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明細書 :浮遊システム、給電システム及び電子装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-092324 (P2019-092324A)
公開日 令和元年6月13日(2019.6.13)
発明の名称または考案の名称 浮遊システム、給電システム及び電子装置
国際特許分類 H02J  50/12        (2016.01)
H02J  50/40        (2016.01)
FI H02J 50/12
H02J 50/40
請求項の数または発明の数 25
出願形態 OL
全頁数 18
出願番号 特願2017-220410 (P2017-220410)
出願日 平成29年11月15日(2017.11.15)
発明者または考案者 【氏名】宇野 祐輝
【氏名】邱 浩
【氏名】高宮 真
出願人 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000408、【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
審査請求 未請求
要約 【課題】様々な用途に用いることが可能な電子装置を浮遊させる。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る浮遊システムは、電子機器と前記電子機器を保持する支持体を含む電子装置と、超音波を発して、前記電子装置を当該超音波によって所定の設定位置に浮遊させる第1の装置と、を含む。前記第1の装置は、前記所定の設定位置に応じて、定在波を生成してもよい。前記第1の装置は、複数の超音波トランスデューサを配列させた第1の超音波トランスデューサアレイと、前記第1の超音波トランスデューサアレイに対向して配置する、複数の超音波トランスデューサを配列させた第2の超音波トランスデューサアレイと、を含み、前記所定の設定位置は、前記第1の超音波トランスデューサアレイと前記第2の超音波トランスデューサアレイとの間であってもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
電子機器と前記電子機器を保持する支持体を含む電子装置と、
超音波を発して、前記電子装置を当該超音波によって所定の設定位置に浮遊させる第1の装置と、
を含む浮遊システム。
【請求項2】
前記第1の装置は、前記所定の設定位置に応じて、定在波を生成する、請求項1に記載の浮遊システム。
【請求項3】
前記第1の装置は、
複数の超音波トランスデューサを配列させた第1の超音波トランスデューサアレイと、
前記第1の超音波トランスデューサアレイに対向して配置する、複数の超音波トランスデューサを配列させた第2の超音波トランスデューサアレイと、を含み、
前記所定の設定位置は、前記第1の超音波トランスデューサアレイと前記第2の超音波トランスデューサアレイとの間である、請求項2に記載の浮遊システム。
【請求項4】
前記第1の装置は、
複数の超音波トランスデューサを配列させた第1の超音波トランスデューサアレイと、
前記第1の超音波トランスデューサアレイが発する超音波を反射する反射板と、を含み、
前記所定の設定位置は、前記第1の超音波トランスデューサアレイと前記反射板との間である、請求項2に記載の浮遊システム。
【請求項5】
前記第1の装置は、前記所定の設定位置に基づいて、前記第1の超音波トランスデューサアレイに含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相と、前記第2の超音波トランスデューサアレイに含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御する制御部をさらに含む、請求項2に記載の浮遊システム。
【請求項6】
前記超音波は、液体を媒体として伝搬する、請求項1から請求項5の何れか一つに記載の浮遊システム。
【請求項7】
前記電子装置は、前記電子機器を駆動する電源を含む、請求項1から請求項6の何れか一つに記載の浮遊システム。
【請求項8】
請求項1から請求項6の何れか一つに記載の浮遊システムと、
前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、
前記電子装置は、受電部を含み、
前記第2の装置は、前記受電部を介して、前記電子機器に無線で電力を供給する、給電システム。
【請求項9】
前記受電部は、受電コイルであり、
前記第2の装置は、送電コイルを含み、
前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になる、請求項8に記載の給電システム。
【請求項10】
前記支持体は、第1の軸のみに対して略回転対称の形状であり、
前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直になる、請求項9に記載の給電システム。
【請求項11】
前記支持体は、複数の軸の各々に対して略回転対称(n回対称:n≧2)の形状であって、前記nが最も大きい第1の軸が一つである形状であり、
前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直になる、請求項9に記載の給電システム。
【請求項12】
前記電子装置の前記第1の軸に沿った方向の長さは、前記超音波の半波長以下である、請求項10又は請求項11に記載の給電システム。
【請求項13】
前記電子装置の重心は、前記第1の軸と略一致する、請求項10又は請求項11に記載の給電システム。
【請求項14】
前記受電部は、超音波トランスデューサである、請求項8に記載の給電システム。
【請求項15】
前記電子機器は、通信素子を含む、請求項8に記載の給電システム。
【請求項16】
前記電子機器は、センサをさらに含み、
前記通信素子は、前記センサが検出した結果を送信する、請求項15に記載の給電システム。
【請求項17】
前記電子機器は、アクチュエータを含む、請求項8に記載の給電システム。
【請求項18】
前記電子機器は、発光素子を含む、請求項8に記載の給電システム。
【請求項19】
前記電子装置は、複数個ある、請求項8に記載の給電システム。
【請求項20】
請求項5に記載の浮遊システムと、
前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、
前記電子装置は、受電コイルを含み、
前記電子機器は、前記受電コイルが受信した電力に基づいて発光する発光素子、を含み、
前記第2の装置は、
交流信号を発生する信号発生器と、
前記交流信号が流れる送電コイルと、
前記送電コイルと前記信号発生器との間に配置されるスイッチと、を含み、
前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、
前記制御部は、前記位相の制御と前記スイッチのオン又はオフの制御とを同期するように制御する、給電システム。
【請求項21】
請求項5に記載の浮遊システムと、
前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、
前記電子装置は、受電コイルを含み、
前記第2の装置は、送電コイルを含み、
前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、
前記制御部は、前記受電コイルと前記送電コイルとの位置関係が所定の関係を満たすように、前記位相を制御する、給電システム。
【請求項22】
請求項5に記載の浮遊システムと、
前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、
前記電子装置は、受電コイルを含み、
前記電子機器は、前記受電コイルに流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の結果を前記制御部に送信する通信素子と、を含み、
前記第2の装置は、送電コイルを含み、
前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、
前記通信素子から送信された前記電流検出器の結果に基づいて、前記制御部は、前記電子装置が所定の位置に移動するように前記位相を制御する、給電システム。
【請求項23】
請求項5に記載の浮遊システムと、
前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、
前記電子装置は、受電コイルを含み、
前記電子機器は、前記電子装置の近傍に位置する物体を検知する物体検知器と、前記物体検知器の検知した結果を前記制御部に送信する通信素子と、を含み、
前記第2の装置は、送電コイルを含み、
前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、
前記通信素子から送信された前記物体検知器の検知した結果に基づいて、前記制御部は、前記電子装置が当該電子装置の近傍に位置する物体から離れるように前記位相を制御する、給電システム。
【請求項24】
受電コイルと、前記受電コイルを保持する支持体と、を含む電子装置であって、
前記支持体は、第1の軸のみに対して回転対称の形状であり、
前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直である、電子装置。
【請求項25】
受電コイルと、前記受電コイルを保持する支持体と、を含む電子装置であって、
前記支持体は、複数の軸の各々に対して略回転対称(n回対称:n≧2)の形状であって、前記nが最も大きい第1の軸が一つである形状であり、
前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直である、電子装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊システム、給電システム及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波を用いて、対象物体に非接触で力を作用させて、浮遊させる技術が開発されている(例えば、集束超音波を用いるものとして、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】星貴之著「非接触作用力を発生する小型超音波集束装置の開発」計測自動制御学会論文集第50巻第7号、2014年7月p.543-552
