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明細書 :電子部品

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-161645 (P2020-161645A)
公開日 令和2年10月1日(2020.10.1)
発明の名称または考案の名称 電子部品
国際特許分類 H01F  17/00        (2006.01)
H01F  30/10        (2006.01)
H01F  27/255       (2006.01)
H05K   1/16        (2006.01)
H01L  21/822       (2006.01)
H01L  27/04        (2006.01)
FI H01F 17/00 D
H01F 30/10 D
H01F 30/10 A
H01F 27/255
H05K 1/16 B
H01L 27/04 L
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2019-059516 (P2019-059516)
出願日 平成31年3月26日(2019.3.26)
発明者または考案者 【氏名】佐藤 敏郎
【氏名】曽根原 誠
【氏名】秋山 知輝
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100144130、【弁理士】、【氏名又は名称】中山 実
審査請求 未請求
テーマコード 4E351
5E070
5F038
Fターム 4E351AA03
4E351BB11
4E351BB15
4E351DD19
4E351DD52
4E351GG06
5E070AA01
5E070AA11
5E070AB06
5E070BA11
5E070BB03
5E070CB13
5F038AZ04
5F038EZ01
5F038EZ20
要約 【課題】小型化でき、かつ、大きなQ値を有し得るインダクタ素子を備える電子部品を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品であるインターポーザ1は、パターン配線21,22で形成された巻線を有する巻線層41,42と、巻線層41,42に積層された磁性層51,52,53とを備えるものであって、巻線層41,42は、パターン配線21間及びパターン配線22間が第1の絶縁材31で充填されて層状に構成されていると共に、第1の絶縁材31中に球体状の磁性微粒子21が分散されているものであり、磁性層51,52,53は、層状に形成された第2の絶縁材32中に扁平状の磁性微粒子22が分散されていると共に、扁平状の磁性微粒子22の面が磁性層51,52,53の面と平行になる向きで配置されているものである。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
パターン配線で形成された巻線を有する巻線層と、前記巻線層に積層された磁性層とを備える電子部品であって、
前記巻線層は、前記パターン配線以外の部位が第1の絶縁材で充填されて層状に構成されていると共に、前記第1の絶縁材中に球体状の磁性微粒子が分散されているものであり、
前記磁性層は、層状に形成された第2の絶縁材中に扁平状の磁性微粒子が分散されていると共に、前記扁平状の磁性微粒子の面が前記磁性層の面と略平行になる向きで配置されていることを特徴とする電子部品。
【請求項2】
複数の前記巻線層の各々の層間に前記磁性層が積層されていて、複数の前記巻線が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
最上層の前記巻線層の上にさらに前記磁性層が積層され、最下層の前記巻線層の下にさらに前記磁性層が積層されていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
複数の前記巻線層に少なくとも1層の前記磁性層が積層されていて、前記複数の巻線層の前記巻線によってトランスが構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記トランスの1次コイルになる第1の前記巻線層と、前記トランスの2次コイルになる複数の他の前記巻線層とを備えることを特徴とする請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
対向する少なくとも一対の前記巻線層の間に、非磁性材で形成された非磁性層が積層されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電子部品。
【請求項7】
さらに、導電性を有する導体層が積層されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電子部品。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の電子部品が、インダクタ素子、インターポーザ又はプリント配線基板であることを特徴とする電子部品。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ素子やインターポーザなどの積層構造中に平面状の巻線が形成されている電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、多機能化、高速処理化などの要求から、LSIなどの半導体部品やプリント基板というような電子部品中に、インダクタ素子(巻線)を内蔵するための技術開発が行われている。
【0003】
LSIなどの半導体パッケージでは、一般にインターポーザ(再配線層)と呼ばれる基板に半導体のベアチップを実装して、パッケージとベアチップを接続することが行われている。
【0004】
例えば特許文献1に、平面状のコイルを内蔵するインターポーザが記載されている。平面状のコイルは、大きさや形状の制約のある中ではインダクタンスを大きくし難く、Q値を大きくし難い。本願発明者らは、過去に、小型化が容易で、かつ、大きなQ値を有するインダクタを開発し、特許出願している(特許文献2)。特許文献2に記載のインダクタは、コイルの線間に磁性材料を充填したものである。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2017-174920号公報
【特許文献2】特開2015-230966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載のインダクタをインターポーザやプリント基板等の電子部品に適用することが考えられるが、さらに性能の向上が望まれている。そこで、本願発明者らは、さらに鋭意研究を進め、より小型化でき、かつ、大きなQ値を有し得る巻線を有する電子部品を開発し、ここに特許出願するものである。
