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明細書 :神経障害性疼痛の医薬組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-019722 (P2020-019722A)
公開日 令和2年2月6日(2020.2.6)
発明の名称または考案の名称 神経障害性疼痛の医薬組成物
国際特許分類 A61K  31/706       (2006.01)
A61P  25/04        (2006.01)
C09B  61/00        (2006.01)
A61K  36/185       (2006.01)
FI A61K 31/706
A61P 25/04
C09B 61/00 C
A61K 36/185
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2018-142564 (P2018-142564)
出願日 平成30年7月30日(2018.7.30)
発明者または考案者 【氏名】奥田 洋明
【氏名】尾崎 紀之
【氏名】クワンケー ニチャカン
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110002251、【氏名又は名称】特許業務法人眞久特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C086
4C088
Fターム 4C086AA01
4C086AA02
4C086EA11
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C088AB12
4C088BA08
4C088CA03
4C088NA14
4C088ZA01
4C088ZA08
要約 【課題】神経障害性疼痛の治療・予防薬として有用な医薬組成物の提供。
【解決手段】神経障害性疼痛の有効成分として、化学式(I)及び/又は化学式(II)
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で表される色素、その薬学的に許容される塩、並びにそれらの水和物から選ばれる少なくとも何れかを含有する、神経障害性疼痛の医薬組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
神経障害性疼痛の有効成分として、下記化学式(I)
【化1】
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(式(I)中、R及びRは、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミド基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、アラルキル基、アルキルスルフィニル基、及び糖から選ばれる少なくとも何れかの置換基で単数若しくは複数置換されていてもよく互いに隣り合うN原子と共に複素環を形成している環状基を示し; 又は、一方が、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミド基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アラルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、及びアルキルスルフィニル基から選ばれる置換基で単数若しくは複数置換されていてもよい脂肪族炭化水素基で、他方が、孤立電子対を示す)、
及び/又は、下記化学式(II)
【化2】
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(式(II)中、R及びRは、前記R及び前記Rに同じく前記環状基を示し; 又は、一方が、前記R若しくは前記Rに同じく前記脂肪族炭化水素基で、他方が、水素原子を示す)
で表される色素、その薬学的に許容される塩、並びにそれらの水和物から選ばれる少なくとも何れかを含有することを特徴とする神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項2】
前記複素環が、インドール環、インドリン環、ピロール環、ピロリン環、又はピロリジン環であることを特徴とする請求項1に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項3】
前記色素が、ベタレイン類であることを特徴とする請求項1に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項4】
前記ベタレイン類が、ベタシアニン色素、ベタキサンチン色素、並びに、それらの配糖体及びアグリコンから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項3に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項5】
前記ベタシアニン色素が、ベタニン、イソベタニン、プレベタニン、及び/又はネオベタニンであり、前記ベタキサンチン色素が、インディカキサンチン、ブルガキサンチン、ミラキサンチン、及び/又はポルツラカキサンチンであることを特徴とする請求項4に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項6】