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
もっとも、従来は、超音波を用いて浮遊させる対象物体としては、発泡スチロールなど浮遊させることのみを目的とした物体のみである。したがって、物体を浮遊させる以上の用途がなかった。
【0005】
本発明の一つの目的は、様々な用途に用いることが可能な電子装置を浮遊させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、電子機器と前記電子機器を保持する支持体を含む電子装置と、超音波を発して、前記電子装置を当該超音波によって所定の設定位置に浮遊させる第1の装置と、を含む浮遊システムが提供される。
【0007】
前記第1の装置は、前記所定の設定位置に応じて、定在波を生成してもよい。
【0008】
前記第1の装置は、複数の超音波トランスデューサを配列させた第1の超音波トランスデューサアレイと、前記第1の超音波トランスデューサアレイに対向して配置する、複数の超音波トランスデューサを配列させた第2の超音波トランスデューサアレイと、を含み、前記所定の設定位置は、前記第1の超音波トランスデューサアレイと前記第2の超音波トランスデューサアレイとの間であってもよい。
【0009】
前記第1の装置は、複数の超音波トランスデューサを配列させた第1の超音波トランスデューサアレイと、前記第1の超音波トランスデューサアレイが発する超音波を反射する反射板と、を含み、前記所定の設定位置は、前記第1の超音波トランスデューサアレイと前記反射板との間であってもよい。
【0010】
前記第1の装置は、前記所定の設定位置に基づいて、前記第1の超音波トランスデューサアレイに含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相と、前記第2の超音波トランスデューサアレイに含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御する制御部をさらに含んでもよい。
【0011】
前記超音波は、液体を媒体として伝搬してもよい。
【0012】
前記電子装置は、前記電子機器を駆動する電源を含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記浮遊システムと、前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、前記電子装置は、受電部を含み、前記第2の装置は、前記受電部を介して、前記電子機器に無線で電力を供給する、給電システムが提供される。
【0014】
前記受電部は、受電コイルであり、前記第2の装置は、送電コイルを含み、前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になってもよい。
【0015】
前記支持体は、第1の軸のみに対して略回転対称の形状であり、前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直になってもよい。
【0016】
前記支持体は、複数の軸の各々に対して略回転対称(n回対称:n≧2)の形状であって、前記nが最も大きい第1の軸が一つである形状であり、前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直になってもよい。
【0017】
前記電子装置の前記第1の軸に沿った方向の長さは、前記超音波の半波長以下であってもよい。
【0018】
前記電子装置の重心は、前記第1の軸と略一致してもよい。
【0019】
前記受電部は、超音波トランスデューサであってもよい。
【0020】
前記電子機器は、通信素子を含んでもよい。
【0021】
前記電子機器は、センサをさらに含み、前記通信素子は、前記センサが検出した結果を送信してもよい。
【0022】
前記電子機器は、アクチュエータを含んでもよい。
【0023】
前記電子装置は、複数個あってもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記浮遊システムと、前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、前記電子装置は、受電コイルを含み、前記電子機器は、前記受電コイルが受信した電力に基づいて発光する発光素子、を含み、前記第2の装置は、交流信号を発生する信号発生器と、前記交流信号が流れる送電コイルと、前記送電コイルと前記信号発生器との間に配置されるスイッチと、を含み、前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、前記制御部は、前記位相の制御と前記スイッチのオン又はオフの制御とを同期するように制御する、給電システムが提供される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記浮遊システムと、前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、前記電子装置は、受電コイルを含み、前記第2の装置は、送電コイルを含み、前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、前記制御部は、前記受電コイルと前記送電コイルとの位置関係が所定の関係を満たすように、前記位相を制御する、給電システムが提供される。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、前記浮遊システムと、前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、前記電子装置は、受電コイルを含み、前記電子機器は、前記受電コイルに流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器の結果を前記制御部に送信する通信素子と、を含み、前記第2の装置は、送電コイルを含み、前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、前記通信素子から送信された前記電流検出器の結果に基づいて、前記制御部は、前記電子装置が所定の位置に移動するように前記位相を制御する、給電システムが提供される。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、前記浮遊システムと、前記電子機器に無線で電力を供給する第2の装置と、を含み、前記電子装置は、受電コイルを含み、前記電子機器は、前記電子装置の近傍に位置する物体を検知する物体検知器と、前記物体検知器の検知した結果を前記制御部に送信する通信素子と、を含み、前記第2の装置は、送電コイルを含み、前記浮遊する電子装置に含まれる前記受電コイルを形成する面と前記送電コイルを形成する面とは、前記電子装置が浮遊しているときに前記支持体の形状によって略平行になり、前記通信素子から送信された前記物体検知器の検知した結果に基づいて、前記制御部は、前記電子装置が当該電子装置の近傍に位置する物体から離れるように前記位相を制御する、給電システムが提供される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、受電コイルと、前記受電コイルを保持する支持体と、を含む電子装置であって、前記支持体は、第1の軸のみに対して回転対称の形状であり、前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直である、電子装置が提供される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、受電コイルと、前記受電コイルを保持する支持体と、を含む電子装置であって、前記支持体は、複数の軸の各々に対して略回転対称(n回対称:n≧2)の形状であって、前記nが最も大きい第1の軸が一つである形状であり、前記受電コイルを形成する面は、前記第1の軸に対して略垂直である、電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、様々な用途に用いることが可能な電子装置を浮遊させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る給電システムを説明するための概念図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る給電システムを説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る給電システムを説明するための概念図である。
【図7】本発明の変形例に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図8】本発明の変形例に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図9】本発明の変形例に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図10】本発明の変形例に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図11】本発明の変形例に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。
【図12】本発明の変形例に係る超音波発生装置の動作フローの一例を示す図である。
【図13】本発明の変形例に係る電子装置の動作フローの一例を示す図である。
【図14】本発明の変形例に係る超音波発生装置の動作フローの一例を示す図である。
【図15】本発明の変形例に係る電子装置の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。