【0007】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、小型化でき、かつ、大きなQ値を有し得る巻線を備える電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された電子部品は、パターン配線で形成された巻線を有する巻線層と、前記巻線層に積層された磁性層とを備える電子部品であって、前記巻線層は、前記パターン配線以外の部位が第1の絶縁材で充填されて層状に構成されていると共に、前記第1の絶縁材中に球体状の磁性微粒子が分散されているものであり、前記磁性層は、層状に形成された第2の絶縁材中に扁平状の磁性微粒子が分散されていると共に、前記扁平状の磁性微粒子の面が前記磁性層の面と略平行になる向きで配置されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の電子部品は、請求項1に記載のものであり、複数の前記巻線層の各々の層間に前記磁性層が積層されていて、複数の前記巻線が電気的に接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の電子部品は、請求項2に記載のものであり、最上層の前記巻線層の上にさらに前記磁性層が積層され、最下層の前記巻線層の下にさらに前記磁性層が積層されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の電子部品は、請求項1に記載のものであり、複数の前記巻線層に少なくとも1層の前記磁性層が積層されていて、前記複数の巻線層の前記巻線によってトランスが構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の電子部品は、請求項4に記載のものであり、前記トランスの1次コイルになる第1の前記巻線層と、前記トランスの2次コイルになる複数の他の前記巻線層とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の電子部品は、請求項4または5に記載のものであり、対向する少なくとも一対の前記巻線層の間に、非磁性材で形成された非磁性層が積層されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の電子部品は、請求項1から6のいずれかに記載のものであり、さらに、導電性を有する導体層が積層されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の電子部品は、請求項1から7のいずれかに記載の電子部品が、インダクタ素子、インターポーザ又はプリント配線基板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の磁性導電材によれば、巻線層のパターン配線以外の部位が第1の絶縁材で充填されて層状に構成されていると共に第1の絶縁材中に球体状の磁性微粒子が分散されていて、磁性層では層状に形成された第2の絶縁材中に扁平状の磁性微粒子が分散されていると共に扁平状の磁性微粒子の面が磁性層の面と略平行になる向きで配置されていることにより、磁性層の透磁率を大きくすることができるため、小型化でき、かつ、大きなQ値を有し得る巻線を備える電子部品とすることができる。
【0017】
複数の巻線層の各々の層間に磁性層が積層されていて、複数の巻線が電気的に接続されている場合、大きなインダクタンスを有すると共に高いQ値を有するインダクタ(インダクタ素子)を構成することができる。そのため、インダクタを小型化することができる。最上層の巻線層の上にさらに磁性層が積層され、最下層の巻線層の下にさらに磁性層が積層されている場合、インダクタンスをより大きく、Q値をより大きくすることができる。そのため、インダクタをより小型化することができる。
【0018】
複数の巻線層に少なくとも1層の磁性層が積層されていて、複数の巻線層の巻線によってトランスが構成されている場合、励磁インダクタを大きくできると共に、Q値の大きなトランスとすることができる。そのため、トランスを小型化することができる。
【0019】
トランスの1次コイルになる第1の巻線層と、トランスの2次コイルになる複数の他の巻線層とを備える場合、各々の2次コイルから別々の電圧を出力可能になる。そのため、電圧変換用のトランスを1つのトランスで構成でき、例えば複数の電源電圧を必要とする回路に使用できる。しかもトランス自体を小型化することができる。また、2次コイルになる複数の巻線の端部同士を電気的に接続すると、その接続ポイントをトランス(コイル)のタップとして使用することができる。
【0020】
対向する少なくとも一対の前記巻線層の間に、非磁性材で形成された非磁性層が積層されている場合、トランスの耐圧、結合係数などの電気的特性を調整することができる。例えば、トランスの結合係数を0.9程度に調整した場合、励磁インダクタが大きくQ値の大きなトランスとすることができる。そのため、LLC-LC型DC-DCコンバータ用のトランスとして好ましく用いることができる。
【0021】
さらに、導電性を有する導体層が積層されている場合、導体層がシールドになって外部への漏れ磁束を低減することができる。
【0022】
本発明によれば、インダクタ素子、インターポーザ又はプリント配線基板を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用する電子部品であるインダクタ(インターポーザ)を模式的に示す拡大断面図である。
【図2】図1中の巻線を示す平面図である。
【図3】図1の一部拡大断面図である。
【図4】本発明を適用するインターポーザへのインダクタの製造方法を示す図である。
【図5】本発明を適用する電子部品であるインダクタの動作原理を説明するための断面図である。
【図6】電磁界解析に用いた球体状の磁性微粒子及び扁平状の磁性微粒子の複素透磁率及び損失係数の周波数特性である。
【図7】電磁界解析1の結果であり、(a)インダクタンスLの周波数特性、(b)等価直列抵抗Rsの周波数特性、(c)Q値の周波数特性である。
【図8】本発明を適用する電子部品であるインダクタを模式的に示す断面図である。電磁界解析の解析モデルを示している。
【図9】図8中の巻線を示す平面図である。
【図10】試作した球形粉末分散コンポジットシート及び扁平粉末分散コンポジットシートの断面写真、並びに比透磁率及びtanδの実測値グラフである。
【図11】電磁界解析2の結果であり、(a)インダクタンスLの周波数特性、(b)直流等価抵抗Rsの周波数特性、(c)Q値の周波数特性である。
【図12】本発明を適用する別のインターポーザを有する部品内蔵基板を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明を適用する別のインターポーザのトランスを模式的に示す断面図である。
【図14】図13に示したトランスの等価回路である。
【図15】本発明を適用する別のインターポーザのトランスを模式的に示す断面図である。
【図16】図15に示したトランスの等価回路である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。