前記ベタレイン類が、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び/又は少なくともそれら何れかの混合物であることを特徴とする請求項3に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項7】
前記神経障害性疼痛が、ウィルス感染障害性神経因性疼痛、代謝障害性神経因性疼痛、脊柱管狭窄性神経因性疼痛、薬物副作用性神経因性疼痛、神経切断性神経因性疼痛、神経障害性神経因性疼痛、及び/又は病巣圧迫性神経因性疼痛であることを特徴とする請求項1に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項8】
神経障害性疼痛の治療薬、及び/又は予防薬であることを特徴とする請求項1に記載の神経障害性疼痛の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載の神経障害性疼痛の医薬組成物を含んでいることを特徴とする神経障害性疼痛の医薬製剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、神経が障害されることに起因する神経障害性疼痛に対し鎮痛作用を発現する医薬組成物、及びそれを含有する医薬製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
疼痛には、心理的・社会的ストレスなどの要因に起因する痛みとして感受される心因性疼痛、炎症や刺激に起因する痛みとして感受される侵害受容性疼痛、神経の障害に起因する痛みとして感受される神経障害性疼痛がある。疼痛は、日常生活の不便や不快感、労働意欲の減退を招き、生活の質(Quality of Life)を損なう。
【0003】
心因性疼痛には抗うつ剤や抗不安薬の投与のような薬物療法や運動や生活習慣改善等の非薬物療法が行われ、侵害受容性疼痛には、骨・関節・筋肉・皮膚の打撲・切開箇所の機械的刺激・炎症による体性痛(体性疼痛)や身体各臓器の障害・炎症による内臓痛を抑制する解熱鎮痛剤や消炎鎮痛剤の投与のような薬物療法が行われる。
【0004】
一方、神経障害性疼痛は、ウィルスの感染によって神経が障害されたり、糖尿病など代謝障害によって神経が障害されたり、脊柱管狭窄によって神経が圧迫又は障害されたり、抗癌剤のような傷害性の強い薬物の副作用によって神経が障害されたり、事故や怪我によって神経が切断又は障害されたり、癌の腫瘍組織のような病巣によって神経が圧迫されたりする、様々な神経因性の疼痛である。
【0005】
このような神経障害性疼痛は、障害を受けた神経が興奮し続け、障害を受けた神経から痛みを伝達する物質が過剰に放出されている状態である。そのため、痛みの原因や病原巣が除去されて疾病が治っても、痛みが長期間続いたり、少しの刺激で強い痛みを感じたり、天気・気候の変化で痛みを感じたり、動かなくとも痛みを感じたりしてしまう。神経障害性疼痛は、しばしば、電気が走るような痛みや強いしびれなどの症状として発現する。
【0006】
神経障害性疼痛は、カルシウムチャネルを通じてカルシウムが神経細胞内に入ることによって神経細胞が興奮し、神経伝達物質が過剰に放出されることがメカニズムの一つと考えられており、一次選択薬として、カルシウムチャネルを阻害して痛みを和らげる薬物が、用いられる。さらに、抗うつ薬で痛みを感じ難くさせたり、抗てんかん薬で神経細胞の異常な興奮を抑えて鎮痛させたりすることもあるが、眠気を感じたりふらふら感じたりすることがある。さらに、これらの薬物治療だけでは痛みが治まらず、日常動作に障害となる場合は、オピオイドと呼ばれる麻薬系の強力な鎮痛薬が、用いられる。
【0007】
また、電位依存性ナトリウムチャネル(Nav)は、神経細胞の興奮や伝達を担っている。9種類(Nav1.1~Nav1.9)の電位依存性ナトリウムチャネルが知られており、中でも、Nav1.7,Nav1.3,Nav1.8の3つのサブタイプは神経障害性疼痛との関連性が示唆されている。
【0008】
特許文献1に、電位依存性ナトリウムチャネル、特にNav1.7の阻害成分として、3-((4-(3-(4-クロロフェノキシ)-1-アゼチジニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ)-N-メチル-ベンズアミド等で例示されるもので、これらチャネルの阻害によって治療可能な疾患、特には慢性疼痛障害の治療において有用なアリールカルボキサミド誘導体、及びそれを含む医薬組成物が、開示されている。
【0009】
さらに、特許文献2に、1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-N-(メチルスルホニル)-1H-インドール-5-カルボキサミド等で例示されるもので、鎮痛作用を有し、ナトリウムチャネルが介在する疾病の治療及び/又は発症を予防するインドール誘導体、及びそれを含む製剤やナトリウムチャネル阻害剤が、開示されている。
【0010】
心因性疼痛や侵害受容性疼痛、特に侵害受容性疼痛は、多くの場合、治療法が確立しているが、神経障害性疼痛の治療は、有効な治療法が極めて限られている。
【0011】
神経障害性疼痛の治療・予防薬として、従来の神経障害性疼痛の有効成分に無い骨格を有しつつ、疼痛緩和効果が高く、安全性に優れ、副作用が少なく、安心して長期間繰り返し使用でき、天然由来の神経障害性疼痛の有効成分を含有する薬物が望まれていた。
【先行技術文献】
【0012】