【0033】
<第1実施形態>
[給電システム]
図1から図5を用いて、本発明の一実施形態に係る給電システム1に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る給電システムを説明するための概念図である。

【0034】
給電システム1は、電子装置10、超音波発生装置(第1の装置)20及び給電装置(第2の装置)30を含む。超音波発生装置20は、超音波を発して、電子装置10を超音波によって所定の設定位置に浮遊させる装置である。電子装置10は自ら浮遊するのではなく、浮遊させられる対象であることから、被浮遊物ということもできる。超音波発生装置20は、超音波で定在波を生成する。給電装置30は、後述のとおり、電子装置10に含まれる電子機器に無線で電力を供給する装置である。

【0035】
第1の超音波トランスデューサアレイ21及び第2の超音波トランスデューサアレイ23は、所定の距離離れてそれぞれ対向して配置される。この例では、第1の超音波トランスデューサアレイ21及び第2の超音波トランスデューサアレイ23は、20cm離れて、対向して配置されている。また、第1の超音波トランスデューサアレイ21及び第2の超音波トランスデューサアレイ23は、それぞれ複数の超音波トランスデューサ(超音波振動子)200を含む。この例では、第1の超音波トランスデューサアレイ21及び第2の超音波トランスデューサアレイ23は、それぞれ289(17×17)個の超音波トランスデューサ200を含む。そして、各超音波トランスデューサ200は、基本的にはアレイ状に配置される。また、この例では、各超音波トランスデューサ200の共振周波数は、40kHzであり、音圧レベルは、117dBである。もっとも、超音波トランスデューサアレイ間の距離、各超音波トランスデューサアレイに含まれる超音波トランスデューサ200の数や共振周波数などの電気的特性は、上記に限定されるものではなく、適宜に選択可能である。