【0025】
[第1実施形態]
図1に、本発明の電子部品の一例であるインターポーザ1に構成されたインダクタ(コイル)11の断面図を示す。インダクタ11は、インダクタ素子の一例である。インダクタ素子とは、巻線を有する素子であり、例えばインダクタ、トランスである。なお、図1は、インターポーザ1の一部(インダクタ11部分)のみを図示している。インターポーザ1は、例えば図12に示すように、部品内蔵基板101の構成部品として設けられ、LSI(半導体)チップ等の部品とメイン基板と間の配線を中継するものである。図12では、ビルドアップ層82上に積層されたセンターコア層81の上に、インターポーザ1aが積層されて設けられている例を示している。

【0026】
図2に、図1に示したインダクタ11の巻線3(31,32)のみを、図1の上部側(導体層6側)から見た平面図で示す。巻線31(パターン配線21)を実線で図示し、巻線32(パターン配線22)を破線で図示している。図1は、図2のA-A線断面図に相当する。図3に、図1の一部をさらに拡大した拡大断面図を示す。

【0027】
本発明の電子部品(インダクタ素子、インターポーザ等)は、少なくとも1層の巻線層4と、少なくとも1層の磁性層5とを備えるものである。

【0028】
本発明の電子部品は、パターン配線2(21,22)で形成された巻線3(31,32)を有する巻線層4(41,42)と、巻線層4(41,42)に積層された磁性層5(51,52、53)とを備えている。巻線層4(41,42)は、パターン配線2(21,22)間が第1の絶縁材31で充填されて層状に構成されていると共に、第1の絶縁材31中に球体状の磁性微粒子21が分散されているものである。磁性層5(51,52,53)は、層状に形成された第2の絶縁材32中に扁平状の磁性微粒子22が分散されていると共に、扁平状の磁性微粒子22の面が、磁性層5(51,52,53)の面と略平行になる向きで配置されているものである。

【0029】
略平行としているのは、扁平状の磁性微粒子22の面と磁性層5の面とが完全に平行であることが理論上最も好ましいのであるが、製造的に完全に平行に配置することは難しい場合があり、平行から多少傾く場合があるためである。扁平状の磁性微粒子22の面と磁性層5の面とのなす角度は、平行である場合を0°とすると、45°以下であることが好ましく、22.5°以下であることがより好ましく、10°以下であることがさらに好ましく、5°以下であることがさらにより好ましい。角度は小さいほどよい。扁平状の磁性微粒子22の面とは、磁性微粒子22の平らな方向の面を意味し、磁性微粒子22に膨らみや凹凸などがある場合には、平らな方向を示す面(仮想面)を意味する。

【0030】
このインターポーザ1では、複数(同図の例では2つ)の巻線層4(41,42)の各々の層間に磁性層5(52)が積層されていて、複数(2つ)の巻線3(31,32)が電気的に接続されてインダクタ11が構成されている。インターポーザ1は、最上層の巻線層4(41)の上にさらに磁性層5(51)が積層され、最下層の巻線層4(42)の下にさらに磁性層5(53)が積層されていることが望ましい。さらに、導電性を有する導体層6が積層されていることが望ましい。以下、具体的に説明する。

【0031】
図1~図3に示すインターポーザ1は、一例として、上側から順に、導体層6、磁性層51、巻線層41、磁性層52、巻線層42、磁性層53が積層されて構成されている。巻線層41の巻線31と巻線層42の巻線32とは、巻線31及び巻線32の中央部側の端部でビア配線41によって電気的に接続されて、1つのインダクタ11に形成されている。巻線31及び巻線32は、巻き方向が同方向になるように、重なり合う位置関係で形成されている。なお、3層以上の巻線層4に形成した3つ以上の巻線3を電気的に接続してインダクタ11を形成してもよい。この場合、巻き方向が同方向になるように複数の巻線3を形成して、複数の巻線3が直列接続されるように、複数のビア配線41で接続すればよい。

【0032】
パターン配線2及びビア配線41は、銅、金又は銀などの良導体で形成されている。

【0033】
図3に模式的に示すように、巻線層41は、パターン配線21同士の間及びパターン配線21の周囲、すなわちパターン配線21以外の部位が、球体状の磁性微粒子21が分散している第1の絶縁材31で充填されて層状に形成されている。巻線層42も同様に形成されている。

【0034】
球体状の磁性微粒子21が分散している第1の絶縁材31は、例えば磁性コンポジット材と呼ばれるものである。第1の絶縁材31は、インターポーザの材質として従来から用いられている例えばエポキシなどの樹脂である。第1の絶縁材31として、樹脂以外に、シリコーン、セラミックス、テフロン(登録商標)又はガラスを用いてもよい。

【0035】
球体状の磁性微粒子21は、例えば、Fe系磁性微粒子、Co系磁性微粒子及びNi系磁性微粒子から選ばれる1種、又は複数種を混合したものである。Fe系磁性微粒子は、Fe微粒子、Fe合金微粒子等である。球体状の磁性微粒子21の種類は、使用周波数帯などにより適宜選択すればよい。例えば、使用周波数0.1~300MHz程度では、磁性微粒子21としてFe系磁性微粒子を好ましく用いることができる。

