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明細書 :サーモパイル型温度制御素子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-107772 (P2020-107772A)
公開日 令和2年7月9日(2020.7.9)
発明の名称または考案の名称 サーモパイル型温度制御素子
国際特許分類 H01L  37/04        (2006.01)
FI H01L 37/04
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2018-246534 (P2018-246534)
出願日 平成30年12月28日(2018.12.28)
発明者または考案者 【氏名】内田 健一
出願人 【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
審査請求 未請求
要約 【課題】異方性磁気ペルチェ効果が生じる磁性体を用いたサーモパイル構造を有する温度制御素子において、冷却・加熱能力を増大させる改良されたサーモパイル型温度制御素子を提供すること。
【解決手段】異方性磁気ペルチェ効果による温度変化が生じる導電性磁性体を単位要素とする複数の導電性磁性体10と、前記複数の導電性磁性体の各々に電流を印加可能に設けられた電流印加手段20と、前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域を、実質的に一ヶ所に集める構造で、前記複数の導電性磁性体を集積したことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
異方性磁気ペルチェ効果による温度変化が生じる導電性磁性体を単位要素とする複数の導電性磁性体と、
前記複数の導電性磁性体の各々に電流を印加可能に設けられた電流印加手段と、
前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域を、一ヶ所に集める構造で、前記複数の導電性磁性体を集積したことを特徴とするサーモパイル型温度制御素子。
【請求項2】
前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域の集積は、前記導電性磁性体によって形成される面に対して面内の領域で行われることを特徴とする請求項1記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項3】
前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域の集積は、前記導電性磁性体によって形成される面に対して垂直の領域で行われることを特徴とする請求項1又は2記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項4】
前記単位要素の導電性磁性体における磁化方向は、前記発熱・吸熱領域を境界として、前記導電性磁性体の軸方向と実質的に平行方向の磁化方向を有する第一の磁化領域と、前記第一の磁化領域に対して面内又は面外で斜めに傾斜した方向又は直交方向の磁化方向を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項5】
前記単位要素の導電性磁性体は、前記発熱・吸熱領域を頂点とするV字形又はL字形を有することを特徴とする請求項4記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項6】
前記単位要素の導電性磁性体を、前記導電性磁性体によって形成される面に対して2本以上有することを特徴とする請求項5記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項7】
異方性磁気ペルチェ効果による温度変化が生じる導電性磁性体を単位要素とする複数の導電性磁性体と、
前記複数の導電性磁性体の各々に電流を印加可能に設けられた電流印加手段と、
前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域を、直線状に配置された離散的な2か所以上に配置する構造で、前記複数の導電性磁性体を集積したことを特徴とするサーモパイル型温度制御素子。
【請求項8】
前記導電性磁性体は単一の物質から成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項9】
前記導電性磁性体は、強磁性体、フェリ磁性体または反強磁性体から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項10】
前記導電性磁性体は、ニッケルまたは、ニッケルを40wt%以上含む合金から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項11】