【特許文献1】特表2013-519732号公報
【特許文献2】特開2014-101287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ヒユ科フダンソウ属植物のビートである火焔菜(学名:Beta vulgaris vulgaris L.)は、ビートルート、赤ビートとも呼ばれるもので、東南アジアや古代ローマで発熱や便秘の治療薬として用いられ、ヨーロッパで酸化ストレスの保護のための民間薬として用いられていた。ビートから得られるベタニンは、赤色のインドール誘導体色素であり、ベタレイン類の一種である。本発明者らは、ベタレイン類やその誘導体が、神経障害性疼痛の有効成分となり得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、神経障害性疼痛の治療・予防薬として、従来の神経障害性疼痛の有効成分に無い骨格を有しつつ、疼痛緩和効果が高く、安全性に優れ、副作用が少なく、安心して長期間繰り返し使用でき、天然由来の神経障害性疼痛の有効成分を含有する医薬組成物、及びそれを含んでいる医薬製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の目的を達成するためになされた神経障害性疼痛の医薬組成物は、神経障害性疼痛の有効成分として、下記化学式(I)
【化1】
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(式(I)中、R及びRは、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミド基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、アラルキル基、アルキルスルフィニル基、及び糖から選ばれる少なくとも何れかの置換基で単数若しくは複数置換されていてもよく互いに隣り合うN原子と共に複素環を形成している環状基を示し; 又は、一方が、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミド基、アルキル基、アルキルオキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アラルキル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、及びアルキルスルフィニル基から選ばれる置換基で単数若しくは複数置換されていてもよい脂肪族炭化水素基で、他方が、孤立電子対を示す)、
及び/又は、下記化学式(II)
【化2】
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(式(II)中、R及びRは、前記R及び前記Rに同じく前記環状基を示し; 又は、一方が、前記R若しくは前記Rに同じく前記脂肪族炭化水素基で、他方が、水素原子を示す)
で表される色素、その薬学的に許容される塩、並びにそれらの水和物から選ばれる少なくとも何れかを含有するというものである。
【0016】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、例えば、前記複素環が、インドール環、インドリン環、ピロール環、ピロリン環、又はピロリジン環であるというものである。
【0017】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、前記色素が、ベタレイン類であることが好ましい。
【0018】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、例えば、前記ベタレイン類が、ベタシアニン色素、ベタキサンチン色素、並びに、それらの配糖体及びアグリコンから選ばれる少なくとも何れかであるというものである。
【0019】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、前記ベタシアニン色素が、ベタニン、イソベタニン、プレベタニン、及び/又はネオベタニンであり、前記ベタキサンチン色素が、インディカキサンチン、ブルガキサンチン、ミラキサンチン、及び/又はポルツラカキサンチンであることが好ましい。
【0020】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、前記ベタレイン類が、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び/又は少なくともそれら何れかの混合物であってもよい。
【0021】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、前記神経障害性疼痛として、ウィルス感染障害性神経因性疼痛、代謝障害性神経因性疼痛、脊柱管狭窄性神経因性疼痛、薬物副作用性神経因性疼痛、神経切断性神経因性疼痛、神経障害性神経因性疼痛、及び/又は病巣圧迫性神経因性疼痛のために用いられるものである。
【0022】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、神経障害性疼痛の治療薬、及び/又は予防薬として有用である。
【0023】
前記の目的を達成するためになされた神経障害性疼痛の医薬製剤は、前記の医薬組成物を含んでいるものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の神経障害性疼痛の医薬組成物は、治療法が確立していない、神経障害性疼痛の治療・予防薬として有用である。
【0025】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、前記化学式(I)又は(II)で表される神経障害性疼痛の有効成分を含有している。この有効成分は、(2,6‐ジカルボキシ-テトラヒドロピリジン-4-イリデン)エチリデン骨格、(2,6‐ジカルボキシ-ジヒドロピリジン-4-イリデン)エチリデン骨格、又は(2,6‐ジカルボキシ-ピリジン-4-イリデン)エチリデン骨格を有するもので、従来の神経障害性疼痛の有効成分に無い骨格を有している。
【0026】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、この有効成分によって、疼痛緩和効果が高い。この有効成分、例えばベタレイン類、とりわけベタニンは、天然由来の食用色素である食品添加物として広く用いられているものであり、安全性に優れている。しかも、食品添加物としての長年の実績があり、副作用が少なく、安心して長期間繰り返し使用できるものである。
【0027】
この神経障害性疼痛の医薬組成物は、有効成分が、ビート等の植物に含有されている天然由来の食用色素であってしかも簡便かつ純度良く大量に入手可能なものであるから、生産効率が良く、安価に製造可能であり、医療費の軽減に資する。
【0028】
この神経障害性疼痛の医薬組成物を含む製剤は、有効成分自体が安定であるので、保存安定性に長け、均一で高度な品質のまま、長期間維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明を適用する神経障害性疼痛の医薬組成物の薬効評価に用いたCCIモデルの概要を示す模式図である。
【図2】本発明を適用する神経障害性疼痛の医薬組成物の薬効評価のためのCCIモデルの対照として、医薬組成物非投与下でのCCI手術群(CCI)と偽手術群(Sham)での機械刺激に対する感受性の変化を示すグラフである。
【図3】本発明を適用する神経障害性疼痛の医薬組成物のCCIモデルによる腹腔内投与での機械刺激に対する感受性の変化を示すグラフである。
【図4】本発明を適用する神経障害性疼痛の医薬組成物のCCIモデルによる腹腔内投与での機械刺激に対する感受性の変化を示すグラフである。
【図5】本発明を適用する神経障害性疼痛の医薬組成物のCCIモデルによる経口投与での機械刺激に対する感受性の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。

