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明細書 :光デバイスおよび書き込み方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6202300号 (P6202300)
公開番号 特開2014-178642 (P2014-178642A)
登録日 平成29年9月8日(2017.9.8)
発行日 平成29年9月27日(2017.9.27)
公開日 平成26年9月25日(2014.9.25)
発明の名称または考案の名称 光デバイスおよび書き込み方法
国際特許分類 G02F   1/01        (2006.01)
G02F   1/361       (2006.01)
FI G02F 1/01 F
G02F 1/361
請求項の数または発明の数 9
全頁数 15
出願番号 特願2013-054227 (P2013-054227)
出願日 平成25年3月15日(2013.3.15)
審査請求日 平成28年3月3日(2016.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】藤原 隆
【氏名】佐々 高史
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】佐藤 宙子
参考文献・文献 米国特許第05822090(US,A)
佐々高史,藤原隆,フォトリフラクティブポリマー動作における暗電流の影響と高速化,電子情報通信学会技術研究報告 ,日本,(社)電子情報通信学会,2013年 2月26日,OME2012-92,9-12
調査した分野 G02F 1/00-1/125,1/21-7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
配向増大型有機フォトリフラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層および当該フォトリフラクティブ層を挟み込む一対の電極を備えたフォトリフラクティブセルと、
上記フォトリフラクティブ層に干渉光を照射する干渉光照射装置と、
上記一対の電極を介して上記フォトリフラクティブ層に電界を印加する電界印加装置と、
上記干渉光照射装置および上記電界印加装置の動作を制御する制御部と、を備え
記制御部は、
き込み準備期間においては、上記フォトリフラクティブ層に基準電界の印加を行い、当該書き込み準備期間に後続する書き込み期間においては、上記基準電界と極性の反転した電界を上記フォトリフラクティブ層に印加するように上記電界印加装置の動作を制御するとともに、極性の反転した上記電界が上記フォトリフラクティブ層に印加されている状態で当該フォトリフラクティブ層に干渉光を照射するように上記干渉光照射装置の動作を制御する、光デバイス。
【請求項2】
上記制御部は、上記書き込み期間の開始から1秒以内に上記干渉光の照射を開始するように上記電界印加装置および干渉光照射装置の動作を制御する、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
上記書き込み準備期間と上記書き込み期間とは連続している、請求項1または2に記載の光デバイス。
【請求項4】
上記書き込み準備期間と上記書き込み期間とにおいて上記フォトリフラクティブ層に印加する電界としてパルス幅が1ミリ秒以上で1秒以下のパルス電界を用いる、請求項1~3の何れか一項に記載の光デバイス。
【請求項5】
上記書き込み期間における上記干渉光の照射時間は、0.1ミリ秒以上で1秒以下の範囲内である、請求項1~4の何れか一項に記載の光デバイス。
【請求項6】
上記フォトリフラクティブセルは、上記フォトリフラクティブ層に作用する実効電界を維持するか増強するための機能層を備える、請求項1~5の何れか一項に記載の光デバイス。
【請求項7】
上記機能層が、強誘電層、抗電界形成層、および上記電極とフォトリフラクティブ層との間の電荷移動を抑制するブロック層のいずれかから選択される、請求項6に記載の光デバイス。
【請求項8】
上記配向増大型有機フォトリフラクティブ材料が、
カルバゾール誘導体ポリマー、フェニレンビニレン誘導体ポリマー、およびテトラフェニルジアミノビフェニル誘導体ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を光導電性分子として含み、かつ、
アゾ色素、ジシアノスチレン誘導体、ジシアノメチレンジハイドロフラン誘導体、およびポリエン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の色素を複屈折性光学色素として含む、請求項1~7の何れか1項に記載の光デバイス。
【請求項9】
配向増大型有機フォトリフラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層へ情報の書き込みを行う方法であって、
書き込み準備期間においては、上記フォトリフラクティブ層に基準電界の印加を行い、当該書き込み準備期間に後続する書き込み期間においては、上記基準電界と極性の反転した電界を上記フォトリフラクティブ層に印加するとともに、上記基準電界と極性の反転した電界が上記フォトリフラクティブ層に印加されている状態で、上記書き込み期間において当該フォトリフラクティブ層に干渉光を照射する工程を含む、書き込み方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はフォトリフラクティブ材料を用いた光デバイスおよびフォトリフラクティブ層への情報の書き込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリフラクティブ材料では、明暗の強度分布を有する光を照射すると、当該強度分布に対応した屈折率変化が生じる。一方で、分布の無い一様な強度の光を照射すると変化した屈折率はもとに戻る。この性質により、フォトリフラクティブ材料は、ホログラム再生および画像演算フィルタ等への応用が研究されている。また、フォトリフラクティブ材料の中でも、配向増大型(orientational enhancement:配向増幅型とも称する)フォトリフラクティブ材料は、優れた性能と大面積素子作製が可能な点から注目されている。
【0003】
しかしながら、フォトリフラクティブ材料を用いた光デバイスは、一般に、応答速度が不十分である。この光デバイスの応答速度を改善できれば、画像処理、動的ホログラフィー、干渉計測および光記録など、高速応答を必要とする種々の分野への適用が期待される。
【0004】
配向増大型フォトリフラクティブ材料の応答速度は、外部電界(駆動電界)強度および書込光強度に依存する。そのため、外部電界が高電界であるほど、または書き込み光強度が高光強度であるほど光デバイスの応答速度は速くなる。
【0005】
非特許文献1では、フォトリフラクティブ材料に印加する外部電界を、高電界(例えば100V/μmを超える電界強度)な定常電界とすることにより、応答速度が上昇したことが報告されている。
【0006】
また、非特許文献2では、定常電界ではなく瞬時電界(パルス電界)を利用することにより、書き込み時のみ瞬間的に100V/μmを超える高電界を印加することで、応答速度が上昇したことが報告されている。
【0007】
さらに、非特許文献3では、高光強度な光パルス(4mJ/cm)を利用し0.3msの応答速度を達成したことが報告されている(E=90V/μm)。
【先行技術文献】
【0008】