【0036】
球体状の磁性微粒子21の直径は、例えば、0.1~100μmであり、好ましくは1~10μmである。磁性微粒子を使用する理由は、微小化することにより、磁性微粒子に生じるうず電流の作用を抑えるためである。うず電流の作用は使用する周波数に依存するから、使用周波数に応じて使用する磁性微粒子の粒径を選択する。磁性微粒子21は、概ね球体状であればよく、多少潰れていてもよい。潰れた球体状である場合、長径(長い方の直径)を1としたときに、短径(短い方の直径)が例えば0.7以上、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上である。

【0037】
球体状の磁性微粒子21は、任意の方法で製造できる。例えば、公知のアトマイズ法で球体状の磁性微粒子21を製造してもよい。アトマイズ法とは、溶融した金属に、高圧のガス又は水を吹き付けることで凝固させて、磁性微粒子を製造する方法である。また、他の方法として、溶剤中で磁性微粒子を成長させて製造する方法もある。

【0038】
球体状の磁性微粒子21は、表面に絶縁膜を有するものであることが好ましい。表面に絶縁膜を有すると、磁性微粒子21同士が互いに接触しても導通しない。絶縁膜は、例えば、酸化膜、シリカコートである。

【0039】
第1の絶縁材31は、パターン配線2の厚さと同じ厚さで形成されており、パターン配線2の上面及び下面を覆わないことが好ましい。

【0040】
磁性層5は、扁平状の磁性微粒子22が分散している第2の絶縁材32で層状に形成されている。磁性層5は、例えば磁性コンポジット材と呼ばれるものである。第2の絶縁材32は、インターポーザの材質として従来から用いられている例えばエポキシなどの樹脂である。第2の絶縁材32として、樹脂以外に、シリコーン、セラミックス、テフロン(登録商標)又はガラスを用いてもよい。

【0041】
扁平状の磁性微粒子22は、例えば、Fe系磁性微粒子、Co系磁性微粒子及びNi系磁性微粒子から選ばれる1種、又は複数種を混合したものである。Fe系磁性微粒子は、Fe微粒子、Fe合金微粒子等である。扁平状の磁性微粒子22の種類は、使用周波数帯により適宜選択すればよい。例えば、使用周波数0.1~300MHz程度では、磁性微粒子22としてFe系磁性微粒子を好ましく用いることができる。球体状の磁性微粒子21と扁平状の磁性微粒子22の材質は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。

【0042】
扁平状の磁性微粒子22は扁平状(薄板状)であれば外形は任意であり、多角形状であってもよいし、不特定の形状であってもよいし、種々の外形形状のものが混在していてもよい。また、磁性微粒子22の扁平の面に多少凹凸や膨らみがあってもよい。

【0043】
扁平状の磁性微粒子22の厚さ(平らな部分の厚さ)Tは、例えば、0.1~50μmであり、好ましくは0.1~1μmである。磁性微粒子22の最大粒長(最長部の長さ、最大粒径)Mは、例えば、0.1~1000μmであり、好ましくは1~500μmである。磁性微粒子22の厚さT:最大粒長Mは、1:5~1:100であり、好ましくは、1:5~1:20である。

【0044】
扁平状の磁性微粒子22は、任意の方法で製造できる。例えば、磁性膜をボールミル等で粉砕し、圧延して扁平状の磁性微粒子22を製造してもよい。磁性膜として、リボン状又はシート状に形成されて市販されているものを使用してもよいし、樹脂製フィルム等の支持部材の表面に形成されて市販されているものを剥離して使用してもよい。または、球体状の磁性微粒子を押し潰すことで、扁平状の磁性微粒子22を製造してもよい。

【0045】
扁平状の磁性微粒子22の面は、磁性層5の面と平行になる向きで第2の絶縁材32に分散されている。扁平状の磁性微粒子22は、表面に絶縁膜を有するものであることが好ましい。表面に絶縁膜を有すると、磁性微粒子22同士が互いに接触しても導通しない。絶縁膜は、例えば、酸化膜、シリカコートである。

【0046】
図1、図3に示すように、インダクタを設置する平面領域を覆うように、インターポーザの外面に導電性を有する導体層6が積層されていることが好ましい。導体層6は、例えば良導体であるCuによって形成されている。導体層6は、インダクタ11の漏れ磁束がインターポーザ1に搭載される他の部品(図12の半導体チップ301、302など)等に悪影響を及ぼすのを防止するための磁気シールドである。従って、導体層6は、巻線層4及び磁性層5を備えて構成されるインダクタ11等のインダクタ素子(磁性素子)とインターポーザ1に搭載される部品との間に設けられることが好ましい。例えば、導体層6は、インダクタ11等のインダクタ素子の最外層(最上層及び最下層の少なくとも1層)として設けられることが好ましい。

