372とにより、視差が確保された立体像を形成するための左右の各画像が撮像される。撮像した画像各々は、制御装置40の表示部42に表示され、対象物Obを立体像として観察者に観察させることができる。

【0161】
ところで、受光部38-2Xのイメージセンサ382と、受光部38-3Aのイメージセンサ372とでは、画質が相違する場合がある。そこで、受光部38-2Xが通常画質のカメラ装置である場合、受光部38-3Aによる撮像画像の画質を、通常画質に変換する画像処理を施してもよい。通常画質に変換する画像処理は制御装置40によって実現することができる。なお、受光部38-2Xをハイビジョン用の結像レンズ371及びイメージセンサ372を含むハイビジョンカメラ装置370を用いて画質を一致させてもよい。

【0162】
以上説明したように、第11実施形態では、プラットフォーム31によって、立体像の観察機能と高画質機能とを同時に提供可能な内視鏡用拡張装置311を提供する。従って、観察者は、対象物Obの立体像を観察しつつ、対象物Obを高画質で観察することができる。これによって、例えば体腔内等の状態を観察する場合に、体腔内等の表面部位の立体像を観察し、観察者が注目する注目部位の立体像を観察している際に、注目部位を、より詳細に観察するために高画質で参照することができる。このため、観察者は、対象物Obの立体像の観察機能と、対象物Obを高画質で観察する機能の双方を実行するために、機能毎の専用の内視鏡装置10に交換する必要はない。

【0163】
なお、体腔内等の表面部位の立体像の画像と、高画質の画像とは、常時双方の画像を提示してもよく、何れか一方を提示してもよい。なお、観察者が立体像を観察しつつ注目する注目部位を探索して、探索した注目部位についてのみ、高画質の画像を提示するようにしてもよい。この場合、観察者が注目部位の立体像を観察しているときにキーボード等の入力部46を操作して高画質画像が表示されるようにすればよい。このようにすることで、常時、立体像の画像と、高画質の画像とを共に提示する場合と比較して、観察者は視線を変更せずに同じ画面で観察すればよく、観察者に対して詳細な観察を希望する注目部位について高画質の画像を提供することができる。

【0164】
[第12実施形態]
次に、第12実施形態を説明する。第12実施形態は、受光部38の一例として、蛍光観察機能を提供する蛍光観察装置と、対象物Obへパターン画像を投影する機能を提供する投影装置を含む場合を説明する。なお、第12実施形態は第5実施形態及び第7実施形態と同様の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。

【0165】
図13に、第12実施形態に係る内視鏡装置17Xの構成の一例を示す。第12実施形態に係る内視鏡装置17Xは、目視観察用の内視鏡20に、内視鏡用拡張装置312が取り付けられたものである。内視鏡用拡張装置312は、第5実施形態の内視鏡用拡張装置305(図6)と、第7実施形態の内視鏡用拡張装置307(図8)との各々の主要な構成を含んでいる。

【0166】
詳細には、内視鏡用拡張装置312は、第1機能として、蛍光観察機能を実現するために、受光部38-2に設けられた励起光源387と、励起光をカットする波長フィルタ388F、結像レンズ388L、及びイメージセンサ388Sを含む受光部38-3に設けられた蛍光観察用カメラ装置388と、を備えている。つまり、内視鏡用拡張装置312は、励起光反射素子367を備えて励起光源387からの励起光が対象物Obに照射されるように構成され、リレー光学系34でリレーされた光(蛍光)が、光学素子368により分岐され、受光部38-3に向うように構成される。

【0167】
なお、内視鏡用拡張装置312は、対象物Obを通常状態で観察する機能を備えるために、リレー光学系34の光軸CLに沿う方向の受光部38-1に、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含むカメラ装置が取り付けられている。

【0168】
通常のカメラ装置による撮像画像と、蛍光観察用カメラ装置388による撮像画像とは、制御装置40で処理され、表示部42に、各々別々に、または重ね合わせた画像処理が施されて表示される。つまり、内視鏡用拡張装置30で励起光により励起された蛍光による撮像画像が対象物Obの撮像画像と並べて、または重ね合わされて表示される。これにより、通常の撮像画像と、蛍光による撮像画像とを表示して、観察者に対象物Obを観察させることができる。

【0169】
次に、第2機能として、対象物Obへパターン画像を投影する機能を実現するために、MEMSミラー384P及びレーザ装置384Lを含む投影装置384からのパターン画像が対象物Obに照射されるように構成される。図13では、励起光反射素子367と励起光源387との間に光学素子364を設けた場合を一例として示す。なお、光学素子364は、投影装置384からのパターン画像を対象物Obに照射できる位置であれば、リレー光学系34の下流側の何れの位置に設けてもよい。

