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明細書 :細胞周期可視化プローブ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5370890号 (P5370890)
登録日 平成25年9月27日(2013.9.27)
発行日 平成25年12月18日(2013.12.18)
発明の名称または考案の名称 細胞周期可視化プローブ
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
A01K  67/027       (2006.01)
C12N   1/15        (2006.01)
C12N   1/19        (2006.01)
C12N   1/21        (2006.01)
C12N   5/10        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12Q 1/02
A01K 67/027
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/00 101
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
G01N 21/78 C
請求項の数または発明の数 15
全頁数 35
出願番号 特願2009-505097 (P2009-505097)
出願日 平成20年2月6日(2008.2.6)
国際出願番号 PCT/JP2008/051973
国際公開番号 WO2008/114544
国際公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
優先権出願番号 2007068240
優先日 平成19年3月16日(2007.3.16)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年2月4日(2011.2.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591063394
【氏名又は名称】公益財団法人東京都医学総合研究所
【識別番号】503359821
【氏名又は名称】独立行政法人理化学研究所
発明者または考案者 【氏名】宮脇 敦史
【氏名】沢野 朝子
【氏名】正井 久雄
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】山本 匡子
参考文献・文献 日本組織細胞化学会総会・学術集会講演プログラム・予稿集, 1999, Vol.40th, p.125
生物物理, 2005, Vol.45, No.3, p.153-156
J Gen Virol, 2002, Vol.83, No.10, p.2377-2383
EMBO Rep, 2000, Vol.1, No.1, p.65-70
J Cell Biol, 1997, Vol.138, No.3, p.629-641
EMBO J. 2007 Mar 7;26(5):1303-14. Epub 2007 Feb 22.
EMBO J, 2004, Vol.23, No.15, p.3122-32
J Biol Chem. 2004 Oct 29;279(44):45957-68. Epub 2004 Aug 12.
Biochem Biophys Res Commun. 2004 Apr 23;317(1):218-22.
Nature, 2004, Vol.430, No.7002, p.913-7
調査した分野 C12N 15/00-90
A01K 67/027
C12Q 1/02
G01N 21/78
G01N 33/15
G01N 33/50
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
Science Direct
Wiley Online Library
CiNii

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する2以上の遺伝子発現産物をマーカーにより可視化して、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別することを特徴とする、細胞周期の検出方法において、
一つの細胞の中で、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する2以上の遺伝子発現産物として、G1期で存在量が増加し、S/G2/M期で存在量が減少する第一の発現産物、及び、G1期で存在量が減少し、S/G2/M期で存在量が増加する第二の発現産物を少なくとも使用し、
上記第一の発現産物はCdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片であり、上記第二の発現産物はGemininからCdt1結合部位を除いた部分断片であり、
上記第一の発現産物と第二の発現産物とはそれぞれ異なるマーカーで標識して可視化されている、ことを特徴とする、細胞周期の検出方法。
【請求項2】
第一の発現産物が、Cdt1の30から120番目のアミノ酸からなる部分断片である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
第二の発現産物が、Gemininの1から110番目のアミノ酸からなる部分断片である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
マーカーが蛍光タンパク質又は発光タンパク質である、請求項1からの何れかに記載の方法。
【請求項5】
生きた細胞又は組織を対象としたタイムラプスイメージング観察により、上記マーカーを経時的に検出することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子とマーカーをコードする遺伝子とを含む第一の遺伝子構築物、及び、GemininからCdt1結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子とマーカーをコードする遺伝子とを含む第二の遺伝子構築物(ただし、前記マーカーは互いに異なるものである)を、細胞内で共発現する、形質転換体、又は遺伝子導入非ヒト動物。
【請求項7】
Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子が、Cdt1の30から120番目のアミノ酸からなる部分断片をコードする遺伝子である請求項6に記載の形質転換体、又は遺伝子導入非ヒト動物。
【請求項8】
GemininからCdt1結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子が、Gemininの1から110番目のアミノ酸からなる部分断片をコードする遺伝子である請求項6又は7に記載の形質転換体、又は遺伝子導入非ヒト動物。
【請求項9】
マーカーをコードする遺伝子が、蛍光タンパク質又は発光タンパク質をコードする遺伝子である、請求項6から8の何れかに記載の形質転換体、又は遺伝子導入非ヒト動物。
【請求項10】
細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤の候補物質、あるいは特定の遺伝子発現を抑制する試薬の存在下において細胞を培養し、該細胞について請求項1から5の何れかに記載の細胞周期の検出方法を行うことによって細胞周期および/又は細胞死に影響を及ぼす候補物質を選択することを特徴とする、細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤のスクリーニング方法あるいは化合物、薬剤、試薬の効能、作用機序について検定する方法。
【請求項11】
細胞周期阻害剤、または細胞周期が関与する疾患用の薬剤の候補物質、あるいは特定の遺伝子発現を抑制する試薬を、請求項6から9の何れかに記載の遺伝子導入非ヒト動物に投与し、それらの、腫瘍の増殖、免疫系、血球系などの細胞の細胞周期、生存などに影響を及ぼす候補物質を選択することを特徴とする、疾患治療薬のスクリーニング方法あるいは化合物、薬剤、試薬の効能、作用機序について検定する方法。
【請求項12】
上記第一の発現産物が上記マーカーとしての赤色蛍光タンパク質で標識され、上記第二の発現産物が上記マーカーとしての緑色蛍光タンパク質で標識されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞周期の検出方法。
【請求項13】
上記第一の遺伝子構築物がコードする上記マーカーが赤色蛍光タンパク質であり、上記第二の遺伝子構築物がコードする上記マーカーが緑色蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項6から9の何れかに記載の形質転換体、又は遺伝子導入非ヒト動物。
【請求項14】
請求項6から9の何れかに記載の形質転換体又は遺伝子導入非ヒト動物の作成に用いられる細胞周期指示薬であって、Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子とマーカーをコードする遺伝子とを含む上記第一の遺伝子構築物、及び、GemininからCdt1結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子とマーカーをコードする遺伝子とを含む上記第二の遺伝子構築物、とを備えることを特徴とする細胞周期指示薬。
【請求項15】
上記第一の遺伝子構築物がコードする上記マーカーが赤色蛍光タンパク質であり、上記第二の遺伝子構築物がコードする上記マーカーが緑色蛍光タンパク質であることを特徴とする請求項14に記載の細胞周期指示薬。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する遺伝子発現産物をマーカーにより可視化して細胞周期を検出する方法、並びに上記方法で使用するための遺伝子構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞周期は、細胞分裂で生じた細胞が、再び細胞分裂を行って新しい細胞になるまでの過程である。細胞周期において。有糸分裂の時期はM期と称され、通常、M期は約1時間で終了する。M期と、次のM期との間を間期と称され、細胞の成長、物質の生合成や代謝はこの時期に行われる。間期はさらに、G1期、S期、G2期に分類される。S期ではDNA複製が行われる。M期とS期との間の期間がG1期であり、S期とM期との間がG2期である。
【0003】
細胞周期(G1期、S期、G2期、M期)の一部を調べる方法としては、BrdUラベルによる方法が知られている。具体的には、細胞内に一定の期間BrdUを取り込ませ、その後、抗BrdU抗体を使って免疫組織を行う方法であるが、リアルタイムでの観察は不可能である。また、細胞同調と生化学的手法による方法もあるが、リアルタイムでの観察は不可能である。
