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明細書 :生体情報計測装置、生体情報計測プログラム、及び生体情報計測方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-097757 (P2019-097757A)
公開日 令和元年6月24日(2019.6.24)
発明の名称または考案の名称 生体情報計測装置、生体情報計測プログラム、及び生体情報計測方法
国際特許分類 A61B   5/02        (2006.01)
A61B   5/022       (2006.01)
FI A61B 5/02 310Z
A61B 5/02 634E
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 26
出願番号 特願2017-230362 (P2017-230362)
出願日 平成29年11月30日(2017.11.30)
発明者または考案者 【氏名】吉澤 誠
【氏名】杉田 典大
出願人 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100092978、【弁理士】、【氏名又は名称】真田 有
審査請求 未請求
テーマコード 4C017
Fターム 4C017AA08
4C017AA09
4C017AB10
4C017AC40
4C017BC11
要約 【課題】対象者の所定部位を撮影することで得られた映像信号に基づいて、対象者の血圧の変動を簡便に計測することのできる生体情報計測装置を提供する。
【解決手段】生体情報計測装置100は、対象者の所定部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、映像脈波に含まれる、対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出部130と、歪み算出部130で算出される波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する計測部141とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
対象者の所定部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出部と、
前記歪み算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測部とを備える
ことを特徴とする、生体情報計測装置。
【請求項2】
前記計測部は、前記波形歪みの増加を前記血圧の下降変動として計測し、前記波形歪みの減少を前記血圧の上昇変動として計測する、
請求項1に記載の生体情報計測装置。
【請求項3】
前記波形歪みが、前記心拍基本成分と前記心拍高周波成分との時間領域における差分で表わされ、
前記歪み算出部は、
前記映像脈波情報から、前記心拍周波数帯域の周波数成分からなる基本波の特徴点を検出する特徴点検出部と、
前記映像脈波情報から、前記映像脈波の拡張末期部分の頂点を検出する頂点検出部と、
前記時間領域における差分として、前記特徴点と前記頂点との時間差を算出する差分算出部とを有する、
請求項1又は2に記載の生体情報計測装置。
【請求項4】
前記波形歪みが、前記心拍基本成分と前記心拍高周波成分との周波数領域における比率で表わされ、
前記歪み算出部は、
前記心拍基本成分及び前記心拍高周波成分のフーリエ級数のフーリエ係数の和をそれぞれ得る変換部と、
前記周波数領域における比率として、
前記心拍基本成分のフーリエ係数の和に対する、前記心拍高周波成分のフーリエ係数の和の比率を算出する比率算出部とを有する、
請求項1又は2に記載の生体情報計測装置。
【請求項5】
前記計測部は、前記対象者の前記波形歪みと血圧値との対応情報に基づいて、前記歪み算出部によって算出された波形歪みに対応する血圧値を算出する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
【請求項6】
前記計測部は、前記対象者の血圧値を目的変数とし、前記対象者の前記波形歪み、心拍数、及び脈波振幅を説明変数とする重回帰式を用いて、重回帰分析により前記血圧値を算出する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
【請求項7】
前記映像脈波情報が、血圧上昇時に末梢の細動脈が交感神経の支配をうけて末梢血管抵抗を上昇させる部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
【請求項8】
前記映像脈波情報が、前記対象者の手の平の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
【請求項9】
コンピュータを、
対象者の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出部と、
前記算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測部として機能させる
ことを特徴とする、生体情報計測プログラム。
【請求項10】
対象者の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出ステップと、
前記算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測ステップとを備える
ことを特徴とする、生体情報計測方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の血圧の変動を計測する生体情報計測装置、生体情報計測プログラム、及び生体情報計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康意識の高まりや生活習慣病の増加に伴い、対象者の身体の情報を取得する方法が種々提案されている。中でも、非接触的手法を介して生体の情報を取得する技術として、対象者の肌面の映像解析を利用する手法が注目されている。この手法は、ビデオカメラ等の比較的に安価な映像取得装置を用いて行うことができること、また、病院やその他施設での遠隔療養、職場での健康管理、乗用車の運転手の観察等に適用できることから関心を集めている。
【0003】
特許文献1には、対象者の身体の異なる箇所で同一時間に取得された複数の映像信号の輝度情報の差分を算出して、この差分の増減に応じた血圧の変動を計測する生体情報計測装置について記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2016-190022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、映像取得装置で取得された映像信号に基づいて血圧の変動を計測することができるものの、例えば、対象者の顔と手の平とを同時に撮影を行う必要があった。この場合、対象者は、カメラに顔を向けるとともに、手の平をカメラに向けて構えた状態で撮影を受ける必要があった。このように、特許文献1に記載の技術では、対象者は身体の二箇所が同時に撮影されるよう体勢を取る必要があり煩雑であった。そこで、身体の一箇所からでも血圧の変動を計測することのできる技術が求められている。
【0006】
本発明は、かかる背景技術に鑑みてなされたものであり、対象者の所定部位を撮影することで得られた映像信号に基づいて、対象者の血圧の変動を簡便に計測することのできる生体情報計測装置を提供することを目的とする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
[1]対象者の所定部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出部と、前記歪み算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測部とを備えることを特徴とする、生体情報計測装置。
【0008】
[2]前記計測部は、前記波形歪みの増加を前記血圧の下降変動として計測し、前記波形歪みの減少を前記血圧の上昇変動として計測する、[1]に記載の生体情報計測装置。
[3]前記波形歪みが、前記心拍基本成分と前記心拍高周波成分との時間領域における差分で表わされ、前記歪み算出部は、前記映像脈波情報から、前記心拍周波数帯域の周波数成分からなる基本波の特徴点を検出する特徴点検出部と、前記映像脈波情報から、前記映像脈波の拡張末期部分の頂点を検出する頂点検出部と、前記時間領域における差分として、前記特徴点と前記頂点との時間差を算出する差分算出部とを有する、[1]又は[2]に記載の生体情報計測装置。
[4]前記波形歪みが、前記心拍基本成分と前記心拍高周波成分との周波数領域における比率で表わされ、前記歪み算出部は、前記心拍基本成分及び前記心拍高周波成分のフーリエ級数のフーリエ係数の和をそれぞれ得る変換部と、前記周波数領域における比率として、前記心拍基本成分のフーリエ係数の和に対する、前記心拍高周波成分のフーリエ係数の和の比率を算出する比率算出部とを有する、[1]又は[2]に記載の生体情報計測装置。
【0009】
[5]前記計測部は、前記対象者の前記波形歪みと血圧値との対応情報に基づいて、前記歪み算出部によって算出された波形歪みに対応する血圧値を算出する、[1]~[4]のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
[6]前記計測部は、前記対象者の血圧値を目的変数とし、前記対象者の前記波形歪み、心拍数、及び脈波振幅を説明変数とする重回帰式を用いて、重回帰分析により前記血圧値を算出する、[1]~[4]のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
[7]前記映像脈波情報が、血圧上昇時に末梢の細動脈が交感神経の支配をうけて末梢血管抵抗を上昇させる部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む、[1]~[6]のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
[8]前記映像脈波情報が、前記対象者の手の平の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む、[1]~[7]のいずれか1項に記載の生体情報計測装置。
【0010】
[9]コンピュータを、対象者の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出部と、前記算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測部として機能させることを特徴とする、生体情報計測プログラム。
【0011】
[10]対象者の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を表す映像脈波を示す映像脈波情報に基づいて、前記映像脈波に含まれる、前記対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し前記心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する歪み算出ステップと、前記算出部で算出される前記波形歪みに基づいて、前記対象者の血圧の変動を計測する計測ステップとを備えることを特徴とする、生体情報計測方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、対象者の身体の一箇所の部位から取得された映像信号から波形歪みを算出することで、対象者の血圧の変動を簡便に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る生体情報計測装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態に係る生体情報計測装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【図3】映像脈波の一例を示すグラフである。
【図4】映像脈波のフィルタ処理前の波形と処理後の波形を示すグラフであり、(a)は血圧が低い状態での映像脈波を示し、(b)は血圧が高い状態での映像脈波を示している。
【図5】血液の循環システムを説明するための図であり、(a)は循環システムを電気回路で模したモデル図であり、(b)はモデルにおける血圧と映像脈波の波形の変化を示すグラフである。
【図6】時間領域における差分を説明するための図であり、(a)は映像脈波を示し、(b)は基本波と特徴点(極小点)を示し、(c)は映像脈波と頂点(拡張末期点)を示し、(d)は時間領域における差分TBHを示している。
【図7】第一実施形態に係る生体情報計測装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】第一実施形態に係る生体情報計測装置による計測結果を示すグラフであり、(a)は前額部での計測結果を示し、(b)は右の手の平での計測結果を示し、(c)は右頬での計測結果を示している。
【図9】第一実施形態に係る生体情報計測装置による計測結果について、各対象者の収縮期血圧との相互相関係数を示すグラフである。
【図10】第一実施形態に係る生体情報計測装置による計測結果について、収縮期血圧との相互相関係数の平均値を示すグラフである。
【図11】第二実施形態に係る生体情報計測装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【図12】映像脈波の時間領域と周波数領域との関係を模式的に表す図である。
【図13】三角波と波形歪みについて説明するためのグラフである。
【図14】第二実施形態に係る生体情報計測装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】第二実施形態に係る生体情報計測装置による計測結果を示すグラフであり、(a)は前額部での計測結果を示し、(b)は右の手の平での計測結果を示し、(c)は右頬での計測結果を示し、(d)は左頬での計測結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態としての生体情報計測装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。また、図中において、同一の符号を付した部分は特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を示す。