前記導電性磁性体は、ニッケルまたは、ニッケルを40wt%以上含むNi-Fe合金から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のサーモパイル型温度制御素子を用いた電子機器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換できるサーモパイル型温度制御素子に関し、特に異方性磁気ペルチェ効果が生じる磁性体を用いたサーモパイル型温度制御素子に関する。
【背景技術】
【0002】
金属や半導体における電流と熱流の相互作用は熱電効果と呼ばれ、温度差から電圧を作り出すゼーベック効果や、電流で加熱・冷却するペルチェ効果が古くから知られている。熱電効果の歴史は、ドイツの物理学者・医師であったトーマス・ゼーベックによって1821年にゼーベック効果が発見されたことに端を発する。その13年後の1834年に、フランスの物理学者であったジャン=シャルル・ペルチェによって初めてペルチェ効果が観測された。ペルチェ効果は金属や半導体に電流を流すとそれに沿って熱流が生じる現象であり、電流から熱流への変換効率(ペルチェ係数)が異なる2種類の物質を接合すると、流す電流の方向に依存して接合界面に発熱または吸熱が起こる。
【0003】
ペルチェ効果は、電流方向を変えるだけで加熱・冷却をスイッチできる、可動部が無いため静音で信頼性が高い、小型化が可能、などの利点を有しており、熱制御技術として幅広い用途への応用が期待されている。
一方で、次世代電子技術の有力候補であるスピントロニクス分野において、電子のスピン(磁気)の性質と電流・熱流の相互作用が基礎・応用の両面から盛んに研究されている。磁性体においては、スピンの効果によって電流や熱流の流れ方が磁化の方向に影響されることが知られている。そのような現象の代表例として、磁性体の電気抵抗が磁化と電流のなす角度に依存して変化する異方性磁気抵抗効果が挙げられる。同様に、磁性体におけるゼーベック効果も磁化の方向に依存する。その逆過程、すなわちペルチェ効果が磁化方向に依存して変化する現象も、実験的に観測されている。
【0004】
即ち、特許文献1や非特許文献1に示すように、異方性磁気ペルチェ効果が生じる磁性体においては、磁化が電流に対して平行な場合と直交している場合とで、ペルチェ係数が異なる。この性質を利用すれば、磁性体中に非一様な磁化分布を作ることにより、あたかもペルチェ係数が異なる物質を接合したかのように発熱や吸熱を発生させることができる。すなわち、磁気的な仮想接合によって、物質界面の無い単一の材料において、ペルチェ効果による温度変化を起こすことができる。
【0005】
他方で、LSIやμプロセッサのような電子デバイスは、1965年に発表されたムーアの法則の下、集積回路上のトランジスタ数は18か月ごとに2倍になる傾向を50年間に渡り維持している。そして、集積回路技術の継続的な進歩により、50年間で集積回路は7桁以上の集積度の向上をみせている。今日、量子コンピューティングの時代に向けて鋭意研究開発が推進されており、トランジスタ一個の大きさが原子1個に近づきつつあり、ムーアの法則もその限界に近づきつつあると言われている。
このような、集積回路の高集積度化は、一方で発熱密度の増大による故障率の増加や信頼性の低下をもたらしている。そこで、従来のヒートシンクや冷媒を用いた冷却では充分な冷却能力が得られにくくなっている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2018-190780号公報
【0007】

【非特許文献1】“Observation of anisotropic magneto-Peltier effect in nickel”, Ken-ichi Uchida et.al., Nature, DOI:10.1038/s41586-018-0143-x, 掲載日時:日本時間2018 年5 月22 日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、異方性磁気ペルチェ効果が生じる磁性体を用いたサーモパイル構造を有する温度制御素子において、冷却・加熱能力を増大させる改良されたサーモパイル型温度制御素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、磁化と電流の相対角が異なる領域の境界に発熱・吸熱が発生(屈曲部を有する強磁性体が一様に磁化している場合、角に熱源が発生)するという異方性磁気ペルチェ効果の性質を用いて、同符号の温度変化が生じる『角』が一か所に集中するようにすると、異方性磁気ペルチェ効果のサーモパイル化により大きな冷却・加熱能力を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。異方性磁気ペルチェ効果を用いれば、異物質接合から構成される従来のペルチェ効果型サーモパイルとは異なり、接合の無い単一物質によってサーモパイルを構成することができる。サーモパイル化によって得られる異方性磁気ペルチェ効果の冷却・加熱能力は、集中させた『角』の個数に比例する。