【0004】
細胞周期の一部を可視化する方法としては、The G2M cell cycle phase marker (G"MCCPM) (Amersham Bioscience社)を用いる方法がある。この方法は、cyclinのプロモータ活性を利用しており、遺伝子導入によって形質転換を起こす際に、染色体への組み込まれ方で大きく影響されるという問題があった。また、G1期は可視化されていないので、細胞周期の追跡が困難であり、またコントラストが不明瞭であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、細胞周期の増殖期と休止期とを簡単にリアルタイムで識別することができる細胞周期の検出方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、上記した本発明の細胞周期の検出方法で用いるために遺伝子構築物を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物をマーカーにより可視化して、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物をマーカーにより可視化して、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別することを特徴とする、細胞周期の検出方法。
(2) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物として、細胞周期依存的な存在量の変化が異なるパターンを示す少なくとも2以上の遺伝子発現産物を使用する、(1)に記載の方法。
【0008】
(3) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物として、G1期と、S/G2/M期において存在量が変化する発現産物を使用する、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物として、G1期で存在量が増加し、S/G2/M期で存在量が減少する第一の発現産物と、G1期で存在量が減少し、S/G2/M期で存在量が増加する第二の発現産物とを使用し、上記第一の発現産物と第二の発現産物とをそれぞれ異なるマーカーで標識して可視化する、(1)から(3)の何れかに記載の方法。
【0009】
(5) 第一の発現産物がCdt1又はその部分断片であり、第二の発現産物がGeminin又はその部分断片である、(4)に記載の方法。
(6) 第一の発現産物が、Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片である、(5)に記載の方法。
(7) 第一の発現産物が、Cdt1の30から120番目のアミノ酸からなる部分断片である、(5)又は(6)に記載の方法。
【0010】
(8) 第二の発現産物が、GemininからCdt1結合部位を除いた部分断片である、(5)から(7)の何れかに記載の方法。
(9) 第二の発現産物が、Gemininの1から110番目のアミノ酸からなる部分断片である、(5)から(8)の何れかに記載の方法。
(10) マーカーが蛍光タンパク質又は発光タンパク質である、(1)から(9)の何れかに記載の方法。
【0011】
(11) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを含む、遺伝子構築物。
(12) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子が、Cdt1遺伝子又はGeminin遺伝子である、(11)に記載の遺伝子構築物。
(13) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子の部分断片が、Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子、又はGemininからCdt1結合部位を除いた部分断片をコードする遺伝子である、(11)又は(12)に記載の遺伝子構築物。
【0012】
(14) 細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子の部分断片が、Cdt1の30から120番目のアミノ酸からなる部分断片をコードする遺伝子断片、又はGemininの1から110番目のアミノ酸からなる部分断片をコードする遺伝子断片である、(13)に記載の遺伝子構築物。
(15) マーカーをコードする遺伝子が、蛍光タンパク質又は発光タンパク質をコードする遺伝子である、(11)から(14)の何れかに記載の遺伝子構築物。
【0013】
(16) (11)から(15)の何れかに記載の遺伝子構築物を有する、形質転換体。
(17) (11)から(15)の何れかに記載の遺伝子構築物を有する、遺伝子導入非ヒト動物。
(18) (11)から(15)の何れかに記載の遺伝子構築物の少なくとも1種類以上を細胞に導入し、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片とマーカーとを発現させ、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別することを特徴とする、細胞周期の検出方法。
(19) 細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤の候補物質の存在下において細胞を培養し、該細胞について(1)から(10)又は(18)に記載の細胞周期の検出方法を行うことによって細胞周期に影響を及ぼす候補物質を選択することを特徴とする、細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤のスクリーニング方法。
(20) 細胞周期阻害剤、または細胞周期が関与する疾患用の薬剤の候補物質、あるいは特定の遺伝子発現を抑制する試薬を、(17)に記載の遺伝子導入非ヒト動物に投与し、それらの、腫瘍の増殖、免疫系、血球系などの細胞の細胞周期、生存などに影響を及ぼす候補物質を選択することを特徴とする、疾患治療薬のスクリーニング方法あるいは化合物、薬剤、試薬の効能、作用機序について検定する方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、細胞周期の増殖期と休止期とを簡単にリアルタイムで識別することができる。本発明によれば、細胞周期の制御を考える上で最も重要な、G1期からS期への移行(G1/S transition)を赤色から緑色への色の変化(最も高いコントラストを達成できる)として読み取ることができるプローブが提供される。特に、本発明の方法においては、細胞周期依存的な遺伝子転写(プロモータ)は使用しないので、恒常的プロモーターを使用することができ、形質転換生物の作製が容易である。また、本発明においては、細胞周期に関するシグナルは核に局在するので、細胞質で働く様々な蛍光機能プローブと同時に発現させることができる。本発明によれば、細胞周期と様々な細胞機能との関連を調べることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明による細胞周期の検出方法は、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物をマーカーにより可視化して、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別することを特徴とする方法である。
【0016】
本明細書において、G1期とは複製前休止期(明細書では単に「休止期」)のことを言い、S期/G2期/M期とは、DNA合成/細胞分裂期(明細書では単に「増殖期」)のことを言う。
【0017】
本発明では、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物として、細胞周期依存的な存在量の変化が異なるパターンを示す少なくとも2以上の遺伝子発現産物を使用することが好ましく、G1期と、S/G2/M期において存在量が変化する発現産物を使用することが特に好ましい。具体的には、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する少なくとも1以上の遺伝子発現産物として、G1期で存在量が増加し、S/G2/M期で存在量が減少する第一の発現産物と、G1期で存在量が減少し、S/G2/M期で存在量が増加する第二の発現産物とを使用することができる。
【0018】
G1期で存在量が増加し、S/G2/M期で存在量が減少する第一の発現産物の具体例としては、p27、p57、p21、p130、Cyclin A、Cyclin D、Cyclin E、CDK9、MYC、E2F1、ORC1、CDT1、B-MYB、RAG2、SMAD4、FOXO1、UBP43、Viral E7、Notch1、Notch 4、JUN、Presenilin 1/2、SREBP 1/2、β-catenin、IκBα/β/ε、p105 / p100、Cdc25 A/B、Wee1A、EMI 1/2、Viral Vpu、ATF4、DIG1、INFα-R、PRL-R、Snail、PER 1/2、Claspinなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記の中でも好ましくは、Cdt1又はその部分断片を用いることができる。Cdt1の部分断片としては、Cdt1からGeminin結合部位を除いた部分断片を用いることができる。
【0019】
G1期で存在量が減少し、S/G2/M期で存在量が増加する発現産物の具体例としては、Cyclin A、Cyclin B、CDC20、PLK1、Aurora A / B、NEK2A、mE2-C、Geminin、CDC6、SKP2、SNON、RRR2、TK1、TPX2、CDH1、Securin、KIP、Survivin、Dbf 4、Hsl 1、Sgo 1、Sororin、R2、UBCH10 / E2-C / Vihar、Cks 1、Ase 1 / Prc 1、Cin 8、Anillinなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記の中でも好ましくは、Geminin又はその断片を用いることができる。Gemininの部分断片としては、GemininからCdt1結合部位を除いた部分断片を用いることができる。
【0020】
上記した発現産物は、マーカーで標識することにより可視化される。2種類以上の発現産物を用いる場合は、2種類以上の発現産物をそれぞれ異なるマーカーで標識して可視化する。本発明で用いるマーカーとしては、蛍光タンパク質又は発光タンパク質が好ましい。本発明で用いる蛍光タンパク質又は発光タンパク質としては、蛍光活性又は発光活性を迅速に獲得し、かつ融合相手の蛋白質の分解に伴ってマーカー自身も分解され、蛍光活性又は発光活性を迅速に失うものを使用することが好ましい。
