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明細書 :時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-178156 (P2020-178156A)
公開日 令和2年10月29日(2020.10.29)
発明の名称または考案の名称 時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法
国際特許分類 H04W  72/12        (2009.01)
H04W  72/04        (2009.01)
H04W  56/00        (2009.01)
H04W  74/04        (2009.01)
FI H04W 72/12 150
H04W 72/04 131
H04W 56/00 130
H04W 74/04
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 5
出願番号 特願2019-076967 (P2019-076967)
出願日 平成31年4月15日(2019.4.15)
発明者または考案者 【氏名】向井 宏明
【氏名】平櫻 瞭太郎
出願人 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100154966、【弁理士】、【氏名又は名称】海野 徹
審査請求 未請求
テーマコード 5K067
Fターム 5K067AA14
5K067AA43
5K067CC04
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
要約 【課題】伝送帯域の消費及び製造コストを抑制できる時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】本発明の時分割多元接続方式による無線通信システム1は、親機10と複数の子機20とが無線通信ネットワーク200を介して相互に信号を送受信する時分割多元接続方式による無線通信システムにおいて、前記子機が人工衛星100から送信される衛星信号101を受信する衛星信号受信器22を備えており、前記子機に時分割多元接続方式のタイムスロットを割り当てておき、前記子機が前記衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて自己に割り当てられている前記タイムスロットで前記親機に対して信号を送信することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
親機と複数の子機とが無線通信ネットワークを介して相互に信号を送受信する時分割多元接続方式による無線通信システムにおいて、
前記子機が人工衛星から送信される衛星信号を受信する衛星信号受信器を備えており、
前記子機に時分割多元接続方式のタイムスロットを割り当てておき、
前記子機が前記衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて自己に割り当てられている前記タイムスロットで前記親機に対して信号を送信することを特徴とする時分割多元接続方式による無線通信システム。

【請求項2】
前記人工衛星が衛星測位システムに対応する人工衛星であることを特徴とする請求項1に記載の時分割多元接続方式による無線通信システム。

【請求項3】
親機と複数の子機とが無線通信ネットワークを介して相互に信号を送受信する時分割多元接続方式による無線通信方法において、
前記子機が人工衛星から送信される衛星信号を受信する衛星信号受信器を備えており、
前記子機に時分割多元接続方式のタイムスロットを割り当てるステップと、
前記子機が前記衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて自己に割り当てられている前記タイムスロットで前記親機に対して信号を送信するステップを備えることを特徴とする時分割多元接続方式による無線通信方法。

【請求項4】
前記人工衛星が衛星測位システムに対応する人工衛星であることを特徴とする請求項3に記載の時分割多元接続方式による無線通信方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送帯域の消費及び製造コストを抑制できる時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を抑えながら親機(基地局)と複数の子機との間で遠距離通信を可能にする無線通信方式としてLPWA(Low Power Wide Area)が注目されている。LPWAのうちLoRaは特にIoT(Internet of Things)に適した方式として知られている。
複数の子機から親機へ送信されたデータの通信衝突を避ける方式として時分割多元接続方式が知られている。時分割多元接続方式はTDMA(Time Division Multiple Access)方式とも呼ばれ、同じ周波数帯の電波を時間軸で分割し、分割した各時間(タイムスロット)を各子機に割り当てて多重化するものである。
例えば非特許文献1に開示された技術では、子機は親機にデータを送信する前に親機に信号を送信する。親機はこの信号を受信すると、子機に対してデータ送信タイミングを指示する制御メッセージを送信する。この制御メッセージを受信した子機はアクセス権を取得したことになり、指示されたタイミングで親機にデータを送信する。制御メッセージを受信しなかった子機はランダム時間待機しながら親機に信号を送信し続ける。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Rajeev Piyare, Amy L. Murphy, Michele Magno and Luca Benini, “On-Demand LoRa: Asynchronous TDMA for Energy Efficient and Low Latency Communication in IoT”, Sensors (Basel). 2018 Nov. 1;18(11). Pii: E3718. doi: 10.3390/s18113718.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のとおり、従来の時分割多元接続方式では親機が子機に制御メッセージを送信するため、制御メッセージによって伝送帯域が消費されてしまうという問題がある。このような問題はLoRa等の伝送速度が遅い通信方式で顕著になる。また、制御メッセージの送受信を可能にするために親機及び子機の回路規模を大きくする必要があり、製造コストが増加するという問題もある。
【0005】
本発明は、上記のような問題を考慮して、伝送帯域の消費及び製造コストを抑制できる時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の時分割多元接続方式による無線通信システムは、親機と複数の子機とが無線通信ネットワークを介して相互に信号を送受信する時分割多元接続方式による無線通信システムにおいて、前記子機が人工衛星から送信される衛星信号を受信する衛星信号受信器を備えており、前記子機に時分割多元接続方式のタイムスロットを割り当てておき、前記子機が前記衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて自己に割り当てられている前記タイムスロットで前記親機に対して信号を送信することを特徴とする。
また、前記人工衛星が衛星測位システムに対応する人工衛星であることを特徴とする。
【0007】
本発明の時分割多元接続方式による無線通信方法は、親機と複数の子機とが無線通信ネットワークを介して相互に信号を送受信する時分割多元接続方式による無線通信方法において、前記子機が人工衛星から送信される衛星信号を受信する衛星信号受信器を備えており、前記子機に時分割多元接続方式のタイムスロットを割り当てるステップと、前記子機が前記衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて自己に割り当てられている前記タイムスロットで前記親機に対して信号を送信するステップを備えることを特徴とする。
また、前記人工衛星が衛星測位システムに対応する人工衛星であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では各子機は衛星信号に含まれている時刻情報に基づいて正確な時刻を把握している。そして、自己に割り当てられているタイムスロットで正確なタイミングで親機に対して信号(例えばセンサで取得したデータ)を送信する。従来のように子機が親機にデータを送信する前に親機に信号を送信し、次に親機から子機に対してデータ送信タイミングを指示する制御メッセージを送信するという手順が不要になる。したがって、伝送帯域の消費を抑制できると共に、制御メッセージを送受信するための回路が不要になるので製造コストを抑制できる。
人工衛星としてGPS衛星などの衛星測位システムに対応する人工衛星を利用することにすれば、子機は衛星信号を容易に取得できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】時分割多元接続方式による無線通信システムを示す概略図
【図2】実施例において各子機に割り当てたタイムスロットを示す図
【図3】実施例の結果を示す表
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法(以下、単に「無線通信システム」又は「無線通信方法」ということがある。)の実施の形態について説明する。
図1に示すように無線通信システム1は親機10、複数の子機20及びサーバ30から概略構成される。無線通信システム1は人工衛星100から送信される衛星信号101を受信して利用する。