【0010】
〔1〕本発明のサーモパイル型温度制御素子は、例えば図1、図2に示すように、異方性磁気ペルチェ効果による温度変化が生じる導電性磁性体を単位要素とする複数の導電性磁性体10と、前記複数の導電性磁性体の各々に電流を印加可能に設けられた電流印加手段20と、前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域を、実質的に一ヶ所に集める構造で、前記複数の導電性磁性体を集積したことを特徴とする。
ここで、『実質的に一ヶ所に集める構造』とは、例えば図1、図2に示すように、前記発熱・吸熱領域と、隣接する単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域との間隔が、熱抵抗が無視できる程度に近いことをいう。
【0011】
〔2〕前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域の集積は、前記導電性磁性体によって形成される面に対して面内の領域で行われることを特徴とする〔1〕記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔3〕前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域の集積は、前記導電性磁性体によって形成される面に対して垂直の領域で行われることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載のサーモパイル型温度制御素子。
【0012】
〔4〕前記単位要素の導電性磁性体における磁化方向は、前記発熱・吸熱領域を境界として、前記導電性磁性体の軸方向と実質的に平行方向の磁化方向を有する第一の磁化領域と、前記第一の磁化領域に対して面内又は面外で斜めに傾斜した方向又は直交方向の磁化方向を有することを特徴とする〔1〕乃至〔3〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔5〕前記単位要素の導電性磁性体は、前記発熱・吸熱領域を頂点とするV字形又はL字形を有することを特徴とする〔4〕記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔6〕前記単位要素の導電性磁性体を、前記導電性磁性体によって形成される面に対して2本以上有することを特徴とする〔5〕記載のサーモパイル型温度制御素子。
【0013】
〔7〕本発明のサーモパイル型温度制御素子は、例えば図11、図12に示すように、異方性磁気ペルチェ効果による温度変化が生じる導電性磁性体を単位要素とする複数の導電性磁性体(110、140)と、前記複数の導電性磁性体の各々に電流を印加可能に設けられた電流印加手段120と、前記単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域130を、実質的に直線状に配置された離散的な2か所以上に配置する構造で、前記複数の導電性磁性体を集積したことを特徴とする。
ここで、『実質的に直線状に配置された』とは、例えば図12に示すように、前記発熱・吸熱領域と、同一の単位要素の導電性磁性体において隣接する発熱・吸熱領域との間隔Dに比較して、隣接する単位要素の導電性磁性体において対向する発熱・吸熱領域との間隔dが、例えば半分程度であり、従って隣接する単位要素の導電性磁性体の発熱・吸熱領域に対して、同一の単位要素の導電性磁性体の発熱・吸熱領域による熱的影響が無視でき、効率良くサーモパイル構造の中心部で冷却・加熱能力を向上できる程度のものをいう。
【0014】
〔8〕前記導電性磁性体は単一の物質から成ることを特徴とする〔1〕乃至〔7〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔9〕前記導電性磁性体は、強磁性体、フェリ磁性体または反強磁性体から成ることを特徴とする〔1〕乃至〔8〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔10〕前記導電性磁性体は、ニッケルまたは、ニッケルを40wt%以上含む合金から成ることを特徴とする〔1〕乃至〔8〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子。
〔11〕前記導電性磁性体は、ニッケルまたは、ニッケルを40wt%以上含むNi-Fe合金から成ることを特徴とする〔1〕乃至〔8〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子。
【0015】
