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明細書 :セシウム抽出用組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-072682 (P2019-072682A)
公開日 令和元年5月16日(2019.5.16)
発明の名称または考案の名称 セシウム抽出用組成物
国際特許分類 B01D  11/04        (2006.01)
G21F   9/06        (2006.01)
G21C  19/46        (2006.01)
C07C  31/125       (2006.01)
C07C  49/04        (2006.01)
FI B01D 11/04 B
G21F 9/06 581H
G21C 19/46 K
C07C 31/125
C07C 49/04 Z
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2017-201332 (P2017-201332)
出願日 平成29年10月17日(2017.10.17)
発明者または考案者 【氏名】佐々木 祐二
【氏名】伊藤 圭祐
【氏名】鈴木 伸一
【氏名】小林 徹
出願人 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
個別代理人の代理人 【識別番号】100113608、【弁理士】、【氏名又は名称】平川 明
【識別番号】100126505、【弁理士】、【氏名又は名称】佐貫 伸一
【識別番号】100131392、【弁理士】、【氏名又は名称】丹羽 武司
【識別番号】100175190、【弁理士】、【氏名又は名称】大竹 裕明
審査請求 未請求
テーマコード 4D056
4H006
Fターム 4D056AB07
4D056AC05
4D056AC06
4D056AC07
4D056AC08
4D056BA08
4H006AA03
4H006AB80
要約 【課題】セシウム含有溶液からセシウムを液液抽出により効率よく分離抽出するための組成物を提供すること。
【解決手段】セシウムの抽出剤として、ジ-tert-ブチルベンゾ-18-クラウン-6(DtBuDB18C6)などのクラウンエーテル化合物を炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒド、炭素数7~9のアルコール、またはそれらの混合溶媒で溶解した液体組成物を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
クラウンエーテル化合物を炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒド、炭素数7~9のアルコール、またはそれらの混合溶媒に溶解させてなる、セシウム含有水溶液からセシウムを抽出するための液体組成物。
【請求項2】
クラウンエーテル化合物が、アルキル基で置換された芳香族フラグメントを有するクラウンエーテルである、請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
クラウンエーテル化合物が、ジ-tert-ブチルベンゾ-18-クラウン-6(DtBuDB18C6)である、請求項1または2に記載の液体組成物。
【請求項4】
炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒドが、2-ノナノンまたは5-ノナノンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項5】
炭素数7~9のアルコールが、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノールまたは1-ノナノールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項6】
組成物におけるクラウンエーテル化合物の濃度が0.1~1Mである、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体組成物。
【請求項7】
セシウム含有水溶液に請求項1~6のいずれか一項に記載の液体組成物を混合し、該液体組成物の層にセシウムを抽出することを特徴とする、セシウム含有水溶液からのセシウムの抽出方法。
【請求項8】
セシウム含有水溶液がセシウムと1~10M硝酸を含む水溶液である、請求項7に記載のセシウム含有水溶液からのセシウムの抽出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高レベル放射性廃液などの金属溶液から、長寿命核種であるセシウムを効率よく分離回収する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所で発生する使用済み燃料は再処理した際、核分裂生成物(FP)やマイナーアクチニド(MA)を含む高レベル放射性廃液が発生する。高レベル放射性廃液は現状、ガラス固化体として地層処分することとなっている。
【0003】
高レベル放射性廃液中で超長半減期を有し、含有量が多い放射性核種として、Cs(セシウム)-135(半減期:230万年)が挙げられる。この放射性核種を高レベル放射性廃棄物から分離回収して、処理・処分することができれば、廃棄物量及び処分場面の軽減、安全性の向上が可能となる。
【0004】
放射性核種を効率的に分離する技術として溶媒抽出法があり、これは燃料再処理で実績のある分離技術である。一方、溶媒抽出法にはいくつかの課題がある。例えば、燃料再処理で利用されるn-ドデカンは抽出剤を溶解する有機溶媒(希釈剤)であるが、第三相を作りやすいことに加えて極性の高い抽出剤を溶解するのに向かない無極性の溶媒である。従って、n-ドデカンを利用すると、利用可能な抽出剤が限定され、例えば、セシウムを抽出できるクラウン化合物(非特許文献1)はn-ドデカンに難溶である。
【0005】
特許文献1,2にはクラウン化合物を用いたセシウムの抽出が開示されているが、クラウン化合物の溶媒としては、ポリフッ素化テロマー系アルコール 1,1,7-トリヒドロドデカフルオロヘプタノール-1(特許文献1)やハイドロフルオロカーボンまたはハイドロフルオロエーテル(特許文献2)が使用されている。しかしながら、このようなフッ素を含む溶媒は環境負荷が大きく実用的ではない。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2008-512675
【特許文献2】特開2015-200552
【0007】