【非特許文献1】D. Wright, et. al., Appl. Phys. Lett. 73, (1998) 1490.
【非特許文献2】Sava Tay, et. al., Nature 451, (2008) 694.
【非特許文献3】M. Eralp, et. al., Appl. Phys. Lett. 89, (2006) 114105.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1の記載のようにフォトリフラクティブ材料に高電界な定常電界を印加した場合、材料の絶縁破壊および不安定化が起こる。
【0010】
これに対し、非特許文献2の記載のように、瞬時電界を用いる場合は高電界の印加を書き込みのときのみに限定することができるものの、応答速度を数ミリ秒単位よりも早くすることは困難である。
【0011】
また、非特許文献3では大型化したレーザー装置を用いているため、汎用用途のための装置としては不向きであるという問題がある。
【0012】
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的簡素な構成で、比較的高速かつ安定な応答を実現可能な、配向増大型フォトリフラクティブ材料を用いた光デバイスおよびフォトリフラクティブ層への情報の書き込み方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明は、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層および当該フォトリフラクティブ層を挟み込む一対の電極を備えたフォトリフラクティブセルと、上記フォトリフラクティブ層に干渉光を照射する干渉光照射装置と、上記一対の電極を介して上記フォトリフラクティブ層に電界を印加する電界印加装置と、上記干渉光照射装置および上記電界印加装置の動作を制御する制御部と、を備え、上記フォトリフラクティブ層へ情報の書き込みを行うときに、上記制御部は、書き込み準備期間と当該準備期間に後続する書き込み期間とで極性の反転した電界を上記フォトリフラクティブ層に印加するように電界印加装置の動作を制御するとともに、上記書き込み期間において上記干渉光を照射するように干渉光照射装置の動作を制御する、光デバイスを提供する。
【0014】
上記光デバイスによれば、書き込み準備期間における電界印加によって、フォトリフラクティブ層の内部には、材料中に含まれる不純物に由来して生じた蓄積電荷によって、抗電界を生じる。後続する書き込み期間において抗電界は極性が外部電界と同時に反転されず、一定の期間持続される。したがってフォトリフラクティブ層に生じた抗電界が極性反転後の外部電界に重畳されて実効電界が増強される。そして、制御部において、実効電界が増強されている間に干渉光による書き込みを行うように制御をすることで、フォトリフラクティブ層等への影響を抑制しつつ応答速度を増大させることができる。
【0015】
また、上記制御部は、上記書き込み期間の開始から1秒以内に上記干渉光の照射を開始するように上記電界印加装置および干渉光照射装置の動作を制御することが好ましい。
【0016】
上記方法によれば、実効電界が最も増強されているときに書き込みを行うため、応答速度をより高速化できる。
【0017】
上記書き込み準備期間と上記書き込み期間とは連続していることが好ましい。
【0018】
上記方法によれば、実効電界が最も増強されているときに書き込みを行うため、応答速度をより高速化できる。
【0019】
上記書き込み準備期間と上記書き込み期間とにおいて上記フォトリフラクティブ層に印加する電界としてパルス幅が1ミリ秒以上で1秒以下のパルス電界を用いることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、電界の印加時間が短いため、フォトリフラクティブ層等への影響を抑制しつつ高速な書き込みを実現することができる。
【0021】
上記書き込み期間における上記干渉光の照射時間は、0.1ミリ秒以上で1秒以下の範囲内であることが好ましい。
【0022】
上記構成によればフォトリフラクティブ層等への影響を抑制しつつ充分な応答速度を得ることができる。
【0023】