〔12〕 〔1〕乃至〔8〕のいずれか1に記載のサーモパイル型温度制御素子を用いた電子機器。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、磁化と電流の相対角が異なる領域の境界に発熱・吸熱が発生(一様に磁化した線状の強磁性体がV字形又はL字形に屈曲している場合、V字形又はL字形の突端の近傍に熱源が発生)するという異方性磁気ペルチェ効果の性質を用いて、同符号の温度変化が生じる『突端』が実質的に一ヶ所に集中するように、複数の線状体をV字状又はL字形に折り曲げて形成した発熱/吸熱機構により、従来の単一ワイヤーにおける異方性磁気ペルチェ効果と比較して、大きな温度変化を起こすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの構成斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す5分枝型サーモパイルの説明図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す6分枝型サーモパイルの説明図である。
【図5】(A)はロックインサーモグラフィ測定システムの全体図、(B)は印加電流と熱画像出力を説明する図である
【図6】異方性磁気ペルチェ効果の測定に用いられる、ロックインサーモグラフィ法の信号処理の流れを説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの温度変調の説明図である。
【図8】ロックイン周波数(入力電流の周波数)依存性の説明図で、各周波数の温度振幅成分と位相成分の熱画像を示してある。
【図9】温度振幅成分と位相成分のロックイン周波数(入力電流の周波数)依存性を説明するグラフである。
【図10】定常状態における通常のサーモグラフィ法による測定結果の説明図である。
【図11】本発明の一実施形態を示すジグザグ型サーモパイルの構成斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態を示すジグザグ型サーモパイルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本明細書で用いる技術用語の定義を記載する。
(1)異方性磁気ペルチェ効果
異方性磁気ペルチェ効果とは、強磁性体において発現する磁化と電流の相対角に依存するペルチェ効果をいう。磁化と電流の角度が異なる領域間の境界で熱の吸収・放出が発生するので、異物質の接合界面が無くても生じる。ペルチェ係数を磁化の角度だけで異方的に制御することができる。
(2)サーモパイル
サーモパイルは熱エネルギーと電気エネルギーを相互に直接変換する素子である。従来のゼーベック効果・ペルチェ効果を用いたサーモパイルは、複数の熱電対(ゼーベック係数・ペルチェ係数が異なる異物質の接合)を直列あるいは並列に接続したものであり、その出力は熱電対の個数に比例する。本発明は、異方性磁気ペルチェ効果に対するサーモパイル構造を提案するものであり、熱電対構造を作ることなく、電流と磁化の相対角の設計のみで単一物質からサーモパイルを構成できることを特徴とする。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの構成斜視図である。図2は、本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの平面図である。
図において、導電性磁性体10は、例えばニッケル、又はニッケルを40wt%以上含むNi-Fe合金よりなるもので、線状又は薄膜のV字形又はL字形状をしているものが複数本組み合わせられている。導電性磁性体10は、V字形又はL字形状の突端12と、この突端12付近を境界として第1の磁化方向14と、第2の磁化方向16の領域を有している。第1の磁化方向14では、導電性磁性体10の突端から一方の端部に向かう方向と平行になっている。第2の磁化方向16では、導電性磁性体10の突端から他方の端部に向かう方向に対して直交している。
【実施例1】
【0020】
電流印加手段20は、導電性磁性体10に対して、図示する流れ方向24の電流Jcが流れるように電流を供給する直流電源装置である。配線22は、単位要素の導電性磁性体10を直列に接続するもので、例えば銅、アルミニューム、銀等の導電性の線状が用いられる。配線22を導電性磁性体10と同一材料にすることも可能であり、これによって完全に一種類の材料のみでサーモパイルを構築することができる。
発熱・吸熱領域30は、一様に磁化した線状の強磁性体がV字形又はL字形に屈曲している場合、V字形又はL字形の突端の近傍に熱源が発生するという異方性磁気ペルチェ効果の性質を用いて、同符号の温度変化が生じる『突端』が実質的に一ヶ所に集中するように、複数の線状体をV字状に折り曲げて形成した部位である。異方性磁気ペルチェ効果によれば、磁化と電流の相対角が異なる領域の境界に発熱・吸熱が発生する。
【実施例1】
【0021】
図1においては、単位要素の導電性磁性体10における発熱・吸熱領域30の集積は、導電性磁性体10によって形成される面に対して面内の領域で行われている場合を示している。なお、単位要素の導電性磁性体における発熱・吸熱領域30の集積は、導電性磁性体10によって形成される面に対して垂直の領域で行われてもよい。この場合は、導電性磁性体10が積層された状態で組み立てられている。