【0021】
蛍光タンパク質は、刺胞動物・ヒドロ虫類・Aequorea victoria由来のAequoreaGFP(Green Fluorescent Protein)を始めとし、それ以外の動物:花虫類(サンゴ、イソギンチャク)、Aequorea victoria以外のヒドロ虫類、節足動物・甲殻類などから多数の蛍光タンパク質がクローニングされており、さらにそれらに変異を導入した改変体も報告されている。
【0022】
本発明では、例えば、刺胞動物の緑色蛍光蛋白質(GFP)及びその変異体を使用することができる。変異体としては、シアン蛍光蛋白質(CFP)、黄色蛍光蛋白質(YFP)、赤色蛍光蛋白質(RFP)または青色蛍光蛋白質 (BFP) などが挙げられる。これらの蛍光蛋白質は、Pacific Northwest jellyfish、Aequorea victoria、the sea pansy、Renilla reniformis、及びPhialidium gregariumなどから得られる(Ward, W. W., 他, Photochem. Photobiol., 35:803-808 (1982); and Levine, L. D., 他, Comp. Biochem. Physiol., 72B:77-85 (1982))。有用な励起及び放射スペクトルを有する各種クラゲ由来蛍光蛋白質は、オワンクラゲ由来の天然GFPのアミノ酸配列を改変することによって作製されている(Prasher, D. C., 他、Gene, 111:229-233 (1992); Heim, R., 他, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 91:12501-04 (1994); 米国特許出願番号08/337,915;国際出願PCT/US95/14692;及び米国特許出願番号No. 08/706,408)。また、変異誘発により励起又は発光波長がシフトしたGFP変異体が作製されている(Heim, R. & Tsien, R. Y. Current Biol. 6:178-182 (1996))。蛍光タンパク質のクローニングは多数報告されており、例えば、Prasher,D.C.ら(1992),"Primary structure of the Aequorea victoria green fluorescent protein",Gene 111:229-233、Roger Y.Tsin, Annu.Rev.Biochem.1998. 67:509-44、並びにその引用文献などに記載されている。
【0023】
以下に本発明で使用できる蛍光タンパク質及び発光タンパク質の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【表1】
JP0005370890B2_000002t.gif

【0025】
【表2】
JP0005370890B2_000003t.gif
JP0005370890B2_000004t.gif
【0026】
【表3】
JP0005370890B2_000005t.gif

【0027】
【表4】
JP0005370890B2_000006t.gif

【0028】
【表5】
JP0005370890B2_000007t.gif

【0029】
本発明によれば、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを含む、遺伝子構築物が提供される。本発明の遺伝子構築物は、細胞周期依存的に起こる蛋白質分解を利用したプローブとして使用できる。本発明の遺伝子構築物は、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とをそれぞれ通常の遺伝子組み換え技術により取得た後に両者を連結することによって、構築することができる。
【0030】
例えば、蛍光タンパク質をコードする遺伝子は、蛍光タンパク質のDNA配列に基づいたプライマーを用いて蛍光タンパク質のcDNAを含む鋳型DNAを用いてPCRを行うことによって取得することができる。細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片も同様に、当該遺伝子のDNA配列に基づいたプライマーを用いてPCRを行うことにより取得することができる。PCRで各遺伝子断片を増幅する際に用いるプライマーに制限酵素部位を導入しておくことによって、PCRで得られた増幅産物を、適当なベクター内の制限酵素部位に挿入することができる。細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを、同一のベクター内に隣接して挿入することによって、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを含む、遺伝子構築物を作製することができる。
【0031】
本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明の遺伝子は、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモーターは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜選択することができる。
【0032】
本発明においては、上記のようにして得られた、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを含む遺伝子構築物を、細胞に導入し、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片とマーカーとを発現させ、前記マーカーを検出することによって細胞周期の増殖期と休止期とを識別することによって、細胞周期を検出することができる。
【0033】
発現ベクターの構築、及び細胞への導入(トランスフェクション)は、当業者に公知の手法に従って行うことができる。これらの詳細は、Sambrook 他, Molecular Cloning--A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, (1989) 、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology, F. M. Ausubel 他, eds., (Current Protocols, a joint venture between Greene Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., most recent Supplement)に記載されている。
【0034】
例えば、トランスフェクションは、リン酸カルシウム共沈殿法、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、リポソーム又はウイルスベクターに封入したプラスミドの挿入などのDNAトランスフェクション法を使用して行うことができる。
【0035】
本発明による細胞周期の検出方法は、例えば、薬剤(細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤など)のスクリーニング方法に応用することができる。具体的には、薬剤の候補物質の存在下において細胞を培養し、該細胞について本発明による細胞周期の検出方法を行うことによって細胞周期に影響を及ぼす候補物質を選択することができ、これにより、細胞周期阻害剤、又は細胞周期が関与する疾患用の薬剤などをスクリーニングすることができる。
【0036】
さらに本発明によれば、上記した遺伝子構築物を有する形質転換体が提供される。本発明の遺伝子構築物は、適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。宿主細胞の種類は、特に限定されないが、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
【0037】
さらに本発明によれば、上記した遺伝子構築物を有する、遺伝子導入非ヒト動物が提供される。
本発明の遺伝子導入非ヒト動物の作製方法は特に限定されないが、例えば、本発明の遺伝子構築物を受精卵などに導入することにより作製することができる。遺伝子導入非ヒト動物の作製のために導入遺伝子として用いる本発明の遺伝子構築物としては、細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子とを、適当な哺乳動物用プロモーターの下流に連結した組換え遺伝子を使用することが好ましい。本発明の遺伝子導入非ヒト動物は、例えば、非ヒト動物の受精卵に、本発明の遺伝子構築物を導入し、当該受精卵を偽妊娠雌性非ヒト動物に移植し、当該非ヒト動物から本発明の遺伝子構築物が導入された非ヒト動物を分娩させることにより作製することができる。非ヒト動物としては、例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ラット、ウサギ等のげっ歯類の他、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタ、サル、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ等を使用することができるが、作製、育成及び使用の簡便さなどの観点から見て、マウス、ハムスター、モルモット、ラット、ウサギ等のげっ歯類が好ましく、そのなかでもマウスが最も好ましい。
【0038】
本発明の遺伝子導入動物は、交配により本発明の遺伝子構築物を安定に保持することを確認した後、当該遺伝子保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することができる。導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該遺伝子を過剰に有するように繁殖継代することができる。細胞周期依存的に細胞内で存在量が変化する発現産物の遺伝子又はその部分断片と、マーカーをコードする遺伝子の発現部位を同定するためには、当該遺伝子の発現を個体、臓器、組織、細胞の各レベルで観察することができる。
【0039】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1:プラスミドの構築
(1)mKO2-Cdt1の構築
(a)蛍光蛋白質単量体Kusabira-Orange(mKO)の早期蛍光発光能獲得変異体の開発
