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明細書 :可視光吸収素子と、これを有する温度可視化装置および赤外線可視化装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成29年11月30日(2017.11.30)
発明の名称または考案の名称 可視光吸収素子と、これを有する温度可視化装置および赤外線可視化装置
国際特許分類 G01J   5/40        (2006.01)
G01J   5/48        (2006.01)
G01J   1/02        (2006.01)
G01J   1/38        (2006.01)
G02B   5/22        (2006.01)
FI G01J 5/40
G01J 5/48 Z
G01J 1/02 Q
G01J 1/38
G01J 1/02 R
G02B 5/22
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 27
出願番号 特願2017-500623 (P2017-500623)
国際出願番号 PCT/JP2016/053898
国際公開番号 WO2016/132979
国際出願日 平成28年2月10日(2016.2.10)
国際公開日 平成28年8月25日(2016.8.25)
優先権出願番号 2015031497
優先日 平成27年2月20日(2015.2.20)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JP , KE , KG , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US
発明者または考案者 【氏名】田中 拓男
出願人 【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100097515、【弁理士】、【氏名又は名称】堀田 実
審査請求 未請求
テーマコード 2G065
2G066
2H148
Fターム 2G065AA11
2G065AB02
2G065BA14
2G065BA34
2G065BA40
2G065DA18
2G066BA14
2G066BA20
2G066BA55
2G066CA02
2G066CA16
2H148CA05
2H148CA12
2H148CA14
2H148CA17
2H148CA23
要約 可視光吸収素子10は、対象物から受けた熱による温度変化に応じて、反射または透過する可視光線の周波数成分を変化させる。可視光吸収素子10は、可視光線の周波数範囲に含まれる共振周波数を有する。可視光吸収素子10は、共振周波数と同じ周波数の可視光線を吸収する。可視光吸収素子10は、温度変化で熱変形することにより共振周波数を変化させて、変化した共振周波数の可視光線を吸収する。
特許請求の範囲 【請求項1】
対象物から受けた熱に応じて、反射または透過する可視光線の周波数成分を変化させる可視光吸収素子であって、
可視光線の周波数範囲に含まれる共振周波数を有し、この共振周波数の可視光線が入射してくると、共振して該可視光線を吸収し、
温度変化で熱変形を起こすことにより、前記共振周波数を変化させて、変化した該共振周波数の可視光線を吸収する可視光吸収素子。
【請求項2】
インダクタンス(L)を持つコイルとして機能するインダクタンス部と、
キャパシタンス(C)を持つコンデンサとして機能するコンデンサ部とを有し、
前記インダクタンス部と前記コンデンサ部とが直列に接続されていることにより、前記インダクタンス部と前記コンデンサ部はLC回路を構成し、
前記LC回路は、前記共振周波数を持ち、
前記インダクタンス部と前記コンデンサ部の一方または両方が熱変形することにより、前記共振周波数を変化させる、請求項1に記載の可視光吸収素子。
【請求項3】
前記可視光吸収素子は、リング形状を有し、このリング形状の周方向の一部において、リング形状を周方向に不連続にする空間が設けられており、
導電性材料を含む材料で形成されており、前記共振周波数の可視光線が前記可視光吸収素子に入射すると、前記可視光吸収素子は、この可視光線に共振して、前記周方向に電流が自身に流れる、請求項1に記載の可視光吸収素子。
【請求項4】
前記可視光吸収素子は、前記リング形状の半径方向に積層された第1および第2の層を有し、
第1および第2の層の少なくとも一方は、前記導電性材料で形成されており、
前記第1の層と第2の層とは、互いに異なる熱膨張係数を有する、請求項3に記載の可視光吸収素子。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の可視光吸収素子と、
熱伝導性を有する材料で形成されたシート形状体とを有し、
前記シート形状体は、その厚み方向の両側にそれぞれ取付面と素子配置面とを有し、
前記取付面は、対象物の温度測定時に対象物の測定対象面に取り付けられ、
前記素子配置面には、多数の前記可視光吸収素子が配置されている温度可視化装置。
【請求項6】
前記シート形状体は可撓性を有する、請求項5に記載の温度可視化装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の可視光吸収素子と、
多数の前記可視光吸収素子が配置される素子支持体と、
前記各可視光吸収素子に熱的に接続されている赤外線吸収部とを有する赤外線可視化装置。
【請求項8】
多数の前記可視光吸収素子は、1つまたは多数の前記赤外線吸収部に一体的に結合されている、請求項7に記載の赤外線可視化装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、入射してきた可視光線のうち、一部の周波数成分を吸収し、他の周波数成分を反射または透過させる可視光吸収素子に関する。より詳しくは、対象物から受けた熱に応じて、反射または透過させる可視光線の周波数成分を変化させる可視光吸収素子に関する。また、本発明は、このような可視光吸収素子を有する温度可視化装置および赤外線可視化装置を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
対象物の温度を測るには温度計測装置が利用される。温度計測装置には、様々な原理に基づくものがある。例えば、物質の熱膨張を利用した装置や、温度差を電圧に変換する熱電対を用いた装置がある。
【0003】
これらの温度計測装置は、一般的には、対象物に接触した状態で対象物の温度を計測する。
【0004】
一方、対象物に非接触で対象物の温度を計測する装置として、サーモグラフィカメラがある。サーモグラフィカメラは、例えば下記の特許文献1に記載されている。サーモグラフィカメラは、赤外線検出素子を二次元的に配置した二次元アレイを有する。サーモグラフィカメラは、対象物からの赤外線を二次元アレイで受けて、受けた赤外線に基づいて、対象物の温度分布を、例えばディスプレイに表示して可視化する。
【0005】
なお、後述する本発明の構成例に関連する文献として、下記の特許文献2および非特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2013-145233号公報
【特許文献2】特開2014-44164号公報
【0007】