発熱・吸熱領域30においては、図1(A)に示す電流Jcの方向24の場合は、発熱32となる。これに対して、図1(B)に示す電流Jcの流れ方向24の場合は、吸熱34となる。ただし図1は、ペルチェ係数の異方性の符号がニッケルと同じ場合の振る舞いを示したものであり、ニッケルとは逆符号のペルチェ係数の異方性を示す材料を用いれば、電流方向を固定した際の発熱・吸熱の関係が反転する。
なお、図1において十字型サーモパイル構造の総発熱/吸熱量を|Q|と表記しているのは、発熱・吸熱領域30であることを表記するための便宜であり、図2に示す一本当たりの発熱/吸熱量Qとは、定量的な意味では相違している。
【実施例1】
【0022】
このように構成された装置において、一様に磁化した線状の強磁性体がV字形又はL字形に屈曲している場合、V字形又はL字形の突端の近傍に熱源が発生するという異方性磁気ペルチェ効果の性質を用いて、等方的な磁気特性を有する強磁性金属線1本あたりで最も大きな温度変化を起こすためには、図2(A)、(B)に示すように、磁化と電流の相対角が90度異なる領域を隣接させる必要がある。一様に磁化させた強磁性体線によりサーモパイル構造を作る場合、最も効率が良いのがL字形の強磁性体から構成される十字型であり、外部磁場印加で容易に実現可能できる。一本当たりの発熱/吸熱量をQとすると、十字型サーモパイル構造の総発熱/吸熱量は線状の数に比例して|4Q|となる。
【実施例1】
【0023】
図3は、本発明の一実施形態を示す5分枝型サーモパイルの説明図である。
線状の強磁性体40がV字形に屈曲している場合、V字形の突端42から一方の端部に向かう第1の強磁性体分枝44と、他方の端部に向かう第2の強磁性体分枝46とで、図3に示す5分枝型サーモパイルでの磁気異方性を組み合わせる構成とすることで、本発明のサーモパイルを実現できる。即ち、第1の強磁性体分枝44では、磁化方向が突端42から一方の端部に向かう方向と平行になっている。第2の強磁性体分枝46では、磁化方向が突端42から他方の端部に向かう方向に対して直交している。V字形に屈曲している矢印48は、直流電源装置(図示せず)より配線(図示せず)を介して線状の強磁性体40に供給される電流Jcの流れ方向を示している。
【実施例1】
【0024】
磁気異方性を駆使してこのような磁化分布を作ることで、各線状の強磁性体のV字形に屈曲している角度は、例えば72度に揃えることで、90度に固定する必要がなくなる。よって、集積化した角の数に比例した吸熱/発熱を起こすことが可能になるので、図3のサーモパイル構造において発生する総発熱/吸熱量は|5Q|となる。
原理的には2次元の集積化に限定されるものではなく、3次元的に多数集積化しても良い。なお、図3に示す5分枝型の磁化分布は、等方的な強磁性体に一様な外部磁場を印加するだけでは実現できない。
【実施例1】
【0025】
図4は、本発明の一実施形態を示す6分枝型サーモパイルの説明図で、(A)はV字形の突端から一方の端部に向かう第1の強磁性体分枝と、他方の端部に向かう第2の強磁性体分枝とで異なる磁化方向を組み合わせる構成、(B)は一様に磁化させた場合を示している。
線状の強磁性体50がV字形に屈曲している場合、V字形の突端52から一方の端部に向かう第1の強磁性体分枝54と、他方の端部に向かう第2の強磁性体分枝56とで、図4(A)に示す6分枝型サーモパイルでの磁気異方性を組み合わせる構成とすることで、本発明のサーモパイルを実現できる。即ち、第1の強磁性体分枝54では、磁化方向が突端52から一方の端部に向かう方向と平行になっている。第2の強磁性体分枝56では、磁化方向が突端52から他方の端部に向かう方向に対して直交している。V字形に屈曲している矢印58は、直流電源装置(図示せず)より配線(図示せず)を介して線状の強磁性体50に供給される電流Jcの流れ方向を示している。
このような磁化分布を作ることで、各線状の強磁性体のV字形に屈曲している角度は、例えば60度に揃えるとよい。よって、集積化した角の数に比例した吸熱/発熱を起こすことが可能になるので、図4(A)に示すサーモパイル構造において発生する総発熱/吸熱量は|6Q|となる。
【実施例1】
【0026】
図4(B)はV字形に屈曲している線状の強磁性体を6本集積させた構造を一様に磁化させた場合を示している。
線状の強磁性体60がV字形に屈曲している場合、V字形の突端64から一方の端部に向かう第1の強磁性体分枝65と、他方の端部に向かう第2の強磁性体分枝66とで、図4(B)に示す6分枝型サーモパイルにおいて本発明のサーモパイルを実現できる。即ち、線状61、62を除く4本の線状60において、第1の強磁性体分枝65では、磁化方向が突端64から一方の端部に向かう方向と斜め方向になっている。第2の強磁性体分枝66では、磁化方向が突端64から他方の端部に向かう方向に対して直交している。ここで、線状60は電流と磁化の相対角度差が90度ではなくなるため、温度変化が小さくなる(Q>q)。なお、V字形に屈曲している矢印68は、直流電源装置(図示せず)より配線(図示せず)を介して線状の強磁性体60に供給される電流Jcの流れ方向を示している。