細胞周期をはじめ、細胞内の生理的なシグナルを検出する際に、蛍光タンパク質をレポーターとして使用する場合は、その蛍光タンパク質が翻訳されてから素早く蛍光を発することが必要とされる。細胞内の可視化したい事象と蛍光タンパク質の蛍光発光能を獲得するまでの時間に大きな開きがある場合には、その検出系自体が意味を持たないことになりかねない。そのため、レポーターとして使用する蛍光タンパク質において、翻訳後に素早く成熟して蛍光発光能を獲得できる変異体(早期蛍光発光能獲得変異体)の作製を行なった。材料としてイシサンゴ類のクサビライシより単離された蛍光蛋白質Kusabira-Orange(KO)の単量体変異体であるmKOを使用した。mKOは(株)医学生物学研究所、Amalgaam(有)より製品名mKO1として市販されている。
【0041】
(b)点変異導入による早期蛍光発光能獲得変異体の作製
mKOの一次構造配列から構造を予測し、早期蛍光発光能を獲得できそうな部位(点)をいくつか選択し、なおかつ蛍光特性を保持するようmKO遺伝子にアミノ酸置換点変異を導入した。mKO遺伝子を挿入した大腸菌発現ベクタープラスミド(pRSET B Invitrogen)を鋳型にアミノ酸置換点変異導入プライマーをもちいてアミノ酸置換点変異導入を行なった。サーマルサイクリングにより、鋳型DNAの解離、プライマーの会合、プライマーの伸長を繰り返し、アミノ酸置換点変異導入されたDNAを増幅した。増幅に用いたプライマーは5'側のリン酸化を行った。
【0042】
a) プライマーの5'リン酸化
100μM primer 2μl
10× T4 polynucleotide kinase buffer 5μl
100μM ATP 0.5μl
滅菌水 41.5μl
T4 polynucleotide kinase (10 U/μl) 1μl
37℃で30分間インキュベートした。
【0043】
b) 点変異導入PCR
5'リン酸化プライマーミックス final 4μl
template(mKO-pRSET B) 100ng
10× polymerase buffer 2.5μl
10× DNA ligase buffer 2.5μl
2.5mM dNTPs 1μl
polymerase(pfu)2.5U/μl 1μl
Taq DNA ligase 40U/μl 0.5μl
滅菌水で計50μlとする。
【0044】
プログラム
サーマルサイクラーはGeneAmp PCR system 9700を使用した。
反応条件
65℃ 5min (ライゲーション)
95℃ 2min (変性)
95℃ 20sec (変性)
52℃ 20sec (プライマーの鋳型へのアニーリング)
65℃ 8min (プライマー伸長及びライゲーション)
上記3ステップを25サイクル行った。
75℃ 7min (最後の伸長)
4℃ 保存
【0045】
使用したプライマー
5'- cgcgtcacaatggccgasggcgggccaatgcct -3'(配列番号1)
5'- cgcgtcacaatggccragggcgggccaatgcct -3' (配列番号2)
5'- tacggccacagavtntttactaaatatcca -3' (配列番号3)
5'- aatcacaaatgccaannsaagactacttacaag -3' (配列番号4)
5'- cttaaaatgccaggagancattacatcagccat -3' (配列番号5)
5'- aacattactgagvwsgtagaagatgcagta -3' (配列番号6)
5'- tacaaggcggcaraaragattcttraaatgccagga -3' (配列番号7)
5'- gaccattacatcrrscatcgcctcgtcagg -3' (配列番号8)
混合塩基表記 w=a/t, r=a/g, s=g/c, v= a/g/c,n=a/t/g/c
【0046】
c) DpnI処理
PCR後のサンプルにDpnIを1μl加えて37℃に1時間インキュベートして鋳型発現ベクタープラスミドを切断した。
【0047】
d) 大腸菌への形質転換
DpnI処理後のサンプルを大腸菌JM109(DE3)に形質転換して形質転換体を得た。蛍光タンパク質を発現している形質転換体の蛍光強度を比較し、候補クローンをピックアップした。ピックアップしたクローンの発現ベクタープラスミドをWizard Plus SV Minipreps DNA Purification System(Promega)で精製し、その発現ベクタープラスミドを鋳型にアミノ酸置換点変異導入を繰り返し、mKOを進化させた。発現ベクタープラスミドの精製はキットのプロトコールに準じた。
【0048】
e) mKO変異体の塩基配列決定
最終的に選択した形質転換体クローンを培養して発現ベクタープラスミドをWizard Plus SV Minipreps DNA Purification System(Promega)で精製した。発現ベクタープラスミドの精製はキットのプロトコールに準じた。精製した発現ベクタープラスミド内のmKO変異体の塩基配列を解析し、アミノ酸配列を決定した。塩基配列解析にはBigDye Terminator ver.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems)を使用し、方法はキットのプロトコールに準じた。その結果、49番目のリジン(K)をグルタミン酸(E)に、70番目のプロリン(P)をバリン(V)に、176番目のフェニルアラニン(F)をメチオニン(M)に、185番目のリジン(K)をグルタミン酸(E)に、188番目のリジン(K)をグルタミン酸(E)に、192番目のセリン(S)をアスパラギン酸(D)に、196番目のセリン(S)をグリシン(G)に、210番目のロイシン(L)をグルタミン(Q)に置換されていた。この変異体をmKO2とした。蛍光タンパク質mKO2の塩基配列を配列番号20に示し、アミノ酸配列を配列番号21に示す。
【0049】
f) 蛍光特性の解析
大腸菌を用いてmKO2にHis-Tagを付加したリコンビナント蛋白質を発現させNi-NTA Agarose(QIAGEN)を用いて精製した。精製方法はキットのプロトコールに準じた。20uM蛍光タンパク質、150mM KCl、50mM HEPES-KOH pH7.4溶液の吸収スペクトルを分光高度計(U-3310 HITACHI)にて測定し、吸収スペクトルのピークの値よりモル吸光係数を算出した。500nmの吸収値が0.005となるようにmKO、mKO2を150mM KCl、50mM HEPES-KOH pH7.4溶液で調整して、蛍光分光光度計(F-2500 HITACHI)にて500nmの光で励起した際の蛍光スペクトルを取得し、その面積を算出した。mKOの蛍光の量子収率を0.6としてその面積比からmKO2の蛍光の量子収率を算出した。mKO2のpH感受性(pKa)に関しては100mM緩衝液100μlに2μlのmKO2タンパク質溶液(19.1mg/ml)を加えての吸収スペクトルを測定し、算出した。
【0050】
各pHの緩衝液は次の通り、
pH4、5 :酢酸緩衝液
pH6 :リン酸緩衝液
pH7、8 :HEPES緩衝液
pH9、10 :グリシン緩衝液
mKOとmKO2の蛍光特性の比較を表6に記載する。
“モル吸光係数×量子収率=蛍光タンパク質分子としての絶対的な明るさ”より、
mKO=51600×0.6=30.9k
mKO2=63800×0.57=36.3k
となり、蛍光タンパク質分子として約1.2倍明るくなった。
【0051】
【表6】
JP0005370890B2_000008t.gif

【0052】
g) 培養細胞での発現によるmKO2の評価
蛍光タンパク質発現ベクタープラスミドpmKO1-MN1((株)医学生物学研究所)より、制限酵素NotI、XbaIでmKO(mKO1)遺伝子部分を切り出し、5’側にNotIサイト、3’側にXbaIサイトを付加したmKO2遺伝子を替わりに挿入した。制限酵素配列の付加はPCRで行なった。サーマルサイクラーはGeneAmp PCR system 9700を使用した。
【0053】
PCR反応液組成
テンプレート(mKO2-pRSET B) 1ul
X10 pfu バッファー 5ul
2.5mM dNTPs 3ul
20uM フォワードプライマー 1ul
20uM リバースプライマー 1ul
DMSO 5ul
ミリQ 33ul
pfu polymerase(2.5U/ul) 1ul
【0054】
PCR反応条件
94℃ 1min(PAD)
94℃ 30sec (変性)
52℃ 30sec (プライマーの鋳型へのアニーリング)
72℃ 1min (プライマー伸長)
上記3ステップを30サイクル行った。
72℃ 7min (最後の伸長)
4℃ 保存
【0055】
フォワードプライマー
5'- ataagaatgcggccgcggggaccatggtgagtgtgattaaaccagag -3' (配列番号9)
リバースプライマー
5'-cgctctagattaggaatgagctactgcatcttctacca-3' (配列番号10)
【0056】
1%アガロースゲルの電気泳動で、増幅された約700bpのバンドを切り出し、精製してNotI、XbaIで処理したpmKO1-MN1にサブクローニングし、pmKO2-MN1を作製した。pmKO1-MN1と構築した発現ベクタープラスミドpmKO2-MN1を用いて、HeLa細胞でのmKO(mKO1)とmKO2の蛍光発光能の比較を行なった。
【0057】
35mmガラスボトムデッシュにHeLa細胞を40%コンフルエントになるように用意して、遺伝子導入試薬polyfect(QIAGEN)を用いてHeLa細胞にpmKO1-MN1とpmKO2-MN1を導入して蛍光タンパク質を発現させた。細胞培養条件および遺伝子導入はpolyfectのプロトコールに準じた。35mmガラスボトムデッシュあたり1μgの発現ベクタープラスミドを使用した。
【0058】
時間を追って、蛍光画像を取得し、蛍光輝度の比較を行なった。蛍光画像は、励起フィルター 25BP520-540HQ、蛍光フィルター 25BA555-600HQ、ダイクロイックミラーDM545HQを使用し、画像取得した。励起光はキセノン光源を用い、70%をカット(30%透過)して0.5秒間露光した。顕微鏡は倒立型顕微鏡IX-71(オリンパス)を、レンズは20倍Uapo/340 N.A. 0.75(オリンパス)を使用した。画像取得及び画像解析にはMetaMolph(日本ローパー)を使用して、ビニング2で画像取得を行なった。冷却CCDカメラORCA-ER(浜松ホトニクス)を用いて蛍光像を取得した。
【0059】
発現ベクタープラスミド導入後、6、8、10時間で蛍光画像を取得し、細胞あたりの平均輝度を計算して、その値を蛍光輝度としてプロットした(図1)。発現制御のできる系ではないことから、発現ベクターを取り込んでから蛍光タンパク質を発現するまでの時間にばらつきはあるものの、明らかにmKO2の方が、早い時間で蛍光発光能を有し、2倍以上明るいという結果が得られた。早期蛍光発光能獲得変異体mKO2を以後の実験に使用した。