【0015】
本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の数値又は物性値を含むものとして用いることとする。例えば「1~100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものであり、「1以上100以下」を表す。他の数値範囲の表記も同様である。

【0016】
[1.第一実施形態]
第一実施形態に係る生体情報計測装置について、図1~図10を参照して説明する。以降、第一実施形態の説明において、この第一実施形態を、単に本実施形態ともいう。本実施形態に係る生体情報計測装置は、対象者の所定部位の映像脈波情報に基づいて、映像脈波(VPG;video plethysmogram)に含まれる、心拍基本成分と心拍高周波成分との波形歪みを算出するものである。さらには、本実施形態では、波形歪みが心拍基本成分と心拍高周波成分との時間領域における差分として算出される。そして、本実施形態に係る生体情報計測装置は、算出された時間領域における差分から血圧の変動を推定する。

【0017】
[1-1.構成]
[1-1.ハードウェア構成]
図1に示すように、本実施形態に係る生体情報計測装置100は、少なくとも、情報処理装置200を備えている。生体情報計測装置100は、さらに、映像取得装置300と、出力装置400とを備えている。また、生体情報計測装置100は、キーボード、マウス等の入力装置(図示略)をさらに備えている。情報処理装置200は、例えば、映像取得装置300で得られた測定データを処理するためのコンピュータとして構成されている。情報処理装置200は、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)10、及びメモリ60を備え、これらはバス(図示略)を介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置200は、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末等の情報機器を用いることができる。情報処理装置200は、対象者の映像信号を解析することで、血圧変動を測定する。

【0018】
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを備えている。
以下、各構成要素の構成を説明する。

【0019】
<CPU>
CPU10は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ60に格納された後述する本件のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU10が、このプログラムを実行することにより、図2で示すように、処理部110の各機能手段としてそれぞれ機能する。なお、処理部110における処理機能の実現手段はプログラムに限定されず、情報処理装置200に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。例えば、処理部110を、ROM,RAM,CPU等を内蔵したワンチップマイコンとして構成してもよいし、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子回路として構成してもよい。

【0020】
<メモリ>
メモリ60は、種々のデータやプログラムを格納するデータ記憶装置である。本実施形態では、メモリ60がデータ記憶装置として機能するが、データ記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Device)、光ディスク等の記憶装置によって構成される。

【0021】
<映像取得装置>
映像取得装置300は、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)を用いたイメージセンサを有するビデオカメラである。映像取得装置300は、R(赤)、G(緑)、B(青)等の3種以上の受光素子を搭載することができる。また、映像取得装置300は、緑色LEDを搭載した反射型フォトセンサであってもよい。映像取得装置300は、対象者の身体の所定部位を撮影して、その所定部位の映像信号を取得する。そして、映像取得装置300は、映像信号を後述する映像信号取得部121に出力する(図2参照)。

【0022】
映像取得装置300による対象者の身体の撮影部位となる所定部位は特に限定されないが、通常、肌面の露出の多さにより撮影が容易な部位が好ましく、例えば、手、顔等が挙げられる。中でも、撮影領域の広さから、手の平、前額部、頬が好適に用いられる。特には、信号のS/N比の高い映像脈波を取得しやすい観点から、血圧上昇時に細動脈が交感神経の支配をうけて末梢血管抵抗を上昇させる部位が好ましい。このような部位は、手、脚等の四肢等の末梢の部位が挙げられ、中でも、手が好ましく、手の平がさらに好ましい。映像取得装置300によって取得される映像信号に含まれる映像は、上述した対象者の身体の一部位のみを含む映像であってもよく、対象者の身体の二部位以上を含む映像であってもよく、対象者の身体の一部位のうち一部分の領域のみを含む映像であってもよい。

【0023】
<出力装置>
出力装置400は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Display)等のディスプレイである。出力装置400は、処理部110で処理された情報、及び記憶部160に格納される情報等を表示することができる。例えば、出力装置400は、映像信号取得部121で取得された映像信号の映像を表示することができる。また、出力装置400は、皮膚領域抽出部122で抽出された皮膚領域を表示することができる。また、出力装置400は、歪み算出部130で算出された波形歪みを表示することができる。また、出力装置400は、計測部141で計測された対象者の血圧の変動を表示することができる。出力装置400は、入力装置によって入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示することもできる。なお、出力装置400としては、スピーカー等の音声出力装置を用いてもよい。

【0024】
[1-2.機能構成]
図2に示すように、生体情報計測装置100を機能的に表すと、情報処理装置200、映像取得装置300、及び出力装置400を備えて構成される。また、情報処理装置200を機能的に表すと、処理部110、及び記憶部160を備えて構成される。
以下、各構成要素の構成を説明する。

【0025】
<記憶部>
記憶部160は、メモリ60を用いて、ファイルシステム又はデータベースシステムによりデータを格納している。本実施形態における記憶部160は、映像情報記憶部171、計測結果記憶部172、及び参照情報記憶部173を備えて構成される。記憶部160は、例えば、後述する映像信号、計測結果、参照情報等のデータを格納することができる。また、記憶部160は、CPU10に実行させることで、後述する処理部110の映像信号取得部121、皮膚領域抽出部122、映像脈波抽出部123、歪み算出部130、計測部141、及び出力制御部151としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(生体情報計測プログラムともいう。)と称する。記憶部160の各構成要素の説明は後述する。なお、生体情報計測プログラムは、CPU10に実行させることで、少なくとも歪み算出部130及び計測部141として機能させるプログラムとして構成される。

【0026】
<処理部>
処理部110は、CPU10で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。図2に示すように、処理部110は、映像信号取得部121、皮膚領域抽出部122、映像脈波抽出部123、歪み算出部130、計測部141、及び出力制御部151としてそれぞれ機能する。処理部110の各部の説明は後述する。

【0027】
本件のプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD(CD-ROM,CD-R,CD-RW等)、DVD(DVD-ROM,DVD-RAM,DVD-R,DVD+R,DVD-RW,DVD+RW,HD DVD等)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、USBメモリ、SDメモリカード等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、情報処理装置200はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ60)又は外部記憶装置に転送し格納して用いる。又は、それらのプログラムを、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置からネットワークを通じて、情報処理装置200に提供するようにしてもよい。

【0028】
[1-3.記憶部]
<映像情報記憶部>
映像情報記憶部171は、映像信号を記憶する。具体的には、映像情報記憶部171は、映像取得装置300によって取得された対象者の映像信号を記憶する。例えば、映像情報記憶部171は、対象者の所定の部位を含む映像を示す映像信号を記憶する。映像情報記憶部171は、映像信号と、対象者を撮影した時間情報とを対応付けて記憶する。

【0029】
<計算結果記憶部>
計測結果記憶部172は、後述する処理部110によって実行される計測処理の計測結果を記憶する。具体的には、計測結果記憶部172は、歪み算出部130によって算出された波形歪み、計測部141によって計測された血圧の変動に関する情報等を記憶する。このとき、計測結果記憶部172は、計測日時と計測結果とを対応付けた計測情報を対象者ごとに記憶する。ここで、計測日時とは、対象者の所定部位が撮影され、撮影された映像信号をもとに血圧の変動が計測された日時を示す。また、計測結果とは、各計測日時において計測された項目の結果を示す。