他方、線状61、62では、線状の強磁性体がV字形に屈曲しているものの、V字形の突端64から一方の端部に向かう第1の強磁性体分枝と、他方の端部に向かう第2の強磁性体分枝とで、ペルチェ係数が同じになるため、異方性磁気ペルチェ効果による温度変化を出すことができない。
よって、V字形又はL字形に屈曲している線状の強磁性体を外部磁場で一様に磁化させるという限定条件の下では、4本の線状の強磁性体からなる十字構造が最も効率的である。
【実施例1】
【0027】
図5(A)はロックインサーモグラフィ測定システムの全体図、(B)は印加電流と熱画像出力である。
ロックインサーモグラフィ測定システムは、測定対象となる試料70、赤外線カメラ80、ソースメータ90、演算制御システム100で構成されている。ここで、サーモグラフィは、物質表面から放射される赤外線の空間分布を検出する測定方式である。赤外線の放射エネルギーは物質の温度に依存するため、適切な校正を行うことで、物質の温度分布を画像情報として取得できる。
【実施例1】
【0028】
試料70は、例えば図1~図4に示された異方性磁気ペルチェ効果を有するサーモパイルである。
赤外線カメラ80は、物体から放射される赤外線を可視化するためのカメラである。赤外線は、絶対温度の4乗に比例して放射量が増えるため、対象の温度変化を赤外線量の変化として可視化することができる。このような温度分布測定法がサーモグラフィである。赤外線カメラには、主に3~5μm程度の波長域の赤外線を検出する半導体センサーを用いた冷却型と、7~14μm程度の波長域の赤外線を検出するマイクロボロメーターを用いた非冷却型のいずれかが用いられる。
【実施例1】
【0029】
ソースメータ90は、精密な電圧および電流の印加と測定の両方の機能を提供するもので、動作としては、電圧源、電流源、電圧計、電流計そして抵抗計として働く。ソースメータ90は、個別測定器を集める場合に比べて多くの利点を有する。たとえば、GPIB転送の時間を削減して試験時間を短縮でき、リモートプログラミングを単純化できる。また、思わぬ過負荷、加熱などによる損傷から被試験デバイスを保護する。電流および電圧印加の両方がプログラマブルでリードバック機能があるので、デバイスの測定品位を大きく高める利点がある。
演算制御システム100は、フーリエ解析によって電流と同じ周波数で時間変化する温度変化だけを選択的に抽出して可視化する。
【実施例1】
【0030】
このように構成されたロックインサーモグラフィ測定システムでは、図5(B)に示すように、ソースメータ90を用いて、試料70に周期的に変化する電流を印加しながら、赤外線カメラ80を用いて表面の温度分布を測定する。
そして、演算制御システム100によって観測された温度分布データをフーリエ解析することによって、ソースメータ90で印加した電流と同じ周波数で時間変化する温度変化だけを選択的に抽出して可視化する。これにより高感度な熱電効果の測定を実現できると共に、電流の周波数を上げることによって熱拡散による影響を抑制し、発熱源・吸熱源の位置を特定することができる。
【実施例1】
【0031】
図5(A)、(B)に示す異方性磁気ペルチェ効果の測定態様により、測定対象物のロックイン熱画像の振幅成分102と位相成分104を得ている。振幅成分102は入力電流に応答して生じる温度変化の大きさの空間分布、位相成分104は温度変化の符号と熱拡散による時間遅れの空間分布を表す。
このロックインサーモグラフィ測定システムを用いて、試料70に電流を流した際に生じる温度変化を詳細に測定し、その磁場依存性と空間分布を調べることで、様々な熱応答現象を分離して評価することができる。
【実施例1】
【0032】
図6は異方性磁気ペルチェ効果の測定態様を示すロックインサーモグラフィ法の説明図で、(A)は赤外線画像、(B)は印加信号波形、(C)はフーリエ解析、(D)はロックイン熱画像の振幅成分、(E)はロックイン熱画像の位相成分である。
図6(A)に示すような赤外線画像は、例えば図5(A)に示す赤外線カメラを用いた撮像システムと、図6(B)に示す矩形波の駆動電流Jcを用いて得られる。赤外線画像は、試料70の赤外線画像で、ソースメータの機能のうち直流電源装置92から供給される電流Jcに応じて変化する。駆動電流波形は、例えば周波数10Hz、駆動電流振幅が±1Aの矩形波電流信号で、例えば図6(A)に示すように、異方性磁気ペルチェ効果の実証実験に使用される試料70に印加される。
赤外線カメラ80で得られる赤外線画像は、X座標とY座標で示される試料70の平面画像であり、例えば1秒当たり30フレーム画像のような、画像情報に変換される。そして、赤外線画像情報は、図6(C)に示すようなフーリエ解析の対象となり、ロックイン熱画像の振幅成分と位相成分に分解される。図6(D)はロックイン熱画像の振幅成分画像103、(E)はロックイン熱画像の位相成分105である。