【0031】
本発明の神経障害性疼痛の医薬組成物の一例は、神経障害性疼痛の有効成分として、下記化学式(I)
【化3】
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で表される色素を、含有しているものである。

【0032】
式(I)中、R及びRは、例えば、置換基で単数又は複数置換されていてもよく互いに隣り合うN原子と共に複素環を形成している環状基を示す。その複素環は、インドール環、及びインドリン環(2,3-ジヒドロインドール環)のような複素縮合環;ピロール環、ピロリン環、及びピロリジン環のような複素単環が挙げられる。複素環に置換されていてもよい置換基としては、水酸基;フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子;カルボキシル基(-COOH);アミド基(-CONH);炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の飽和のアルキル基;炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の飽和のアルキルオキシ基;炭素数2~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の不飽和のアルケニル基;炭素数2~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の不飽和のアルケニルオキシ基;フェニルメチル基、フェネチル基のようなアラルキル基;フェニル基;4-ヒドロキシフェニル基のようなヒドロキシフェニル基;3,4-ジヒドロキシフェニル基のようなジヒドロキシフェニル基;メチルスルフィニル基のような炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状で飽和又は不飽和のアルキルスルフィニル基;及び、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトースなどのヘキソース、キシロース、アラビノースなどのペントース、フコース、ジキトキソースなどの単糖類、プリメペロース、ゲンチオビオース、ルチノース、ストロファントビオースなどの二糖類、その他の三糖類、又はそれらのスルホ置換糖類の何れかがアグリコンの水酸基にエーテル結合を介して結合している糖鎖、具体的にはグルコースがグルコピラノシドやスルホグルコピラノシドとしてグリコシド結合した糖鎖が、挙げられる。

【0033】
神経障害性疼痛の医薬組成物の別な一例は、神経障害性疼痛の有効成分として、下記化学式(II)
【化4】
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で表される色素を、含有しているものであってもよい。

【0034】
式(II)中、R及びRは、例えば、前記R及び前記Rに同じく前記環状基を示す。

【0035】
なお、式(I)及び式(II)中、
【化5】
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は、cis構造、又はtrans構造、若しくはそれらの混合体を示し、
【化6】
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は、飽和炭素-炭素単結合、又は不飽和炭素-炭素二重結合、若しくはそれらの混合体を示す。

【0036】
前記化学式(I)及び化学式(II)で表される神経障害性疼痛の有効成分である色素は、例えば、ベタレイン類である。ベタレイン類には、インドール系の環状基であるインドリン環基を有し赤色から紫色の色素であるベタシアニン色素や、黄色から橙色の色素であるベタキサンチン色素が、挙げられる。

【0037】
神経障害性疼痛の有効成分として、環状基を有する化合物の好ましい一例は、前記化学式(I)に対応する下記化学式(III)で表されるベタシアニン色素の一種であるベタニン(CAS RN:7659-95-2)が挙げられる。ベタニンは、ヒユ科フダンソウ属植物のビート(学名:Beta vulgaris vulgaris L.)から得ることができるものであって、食品添加物として用いられる赤色の天然色素であり、商業的・工業的に利用されており、安全性の高いものである。

【0038】
【化7】
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【0039】
ベタニンは、前記化学式(I)に対応して化学式(III)で表されている構造と、前記化学式(II)に対応して化学式(III’)で表される構造との間で、互変異性として表記できるものである。