【0030】
<参照情報記憶部>
参照情報記憶部173は、後述する処理部110によって実行される計測処理にて参照される参照情報を記憶する。具体的には、参照情報記憶部173は、計測部141が対象者の血圧変動に関する情報を計測する際に参照される参照情報を記憶する。参照情報とは、計測部141が血圧変動を計測する際に参照する情報を示す。計測部141によって計測される血圧変動の測定結果は、波形歪みに基づくものである。そこで、参照情報記憶部173が波形歪みから血圧の絶対値を導出するための参照情報を記憶しておくことで、計測部141が参照情報を用いて波形歪みから血圧値を導出することが可能となる。参照情報としては、例えば、対応情報、変換情報等が挙げられる。参照情報は対象者ごとに記憶させておいてもよく、対象者の年齢、性別ごとに区分して記憶させておいてもよい。また、計測場所や計測時間といった種々の環境ごとに複数の対応情報を記憶させておいてもよい。さらに、対応情報は、定期的に更新されてもよい。

【0031】
対応情報とは、波形歪みと血圧値との対応関係に基づいて、波形歪みから血圧の絶対値を推定するための情報である。生体情報計測装置100を用いて映像信号を取得して波形歪みを算出すると共に、血圧計を用いて映像信号を取得した時点の血圧値を予め測定しておく。そして、波形歪みと血圧値とが対応付けてられて、参照情報記憶部173に格納される。

【0032】
変換情報とは、波形歪みを血圧の絶対値に変換するための情報であり、例えば変換係数である。生体情報計測装置100を用いて映像信号を取得して波形歪みを算出すると共に、血圧計を用いて映像信号を取得した時点の血圧値を予め測定しておく。さらに、波形歪みとの血圧値との対応関係に基づいてキャリブレーションを行うことで変換情報が算出される。そして、変換情報は、参照情報記憶部173に格納される。

【0033】
また、参照情報としては、後述する重回帰式を利用した重回帰分析に用いられる、回帰係数及び決定係数等のデータが挙げられる。生体情報計測装置100を用いて映像信号を取得して波形歪みを算出すると共に、血圧計、心拍計、及び心電計等を用いて映像信号を取得した時点の血圧値、心拍数、脈波振幅を予め測定しておく。さらに、これらのデータを用いて、重回帰式の回帰係数及び決定係数を算出しておく。そして、回帰係数及び決定係数は、参照情報記憶部173に格納される。

【0034】
[1-4.処理部]
<血圧変動の推定について>
処理部110は、対象者の所定部位の映像信号から波形歪みを算出し、算出した波形歪みの変動から血圧の変動を推定する。ここでは、波形歪みを用いた血圧変動の推定の原理について説明する。

【0035】
波形歪みは、対象者の心拍数に対応する心拍周波数帯域の周波数成分を含む心拍基本成分と、脈波波形の形状に関連し、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含む心拍高周波成分との歪みを表すものである。映像脈波は、心拍に由来する心拍基本成分を含むとともに、血圧の変動による影響を受けて心拍高周波成分をさらに含んでいる。波形歪みとは、心拍基本成分からなる波形から、血圧の変動に起因して受けた変化を示すものである。波形歪みは、時間領域の変化によって表すことができ、又は周波数領域の変化によって表わすことができる。具体的に波形歪みは、心拍基本成分と心拍高周波成分との時間領域における差分によって表すことができ、又は心拍基本成分と心拍高周波成分との周波数領域における比率によって表わすことができる。本実施形態では、波形歪みが心拍基本成分と心拍高周波成分との時間領域における差分で表わされる場合について説明する。

【0036】
なお、心拍基本成分は、少なくとも心拍周波数帯域の周波数成分を含むものであり、心拍周波数帯域の周波数成分と、心拍周波数帯域よりも低い周波数帯域の周波数成分とを含んでいてもよいが、心拍周波数帯域の周波数成分からなることが好ましい。また、心拍高周波成分は、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含むものであり、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分からなってもよい。また、心拍高周波成分は、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分と、心拍周波数帯域の周波数成分とを含んでいてもよい。また、心拍高周波成分は、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分と、心拍周波数帯域の周波数成分と、心拍周波数帯域よりも低い周波数帯域の周波数成分とを含んでいてもよい。

【0037】
図3は、対象者の映像脈波を示している。図3に示すように、映像脈波は、心拍の心周期に同期して、収縮期Aと拡張期Bとの周期的な増減を示す正弦波状の波形として観察される。また、映像脈波は、心拍に対応する成分に加えて、さらに低周波成分及び高周波成分を含む波形として観察される。なお、図3では、横軸に時間(秒)(Time[s])を示し、縦軸に映像脈波(Video plethysmogram)の強度を示している。以降、図4(a),図4(b)も同様である。

【0038】
映像脈波に対して、心拍周波数帯域の周波数成分を通過させるバンドパスフィルタ処理を適用することで、心拍基本成分を得ることができる。このとき、バンドパスフィルタ処理を適用する前の映像脈波は、心拍高周波成分と位置づけられる。これに対して、バンドパスフィルタ処理を適用した心拍基本成分は、心拍周波数帯域の周波数成分からなる正弦波状の周期的な波形であって、映像脈波の基本波となっている。基本波では、心臓の1拍動によって生じる脈波がフィルタ処理後の波形の1つの山として現れる。

【0039】
ここで、図4(a),図4(b)では、フィルタ処理前の心拍高周波成分である映像脈波を、黒色の実線で示している(VPG)。また、この映像脈波からバンドパスフィルタ処理を終えて得られた心拍基本成分である基本波を、グレーの実線で示している(VPG(band-pass filtering))。なお、図4(a)と図4(b)とは、同一の対象者の同一部位から得られた映像脈波及び基本波であって、図4(a)は、図4(b)よりも血圧が低い状態での波形を示している。図4(a),図4(b)に示されるように、基本波は、正弦波状の波形を示す。そして、基本波の極小点C1,C2は、映像脈波の拡張末期部分の頂点D1,D2よりも左側、すなわち早い時間に現れている。さらには、図4(a)の血圧が低い状態での基本波の極小点C1と映像脈波の拡張末期部分の頂点D1との時間間隔に比べて、図4(b)の血圧が高い状態での基本波の極小点C2と映像脈波の拡張末期部分の頂点D2との時間間隔は、狭くなっている。

【0040】
従来、ECG(electrocardiogram;心電図)とPPG(photoplethysmography;光電容積脈波)との関係から、心電図のR波を基準として、光電容積脈波の波形の拡張末期部分の頂点までの時間差を示すPTT(Pulse Transit Time;脈波伝播時間)が算出されている。脈波伝播時間は脈波が血管を伝播する時間として定義され、血圧変動と相関関係を有することが知られている。本発明者らは、心拍周波数帯域の周波数成分を表す基本波を用いて、この基本波を心電図のR波のような基準とすることで、基本波の特徴点から映像脈波の波形の頂点までの時間差が、血圧変動と相関関係を有することを見出したのである。

【0041】
基本波の特徴点としては、特に限定されないが、例えば、基本波の極小点、極大点、微分最大点等を用いることができる。また、映像脈波の頂点としては、特に限定されないが、例えば、容積脈波を示す映像脈波の値が最小となる点、映像脈波の値が最大となる点、映像脈波の1階微分波形である速度脈波が最大となる点、映像脈波の2階微分波形である加速度脈波が最大となる点等を用いることができる。本実施形態では、基本波の特徴点として、極小点を用いる場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、映像脈波の頂点として、映像脈波の値が最小となる点を用いる場合を例に挙げて説明する。より具体的には、映像脈波の拡張末期部分において最小となる点(拡張末期点)を例に挙げて説明する。

【0042】
図5(a),図5(b)を参照して、波形歪みを用いた血圧変動の推定についてさらに詳細に説明する。図5(a)は、血液の循環システムを、3要素ウィンドケッセルモデルを用いて電気回路に模したモデルで表したものである。図5(a)では、v(t)は心臓からの圧力、すなわち血圧を表している。Cは血管の容量を表している。Ra,Rcはそれぞれ、動脈と毛細血管系の血管の抵抗を表している。さらに、映像脈波の変化を、キャパシタの電荷の量であるq(t)で模している。なお、tは時間を表しており、v(t)、q(t)は、時間関数である。q(t)の過渡変化は、下記式(1)で表される。
【数1】
JP2019097757A_000003t.gif

【0043】
図5(b)は、図5(a)に示した回路について、横軸に時間(秒)(Time[s])を示し、縦軸にq(t)の大きさを実線及び破線で、v(t)の変化を点線で示すことで、v(t)に対するq(t)の変化を示している。このとき、v(t)は、心臓からの脈波を模している。すなわち、図5(b)は、脈動のバイアスに対する映像脈波の波形の変化を表すものである。