【非特許文献1】Kentaro Miyoshi et al, ”Facile Fabrication of Silver Nanofin Array via Electroless Plating”, Pages 4205-4208, American Chemical Society, Published on Web 03/01/2008
【非特許文献2】Shigenori Fujikawa et al, ”Fabrication of Arrays of Sub-20-nm Silica Walls via Photolithography and Solution-Based Molecular Coating”, Pages 9057-9061, American Chemical Society Published on Web 09/14/2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
物体の温度分布を可視化するサーモグラフィカメラは、その画素数が、例えば30万程度であり、同じ面積で数千万画素を持つデジタルカメラとは画素数の点で大きく異なる。これは、以下のように、赤外線の光エネルギーが低いことに起因している。赤外線が持つ光エネルギーは低いので、サーモグラフィカメラでは、周辺環境からのノイズの影響が大きく、S/N比を高くすることが困難である。したがって、サーモグラフィカメラでは、各赤外線検出素子の受光面積を大きくして信号強度を確保する必要がある。その結果、サーモグラフィカメラにおける二次元アレイを構成する各素子が大きくなり、その画素数を増やすことが困難である。
【0009】
そのため、二次元アレイの各素子を小型化して、同じ寸法で、その画素数を増やせるようにすることが望まれる。
【0010】
また、物質の熱膨張を利用した温度計測装置や、温度差を電圧に変換する熱電対を用いた温度計測装置や、サーモグラフィカメラなどでは、温度を示す検出信号を処理するための構成(配線や信号増幅器など)が、大掛かりになる場合が多い。
【0011】
そのため、温度検出をするための装置の構成を単純化できるようにすることも望まれる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、従来よりも小型の素子で、または、従来よりも単純な構成で、温度を表わす熱や熱に密接に関連する赤外線を可視化して認識可能にするための新たな手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するため、本発明によると、対象物から受けた熱に応じて、反射または透過する可視光線の周波数成分を変化させる可視光吸収素子であって、
可視光線の周波数範囲に含まれる共振周波数を有し、この共振周波数の可視光線が入射してくると、共振して該可視光線を吸収し、
温度変化で熱変形を起こすことにより、前記共振周波数を変化させて、変化した該共振周波数の可視光線を吸収する可視光吸収素子が提供される。
【0014】
可視光吸収素子は、例えば、以下のように構成される。
【0015】
可視光吸収素子は、インダクタンス(L)を持つコイルとして機能するインダクタンス部と、
キャパシタンス(C)を持つコンデンサとして機能するコンデンサ部とを有し、
前記インダクタンス部と前記コンデンサ部とが直列に接続されていることにより、前記インダクタンス部と前記コンデンサ部はLC回路を構成し、
前記LC回路は、前記共振周波数を持ち、
前記インダクタンス部と前記コンデンサ部の一方または両方が熱変形することにより、前記共振周波数を変化させる。
【0016】
可視光吸収素子は、リング形状を有し、このリング形状の周方向の一部において、リング形状を周方向に不連続にする空間が設けられており、
前記共振周波数の可視光線が可視光吸収素子に入射すると、可視光吸収素子は、この可視光線に共振して、前記周方向に電流が自身に流れるように、導電性材料を含む材料で形成されている。
【0017】
可視光吸収素子は、前記リング形状の半径方向に積層された第1および第2の層を有し、
第1および第2の層の少なくとも一方は、前記導電性材料で形成されており、
第1の層と第2の層とは、互いに異なる熱膨張係数を有する。
【0018】
本発明によると、上述した可視光吸収素子と、
熱伝導性を有する材料で形成されたシート形状体とを有し、
前記シート形状体は、その厚み方向の両側にそれぞれ取付面と素子配置面とを有し、
前記取付面は、対象物の温度測定時に対象物の測定対象面に取り付けられ、
前記素子配置面には、多数の前記可視光吸収素子が配置されている温度可視化装置が提供される。
【0019】
一例では、前記シート形状体は可撓性を有する。
【0020】
本発明によると、上述した可視光吸収素子と、
多数の前記可視光吸収素子が配置される素子支持体と、
前記各可視光吸収素子に熱的に接続されている赤外線吸収部とを有する赤外線可視化装置が提供される。
【0021】
一例では、多数の前記可視光吸収素子は、1つまたは多数の前記赤外線吸収部に一体的に結合されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の可視光吸収素子は、この素子の温度が変化することで熱膨張などの熱変形を起こすことにより共振周波数を変化させて、変化した共振周波数の可視光線を吸収する。したがって、可視光吸収素子は、受けた熱に応じて、吸収する可視光線の周波数を変化させる。この構成により、可視光吸収素子に白色光を入射させると、可視光吸収素子は、受けた熱に応じて、反射させる可視光線の周波数成分(色)または透過させる光の周波数成分を変える。よって、熱を可視光域の色に変換することが可能となる。
【0023】
このような可視光吸収素子は、例えば、下記の効果(1)(2)の少なくともいずれを得ることが可能となる。
【0024】
(1)可視光吸収素子は、可視光領域に共振周波数を持つので、この素子の寸法は、例えばマイクロメートル~サブマイクロメートルのオーダーと小さくなる。このような寸法の可視光吸収素子は、例えば後述するように電子線描画法や真空蒸着法を用いて作製できる。したがって、温度を可視化するための素子を小型化できる。
【0025】
(2)可視光吸収素子が反射した可視光線の周波数成分、または、可視光吸収素子を透過した可視光線の周波数成分は、対象物の温度に対応する。したがって、このような可視光線の周波数成分(色)を、目視で認識し、または、カメラや分光器などを用いて認識することにより、対象物の温度を知ることが可能となる。この場合、温度を表わす信号を取り出すための配線を可視光吸収素子に接続しなくてもよいので、単純な構成で、対象物の温度を検出することが可能となる。

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による可視光吸収素子を示す斜視図である。
【図2A】図1における2A-2A線矢視図である。
【図2B】図2Aの状態から熱膨張で変形した可視光吸収素子を示す。
【図3A】可視光吸収素子の製造方法を説明するための図である。
【図3B】可視光吸収素子の製造方法を説明するための他の図である。
【図3C】可視光吸収素子の製造方法を説明するための他の図である。
【図3D】可視光吸収素子の製造方法を説明するための他の図である。
【図3E】可視光吸収素子の製造方法を説明するための他の図である。
【図4】本発明の実施形態による温度可視化装置を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態による赤外線可視化装置を示す斜視図である。
【図6】図5における多数の可視光吸収素子のうちの1つを示す。
【図7A】可視光吸収素子の別の構成例1を示す。
【図7B】可視光吸収素子の別の構成例2を示す。
【図7C】可視光吸収素子の別の構成例3を示す。
【図7D】可視光吸収素子の別の構成例4を示す。
【図7E】可視光吸収素子の構成例4の他の形態を示す。
【図7F】図7EのF-F線矢視図である。
【図8A】可視光吸収素子の別の構成例5を示す。
【図8B】図8Aの可視光吸収素子を有する温度可視化装置の構成例を示す。
【図8C】図8Aの可視光吸収素子を有する赤外線可視化装置の構成例を示す。
【図8D】図8Cの構成を素子支持体に配置した状態を示す。
【図9A】可視光吸収素子の別の構成例6を示す。
【図9B】図9Aの可視光吸収素子を有する温度可視化装置の構成例を示す。
【図9C】図9Aの可視光吸収素子を有する赤外線可視化装置の構成例を示す。
【図9D】図9Cの構成を素子支持体に配置した状態を示す。
【図10A】可視光吸収素子の別の構成例7を示す。
【図10B】図10Aの可視光吸収素子を有する温度可視化装置の構成例を示す。
【図10C】図10Aの可視光吸収素子を有する赤外線可視化装置の構成例を示す。
【図10D】図10Cの構成を素子支持体に配置した状態を示す。
【図11A】可視光吸収素子の別の構成例8を示す。
【図11B】図11Aにおいてコンデンサ部の記号を付加した図である。
【図11C】図11Aの可視光吸収素子を有する温度可視化装置の構成例を示す。
【図11D】図11Aの可視光吸収素子を有する赤外線可視化装置の構成例を示す。
【図11E】図11Dの構成を素子支持体に配置した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。

