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明細書 :可視光通信処理システム及び可視光通信用携帯端末

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-137033 (P2020-137033A)
公開日 令和2年8月31日(2020.8.31)
発明の名称または考案の名称 可視光通信処理システム及び可視光通信用携帯端末
国際特許分類 H04B  10/114       (2013.01)
FI H04B 10/114
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2019-031288 (P2019-031288)
出願日 平成31年2月25日(2019.2.25)
発明者または考案者 【氏名】笹森 文仁
【氏名】半田 志郎
【氏名】岡島 英男
【氏名】南澤 俊孝
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100107515、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 浩一
【識別番号】100107733、【弁理士】、【氏名又は名称】流 良広
【識別番号】100115347、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 奈緒子
審査請求
テーマコード 5K102
Fターム 5K102AA18
5K102AA21
5K102AH23
5K102AL11
5K102AL23
5K102AL28
5K102AM02
5K102AM06
5K102PB02
5K102PH31
5K102RD26
5K102RD28
要約 【課題】接続する携帯端末の消費電力を低減でき、かつ携帯端末のアプリケーションの開発が容易になる光通信装置の提供。
【解決手段】光を利用する光通信により対象情報の信号を受信し、携帯端末と通信可能な光通信装置であって、前記光を受光する受光部と、前記受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、前記光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、前記光から検出した前記対象情報を前記携帯端末に送信する制御を行う制御部と、を有する光通信装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
光を利用する光通信により対象情報の信号を受信し、携帯端末と通信可能な光通信装置であって、
前記光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、前記光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、前記光から検出した前記対象情報を前記携帯端末に送信する制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記制御部が、MPUにより動作する請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記対象情報を前記携帯端末に送信する端子が、デジタル信号を入出力する端子である請求項1から2のいずれかに記載の光通信装置。
【請求項4】
対象情報の信号を含む光を照射可能な光照射装置と、
請求項1から3のいずれかに記載の光通信装置と、
を有することを特徴とする光通信システム。
【請求項5】
対象情報の信号を含む光を照射可能な光照射装置と、
請求項1から3のいずれかに記載の光通信装置と、
前記光通信装置から送信された前記対象情報に対応する処理を行う処理端末と、
を有することを特徴とする光通信処理システム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の光通信装置を用いた光通信方法であって、
前記光通信装置の受光部により前記光を受光する受光工程と、
前記光通信装置の制御部により、前記受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、前記光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、前記光から検出した前記対象情報を前記携帯端末に送信する制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とする光通信方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置、光通信システム、光通信処理システム、及び光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身の回りに存在するLED照明装置などの可視光源から簡単な情報やその可視光源に固有のID情報を放射送信させることにより、物の識別、位置情報の提供、各種案内システムなどに応用できる可視光通信システムが開発されている。
【0003】