上記フォトリフラクティブセルは、上記フォトリフラクティブ層に作用する実効電界を維持するか増強するための機能層を備えることが好ましい。なお、機能層は例えば、上記フォトリフラクティブ層と、上記一対の電極の少なくとも一方との間に設けられる。
【0024】
上記構成によれば、フォトリフラクティブ層に印加される実効電界を増強または所定の期間維持することができるので、より一層の応答の高速化および情報記録の維持(メモリー性)等が容易となる。
【0025】
また、上記機能層が、強誘電層、抗電界形成層、および上記電極とフォトリフラクティブ層との間の電荷移動を抑制するブロック層のいずれかから選択されることが好ましい。
【0026】
また、本発明に係る光デバイスの具体的な一態様として、上記配向増大型有機フォトリフラクティブ材料が、カルバゾール誘導体ポリマー、フェニレンビニレン誘導体ポリマー、およびテトラフェニルジアミノビフェニル誘導体ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を光導電性分子として含み、かつ、アゾ色素、ジシアノスチレン誘導体、ジシアノメチレンジハイドロフラン誘導体、およびポリエン誘導体からなる群より選択される少なくとも一種の色素を複屈折性光学色素として含む。
【0027】
また、本発明は、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層へ情報の書き込みを行う方法であって、書き込み準備期間と当該準備期間に後続する書き込み期間とで極性の反転した電界を上記フォトリフラクティブ層に印加するとともに、当該書き込み期間において上記フォトリフラクティブ層に干渉光を照射する工程を含む、書き込み方法を提供する。
【0028】
また、上記書き込み方法の一例として、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層および当該フォトリフラクティブ層を挟み込む一対の電極を備えたフォトリフラクティブセルと、上記フォトリフラクティブ層に干渉光を照射する干渉光照射装置と、上記一対の電極を介して上記フォトリフラクティブ層に電界を印加する電界印加装置とを備えた光デバイスの駆動方法であって、上記フォトリフラクティブ層へ情報の書き込みを行うときに、書き込み準備期間と当該準備期間に後続する書き込み期間とで極性の反転した電界を上記フォトリフラクティブ層に印加するとともに、上記書き込み期間において上記干渉光を照射する、駆動方法が挙げられる。
【0029】
上記駆動方法によれば、フォトリフラクティブ層等への影響を抑制しつつ応答速度を増大させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、比較的簡素な構成で、比較的高速かつ安定な応答を実現可能な、配向増大型フォトリフラクティブ材料を用いた光デバイスおよびフォトリフラクティブ層への情報の書き込み方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る光デバイスの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光デバイスに印加される電界(上側)および照射される書き込み光(下側)の波形図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光デバイスの駆動原理を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光デバイスの駆動方法の変形例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る非縮退4光波混合評価装置のサンドウィッチセルと各種光学系との配置関係の概略を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係るサンドウィッチセルに印加されるパルス電界、参照光および物体光の変化ならびに光書き込みのタイミングを示す波形図である。
【図7】本発明の一実施例に係る回折光強度の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<1.光デバイス>
以下、図1および図2を参照して本実施形態に係る光デバイスについて詳細に説明する。