【0028】
(可視光吸収素子の実施形態)
図1は、本発明の実施形態による可視光吸収素子10を示す斜視図である。図2Aは、図1における2A-2A線矢視図である。

【0029】
可視光吸収素子10は、温度を測定する対象物(以下、単に対象物という)から受けた熱に応じて、反射する可視光線の周波数成分、または、自身を透過させる可視光線の周波数成分を変化させる。

【0030】
可視光吸収素子10は、可視光線の周波数範囲に含まれる共振周波数(以下、単に共振周波数ともいう)を有する。共振周波数の可視光線が可視光吸収素子10に入射してくると、可視光吸収素子10は、共振して可視光線を吸収する。
可視光吸収素子10は、対象物から受けた熱に応じて熱変形することにより共振周波数を変化させて、変化した共振周波数の可視光線を吸収する。

【0031】
図1と図2Aに示すように、可視光吸収素子10は、リング形状を有する。このリング形状の周方向(以下、単に周方向ともいう)の一部において、リング形状を周方向に不連続にする空間5が可視光吸収素子10に設けられている。すなわち、可視光吸収素子10は、周方向に連続して延びているが、完全に1周せずに、空間5により周方向において不連続になっている。

【0032】
共振周波数の可視光線が可視光吸収素子10に入射すると、可視光吸収素子10は、この可視光線に共振して、周方向に電流が自身に流れるように、導電性材料を含む材料で形成されている。

【0033】
可視光吸収素子10は、図2Aに示すように、上述のリング形状の半径方向(以下、単に半径方向ともいう)に積層された第1および第2の層3a,3bを有する。第1および第2の層3a,3bは、半径方向に互いに結合されている。第1および第2の層3a,3bの少なくとも一方は、上述した導電性材料で形成されている。

【0034】
このような可視光吸収素子10は、コイルとコンデンサとを直列に配置したLC回路とみなせる。ここで、コイルは、上述のリング形状の半径に依存するインダクタンスLを有し、コンデンサは、図1の符号7bが示す部分(アーム部)の断面積や空間5の周方向寸法に依存するキャパシタンスCを有する。可視光吸収素子10に入射した可視光線のうち、このLC回路の共振周波数を有する可視光線が、可視光吸収素子10に吸収される。

【0035】
図1と図2Aにおいて、可視光吸収素子10は、中央部7aと2つのアーム部7bを有する。2つのアーム部7bは、中央部7aから周方向にそれぞれ延びている。2つのアーム部7bの先端同士は、互いに周方向において空間5により隔てられている。すなわち、空間5は、一方のアーム部7bの先端から他方のアーム部7bの先端まで周方向に延びている。

【0036】
なお、中央部7aと2つのアーム部7bは、インダクタンスLを有するインダクタンス部として機能し、2つのアーム部7bの先端(空間5)は、キャパシタンスCを有するコンデンサ部として機能する。インダクタンス部とコンデンサ部はLC回路を構成する。このLC回路は、共振周波数を持ち、インダクタンス部とコンデンサ部の一方または両方(図1では、主に、インダクタンス部を構成する2つのアーム部7b)が熱膨張などによって熱変形することにより、共振周波数を変化させる。

【0037】
第1の層3aと第2の層3bとは、互いに異なる熱膨張係数を有する。これにより、可視光吸収素子10は、熱膨張で変形する時に、半径方向に変形しやすくなる。したがって、可視光吸収素子10の熱変形により、空間5の周方向寸法を大きく変えることができる。

【0038】
第1および第2の層3a,3bの一方は、好ましくは、導電性材料としての金、銀、またはアルミニウムで形成されている。この場合、第1および第2の層3a,3bの他方は、例えば、ニッケル、アルミニウム、銅、有機化合物、無機化合物、または合金(例えば真鍮)であってよい。可視光吸収素子10の温度変化に対する素子10の熱変形の度合いを上げるには、第1の層3aと第2の層3bとが互いに異なる熱膨張係数を有するように、第1の層3aの材料と第2の層3bの材料とは互いに異なっているのがよい。ただし、2つのアーム部7bと中央部7aの各々は、第1および第2の層3a,3bで形成されていなくてもよく、1つの層により形成されてもよい。

【0039】
上述した本実施形態の可視光吸収素子10により、以下の作用効果が得られる。

【0040】
リング形状の可視光吸収素子10は、対象物から熱を受けると、例えば、図2Aの状態から図2Bの状態へ熱変形する。その結果、空間5の周方向寸法、および、可視光吸収素子10のリング形状の寸法が変化することにより、可視光吸収素子10の共振周波数が可視光線の周波数範囲内で変化する。
したがって、可視光吸収素子10に白色光を入射させると、可視光吸収素子10の温度(熱)に応じて、可視光吸収素子10は、反射させる可視光線の周波数成分(色)または透過させる可視光線の周波数成分を変える。よって、熱を可視光域の色に変換することが可能となる。

【0041】
また、可視光吸収素子10は、可視光領域に共振周波数を持つので、この素子10の寸法は、例えばマイクロメートル~サブマイクロメートルのオーダーと小さくなる。

【0042】
なお、可視光吸収素子10に入射してくる可視光線の磁場の振動方向が可視光吸収素子10の中心軸Cの方向(図2Aの紙面と垂直な方向)を向いている場合に、この可視光線の共振周波数成分が可視光吸収素子10に最も吸収される。

【0043】
また、可視光吸収素子10が反射した可視光線のスペクトル、または、可視光吸収素子10を透過した可視光線のスペクトルは、対象物の温度または温度分布を示す。したがって、このような可視光線のスペクトルを、目視や分光装置などで認識することにより、対象物の温度または温度分布が得られる。この場合、温度検出信号を取り出すための配線を可視光吸収素子10に接続しなくてもよいので、単純な構成で、対象物の温度または温度分布を検出することが可能となる。

【0044】
図3A~図3Eは、上述した可視光吸収素子10の製造方法の説明図である。図3A~図3Eに基づいて、可視光吸収素子10の製造方法について説明する。

【0045】
最初に、図3Aに示すように、シリコン基板の表面に、電子線に感光するポリメチルメタクリレート(PMMA)レジスト材料を塗布する。すなわち、シリコン基板の表面にPMMA膜を形成する。

【0046】
次に、電子線描画法を用いて、PMMA膜に細長いリボンパターン溝を描画する。リボンパターンは、中央部だけ線幅を広くしておく。リボンパターンを描画した後、PMMA膜を現像する。これにより、電子線を照射した部分のPMMA膜が除去されて、図3Bに示すように、リボンパターンの細い溝がPMMA膜に形成される。