具体的には、博物館や美術館などの施設において展示物の説明を行う可視光通信システムへの応用が考えられている。例えば、QRコード(登録商標)や画像認識を用いたシステムなどでは、混雑している場合や車椅子を利用されている方には、展示物の説明を受けるためにカメラでQRコードやその展示物を撮影することが困難な場合がある。この点、可視光通信は、その展示物の近傍に設置されているLED照明装置からID情報を含む可視光を受光するだけで、各展示物に応じたコンテンツを取得できるため、その展示物の説明を容易に受けることができるという利点を有する。
【0004】
このような利点を有する可視光通信を用いて、様々な可視光通信装置が提案されている。例えば、スマートフォンなどの携帯端末のマイク/イヤホン端子に接続可能な小型の可視光ID通信装置が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この小型の可視光ID通信装置は、可視光ID通信のID情報を含む光信号を受光可能な受光素子を有しており、受光した光信号を携帯端末のマイク/イヤホン端子を介して携帯端末に出力する。携帯端末は、マイク/イヤホン端子を介して出力された光信号にID情報の信号が含まれていると判定すると、ID情報に対応するコンテンツを画像や音声などによりユーザに提供する。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の可視光ID通信装置では、受光素子で受光した光信号にID情報の信号が含まれているのか否かを監視するために、携帯端末の高性能なプロセッサによる高速A/D(Analog/Digital)変換などで常に信号処理を行う必要があることから、携帯端末の消費電力が増大し、携帯端末のバッテリーの減りが早くなってしまうという問題がある。また、特許文献1に記載の可視光ID通信装置では、光信号にID情報の信号が含まれているのか否かを監視するための信号処理を行い、光信号から検出したID情報に対応するコンテンツを取得するために、携帯端末のOS(Operating System)や機種に対応したアプリケーションをそれぞれ開発し、携帯端末にインストールする必要がある。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2014-116923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、接続する携帯端末の消費電力を低減でき、かつ携帯端末のアプリケーションの開発が容易になる光通信装置、光通信システム、及び光通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
<1> 光を利用する光通信により対象情報の信号を受信し、携帯端末と通信可能な光通信装置であって、
前記光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、前記光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、前記光から検出した前記対象情報を前記携帯端末に送信する制御を行う制御部と、
を有することを特徴とする光通信装置である。
【0009】
前記<1>に記載の光通信装置においては、特許文献1に記載の可視光ID通信装置のように携帯端末の高性能なプロセッサが、受光した光による信号が対象情報の信号を含むのか否かを判定するための高速A/D変換や信号処理を行うよりも、光通信装置のプロセッサが行うほうが全体の消費電力を低減することができる。また、携帯端末は、高速A/D変換や信号処理を行う必要がなくなるため、本発明の光通信装置から対象情報を送信されるまでスリープ状態にできるので、携帯端末の消費電力を低減することができる。さらに、携帯端末のアプリケーションは、標準化されているライブラリを用いるとOSや機種の違いを吸収でき、共通化することができることから、携帯端末のアプリケーションの開発を容易にすることができる。
【0010】
<2> 前記制御部が、MPU(Micro Processing Unit)により動作する前記<1>に記載の光通信装置である。
【0011】
前記<2>に記載の光通信装置においては、受光した光信号を常に高速A/D変換して信号処理を行う制御を制御部がMPUにより動作させて行うほうが、携帯端末の高性能なCPU(Central Processing Unit)により高速A/D変換や信号処理を行うよりも消費電力を低減することができる。
【0012】
<3> 前記対象情報を前記携帯端末に送信する端子が、デジタル信号を入出力する端子である前記<1>から<2>のいずれかに記載の光通信装置である。
【0013】
前記<3>に記載の光通信装置において、対象情報を携帯端末に出力する端子がデジタル信号を入出力する端子であると、マイク/イヤホン端子などのアナログ信号を入出力する端子よりも回路特性の整合を行いやすくなる点で有利である。またマイク/イヤホン端子が無線化され、携帯端末にマイク/イヤホン端子が存在しない場合であっても対応できる。
【0014】
<4> 対象情報を含む可視光を照射可能な光照射装置と、
前記<1>から<3>のいずれかに記載の光通信装置と、
を有することを特徴とする光通信システムである。
【0015】
前記<4>に記載の光通信システムにおいて、光照射装置から対象情報を含む光を光通信装置に照射することにより、光通信装置は、光照射装置が設置されている位置での必要な情報を取得することができる。
【0016】