【0047】
インダクタ11の最上層など、巻線3に近接させて導体層6を形成すると、巻線3の漏れ磁束で導体層6に渦電流が発生し、インダクタ11に渦電流損が生じる。ところが、導体層6を下記の特定条件の層厚さで形成すると、この渦電流損を低減させることができるため、好ましい。

【0048】
その特定の導体層6の厚さdは、表皮深さをδとしたときに、
d=πδ/2である。
平板の場合、表皮深さδは次式で知られている。
δ=(πσμf)-0.5
ここで、σ[S/m]は導体の導電率、μ[H/m]は導体の透磁率(例えば銅の比透磁率はほぼ1であり、真空中の透磁率とほぼ同じμ=μ=4π×10-7[H/m])、f[Hz]は使用周波数である。

【0049】
次に、図4を参照しつつ、インダクタ11の製造方法の一例について説明する。

【0050】
同図(a)に示す第1の磁性コンポジットシート104を予め製造する。この第1の磁性コンポジットシート104は、巻線層4の形成に使用するものであり、球体状の磁性微粒子21が第1の絶縁材31に分散されているものである。このように配置するには、例えば、第1の絶縁材31になる液状の第1の絶縁材料131中に、球体状の磁性微粒子21を分散させ、この液体をシート状に形成して硬化させればよい。

【0051】
また、同図(b)に示す第2の磁性コンポジットシート105を予め製造する。この第2の磁性コンポジットシート105は、磁性層5の形成に使用するものであり、扁平状の磁性微粒子22がシートの面に平行になるように第2の絶縁材32中に分散されているものである。このように配置するには、例えば、第2の絶縁材32になる液状の第2の絶縁材料132中に、扁平状の磁性微粒子22を分散させ、この液体を圧延しつつシート状に形成して硬化させればよい。圧延することにより、第2の磁性コンポジットシート105の面と扁平状の磁性微粒子22の面が平行に揃う。別の方法としては、液状の第2の絶縁材料132中に扁平状の磁性微粒子22を分散させ、磁界を印加しつつシート状に形成して硬化させることで、第2の磁性コンポジットシート105の面と磁性微粒子22の面を平行に揃えてもよい。なお、扁平状の磁性微粒子22の面を第2の磁性コンポジットシート105の面と平行に揃える方法は任意である。

【0052】
次に、同図(c)に示すように、インダクタ11を形成する基材(ここではインターポーザ1の基台になるセンターコア層81)の上に、第2の磁性コンポジットシート105をラミネート(ラミネーションプロセス)により貼り付ける。これにより、基材上に磁性層5が形成される。

【0053】
次に、同図(d)に示すように、磁性層53の上に、パターン配線22を形成する。パターン配線22は、例えばフォトリソグラフィーなどの公知の方法で形成すればよい。

【0054】
次に、同図(e)に示すように、磁性層53及びパターン配線22の上に、第1の磁性コンポジットシート104をラミネート(ラミネーションプロセス)により貼り付ける。そして、パターン配線22の上を覆う部分の第1の磁性コンポジットシート104を研摩して除去することで、均一な厚さの巻線層42が完成する。

【0055】
図示しないが、同様に、巻線層42の上に磁性層52、巻線層41、磁性層51を順次形成する。導体層6は、磁性層5の上に電解銅めっきなどの公知の方法で形成すればよい。

【0056】
なお、巻線層4、磁性層5の形成方法は、これに限定されず任意の方法で形成することができる。例えば、巻線層4の第1の絶縁材31になる液状の第1の絶縁材料131中に、球体状の磁性微粒子21を分散させ、この液体を、磁性層53及びパターン配線22の上から塗布して硬化させてもよい。また、例えば、磁性層5の第2の絶縁材32になる液状の第2の絶縁材料132中に、扁平状の磁性微粒子22を分散させ、この液体を、インターポーザ1のセンターコア層81の上から直接塗布して硬化させることで、磁性層53を形成してもよい。塗布する際に、扁平状の磁性微粒子22の面が磁性層53の面に平行になるように、磁界の印加又は圧延を行ってもよい。

【0057】
次に、図5を参照しつつ、本発明のインダクタ11の動作原理について説明する。同図中に、インダクタ11が発生する磁束Fを太線で示す。

【0058】
扁平状の磁性微粒子22を磁性層5(51,52,53)の面と平坦面の方向を平行にする理由は、扁平状の磁性微粒子22は面方向の透磁率が面方向に垂直な方向にくらべてはるかに大きいことから、磁性層5に平行な方向に磁界を誘導させることができるためである。

【0059】
このため、同図に示すように、磁束Fは、磁性層5の中を面方向に沿って通る。磁束Fに鎖交する扁平状の磁性微粒子22の断面積は小さいため、扁平状の磁性微粒子22に渦電流はほとんど発生しない。したがって、磁性層5中に球体状の磁性微粒子21を配置する場合よりも、磁性層5中に扁平状の磁性微粒子22を面と平行に配置したほうが、インダクタ11のインダクタンス及びQ値をより大きくすることができる。