【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る光デバイスの概略構成を示す図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る光デバイスに印加される電界および照射される書き込み光の波形図である。

【0034】
本実施形態に係る光デバイス200は、図1に示すように、フォトリフラクティブセル100と、干渉光照射光源(干渉光照射装置)31と、電界印加装置32と、電界印加装置32および干渉光照射光源31の動作を制御するための制御部35とを少なくとも備えてなる。

【0035】
(フォトリフラクティブセル100)
フォトリフラクティブセル100は、配向増大型有機フォトラクティブ材料を含むフォトリフラクティブ層24、フォトリフラクティブ層24を挟み込む一対の電極21・21、およびフォトリフラクティブ層24と一対の電極21のそれぞれとの間に配置された機能層25を備えてなる。電極21は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)電極などの透明電極から構成されている。機能層25は例えば透明絶縁層(ブロック層の一例)であり、この場合は、電極21からの電荷注入を抑制して、後述する外部電界を効果的に作用させるために付与する。また、電極21は、ガラス基板、またはプラスチック基板等の透光性基板22の表面上に形成されて、透明電極基板23・23の構成となっている。

【0036】
干渉光照射光源31は、例えば複数のレーザー光源を含んで構成されており、フォトリフラクティブ層24上の任意の位置に、レーザー光が干渉した干渉光を照射する。

【0037】
(配向増大型有機フォトリフラクティブ材料)
配向増大型有機フォトリフラクティブ材料とは、少なくとも光導電性分子および複屈折性光学色素(複屈折性光学クロモフォア)を含む有機フォトリフラクティブ材料であって、複屈折性光学色素の配向状態が内部電界(空間電界)の発生によって変化する材料を広く指す。なお、内部電界の発生とは、配向増大型フォトリフラクティブ材料に干渉光を照射したときに当該材料内で生じる電界、すなわちフォトリフラクティブ効果を生じさせる電界を指す。

【0038】
複屈折性光学色素は、配向することで複屈折を生じる有機系の色素である。複屈折性光学色素の種類は特に限定されないが、分子単体で大きな複屈折性を示す構造を有することが望ましい。具体的には例えば、アゾ色素、ジシアノスチレン誘導体、ジシアノメチレンジハイドロフラン誘導体およびポリエン誘導体などが挙げられる。アゾ色素としては例えば2,5-ジメチル—4-(パラフェニルアゾ)アニソール(DMNPAA)および1-(2’-エチルヘキシロキシ)-2,5-ジメチルー4-(4’’-ニトロフェニルアゾ)ベンゼン(EHDNPB)が挙げられる。ジシアノスチレン誘導体としては例えば2-[4-ビス(2-メトキシエチル)アミノ]ベンジリデン]マロノニトリル(AODCST)および4-ホモピペリジノベンジリデンーマロニトリル(7-DCST)が挙げられる。また、ジシアノメチレンジハイドロフラン誘導体としては例えば2-ジシアノメチレン-3-シアノ-5,5-ジメチルー4-(4’-ジヘキシルアミノフェニル)-2,5-ジハイドロフラン(DCDHF-6)が挙げられる。さらに、ポリエン誘導体としては例えば2-N,N-ジヘキシルーアミノー7-ジシアノメチリデニルー3,4,5,6,10-ペンタハイドロナフタレン(DHADC-MPN)が挙げられる。また、複屈折性光学色素は一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。複屈折性光学色素の配合量は、他の構成材料との組み合わせ等に応じて適宜決めればよく特に限定されないが、例えば、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料(合計が100重量%。以下同じ。)中の20~50重量%である。

【0039】
光導電性分子は、信号を書き込むための光源によって作り出された干渉光を吸収して正負の電荷(光キャリア)を生じるとともに光キャリアを輸送する有機化合物である。光導電性分子の種類は特に限定されないが、具体的には例えば、カルバゾール誘導体ポリマー、フェニレンビニレン誘導体ポリマー、およびテトラフェニルジアミノビフェニル誘導体ポリマーが挙げられる。カルバゾール誘導体ポリマーとしては例えば、ポリビニルカルバゾール(PVK)およびポリ[メチルー3-(9-カルバゾリル)-プロピルシロキサン](PSX)が挙げられる。また、フェニレンビニレン誘導体ポリマーとしては例えば、ポリ(アリレンビニレン)コポリマートリフェニルアミンダイマーポリフェニレンビニレン(TPD-PPV)およびポリ[1,4-フェニレン-1,2-ジ(4-ベンジロキシフェニル)ビニレン](DBOP-PPV)が挙げられる。さらに、テトラフェニルジアミノビフェニル誘導体ポリマーとしては例えば、ポリ(アクリリックテトラフェニルジアミノビフェノール)(PATPD)が挙げられる。また、光導電性分子は一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、複屈折性光学色素として、ジシアノスチレン誘導体を用いる場合、光導電性分子としてはカルバゾール誘導体ポリマーまたはテトラフェニルジアミノビフェニル誘導体ポリマーを用いることが好ましい。光導電性分子の配合量は、他の構成材料との組み合わせ等に応じて適宜決めればよく特に限定されないが、例えば、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料中の35~60重量%である。

【0040】
配向増大型有機フォトリフラクティブ材料のガラス転移温度(Tg)は、その作動温度に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、室温近傍で作動する材料を想定した場合、ガラス転移温度の一例は-40℃以上で30℃以下の範囲内である。また、例えば画像などの光信号の固定化用の材料を想定した場合は、室温よりも十分に高いガラス転移温度を有するように設定することが好ましい。その場合、ガラス転移温度の一例は100℃以上で250℃以下の範囲内である。

【0041】
配向増大型有機フォトリフラクティブ材料は、さらに他の構成成分を含んでいてもよい。他の構成成分としては、具体的には例えば、可塑剤、および増感色素等が挙げられる。