<5> 対象情報の信号を含む光を照射可能な光照射装置と、
前記<1>から<3>のいずれかに記載の光通信装置と、
前記光通信装置から送信された前記対象情報に対応する処理を行う処理端末と、
を有することを特徴とする光通信処理システムである。
【0017】
前記<5>に記載の光通信処理システムは、例えば、博物館や美術館などの施設において展示物の説明を行うシステムに応用することができる。
具体的には、光通信装置は、展示物の近くに設置されている光照射装置から、その展示物に対応付けられた対象情報の信号を含む光が照射されると、対象情報の信号を検出して携帯端末(処理端末)に送信する。携帯端末は、光通信装置から送信された対象情報に対応する処理、即ち対象情報に基づいてその展示物に関するコンテンツを取得する処理を行い、画像や音声などを出力することができる。具体的には、後述する実施形態のように、携帯端末は、光通信装置から送信された対象情報に応じたコンテンツを、ネットワークを介してコンテンツサーバから取得し、取得したコンテンツを画像や音声などを出力するようにしてもよい。
【0018】
そして、本発明の光通信処理システムは、携帯端末の消費電力を低減できる本発明の光通信装置を有することから、光通信装置をユーザに貸し出し、携帯端末はユーザが所有するものを用いる場合であっても、ユーザがバッテリーの減りを気にすることなく展示物を鑑賞することができる。
【0019】
さらに、本発明の光通信処理システムは、携帯端末のアプリケーションとして標準化されているライブラリを用いると、携帯端末のOSや機種の違いを吸収でき共通化することができる本発明の光通信装置を有することから、ユーザが所有する携帯端末のOSや機種ごとに携帯端末のアプリケーションを開発しなくてもよいという利点がある。
【0020】
<6> 請求項1から3のいずれかに記載の光通信装置を用いた光通信方法であって、
前記光通信装置の受光部により前記光を受光する受光工程と、
前記光通信装置の制御部により、前記受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、前記光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、前記光から検出した前記対象情報を前記携帯端末に送信する制御を行う制御工程と、
を含むことを特徴とする光通信方法である。
【0021】
前記<6>に記載の光通信方法において、前記<1>に記載の光通信装置と同様に、受光した光による信号が対象情報の信号を含むのか否かを判定するため、受光した光信号を常に高速A/D変換して信号処理を行う。これにより、特許文献1に記載の可視光ID通信装置のように携帯端末の高性能なプロセッサがこの信号処理を行うよりも、光通信装置のプロセッサが行うほうが消費電力を低減することができる。また、光通信装置から対象情報を携帯端末が受信しない間は、携帯端末がスリープ状態になるため、携帯端末の消費電力を低減することができる。また、携帯端末が信号処理を行い、対象情報を検出するには携帯端末のOSや機種に対応したアプリケーションが必要となるが、本発明では光通信装置が信号処理を行い、検出した対象情報を携帯端末に送信するため、携帯端末のOSや機種に対応したアプリケーションを共通化することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、接続する携帯端末の消費電力を低減でき、かつ携帯端末のアプリケーションの開発が容易になる光通信装置、光通信システム、及び光通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本実施形態の光通信処理システムを示す概略図である。
【図2】図2は、本実施形態の光通信処理システムが扱うデータフレームを示す説明図である。
【図3】図3は、本実施形態の光通信装置の機能を示すブロック図である。
【図4A】図4Aは、受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、光から検出した前記対象情報を携帯端末に送信する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4B】図4Bは、受光部が受光した前記光が前記対象情報の信号を含むか否かを判定し、光が前記対象情報の信号を含むと判定した場合に、光から検出した前記対象情報を携帯端末に送信する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施形態の光通信装置のハードウェアを示すブロック図である。
【図6】図6は、本実施形態の光照射装置の機能を示すブロック図である。
【図7】図7は、本実施形態の光照射装置のハードウェアを示すブロック図である。
【図8】図8は、本実施形態の携帯端末(処理端末)の機能を示すブロック図である。
【図9】図9は、本実施形態の携帯端末(処理端末)のハードウェアを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は、この実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態では、博物館や美術館などの施設において展示物の説明を行う光通信処理システムについて説明する。なお、以下では、携帯端末を処理端末と称することもある。