【0011】
親機10と複数の子機20は無線通信ネットワーク200を介して無線接続されており、時分割多元接続方式で相互に信号を送受信することができる。
無線通信ネットワーク200としては例えば長距離通信が可能なLoRaを用いることができるが、他にも例えばSigFox、Wi-SUNなどを用いてもよい。
子機20は周知のセンサ21、衛星信号受信器22、バッテリー、電源ON/OFF回路、マイコン、LoRa無線モジュール等を備えている。
センサ21の種類は特に限定されるものではなく、温度、光、色、圧力、磁気、速度、加速度などを計測できる周知のセンサ21を用いることができる。子機20はセンサ21で取得したデータ(信号)を親機10に送信する。

【0012】
衛星信号受信器22は人工衛星100から送信される衛星信号101を受信するためのものである。人工衛星100としては例えばGPS衛星(Global Positioning System satellite)が挙げられるが、これ以外にも例えば軍事衛星、偵察衛星、通信衛星、放送衛星、地球観測衛星、航行衛星、気象衛星、科学衛星、アマチュア衛星などが挙げられる。子機20が備える衛星信号受信器22はこれら人工衛星100から送信される衛星信号101を受信できる機能を備えていればよい。人工衛星100から送信される衛星信号101には様々な情報が含まれており、子機20はそのうちの時刻情報を取り出すことで正確な現在時刻を取得できる。人工衛星100がGPS衛星などの衛星測位システムに対応する人工衛星であれば子機20は衛星信号101を常時受信できるので時刻情報を記憶する必要がないが、他の人工衛星100で衛星信号101が一定間隔を空けて送信される場合には子機20は衛星信号101から取り出した時刻情報を記憶しておけばよい。
バッテリーとしてリチウムイオン二次電池等のモバイルバッテリーを使用してもよい。モバイルバッテリーを使用する場合、電源ON/OFF回路によって一定時間のみONになり、その他の時間はOFFになるように制御すればよい。センサ21やLoRa無線モジュールの制御はマイコンでおこなう。

【0013】
各子機20には予め時分割多元接続方式のタイムスロットが割り当てられている。例えば各子機20に番号を付して、番号が小さい子機20から順番に一定時間(例えば数秒)の間隔を空けてタイムスロットを割り当てることにしてもよい。上述の通り各子機20は衛星信号101に含まれている時刻情報に基づいて正確な現在時刻を取得している。番号が小さい子機20から順番に自己に割り当てられているタイムスロットで一定時間を空けて正確に親機10にデータを送信するので、データの衝突を防止できる。
タイムスロットの割り当ては親機10及び子機20に予めプログラムしておく方法や、親機10から子機20にプログラムを無線通信で送信し、これを受信した子機20がマイコン内のプログラムを書き換える方法が挙げられるがこれらに限定されない。
親機10はコンピューター、LoRa無線モジュール等を備えており、各子機20から送信されたデータを受信してサーバ30へ転送する。本発明では子機20が親機10にデータを送信する前に親機10に信号を送信しない。また、親機10から子機20に対してデータ送信タイミングを指示する制御メッセージを送信しない。したがって、伝送帯域の消費を抑制できると共に、制御メッセージを送受信するための回路が不要になるので製造コストを抑制できる。
【実施例】
【0014】
本発明の無線通信システム及び無線通信方法を使用して稼働試験を行った。
図2に示すように1台の親機(LoRa-GW)に対して4台の子機(LoRaWAN-ED-A~D)をLoRaで無線接続した。各子機に対して時分割多元接続方式で2秒の間隔を空けてタイムスロットを割り当てた。各子機はGPS衛星から送信される信号に含まれる時刻情報に基づいて正確な現在時刻を取得している。各子機から5byteのデータを1,000フレーム送信した。
図3に示すように、親機は各子機からの送信フレームをほぼ100%取得でき、データ到達率がほぼ100%になった。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、伝送帯域の消費及び製造コストを抑制できる時分割多元接続方式による無線通信システム及び無線通信方法であり、交通、環境モニタリング、防災、獣害対策などの屋外にセンサを設置するシステムへの利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0016】
1 無線通信システム
10 親機
20 子機
21 センサ
22 衛星信号受信器
30 サーバ
100 人工衛星
101 衛星信号
200 無線通信ネットワーク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2