【0042】
可塑剤の役割の一つは配向増大型有機フォトリフラクティブ材料のガラス転移温度を所望の値に調整することである。可塑剤の種類は特に限定されないが、電気的に安定な非極性分子および電荷輸送性分子などが用いられる。具体的には例えば、エチルカルバゾール(ECz)、エチルヘキシルカルバゾール(EHCz)およびベンジルブチルフタレート(BBP)が挙げられる。また、可塑剤は一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。可塑剤の配合量は、他の構成材料との組み合わせ等に応じて適宜決めればよく特に限定されないが、例えば、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料中の0~30重量%である。

【0043】
増感色素の役割は、使用する光源の波長における電荷発生を増加させることである。増感色素の種類は特に限定されないが、具体的には例えば、バックミンスターフラーレン(C60)、フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)および2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン(TNF)、9-(ジシアノメチレン)-2,4,7-トリニトロフルオレン(TNFM)が挙げられる。また、増感色素は一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。増感色素の配合量は、他の構成材料との組み合わせ等に応じて適宜決めればよく特に限定されないが、例えば、配向増大型有機フォトリフラクティブ材料中の0~5重量%である。
(機能層25)
光デバイス200は、フォトリフラクティブ層24と、一対の電極21・21の少なくとも一方との間に、一層以上の機能層25を備えていることが好ましい。なお、機能層25は、好ましくは、フォトリフラクティブ層24と、一対の電極21・21のそれぞれとの間に設けられる。なお、機能層25は透光性の層である。

【0044】
機能層25とは、フォトリフラクティブ層24に印加される実効電界を維持または増強する機能を有する層を指す。機能層25の例としては、ブロック層、強誘電層、および抗電界形成層などが挙げられる。機能層25を備えれば、フォトリフラクティブ層24に印加される実効電界を増強または所定の期間維持することができるので、より一層の応答の高速化および情報記録の維持(メモリー性)等が容易となる。

【0045】
ブロック層は、電極界面における電荷移動を遮蔽する機能を有する層を指す。ブロック層の具体的な例としては、透明絶縁層としてのSiO層、絶縁ポリマー層および絶縁有機薄膜層が挙げられる。このようなブロック層によれば、フォトリフラクティブ層24への電荷注入に起因する内部電荷の相殺を抑制する、または内部電荷の電極21への流出を抑制する。

【0046】
強誘電層は、自発分極を利用して内部電荷分布を維持することおよび内部電荷を増強する機能を有する層を指す。強誘電層の具体的な例としては、PVDF等の強誘電ポリマー、イオン液体および強誘電液晶が挙げられる。

【0047】
抗電界形成層は、フォトリフラクティブ層の外部に抗電界形成層を付帯する機能を有する層を指す。抗電界形成層の具体的な例としては、イオン液体および強誘電液晶などが挙げられる。なお、イオン液体を用いる場合は、漏れ出ないように層内に封止すればよい。

【0048】
また、機能層25は、上記の異なる機能を有する層が一層以上重なっている構成であってもよい。また、機能層25が、フォトリフラクティブ層24と、一対の電極21・21のそれぞれとの間に一層以上備えられている場合、一対の機能層25・25はフォトリフラクティブ層24を挟んで対称的な位置に同一種の層を備える構成であってもよく、フォトリフラクティブ層24を挟んで非対称的な層の構成であってもよい。

【0049】
機能層25は、例えば透明電極基板23における電極21が形成されている側の表面に、さらに成膜することにより形成される。

【0050】
なお、フォトリフラクティブ層が複数層設けられる構成の場合には、機能層を例えばフォトリフラクティブ層間の中間層として設けることもできる。

【0051】
(制御部35)
制御部35は、電界印加装置32および干渉光照射光源31の動作制御を行うものであり、例えば、コンピュータにより構成される。フォトリフラクティブ層24に情報の書き込みを行うとき、制御部35は、図2に示すように、第1期間(書き込み準備期間)および第1期間に後続する第2期間(書き込み期間)を含む一連のシーケンスにおいて、一対の電極21・21を介して、第1期間と第2期間とで極性が反転した電界をフォトリフラクティブ層24に印加するように電界印加装置32の動作を制御する(図2の上側の波形)。さらに、干渉光照射光源31によって照射される干渉光(書き込み光)が、上記第2期間においてフォトリフラクティブ層24に照射されるように、干渉光照射光源31の動作を制御する。以上のように、電界印加装置32の電界を印加するタイミング、電界の印加時間、および電界の極性反転の制御と、干渉光照射光源31の動作制御とは、制御部35において互いに関連付けて行われる。なお、制御部35による制御動作については、<2.光デバイスの駆動方法>の欄で詳述する。