【0036】
前述のとおり、従来は、超音波を用いて浮遊させる対象物体としては、発泡スチロールなど浮遊させることのみを目的とした物体のみであって、物体を浮遊させる以上の用途がなかった。そこで、本発明の発明者らは、様々な用途に用いることが可能な浮遊させた物体の一つの例として、物体に電子機器を内蔵させることを考えた。例えば、浮遊させる物体に温度センサを内蔵させれば、物体が浮遊する場所を制御することによって、物体が移動可能な場所の温度情報を取得することが可能になるなど応用範囲が広がるからである。ところで、物体に内蔵する電子センサなどの電子機器を駆動させるには、電源が必要になる。超音波を用いた場合、物体に作用する浮遊力は、非常に弱い。そのため、浮遊させる物体を軽量化する必要がある。そこで本実施形態では、後述のとおり、電源として、コンデンサCSTRを用いることにした。そして、コンデンサCSTRに電荷を蓄えるためには、コンデンサCSTRに電流が流れなければならない。そこで、本発明の発明者らは、超音波を用いて浮遊させる物体に無線で電力を供給する方法を考えた。

【0037】
無線で電力を供給する方法としては、例えば、送電コイルと受電コイルを用いた電磁界結合方式がある。具体的には、図1及び図2に示すように、送電コイル31に交流電流を流すと、送電コイル31に磁界が発生し、送電コイル31、受電コイル11を共通に鎖交する磁束により受電コイル11に誘導起電力が発生する。ここで、受電コイル11に生じる誘導起電力は、受電コイル11を貫く磁束の単位時間当たりの変化に比例するところ、受電コイル11に生じる誘導起電力を大きくするには、図2に示すように、送電コイル31を形成する面と受電コイル11を形成する面が平行になることが望ましい。この例では、送電コイル31は、螺旋状のコイルである。ここで、送電コイル31を形成する面とは、螺旋の中心を通る線に対して垂直な面を意味する。他方、受電コイル11を形成する面は、この例では、PCB(Printed Circuit Board)12において受電コイル11が形成される面を意味する。

【0038】
ところで、従来、超音波を用いて浮遊させる対象物体は、球であった。そして、超音波を用いて浮遊させる対象物体は、ポテンシャル底で回転することが知られている。対象物体として、球を用いると、ランダムに回転する。つまり、球の回転軸がランダムに変化する。そのため、球に受電コイルを内蔵した場合、送電コイルと受電コイルとが平行になるという条件を満たすことは困難となる。つまり、球はランダムに回転しているため、当該条件を満たすような回転をすることが偶然に瞬間的にある可能性もあるものの、当該条件を常に満たすものではない。そのため、電力伝送効率は、ランダムに変化してしまう。したがって、無線給電の効率が不安定になってしまう。そこで、本発明の発明者らは、高効率な無線給電を実現するために、物体の形状、具体的には、後述の支持体14の形状などを鋭意検討した。なお、送電コイル31を形成する面と受電コイル11を形成する面が平行になることが望ましいものの、本発明は、送電コイル31を形成する面と受電コイル11を形成する面が平行になる場合のみを対象とするものではない。送電コイル31を形成する面と受電コイル11を形成する面とがなす角があってもよい。この角は、小さければ小さいほど平行に近づくため好ましい。

【0039】
ここで、図2を用いて、電子装置10に含まれる支持体14の形状、電子装置10と送電コイル31との関係について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。電子装置10は、この例では、前述の受電コイル11に加えて、PCB12、発光素子13及び支持体14を含む。支持体14は、軸(第1の軸)50のみに対して回転対称の形状である。図2の例では、支持体14は、半球である。この例では、支持体14は、底面がある。PCB12は支持体14の底面上に搭載する。また、図2の例では、電子装置10に含まれる受電コイル11を形成する面は、軸50に対して垂直になる。また、電子装置10は、軸50を回転軸として回転する。つまり、この例では、軸50は、電子装置10が回転するときの回転軸と一致することになる。ここで、電子装置10は、時計回りに回転することもあれば、反時計回りに回転することもあるし、回転が止まっている場合もある。もっとも、電子装置10が回転し、しかも回転方向がいずれであったとしても、電子装置10に含まれる受電コイル11を形成する面と送電コイル31を形成する面とは平行になる。したがって、本実施形態に係る電子装置10は、送電コイル31と受電コイル11とが平行になるという条件を満たすため、従来の球と異なり、高効率な無線給電を実現することが可能である。

【0040】
また、電子装置10の軸50に沿った方向の長さhは、超音波の半波長以下である。hが超音波の半波長以下でないと、電子装置10が浮遊しないおそれがあるからである。この例では、超音波の周波数は40kHzであるため、hは、約4.2mm(音速/40k/2×1000)である。

【0041】
発光素子13は、PCB12上に搭載される。また、受電コイル11は、PCB12にプリントされて形成される。発光素子13は、この例では、LEDである。支持体14は、半球のケースである。電子装置10を可能な限り軽量化するために、支持体14の内部は空洞になっている。支持体14は、PCB12を介して、発光素子13などの電子機器を保持している。支持体14の材料は、この例では、感光性樹脂であるが、これに限定されるものではない。支持体14の材料としては、半球を作成可能であり、軽い材料であることが好ましい。