【非特許文献1】Y. Kikuchi, Y. Sakamoto, Anal. Chim. Acta, 403, 325-332 (2000).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高レベル放射性廃液からセシウムを分離回収する方法としてクラウン化合物を用いた溶媒抽出法を採用するにあたり、クラウン化合物の希釈剤としてn-ドデカン以外のすぐれた溶媒を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は様々な有機溶媒から適切にクラウン化合物の希釈剤として働く有機溶媒を選定するために、融点、引火点、クラウン化合物の溶解性、およびセシウム分離効率(有機層への分配比)について鋭意検討を行った。その結果、炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒド、炭素数7~9のアルコール、またはそれらの混合溶媒がクラウン化合物を容易
に溶解し、かつ、セシウムの高い分配比を示すことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0010】
本発明は以下を提供する。
[1]クラウンエーテル化合物を炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒド、炭素数7~9のアルコール、またはそれらの混合溶媒に溶解させてなる、セシウム含有水溶液からセシウムを抽出するための液体組成物。
[2]クラウンエーテル化合物がアルキル基で置換された芳香族フラグメントを有するクラウンエーテルである、[1]に記載の液体組成物。
[3]クラウンエーテル化合物がジ-tert-ブチルベンゾ-18-クラウン-6(DtBuDB18C6)である、[1]または[2]に記載の液体組成物。
[4]炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒドが、2-ノナノンまたは5-ノナノンである、[1]~[3]のいずれかに記載の液体組成物。
[5]炭素数7~9のアルコールが、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノールまたは1-ノナノールである、[1]~[4]のいずれかに記載の液体組成物。
[6]組成物におけるクラウンエーテル化合物の濃度が0.1~1Mである、[1]~[5]のいずれかに記載の液体組成物。
[7]セシウム含有水溶液に[1]~[6]のいずれかに記載の液体組成物を混合し、該液体組成物の層にセシウムを抽出することを特徴とする、セシウム含有水溶液からのセシウムの抽出方法。
[8]セシウム含有水溶液がセシウムと1~10M硝酸を含む水溶液である、[7]に記載のセシウム含有水溶液からのセシウムの抽出方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、セシウム含有水溶液からセシウムを効率よく抽出することができる。例えば、2-ノナノンまたは5-ノナノンを用い、抽出操作を複数回繰り返すことで、セシウムを有機相に90%以上抽出できる。本発明で使用される有機溶媒は塩素や窒素、イオウを含まない、炭素、水素、酸素からなる有機溶媒であるため、環境負荷低減の観点から好ましい。
本発明により、超長半減期を有するセシウムを含む廃棄物の量を低減することができるので、放射性廃棄物の処分場のスペース軽減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】セシウム分配比と硝酸濃度との関係を示す図。抽出溶媒組成は0.2M DtBuDB18C6/2-ノナノンで、酸濃度は0.2-4Mとした。
【図2】セシウム分配比と抽出剤濃度との関係を示す図。抽出溶媒組成は0.02-0.5M DtBuDB18C6/2-ノナノンで硝酸濃度は2Mとした。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のセシウム抽出用組成物およびそれを使用したセシウムの抽出方法について、詳細に説明する。