【0052】
光デバイス200が、干渉光の照射によってフォトリフラクティブ層24に記録された情報を信号として読み出す場合には、記録再生手段として読出し光照射装置33と光検出器34とをさらに備えていてもよい。読出し光照射装置33は、記録された情報に応じた波長の読出し光をフォトリフラクティブ層24に照射し、当該照射の結果生じた回折光(信号)を光検出器34で検出する。

【0053】
光デバイス200の種類はフォトリフラクティブ効果を利用するものであれば特に限定されないが、例えばミリ秒単位以下またはサブミリ秒単位以下の高速応答を必要とするデバイスであることが好ましい。光デバイス200としては、例えば、ホログラム装置等の画像表示装置、光演算装置、フォトリフラクティブ位相共役鏡、光記録装置、および画像調整フィルタ等を挙げることができる。光デバイス200は、例えば、リアルタイム立体ホログラム表示、動体の検出、動体の速度解析、および病理組織等の立体リアルタイムイメージングの技術分野に利用することができる。

【0054】
<2.光デバイスの駆動方法>
以下に、図2および図3を参照して、図1に示す光デバイス200の駆動方法についてより詳細に説明する。図2の上側に示されているように、書き込み前は、維持電圧(図2では0V)に維持されており、書き込みを行うときには、第1期間(書き込み準備期間)として、まずフォトリフラクティブ層24に基準電界(書き込み準備電界)の印加を行う。例えば図2において、基準電界は正極性の外部電界として示されている。基準電界の印加によって、フォトリフラクティブ層24の内部には、材料中に含まれる不純物に由来して生じた蓄積電荷によって、抗電界を生じる。

【0055】
第1期間に続いて、第2期間(書き込み期間)において、フォトリフラクティブ層24に印加する外部電界の極性を瞬時に反転する。図2では第1期間における正極性の基準電界に対し、第2期間は負極性の外部電界(書き込み電界)をフォトリフラクティブ層24に印加している。このように瞬時に、フォトリフラクティブ層24に印加する外部電界の極性を反転すると、フォトリフラクティブ層24内部の抗電界は極性が外部電界と同時に反転されず、一定の期間持続される。したがって、第2期間においては、この抗電界が外部電界に重畳された実効電界が、フォトリフラクティブ層24に印加される。この結果、第2期間においては、フォトリフラクティブ層24に印加される実効電界が抗電界によって補強(増強)される。そして、実効電界が増強されている間に干渉光による書き込みを行えば(図2の下側参照)、フォトリフラクティブ層24の劣化を抑制しつつ高速な書き込みを実現することができる。なお、図3は、第1期間と第2期間とで、フォトリフラクティブ層24に印加する外部電界、形成される抗電界、および実効電界の関係を示すグラフである。

【0056】
第2期間にフォトリフラクティブ層24に印加される実効電界の増強時間および増強強度(図3参照)は、第1期間に印加する基準電界の電界振幅および電界パルス幅を調節することによって制御することができる。実効電界の増強時間および増強強度を大きくするためには、基準電界の電界振幅(絶対値)および電界パルス幅が大きいほどよい。ただし、フォトリフラクティブ層24への負荷を抑制しつつ充分な応答速度を得る観点では、基準電界の電界振幅(絶対値)が10V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることが好ましく、50V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることがより好ましく、100V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、基準電界の電界パルス幅(電界印加時間に相当)は、0.1ミリ秒以上で1秒以下の範囲内であることが好ましく、1ミリ秒以上で0.5秒以下の範囲内であることがより好ましい。

【0057】
また、フォトリフラクティブ層24への負荷を抑制しつつ充分な応答速度を得る観点では、第2期間にフォトリフラクティブ層に印加される外部電界(書き込み電界)の電界振幅(絶対値)が10V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることが好ましく、50V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることがより好ましく、100V/μm以上で300V/μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。また、書き込み電界の電界パルス幅(電界印加時間に相当)は、0.1ミリ秒以上で1秒以下の範囲内であることが好ましく、1ミリ秒以上で0.5秒以下の範囲内であることがより好ましく、1ミリ秒以上で0.1秒以下の範囲内であることがさらに好ましい。

【0058】
第2期間の後、電圧は再び維持電圧に戻される。このように、維持電圧から、上記第1期間および第2期間を経て維持電圧に戻す一連のシーケンスが繰り返し行われてもよい。