【0025】
(光通信システム及び光通信処理システム)
図1は、本実施形態の光通信処理システムを示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の光通信処理システム10は、光通信装置100と、光照射装置200a~200nと、携帯端末300と、コンテンツサーバ400と、管理PC(パーソナルコンピュータ)500とを有する。また、光通信装置100と携帯端末300は、それぞれUSB(Universal Serial Bus)端子130,310を有しており、USBケーブルCを介して通信可能に接続されている。
本実施形態の光通信処理システム10は、展示物を鑑賞するユーザが持つ光通信装置100に対し、各展示物の設置場所にそれぞれ配置されている光照射装置200a~200nのいずれかから、その展示物に対応付けられた対象情報としてのID情報の信号を含む光が照射されると、光通信装置100がID情報の信号を検出して携帯端末300に送信する。携帯端末300は、光通信装置100から送信されたID情報に応じたコンテンツを、ネットワークNを介してコンテンツサーバ400から取得し、取得したコンテンツを画像や音声などを出力する。これにより、本実施形態の光通信処理システム10は、展示物を鑑賞するユーザに対し、その展示物の説明を行うことができる。
なお、管理PC500は、コンテンツサーバ400のデータベースを管理するために用いられる。

【0026】
本実施形態の光通信処理システム10では、光照射装置200a~200nのいずれかと光通信装置100との通信に、JEITA CP-1223の規格に準ずる可視光ビーコンシステムを用いる。このため、光照射装置200a~200nは、図2に示すように、6ビットのプリアンブルと1バイトのフレームタイプからなるスタート部と、16バイトのID情報のデータからなる情報部(ペイロード)と、2バイトのチェック用のCRC(周期冗長コード)からなる終端部とを配するフレーム構造のデータを光通信装置100に送信する。
本実施形態の符号化方式としては、4PPM(Pulse Position Modulation)符号方式を用いる。4PPM符号方式は、シンボル時間として定義される一定の時間を4つのスロットに等分し、1シンボル時間に1つのスロット幅のパルスを許容し、そのパルスの存在スロット時間位置に割り当てた情報を送信する。1バイトは4シンボルからなり、その1シンボルは4スロットからなる。この4スロットのうち1スロットだけが必ず光る(ON)ようなシンボルとしているため、4スロットが全て光ることがないように、あるいは全て光らないことがないようにして、人の目に光のちらつきを感じさせないようにしている。
なお、本実施形態の光通信処理システム10では、JEITA CP-1223の規格に準ずる可視光ビーコンシステムを用いるとしたが、これに限ることはなく、他の規格でもよく、可視光ではなく赤外線などを用いたものでもよい。また、本実施形態では、対象情報としてID情報としたが、これに限ることはない。

【0027】
光通信装置100は、片手で持ち運びが可能な小型の装置であり、受光素子110及び発光素子140を有する。光通信装置100は、ID情報の信号を含む光を照射する光照射装置200a~200nのいずれかから光を受光素子110により受光し、受光した光がID情報を含むか否かを判定する制御を行い、ID情報を検出する。検出するID情報は各展示物と対応しており、光通信装置100は、USBケーブルCを介して、検出したID情報を携帯端末300に送信する。即ち、本実施形態の光通信装置100は、可視光通信によりID情報の信号を受信し、受信したID情報を携帯端末300に送信する。このように、光通信装置100と携帯端末300との接続がUSBケーブルCを介した接続であると、携帯端末300から光通信装置100に電力を供給できるほか、双方向通信が可能になる点で有利である。
なお、本実施形態では、USBケーブルCを介して、検出したID情報を携帯端末300に送信したが、これに限ることなく、無線又は有線により通信が可能であればよく、例えば、Bluetooth(ブルートゥース;登録商標)やBluetooth Low Energy(BLE)などの無線通信によりID情報を携帯端末300に送信するようにしてもよい。携帯端末への対象情報の送信が無線通信により行われると、携帯端末とを接続するケーブルが不要となるため、光通信装置と携帯端末とをケーブルで接続した状態で手に持って移動する際にはケーブルが邪魔になるなどの煩わしさがなくなる点で有利である。例えば、光通信装置を腕時計のように身に付けるようにすることができる。
また、発光素子140の説明については後述する。

【0028】
携帯端末300は、本実施形態ではスマートフォンであり、光通信装置100から受信したID情報を受信する。携帯端末300は、受信したID情報に対応する展示物の情報を、ネットワークNを介してコンテンツサーバ400のデータベースから取得し、その展示物のコンテンツを画像及び音声で出力する。
なお、本実施形態では携帯端末300をスマートフォンとしたが、これに限ることはなく、例えば、タブレット端末などとしてもよい。

【0029】
コンテンツサーバ400は、ID情報と、ID情報に対応付けたコンテンツの情報とを格納するデータベースを有し、携帯端末300からID情報を受信すると、ID情報に対応するコンテンツの情報を携帯端末300に送信する。

【0030】
管理PC500は、本実施形態ではパーソナルコンピュータであり、コンテンツサーバ400のデータベースを構築、編集、及び管理するために用いられる。
なお、本実施形態では、ID情報と、ID情報に対応付けたコンテンツの情報とを格納するデータベースをコンテンツサーバ400が有するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、他の端末や装置が有するようにしてもよい。

【0031】
以下では、本実施形態の光通信処理システム10の各装置などについて詳細に説明する。

【0032】
(光通信装置及び光通信方法)
本発明の光通信装置は、受光部と、制御部とを有し、更に必要に応じてその他の部を有するようにしてもよい。
本発明の光通信方法は、受光工程と、制御工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含むようにしてもよい。
本発明の光通信方法は、本発明の光通信装置により好適に行うことができ、受光工程は受光部により好適に行うことができ、制御工程は制御部により好適に行うことができることから、本発明の光通信装置における実施形態の説明を通して本発明の光通信方法の詳細についても明らかにする。