【0040】
ベタニンは、ビート中に300~600mg/kg程度含まれているものである。ベタニンは、ビートの粗抽出物又は精製物として含有されているものであってもよく、市販品(例えば、Betanin (Red Beet extract diluted with Dextrin) 製品コードB0397 東京化成工業株式会社製)であってもよい。

【0041】
ベタニンは、赤色配糖体色素であるが、加水分解してグルコース糖鎖を除去したアグリコンであるベタニジンにして用いてもよい。

【0042】
神経障害性疼痛の有効成分として、インドール系の環状基であるインドリン環基を有する化合物の別な一例は、下記化学式のように、前記化学式(I)に対応して表記したイソベタニン(化学式(IV))、プレベタニン(化学式(V))、化学式(II)に対応して表記したネオベタニン(化学式(VI))が挙げられる。

【0043】
【化8】
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【0044】
また、神経障害性疼痛の有効成分として、環状基であるピロリン環基を有する化合物であるベタキサンチン色素の別な一例は、下記化学式のように、前記化学式(I)に対応して表記したもので、L-プロリンのイミン体であるインディカキサンチン(化学式(VII))、trans-4-ヒドロキシ-L-プロリンのイミン体であるポルツラカキサンチンI(化学式(VIII))が挙げられる。

【0045】
【化9】
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【0046】
神経障害性疼痛の有効成分の別な化合物の好ましい一例として、前記化学式(I)中、R及びRは、一方が、置換基で単数若しくは複数置換されていてもよく、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基で、他方が、孤立電子対とするものであってもよい。脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基は、水酸基;フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子;カルボキシル基(-COOH、又は-COO);アミド基(-CONH);炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状で飽和のアルキル基;炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状で飽和のアルキルオキシ基;炭素数2~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の不飽和のアルケニル基;炭素数2~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状の不飽和のアルケニルオキシ基;フェニルメチル基、フェネチル基のようなアラルキル基;フェニル基;4-ヒドロキシフェニル基のようなヒドロキシフェニル基;3,4-ジヒドロキシフェニル基のようなジヒドロキシフェニル基;メチルスルフィニル基のような炭素数1~18で直鎖状、分岐鎖状及び/又は環状で飽和又は不飽和のアルキルスルフィニル基が、挙げられる。

【0047】
また、神経障害性疼痛の有効成分として、別な化合物の好ましい一例は、前記化学式(II)中、R及びRにつき、一方が、前記R又は前記Rと同じく前記脂肪族炭化水素基で、他方が、水素原子を示すものが、挙げられる。

【0048】
前記化学式(I)及び前記化学式(II)で表され前記脂肪族炭化水素基を有する化合物であるベタキサンチン色素の別な一例は、下記化学式のように、前記化学式(I)に対応して表記したもので、L-チロシンのイミン体であるポルツラカキサンチンII(化学式(IX))、グリシンのイミン体であるポルツラカキサンチンIII(化学式(X))のようなポルツラカキサンチンや、ブルガキサンチンI(化学式(XI))、ブルガキサンチンII(化学式(XII))のようなブルガキサンチンや、ミラキサンチンI(化学式(XIII))、ミラキサンチンII(化学式(XIV))、ミラキサンチンIII(化学式(XV))、ミラキサンチンV(化学式(XVI))のようなミラキサンチンが挙げられる。

【0049】
【化10】
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【0050】
これら神経障害性疼痛の有効成分は、前記化学式(I)又は前記化学式(II)で表される色素であれば、立体異性体であってもよく互変異性体であってもよい。化学式(III)~(XVI)で例示される前記ベタレイン類が、エナンチオマー、そのラセミ混合物又はエナンチオマーの非等量混合物、ジアステレオマー、そのジアステレオマー混合物、若しくはそれらの混合物であってもよい。

【0051】
化学式(III)~(XVI)で例示される前記ベタレイン類は、ビートジュースから抽出され、必要に応じて精製され、有効成分の単一組成又は複合組成にして用いられるものであってもよい。

【0052】
これら神経障害性疼痛の有効成分は、前記化学式(I)又は前記化学式(II)で表される色素の薬学的に許容されるアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩であってもよく、塩酸塩・硫酸塩・硝酸塩・酢酸塩・クエン酸塩・酒石酸塩・メタンスルホン酸塩・トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩、アミノ酸との塩であってもよい。