【0060】
なお、巻線層4(41,42)中に、巻線層4の面と扁平状の磁性微粒子22の面とが平行になる向きで扁平状の磁性微粒子22を配置することが考えられる。しかしながら、磁束Fは、巻線層4の面に対して直交する。巻線層4の面と平行になるように扁平状の磁性微粒子22を配置すると、磁束Fに鎖交する扁平状の磁性微粒子22の断面積は大きい。このため、扁平状の磁性微粒子22の面に渦電流が発生してしまい、渦電流損となるため、扁平状の磁性微粒子22を巻線層4中にその面と平行に配置することは、好ましくない。従って、巻線層4(41,42)中には、球形状の磁性微粒子21を配置する必要性がある。

【0061】
[電磁界解析1]
次に、本発明の電子部品であるインダクタ11の電磁界解析について説明する。

【0062】
電磁界解析ソフトウエアには、HFSS(ANSYS)を使用した。解析を行ったインダクタ11(実施例1)は、図1、図2に示す4ターンを2層に形成した構成である。パターン配線幅1mm、パターン間隔50μm、パターン配線厚70μm、巻線内径1mm、巻線外形10mmとした。図6に、解析に用いた球体状の磁性微粒子21及び扁平状の磁性微粒子22の複素透磁率(Complex permeability)μ'及び損失係数(Loss coeffioient)tanδの周波数特性を示す。使用周波数は20MHzを想定している。

【0063】
比較例1として、巻線層及び磁性層に球形状の磁性微粒子を分散させたインダクタ、比較例2として、空芯のインダクタの解析を行った。巻線の構成は、実施例と同様である。

【0064】
図7に、解析結果を示す。同図(a)はインダクタンス(Inductance)Lの周波数特性、同図(b)は等価直列抵抗(Series Resistance)Rsの周波数特性、同図(c)はQ値の周波数特性である。各図中、(i)実施例1[球体状の磁性微粒子及び扁平状の磁性微粒子を用いたインダクタ11]、(ii)比較例1[球体状の磁性微粒子]、(iii)比較例2[空芯]を示す。同図に示すように、インダクタンスL及びQ値は、値の大きい順に、実施例1、比較例1、比較例2となった。直列抵抗Rsは、想定した使用周波数20MHz程度まではほぼ同じ値であったが、周波数が高くなるに従い、実施例1、比較例1、比較例2の順に値が大きくなった。この結果から、本発明の電子部品であるインダクタ11は、小型化でき、かつ、大きなQ値を有し得るものであることがわかる。

【0065】
[電磁界解析2]
図8、図9に示す本発明の電子部品であるインダクタ11aの電磁界解析について説明する。解析を行ったインダクタ11aは、1層の巻線層4aに形成された巻線3aを有している。巻線3aの巻き数は解析条件によって変更している。図8に、本発明の電子部品の一例であるインダクタ11aの断面図を示し、図9に、図8に示したインダクタ11aの巻線3aのみを、図8の上部側(導体層6a側)から見た平面図で示している。図8は、図9のB-B’線断面図に相当する。

【0066】
インダクタ11aは、図の下から順に言うと、磁性層5a2、巻線層4a、磁性層5a1、導体層6aの順に積層されて構成されている。インダクタ11aの巻線3aは、巻線層4aにパターン配線2aで形成されている。巻線層4aは、既に説明した巻線層4と同様のものであり、第1の絶縁材31中に球体状の磁性微粒子21(図3参照)が分散されている。磁性層5a1、磁性層5a2は、既に説明した磁性層5と同様のものであり、第2の絶縁材32中に扁平状の磁性微粒子22(図3参照)が分散されていると共に、扁平状の磁性微粒子22の面が、磁性層5aの面と略平行になる向きで配置されている。導体層6aは、既に説明した導体層6と同様のものである。導体層6aと、巻線3aに繋がるビア配線とは、電気的なショートを防止するために、絶縁材で絶縁されている。

【0067】
解析条件は、磁性層5aの厚さa=100μm、巻線層4aの厚さb=70μm、磁性層5aの厚さc=100μm、導体層6aの厚さd=35μmである。パターン配線2aのライン幅1mm、ライン間隔50μm、巻線3aの内径1.7mmである。

【0068】
巻線層4aに配される球体状の磁性微粒子21が分散した状態の第1の絶縁材31の比透磁率=9、tanδ=0.012とした。この値は、試作した球形粉末(球体状の磁性微粒子)分散コンポジットシートの10MHzにおける実測値を用いた。

【0069】
磁性層5aに配される扁平状の磁性微粒子22が面と略平行に分散した状態の第2の絶縁材32の比透磁率=17、tanδ=0.073とした。この値は、試作した扁平粉末(扁平状の磁性微粒子)分散コンポジットシートの10MHzにおける実測値を用いた。なお、試作した扁平粉末分散コンポジットシートでは、分散している扁平状の磁性微粒子22の面が、コンポジットシートの面と平行なものもあれば、多少傾いているものも多くあった。多くの扁平状の磁性微粒子22の面をコンポジットシートの面と平行に近づけることができれば、比透磁率の値をさらに大きくできるものと考察される。そのため、扁平状の磁性微粒子22の分散している第2の絶縁材32の比透磁率(以下、磁性層5aの比透磁率ともいう)=17、30、50、100の4つの条件で電磁界解析を行った。