【0047】
次に、図3Cに示すように、シリコン基板に、第1および第2の層3a,3bを真空蒸着法やスパッタリング法で蒸着する。例えば、第1の層3aは、ニッケル(Ni)の薄膜であり、第2の層3bは、金(Au)の薄膜である。

【0048】
その後、残ったPMMA膜を除去すると、図3Dのように、リボンパターンの細い溝内においてシリコン基板に直接付着していた第1および第2の層3a,3bだけが残る。すなわち、リボンパターンの第1および第2の層3a,3bからなるリボン形状部7が形成される。リボン形状部7は、リボン形状部7の長手方向(以下、単に長手方向という)に直交する方向の幅が広い中央部7aと、中央部7aから長手方向にそれぞれ直線状に延びている2つのアーム部7bを有する。

【0049】
次に、シリコン基板を四フッ化炭素(CF)ガスを用いたドライエッチングによりシリコン基板だけを削る。この時、等方的なエッチングを行うと、シリコン基板において、表面のみならずリボン形状部7の裏側の部分(すなわち、図3Eにおけるリボン形状部7の下側の部分)も削られる。この場合、シリコン基板において、中央部7aの裏側部分(中央部7aに接触している部分)が完全に削られる前にエッチングを終えると、リボン形状部7は中央部7aのみがシリコン基板に固定され、2つのアーム部7bがシリコン基板表面から離れて浮いた構造になる。この基板を真空槽から大気中に取り出すと、第1および第2の層3a,3b(例えば、第1の層3aであるニッケルと、第2の層3bである金)に働く残留応力の違いによって、図1と図2Aのように、各アーム部7bは湾曲し、シリコン基板表面に自立したリング構造を形成する。各アーム部7bが湾曲したことによりリング形状となったリボン形状部7が、上述した可視光吸収素子10である。すなわち、可視光吸収素子10は、中央部7aと、湾曲した2つのアーム部7bとを有する。

【0050】
上述のように作製されたリング形状の可視光吸収素子10について、アーム部7bの断面積や、アーム部7bの周方向長さや、リボン形状部7の半径や、空間5の寸法などは、可視光吸収素子10の共振周波数が可視光線の周波数範囲内になるように設計される。すなわち、可視光吸収素子10が熱変形していない状態と、様々な温度で可視光吸収素子10が熱変形した状態との両方において、可視光吸収素子10の共振周波数が、可視光線の周波数範囲内になるようにリボン形状部7の各部の寸法が設計される。なお、リボン形状部7の半径方向厚みは、例えば、ナノメートル~マイクロメートルのオーダーの範囲である。

【0051】
本実施形態による可視光吸収素子10は、上述の製造方法のように、電子線描画法によりその形状や寸法を描画し、描画した部分に真空蒸着法とドライエッチングを行うことにより製造可能である。この製造方法により、マイクロメートル~サブマイクロメートルのオーダーの寸法を有するリング形状の可視光吸収素子10を作製できる。すなわち、小型の可視光吸収素子10を作製できる。

【0052】
(温度可視化装置)
次に、上述した可視光吸収素子10を含む温度可視化装置20を説明する。

【0053】
図4は、本発明の実施形態による温度可視化装置20を示す斜視図である。温度可視化装置20は、多数の可視光吸収素子10と、シート形状体9とを有する。

【0054】
多数の可視光吸収素子10は、互いに同じ構成を有する(すなわち、寸法や形状や材料が同じである)。各可視光吸収素子10は、図1に示す可視光吸収素子10と同じ構成を有する。

【0055】
シート形状体9は、対象物の測定対象面に取り付けられる。シート形状体9は、その厚み方向の両側にそれぞれ取付面9aと素子配置面9bを有する。取付面9aは、対象物の温度測定時に対象物の測定対象面に取り付けられる。素子配置面9bには、多数の可視光吸収素子10がアレイ状に配置されている。

【0056】
シート形状体9は、上述した図1~図3Eにおけるシリコン基板である。この場合、各可視光吸収素子10は、上述の製造方法と同様の方法により、同じシリコン基板上に同時に形成されてよい。シート形状体9をシリコン以外の他の材料で形成する場合には、上述と図1~図3Eにおいて、シリコン基板が、他の材料に置き換えられる。

【0057】
図4は、シート形状体9の素子配置面9bの一部を図示している。図4では、多数の可視光吸収素子10の向き(図1の中心軸Cの向き)の種類を複数(図4では、4種類)にして素子配置面9bに配置している。可視光吸収素子10に入射してくる可視光線の磁場の振動方向が可視光吸収素子10の中心軸Cの方向を向いている場合に、この可視光線の共振周波数成分が可視光吸収素子10に最も吸収される。そのため、例えば、偏光していない白色光を素子配置面9bに入射させる場合は、図4のように、多数の可視光吸収素子10の向きの種類を複数にする。一方、直線偏光している白色光を素子配置面9bに入射させる場合には、素子配置面9bに配置された多数の可視光吸収素子10の向きを1種類にして、白色光の磁場の振動方向と多数の可視光吸収素子10の向き(図1の中心軸Cの向き)とを合わせてもよい。

【0058】
シート形状体9は、熱伝導性を有する材料で形成されている。これにより、シート形状体9の取付面9aを対象物の測定対象面に取り付けた状態(好ましくは、密着させた状態)で、シート形状体9は、この測定対象面の熱を素子配置面9bの各可視光吸収素子10に伝える。したがって、各可視光吸収素子10は、シート形状体9を介して対象物の測定対象面から受けた熱に応じて熱変形し、その共振周波数を変化させる。

【0059】
シート形状体9は、好ましくは、可撓性を有する。シート形状体9が、可撓性を有して柔軟に変形可能であることにより、シート形状体9を、対象物の測定対象面の形状に合わせて変形させることができる。したがって、測定対象面が平面でなくても、シート形状体9の取付面9aを測定対象面に密着させることができる。この場合、可撓性を有するシート形状体9は、例えば、ポリマーで形成されている。

【0060】
代わりに、シート形状体9は、例えば、ガラス、金属、結晶、またはセラミックスで形成されていてもよい。ただし、シート形状体9は、上記に限定されず、測定対象面の温度範囲において耐久性がある他の物質で形成されていてもよい。