【0042】
ここで、図3を用いて、電子装置10が発光素子13を含む場合のシステムについて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る給電システムを説明するためのブロック図である。図3に示すように、超音波発生装置20は、第1の超音波トランスデューサアレイ21、第2の超音波トランスデューサアレイ23、第1の駆動回路22、第2の駆動回路24及び制御部25を含む。

【0043】
第1の駆動回路22及び第2の駆動回路24は、それぞれ制御用FPGAとドライバICを含む。制御用FPGAは、制御部25と通信を行い、焦点位置(所定の設定位置)に基づいて各超音波トランスデューサの適切な位相を算出し、駆動信号を生成する。この駆動信号は、ドライバICによって電圧(例えば、Vp-p=24V)を増幅され、ハイパスフィルタによってDC成分を除去された後、各超音波トランスデューサに送られる。その結果、第1の超音波トランスデューサアレイ21に含まれる各超音波トランスデューサ及び第2の超音波トランスデューサアレイ23に含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御することになる。なお、制御部25は、この例では、パーソナルコンピュータである。

【0044】
制御部25によって、各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御することによって、超音波を集束させて、焦点を形成することが可能になる。ここで、「焦点」は、対象物体に非接触で力(超音波浮遊力)を作用させる場所を意味する。制御部25が各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御することによって、焦点をxyz方向(図2参照)に制御して、電子装置10が浮遊する場所を制御することが可能になる。

【0045】
給電装置30は、送電コイル31、コンデンサCTX、スイッチSTX、スイッチ制御部33、制御部25、パワーアンプ37及び信号発生器35を含む。信号発生器35によって発生した交流信号は、パワーアンプ37によって増幅される。電力を効率よく伝送するために、送電コイル31にコンデンサCTXを直列に接続している。つまり、送電コイル31とコンデンサCTXは、LC共振器である。スイッチSTXは、発光素子13のスイッチのON/OFFを制御するために、パワーアンプ37とLC共振器との間に挿入される。スイッチ制御部33は、スイッチSTXのON/OFFを制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータである。制御部25は、前述の制御用FPGAとスイッチ制御部33を同期制御し、電子装置10の位置と発光素子13のON/OFFを同期制御する。

【0046】
図3に示すように、電子装置10は、受電コイル11、コンデンサCRX、発光素子13、コンデンサCSTR、ICチップ19を含む。受電コイル11とコンデンサCRXを並列に接続し、並列共振回路を生成している。送電コイル31から発生する磁束の変化の周期に共振周波数を合わせることによって、より多くの磁束を受電コイル11で捕捉することができる。また、コンデンサCRXとの共振現象により、受電コイル11の端子間電圧が上昇し、ICチップ19へより大きな電圧を供給することができる。ここでは、コンデンサCRX、発光素子13、コンデンサCSTR、ICチップ19をまとめて「電子機器」と呼んでもよい。

【0047】
ICチップ19は、チャージポンプ回路191、電圧検出回路193、スイッチSRX及び抵抗R1を含む。チャージポンプ回路191は、交流電圧を直流電圧に整流し、直流電圧を昇圧する。電圧検出回路193は、直流電圧(VDD)を制御し、スイッチSRXは、コンデンサCSTRの電荷の蓄積を制御する。抵抗R1は、発光素子13に印加する電圧が破壊電圧を超えないようにするために、発光素子13の前に設けられる。この例では、VDDを直流電圧にしている。VDDが交流電圧の場合、VDDが直流電圧の場合と比較して、LEDで消費する電力が大きくなるからである。そのため、本実施形態のチャージポンプ回路191は、交流電圧を直流電圧に整流する機能を有する。もっとも、VDDは直流電圧に限定されるものではなく、交流電圧であってもよい。

【0048】
続いて、図4及び図5を用いて、電子装置10が図3に示す回路等を含む場合の電子装置10の形状について説明する。図4及び図5は、本発明の一実施形態に係る電子装置の詳細形状を説明する図である。図4は、電子装置10に含まれるPCB12の表面であり、図5は、電子装置10に含まれるPCB12の裏面である。PCB12の表面は、図2に示すように、外部から目視可能な面である。

【0049】
電子装置10の重心は、図2で示す軸50と一致する。つまり、電子装置10の重心は、軸50上に存在する。電子装置10の重心が、軸50から離れると、電子装置10が安定的に浮遊しないおそれがあるからである。電子装置10の重心を軸50上にするように、電子装置10に含まれる部品を配置する。この例では、PCB12は、円形状である。そこで、図4に示すように、発光素子13の重心がPCB12の表面の中心(円の中心O)に重なるように配置する。図5に示すように、ICチップ19の重心がPCB12の裏面の中心(円の中心O)に重なるように配置する。また、コンデンサCSTRとコンデンサCRXは、PCB12の裏面の中心を基準に対称な位置に配置する。