【0070】
図10に、試作した球形粉末分散コンポジットシート及び扁平粉末分散コンポジットシートの断面写真、並びに比透磁率及びtanδの実測値を示す。球形粉末として、組成比(wt%)=87.83Fe-6.59Si-2.54B-2.53Cr-0.51Cの鉄系アモルファス球状合金粉を用いた。球形粉末のメディアン径=2.56μmであった。また、扁平粉末として、組成比(wt%)=87.6Fe-6.7Si-2.5B-2.5Cr-0.75Cの鉄系アモルファス扁平合金粉を用いた。扁平粉末のメディアン径=10.94μmであった。

【0071】
インダクタ11aが降圧型DC-DCコンバータの使用部品であることを想定した。降圧型DC-DCコンバータが、入力電圧24V、出力電圧5V、スイッチング周波数10MHzで動作するものとした。この条件で動作するためには、インダクタ11aのインダクタンスが200nH以上必要であることが算出された。磁性層5aの比透磁率=17、30、50、100にて、インダクタ11aのインダクタンスが200nH以上である条件を満たすインダクタ11aの巻き数、フットプリントのサイズ、比透磁率=17のときのフットプリントサイズを1としたときのフットプリント比較値の算出結果を、表1に示す。

【0072】
【表1】
JP2020161645A_000003t.gif

【0073】
図11に、表1に示した磁性層5aの比透磁率=17、30、50、100の場合における電磁界解析の結果を示す。同図(a)はインダクタンスLの周波数特性、同図(b)は直流等価抵抗Rsの周波数特性、同図(c)はQ値の周波数特性である。なお、同図(b)、同図(c)の各グラフはほぼ重なった。比透磁率=17、30、50、100のいずれの場合も、各特性は良好であった。

【0074】
[第2実施形態]
図12に、本発明の電子部品の一例である部品内蔵基板101の断面図を示す。この部品内蔵基板101は、本発明の電子部品の一例であるインターポーザ1aを有するものである。インターポーザ1aには、本発明の電子部品の一例であるトランス12が形成されている。トランス12はインダクタ素子の一例である。なお、以下において、既に説明した構成については同様の符号を付して詳細な説明は省略する。

【0075】
部品内蔵基板101は、例えば、ビルドアップ層82が3層積層された上にセンターコア層81が積層され、その上にインターポーザ1aが積層されているものである。ビルドアップ層82は、例えばガラスエポキシで形成されている。センターコア層81は、例えばガラスエポキシ(FR4)で形成されている。部品内蔵基板101(インターポーザ1a)は、その上面部に、一例として、半導体チップ301、302及びコンデンサ303が半田85で接続されて搭載されている。部品内蔵基板101は、図示しないメイン基板に実装されて使用される。部品内蔵基板101の底面部には、図示しないメイン基板の電極に電気的に接続するための半田ボール86が設けられている。

【0076】
部品内蔵基板101のセンターコア層81は、インターポーザ1a(トランス12)の基材になっている。センターコア層81の上に、下から順に言うと、第2の磁性層512、第2の巻線層412、非磁性材で形成された非磁性層7、第1の巻線層411、第1の磁性層511、の順に積層されて構成されているインターポーザ1aが設けられている。磁性層5(511,512)は、既に説明した磁性層5(磁性層51,52,53)と同様のものであり、磁性層5の面と平行になるように扁平状の磁性微粒子22が分散されている。

【0077】
第1の巻線層411は、トランス12の1次コイルになる第1の巻線311を有している。第1の巻線311は、平面型スパイラル構造のパターン配線211で形成されている。第2の巻線層412は、トランス12の2次コイルになる第2の巻線312を有している。第2の巻線312は、平面型スパイラル構造のパターン配線212で形成されている。トランス12では、第1の巻線311と第2の巻線312は接続されず、非磁性層7を挟んで対向している。巻線層4(411,412)は既に説明した巻線層4(巻線層41,42)と同様に、球体状の磁性微粒子21が分散されている。

【0078】
非磁性層7は、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド、エポキシなどの樹脂、ガラス又はセラミックスで形成されている。非磁性層7中に、磁性微粒子は含まれない。非磁性層7は、第1の絶縁材31又は第2の絶縁材32と同様の材質で形成されていてもよい。

【0079】
トランス12は、一例として、インターポーザ1aに搭載したLLC-LC型DC-DCコンバータ用のトランスである。LLC-LC型DC-DCコンバータの特徴は、結合係数が0.9程度のトランスを用いることにある。トランス12は、1次巻線311と2次巻線312との間に非磁性層7を配置することで、結合整数が0.9程度になる。また、トランス12は、磁性層5を有することで、励磁インダクタンス及びQ値の大きなトランスとすることができる。

【0080】
なお、第1の磁性層511の上に、磁気シールドとなる導体層6を設けてもよい。また、トランスの用途によっては、トランス12の非磁性層7に代えて、磁性層5を設けてもよい。