【0014】
<セシウム抽出用組成物>
本発明のセシウム抽出用組成物は、クラウンエーテル化合物を炭素数8~11のケトンもしくはアルデヒド、炭素数7~9のアルコールまたはそれらの混合溶媒に溶解させてなる液体組成物である。

【0015】
クラウンエーテル化合物としては、芳香族フラグメントを有するクラウンエーテル、シクロヘキサンフラグメントを有するクラウンエーテル、-O-CHR-CH2O-のフラグ
メントを有するクラウンエーテル、カリックスアレーンクラウンエーテルなどが挙げられる。

【0016】
未置換の芳香族フラグメントを有するクラウンエーテルとしては、例えば、ジベンゾ-18-クラウン-6(DB18C6)、ジベンゾ-21-クラウン-7(DB21C7)、ジベンゾ-24-クラウン-8(DB24C8)、ジベンゾ-30-クラウン-10(DB30C10)が挙げられる。
アルキルおよび/またはヒドロキシアルキル基で置換された芳香族フラグメントを有するクラウンエーテルとしては、例えば、ジ-tert-ブチルジベンゾ-18-クラウン-6(DtBuDB18C6)、ジ-イソオクチルジベンゾ-18-クラウン-6(DIODB18C6)、ビス-4,4’(5’)[1-ヒドロキシ-2-エチルヘキシル]ジベンゾ-18-クラウン-6(クラウンXVII)が挙げられる。

【0017】
未置換のシクロヘキサンフラグメントを有するクラウンエーテルとしては、例えば、ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6(DCH18C6)、ジシクロヘキサノ-21-クラウン-7(DCH21C7)、ジシクロヘキサノ-24-クラウン-8(DCH24C8)が挙げられる。
アルキルおよび/またはヒドロキシアルキル基で置換されたシクロヘキサンフラグメントを有するクラウンエーテルとしては、例えば、ジ-tert-ブチルジシクロヘキサノ-18-クラウン-6(DtBuDCH18C6)、ジ-イソオクチルジシクロヘキサノ-18-クラウン-6(DIODCH18C6)、ビス-4,4’(5’)[1-ヒドロキシヘプチル]ジシクロヘキサノ-18-クラウン-6(クラウンXVI)が挙げられる。

【0018】
-O-CHR-CH2O-のフラグメント(式中、Rは、直鎖または分岐鎖のアルキルまたはヒドロキシアルキルである。)を有するクラウンエーテルとしては、例えば、(R,R)-2,12-ビス(ヒドロキシメチル)-2,12-ジメチル-18-クラウン-6、trans-2,9-ビス(ヒドロキシメチル)-2,9-ジメチル-18-クラウン-6が挙げられる。

【0019】
カリックスアレーンクラウンエーテルとしては、例えば、カリックス[4]-ビス-1,2-ベンゾクラウン-6(Calix[4])、カリックス[4]アーレーン-ビス[4,(4’),(5’)-tert-オクチルベンゾ-クラウン-6](BOBCalixC6)、カリックス[4]アーレーン-ビス[4,(4’),(5’)-(2-エチルヘキシル)ベンゾ-クラウン-6]が挙げられる。

【0020】
炭素数8~11のケトンまたはアルデヒドとしては、1-オクタナール、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、1-ノナナール、2-ノナノン、3-ノナノン、4-ノナノン、5-ノナノン、1-デカナール、2-デカノン、3-デカノン、4-デカノン、5-デカノン、1-ウンデカナール、2-ウンデカノン、3-ウンデカノン、4-ウンデカノン、5-ウンデカノン、6-ウンデカノンから選択される1種類以上が挙げられる。