【0050】
ところで、給電装置30を用いて、電子機器に無線で電力を供給する場合、無線給電できる範囲は、限定される。例えば、図2に示すように、送電コイル31の中心を基準として、xyz方向とした場合、無線給電できる範囲は、送電コイル31と受電コイル11の位置関係が所定の関係を満たす場合に限定される。そこで、予め給電可能な範囲を調べた上で、電子装置10が当該給電可能な範囲にとどまるように、第1の超音波トランスデューサアレイ21に含まれる各超音波トランスデューサ及び第2の超音波トランスデューサアレイ23に含まれる各超音波トランスデューサの位相を制御してもよい。

【0051】
以上で、給電システム1について説明した。本実施形態によれば、電子機器を含む電子装置10を超音波によって浮遊させることができる。なお、当該電子装置10を浮遊させるには、少なくとも超音波発生装置20があれば足り、給電装置30は必須の構成ではない。また、本実施形態によれば、浮遊する電子装置10に無線で電力を供給することができる。また、前述のとおり、支持体14の形状を軸50に対して回転対称の形状にし、浮遊する電子装置10に含まれる受電コイル11を形成する面と送電コイル31を形成する面とが平行になるようにすることによって、高効率な無線給電を実現することができる。また、浮遊する電子装置10が発光素子13を含む場合、制御部25が、2つの制御用FPGAとスイッチ制御部33を同期制御し、電子装置10の位置と発光素子13のON/OFFを同期制御することによって、空中における描画を可能にする。

【0052】
<第2実施形態>
[給電システム]
図6を用いて、給電システム1Aについて説明する。図6は、本発明の他の実施形態に係る給電システムを説明するための概念図である。本実施形態に係る給電システム1Aは、概ね第1実施形態に係る給電システム1と同じである。そこで、重複する点についての説明は省略し、異なる点について詳細に説明する。

【0053】
給電システム1Aの超音波発生装置20Aが、超音波発生装置20と異なる。具体的には、超音波発生装置20Aは、第1の超音波トランスデューサアレイ21を有するものの、超音波発生装置20が有する第2の超音波トランスデューサアレイ23を有しない。超音波発生装置20Aは、第2の超音波トランスデューサアレイ23の代わりに、反射板27を有する。また、第2の超音波トランスデューサアレイ23を有しないことに伴い、超音波発生装置20が有する第2の駆動回路24も有しない。第1の超音波トランスデューサアレイ21と反射板27は、対向して配置する。超音波発生装置20Aは、第1の超音波トランスデューサアレイ21が発する超音波と反射板27が反射する波を重ね合わせることによって、定在波を生成する。つまり、本実施形態では、第1実施形態と定在波の生成方法が異なる。

【0054】
そして、第1実施形態では、図2で示すxyz方向に電子装置10を移動させることが可能であったのに対し、本実施形態では、図2で示すところのxy方向にしか電子装置10を移動させることは困難である。ここで、図6に示すように、反射板27を送電コイル31と電子装置10との間に配置し、電子装置10のPCB12の表面が反射板27側になるように電子装置10を浮遊させると、発光素子13による発光によって、反射板27側が照らされる。例えば、反射板27の上に文字等が記された紙等を置けば、電子装置10は、移動可能なマイクロブックライトとして機能する。

【0055】
<変形例1>
以上の実施形態では、電子装置10の支持体14は、半球であり、PCB12は、円であることを前提に説明した。もっとも、電子装置10の支持体14の形状やPCB12の形状は、これに限定されるものではない。支持体は、回転対称になる軸が1つのみ(軸50のみ)の形状である場合の当該形状か、回転対称になる複数の軸が存在する場合には、nが最も大きい軸が一つであることを満たす形状であればよい。なお、nは、2以上の整数であり、軸の周りを(360/n)°回転させると自らと重なる性質を有する場合の当該nを意味する。回転対称になる軸が1つのみ(軸50のみ)の場合に、n(n回対称におけるn)が3以上、さらには4以上であることが望ましい。回転対称になる軸が1つのみ(軸50のみ)の形状の例としては、第1実施形態(図2)の半球、後述の円錐(図8)、図9に示す形状などである。他方、回転対称になる複数の軸が存在する場合、nの最大値は4以上であることが望ましい。回転対称になる複数の軸が存在する場合、nが最も大きい軸が一つであることを満たす形状の例としては、後述の円筒(図7)、八面体(図10)、直方体(図11)などである。例えば、立方体の場合は、頂点を通る軸について3回対称、辺心を通る軸について2回対称、面心を通る軸について4回対称である。つまり、立方体の場合、nが最も大きい軸は、面心を通る軸である。もっとも、面心を通る軸は、3つあるため、nが最も大きい軸が一つであるという条件を満たさない。そのため、立方体は、支持体の変形例とはならない。また、PCBの形状は、支持体の形状によって異なりうる。ここで、図7から図11を用いて、変形例に係る支持体の形状やPCBの形状について説明する。

