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明細書 :真空断熱材、真空断熱材用芯材、建築物、移動体および電気機器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-124327 (P2019-124327A)
公開日 令和元年7月25日(2019.7.25)
発明の名称または考案の名称 真空断熱材、真空断熱材用芯材、建築物、移動体および電気機器
国際特許分類 F16L  59/065       (2006.01)
FI F16L 59/065
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2018-006840 (P2018-006840)
出願日 平成30年1月19日(2018.1.19)
発明者または考案者 【氏名】葛 隆生
【氏名】楊 樟
出願人 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100120640、【弁理士】、【氏名又は名称】森 幸一
【識別番号】100078145、【弁理士】、【氏名又は名称】松村 修
審査請求 未請求
テーマコード 3H036
Fターム 3H036AA08
3H036AA09
3H036AB13
3H036AB15
3H036AB18
3H036AB24
3H036AC01
3H036AE13
要約 【課題】高い断熱性能を得ることができ、既存の建築物等に設置することにより高断熱化を図り、優れた省エネルギー性を得ることができ、透明なガスバリアフィルムを用いることで高い光透過性を得ることができ、薄型化および軽量化も容易に行うことができ、安価に製造することができる真空断熱材およびその芯材を提供する。
【解決手段】真空断熱材は、格子状の枠からなる芯材10と、この芯材10を真空封入したガスバリアフィルムとを有する。枠の各区画12は開口14を通じて互いに連通しており、芯材10をガスバリアフィルムにより真空封入することで形成される真空層は各区画12の間で繋がっている。枠は、真空断熱材の使用環境において、真空断熱材に外部から圧力が加わる状態において真空断熱材の真空層を保持することができる範囲内に枠の形状の変化を抑えることができ、それによって断熱性能を維持することができるように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する真空断熱材。
【請求項2】
上記ガスバリアフィルムは透明である請求項1記載の真空断熱材。
【請求項3】
上記枠の各区画は互いに連通している請求項1または2記載の真空断熱材。
【請求項4】
上記枠の各区画の各辺の枠材に上記枠の主面に沿う方向に延在するスリット状の開口が形成されている請求項3記載の真空断熱材。
【請求項5】
上記開口は上記枠の枠材の互いに隣接する二つの交差部の間に形成されている請求項4記載の真空断熱材。
【請求項6】
上記枠は全体として平板状または湾曲した板状の形状を有する請求項1~5のいずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項7】
上記枠の各区画の最長の辺の両端の枠材の交差部の中心間距離をAとしたとき、上記真空断熱材の使用環境における上記最長の辺の最大たわみがAの5%以内になるように上記枠が構成されている請求項1~6のいずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項8】
上記枠はプラスチック、繊維、金属、セラミックスおよびガラスからなる群より選択された少なくとも一種類の材料からなる請求項1~7のいずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項9】
上記枠は透明材料からなる請求項1~7のいずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項10】
格子状の枠からなる真空断熱材用芯材。
【請求項11】
内部に少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する建築物。
【請求項12】
少なくとも一つの窓を有し、上記真空断熱材が上記窓の内側に設置されている請求項11記載の建築物。
【請求項13】
内部に少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する移動体。
【請求項14】
少なくとも一つの窓を有し、上記真空断熱材が上記窓の内側に設置されている請求項13記載の移動体。
【請求項15】
内部に少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する電気機器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、真空断熱材、真空断熱材用芯材、建築物、移動体および電気機器に関し、例えば、住宅、ビル等の建築物や列車、飛行機、自動車等の移動体の窓の内側に設置し、あるいは冷蔵庫等の電気機器の内部に設置して好適な真空断熱材およびその芯材ならびにそのような真空断熱材を用いた建築物、移動体および電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