【0059】
なお、図2および図3では、第1期間と第2期間とで、極性が反転した点以外は同じ電界振幅(絶対値)で同じ電界パルス幅のパルス電界を印加する例を示したが、第1期間と第2期間とで電界振幅および電界パルス幅が異なるパルス電界を印加してもよい。また、第1期間に負極性の電界を印加し、第2期間に正極性の電界を印加するようにしてもよい。さらに、第2期間にフォトリフラクティブ層24に印加される実効電界の増強効果が維持されている限りにおいて、必要に応じて第1期間と第2期間との間に短時間の移行期間(例えば、電圧0とする期間等)を設けてもよい。ただし、第1期間と第2期間とは、間に移行期間等を設けずに連続していることが好ましい。また、第1期間と第2期間とを一サイクルとして2サイクル以上連続的に繰り返す場合、情報の書き込み用に印加された第2期間の電界を、連続した次の書き込み準備期間(第1期間)用の電界としても利用してよい。

【0060】
光書き込みは、図2の下側に示すように、フォトリフラクティブ層24に印加される外部電界が反転された第2期間に行われる。また、光書き込みは、例えば、外部電界の反転(第2期間の開始)と同時に行ってもよく、また、第2期間の任意のタイミングに行ってもよいが、外部電界の反転の直後には、外部電界に重畳される抗電界が最も大きいために、外部電界の反転と同時~1秒以内に光書き込みを行うことが好ましく、外部電界の反転と同時~0.5秒以内に光書き込みを行うことがより好ましく、外部電界の反転と同時に光書き込みを行うことがさらに好ましい。光書き込みのタイミングおよび光パルス幅の制御は、例えば、干渉光照射光源31が備える液晶シャッター、(Displaytech、LV2500-AC等)で干渉光の出射を制御することによって実現可能である。

【0061】
また、フォトリフラクティブ層24への光書き込み強度は10mW/cm~1000mW/cmが好ましく、例えば100mW/cmである。また、干渉光照射における光パルス幅は、1フェムト秒~1秒が好ましく、例えば1ミリ秒~15ミリ秒である。また、一度の書き込みにおける干渉光の照射時間は特に限定されないが、例えば、1フェムト秒~1秒以下であり、0.1ミリ秒以上で1秒以下である。

【0062】
<3.光デバイスの駆動方法の変形例>
図2および図3では、第1期間(書き込み準備期間)と第2期間(準備期間)とで、極性が反転した点以外は同じ電界振幅(絶対値)で同じ電界パルス幅のパルス電界を印加して、第2期間において1回のみ光書き込みを行う駆動方法を説明したが、例えば、図4に示すような駆動方法を採用してもよい。

【0063】
図4中の(a)は、フォトリフラクティブ層24へ印加する外部電界を反転させた後の第2期間(書き込み期間)において、複数回の光書き込みを同じ領域に対して行い、書き込まれた情報の積算値をシグナルとして利用する例である。第2期間は例えば、数ミリ秒以下とすることができる。

【0064】
図4中の(b)は、第2期間に印加するパルス電界の電界振幅(絶対値)を第1期間より大きくするとともに、第1期間より電界パルス幅を小さくし、第1期間と第2期間とを複数回繰り返すことによって反復して光書き込みを行う駆動方法の例である。第2期間(書き込み期間)を短くすることで、高速応答を実現する。

【0065】
図4中の(c)は、第1期間において瞬間的に高電界振幅のパルス電界を印加し、第2期間も光書き込みに必要最小限の期間とすることによって、反復した光書き込みを高速で行う駆動方法の例である。