【0060】
(c)mKO2-Cdt1の構築
以下に示すプライマー1及び2を用いて蛍光タンパク質mKO2をPCRで増幅し、pcDNA3 vector のEcoRI - EcoRVサイトに導入した。その後、以下に示すプライマー3とプライマー4の組み合わせ(Cdt1の30~100番目のアミノ酸からなる断片を増幅する)、又はプライマー3とプライマー5(Cdt1の30~120番目のアミノ酸からなる断片を増幅する)の組み合わせを用いて、Cdt1(Genbank Accession No.; NM_030928)の断片をPCRで増幅し、Xho I- XbaI サイトに導入した。また、レンチウイルスベクター(CSII-EF-MCS)へは、上記EcoRI - XbaIサイトを用いて移し変えた。なお、上記PCRは以下の条件で行った。
【0061】
反応液:
テンプレートDNA; 1~10 ng / 1μl
10× polymerase buffer 10μl
2.5mM dNTP mix; 8μl
forward primer (20 μM); 1μl
reverse primer (20 μM); 1μl
DMSO; 5μl
Pfu porymerase 2.5U/μl 1μl
Mili Q 73μl
【0062】
サーマルサイクラーはGeneAmp PCR system 9700を使用した。
反応条件:
94℃ 2分
94℃ 1分
50℃ 30秒
72℃ 1.5分
上記3つの反応を28サイクル
その後、72℃ 7分
4℃ 保存
【0063】
(2)mAG-Gemininの構築
蛍光タンパク質mAGはイシサンゴ類のアザミサンゴより単離されたAzami Green(AG)の単量体変異体で、(株)医学生物学研究所、Amalgaam(有)より製品名mAG1として市販されている。
【0064】
以下に示すプライマー6及び7を用いてmAGをPCRで増幅し、pcDNA3 vector のEcoRI - EcoRVサイトに導入した。その後、以下に示すプライマー8及びプライマー9(Gemininの1~110番目のアミノ酸からなる断片を増幅する)を用いて、Geminin(Genbank Accession No.; NM_015895)の断片をPCRで増幅し、Xho I- XbaI サイトに導入した。また、レンチウイルスベクター(CSII-EF-MCS)へは、上記EcoRI - XbaIサイトを用いて移し変えた。なお、上記PCRは以下の条件で行った。
【0065】
反応液:
テンプレートDNA; 1~10 ng / 1μl
10× polymerase buffer 10μl
2.5mM dNTP mix; 8μl
forward primer (20 μM); 1μl
reverse primer (20 μM); 1μl
DMSO; 5μl
Pfu porymerase 2.5U/μl 1μl
Mili Q 73μl
【0066】
サーマルサイクラーはGeneAmp PCR system 9700を使用した。
反応条件:
94℃ 2分
94℃ 1分
50℃ 30秒
72℃ 1.5分
上記3つの反応を28サイクル
その後、72℃ 7分
4℃ 保存
【0067】
プライマー1:mKO2 forward primer (M12-EcoN-F) : 5'- ggg gaa ttc gcc acc atg gtg agt gtg att aaa cca gag(配列番号11)
プライマー2:mKO2 reverse primer (m11-AGCter-EcoV-R) : 5'- atg gat atc cgc cct ggg aag gca aca ttg agt aat gag cta ctg cat ctt cta c(配列番号12)
【0068】
プライマー3:XhoI-Hu.Cdt(30)(F): 5'- gcc ctc gag ccc agc ccc gcc agg ccc gca(配列番号13)
プライマー4:Hu.Cdt(100)ter.XbaI(R): 5'- gca tct aga tta ttt ctt tat ctt ctg gcc cgg aga(配列番号14)
プライマー5:Hu.Cdt(120)ter.XbaI(R): 5'- gca tct aga tta gat ggt gtc ctg gtc ctg cgc(配列番号15)
【0069】
プライマー6:mAG forward primer (hM12-EcoN-F) : 5'- ggg gaa ttc gcc acc atg gtg agc gtg atc aag ccc ga (配列番号16)
プライマー7:mAG reverse primer (hM12-EcoV-R) : 5'- atg gat atc cct tgg cct ggc tgg gca gca t (配列番号17)
【0070】
プライマー8:XhoI-Hu.geminin(1)(F): 5'- gcc ctc gag atg aat ccc agt atg aag cag aaa c (配列番号18)
プライマー9:Hu.geminin(110)ter.XbaI(R): 5'- gca tct aga tta cag cgc ctt tct ccg ttt ttc tgc (配列番号19)
【0071】
実施例2:トランスフェクション及びイメージング
細胞培養法
HeLa細胞およびCOS7細胞を、10%ウシ胎児血清及びペニシリン/ストレプトマイシンを追加したDMEMで培養した。マウスNMuMG乳腺上皮細胞を、10%ウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシン及び10 μg/mlインシュリン(シグマ)を追加したDMEM(高グルコース)で培養した。EGFとTGFβ1をR&Dから購入した。
【0072】
トランスフェクション
Lipofectin 法を用いて、HeLa 細胞へ、実施例1で作製した遺伝子構築物をトランスフェクションを行った。具体的には、以下の通りである。細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)を含むフェノールレッド無添加ダルベッコ修飾イーグル培地を加えた35mmガラス底ディッシュ上で培養した。A液(プラスミド1μg、Opti-MEM 100 μl)とB液(lipofectin 4 μl、Opti-MEM 100μl)をそれぞれ作成し、混合後、室温で15分静置した。ガラスボトムディッシュにあらかじめ準備しておいた細胞の培養上清を Opti-MEMに置き換える。A液とB液の混合液を細胞の培養液上に加えた。4時間後に培養上清を新しい培養液に置き換えた。
【0073】
1から2日後に、インキュベータ顕微鏡(オリンパス社、LCV100)にて24~60時間くらいイメージングを行い、細胞周期特異的に核に蛍光シグナルが現れるものをスクリーニングした。Wavelength1; LED620nmによりDICイメージを取得。Wavelength2; mKO2蛍光シグナルを取得(ex; BP520-540HQ. em; BA555-600HQ)。Wavelength3; mAGシグナルを取得(ex; 470DF35. em; 510WB40 )。
【0074】
また、トランスフェクション後、500μg/ml G418を加えた培地を用いて培養を行い、クローンとして増殖できるかどうかで細胞毒性の判定を行った。
【0075】
上記の結果、Cdt1の30から120番目のアミノ酸からなる部分断片(以下、mKO2-Cdt1#10とも称する)、及びGemininの1~110番目のアミノ酸からなる断片(以下、mAG-Geminin#2とも称する)を用いたトランスフェクションをした場合、細胞周期特異的な核質蛍光パターンが獲得され、かつ細胞毒性を持たないことが確認された。
【0076】
なお、作製されたmKO2-Cdt1#10 およびmAG-Geminin#2 の塩基配列は、それぞれAB370332及びAB370333としてDDBJ databaseに登録されている。
【0077】
実施例3:レンチウイルスの作成、及び細胞のトランスダクション
HEK293細胞を用いて、mKO2-Cdt1#10、mAG-Geminin#2それぞれのレンチウイルスを作成し、様々な細胞へのトランスダクションを行った。具体的には、以下の通りである。
【0078】
レンチウイルスの作成
レンチウイルス作成の手順については、理化学研究所BRC生体情報統合技術開発チーム細胞運命情報解析技術開発サブチームの三好先生の方法を改変して行った。すなわち;
A液;
pCAG-HIVgp plasmid 10 μg
pCMV-VSV-G-RSV-Rev plasmid 10 μg
CSII-EF-MCS-mKO-Cdt1#10 or CSII-EF-MCS-mAG-Geminin#2 17 μg
Opti-MEM 1.5 ml
B液;
Lipofectamine 2000 36 μl
Opti-MEM 1.5 ml
【0079】
A液とB液を準備し、混合した後、室温にて20分静置する。HEK293T細胞をトリプシン処理して剥がし、細胞数をカウントする。6x106 cells / 5 ml になるよう調整する。10cmディッシュを用意し、5ml の培養液を入れる。その上に、A液とB液の混合液を加える。最後に、HEK293T細胞を5ml 加える。37℃、5%CO2インキュベータにて培養する。24時間後に、培養液を交換する。2日後に、培養上清を回収する。これがウイルス液となる。3000回転で5分間の遠心を行い、上清を回収、分注して-80℃にて保存する。細胞には新たに培養液を加えておく。同様に3日後にも培養上清を回収し、ウイルス液としてストックする。
【0080】
細胞のトランスダクション
任意の細胞を準備する。プラスチックディッシュに張り付いている細胞、または浮遊している細胞の培養上清に、ウイルス液を加える。30~300 μl / 3.5 cm dish 位がおおまかな目安になる。2から3日後に蛍光顕微鏡にて観察すると、トランスダクション(ウイルスが感染して、遺伝子がゲノムにインテグレート)された細胞が蛍光を発するのが観察できる。2種類のウイルス mKO-Cdt1#10 と mAG-Geminin#2 を同時にトランスダクションし、1週間後からシングルセルクローニングを始める。4週間くらいかけて、シングルから細胞が成長し、2色の蛍光を発するコロニーを回収し、インディケータ発現細胞とする。HeLa_LV_mKO2-Cdt1#10 & mAG-Geminin#2 におけるクローンの蛍光顕微鏡観察の結果を図2に示す。
【0081】