【実施例1】
【0033】
このような赤外線画像解析によると、入力信号に比例して生じる温度変化の高感度熱イメージング計測が行え、例えば温度分解能として0.1mKが得られる。これにより、ペルチェ効果をはじめとした各種熱電効果(電流に応答する温度変化)の温度・磁場・周波数依存性等の系統的評価が行える。また、多数の試料の同時計測が可能となり、熱電材料のハイスループット材料探索が行えるという効果もある。
【実施例1】
【0034】
図7は、本発明の一実施形態を示す十字型サーモパイルの温度変調の説明図で、(A)は温度振幅画像、(B)は印加信号波形と温度変化との位相差画像、(C)は定常状態での赤外線画像、(D)は磁化方向に対して奇の依存性を示す振幅成分、(E)は(D)の位相成分、(F)は磁化方向に対して偶の依存性を示す振幅成分、(G)は(F)の位相成分、(H)は磁化方向に対して偶の依存性を示す信号から磁化方向に依存しないバックグラウンド信号を減算して、異方性磁気ペルチェ効果に由来する信号のみを取り出した熱画像の振幅成分、(I)は(H)の位相成分、である。
【実施例1】
【0035】
次に、本発明の一実施形態である十字型サーモパイルにおける温度変調について説明する。試料70は、L字形に屈曲している線状の強磁性体を4本用いて、図1、図2に示すように十字型に配置したものであり、具体的にはNi線を用いて構成した。
測定態様は、試料70に矩形波交流電流を流しながらロックインサーモグラフィ測定システムを用いて、測定する。Niが磁化しているときのみ、複数の線状体をV字状に折り曲げて形成された尖点を実質的に一ヶ所に集めて形成された中心(各Niの角)に集中した温度変化が発生するが、これは異方性磁気ペルチェ効果に由来するものである。
【実施例1】
【0036】
図8は、異方性磁気ペルチェ効果のロックイン周波数(入力電流の周波数)依存性の説明図で、各周波数の温度振幅成分と位相成分の画像を示してある。図8において、(A1)~(A10)は温度振幅画像、(B1)~(B10)は印加信号波形と温度変化との位相差で、ロックイン周波数は順に25.0Hz、16.7Hz、12.5Hz、10.0Hz、5.0Hz、2.0Hz、1.0Hz、0.5Hz、0.2Hz、0.1Hzの場合を示している。ロックイン周波数の低下に伴い、温度変化は単調に増大する。1.0Aの矩形波振幅を持つ電流を0.2mm角の断面を持つNi線に印加した際、ほぼ定常状態である0.1Hzにおいては、温度変化は150mKに到達する。この結果は磁界の強さHを±3kOe(≒±240[kA/m])として測定したものであり、十字型サーモパイルを構成しているNi線は磁場方向に一様に磁化している。
【実施例1】
【0037】
図9は、異方性磁気ペルチェ効果による温度変化のロックイン周波数(入力電流の周波数)依存性を説明するグラフで、(A)は図8の温度振幅画像の中心位置(十字構造の中心:領域C)における値、(B)は図8の位相画像の領域Cにおける値を示している。領域Cの位置は、図8(A1)および(A6)で定義した。
低ロックイン周波数帯域(例えば2Hz以下)では定常状態に近い温度分布を示している。これに対して、高ロックイン周波数帯域(例えば2Hz超)では熱拡散が抑制された過渡状態の温度分布を示している。高ロックイン周波数帯域における結果より、発熱・吸熱源の位置が十字構造の中心に位置しており、異方性磁気ペルチェ効果から予測される振る舞いと一致していることがわかる。
【実施例1】
【0038】
図10は、定常状態における通常のサーモグラフィ法による測定結果の説明図である。
サーモパイル構造ならば大きな温度変化を起こすことができるため、ロックインサーモグラフィではなく通常のサーモグラフィでも異方性磁気ペルチェ効果を測定可能であることが示されている。
【実施例2】
【0039】
図11は、本発明の一実施形態を示すジグザグ型サーモパイルの構成斜視図である。図12は、本発明の一実施形態を示すジグザグ型サーモパイルの平面図である。前述の十字型サーモパイルにおける異方性磁気ペルチェ効果の議論は、ジグザグ型に対しても同様に成り立つ。
【実施例2】
【0040】
図において、導電性磁性体110は、例えばニッケル、又はニッケルを40wt%以上含むNi-Fe合金よりなるもので、線状又は薄膜のジグザグ形状を有している。導電性磁性体110は、隣接する導電性磁性体140に近い側のジグザグ形状の突端112と、この突端112付近を境界として第1の磁化方向114と第2の磁化方向16を有すると共に、隣接する導電性磁性体140から遠い側のジグザグ形状の突端118の領域を有している。第1の磁化方向114では、導電性磁性体110の突端から一方の端部に向かう方向と平行になっている。第2の磁化方向116では、導電性磁性体110の突端から他方の端部に向かう方向に対して直交している。