【0033】
図3は、本実施形態の光通信装置の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、光通信装置100は、受光部111で受光した可視光を電気信号に変換し、変換した電気信号を増幅部112のアナログ回路で増幅する。次に、光通信装置100は、増幅させた電気信号をA/D変換部121でサンプリングする。そして、制御部122は、JEITA CP-1223の規格に従ってファームウェアでサンプリング後の電気信号を復調する。このとき、制御部122は、タイマ部123と、ファームウェアを記憶する記憶部151とにより、サンプリング後の電気信号を復調する。その後、制御部122は、復調した信号をUSB通信部131により携帯端末300に送信する。
言い換えると、制御部122は、受光部111が受光した可視光がID情報の信号を含むか否かを判定し、受光部111で受光した可視光がID情報の信号を含むと判定した場合に、可視光から検出したID情報を携帯端末300に送信する制御を行う。

【0034】
なお、本実施形態では、復調した信号をUSB通信部131により携帯端末300に送信するとしたが、これに限ることはない。例えば、図3に示したように、制御部122は、復調した信号をI/F(interface)部124を介して駆動部141に出力し、投光部142を通じて光による通信で携帯端末300に送信するようにしてもよい。

【0035】
次に、受光部111が受光した可視光がID情報の信号を含むか否かを判定し、可視光がID情報の信号を含むと判定した場合に、ID情報を携帯端末300に送信する処理の流れを、図4A及び図4Bに示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。

【0036】
図4Aに示すように、まず、制御部122は、各変数の初期化を行う(D=0,F=0,N=0,P=0)(S101)。ここで、Dは信号のエッジの検出フラグ、Fはプリアンブルの検出フラグ、Nはフレーム番号(データのバイト数)、Pはシンボル数を意味する。
次に、光通信装置100は、受光部111で受光した可視光を電気信号に変換し、変換した電気信号を増幅部112のアナログ回路で増幅して、A/D変換部121でサンプリングする(S102)。

【0037】
制御部122は、A/D変換部121でサンプリングした方形波の信号において、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出するために微分処理する(S103)。なお、以下では、エッジを検出するために微分処理した信号を「エッジ検出した信号」と称することもある。制御部122は、エッジ検出した信号において、エッジの変化に基づいてID情報の信号を検出するために、正側にピークがあればD=1とし(S104、S105)、負側にピークがあればD=0とする(S106、S107)。なお、正側及び負側のいずれにもピークがなければ処理をS102に戻す。

【0038】
制御部122は、エッジ検出した信号において正側及び負側のいずれかにピークを検出すると、プリアンブルがすでに検出されているか否かを判定する(S108)。制御部122は、プリアンブルがすでに検出されていると判定すると処理を図4Bに示すS112に移行し、プリアンブルが検出されていないと判定すると、エッジ検出した信号がプリアンブルであるか否かを判定する(S109)。制御部122は、エッジ検出した信号がプリアンブルであると判定するとF=1とし(S110)、エッジ検出した信号がプリアンブルでないと判定するとF=0として(S111)、処理をS102に戻す。

【0039】
次に、制御部122は、プリアンブルがすでに検出されていると判定すると、4PPM信号の最初の4ビットを取得できたか否かを判定する(S112)。制御部122は、最初の4ビットを取得できたと判定すると、エッジ検出した信号を4PPM信号に変換してP番目のシンボルに保存し(S113)、4PPM変換できていないと判定すると、処理を図4AのS102に戻す。

【0040】
制御部122は、エッジ検出した信号を4PPM信号に変換してP番目のシンボルに保存すると、P=P+1の演算を行い、P=4であるか否かを判定する(S114)。制御部122は、P=4であると判定すると、4シンボル(1バイト)完了であるとしてP=0に初期化し(S115)、P=4でないと判定すると、処理を図4AのS102に戻す。

【0041】
制御部122は、P=0に初期化すると、フレームのN番目に得られたバイトを保存して(S116)、N=N+1の演算を行い、N=19であるか否かを判定する(S117)。制御部122は、N=19であると判定すると、フレームの最後であるとしてN=0に初期化し(S118)、N=19でないと判定すると、処理を図4AのS102に戻す。