【0044】
具体的には、図5(b)に示されるように、v(t)が高い領域(High BP)では、v(t)が通常の領域(Normal BP)に対して、q(t)の上昇率(傾き)が緩やかになっている。さらには、血圧が増加した際には、血管の抵抗(Ra,Rc)が増加することにより、図5(a)に示した回路の時定数が増加している。これにより、抵抗値の低いq(t)の実線で表された曲線に比して、抵抗値の高いq(t)の破線で表された曲線は、上昇率が緩やかになっている。上述したモデルにおけるv(t)に対するq(t)の変化から、血圧の変化に伴って映像脈波の波形が変化すると推測される。

【0045】
さらに、図6(a)~図6(d)を参照して、波形歪みを用いた血圧変動の推定について、映像脈波からの血圧変動の推定に用いられる時間領域における差分TBHを説明する。

【0046】
映像脈波に含まれる上述した基本波の周波数成分は、通常、平常時の心拍数40~110bpmに対応して、0.7~1.8Hzである。図6(a)の映像脈波の一周期に対して、図6(b)はバンドパスフィルタ処理を適用した基本波を示し、図6(c)はそのままの映像脈波を示している、このとき、図6(b)は、0.7~1.8Hzを通過帯域とするバンドパスフィルタ処理(Band-pass filtering)を適用したものである。そして、図6(b)に示されるように、この基本波から、特徴点である極小点が検出される。

【0047】
一方、図6(c)では、元の映像脈波から拡張末期点が検出される。この拡張末期点は、映像脈波の拡張末期部分の頂点である。この頂点の検出手法は特に限定されず、曲線の端点の検出に用いられる公知の手法を用いることができる。本実施形態では、まず、元の映像脈波から、呼吸や高振動数ノイズ等の長周期振動を除いている。さらに、長周期振動を除いた映像脈波の上昇側(収縮期側)と下降側(拡張期側)の軌道に対して、それぞれ直線をフィッティング(ラインフィッティング)して、この二本の直線の交点を得ることで、拡張末期点である頂点を検出している。

【0048】
図6(d)に示すように、特徴点と頂点との間の時間差として、時間領域における差分TBHを算出する。図6(d)は、図6(b)の基本波と図6(c)の映像脈波とを重ね合わせた波形を示している。なお。図6(a)~図6(d)では、一周期の時間領域における差分TBHのみを挙げて例示したが、各心拍に対応する特徴点と頂点とから、同様に時間領域における差分TBHを算出することができる。

【0049】
ここで、血圧が変動する場合には、通常、収縮期側にフィッティングされる直線の傾きが変動する。一方、通常、拡張期側にフィッティングされる直線の傾きは変動しにくい。図5(a),図5(b)を参照してモデルを利用して説明したように、血圧が上昇して末梢血管抵抗に対応する抵抗Rcが上昇する場合には、映像脈波の変化は緩やかになる。このとき、収縮期側にフィッティングされる直線の傾きが小さく(緩やかに)なる。そして、頂点が左側、すなわち早い時間にずれることで、時間領域における差分TBHが減少することになる。これに対して、血圧が下降して抵抗Rcが下降する場合には、映像脈波の変化は急峻になる。このとき、収縮期側にフィッティングされる直線の傾きが大きく(急峻に)なる。そして、頂点が右側、すなわち遅い時間にずれることで、時間領域における差分TBHが増加することになる。

【0050】
このように、映像脈波の拡張末期に生じる、基本波に対する波形の歪みを利用することで、血圧の増減に対して負の相関を示す時間領域における差分TBHの変化を計測することができる。言い換えれば、図4(a),図4(b)で説明したように、心拍基本成分と心拍高周波成分との時間領域に対応する時間領域における差分TBHに基づいて、血圧の変動を計測することができる。

【0051】
本実施形態に係る生体情報計測装置100は、上述した原理のもと、映像信号の輝度値の時間変化を表す映像脈波から時間領域における差分TBHの変動を計測することで、血圧の変動を計測する。以下、生体情報計測装置100による処理に関して、映像信号から脈波情報を抽出する処理、及び抽出した脈波情報から時間領域における差分TBHを算出する処理について、各構成要素を挙げて順に説明する。

【0052】
<映像信号取得部>
映像信号取得部121は、映像取得装置300を介して、対象者の身体の所定部位の映像を示す映像信号を取得する。映像信号取得部121は、取得した対象者の映像信号を、皮膚領域抽出部122に出力する。なお、映像信号取得部121は、映像情報記憶部171に記憶されている映像信号を読み出すことで、映像信号を取得してもよい。また、映像信号取得部121は、外部の通信端末又は外部の記憶装置に記憶されている映像信号を、ネットワーク又は電気回線等を介して映像信号を含むデータを受信することで、映像信号を取得してもよい。

【0053】
<皮膚領域抽出部>
皮膚領域抽出部122は、映像取得装置300によって取得された映像信号の映像に含まれる対象者の皮膚領域を抽出する。具体的には、皮膚領域抽出部122は、映像中の色情報に基づいて皮膚領域を自動で抽出する。または、皮膚領域抽出部122は、図示しない入力部を介して操作者から指定された領域を皮膚領域として抽出する。皮膚領域抽出部122は、抽出した皮膚領域の座標を映像脈波抽出部123に送信する。なお、皮膚領域抽出部122の処理対象となる映像は、映像取得装置300によって取得されたリアルタイムの映像であってもよく、映像情報記憶部171によって格納されている過去の映像であってもよい。

【0054】
映像中の色情報に基づいて皮膚領域を自動で抽出する場合には、皮膚領域抽出部122は、映像中から肌の色を示す領域を抽出することによって対象者の皮膚領域を抽出することができる。具体的には、皮膚領域抽出部122は、映像の2次元座標において肌の色に相当する色(輝度値)を示す全ての座標(画素の座標)を抽出し、抽出した座標において連続した座標の画素をまとめた領域を皮膚領域として抽出する。このように、皮膚領域抽出部122は、連続した座標の画素をまとめた領域を抽出することで、対象者の身体の所定の部位に相当する皮膚領域を抽出することができる。このとき、皮膚領域抽出部122は、画像判定を行い、対象者の身体の特定の部位を認識することで、特定の部位に対応する領域を皮膚領域として抽出してもよい。なお、肌の色に相当する色(輝度値)については、任意に設定することができる。例えば、人種ごとに所定の範囲の輝度値を設定し、映像において設定された範囲に含まれる輝度値を示す座標を肌の色の座標として抽出するように設定してもよい。

【0055】
操作者から指定された領域を皮膚領域として設定する場合には、マウスやタッチパネル等の入力部を操作して、映像中に所望の領域を関心領域(ROI:region of interest)として設定することができる。皮膚領域抽出部122は、関心領域が設定されると、設定された領域を皮膚領域として抽出する。

【0056】
皮膚領域抽出部122は、上述した皮膚領域の抽出処理を、映像を構成する各フレームについてそれぞれ実行して、各フレームにおける皮膚領域の座標を映像脈波抽出部123に順次送信する。

【0057】
<映像脈波抽出部>
映像脈波抽出部123は、皮膚領域抽出部122によって抽出された対象者の皮膚領域における映像信号から、輝度値の時間変化を表す映像脈波を抽出する。映像脈波抽出部123は、抽出した映像脈波を示す映像脈波情報を、歪み算出部130に出力する。

【0058】
対象者の皮膚に照射された光は、皮下組織で散乱と吸収が生じ、その一部が反射して皮膚の表面へ戻る。このとき、血流に含まれるヘモグロビンによって光が吸収を受けることで、反射光の強度は皮下の血流量によって変動する。特に、ヘモグロビンの吸光特性は、500~600nm周辺に高い吸光ピークを示す。そして、この吸光特性は、ビデオカメラによって観察される緑色光の周波数帯域に相当する。したがって、心臓の縮小に伴って末梢血における血流に含まれるヘモロビンが増加した際には、映像に含まれる緑色成分の輝度値が低下する。よって、映像脈波抽出部123が抽出する輝度値は特に限定されないが、血流の変動を適切に反映した映像脈波を抽出する観点からは、緑色光の輝度値を抽出することが好ましい。本実施形態では、緑色光の輝度値を抽出する場合を例示する。