【0053】
これら神経障害性疼痛の有効成分は、前記化学式(I)及び/又は前記化学式(II)で表される色素やその塩に対する水和物であってもよい。

【0054】
神経障害性疼痛の医薬組成物は、神経障害性疼痛の有効成分と共に、他の疼痛の有効成分を含んでいてもよく、病原巣の治療薬、例えば抗癌剤を含んでいてもよく、消炎鎮痛剤や解熱鎮痛剤を含んでいてもよい。

【0055】
神経障害性疼痛の医薬組成物は、ウィルス感染障害性神経因性疼痛、代謝障害性神経因性疼痛、脊柱管狭窄性神経因性疼痛、薬物副作用性神経因性疼痛、神経切断性神経因性疼痛、神経障害性神経因性疼痛、及び/又は病巣圧迫性神経因性疼痛のような神経障害性疼痛の治療薬や予防薬として、有用である。

【0056】
本発明の神経障害性疼痛の医薬製剤は、前記の神経障害性疼痛の医薬組成物を含んでいるものである。この神経障害性疼痛の医薬製剤は、必要に応じ、非毒性で不活性の薬学的に許容しうる賦形剤、例えば固体状、半固体状もしくは液状の希釈剤、分散剤、充填剤及び担体と混合することにより、製剤化されている。さらに安定剤、保存剤、pH調整剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料防腐剤、媒質、生理食塩水、別な薬効を有する薬剤が添加剤として含まれていてもよい。

【0057】
この神経障害性疼痛の医薬製剤の剤形は、例えばエリキシル剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、軟膏、懸濁剤、液剤、腸溶剤、乳剤、硬膏剤、坐剤、散剤、錠剤、シロップ剤、注射剤、トローチ剤、軟膏剤、ハップ剤、リニメント剤、リモナーデ剤、ローション剤が挙げられる。神経障害性疼痛の医薬組成物中の有効成分を、水やポリオキシエチレン又はその変性物(例えばTween、より具体的にはTween80(東京化成工業株式会社製))のような液状媒体に溶解させてもよく懸濁させてもよく、固体状媒体に分散させたものであってもよい。

【0058】
この神経障害性疼痛の医薬製剤は、経口で投与してもよく、静脈注射・点滴で投与してもよく、皮膚に塗布乃至貼付して経皮吸収させてもよい。

【0059】
この神経障害性疼痛の医薬製剤中、神経障害性疼痛の有効成分として、前記化学式(I)及び/又は前記化学式(II)で表される色素、その薬学的に許容される塩、並びにそれらの水和物から選ばれる少なくとも何れかを、0.001~99質量%含んでいる。この神経障害性疼痛の医薬製剤中、神経障害性疼痛の有効成分を、患者の体重に対し、0.001~1000mg/kg含んでいることが好ましい。

【0060】
この神経障害性疼痛の医薬製剤の投与量、用量は、神経障害性疼痛の有効成分の有効性、投与の形態・経路、神経障害性疼痛の強弱、患者の体型・体重・年齢、併用する他の疾患の治療薬の種類や量に応じ、適宜選択される。その投与は、1日1~5回毎日投与してもよく、1日~14日おきに又は2~6週間おきに間欠的に投与してもよい。この神経障害性疼痛の医薬製剤は、単回投与よりも1乃至2週間以上連続して投与すると、疼痛の感受性の軽減・除去の効果が顕著となる。

【0061】
この神経障害性疼痛の医薬製剤中、神経障害性疼痛の有効成分は、疼痛緩和効果が高く、経口投与、静脈投与、経皮投与でも患者の身体に対して安全性に優れ、副作用が少なく、長期間繰り返し使用できるものである。とりわけ、ベタニンは、食品添加物(E番号:E162)として冷菓、飲料等に用いられており、食物アレルギーを起こさず、長年の使用実績によって、安全性が担保されている。