【0042】
制御部122は、N=0に初期化するとCRCの演算を行い、終端部のCRCと一致するか否かを判定する(S119)。制御部122は、一致すると判定すると、携帯端末300にデータを送信し(S120)、処理を図4AのS102に戻す。また、制御部122は、一致しないと判定すると、処理を図4AのS102に戻す。
このように、光通信装置100は、受光部111が受光した可視光がID情報の信号を含むか否かを判定し、可視光がID情報の信号を含むと判定した場合に、ID情報を携帯端末300に送信する。

【0043】
図5は、本実施形態の光通信装置のハードウェアを示すブロック図である。
図5に示すように、この光通信装置100は、受光素子110と、MPU120と、USB端子130と、発光素子140と、記憶手段150とを有する。MPU120は、各部と接続されている。
以下、図5のハードウェアを示すブロック図について、図3の機能を示すブロック図を参照しながら各部について説明する。

【0044】
受光素子110は、本実施形態ではフォトダイオードであり、光通信装置100の端部に配置され可視光を受光する。受光素子110は、受光部111の機能を実現する。

【0045】
MPU120は、プロセッサの一種であり、種々の制御や演算を行う処理装置である。MPU120は、記憶手段150などが記憶するファームウェアなどを実行することにより、種々の機能を実現する。具体的には、図3の点線で示したように、MPU120は、A/D変換部121、制御部122、タイマ部123、及びI/F部124の機能を実現する。
また、MPU120は、光通信装置100全体の制御を行う。

【0046】
USB端子130は、光通信装置100の端面に配置されており、USBケーブルCが着脱可能である。USB端子130は、USB通信部131の機能を実現する。

【0047】
発光素子140は、本実施形態ではLED(Light Emitting Diode)であり、駆動部141により駆動され、光による通信でID情報を携帯端末300に送信することができる。発光素子140は、投光部142の機能を実現する。

【0048】
このように、光通信装置100は、可視光を受光する受光素子110と、受光素子110が受光した可視光がID情報の信号を含むか否かを判定し、可視光がID情報の信号を含むと判定した場合に、可視光から検出したID情報を携帯端末300に送信する制御を行う制御部122と、を有する。
これにより、光通信装置100は、受光した可視光による信号がID情報の信号を含むのか否かを判定するため、可視光による信号を常に高速A/D変換して信号処理を行うため、特許文献1に記載の可視光ID通信装置のように携帯端末の高性能なプロセッサがこの信号処理を行うよりも、光通信装置100のMPU120が行うほうが消費電力を低減することができる。また、光通信装置100からID情報を携帯端末300が受信しない間は、携帯端末300がスリープ状態になるため、携帯端末300の消費電力を低減することができる。また、携帯端末300が信号処理を行い、ID情報を検出するには携帯端末300のOSや機種に対応したアプリケーションが必要となるが、光通信装置100が信号処理を行い、検出したID情報を携帯端末300に送信するため、携帯端末300のOSや機種に対応したアプリケーションを共通化することができる。

【0049】
<光照射装置>
図1に示した光照射装置200a~200nは、いずれも機能及びハードウェアが同様であるため、光照射装置200a~200nのいずれか1つ(以下、光照射装置200と称する)について説明する。

【0050】
図6は、本実施形態の光照射装置の機能を示すブロック図である。
光照射装置200は、各展示物の近傍にそれぞれ配置され、ID情報の信号を含む光を照射可能な装置である。この光照射装置200は、図6に示すように、投光部211と、制御部221とを有する。
制御部221は、光照射装置200を管理するPCが予め記憶したID情報の信号を可視光に含ませるように、投光部211を制御する。

【0051】
図7は、本実施形態の光照射装置のハードウェアを示すブロック図である。
図7に示すように、LED照明210と、コントローラ220とを有する。

【0052】
LED照明210は、複数のLEDを備えている。また、LED照明210は、投光部211の機能を実現する。
なお、本実施形態では、光照射装置200がLED照明210を有するようにしたが、これに限ることはなく、光を照射できるものであればよい。