【0066】
なお、図2および図4に示す駆動方法はいずれも、パルス電界の印加を用いるため、定常電界を印加している場合と比較して、電界印加時間が短縮できる。よって、電界がかかることによって生じる材料の損傷および劣化を低減することができる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明について、実施例を挙げてさらなる詳細を説明する。
【実施例】
【0068】
〔特性評価サンプルとしてのサンドウィッチセルの調製〕
(配向増大型有機フォトリフラクティブ材料)
実施例で用いた配向増大型有機フォトリフラクティブ材料(以下、有機PR材料と称する)は、光導電性分子としてポリビニルカルバゾールを59.4重量%、可塑剤としてEHCzを10重量%、増感色素としてフラーレンを0.6重量%、および複屈折性光学色素としてAODCSTを30重量%、構成成分として含むものである。
【実施例】
【0069】
(機能層付ITOガラス基板の作製)
電極をパターニングしたITOガラス基板における電極を有する側の表面に、機能層として絶縁性ポリマー材料(フッ素系ポリマー樹脂)を成膜することによって、機能層付ITOガラス基板を2枚作製した。
【実施例】
【0070】
(特性評価サンプルの調製)
有機PR材料を、ポリイミドフィルムをスペーサーとして、2枚の機能層付ITOガラス基板で挟み込んだサンドウィッチセル(図1に示すフォトリフラクティブセル100に相当)を作製し、以下に示す各実施例における特性評価サンプルとして用いた。
【実施例】
【0071】
〔実施例1:反転パルス電界を用いた駆動による光誘起屈折率変化への影響〕
本実施例では、サンドウィッチセルにパルス電界を印加すると同時に光書き込みを行った場合(通常駆動)と、パルス電界を印加した後(書き込み準備期間)、パルス電界を極性反転させて印加し(書き込み期間)、極性反転と同時に光書き込みを行った場合(反転駆動)とで、光誘起屈折率変化の立ち上がり速度を調べた。
【実施例】
【0072】
有機PR材料に生じる光誘起屈折率変化の大きさをΔnとし、有機PR材料に読み出し光を照射して得られる回折光強度をIとすると、光誘起屈折率変化の大きさΔnと回折光強度Iの関係は、以下の式で表すことができる。
【実施例】
【0073】
【数1】
JP0006202300B2_000002t.gif
【実施例】
【0074】
したがって、光誘起屈折率変化の大きさΔnは回折光強度Iによって評価した。
【実施例】
【0075】
(電界印加条件)
サンドウィッチセルを構成するITOガラス基板を、リード線を介して高電圧アンプ装置(松定プレシジョン、HCOR-10)の端子に接続した。そして、電界振幅が60V/μmのパルス電界をパルス幅0.5秒印加し(通常パルス電界印加)、その後-60V/μmに反転させ、パルス幅0.5秒印加した(反転パルス電界印加)。
【実施例】
【0076】
(非縮退4光波混合測定装置)
回折光強度の評価には、図5に示した非縮退4光波混合測定系を用いた。図5は上記サンドウィッチセルと各種光学系との配置関係の概略を表す。同図中の7はサンドウィッチセル、3は読み出し光、4は回折光、1は参照光(書き込み光(干渉光))、2は物体光(書き込み光(干渉光))、6はチルト角(60°)、5は交差角(書き込み角)(10°)を意味している。干渉光照射光源にはHe-Neレーザー(CVIメレスグリオ、05LHP151)を用い、プリズムビームスプリッタ—により2つに分離後、サンドウィッチセル(有機PR材料)上で干渉させることで干渉光照射装置とした。読み出し光3としては、808nmの半導体レーザー(ソーラボ社、CPS808)を用い、サンドウィッチセル(有機PR材料)から生じる回折光4はフォトダイオード(ソーラボ社、PDA100A)により検出し、ストレージオシロスコープ(レクロイ、WaveRunner 64Xi-A)でモニターした。
【実施例】
【0077】
ここで、任意のタイミングおよび任意の光パルス幅で光書き込みを行うために、書き込み光2(物体光)の光路上に液晶シャッターを配置し、ファンクションジェネレータ(テクトロニクス、AFG3021B)によりタイミングの制御を行った。サンドウィッチセル(有機PR材料)への書き込み光1および2の書き込み光強度はそれぞれ、65mW/cm2とした。書込み時の光強度の合計は130mW/cm2である。書き込み光2(物体光)の光パルス幅は10ミリ秒であり、1パルス分の書き込みを行った(すなわち、干渉光の照射時間は10ミリ秒)。
【実施例】
【0078】
図6は本実施例においてサンドウィッチセルに印加されるパルス電界、参照光および物体光の変化ならびに光書き込みのタイミングを示す波形図である。参照光(書き込み光1に相当)と物体光(書き込み光2に相当)とが同時に照射される条件でのみ干渉光が生じて、有機PR材料への書き込みが行われる。図6に示されているように、通常駆動では、パルス電界を印加すると同時に、反転パルス電界駆動(反転駆動)では、パルス電界を反転させると同時に光書き込みを行った。
【実施例】
【0079】
(反転駆動および通常駆動の回折光強度の比較の結果)
測定の結果を図7に示す。横軸は、時間(秒)を示している。縦軸は、回折光強度Iを示している。図7に示すように、反転パルス電界駆動することによって、従来法である通常パルス電界駆動と比較して、より高速かつ大きな回折光強度が得られた。したがって、電界を反転させると同時に光書き込みを行うことにより、有機PR材料の応答速度を高速化できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、フォトリフラクティブ材料を用いた光デバイスに利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
21 電極
24 フォトリフラクティブ層
25 機能層
31 干渉光照射光源(干渉光照射装置)
32 電界印加装置
35 制御部
100 フォトリフラクティブセル
200 光デバイス
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6