【実施例2】
【0041】
導電性磁性体140は、例えばニッケル、又はニッケルを40wt%以上含むNi-Fe合金よりなるもので、線状又は薄膜のジグザグ形状が導電性磁性体110のジグザグ形状と対になって組み合わせられている。導電性磁性体140は、隣接する導電性磁性体110に近い側のジグザグ形状の突端142と、この突端142付近を境界として第1の磁化方向144と第2の磁化方向16を有すると共に、隣接する導電性磁性体110から遠い側のジグザグ形状の突端148の領域を有している。第1の磁化方向144では、導電性磁性体140の突端から一方の端部に向かう方向と平行になっている。第2の磁化方向146では、導電性磁性体140の突端から他方の端部に向かう方向に対して直交している。
【実施例2】
【0042】
電流印加手段120は、導電性磁性体110、140に対して、図示する流れ方向の電流Jcが流れるように電流を供給する直流電源装置である。配線122は、単位要素の導電性磁性体110、140を直列に接続するもので、例えば銅、アルミニューム、銀等の導電性の線状が用いられる。配線122を導電性磁性体110、140と同一材料にすることも可能であり、これによって完全に一種類の材料のみでサーモパイルを構築することができる。
発熱・吸熱領域130は、実質的に直線状に配置された離散的な2か所以上に配置する構造で、導電性磁性体110、140を集積したものである。ここで、『実質的に直線状に配置された』とは、例えば図12に示すように、前記発熱・吸熱領域と、同一の単位要素の導電性磁性体において隣接する発熱・吸熱領域との間隔Dに比較して、隣接する単位要素の導電性磁性体において対向する発熱・吸熱領域との間隔dが、例えば半分程度であり、従って隣接する単位要素の導電性磁性体の発熱・吸熱領域に対して、同一の単位要素の導電性磁性体の発熱・吸熱領域による熱的影響が無視でき、効率良くサーモパイル構造の中心部で冷却・加熱能力を向上できる程度のものをいう。
【実施例2】
【0043】
このように構成された装置においては、導電性磁性体110、140がジグザグ形状に屈曲していると共に、発熱・吸熱領域130が実質的に直線状に配置された離散的な2か所以上に配置する構造を有しているので、直線状に配置された発熱・吸熱領域が得られる。例えば、図12に示すように、各導電性磁性体110、140が5か所の屈曲部を有する場合には、屈曲部一ヶ所当たりの発熱/吸熱量をQとすると、サーモパイル構造の中心に沿った総発熱/吸熱量は屈曲部の数に比例して|5Q|となる。
【実施例2】
【0044】
なお、本発明の実施例として、図1~図4や図11、図12に示す実施例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の実施態様が、当業者に自明な範囲で考えられるため、このような自明な範囲も本発明の権利範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、異方性磁気ペルチェ効果がもたらす新しい熱制御機能として、異なる物質の接合の無い、単一の磁性体による電子冷却素子・温度制御素子を構築することができる。異物質接合から構成される従来のペルチェ素子とは異なり、磁性体の形状や磁化分布を変えることによる、熱電変換特性の再構成や、局所的に磁化させることによる任意箇所の温度変調が可能となる。
異方性磁気ペルチェ効果はエレクトロニクス・スピントロニクスデバイスに適した新しいサーマルマネジメント原理であり、ペルチェ素子の小型化・低コスト化・汎用性向上が期待される。以上の性質を活用すれば、集積回路内部へのペルチェ素子の埋め込み、配線そのものを用いた電子冷却等、従来素子では実現できなかった温度制御デバイスの構築が可能となる。
【符号の説明】
【0046】
10、40、50、60、110、140 導電性磁性体
12、42、52、62、112、142 突端(発熱・吸熱領域形成用)
14、114、144 第1の磁化方向
16、116、146 第2の磁化方向
20、120 電流印加手段(電池)
22、122 配線
24、124 電流の流れ方向
30、130 発熱・吸熱領域
32、132 発熱での熱の流れ方向
34、134 吸熱での熱の流れ方向
44、54、64 第1の強磁性体分枝
46、56、66 第2の強磁性体分枝
70 試料(異方性磁気ペルチェ効果を有する素子)
80 赤外線カメラ
90 ソースメータ
100 演算制御システム
Jc 直流電流
M 磁化
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
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【図10】
9
【図11】
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【図12】
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