【0061】
対象物は、例えば、自動車のエンジンや溶鉱炉の炉壁などであるが、温度の分布を測定したいものであれば、これらに限定されない。

【0062】
上述した本実施形態の温度可視化装置20により、以下の作用効果が得られる。

【0063】
シート形状体9の取付面9aを対象物の測定対象面に取り付けた(好ましくは、密着させた)状態で、シート形状体9の素子配置面9bの温度分布は、測定対象面における温度分布に応じた分布になる。したがって、多数の可視光吸収素子10がそれぞれ有する共振周波数の、素子配置面9bにおける分布は、素子配置面9bの温度分布、すなわち、測定対象面に応じた分布になる。したがって、素子配置面9bに白色光を入射させると、この白色光が素子配置面9bで反射された反射光、または、この白色光が素子配置面9bを透過した透過光の色は、測定対象面における温度分布に応じた分布となる。すなわち、素子配置面9bの色の分布は、測定対象面における温度分布に応じた分布となる。このように、温度可視化装置20は、測定対象面の温度分布を、素子配置面9bの色の分布として可視化できる。

【0064】
また、各可視光吸収素子10の寸法を、マイクロメートル~サブマイクロメートルのオーダーにすることができるので、素子配置面9bにおいて、多数の可視光吸収素子10を極めて高密度に配置できる。例えば、素子配置面9bを、互いに接している多数の正方形領域に仮想的に区分した場合に、各正方形領域の1辺がマイクロメートル~サブマイクロメートルのオーダーであるとして、各正方形領域に1つの可視光吸収素子10を配置できる。

【0065】
温度可視化装置20により可視化された測定対象面の温度分布、すなわち、素子配置面9bの色分布の認識方法としては、以下の方法(A)(B)がある。

【0066】
(A)目視の場合
人は、素子配置面9bを目視して、素子配置面9bの色分布から測定対象面の温度分布を認識できる。

【0067】
この場合、素子配置面9bの色と温度との関係を予め求めておくことができる。すなわち、素子配置面9bを既知の温度に加熱または冷却し、この温度と、この時の素子配置面9bの色とを互いに対応付けた色データを予め求めておく。この色データを、素子配置面9bの各温度について求めておく。このように予め求めておいた温度毎の色データに基づいて、人は、素子配置面9bの色分布を見て、対象物の測定対象面の温度分布を認識できる。

【0068】
(B)検出装置を設ける場合
シート形状体9の素子配置面9bの色分布または色を取得するために、検出装置を用いる。

【0069】
検出装置は、例えば、分光器とスペクトルデータ生成部を有するものであってもよい。素子配置面9bに白色光を照射した場合に、分光器は、素子配置面9bで反射した白色光(可視光線)を各周波数成分に分光する。スペクトルデータ生成部は、分光器に分光された各周波数成分に基づいて、素子配置面9bで反射した白色光のスペクトルデータを生成する。スペクトルデータは、素子配置面9bで反射した可視光線の各周波数成分の強度を示す。スペクトルデータに基づいて、素子配置面9bの温度、すなわち、測定対象面の温度を、定量的に、高感度に検出できる。

【0070】
この場合、素子配置面9bの色と上述のスペクトルデータとの関係を予め求めておくことができる。すなわち、素子配置面9bを既知の温度に加熱または冷却し、この温度と、この時の上記スペクトルデータとを互いに対応付けたスペクトルデータを予め求めておく。このスペクトルデータを、素子配置面9bの各温度について求めておく。このように得た温度毎のスペクトルデータと、実際の温度測定時に上述のスペクトルデータ生成部が生成したスペクトルデータとに基づいて、素子配置面9bの温度、すなわち、測定対象面の温度を、定量的に、高感度に検出できる。

【0071】
スペクトルデータ生成部が生成したスペクトルデータは、表示装置に表示されてもよい。この場合、予め求めた温度毎のスペクトルデータに基づいて、人は、表示されたスペクトルデータを見て、対象物の測定対象面の温度を認識できる。

【0072】
代わりに、検出装置は、可視光線を利用するカメラと、表示装置を有していてもよい。カメラは、白色光が照らされた素子配置面9bを撮像して素子配置面9bのカラー画像データを取得する。この時、カメラは、素子配置面9bで反射した白色光に基づいてカラー画像データを生成する。表示装置は、カメラが取得したカラー画像データに基づくカラー画像を表示する。表示装置に表示された素子配置面9bのカラー画像は、シート形状体9の素子配置面9bの温度分布、すなわち、対象物の測定対象面の温度分布に対応する。したがって、人は、表示された素子配置面9bのカラー画像を見て、対象物の温度分布を認識できる。

【0073】
この場合、上述した色データを素子配置面9bの各温度について求めておく。このように予め求めておいた各色データに基づいて、人は、表示された素子配置面9bのカラー画像を見て、対象物の測定対象面の温度分布を認識できる。

【0074】
(赤外線可視化装置)
次に、上述した可視光吸収素子10を含む赤外線可視化装置30を説明する。

【0075】
赤外線可視化装置30は、対象物からの赤外線を受けて、受けた赤外線により発生した熱を可視化する。

【0076】
図5は、本発明の実施形態による赤外線可視化装置30を示す斜視図である。赤外線可視化装置30は、多数の可視光吸収素子10と、素子支持体11と、赤外線吸収部13を有する。

【0077】
多数の可視光吸収素子10は、互いに同じ構成を有する(すなわち、寸法や形状や材料が同じである)。各可視光吸収素子10は、図1に示す可視光吸収素子10と同じ構成を有する。

【0078】
素子支持体11は、素子配置面11aを有する。素子配置面11aには、多数の可視光吸収素子10が配置されている。素子支持体11は、板状であり、その厚み方向において素子配置面11aと反対側に反対面11bを有する。

【0079】
図6は、図5における多数の可視光吸収素子10のうちの1つの可視光吸収素子10を示す。ただし、図5における多数の可視光吸収素子10は、同じ構成を有する。

【0080】
赤外線吸収部13は、可視光吸収素子10に熱的に接続されている。図5や図6のように、各可視光吸収素子10に1つの赤外線吸収部13が熱的に接続されている。図5において、多数の赤外線吸収部13が、それぞれ対応する可視光吸収素子10と同じ位置に設けられている。すなわち、多数の赤外線吸収部13が素子配置面11aに設けられ、各赤外線吸収部13上に対応する可視光吸収素子10が設けられている。このように、多数の可視光吸収素子10は、それぞれ、対応する赤外線吸収部13を介して素子配置面11aに設けられている。好ましくは、多数の可視光吸収素子10は、例えば図5と図6の構成のように、それぞれ、対応する多数の赤外線吸収部13に一体的に結合されている。

【0081】
赤外線吸収部13は、金属で形成された第1および第2の金属層13a,13bと、誘電体で形成された誘電体層13cを有する。誘電体層13cは、第1および第2の金属層13a,13bに挟まれている。すなわち、第1の金属層13a、誘電体層13c、および第2の金属層13bは、この順で積層されている。図6の例では、第2の金属層13bは、赤外線吸収部13と可視光吸収素子10に共有されている。すなわち、第2の金属層13bは、可視光吸収素子10の第1の層3aでもあり、第1の層3aとしても機能する。