【0059】
映像脈波抽出部123は、映像の各フレームの皮膚領域に対して緑色のフィルタをかけるか、あるいは「G(緑色)」の輝度値を利用して、緑色光の輝度値を抽出する。そして、映像脈波抽出部123は、緑色光の輝度値の平均値をフレームごとに算出して時間変化曲線とした映像脈波を抽出する。映像脈波抽出部123は、映像信号から緑色光の輝度値の抽出を行う前に、画像の平滑化を行い、映像取得装置300としてのカメラ自体に発生する人工的なインパルス性雑音を除去してもよい。

【0060】
<歪み算出部>
歪み算出部130は、映像脈波に含まれる心拍基本成分と心拍高周波成分とから求まる波形歪みを算出する。本実施形態に係る歪み算出部130は、フィルタ部131、特徴点検出部132、頂点検出部133、及び差分算出部134を備えている。映像脈波抽出部123から出力された映像脈波情報は、フィルタ部131及び特徴点検出部132に入力される。本実施形態において歪み算出部130は、波形歪みとして、時間領域における差分TBHを算出する。以下、各構成要素について説明する。

【0061】
<フィルタ部>
フィルタ部131は、映像脈波に対して、心拍周波数帯域の周波数成分を通過させるフィルタ処理を行う。フィルタ処理には、例えば、心拍周波数帯域の周波数成分を含む帯域を通過させるバンドパスフィルタ処理、心拍周波数帯域の周波数成分と心拍周波数帯域よりも低周波数成分の帯域を通過させるローパスフィルタ処理を用いることができる。心拍周波数帯域は、対象者の心拍の周波数に対応する帯域であって、対象者に応じて適宜設定することができる。例えば、対象者が安静にしている状態では、通常0.7~1.8Hz、好ましくは0.9~1.5Hzである。対象者が運動中又は運動後の状態、若しくは緊張又は興奮している状態等では、通常1.0~3.5Hz、好ましくは1.5~3.0Hzである。フィルタ部131は、フィルタ処理を行うことで、映像脈波から基本波を得る。フィルタ部131は、特徴点検出部132に基本波を示す映像脈波情報を出力する。

【0062】
<特徴点検出部>
特徴点検出部132は、フィルタ部131から出力された映像脈波情報から、基本波の特徴点を検出する。本実施形態では、特徴点として、基本波の極小点を検出する。通常、基本波は、強度が極大値と極小値とを周期的に繰り返す正弦波状のパターンを示す。極小点とは、基本波の一周期の中で、極小値となる点をいう。極小点の検出は、公知の手法を用いて行うことができる。例えば、基本波の強度の変化を時系列的に比較して、減少から増加に転ずる時点を極小点として検出することができる。特徴点検出部132は、差分算出部134に特徴点を出力する。

【0063】
<頂点検出部>
頂点検出部133は、映像脈波情報から、映像脈波の頂点を検出する。本実施形態では、頂点として、映像脈波の拡張末期部分の頂点を検出する。通常、映像脈波の強度は、心周期に対応して、収縮期初期から増加して収縮期後期で最大値を示すと共に減少を始める。そして、拡張期初期から減少を続けて、拡張期末期で最小値を示す周期的なパターンを示す。頂点とは、映像脈波の一周期の中で、心周期の拡張末期に生じる下方へのピークとなる点をいう。頂点の検出は、公知の手法を用いて行うことができ、例えば、図6(c)を参照して説明したように、ラインフィッティングを利用することによって行うことができる。または、多項式フィルタを用いることで、頂点を検出することができる。頂点検出部133は、差分算出部134に頂点を出力する。

【0064】
<差分算出部>
差分算出部134は、特徴点検出部132によって検出された特徴点と、頂点検出部133によって検出された頂点との時間差を算出する。このとき、図6(a)~図6(d)を参照して説明したように、差分算出部134は、心臓の1拍動に対応する1つの周期ごとに、特徴点と頂点との時間差を算出する。これにより、差分算出部134は、時間領域における差分TBHを算出することができる。上述した歪み算出部130による時間領域における差分TBHの算出は、映像脈波の各周期に対して行われる。差分算出部134は、時間領域における差分TBHを計測部141に出力する。

【0065】
<計測部>
計測部141は、歪み算出部130で算出される波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する。本実施形態では、差分算出部134で算出される時間領域における差分TBHに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する。具体的には、計測部141は、時間領域における差分TBHの増減に応じた対象者の血圧の変動を計測する。ここで、計測部141は、時間領域における差分TBHの増加を血圧の下降変動として計測し、差分の減少を血圧の上昇変動として計測する。すなわち、計測部141は、時間領域における差分TBHが増加している場合、血圧が下がっていると判定し、時間領域における差分TBHが減少している場合、血圧が上がっていると判定する。このように、本実施形態では、時間領域における差分TBHと血圧変動との負の相関関係を利用して血圧の変動を推定することができる。計測部141は、血圧変動の計測結果を出力制御部151に出力する。また、計測部141は、血圧変動の計測結果を計測結果記憶部172に出力する。そして、計測結果記憶部172は、入力された血圧変動の計測結果を格納する。

【0066】
計測部141は、上述した波形歪みを用いた血圧変動の判定に加えて、波形歪みから血圧値の絶対値を導出してもよい。波形歪みから血圧値の導出は、参照情報に基づいて行うことができる。

【0067】
計測部141は、参照情報記憶部173から対応情報を読み出し、波形歪みと対応付けられている血圧値を読み出すことで、波形歪みから血圧値を推定することができる。このとき、例えば、対象者ごとに作成した対応情報を読み出して、波形歪みから血圧値を推定してもよい。また、対象者の年齢、性別ごとに区分して作成した対応情報から、対象者が含まれる区分の対応情報を読み出して、波形歪みから血圧値を推定してもよい。また、計測場所や計測時間といった種々の環境ごとに作成した複数の対応情報を記憶させておき、計測部141が、現時点の環境に対応する対応情報を読み出して、波形歪みから血圧値を推定してもよい。

【0068】
計測部141は、参照情報記憶部173から変換情報を読み出し、変換情報を用いて波形歪みを血圧値に変換することができる。このときも対応情報と同様に、対象者ごとに作成した変換情報、対象者の年齢、性別ごとに区分して作成した変換情報、環境ごとに作成した変換情報を適宜読み出して、波形歪みを血圧値に変換するようにしてもよい。

【0069】
または、計測部141は、重回帰式を用いた重回帰分析により、波形歪みから血圧値を算出してもよい。この重回帰式は、例えば、対象者の血圧値を目的変数とし、対象者の波形歪み、心拍数、及び脈波振幅を説明変数とすることができる。この場合、予め算出された重回帰式の回帰係数及び決定係数を参照情報記憶部173から読み出して、読み出されたこれらの係数を用いて、重回帰式に対象者の波形歪み、血圧値、心拍数、及び脈波振幅を入力することで、血圧値を算出することができる。これらの重回帰分析に用いられる血圧値、心拍数、及び脈波振幅等の情報は、参照情報記憶部173に記憶しておいてもよい。そして、計測部141がこれらの情報を参照情報記憶部173から読み出して重回帰分析に利用してもよい。

【0070】
<出力制御部>
出力制御部151は、計測部141による血圧変動の計測結果に基づく出力情報を出力装置400に出力して、計測結果を出力装置400に表示させるように制御する。また、出力制御部151は、映像取得装置300によって取得された映像信号の映像、皮膚領域抽出部122によって抽出された皮膚領域、歪み算出部130によって算出された波形歪みを出力装置400に表示させるように制御してもよい。

【0071】
[1-5.方法]
図7を参照しながら、生体情報計測装置100の処理、及び生体情報計測装置100を用いて行う生体情報計測方法について、例を挙げて説明する。

【0072】
まず、映像取得装置300によって対象者の撮影を行い、映像信号を取得する(ステップS101)。本例では、映像取得装置300として、ビデオカメラ(TGX02c、Baumer社製)を使用した。このビデオカメラは、画素数が400x400px、フレームレートが120fpsである。このビデオカメラに向かって座った状態の対象者の顔と右手の平を撮影した。このとき、顔と右手を、それぞれ固定するための台に載せるとともに、手の平をカメラに向けて、顔の右側に右手を並べた状態で撮影を行った。また、ビデオカメラと対象者の右手との距離は、100cm離れた状態とした。さらに、白色LED光源をカメラの近傍から対象者に向けて、顔と右手の平の照度が1000luxとなるように光を照射した状態で撮影した。