上記方法により、HeLa(ヒト子宮頸部ガンの培養細胞),HEK293(ヒトの胎児腎臓由来培養細胞)、PC12(ラット褐色腫由来の培養細胞), COS(サルの培養細胞), CHO(ハムスターの培養細胞)、NMuMG(マウス培養細胞),ラット神経細胞の初代培養、マウス骨髄由来細胞の初代培養などの細胞を2種類のウイルス(mKO2-Cdt1#10、mAG-Geminin#2)で同時にトランスダクションし、両遺伝子が導入された細胞をイメージングした。上記の細胞全てにおいて、細胞周期依存性に、休止期(G1期)には、mKOの蛍光が核に局在し、増殖期(S,G2,M期)にはmAGの蛍光が核局在するのが観察された。PC12、COS、NMuMG について、それぞれ両インディケータが発現する細胞をシングルセルクローニングし、数ラインを得ている。
【0082】
具体例として、HeLa細胞を2種類のレンチウイルス(mKO2-Cdt1#10、mAG-Geminin#2)で同時にトランスダクションし、両遺伝子が導入された細胞をイメージングした結果を図2に示した。細胞周期の期間は、細胞密度及び血清濃度の差により推測上可変である。緑色蛍光がM期の終了間際に急速に消失し、赤色蛍光がG1期初期で検知できるようになったので、蛍光中の小さなギャップは新しく生成した娘細胞を示す。対照的に、赤色から緑色への変換中において、赤色及び緑色蛍光がオーバーラップし、黄色の核を示した。色変換のタイミングがS期の開始と関連するかどうか調べるために、形質転換体を5分間BrdUでパルス標識し、BrdUに対して直ちに免疫染色した。G1/S転移、及びG1、S、G2及びM期における細胞の典型的な共焦点イメージを図3Cに示す。黄色の核を示す細胞のすべてがBrdU取り込みを示したことから、緑色蛍光の出現はS期の開始を示す。同様の結果が、PCNAに対して免疫染色した別個の実験から得られ、純粋な緑色蛍光発色核を示す細胞を観察した。これらの細胞はS又はG2期のどちらかにあり、核性BrdU又はPCNA免疫染色によって識別可能だった。これらの結果は、mKO2-Cdt1#10がG1期に蓄積し、その一方でmAG-Geminin#2はS/G2/M期に蓄積することを示す。この蛍光性ユビキチン化に基づいた細胞周期指示薬(fluorescent, ubiquitination-based cell cycle indicator)を「Fucci」と名付けた。フローサイトメトリーによるDNA内容物の分析から、Fucci発現HeLa細胞と親HeLa細胞とは同じ分布を示すことを明らかにした(図3D、左)。Fucci発現細胞を、赤色、黄色、緑色を発する集団に分割し、(それぞれ、mKO2(+)mAG(-)、mKO2(+)mAG(+)、mKO2(-)mAG(+))(図3D、真中)、及びそれらのDNA内容物をヘキスト33342で染色し、その後分析した。緑色及び黄色の細胞は、それぞれDNAの完全及び部分的に複製量を有していた(図3D、右)。したがって、G1及びS/G2/M期の細胞の分化プロファイリングは赤色、黄色又は緑色にある細胞の集団をソーティングすること、並びに遺伝子発現及び抗原表面発現などの様々な細胞性機能を検討することにより達成される場合がある。
【0083】
実施例4:免疫細胞化学的細胞周期分析
分析方法
カバーグラス上で培養したFucci発現HeLa細胞を、37℃で5分間BrdU(シグマ)で処理した。PBS(-)で洗浄した後に、細胞を、4℃で10分間4%PFAで固定した後、室温で5分間0.1%TritonX-100/PBS(-)で処理した。
使用した抗体は次の通りである:アレクサ・フルーアー633(モレキュラープローブ)とコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG、マウス抗BrdU mAb(イムロジカルダイレクト)、及びマウス抗PCNA mAb(ダコ)。イメージの入手を488nm(Ar)、543nm(He/Ne)および633nm(He/Ne)のレーザー線を装備したFV500(オリンパス)共焦点顕微鏡システムを用いて実施した。
【0084】
フローサイトメトリー
ヘキスト33342溶液(1mg/mlストックの56μl)(ドージンドー)を、親又はFucci発現HeLa細胞を含む10cmディッシュに加えた。30分間のインキュベーション後、細胞を集め、及びBDTMLSR(ベクトンデッキンソン)を用いて分析した。mKO2及びmAGを488nmのレーザー線(Ar)で励起し、ヘキスト33342を325nmのレーザー線(HeCd)で励起した。蛍光信号は、mAGに対して530 nm (530/28 BP)(FL1)、mKO2に対して575 nm (575/26 BP)(FL2)、ヘキスト33342に対して400 nm (380 LP) (FL5)で集めた。データはFlowJoソフトウェア(ツリースター)を用いて分析した。
【0085】
培養細胞の構造及び行動変化及び細胞周期力学のモニタリング結果
上皮間充織転移(EMT)は、胚発生、創傷治癒及び多細胞性組織における腫瘍進行において、間葉細胞が上皮から形成される基本的な形態形成プロセスである。in vitroで、EMTは細胞-細胞間結合の分解、細胞骨格の転位、及び培養細胞の運動性の増加によって特徴付けられる。細胞周期の特定のステージがプロセスに含まれる可能性がある。確かに、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)は、G1/S期で同期されたAML-12肝細胞においてEMTを効率的に誘導するが、G2/M期で同期された細胞においてはその活性はない。さらに、NMuMG細胞は、TGFβに応じてEMTを受ける。EMT中の細胞周期進行を調査するために、Fucciを発現し、安定して形質転換されたNMuMG細胞を検査した。
【0086】
細胞をカバーグラス上にまいた後、細胞は近隣の細胞と細胞-細胞接着を維持するクラスターとして増殖した(図4A、1h)。これらの細胞の高い増殖能を、緑色核の細胞が優位である増殖像より証拠づけた(図4A,25-49h).しかしながら、集合単層に達すると、緑色の核の細胞は観られなくなり、赤色の核の細胞のみに置換され(図4A,73h)、細胞がG1期に留まったことを示す。集合単層(図4C、1h)に傷を入れた場合、傷の端にある細胞は緑になり(図4C、13h、矢印)、傷の導入がNMuMG細胞の増殖を要求したことを示している。緑色の核が傷誘導後9-13時間に顕著に現われた。そのような8時間を超える時間の遅れは、他の同様の創傷治癒実験中で再現性よく観察され、増殖刺激の開始後に静止(G0)の状態から細胞周期に再び入るために、NIH3T3細胞にとって必要な8時間を思い起こさせる。したがって、集合単層になったNMuMG細胞がG0期に留まっていた可能性が考えられる(図4A、85h)。次に、1ng/ml TGFβの存在下で同じ実験を行なった。TGFβ処理後1日以内に、緑の核をもつ細胞の数は増加し、このリガンドがG1/S転移を誘導することを示す(図4B、1-49h)。続いて、細胞は軸形で、繊維芽細胞状の形態及び高い運動性を示し始めた(図4B、49h)。2日間のTGF処理の後、緑色の核をもつ細胞の数が減少し、TGFβのG1停止効果を反映している(図4B、49-85h)。したがって、TGFβ処理の細胞は、集合単層中で密集した未処理のNMuMG細胞と対照的に、増殖なしで広がる。さらに、傷の導入は増殖に帰着せず、むしろ細胞の一層の延長に帰着した(図4D)。
【0087】
実施例5:トランスジェニック動物の作成
mKO-Cdt1#10 及び mAG-Geminin#2をそれぞれpCAGGS ベクターに組み込んだプラスミドの名前をpCAGGS_mKO-Cdt1#10 、pCAGGS_mAG-Geminin#2 とする。それらプラスミドから、マウス卵細胞にインジェクションするためのフラグメントを生成した。
pCAGGS_mKO-Cdt1#10 or pCAGGS_mAG-Geminin#2 20μg / 40 μl
10x H buffer 10 μl
H2O 50 μl
制限酵素 Sal I、Pst I、Pvu I
【0088】
上記反応液を混合し、37℃で2時間インキュベートする。電気泳動により、バンドを分離し、mKO-Cdt1#10については 3.2Kb のバンドを、mAG-Geminin#2については 3.3 Kbのバンドを精製した。理化学研究所、脳科学総合研究センター、RRCの支援業務に委託し、トランスジェニックマウスの作成を行った。ジェノタイピングの結果、mKO-Cdt1#10の遺伝子を持つトランスジェニックマウスを16系統、及びmAG-Geminin#2の遺伝子を持つトランスジェニックマウスを8系統、取得した。
【0089】
実施例6:生マウス中の腫瘍細胞の細胞周期進行
マウスの全身イメージング方法
ホフマンおよびヤングらの文献(Nat. Protocol, (2006), 3, 1429-1438)に記載され
ている通りに、培養細胞の皮下及び静脈注射、並びにOV100(オリンパス)を備えた全身
イメージングを実施した。血管を視覚化するために、アンジオセンス-IVM750(ヴィス
エンメディカル)を投入し、又は、内皮細胞を抗CD31 mAb(ケミコン)を用いて染色した

【0090】
CAGプロモーターを使用して、mKO2-Cdt1#10を発現するトランスジェニックマウス系統を作製した。赤色蛍光を発する16マウス系統から、#596をさらなる特性解析のために選択した。さらに、8種の緑色蛍光性mAG-Geminin#2マウス系統を作製し、#504をさらなる特性解析のために選択した。これらのマウス系統は、細胞周期の調整と発生を研究する先例のないモデル系を提供する。増殖パターンに関する生体内の情報を提供するので、#504は特に有用である。哺乳類の大脳皮質の初期発生中に、脳室面(VZ)での神経前駆細胞は増殖を続ける。mAG-Geminin#2の緑色蛍光が神経前駆細胞によって生み出されるかどうか判断するために、胎齢(E)14日の#504トランスジェニック胎期マウスの終脳部について免疫組織化学を行なった。緑色の核をもつ終脳の細胞がMAP2ではなくネスチンに対して免疫陽性であったので、これらの細胞は神経前駆細胞である可能性がある。
【0091】
次に、#596及び#504トランスジェニックのマウスをクロス交配させ、Fucc
i産生マウス系統を生成し、すべての体細胞核は赤色又は緑色の何れかの蛍光を示した

【0092】
E13 Fucci(#596/#504)胎児を、停色剤(4%PFA)で経心的に注入し、2時間氷冷停色剤でおき、20%スクロースを含むPBSで抗凍結処理し、及びOCT複合物へ埋め込んだ。冠状頭部切片(15μmの厚さ)を、2つのレーザーダイオード(473nm及び559nm)を装備したFV1000を用いてイメージ化した。イメージは、広視野写真を作成するために統合された。E14#504胎児からの脳部を固定化し、マウス抗MAP2 mAb(ケミコン)又はマウス抗ネスチンmAb(ファーミンゲン)でインキュベートし、AlexaFluor 546X(モレキュラープローブ)でコンジュゲートされたヤギ抗マウスIgGでインキュベートした。
【0093】
培養脳スライスのイメージング方法
脳スライスを、E13でFucci発現マウス(#596/#504)で準備し、及びミヤタらの文献(J.