【0082】
赤外線吸収部13は、次のように赤外線を吸収する。赤外線吸収部13に赤外線が入射すると、赤外線吸収部13にプラズモンが励起される。このようにプラズモンが励起されるように、誘電体層13cと第2の金属層13bとの界面の幅(図6の左右方向の幅)が設計されている。赤外線吸収部13に入射した赤外線は、表面プラズモンに変換されて赤外線吸収部13に閉じ込められる。これにより、赤外線は赤外線吸収部13に吸収される。表面プラズモンは、熱に変わり、この熱が可視光吸収素子10へ伝達される(より詳しくは、上記の特許文献2を参照)。

【0083】
各可視光吸収素子10および各赤外線吸収部13は、電子線描画法や真空蒸着法などを用いて、素子支持体11に形成されてよい。
例えば、赤外線可視化装置30を図3A~図3Eに倣って作製する場合には、図3Cのプロセスで、各リボン形状部7を配置する各位置(図3Cの溝内)に、第1の金属層13a、誘電体層13c、および第2の金属層13bを積層し、次いで、リボン形状部7を積層する(ただし、第2の金属層13bはリボン形状部7の第1の層3aを兼ねる)。この場合、他の段階のプロセスは、図3A~図3Eを参照して上述した内容と同様であってよい。
素子支持体11は、シリコン基板であってもよいし、他の材料で形成されたものであってもよい。

【0084】
素子支持体11を、赤外線が透過する材料で形成する場合には、素子支持体11の反対面11bを対象物に向けて、対象物からの赤外線が反対面11bに入射するようにしてよい。
可視光吸収素子10の第1および第2の層3a,3bが、赤外線を透過する場合には、素子支持体11の素子配置面11aを対象物に向けて、対象物からの赤外線が反対面11bに入射するようにしてよい。

【0085】
図5は、素子支持体11の素子配置面11aの一部を図示している。図4では、多数の可視光吸収素子10の向き(図6の中心軸Cの向き)の種類を複数(図5では、4種類)にして素子配置面11aに配置している。可視光吸収素子10に入射してくる可視光線の磁場の振動方向が可視光吸収素子10の中心軸Cの方向を向いている場合に、この可視光線の共振周波数成分が可視光吸収素子10に最も吸収される。そのため、例えば、偏光していない白色光を素子配置面11aに入射させる場合は、図5のように、多数の可視光吸収素子10の向きの種類を複数にする。一方、直線偏光している白色光を素子配置面11aに入射させる場合には、素子配置面11aに配置された多数の可視光吸収素子10の向きを1種類にして、白色光の磁場の振動方向と多数の可視光吸収素子10の向き(図6の中心軸Cの向き)とを合わせてもよい。

【0086】
上述した本実施形態の赤外線可視化装置30により、以下の作用効果が得られる。

【0087】
各赤外線吸収部13が、対象物から放射された赤外線を受けると発熱して、この熱が各可視光吸収素子10に伝わる。この熱で、各可視光吸収素子10は、熱変形することにより、その変形量に応じて、吸収する可視光線の周波数成分を変化させる。よって、素子支持体11の各位置の赤外線吸収部13に対応した(例えば、各位置の赤外線吸収部13と同位置にある)可視光吸収素子10の色の分布も、素子10に入射した赤外線の分布に応じた分布となる。したがって、多数の可視光吸収素子10の色から、照射された赤外線の分布が計測可能または認識可能となる。

【0088】
なお、図5と図6において、各赤外線吸収部13は、対応する可視光吸収素子10と熱的に接続されていれば、対応する可視光吸収素子10の上部に設けてもよいし、素子配置面11aに沿った方向に可視光吸収素子10に隣接して設けてもよい。また、多数の赤外線吸収部13は、互いに熱的に接続されているように一体的に形成されていてもよい。すなわち、多数の赤外線吸収部13は、1つの赤外線吸収部を構成するように一体化されていてよい。例えば、図6の第2の金属層13aと誘電体層13cが、図5において、多数の可視光吸収素子10に共有されるように、素子配置面11aの全体にわたって延びていてもよい。この場合、多数の可視光吸収素子10は、上述の1つの赤外線吸収部13に一体的に結合されていてよい。

【0089】
赤外線可視化装置30により可視化された対象物の温度分布または温度は、以下のように計測または認識できる。

【0090】
対象物からの赤外線を素子配置面11aまたは反対面11bに入射させる。これにより、赤外線が各赤外線吸収部13に吸収されて、熱が、各赤外線吸収部13から対応する可視光吸収素子10へ伝達される。

【0091】
この状態で、例えば適宜の照明装置により、白色光を素子配置面11aまたは反対面11bに入射させることにより、この白色光(可視光線)のうち、一部が、素子配置面11aの各可視光吸収素子10に吸収され、吸収された後の可視光線は、素子支持体11で反射され、または、素子支持体11を透過する。このような可視光線の反射光または透過光に基づいて、検出装置が、スペクトルデータまたはカラー画像データを取得する。

【0092】
ここで、検出装置がスペクトルデータを取得する場合には、検出装置は、分光器とスペクトルデータ生成部を有し、次のように機能する。分光器は、上述した可視光線の反射光または透過光を素子支持体11から受けて、この反射光または透過光を各周波数成分に分光する。スペクトルデータ生成部は、分光器に分光された各周波数成分に基づいて、上述した可視光線の反射光または透過光のスペクトルデータを生成する。スペクトルデータは、可視光線の各周波数成分の強度を示す。スペクトルデータに基づいて、素子配置面11aの温度、すなわち、対象物の温度を、定量的に、高感度に検出(計測)できる。

【0093】
この場合、予め求めた上述の温度毎のスペクトルデータと、実際の測定時に上述のスペクトルデータ生成部が生成したスペクトルデータに基づいて、素子配置面11aの温度、すなわち、測定対象面の温度を、定量的に、高感度に検出できる。

【0094】
スペクトルデータ生成部が生成したスペクトルデータは、表示装置に表示されてもよい。この場合、予め求めた温度毎のスペクトルデータに基づいて、人は、表示されたスペクトルデータを見て、対象物の測定対象面の温度を計測または認識できる。

【0095】
検出装置がカラー画像データを取得する場合には、検出装置は、可視光線を利用するカメラと、表示装置を有し、次のように機能する。カメラは、上述した可視光線の反射光または透過光を素子支持体11から受けて、この反射光または透過光に基づいて素子配置面11aまたは反対面11bのカラー画像データを生成する。生成されたカラー画像データに基づくカラー画像が、表示装置に表示される。このカラー画像の色分布は、対象物の温度分布に対応する。このカラー画像を、予め取得されている上述した温度毎の色データと比べることにより、対象物の温度分布を計測または認識できる。

【0096】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。

【0097】
例えば、以下の変更例1~3のいずれかを採用してもよいし、以下の変更例1~3の2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で説明しない点は、上述と同じであってよい。