【0021】
炭素数7~9のアルコールとしては、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、4-ヘプタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、1-オクタノール、2-オクタノール、3-オクタノール、4-オクタノール、1-ノナノール、2-ノナノール、3-ノナノール、4-ノナノール、5-ノナノールから選択される1種類以上が挙げられる。

【0022】
炭素数8~11のケトンまたはアルデヒドと炭素数7~9のアルコールの混合溶媒でもよい。例えば、2-ノナノンまたは5-ノナノンと、1-オクタノール、2-オクタノール
、3-オクタノール、4-オクタノールまたは1-ノナノールとの混合溶媒が例示される。混合割合は特に制限されないが、例えば、炭素数8~11のケトンまたはアルデヒドと炭素数7~9のアルコールの割合(体積)が1:0.2~1:5である。

【0023】
クラウンエーテルの濃度はセシウム抽出に効果のある濃度であれば特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒中の濃度として、好ましくは0.1~1.0Mの範囲である。

【0024】
<セシウム含有水溶液>
本発明の液体組成物を用いてセシウムを分離する対象である、セシウム含有水溶液はセシウムを含むものであればその他の成分については特に限定されないが、他の金属を含む水溶液、例えば、核分裂生成物(FP)やマイナーアクチニド(MA)を含む高レベル放射性廃液が例示される。

【0025】
セシウム含有水溶液は抽出対象となる金属元素(セシウム)が抽出できる条件に調整されることが好ましく、具体的には酸性水溶液に調整されることが好ましい。例えば、pH6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下の酸性水溶液に調整されることが好ましい。
酸性水溶液に調整するためには酸を使用することが好ましく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸等の無機酸を使用することが好ましく、硝酸を使用することがより好ましい。硝酸などの酸の濃度は適宜調整することができるが、例えば、1~10Mの濃度でセシウム含有水溶液に添加することが好ましい。

【0026】
<セシウム抽出方法>
本発明の抽出方法は、セシウム含有水溶液に前記セシウム抽出用液体組成物を混合し、該液体組成物の層にセシウムを抽出することを特徴とする。
セシウム含有水溶液と、セシウム抽出用液体組成物(有機溶媒)との液液接触工程の操作手順は、特に限定されず、液相抽出法に利用される公知の操作手順を適宜選択することができる。例えば、任意の容器に水溶液と有機溶媒を投入し、振とう機等を用いて水溶液と有機溶媒を十分に混合した後、遠心分離等によって相分離させて、分液を行うことが挙げられる。また、容器の代わりに向流抽出装置等の抽出装置や分液漏斗等の公知の抽出装置又は抽出器具を用いることもできる。
抽出操作は複数段階行うことで、水溶液からセシウムを高効率で有機層に抽出することができる。

【0027】
液液接触工程で接触させる水溶液と有機溶媒の容積比(水溶液/有機溶媒)は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1~10で十分運転可能範囲である。