Neurosci. Res. (2002), 69, 861-868)に記載されている通りに、コラーゲンゲルで
培養した。スライスを5%CO2及び40%O2に暴露した。3DイメージングはFV1000多重位置ス
テージシステムを用いて、xyz-tモードで行なった。記録間隔を10分とした。各時間ポ
イントでは、Z軸(2μmステップ)に沿った20の焦点を共有するイメージが得られた。緑
および赤信号のクロス検知を回避するために、イメージは488nm(Ar)および543nm(H
e/Ne)で連続して得られた。緑及び赤のイメージは個々の焦点を共有するイメージのた
めに統合された。2レーザー線及び検知チャンネルを備えたFV1000の正確なイメージ登
録及び適切な整列は、二重に標識された蛍光性ビーズ(テトラスペック蛍光マイクロス
フェアスタンダード、直径0.5μm、モレキュラープローブ)を用いて確認された。デー
タ分析は、Volocityソフトウェア(インプロヴィジョン)及びMETAMORPFソフトウェア(ユ
ニバーサルイメージング、メディア、PA)を用いて行なわれた。
【0094】
生マウス中の腫瘍細胞の細胞周期進行分析結果
蛍光性タンパク質で遺伝学的標識した培養腫瘍細胞を注入したマウスの全身及び生存中の細胞のイメージングは、腫瘍発生を調査するための強力な技術である。ヌードマウスの乳腺皮下へFucci発現NMuMG細胞を皮下注射することにより、腫瘍発生をモニターするためにFucciを使用した(図5A)。接種1日後に、緑色及び赤色の細胞が観察された(図5B)。しかしながら、16日後には、赤色を示す細胞だけが見られ(図5C)、NMuMG細胞が増殖を停止したことを示した。次に、Fucci発現HeLa細胞を、同様の方法でヌードマウスに注入した(図5D)。注入細胞は徐々に増殖し、常に緑色及び赤色蛍光を発し、腫瘍進行を示唆した(図5E及び5F)。拡大像は、接種27日後に顕微鏡(オリンパス、IV100、10X、UplanFL N N.A.=0.30)下で皮膚を通して観察された(図5G)。非常に発達した腫瘍容積が遠赤外の蛍光を放射するアンジオセンス750をロードすることにより視覚化された。3色のライブイメージは、G1及びS/G2期にあるHeLa細胞を識別するが、容積と関連のあるそれらの位置は低い空間分解能により明らかではなかった。腫瘍を固定及び分離し、CD31に対する抗体で染色した。Fucciの赤色及び緑色蛍光は、4%PFAにおける固定を含む従来の免疫染色手順後に留まった。血管のまわりのHeLa細胞の細胞周期パターンは、明白に視覚化された(図5H)。パターンは、容積の成熟及び周囲の組織中の壊死の程度を含むいくつかの要因に依存するように見えた。
【0095】
次に、腫瘍細胞の細胞周期進行を、内皮細胞への接着及び浸潤・転移などの古典的な転移カスケードの第一段階中に検査した。ゲル中のFucci発現HeLa細胞を、皮膚静脈に接種した。さらに、生存細胞のイメージングを行なった。興味深いことには、初期段階では、静脈の内壁に固着した細胞のほぼすべては、G1期にあった(図5I及び5J)。浸潤・転移プロセスで細胞のイメージを捕らえた(図5K、5L及び5M)。静脈壁を横切ったHeLa細胞のクラスター内では、黄色の断片化した核を示す長方形の細胞が壁を通過することを観察した。接種4日後、HeLa細胞が、組織に侵入し増殖することを観察し(図5N及び5O)、これは浸潤・転移の多数の発生を示唆する。
【0096】
これまでに、マウスに注入された別個に標識された細胞質及び核をもつ培養細胞が、癌細胞の輸送、生マウスにおける細胞死、変形、浸潤・転移、及び有糸分裂をモニターするために、核-細胞質力学を想像することに使用することができる場合があることが知られている。これらの細胞質標識技術と組み合わせて、生きている動物に注入された、安定して形質変換されたFucci発現細胞の蛍光イメージングは、腫物の成長及び転移の振る舞いとして信頼できる薬力学的な読み出しを供給するだろう。
【0097】
Fucciトランスジェニックマウスにおける神経組織発生の細胞周期分析結果
遺伝学的にコード化されたプローブの主な1つの利点は、転写調節に依存する必要がないということである;その転写は構成的恒常的なプロモーターを使用して動くことを可能とする。したがって、容易に細胞周期分析用の遺伝子組み換え生物を生成作製できる。FucciトランスジェニックE13胎期マウスを固定化し、脳の冠状断切片を用意した。赤色及びまたは緑色蛍光は共焦点走査顕微鏡を用いて、すべての部分において検査された。3つの代表的な部分の蛍光イメージを図6A、6E及び6Iの中で示した。赤色及び緑色シグナルは、胚形成期でよく平衡に保たれるように見える。しかし、マウスが成長するとともに、赤色に対する緑色シグナルの全体比率は減少する。
【0098】
発生中の大脳皮質(図6B、6F、6G及び6J)では、赤色のmKO2-Cdt1#10蛍光を発する核は、2つの主な細胞集団で区別された:脳膜面(CP)中の異なる層に住みうる、有系分裂後のニューロン及びVZ中の有系分裂の神経前駆細胞。有系分裂後のニューロンは、恐らく細胞周期逸脱後のmKO2-Cdt1#10の蓄積により、はるかに明るい赤色蛍光を示した。さらに、血管の明るい赤色の核は、VZにおいて視覚化された(図6B及び6F)。間脳では、G1期の細胞の縞があり、zona limitans intrathalamica(zli)に相当する。視床上部は下部の視床より多くの緑色の核を含んでおり(図6I及び6J)、下部領域の細胞が、上部領域のものに先立つ分化のために、細胞周期からの逸脱が早いことを支持する。
【0099】
有系分裂及び有系分裂後の細胞の間の赤色蛍光の分化強度はまた、嗅覚及び鋤鼻系(それぞれ図6C及び6D)、並びに網膜(図6H)の神経上皮の発生中に観察された。高及び低強度の蛍光性の核のランダムな分布は、嗅覚及び鋤鼻上皮の構造がE13でまだ確立されていないことを示唆する。対照的に、明るい赤色の核は、発生途中の網膜の中央の頂点領域(図6H)で観察された。その発生途中の網膜の神経節細胞は、遠心分離を受ける。レンズ上皮細胞もこの段階で細胞周期を出た。明るい赤色蛍光を持った他の神経外の組織は三叉神経節(図6K)及び脳下垂体(図6L)を含む。
【0100】
GemininとCdt1は、初期のマウス神経新生中に神経前駆細胞によって十分に発現されることがこれまでに知られていたが、遅い発生段階で転写を下流制御する。Fucciシグナルはトランスジェニックマウス中の転写調節によって影響されない。
【0101】
発生途中の大脳皮質において、いくつかの神経前駆細胞は、細胞周期を出て、及びそれらがニューロン又は後期段階で膠細胞に分化する、VZを越えて移転する。神経前駆細胞はまた、VZ内の典型的な移動パターンを受ける;それらの核は、インターカイネティック核動作として知られている特有の動作を受ける。S期の核が脳室面に向かって移動し、M期の核は脳室面に局在化する。神経前駆細胞の増殖、分化及び移動の空間及び時間制御を観察するために、E13のFucciトランスジェニック胎期マウスから用意された背面終脳のスライスを用いて、タイムラプスイメージング実験を行なった(図7A)。皮質スライスを使用したタイムラプスイメージング実験は、3時間以上の間隔で通常得られる。そのような長期の間隔では、核の動作や細胞周期進行を充分にモニターすることができない。しかしながら、明るいFucci蛍光は、FV1000多重位置ステージシステムを使用して、xyz-tモードで10分間隔をもつ3Dタイムラプスイメージングを可能にする。各時間ポイントにおいては、Z軸(2μmステップ)に沿った20の共焦点イメージが得られた。さらに、スライスの40%酸素への暴露(通常の20%に代えて)が、イメージング実験中に細胞増殖、分化及び移動を著しく改善した。これまでに述べたように、細胞分裂直後の神経前駆細胞の赤色の核は、神経分化した赤色の核よりも格段に蛍光が弱かった。VZ内の細胞周期中の核の移動を視覚化するために、赤色蛍光用の光電子増倍管(PMT)感度を増加させた。CPの中の核は飽和した赤色蛍光を示したが、VZの中の核は等価なレベルの緑色又は赤色蛍光を示した(図7B)。これらの条件の下では、明白に細胞周期進行中の緑色と赤色の変化及び細胞の移動を明白に追跡し得た。