【0098】
(変更例1)
本発明の可視光吸収素子は、上述した構成に限定されず、対象物から受けた熱に応じて、反射または透過する可視光線の周波数成分を変化させる可視光吸収素子であればよい。すなわち、本発明の可視光吸収素子は、可視光線の周波数範囲に含まれる共振周波数を有し、共振周波数と同じ周波数の可視光線を吸収し、熱膨張などの熱変形を起こすことにより共振周波数を変化させて、変化した共振周波数の可視光線を吸収するように構成されていればよい。

【0099】
具体的には、可視光吸収素子は、インダクタンスLを持つコイルとして機能するインダクタンス部と、キャパシタンスCを持つコンデンサとして機能するコンデンサ部とを有するように構成できる。インダクタンス部とコンデンサ部とが直列に接続されていることにより、インダクタンス部とコンデンサ部はLC回路を構成する。このLC回路は、共振周波数を持ち、インダクタンス部とコンデンサ部の一方または両方が熱膨張などの熱変形を起こすことにより、共振周波数を変化させる。このようなLC回路は、メタマテリアルにより作製可能である。

【0100】
例えば、可視光吸収素子10は、例えば、以下の構成例1~8のように構成されてもよい。

【0101】
・構成例1
図7Aのように、リング形状を有する可視光吸収素子10において、リング形状の周方向においてリング形状を周方向に不連続にする空間5,6が複数(この図では、2つ)設けられていてもよい。
この構成例2では、複数の空間5,6にそれぞれ対応する複数(図では、2つ)のコンデンサ部が直列に接続されている。したがって、可視光吸収素子10のキャパシタンスCは低くなる。これにより、LC共振器としての可視光吸収素子10の共振周波数が高くなるので、可視光吸収素子10の共振周波数を可視光線の周波数範囲に設定しやすくなる。

【0102】
・構成例2
図7Bのように、可視光吸収素子10において、2つのアーム部7bの周方向長さが互いに異なるようにしてもよい。これにより、可視光吸収素子10の共振周波数を調整してもよい。

【0103】
・構成例3
図7Cのように、構成例1と構成例2を組み合わせてもよい。これにより、可視光吸収素子10の共振周波数の調整に関する自由度が高まる。

【0104】
・構成例4
図7Dと図7Eのように、1つの中央部7aに複数対のアーム部7bが結合されていてもよい。ここで、1対のアーム部7bは、2つのアーム部7bからなる。なお、図7Fは、図7EのF-F線矢視図である。
図7Dでは、一方の対のアーム部7bと中央部7aにより構成されるリング状のリボン形状部7の中心軸Cは、他方の対のアーム部7bと中央部7aにより構成されるリング状のリボン形状部7の中心軸Cと平行である。
図7Eでは、一方の対のアーム部7bと中央部7aにより構成されるリング状のリボン形状部7の中心軸C方向は、他方の対のアーム部7bと中央部7aにより構成されるリング状のリボン形状部7の中心軸C方向と交差(直交)している。これにより、図4または図5のように、多数の可視光吸収素子10を複数の向きに配置した構成と同じ効果が得られる。

【0105】
・構成例5
図8Aのように、可視光吸収素子10は、互いに間隔をおいて(好ましくは平行に)配置された2枚の平板形状部8により構成されてもよい。各平板形状部8は、平板形状を有し、金属で形成されている。互いに間隔をおいて配置された2枚の平板形状部8も、インダクタンスLを有するので、これら2枚の平板形状部8は、インダクタンス部を構成する。また、2枚の平板形状部8は、これらの平板形状部8同士の間の空間12によりコンデンサ部を構成する。2枚の平板形状部8は、熱変形(例えば湾曲)して両者の間隔が変化することにより、そのコンデンサ部のキャパシタンスが変化する。

【0106】
図8Aの可視光吸収素子10を用いて温度可視化装置20を構成する場合には、図8Bのように、温度可視化装置20は、多数の可視光吸収素子10がシート形状体9の素子配置面9bに配置された構成を有する。

【0107】
図8Aの可視光吸収素子10を用いて赤外線可視化装置30を構成する場合には、図8Cのように、可視光吸収素子10に赤外線吸収部13を接続(結合)したものを用いてよい。すなわち、図8Dのように、図8Cに示す可視光吸収素子10と赤外線吸収部13を1組として、赤外線可視化装置30は、多数組の可視光吸収素子10と赤外線吸収部13が素子支持体11の素子配置面11aに配置された構成を有する。

【0108】
なお、図8A~図8Dの構成は、例えば非特許文献1、2に記載された技術に基づいて製作可能である。

【0109】
・構成例6
図9Aのように、可視光吸収素子10は、互いに間隔をおいて(好ましくは平行に)配置された2つのL字形状部14により構成されてもよい。各L字形状部14は、図9AのようにL字形状の断面を有し、金属で形成されている。互いに間隔をおいて配置された2つのL字形状部14は、インダクタンス部を構成する。また、2つのL字形状部14は、これらのL字形状部14同士の間の空間16によりコンデンサ部を構成する。2つのL字形状部14は、熱変形(例えば湾曲)して両者の間隔が変化することにより、そのコンデンサ部のキャパシタンスが変化する。

【0110】
図9Aの可視光吸収素子10を用いて温度可視化装置20を構成する場合には、図9Bのように、温度可視化装置20は、多数の可視光吸収素子10がシート形状体9の素子配置面9bに配置された構成を有する。

【0111】
図9Aの可視光吸収素子10を用いて赤外線可視化装置30を構成する場合には、図9Cのように、可視光吸収素子10に赤外線吸収部13を接続(結合)したものを用いてよい。すなわち、図9Dのように、図9Cに示す可視光吸収素子10と赤外線吸収部13を1組として、赤外線可視化装置30は、多数組の可視光吸収素子10と赤外線吸収部13が素子支持体11の素子配置面11aに配置された構成を有する。

【0112】
・構成例7
図10Aのように、可視光吸収素子10は、互いに間隔をおいて(好ましくは平行に)配置された2つの櫛形状部18により構成されてもよい。各櫛形状部18は、図10Aのように複数の櫛歯部分18aを有し、金属で形成されている。一方の櫛形状部18の複数の櫛歯部分18aと、他方の櫛形状部18の複数の櫛歯部分18aとは、互いに間隔(すなわち、空間22)をおいて配置されている。2つの櫛形状部18は、インダクタンス部を構成する。また、2つの櫛形状部18の同士の間の空間22、23によりコンデンサ部を構成する。なお、空間22は、複数の櫛歯部分18aの配列方向の空間である。空間23は、一方の櫛形状部18の根元部分18bと、他方の櫛形状部18における櫛歯部分18aの先端との間の空間である。2つの櫛形状部18は、熱変形(例えば湾曲)して両者の間隔(空間22、23)が変化することにより、そのコンデンサ部のキャパシタンスが変化する。