【0170】
従って、投影装置384から射出されたパターン画像は、光学素子364で反射されて対象物Obへ投影される。そして、対象物Obで反射された反射光であるパターン画像は、結像レンズ381及びイメージセンサ382を含む通常のカメラ装置、及び蛍光観察用カメラ装置388の少なくとも一方で撮像される。つまり、レーザ装置384Lから射出される光の波長を、励起光により励起された蛍光の波長を含むようにすれば、通常のカメラ装置、及び蛍光観察用カメラ装置388の双方で撮像することができる。また、レーザ装置384Lからの射出光の波長を、励起光により励起された蛍光の波長とすれば、通蛍光観察用カメラ装置388のみで撮像することができ、蛍光を含まない波長とすれば、通常のカメラ装置のみで撮像することができる。

【0171】
以上説明したように、第12実施形態は、内視鏡用拡張装置312に含まれる機能化プラットフォーム31によって、蛍光観察機能とパターン画像投影機能とを同時に提供可能な内視鏡用拡張装置312を提供する。従って、観察者は、対象物Obを蛍光観察しつつ、蛍光観察している対象物Obへ、例えば注目部位へパターン画像を投影することができる。また、パターン画像は、レーザ装置384Lから射出される光の波長を選択することによって、通常のカメラ装置、及び蛍光観察用カメラ装置388の少なくとも一方で撮像させることができる。これによって、対象物Obを観察する場合に、対象物Obを通常視、または蛍光視している際に、パターン画像により注目部位へのマーキングを実施することができる。このため、観察者は、例えば体腔内等の状態を観察する場合に、体腔内を通常視または蛍光視している場合に、注目部位へのマーキングを実施する機能を有する専用の内視鏡装置10に交換する必要はない。

【0172】
なお、前記各実施形態では、内視鏡20の射出瞳Expをリレー光学系34によって複製した射出瞳Expは、瞳中心の位置が光軸上に位置されることに限定されるものではない。例えば、瞳中心が相違する位置に設定し、共通部分を射出瞳Expとしてもよい。

【0173】
図14に、射出瞳Expの構成の一例を示す。左右に所定距離Lthを隔てた位置に2つの射出瞳Exp-R、Exp-Lとなる場合、2つの射出瞳Exp-R、Exp-Lに共通する領域の射出瞳Exp-Cを、射出瞳Expとしてもよい。このようにすることで、射出瞳Exp-R、及び射出瞳Exp-Lの各々による光学性能を活かした共通の射出瞳Expを扱うことができる。

【0174】
なお、開示の技術を実施形態を用いて説明したが、前記各実施形態で説明した機能のみで内視鏡用拡張装置を構成することに限定されない。つまり、前記各実施形態を複数組み合わせて複数の機能を有するように、内視鏡用拡張装置を構成することが可能なことは勿論である。

【0175】
また、前記各実施形態では内視鏡20の射出瞳Expをリレー光学系34によって複製した射出瞳を用いて内視鏡用拡張装置を提供する場合を説明したが、内視鏡20の射出瞳Expの近傍にすべての受光部に共通に作用するレンズ系を配置して構成してもよい。内視鏡20の射出瞳Expの近傍とは、射出瞳Expの位置または、射出瞳Expから光軸CL方向に所定距離の位置である。この所定距離の一例は、受光部にピント調整が要求される場合、受光部の結像に共通に作用を与える光学計算によって求めることができる。このレンズ系を用いるとすべての受光部のピント調整を共通に行えるようになり個々の受光部でのピント調整が不要になるなど、すべての受光部の結像に共通の作用を与えることが可能になる。

【0176】
さらに、前記各実施形態では、内視鏡20に内視鏡用拡張装置を取り付けて各種の機能を有する内視鏡装置を提供する場合を説明したが、各種の機能を有するように機能化プラットフォーム31を備えた内視鏡用拡張装置を、内視鏡20に内蔵するようにしてもよい。この場合、少なくとも機能化プラットフォーム31を内視鏡20に内蔵させて、機能化プラットフォーム31を構成する分岐部で分岐された光路を伝播した光を受光する受光部38を、着脱可能に構成してもよい。このようにすることで、受光部38に専用の機能を実現する装置を取り付けるのみで、各種の専用機能を有する内視鏡装置を提供することができる。

【0177】
また、開示の技術を実施の形態を用いて説明したが、開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。開示の技術の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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