【0053】
コントローラ220は、LED照明210を駆動させるための制御回路であり、制御部221の機能を実現する。

【0054】
<携帯端末>
図8は、本実施形態の携帯端末(処理端末)の機能を示すブロック図である。
図8に示すように、携帯端末300は、USB通信部311と、制御部321と、無線通信部331と、入出力部341と、音声出力部351と、記憶部361とを有する。
携帯端末300は、光通信装置100から送信されたID情報に対応する処理を行う処理端末である。

【0055】
USB通信部311は、制御部321の指示に基づき、光通信装置100から送信されたID情報を受信する。

【0056】
制御部321は、USB通信部311が受信したID情報に基づき、無線通信部331により図1で示したネットワークNを介して、コンテンツサーバ400のデータベースを参照し、コンテンツサーバ400からID情報に対応する展示物のコンテンツを取得する。
制御部321は、入出力部341及び音声出力部351に指示して、後述するタッチパネル340及びスピーカ350により展示物を説明するための画像及び音声を出力する。
なお、制御部321は、携帯端末300全体の動作を制御する。また、記憶部361は、携帯端末300を動作させる各種プログラムなどを記憶している。

【0057】
図9は、本実施形態の携帯端末(処理端末)のハードウェアを示すブロック図である。
図9に示すように、携帯端末300は、USB端子310と、CPU320と、無線通信モジュール330と、タッチパネル340と、スピーカ350と、記憶手段360とを有する。

【0058】
USB端子310は、携帯端末300の端面に配置されており、USBケーブルCが着脱可能である。USB端子310は、USB通信部311の機能を実現する。

【0059】
CPU320は、光通信装置100に搭載されているMPU120よりも高性能なプロセッサの一種であり、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU320は、記憶手段360などが記憶するOSやプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。

【0060】
無線通信モジュール330は、図1に示したネットワークNを介して、コンテンツサーバ400にID情報を送信し、送信したID情報に対応するコンテンツをコンテンツサーバ400から受信する。

【0061】
以上説明したように、本発明の光通信装置は、光を受光する受光部と、受光部が受光した光が対象情報の信号を含むか否かを判定し、光が対象情報の信号を含むと判定した場合に、光から検出した対象情報を携帯端末に送信する制御を行う制御部と、を有する。
これにより、本発明の光通信装置は、特許文献1に記載の可視光ID通信装置のように携帯端末の高性能なプロセッサが、受光した光による信号が対象情報の信号を含むのか否かを判定するための高速A/D変換や信号処理を行うよりも、光通信装置のプロセッサが行うほうが全体の消費電力を低減することができる。また、携帯端末は、高速A/D変換や信号処理を行う必要がなくなるため、本発明の光通信装置から対象情報を送信されるまでスリープ状態にできるので、携帯端末の消費電力を低減することができる。さらに、携帯端末のアプリケーションは、標準化されているライブラリを用いるとOSや機種の違いを吸収でき、共通化することができることから、携帯端末のアプリケーションの開発を容易にすることができる。

【0062】
また、本発明の光通信処理システムは、例えば、本実施形態で示したように、博物館や美術館などの施設において展示物の説明を行うシステムに応用することができる。本発明の光通信処理システムは、携帯端末の消費電力を低減できる本発明の光通信装置を有することから、光通信装置をユーザに貸し出し、携帯端末はユーザが所有するものを用いる場合であっても、ユーザがバッテリーの減りを気にすることなく展示物を鑑賞することができる。

【0063】
さらに、本発明の光通信処理システムは、携帯端末のアプリケーションとして標準化されているライブラリを用いると、携帯端末のOSや機種の違いを吸収でき共通化することができる本発明の光通信装置を有することから、ユーザが所有する携帯端末のOSや機種ごとに携帯端末のアプリケーションを開発しなくてもよいという利点がある。

【0064】
なお、本実施形態では、光通信処理システムを博物館や美術館などの施設において展示物の説明を行うシステムに応用したが、これに限ることはなく、例えば、会議や学会の参加者の手持ちのタブレット端末等に資料を提示したり、同時通訳などを行う会議システムなどにも応用することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 光通信処理システム(光通信システム)
100 光通信装置
111 受光部
120 MPU
122 制御部
200 光照射装置
300 携帯端末(処理端末)
400 コンテンツサーバ
500 管理PC
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4A】
3
【図4B】
4
【図5】
5
【図6】
6
【図7】
7
【図8】
8
【図9】
9