【0073】
対象者は、平均年齢が22.8±1.1歳の20名の健常成人男性である。血圧を変化させることで測定への影響を確認するために、対象者は、撮影時にヴァルサルヴァ法による息止め動作を行った。具体的には、撮影の間に、1分の安静、1分のヴァルサルヴァ法による動作、3分の安静を順に行い、計5分間の撮影を行った。このテストを2回繰り返して、合計で10分のデータを取得した。

【0074】
撮影の間に、連続血圧計(PORTAPRES Model-2、Finapres Medical Systems社製)を対象者の左中指に装着して血圧を測定した。さらに、血圧計で測定した信号をA/Dコンバータ(MP150、BIPAC System社製)を用いることで変換し、収縮期の血圧を記録した。このA/Dコンバータは、サンプリング周波数が1Khz、分解能が16ビットである。

【0075】
映像信号取得部121は、ステップS101で取得された映像信号を映像取得装置300から受信することで、映像信号を取得する(ステップS102)。

【0076】
皮膚領域抽出部122は、ステップS102で取得された映像信号の映像に含まれる対象者の皮膚領域を抽出する(ステップS103)。本例では、対象者の手の平、前額部、右頬の領域にROIを指定することで、指定された領域を皮膚領域として抽出した。

【0077】
映像脈波抽出部123は、ステップS103で抽出された皮膚領域における映像信号から、輝度値の時間変化を表す映像脈波を抽出する(ステップS104)。本例では、映像信号の各フレームの皮膚領域に含まれる各座標の緑色成分の輝度値の平均値を算出することで、映像脈波を抽出した。

【0078】
フィルタ部131は、ステップS104で抽出された映像脈波に対して、心拍周波数帯域の周波数成分を通過させるフィルタ処理を行い、基本波を得る(ステップS105)。本例では、0.7~1.8Hzの周波成分を通過させるバンドパスフィルタ処理を施した。
さらに、特徴点検出部132は、ステップS105で得られた基本波から、特徴点である極小点を検出する(ステップS106)。

【0079】
頂点検出部133は、ステップS104で抽出された映像脈波から、映像脈波の拡張末期部分の頂点を検出する(ステップS107)。本例では、ラインフィッティングを利用した拡張末期点の検出により頂点を検出した。

【0080】
続いて、差分算出部134は、心拍基本成分と心拍高周波成分との波形歪みを算出する。具体的には、ステップS106で検出された基本波の極小点と、ステップS107で検出された映像脈波の拡張末期点との時間差を算出することで、時間領域における差分TBHを算出する(ステップS108;歪み算出ステップ)。

【0081】
さらに、計測部141は、差分算出部134で算出される波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する(ステップS109;計測ステップ)。本例では、ステップS108で算出された時間領域における差分TBHと血圧変動との負の相関関係を利用して血圧の変動を推定する。

【0082】
また、出力制御部151は、ステップS108で算出された時間領域における差分TBHを出力装置400に表示させるように制御することで、出力装置400は計測結果として時間領域における差分TBHの時間変化を示すグラフを表示する(ステップS110)。

【0083】
本例による1名の対象者の測定結果を、図8(a)~図8(c)に示す。図8(a)~図8(c)では、収縮期血圧(SBP:Systolic blood pressure)を、各グラフ中の上側にグレーの実線で示している。時間領域における差分TBHを各グラフ中の下側に黒色の実線で示し、時間領域における差分TBHのトレンドを各グラフ中の下側に破線で示している。また、横軸に測定時間(秒)(Time[s])を示し、縦軸に収縮期血圧の測定値、及び時間領域における差分TBHの長さ(秒)を示している。図8(a)~図8(c)は、前額部(forehead)、右の手の平(right palm)、右頬(right cheek)の測定結果をそれぞれ示している。以降、図9,図10,図15(a)~図15(c)も同様である。

【0084】
図8(a)~図8(c)では、60~120秒において、ヴァルサルヴァ法による動作に対応して収縮期血圧の変化が見られる。図8(a)~図8(c)から、時間領域における差分TBHは、収縮期血圧とは逆の変化を示す傾向にあることがわかる。中でも、図8(b)から明らかなように、右の手の平で測定された時間領域における差分TBHは、収縮期血圧とは逆の変化を示している。ここで、時間領域における差分TBHと収縮期血圧との偏相関係数の平均値は、時間領域における差分TBHと心拍数との偏相関係数の平均値よりも0.2程度高かった。このことから、時間領域における差分TBHの変化は、主に血圧の変動に依存しているといえる。さらに、時間領域における差分TBHの波形には高周波ノイズが含まれているものの、収縮期血圧の波形に見られるメイヤー波(周期:約0.1Hz)及び呼吸変動(周期:約0.3Hz)は反映されていなかった。

【0085】
図9には、解析が可能であった対象者番号1番から17番(Subject No.1~17)までの対象者それぞれについての、収縮期血圧と右の手の平で測定された時間領域における差分TBHとの相互相関係数(Cross-correlation coefficient)を、黒色のバーで示している。ここでは参考のために、収縮期血圧と複数のROIから得られる脈波伝播時間差(pulse transit time difference;TD)との相互相関係数を、グレーのバーで示している。脈波伝播時間差は、対象者の前額部と右の手の平でそれぞれ計測される二つの映像脈波の到達時間の時間差を表したものである。脈波伝播時間差は、血圧との高い相互相関係数を示すことが知られている。脈波伝播時間差の測定は、公知の技術によって行うことができ、例えば、特開2016-190022号公報に記載のdPTTの測定と同様に行うことができるため、ここでは説明を省略する。なお、20名の対象者のうち、1名は不整脈が生じ、2名は装置のエラーが生じたため、図9では対象者番号1番から17番までの17名の対象者の相互相関係数を示している。

【0086】
図9に示されるように、収縮期血圧と脈波伝播時間差との相互相関係数は、主に正の値をとっていた。これに対して、収縮期血圧と時間領域における差分TBHとの相互相関係数は、負の値をとっていた。さらには、時間領域における差分TBHと脈波伝播時間差とは、正負が異なるものの収縮期血圧に対して概ね同程度の相関を示していた。

【0087】
図10には、収縮期血圧と時間領域における差分TBHとについて、各対象者の相互相関係数を平均した値を示している。なお、図9で示した17名の対象者のうち1番の対象者は、収縮期血圧と脈波伝播時間差との相互相関係数が負の値を示したため、ここでは、1番の対象者を除いた16名の平均値を示している。具体的には、測定部位が異なる、前額部、右の手の平、右頬で測定された時間領域における差分TBHの相互相関係数をそれぞれ示している。また、収縮期血圧と脈波伝播時間差との相互相関係数についても同様に、図9で示した対象者のうち1番の対象者を除いた16名の平均値を示している。

【0088】
図10に示されるように、収縮期血圧と時間領域における差分TBHとの相互相関係数は、いずれの測定部位であっても負の相関を示していた。中でも、右の手の平で測定された時間領域における差分TBHの相互相関係数は、収縮期血圧と脈波伝播時間差とのものよりも高い値を示しており、強い相関を有することが明らかとなった。

【0089】
本例での測定結果において、右の手の平と、前額部及び右頬との相互相関係数が相違していたのは、身体において顔と四肢との間で行われる神経調節の相違に関係すると推測される。ここで、顔では、交感神経による血管収縮だけでなく、副交感神経性の血管拡張が起ることが知られている。これに対して、四肢の肌では、交感神経系のみが血管収縮をもたらしていると考えられる。すなわち、副交感神経性の血管拡張が、顔の領域における交感神経系による血管収縮に起因する映像脈波の変化を妨げていると考えられる。

【0090】
[1-6.作用及び効果]
本実施形態に係る生体情報計測装置100は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。

【0091】
(1)生体情報計測装置100は、歪み算出部130が、対象者の所定部位の映像信号から、映像脈波に含まれる心拍基本成分と心拍高周波成分との波形歪みを算出する。また、計測部141は、波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する。このように、生体情報計測装置100は、拍数の情報を含んでいる心拍基本成分を心電図計測で得られる情報の代わりとして用いている。さらに、生体情報計測装置100は、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域で血圧に関する情報を含んでいる心拍高周波成分を利用することで、心拍基本成分と心拍高周波成分との波形歪みから対象者の血圧の変動を計測することができる。これにより、生体情報計測装置100は、対象者の身体を撮影した映像信号から、対象者の血圧変動を簡便に且つ非接触で測定することができる。さらに、生体情報計測装置100は、映像脈波の波形歪みを利用することで、対象者の一箇所の部位から取得された映像信号から、対象者の血圧の変動を計測することができる。したがって、例えば、対象者の二箇所以上の部位を同時に撮影する必要がなくなり、より簡便に血圧の変動を計測することが可能となる。よって、対象者が日常的な動作をしている状態や、安静にしている状態等において、対象者の身体の一部を撮影することで血圧の変動を計測することができる。また、例えば対象者が車の運転中をしている状態等、何らかの動作を行っており所望の体勢を維持するのが困難な場合であっても、対象者の身体の一部を撮影することで血圧の変動を計測することができる。