【0102】
インターカイネティック核動作に対応する神経前駆細胞の核の軌道を追跡した。脳室下帯(IZ)付近のS期の細胞が、G2期を経て、脳室面(VZ)へ移動しM期に突入し細胞分裂後2つのG1細胞になる1連の動きを追跡したものが図7C(左)で示される。分裂後の2つのG1細胞は赤色を呈し、脳室面から離れて移動し始めた。 また別の細胞はいわゆるエレベーター運動を示し(図7C,真中)、G1期では脳室下帯に向かって上昇し、G1/Sのタイミングで脳室下帯でヘアピンカーブを切るように方向転換をしS期になって脳室面へと移動した。さらに多くの細胞が脳室面で分裂期を迎えるのに対して、数%の細胞は脳室下帯でも分裂期を迎える事が知られており、その細胞を捕らえる事もできた(図7C,右)。最後に脳室下帯を横切るように赤色の核が非常に早く移動する現象も捉えた。これらの核は皮質のGABA(γ-amino-butyric-acid)ニューロンに属する細胞と思われる。サブパリアル(subpallial)な旧人類の終脳中で生れて、それらの最終移動場所に到着するために接線方向に移動する事がしられている。
【0103】
Fucciの核の局在性は次の観点において有利である:mCherry及びmKeimaなどの、mAG及びmKO2の両方とスペクトル的に異なるさらなる遠赤外の蛍光性タンパク質は、細胞タイプを同定し、かつ細胞形態学を観察するために、それらに核輸出シグナル(NES)で札付けすることにより細胞質中で発現し、識別されうる。第三の色の蛍光シグナルも化学染料によって提供され得る。図7に示される実験では、脳軟膜を連結している前駆細胞に希薄に標識するために脳のスライスの軟膜の表面に澄んだDiD結晶でラベルした。動作を追跡した(データは示していない)緑色の核を示す前駆細胞の二極化した形態を同定することができる例である。
【0104】
カメレオン及びRaichu-Rasを代表とするFRET型インディケータを細胞質に発現させることで、細胞周期と同時に細胞内現象を理解する事が可能である。(データは示していない。)例えば、Fucci発現COS7細胞へRaichu-Rasをトランスフェクトすると、Rasの活性化は上皮増殖因子(EGF)シグナルに応じてS/G2期よりもG1期においてより活発である事が証明された。したがって、多数の細胞内の出来事の細胞周期依存性は細胞周期同期技術を使用せずに解明されうる。これらの蛍光プローブとタンパク質とを結合する多重カラーイメージングは、さらにFucci技術の適用を拡張し得る。
【0105】
Fucci技術は2つの色のイメージ化を可能とし、G1及びS/G2/M期の中の実際の細胞を区別できる。この技術は、2つの色(赤と緑)の間の蛍光の明るさ及び高コントラストによる、細胞周期力学の空間及び時間のパターンのin vivoでの分析を可能にする。FucciはmKO2-Cdt1#10及びmAG-Geminin#2からなるが、どちらか一方のトランスフェクションは細胞周期指示薬機能を与える際に十分である;例えば、トランスジェニックマウス系統#504はmAG-Geminin#2を生産するが、しかしながら増殖パターンに関するin vivoの情報を提供する。それが黄色のシグナルをもつG1/S転移を強調し、及び細胞周期中の細胞又は核の移動を連続的に追跡することを可能にするので、両方の構築物の共発現は、実質的に相当により有用である。この点では、2つの構成物の化学量論をコントロールする、信頼できる遺伝子導入技術は必要である。
【0106】
さらに、(1)mKO2とmAG の組み合わせとは異なる進化したFucciの作製を目指し(図8、9)、(2)G1/S 移行とは異なるフェーズの可視化を可能とするプローブの開発を目指し、及び(3)哺乳類以外の個体で機能するFucci誘導体を開発することを含む。そのような研究は、細胞周期進行及びユビキチン媒介型タンパク質分解の両方の基礎となる分子メカニズムの調査が有益である。上記について、Cdt1とGemininの一次構造が種によって変わることは注目されるべきである。mKO2又はmAGをこれらの2つのタンパク質のより低い真核生物の相同性のある領域に札付けすることによって、魚と昆虫の細胞の中で機能するFucciの派生体を開発した。さらに、原腸胚形成や変成などの主な形態形成イベント中、及び陥入、退縮及び分岐などの基礎的な形態形成プロセス中に細胞周期進行の空間及び時間制御を調査するために哺乳類以外のFucciを発現するトランスジェニックのゼブラフィッシュ及びショウジョウバエ系統を生成した。
【0107】
実施例7:Fucciプローブを用いた抗がん剤のスクリーニング
Fucciを恒常的に発現する良性腫瘍細胞(NMuMG細胞)および、Fucciを恒常的に発現する悪性腫瘍細胞(HeLa細胞)を用い、抗がん剤などに対する反応を観察した(図10)。コントロールとしたDMSO処理の細胞からのデータは、赤色と緑色が混在し、通常の増殖を示した。CDK4 inhibitor(G1期阻害剤)は、良性腫瘍細胞のNMuMG細胞には十分に作用するが、悪性腫瘍細胞のHeLa細胞には効果がなかった。etoposide(topoisomerase 2 の阻害剤)は、悪性腫瘍細胞には十分作用し、S/G2 期での細胞周期停止が起きるが、NMuMG細胞では効果が強く、apotosisが誘導された。Nocodazole(M期阻害剤)は、いずれの細胞もM期で丸くなった状態で停止した。
【0108】
(材料供給元)
mKO2-Cdt1#10およびmAG-Geminin#2などのDNA構築物、それらの安定した形質転換体細胞系統、およびこの明細書中で記載されたトランスジェニックマウス系統は、MBLインターナショナル(Amalgaam) (http://www.mblintl.com/mbli/index.asp).からのmKO2又はmAGに対するcDNAの付随購入で供給されうる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1は、mKOとmKO2の蛍光輝度を比較した結果を示す。
【図2】図2は、Fucciを恒常的に発現するHeLa細胞のイメージング画像で、細胞周期進行に対応した核の蛍光パターンを示す。
【図3】図3は、Fucciプローブのメカニズム及び性能評価実験について示す。
【図4】図4は、Fucciを恒常的に発現する細胞の行動変化及び、細胞周期力学のモニタリング結果を示す。
【図5】図5は、生マウス中の腫瘍細胞の細胞周期進行をFucciプローブでモニタリングした結果を示す。
【図6】図6は、Fucciトランスジェニックマウスにおける神経組織発生の細胞周期分析結果を示す。
【図7】図7は、Fucciトランスジェニックマウス胎児期E13におけるマウスの脳原基のスライスを用いたタイムラプスイメージング実験結果を示す。
【図8】図8は、次世代Fucciを恒常的に発現するPC12細胞のイメージング画像を示す。(mCherry-Cdt1#10 及び mVenus-Geminin#2)
【図9】図9は、次世代Fucciを恒常的に発現するHeLa細胞のイメージング画像を示す。(mCherry-Cdt1#10 及び mCGFP-Geminin#2)
【図10】図10は、Fucciプローブを用いた抗がん剤のスクリーニング結果を示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9