【0062】
神経障害性疼痛には脊髄でのグリア細胞の活性化が重要であることが知られている。この神経障害性疼痛の医薬製剤の神経障害性疼痛の有効成分の作用機序は、必ずしも明らかでないが、ベタニンがグリア細胞の活性化を抑制することが分かったことから、これによって神経障害性疼痛の緩和効果を示すと推察される。
【実施例】
【0063】
以下、本発明の神経障害性疼痛の医薬組成物、及びそれを含む医薬製剤を調製し、薬効について評価した結果を、以下に示す。
【実施例】
【0064】
(調製例1:ベタニンを含有する神経障害性疼痛の医薬組成物の調製)
ベタニンは、Betanin (Red Beet extract diluted with Dextrin)製品コードB0397(東京化成工業株式会社製)を、神経障害性疼痛の医薬組成物の有効成分として、用いた。薬効評価試験の際には、このベタニンをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解して、医薬組成物を液状の医薬製剤となる被検物として、各種用量に調製して、用いた。
【実施例】
【0065】
(1.薬効評価試験の動物及びモデル作製方法)
(1-1.薬効評価試験に用いたマウス)
Slc:ICRマウス(日本エスエルシー株式会社製)の雄 7週齢を、用いた。
【実施例】
【0066】
(1-2.Chronic Constriction Injury (CCI)モデル作製方法)
“Behavior of neuropathic pain in mice following chronic constriction injury comparing silk and catgut ligatures”, Springerplus, 4:225 (2015).に準拠して、ペントバルビタールナトリウムの6.48mg/mlを用いてマウスを麻酔した後、それの左大腿二頭筋を切開することにより坐骨神経を露出した。次いで6-0の絹糸を用いて約1mm間隔で3箇所を緩く結紮することによりCCIモデルを作製した。
その後、筋層及び皮膚を縫合し、ゲンタマイシン硫酸塩の0.5mg/ml水溶液を皮下投与した。
一方、偽手術群(Sham)は、坐骨神経を露出した後、結紮をせずに筋層及び皮膚を縫合し、ゲンタマイシン硫酸塩水溶液を皮下投与した。
そのモデルの概要を、図1に示す。
【実施例】
【0067】
(2.薬効評価試験方法)
(2.1.機械刺激に対する感受性試験方法(von Frey test))
von Frey filamentを用いたUp and down法(Chaplan et al., “Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw”, J. Neurosci Methods, 53:55-63(1994))に準拠し、機械刺激に対する反応閾値を測定した。マウスを網の上に乗せ、透明な箱を上から被せ、30分間馴化させた。その後、網下面よりフィラメントをマウスの足底部にフィラメントが軽く湾曲する程度の力で接触させた。フィラメントの湾曲状態を3秒間保持し、後肢逃避行動(脚を素早く退けるもしくは足を舐める)の有無を確認した。フィラメント(von Frey filament)として、No. 2.44(0.04g)からNo. 4.31(2.0g)までの刺激強度の異なる6本のモノフィラメント製のフィラメント(North Coast Medical Inc.社製)を用いた。
このUp and down法では、フィラメント刺激で逃避反応が認められたら、その一つ下の強度のフィラメントで刺激し、反応が認められない時は一つ上の強度のフィラメントの刺激を行う。最初に閾値を越えた時すなわち刺激に対して陽性から陰性、あるいは陰性から陽性へと変化した前後の2反応を最初の反応とし、その後4回(計6回)同様のup - down刺激で得られた成績から、計算式で50%閾値を後肢逃避閾値(g)として、求めた。また、最も強いNo. 4.31(2.0g)のフィラメントに反応しなかったマウスについては、その後肢逃避閾値を一律2.0gとした。
【実施例】
【0068】
(2.2.機械刺激に対する感受性試験(von Frey test)の対象)
被検物非投与下のCCI手術群(CCI)と偽手術群(Sham)とを対照とし、各種用量の被検物の腹腔内投与又は経口投与での機械刺激に対する感受性の変化を測定した。
【実施例】
【0069】
(3.薬効評価試験方法-試験法での被検物の投与)
(3.1.被検物の腹腔内投与方法)
CCIモデルを作製後、術後0日(手術前投与)又は3日目から、14日目まで毎日、腹腔内投与を行った。ベタニンをPBSに溶解し、マウス1kgあたり1000mg、100mg、10mg及び1mgとなるように被検物を調製し、投与した。その被検物の投与量はマウス10gあたり100μLに統一するようにして投与した。マウスはベタニン各濃度及び対照群(PBS投与)の計5群をそれぞれ6匹ずつ使用した。