【0081】
[第3実施形態]
図13に、本発明の電子部品の一例であるインターポーザ1bに構成されたトランス13の断面図を示す。トランス13は、インダクタ素子の一例である。なお、図13は、インターポーザ1bの一部(トランス13部分)のみを図示している。

【0082】
トランス13は、トランスの1次コイルになる第1の巻線322を有する第1の巻線層422と、第1の巻線層422を挟むように配置された複数(この例では2つ)の他の巻線層421及び巻線層423とを備えている。巻線層421の上には、磁性層521が積層されている。また、巻線層423の下には、磁性層522が積層されている。このように、巻線層4に磁性層5を積層することで、励磁インダクタンス及びQ値を大きくすることができる。

【0083】
各々の巻線層421,422,423の間には、磁性層5又は非磁性層7が積層されている。この例では、巻線層421,422の間に非磁性層721が配置され、巻線層422,423の間に非磁性層722が配置されている。なお、巻線層421、422の間に磁性層5が配置されていてもよく、巻線層422、423の間に磁性層5が配置されていてもよい。非磁性層7を配置する場合、耐圧が高くなる。磁性層5を配置する場合、励磁インダクタンス及びQ値が高くなる。

【0084】
複数の他の巻線層421及び巻線層423の巻線321及び巻線323がビア配線41で電気的に接続されてトランス13の2次コイルになっている。巻線321及び巻線323の電気的な接続ポイントであるビア配線41が2次コイルのタップ8になっている。

【0085】
トランス13の最上層に、磁気シールドとして導体層6が積層されていることが好ましい。なお、導体層6とタップ8との電気的なショートを防止するために、導体層6とビア配線41とは絶縁材で絶縁されている。

【0086】
図14に、トランス13の等価回路を図示する。巻線322は1次コイルである。巻線321、323の接続ポイントが2次コイルのタップ8になっている。巻線321、323が同じ巻き数である場合、タップ8はセンタータップになる。

【0087】
[第4実施形態]
図15に、本発明の電子部品の一例であるインターポーザ1cに構成されたトランス14の断面図を示す。トランス14は、インダクタ素子の一例である。なお、図15は、インターポーザ1cの一部(トランス14部分)のみを図示している。

【0088】
トランス14は、トランスの1次コイルになる第1の巻線335を有する第1の巻線層431と、トランスの2次コイルになる複数(4つ)の第2~第5の巻線331~334を有する他の巻線層431~434とを備えている。トランス14は、複数(この例では5つ)の巻線層4(431,432,433,434,435)の各々の間に、磁性層5(532,533)又は非磁性層7(731,732)が積層されている。磁性層5を配置するか、非磁性層7を配置するかは、インダクタンス、Q値、耐圧、結合係数などの必要性に応じて適宜設定すればよい。巻線層431の上には、磁性層531が積層されている。また、巻線層435の下には、磁性層534が積層されている。このように、巻線層4に磁性層5を積層することで、インダクタンス及びQ値を大きくすることができる。複数の巻線層4の巻線(331,332,333,334,335)によってトランス14が構成されている。

【0089】
図16に、トランス14の等価回路を図示する。第1の巻線335が、トランス14の1次コイルになっている。第2~第5の巻線331~334は、各々が2次コイルになっている。複数の2次コイルを設けることで、1次電圧を複数(この例では4種類)の2次電圧に変換することができる。例えば、インターポーザ1c内の動作用の電源電圧として複数の電源電圧が必要な場合、トランス14を設ければよい。1つのトランスで複数の電源電圧源として使用できるため、小型化に有効である。第2~第5の巻線331~334の任意の端部同士を接続してタップとして使用してもよい。

【0090】
なお、インターポーザに本発明を適用した例について説明したが、これに限定されず、平面コイルを形成したプリント配線基板に本発明を適用してもよい。また、本発明の電子部品は、チップ型インダクタ又はチップ型トランスのような積層構造を有するインダクタ素子単体であってもよい。また、本発明の電子部品は、インダクタ素子を内蔵する種々の電子部品であってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1・1a・1b・1cはインターポーザ、2(21,22,211,212,221,222,223,231,232,233,234,235)・2aはパターン配線、3(31,32,311,312,321,322,323,331,332,333,334,335)・3aは巻線、4(41,42,411,412,421,422,423,431,432,433,434,435)・4aは巻線層、5(51,52,53,511,512,521,522,531,532,533,534)・5a1,5a2は磁性層、6・6aは導体層、7(721,722,731,732)は非磁性層、8はタップ、11・11aはインダクタ、12・13・14はトランス、21は球体状の磁性微粒子、22は扁平状の磁性微粒子、31は第1の絶縁材、32は第2の絶縁材、41はビア配線、81はセンターコア層、82はビルドアップ層、85は半田、86は半田ボール、101は部品内蔵基板、104は第1の磁性コンポジットシート、105は第2の磁性コンポジットシート、131は第1の絶縁材料、132は第2の絶縁材料、301・302は半導体チップ、303はコンデンサ、a・cは磁性層の厚さ、bは巻線層の厚さ、dは導体層の厚さ、Fは磁束である。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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