【0113】
図10Aの可視光吸収素子10を用いて温度可視化装置20を構成する場合には、図10Bのように、温度可視化装置20は、多数の可視光吸収素子10がシート形状体9の素子配置面9bに配置された構成を有する。

【0114】
図10Aの可視光吸収素子10を用いて赤外線可視化装置30を構成する場合には、図10Cのように、可視光吸収素子10に赤外線吸収部13を接続(結合)したものを用いてよい。すなわち、図10Dのように、図10Cに示す可視光吸収素子10と赤外線吸収部13を1組として、赤外線可視化装置30は、多数組の可視光吸収素子10と赤外線吸収部13が素子支持体11の素子配置面11aに配置された構成を有する。

【0115】
・構成例8
図11Aのように、可視光吸収素子10は、螺旋形状部25により構成されてもよい。螺旋形状部25は、金属で形成されている。螺旋形状部25は、インダクタンス部を構成する。また、螺旋形状部25は、図11Bに示すコンデンサの記号のように、螺旋形状部25は、その各線間によりコンデンサ部を構成する。この螺旋形状部25は、熱変形で延び縮みすることにより、コンデンサ部のキャパシタンスが変化する。

【0116】
図11Aの可視光吸収素子10を用いて温度可視化装置20を構成する場合には、図11Cのように、温度可視化装置20は、多数の可視光吸収素子10がシート形状体9の素子配置面9bに配置された構成を有する。

【0117】
図11Aの可視光吸収素子10を用いて赤外線可視化装置30を構成する場合には、図11Dのように、可視光吸収素子10に赤外線吸収部13を接続(結合)したものを用いてよい。すなわち、図11Eのように、図11Dに示す可視光吸収素子10と赤外線吸収部13を1組として、赤外線可視化装置30は、多数組の可視光吸収素子10と赤外線吸収部13が素子支持体11の素子配置面11aに配置された構成を有する。

【0118】
上述した構成例5~8も、光リソグラフィ、電子線リソグラフィ、エッチング技術などを用いて作製可能である。

【0119】
上述のように、本発明の可視光吸収素子の構成として、様々な構成を採用できる。好ましい一例では、次のような構成とその作用により、少なくとも可視光吸収素子のコンデンサ部により、可視光吸収素子の共振周波数が変化する。コンデンサ部は、可視光吸収素子の複数の構成部分同士の間隔により形成される。ここで、複数の構成部分は、図1と図7A~図7Fでは複数のアーム部7bであり、図8A~図8Dでは2枚の平板形状部8であり、図9A~図9Dでは2つのL字形状部14であり、図10A~図10Dでは2つの櫛形状部18であり、図11A~図11Eでは螺旋形状部25の軸方向に互いに隔てられている螺旋形状部25の各部分である。これら複数の構成部分が熱膨張などの熱変形を起こすことにより、これら複数の構成部分同士の間隔(空間)が変化して、コンデンサ部のキャパシタンスが変化する。その結果、可視光吸収素子の共振周波数が変化する。

【0120】
(変更例2)
また、上述した本実施形態の赤外線可視化装置30に設けられる赤外線吸収部は、上述した構成に限定されない。

【0121】
例えば、赤外線吸収部は、赤外線を吸収する物質と、この物質を挟んだ2枚の板状誘電体とから構成されていてもよい。赤外線を吸収する物質は、有機色素などの有機化合物、炭素(グラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン)、無機化合物、金属の微粉末などであってよい。
あるいは、赤外線吸収部は、赤外線可視化装置30へ赤外線を入射させる方向に、赤外線の位相に換算して1/4波長だけずれて配置された2つの金属構造部であってもよい。この場合、2つの金属構造部が赤外線の位相に換算して1/4波長だけずれていることにより、一方の金属構造部で反射された赤外線と、他方の金属構造部で反射された赤外線とが互いに打ち消されて、赤外線が赤外線吸収部に吸収される。
別の例では、赤外線吸収部は、赤外線を吸収する材料の塗料を可視光吸収素子10に直接塗布することにより、可視光吸収素子10の表面に形成されたものであってもよい。すなわち、赤外線吸収部は、可視光吸収素子10の表面に塗布された赤外線吸収材料であってもよい。このような塗布は、例えば、スピンコーティング、真空蒸着、またはディップコーティング法で行われてよい。

【0122】
各赤外線吸収部は、広域の周波数範囲の赤外線を吸収してもよいし、狭域の周波数範囲または特定の周波数の赤外線を吸収してもよい。各赤外線吸収部が狭域の周波数範囲または特定の周波数の赤外線を吸収する場合には、多数の可視光吸収素子にそれぞれ対応する多数の赤外線吸収部は、同一の狭域周波数範囲または同一の周波数の赤外線を吸収してもよいし、互いに異なる狭域周波数範囲または周波数の赤外線を吸収してもよい。

【0123】
(変更例3)
上述は、可視光吸収素子10の熱変形が可逆的であることを想定したものである。例えば、可視光吸収素子10に、所定の限界より小さい範囲で熱変形させた場合には、可視光吸収素子10の温度を元に戻すと、可視光吸収素子10は、元の形状に戻る。すなわち、可視光吸収素子10は、可逆的に熱変形する。
ただし、本発明によると、可視光吸収素子10の上述した熱変形は、非可逆的であってもよい。例えば、可視光吸収素子10に、上記所定の限界以上の熱変形を起こさせることにより、可視光吸収素子10を塑性変形させた場合には、可視光吸収素子10の温度を元に戻しても、可視光吸収素子10は、元の形状に戻らない。すなわち、可視光吸収素子10は、非可逆的に熱変形する。
【符号の説明】
【0124】
3a 第1の層、3b 第2の層、5,6 空間、7 リボン形状部、7a 中央部、7b アーム部、8 平板形状部、9 シート形状体、9a 取付面、9b 素子配置面、10 可視光吸収素子、11 素子支持体、11a 素子配置面、11b 反対面、12 空間、13 赤外線吸収部、13a 第1の金属層、13b 第2の金属層、13c 誘電体層、14 L字形状部、16 空間、18 櫛形状部、18a 櫛歯部分、18b 根元部分、20 温度可視化装置、22,23 空間、25 螺旋形状部、30 赤外線可視化装置
図面
【図1】
0
【図2A】
1
【図2B】
2
【図3A】
3
【図3B】
4
【図3C】
5
【図3D】
6
【図3E】
7
【図4】
8
【図5】
9
【図6】
10
【図7A】
11
【図7B】
12
【図7C】
13
【図7D】
14
【図7E】
15
【図7F】
16
【図8A】
17
【図8B】
18
【図8C】
19
【図8D】
20
【図9A】
21
【図9B】
22
【図9C】
23
【図9D】
24
【図10A】
25
【図10B】
26
【図10C】
27
【図10D】
28
【図11A】
29
【図11B】
30
【図11C】
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【図11D】
32
【図11E】
33