【実施例】
【0070】
(3.2.被検物の経口投与方法)
CCIモデルを作成後、術後0日(手術前投与)から14日目まで毎日、経口投与を行った。ベタニンをPBSに溶解し、マウス1kgあたり1000mg及び100mgとなるように被検物を調製し、投与した。その被検物の投与量はマウス10gあたり100μLに統一するようにして投与した。マウスは、ベタニン各濃度及び対照群(PBS投与)の計3群をそれぞれ6匹ずつ使用した。
【実施例】
【0071】
(4.薬効評価試験による結果)
(4.1.被検物非投与下のCCI手術群(CCI)と偽手術群(Sham)での機械刺激に対する感受性の変化の結果)
被検物非投与下でのCCI手術群(CCI)と偽手術群(Sham)での機械刺激の結果を、対照として、図2に示す。図2から明らかな通り、偽手術群では、後肢逃避閾値が70日目までほぼ一定であったが、CCI手術群では、後肢逃避閾値が14日目まで急激に低下し、28日目以降、徐々に回復したが、当初の後肢逃避閾値までは回復しなかった。
【実施例】
【0072】
(4.2.被検物腹腔内投与下の機械刺激に対する感受性の変化の結果)
神経障害性疼痛の医薬組成物である被検物の1mg/kg、10mg/kg及び100mg/kgと対照として同量のPBSとを、CCIモデル作製後3日目から14日目まで、腹腔内投与した時の機械刺激に対する感受性の変化の結果を、図3に示す。なお、図中、水平破線は、ベタニンの投与期間を示している(以下、同様)。図3から明らかな通り、機械刺激に対する感受性については、非投与下での後肢逃避閾値(図2)と比較し、被検物の投与直後(3日目)から、用量依存的に、後肢逃避閾値の低下程度が緩くなり、早期に後肢逃避閾値が回復した。これらの結果から、投与によって機械刺激による痛み行動が緩和されており、ベタニンが、神経障害性疼痛に有効であることを示している。
【実施例】
【0073】
(4.3.被検物腹腔内投与下の機械刺激に対する感受性の変化の結果)
神経障害性疼痛の医薬組成物である被検物の1mg/kg、10mg/kg、100mg/kg及び1000mg/kgと対照として同量のPBSとを、CCIモデル作製後0日(手術前投与)から14日目まで、腹腔内投与した時の機械刺激に対する感受性の変化を、図4に示す。図4から明らかな通り、機械刺激に対する感受性については、非投与下での後肢逃避閾値(図2)と比較し、被検物の投与直後(0日目)から、用量依存的に、後肢逃避閾値の低下程度が極めて緩くなり、1乃至3日目には回復に転じ、早期に後肢逃避閾値が回復した。これらの結果から、機械刺激による痛み行動が緩和されており、ベタニンが、神経障害性疼痛に有効であることを示している。
【実施例】
【0074】
(4.4.被検物経口投与下の機械刺激に対する感受性の変化の結果)
神経障害性疼痛の医薬組成物である被検物の100mg/kg及び1000mg/kgと対照として同量のPBSとを、CCIモデル作製後0日(手術前投与)から14日目まで、経口投与した時の機械刺激に対する感受性の変化を、図5に示す。図5から明らかな通り、機械刺激に対する感受性については、非投与下での後肢逃避閾値(図2)と比較し、被検物の投与直後(0日目)から、用量依存的に、後肢逃避閾値の低下程度が極めて緩くなり、1日目には回復に転じ、腹腔内投与(図5)と同様に、早期に後肢逃避閾値が回復した。これらの結果から、機械刺激による痛み行動が緩和されており、ベタニンが、神経障害性疼痛に有効であることを示している。
【実施例】
【0075】
(4.5.安全性評価)
被検物の腹腔内投与又は経口投与後のマウスの体重、行動、毛並みについて測定・観察したところ、投与前と変化が無く、ベタニン投与による安全性が確認された。
【実施例】
【0076】
以上、ベタニンでの結果を示したが、前記化学式(I)で表されるイミン骨格・イミニウム骨格を有し、及び化学式(II)で表されるアミン骨格を有する化合物、例えばベタニン以外のイソベタニン、プロベタニン、ネオベタニン、ブルガキサンチン、ミラキサンチン、ポルツラカキサンチン、又はインディカキサンチンについても、神経障害性疼痛の有効成分として有用である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の神経障害性疼痛の有効成分を含有する神経障害性疼痛の医薬組成物、及びそれを含む医薬製剤は、神経が障害されることに起因する各種の神経障害性疼痛を軽減したり治療したり、予防したりするのに有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
4