【0056】
図7に示すように、電子装置10Aに含まれる支持体14Aは、円筒形状である。電子装置10Bに含まれる支持体14Bは、図8に示すように、円錐である。電子装置10Cに含まれる支持体14C(支持体14Caと支持体14Cb)は、図9に示すように、半球の支持体14Caと支持体14Cbを合わせた形状である。支持体14Cbは、軸50からの距離rが、頂点に向かうにつれて逓減する形状である。電子装置10Dに含まれる支持体14Dは、図10に示すように、八面体である。この場合、PCB12Dの形状は、例えば、正方形又は長方形である。電子装置10Eに含まれる支持体14Eは、直方体である。この場合、PCB12Eの形状は、例えば、正方形又は長方形である。なお、図7から図11は、あくまで支持体の形状の例であって、これらの限定されるものではなく、支持体が、軸50のみに対して回転対称の形状であればよいことはいうまでもない。

【0057】
これらの変形例においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。

【0058】
<変形例2>
以上の実施形態においては、支持体14が底面を含む半球であることを前提に説明した。もっとも、支持体14は、底面がない半球であってもよい。この場合は、底面がない半球に円形状のPCB12を合わせて半球としてもよい。変形例1の支持体14Aから14Eについても、同様である。これらの変形例においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。

【0059】
<変形例3>
以上の実施形態においては、図3に示すように、コンデンサCTXと送電コイル31は直列に接続し、コンデンサCRXと受電コイル11は並列に接続することを前提に説明した。つまり、送電コイル(一次コイル)31側に挿入されるコンデンサは直列で、受電コイル(二次コイル)11側に挿入されるコンデンサは並列であるから、いわゆるSP方式である。もっとも、SP方式に限定されるものではなく、いわゆるSS方式、PS方式、PP方式などであってもよい。

【0060】
<変形例4>
以上の実施形態の電子装置10や各変形例の電子装置は、電子機器が発光素子13を含むことを前提として説明した。もっとも、発光素子13の代わりに、通信素子、センサ、アクチュエータを搭載してもよい。ここで、通信素子は、例えば、無線通信用の部品である。また、センサは、例えば、カメラ、フォトディテクタ、加速度センサ、マイク、温度センサ、湿度センサ、磁気センサ、ガスセンサ、圧力センサ、電流センサ、放射線センサなどである。また、アクチュエータは、例えば、スピーカ、モータ、ピエゾアクチュエータなどである。また、通信素子、センサ、アクチュエータを組み合わせて搭載してもよい。搭載する電子機器に応じて、ICチップ19の構成は、適宜設計することになる。

【0061】
本変形例においても、電子機器を含む電子装置10を超音波によって浮遊させることができる。浮遊する電子装置10に無線で電力を供給することができる。また、高効率な無線給電を実現することができる。このように、通信素子、センサ、アクチュエータを適宜に組み合わせて搭載することによって、様々な応用が可能である。

【0062】
<変形例5>
前述のとおり、電子機器に無線で電力を供給する場合、無線給電できる範囲は、限定される。第1の実施形態においては、予め給電可能な範囲を調べた上で、第1の超音波トランスデューサアレイ21に含まれる各超音波トランスデューサ及び第2の超音波トランスデューサアレイ23に含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御するという方法を用いた。もっとも、電子装置10が給電可能な範囲にとどまるようするための方法は、これに限定されるものではない。例えば、電子装置10が受電コイル11の他に、受電コイル11に流れる電流を検出する電流センサ(電流検出器)、電流センサの結果を制御部に送信する通信素子といった電子機器を含むようにしてもよい。ここで、図12及び図13を用いて、超音波発生装置20及び電子装置10の動作フローについて説明する。図12は、本発明の変形例に係る超音波発生装置の動作フローの一例を示す図である。まず、超音波発生装置20の制御部25は、電子装置10が所定の設定位置に移動するように、各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御する(ステップS101)。続いて、電子装置10の通信素子から元の位置に戻るように指示する信号を受信した場合(ステップS103でYesの場合)には、当該信号を受信した超音波発生装置20は、元の位置に戻るように、第1の超音波トランスデューサアレイ21に含まれる各超音波トランスデューサ及び第2の超音波トランスデューサアレイ23に含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御する(ステップS105)。他方、当該信号を受信しない場合(ステップS103でNoの場合)、ステップS103を繰り返す。

【0063】
続いて、電子装置10の動作フローについて説明する。図13は、本発明の変形例に係る電子装置の動作フローの一例を示す図である。電子装置10に含まれる電流センサは、受電コイル11に流れる電流を検出し、電子装置10は、流れる電流が所定の値以上かどうかを判定する(ステップS201)。受電コイル11に流れる電流が所定の値以上の場合(ステップS205でYesの場合)には、ステップS201を繰り返す。他方、受電コイル11に流れる電流が所定の値未満であると判定した場合(ステップS205でNoの場合)には、電子装置10の通信素子は、超音波発生装置20に対し、元の位置に戻るように指示する信号を送信する。

【0064】
なお、上記の例では、電子装置10の通信素子が、超音波発生装置20に対し、元の位置に戻るように指示する信号を送信したが、これに限定されるものではない。例えば、電子装置10の通信素子は、超音波発生装置20に対し、受電コイル11に流れる電流の値を送信し、所定の値以上かどうかの判定は、超音波発生装置20側で行ってもよい。