【0092】
(2)このとき、計測部141は、波形歪みの増加を血圧の下降変動として計測し、逆に波形歪みの減少を血圧の上昇変動として計測する。図5(a),図5(b)、図6(a)~図6(c)を参照して説明したように、計測部141によれば、波形歪みと血圧の変動との負の相関関係を利用して、血圧変動を計測することができる。

【0093】
(3)本実施形態では、波形歪みが心拍基本成分と心拍高周波成分との時間領域における差分で表わされる。そして、差分算出部134が、基本波の特徴点と、映像脈波の拡張末期部分の頂点との時間差(時間領域における差分TBH)を算出する。このように、生体情報計測装置100では、時間領域における差分TBHを用いて、血圧の変動を計測することができる。これにより、歪み算出部130は、比較的に計算の負荷が低い手法によって、波形歪みを算出して血圧変動を計測することができる。したがって、リアルタイムでの血圧変動の計測が可能となる。

【0094】
(4)さらに、計測部141は、対象者の波形歪みと血圧値との対応情報に基づいて、波形歪みに対応する血圧値を算出する。これにより、計測部141は、血圧の変動を絶対値で計測することができる。

【0095】
(5)また、計測部141は、対象者の血圧値を目的変数とし、波形歪み、心拍数、及び脈波振幅を説明変数とする重回帰式を用いて、重回帰分析により血圧値を算出する。これにより、計測部141により計測される血圧の絶対値の精度を向上させることができる。

【0096】
(6)ここで、生体情報計測装置100では、映像脈波情報が、血圧上昇時に末梢の細動脈が交感神経の支配をうけて末梢血管抵抗を上昇させる部位の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む。すなわち、生体情報計測装置100は、血圧上昇時に末梢の細動脈が交感神経の支配をうけて末梢血管抵抗を上昇させる部位を撮影して、この部位の映像信号から波形歪みを算出する。これにより、交感神経系による血管収縮に起因する映像脈波の変化に対して、副交感神経性の血管拡張によって変化が抑制されにくいことから、計測部141による血圧の変動計測の精度をいっそう向上させることができる。

【0097】
(7)さらに、生体情報計測装置100では、映像脈波情報が、対象者の手の平の映像信号に含まれる輝度値の時間変化を含む。すなわち、生体情報計測装置100は、対象者の手の平を撮影して、手の平の映像信号から波形歪みを算出する。手のような末梢部位では副交感神経性の血管拡張の影響を受けずに、交感神経系による血管収縮の影響が支配的である。このため、手の平の映像信号を用いることで、血圧の変動計測の精度をよりいっそう向上させることができる。

【0098】
[1-7.その他]
対象者の測定部位や測定部位の体色によっては、光の反射率が異なり、映像取得装置300によって取得される映像信号に含まれる輝度値が異なる場合がある。このとき、輝度値が低すぎるか、輝度値が高すぎるか、又は輝度値が撮影中に変動する場合には、映像脈波の強度が安定せずに、適切に血圧の変動を計測することが困難となる。このため、生体情報計測装置100は、対象者の測定部位に光を照射する照明を備えていてもよい。また、生体情報計測装置100は、対象者の測定部位の照度を測定する照度センサを備えていてもよい。また、生体情報計測装置100は、照度センサにより測定される対象者の測定部位の照度に基づいて、測定部位の照度が一定となるように、照明から照射される光の強度を制御するフィードバック制御部を備えていてもよい。

【0099】
上述の実施形態では、生体情報計測装置100が映像取得装置300を備え、映像信号取得部121が映像取得装置300により取得された映像信号を取得して、波形歪みを算出するとともに、血圧の変動を計測する場合を例示した。生体情報計測装置100の構成はこれに限定されず、映像信号取得部121がネットワークを介して映像信号を取得して、この映像信号から波形歪みを算出するとともに、血圧の変動を計測する生体情報計測システムであってもよい。この場合、例えば、対象者の見守り用、介護用、観察用、監視用、防犯用に設けられたビデオカメラや、ビデオカメラを備えるPC、スマートフォン、タブレット端末等で取得された映像信号を、映像信号取得部121に送信することができる。

【0100】
[2.第二実施形態]
第二実施形態に係る生体情報計測装置について、図1,図11~図15を参照して説明する。以降、第二実施形態の説明において、この第二実施形態を、単に本実施形態ともいう。第一実施形態に係る生体情報計測装置100では歪み算出部130を備えていたのに対して、第二実施形態では、第一実施形態の歪み算出部130とは異なる機能を有する歪み算出部136を備えている点で相違している。さらには、本実施形態では、波形歪みが心拍基本成分と心拍高周波成分との周波数領域における比率として算出される。そして、本実施形態に係る生体情報計測装置は、算出された周波数領域における比率から血圧の変動を推定する。本実施形態に係る生体情報計測装置は、一部の構成が上述の第一実施形態に係る生体情報計測装置と同様に構成されており、第一実施形態に係る生体情報計測装置と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。

【0101】
[2-1.構成]
[2-1.ハードウェア構成]
図1に示すように、本実施形態に係る生体情報計測装置101は、生体情報計測装置100と同様に、情報処理装置200を備えている。また、生体情報計測装置101は、さらに、映像取得装置300と、出力装置400とを備えている。

【0102】
[2-2.機能構成]
図11に示すように、生体情報計測装置101を機能的に表すと、生体情報計測装置100と同様に、情報処理装置200、映像取得装置300、及び出力装置400を備えて構成される。また、情報処理装置200を機能的に表すと、処理部110、及び記憶部160を備えて構成される。

【0103】
<記憶部>
記憶部160は、CPU10に実行させることで、後述する処理部110の映像信号取得部121、皮膚領域抽出部122、映像脈波抽出部123、歪み算出部136、計測部141、及び出力制御部151としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。

【0104】
<処理部>
図11に示すように、処理部110は、映像信号取得部121、皮膚領域抽出部122、映像脈波抽出部123、歪み算出部136、計測部141、及び出力制御部151としてそれぞれ機能する。

【0105】
[2-3.処理部]
<血圧変動の推定について>
波形歪みを用いた血圧変動の推定の原理について説明する。本実施形態では、波形歪みが心拍基本成分と心拍高周波成分との周波数領域における比率で表わされる場合について説明する。

【0106】
図12に示されるように、映像脈波は、フーリエ変換によって、時間領域から周波数領域に変換することができる。周波数領域では、映像脈波を様々な周波数を有する正弦波の重ね合わせとして表すことができる。すなわち、映像脈波をフーリエ変換することによって、映像脈波を下記式(11)で表されるフーリエ級数f(x)によって表すことができる。
【数2】
JP2019097757A_000004t.gif
(式(11)中、a0、an、bnは、フーリエ係数を表す。)

【0107】
ここで、図13は周期2Tで、頂点の位置が半周期Tの1/mの位置(T1)となる非対称な三角波の時間(t)による変化を表している。m(=T1/T)は三角波の上昇部と下降部の割合を示している。

【0108】
そして、図13に表される三角波は、下記式(12)で表されるfm(x)によって表すことができる。
【数3】
JP2019097757A_000005t.gif

【0109】
このとき、フーリエ係数a0、an、bnは、下記式(13)~式(15)で表すことができる。
【数4】
JP2019097757A_000006t.gif
【数5】
JP2019097757A_000007t.gif
【数6】
JP2019097757A_000008t.gif

【0110】
図13において、m=2のときの三角波は、歪みの無い波形といえる。これに対して、mが2より大きくなるに従って、三角波の歪みは大きくなる。このように、mの値が増加し、三角波がm=2の波形から外れるほど、高い周波数成分のフーリエ係数も増加する。

【0111】
上述した検討から、発明者らは、映像脈波の波形歪みがフーリエ係数に反映されることに着眼した。すなわち、映像脈波の心拍高周波成分に相当するフーリエ係数をbi、映像脈波の心拍基本成分に相当するフーリエ係数をbjとすると、映像脈波の歪み比Rdは、下記式(16)により表すことができる。
【数7】
JP2019097757A_000009t.gif