【0028】
前述の抽出操作を行った後、得られたセシウムを含む有機層を加熱等の操作によりセシウムを濃縮してもよいし、逆抽出などの操作を行ってもよい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の態様には限定されない。
【実施例】
【0030】
抽出剤のクラウンエーテルとしてDtBuDB18C6を選択し、DtBuDB18C6を溶解してセシウム抽出剤として使用するときに好ましい有機溶媒を探索した。
有機溶媒の物性(沸点、融点、引火点等)はアルドリッチ社のカタログや各試薬メーカーの出すSDS等を参考とした。
【実施例】
【0031】
有機溶媒は炭素、水素、酸素からなる化合物に限定した。これは、酸素を加えることで有機溶媒に極性を持たせ、抽出剤を容易に溶解するためである。対象とする有機溶媒は、アルコール系、エーテル系、エステル系とケトン系(アルデヒドを含む)になる。この中から、融点は10℃以下、引火点は50℃以上を一つの制約とした。このような制限の中で、候補として炭素数7から16までの化合物が選択される。各溶媒の代表化合物の融点、引火点のカタログ値を表1に示す。溶媒分子量増加とともに融点と引火点の増加傾向が確認される。引火点については同じ分子量で比較してエーテル系の化合物がやや低いことが分かる。その他の化合物については概ね変わらない。常温で固体の化合物は希釈剤として利用できない故に、炭素数が多く分子量の明らかに高い有機物は使用不可である。
【実施例】
【0032】
【表1】
JP2019072682A_000002t.gif
【実施例】
【0033】
表1の情報から、利用できる有機溶媒が選択される。即ち、アルコール系はヘプタノールからデカノールが候補である。ヘプタノールより分子量の低いヘキサノールの引火点は63
℃であるが、水への溶解度等を考慮し対象外とした。ケトン系はオクタナールからウンデカナールまでとなる。
【実施例】
【0034】
次に、実際にセシウム抽出可能性を調べた。まず、使用する抽出剤が溶解できるかどうかである。これは目視で、0.2M DtBuDB18C6の抽出溶媒が調製できるかどうかを確かめた。用いた有機溶媒は表1にあるものの一部である。
結果を表2に示した。1-オクタノールと1-ノナナールについては異性体(2, 3,4-オクタノールと2,5-ノナノン)についても検討した。なお、異性体については分子量が同じ化合物と物性(融点、引火点)は近いものと判断できる。DtBuDB18C6の溶解度が高い傾向にあるのがエステルとケトン系の有機溶媒である。今回取り扱ったアルコール、エーテル系の
溶媒を用いて0.2M DtBuDB18C6を加温して溶解後、室温になると沈殿を生じることを確認した。
【実施例】
【0035】
表2に記載の各種溶媒で調製したセシウム抽出液(0.1-0.2M DtBuDB18C6含有)をセシウム含有放射性廃液(3M硝酸含有)に対して1:1の容量で加えて混合し、25℃で振とうした後、有機溶媒層へのセシウム分配比をそれぞれ算出した。表2の結果からアルコール系とケトン系(アルデヒドを含む)の有機溶媒を用いた時に、セシウム分配比が比較的高いことが分かった。以上のことからケトン(アルデヒドを含む)若しくはアルコール系の溶媒がセシウム抽出剤(クラウン化合物)の希釈用溶媒として好ましいと言える。
【実施例】
【0036】
【表2】
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【実施例】
【0037】
図1に一例としてケトン系の2-ノナノンを用いてDtBuDB18C6を溶解した抽出溶媒を用いて、セシウム分配比と硝酸濃度の関係を示した。なお、DtBuDB18C6の濃度は0.2Mである。その結果、分配比は硝酸濃度増加(0.2-4Mの範囲)と共に増加した。従って、酸濃度が高いほど、より容易に抽出できることが分かる。硝酸濃度4M の条件では分配比は10を超えるため、この条件で、90%のセシウム抽出が可能と言える。
【実施例】
【0038】
図2に2-ノナノンを用いてDtBuDB18C6を溶解した抽出溶媒を用いて、セシウム分配比と抽出剤濃度との関係を示した。なお、ここで硝酸濃度は2Mとした。図より、セシウム分配比は抽出剤濃度増加とともに増加した。また、2-ノナノンを用いるとDtBuDB18C6の濃度を0.5Mまで増加させることができる。DtBuDB18C6濃度を0.5Mにすると分配比が10を超えるため、90%のセシウム抽出が可能と言える。
【実施例】
【0039】
次に、混合溶媒系での実験も実施した。2-ノナノンと1-オクタノールを混ぜて得られた溶媒にDtBuDB18C6を0.2Mとしてセシウム抽出実験を行った。その結果、表3に示すように、
分配比は4から6まで変化した。この結果から、混合溶媒でも単独溶媒と同様の分配比が得られることを確認した。
【実施例】
【0040】
【表3】
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図面
【図1】
0
【図2】
1