【0065】
<変形例6>
また、例えば、電子装置10に受電コイル11の他にカメラと通信素子といった電子機器を含んでもよい。ここで、図14及び図15を用いて、給電システム1の動作フローについて説明する。図14は、本発明の変形例に係る超音波発生装置の動作フローの一例を示す図である。電子装置10の通信素子から電子装置10が人の手から離れるように制御するように指示する信号を受信したかどうかを判定し(ステップS301)、当該信号を受信した場合(ステップS301でYesの場合)には、超音波発生装置20は、電子装置10が手に当たらない位置になるように、第1の超音波トランスデューサアレイ21に含まれる各超音波トランスデューサ及び第2の超音波トランスデューサアレイ23に含まれる各超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御する(ステップS303)。他方、当該信号を受信しない場合には、ステップS301を繰り返す。

【0066】
続いて、電子装置10の動作フローについて説明する。図15は、本発明の変形例に係る電子装置の動作フローの一例を示す図である。例えば、カメラが電子装置10に人の手が近付いたかどうか(所定の範囲内に入ったかどうか)を検知し(ステップS401)、検知しなかった場合(ステップS401でNoの場合)には、ステップS401を繰り返す。他方、カメラが電子装置10に人の手が近付いたかどうか(所定の範囲内に入ったかどうか)を検知した場合(ステップS401でYesの場合)には、電子装置10の通信素子が、超音波発生装置20に対し、電子装置10が人の手から離れるように制御するように指示する信号を送信する(ステップS403)。当該信号を送信後は、ステップS401を繰り返す。

【0067】
<変形例7>
また、例えば、電子装置10に含まれる電子機器は温度センサと通信素子であってもよい。例えば、温度センサが検知した温度を通信素子が超音波発生装置20に送信すると、超音波発生装置20は、受信した温度情報と電子装置10の焦点位置の情報とを紐づけて記憶してもよい。また、これらの情報を表示装置に出力してもよい。

【0068】
<変形例8>
以上の実施形態及び変形例においては、電子装置10に含まれる温度センサや通信素子などの電子機器を駆動させるための電源として、コンデンサであることを前提に説明した。もっとも、電子機器を駆動させるための電源として、一次電池や二次電池を電子装置10に搭載してもよい。

【0069】
<変形例9>
以上の実施形態においては、無線で電力を供給する方法として、送電コイルと受電コイルを用いた電磁界結合方式を前提として説明した。もっとも、無線で電力を供給する方法は、これに限定されるものではなく、超音波を用いる方式であってもよい。具体的には、第1実施形態における給電装置30、受電コイル11は不要となり、電子装置10は受電コイル11の代わりに受電用の超音波トランスデューサを含むことになる。受電コイル11や受電用の超音波トランスデューサは、無線受電部と呼んでもよい。超音波を用いた無線給電については、公知の文献(宇野祐輝、崔通、星貴之、桜井貴康、高宮真著「超音波ワイヤレス給電の距離・位置ずれ依存の実測」電子情報通信学会総合大会、B-21-26、名古屋、2017年3月)などに記載されている。

【0070】
本変形例でも、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第1実施形態における給電装置30、受電コイル11は不要となる。

【0071】
<変形例10>
以上の実施形態及び変形例では、電子装置10が1個であることを前提に説明した。もっとも、電子装置10の個数は1個に限定されるものではなく、2個以上の複数であってもよい。電子装置10が複数ある場合に、複数の電子装置10を浮遊させるには、超音波トランスデューサアレイの数を増やす方法か、焦点位置を時分割で移動させる方法が考えられる。

【0072】
<変形例11>
以上の実施形態では、2つの超音波トランスデューサアレイを対向して配置するか、1つの超音波トランスデューサアレイと反射板を対向して配置するかのいずれかによって、超音波で定在波を生成することを前提に説明した。もっとも、超音波を用いて電子装置10を浮遊させる方法としては、これらに限定されるものではない。例えば、反射板を用いることなく1つの超音波トランスデューサアレイを用い、多数の超音波トランスデューサが発する超音波の位相を制御することによって、上空の音圧分布を操り、高い音圧に囲まれた低い音圧の部分に電子装置10を捉える方法など公知の方法であってもよい。

【0073】
<変形例12>
以上の実施形態及び変形例では、電子装置10が浮遊するのは空中であることを前提に説明した。もっとも、空中に限定されるものではなく、液体中であってもよい。つまり、超音波は液体を媒体として伝搬させてもよい。この場合には、電子装置10には液体(例えば、水)による浮力が働き、より重い電子装置を浮遊させることが可能になる。また、一般に、超音波は気体中よりも液体中の方が、減衰が小さいことから、遠くまで超音波を伝搬できる。そのため、電子装置10が浮遊することが可能な場所が拡大する。

【0074】
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1:給電システム 10:電子装置 11:受電コイル 12:PCB
13:発光素子 14:支持体 19:ICチップ 20:超音波発生装置
21:第1の超音波トランスデューサアレイ 22:第1の駆動回路
23:第2の超音波トランスデューサアレイ 24:第2の駆動回路
25:制御部 30:給電装置 31:送電コイル
33:スイッチ制御部 35:信号発生器 37:パワーアンプ 50:軸
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14