【0112】
式(16)に示されるように、歪み比Rdは、心拍基本成分のフーリエ係数の和bjに対する、心拍高周波成分のフーリエ係数biの和の比率で表される。そして、歪み比Rdが小さい場合には、上述したm=2のように波形歪みが小さい状態を示す。一方。歪み比Rdが大きい場合には、波形歪みが大きい状態を示す。そして、本発明者らの検討により、歪み比Rdと血圧変動とに負の相関関係があることを見出した。すなわち、本実施形態によれば、心拍基本成分と心拍高周波成分との周波数領域における比率に対応する歪み比Rdに基づいて、血圧の変動を計測することができる。

【0113】
本実施形態に係る生体情報計測装置101は、上述した原理のもと、映像信号の輝度値の時間変化を表す映像脈波から歪み比Rdを算出することで、血圧の変動を計測する。以下、生体情報計測装置101による処理に関して、構成要素を挙げて説明する。

【0114】
<歪み算出部>
本実施形態に係る歪み算出部136は、変換部137、及び比率算出部138を備えている。映像脈波抽出部123から出力された映像脈波情報は、変換部137に入力される。本実施形態において歪み算出部136は、波形歪みとして、歪み比Rdを算出する。以下、各構成要素について説明する。

【0115】
<変換部>
変換部137は、映像脈波をフーリエ変換をして、映像脈波のフーリエ級数を得る。さらに、変換部137は、心拍基本成分及び心拍高周波成分のフーリエ級数の係数の和をそれぞれ足し合わせることで、心拍基本成分及び心拍高周波成分それぞれのフーリエ係数の和を算出する。そして、変換部137は、比率算出部138に、心拍基本成分のフーリエ係数の和と心拍高周波成分のフーリエ係数の和とを出力する。

【0116】
<比率算出部>
比率算出部138は、心拍基本成分のフーリエ係数の和に対する、心拍高周波成分のフーリエ係数の和の比率を算出する。これにより、比率算出部138は、周波数領域での歪み比Rdを算出することができる。比率算出部138は、周波数領域での歪み比Rdを計測部141に出力する。

【0117】
<計測部>
計測部141は、比率算出部138で算出される波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する。本実施形態では、比率算出部138で算出される周波数領域での歪み比Rdに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する。具体的には、計測部141は、周波数領域での歪み比Rdの増減に応じた対象者の血圧の変動を計測する。ここで、計測部141は、周波数領域での歪み比Rdの増加を血圧の下降変動として計測し、歪み比Rdの減少を血圧の上昇変動として計測する。すなわち、計測部141は、周波数領域での歪み比Rdが増加している場合、血圧が下がっていると判定し、周波数領域での歪み比Rdが減少している場合、血圧が上がっていると判定する。このように、本実施形態では、周波数領域での歪み比Rdと血圧変動との負の相関関係を利用して血圧の変動を推定することができる。

【0118】
[2-4.方法]
図14を参照しながら、生体情報計測装置101の処理、及び生体情報計測装置101を用いて行う生体情報計測方法について、例を挙げて説明する。

【0119】
まず、映像取得装置300によって対象者の撮影を行い、映像信号を取得する(ステップS201)。本例では、映像取得装置300として、第一実施形態と同様のビデオカメラを使用した。また、対象者は第一実施形態と同様である。また、第一実施形態と同様に、計5分間の撮影を2回繰り返して、合計で10分のデータを取得した。また、第一実施形態と同様に、対象者の血圧を測定し、収縮期の血圧を記録した。

【0120】
映像信号取得部121は、ステップS201で取得された映像信号を映像取得装置300から受信することで、映像信号を取得する(ステップS202)。

【0121】
皮膚領域抽出部122は、ステップS202で取得された映像信号の映像に含まれる対象者の皮膚領域を抽出する(ステップS203)。本例では、対象者の手の平、前額部、右頬、左頬の領域にROIを指定することで、指定された領域を皮膚領域として抽出した。

【0122】
映像脈波抽出部123は、ステップS203で抽出された皮膚領域における映像信号から、輝度値の時間変化を表す映像脈波を抽出する(ステップS204)。本例では、映像信号の各フレームの皮膚領域に含まれる各座標の緑色成分の輝度値の平均値を算出することで、映像脈波を抽出した。

【0123】
変換部137は、ステップS204で抽出された映像脈波に対してフーリエ変換をして、映像脈波のフーリエ級数を得る(ステップS205)。さらに、変換部137は、ステップS205で得られた心拍基本成分及び心拍高周波成分のフーリエ級数の係数の和をそれぞれ算出する(ステップS206)。なお、ここでは、心拍周波数帯域の周波数成分よりも高い周波数成分を心拍高周波成分とした。

【0124】
比率算出部138は、心拍基本成分と心拍高周波成分との波形歪みを算出する。具体的には、ステップS206でそれぞれ算出された、心拍基本成分のフーリエ係数の和に対する、心拍高周波成分のフーリエ係数の和の比率を算出することで、周波数領域での歪み比Rdを算出する(ステップS207)。

【0125】
さらに、計測部141は、比率算出部138で算出される波形歪みに基づいて、対象者の血圧の変動を計測する(ステップS208)。本例では、ステップS207で算出された周波数領域での歪み比Rdと血圧変動との負の相関関係を利用して血圧の変動を推定する。

【0126】
また、出力制御部151は、ステップS208で算出された周波数領域での歪み比Rdを出力装置400に表示させるように制御することで、出力装置400は計測結果として周波数領域での歪み比Rdの時間変化を示すグラフを表示する(ステップS209)。

【0127】
本例による1名の対象者の測定結果を、図15(a)~図15(d)に示す。図15(a)~図15(d)では、収縮期血圧を、破線で示している。周波数領域での歪み比Rdを実線で示し、周波数領域での歪み比Rdのトレンドを点線で示している。また、横軸に測定時間(秒)(Time[s])を示し、縦軸に収縮期血圧の測定値、及び周波数領域での歪み比Rdを示している。図15(a)~図15(d)は、前額部、右の手の平、右頬、左頬の測定結果をそれぞれ示している。

【0128】
図15(a)~図15(d)では、60~120秒において、ヴァルサルヴァ法による呼吸停止に対応して収縮期血圧の変化が見られる。図15(a)~図15(d)から、周波数領域での歪み比Rdは、収縮期血圧とは逆の変化を示しており、負の相関があることが分かる。中でも、図15(b)から、右の手の平で測定された周波数領域での歪み比Rdは、収縮期血圧との負の相関が最も大きく観察された。

【0129】
[2-5.作用及び効果]
本実施形態に係る生体情報計測装置101は、上述のように構成されるため、上述した第一実施形態で得られる効果に加えて、以下のような作用及び効果を得ることができる。

【0130】
生体情報計測装置101では、波形歪みが、心拍基本成分と心拍高周波成分との周波数領域における比率で表わされる。そして、変換部137が、心拍基本成分及び心拍高周波成分のフーリエ級数の係数の和をそれぞれ得る。さらに、比率算出部138が、周波数領域における比率として、心拍基本成分のフーリエ係数の和に対する、心拍高周波成分のフーリエ係数の和の比率(周波数領域での歪み比Rd)を算出する。このように、生体情報計測装置101では、波形歪みとして時間領域における差分を用いずに、周波数領域での歪み比Rdを用いて、血圧の変動を計測することができる。これにより、時間領域における差分を用いる際に必要な頂点及び特徴点の検出が不要となり、これら頂点及び特徴点の検出位置のずれにともなう血圧の変動の計測精度の低下を防ぎ、比較的に高精度に血圧の変動を測定することが可能となる。

【0131】
[2-6.その他]
上述した実施形態では、心拍周波数帯域の周波数成分よりも高い周波数成分を心拍高周波成分とする場合を例示した。心拍高周波成分は、映像脈波のうち、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分を含むものであればよく、心拍周波数帯域よりも高い周波数帯域の周波数成分と、心拍周波数帯域の周波数成分とを含む映像脈波を心拍高周波成分として用いてもよい。
【符号の説明】
【0132】
100,101 生体情報計測装置
110 処理部
121 映像信号取得部
122 皮膚領域抽出部
123 映像脈波抽出部
130,136 歪み算出部
131 フィルタ部
132 特徴点検出部
133 頂点検出部
134 差分算出部
137 変換部
138 比率算出部
141 計測部
160 記憶部
200 情報処理装置
300 映像取得装置
400 出力装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14