真空断熱材は従来より冷蔵庫、自動販売機、電気給湯機等の断熱材として使用されているが、近年、住宅等の建築物用の断熱材として注目され、開発が進められている。このうち、芯材をガスバリアフィルムにより真空封入することにより作製する真空断熱材については、芯材としてグラスウールやウレタンフォーム、粉末状シリカを用いるものがあり、ガスバリアフィルムとしてはアルミ蒸着フィルムを用いるのが一般的である。この場合、芯材やガスバリアフィルムの性質上、真空断熱材に光透過性を持たせることは不可能である。
【0003】
光透過性を有する真空断熱材については、光透過性を有するシリカエアロゲルを透明なガスバリアフィルムにより真空封入することにより作製する真空断熱材(例えば、特許文献1参照。)や真空断熱ガラス(例えば、非特許文献1参照。)がある。しかしながら、特許文献1の技術については、シリカエアロゲルの材料費が非常に高価であり、非特許文献1の真空断熱ガラスについては、従来のガラス窓と施工性に大差がないことから、いずれの技術も、既存建築物の高断熱化に用いるメリットが小さいという課題がある。
【0004】
それに対して、透明なプラスチック板とスペーサー材料とを、透明なガスバリアフィルムにより真空封入することにより作製する、光透過性を有する真空断熱材の開発も行われている(非特許文献2参照。)。しかしながら、この真空断熱材は、真空断熱ガラスとの比較では厚さや軽さで優位性があるが、真空層を形成するためのプラスチック板が必要となり、更なる薄型化や軽量化は難しいという課題を有している。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2017-39845号公報
【0006】

【非特許文献1】[平成30年1月13日検索]、インターネット〈URL:http://shinku-glass.jp/index_super.html〉
【非特許文献2】2017年度日本冷凍空調学会年次大会講演論文集 A101 薄型・光透過型真空断熱材の試作と断熱性能に関する考察
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、高い断熱性能を得ることができ、既存の建築物、移動体、電気機器等に設置することにより高断熱化を図ることができ、それによってCO2 排出量の抑制を図ることができるとともに、優れた省エネルギー性を得ることができ、ガスバリアフィルムとして透明なものを用いることにより高い光透過性を得ることができ、薄型化および軽量化も容易に行うことができ、しかも安価に製造することができる真空断熱材および真空断熱材用芯材ならびにこのような優れた真空断熱材を用いた省エネルギー性に優れた建築物、移動体および電気機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する真空断熱材である。
【0009】
ここで、格子状の枠は、細長い枠材を互いに異なる二つの方向、典型的には互いに直交する二つの方向、すなわち縦横にそれぞれ複数本形成して区画化したものである。典型的には、これらの枠材は、互いに異なる二つの方向、典型的には縦横に互いに同一の間隔で形成される。この場合、各区画の平面形状は平行四辺形、長方形あるいは正方形となり、各区画の大きさは互いに同一となる。これらの枠材は、その一部または全部において、互いに異なる二つの方向、典型的には縦横に互いに異なる間隔で形成してもよい。この場合、各区画の平面形状は平行四辺形あるいは長方形となるが、各区画の大きさは互いに同一とならず、互いに大きさが異なる区画が存在することになる。更には、場合によっては、これらの枠材は、その一部または全部において、互いに異なる二つの方向に枠材が形成されて各区画が形成されるが、それらの方向が互いに異なる部分が存在してもよい。この場合、各区画の平面形状は四角形となるが、平面形状および大きさは互いに同一とならず、互いに平面形状および大きさが異なる区画が存在することになる。枠材の横断面形状は、典型的には長方形または正方形であるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて選ばれる。枠材の横断面形状が長方形または正方形の場合、枠材の交差部は例えば直方体となる。
【0010】
典型的には、枠の各区画は互いに連通しており、この場合、芯材をガスバリアフィルムにより真空封入することで形成される真空層は各区画の間で繋がっている。例えば、枠の各区画の各辺の枠材に枠の主面に沿う方向に延在する開口、典型的にはスリット状の開口が形成されていることにより、枠の各区画が互いに連通している。典型的には、これらの開口は、枠の枠材の互いに隣接する二つの交差部の間に形成される。典型的には、枠は全体として平板状または湾曲した板状の形状を有し、真空断熱材の用途等に応じてその形状が適宜選択される。枠の平面形状は真空断熱材の用途等に応じて適宜選択されるが、例えば、正方形、長方形、三角形、六角形等の多角形であり、典型的には、正方形または長方形である。
【0011】
真空断熱材を構成する枠は、真空断熱材の使用環境(典型的には大気中)において、真空断熱材に外部から圧力(典型的には大気圧)が加わる状態において真空断熱材の真空層を保持することができる範囲内に枠の形状の変化を抑えることができ、それによって断熱性能を維持することができるように、好適には断熱性能を最大化することができるように構成される。すなわち、真空断熱材の真空層を保持することができるように、枠の材料、枠の各区画の大きさ(各区画の辺の両端の枠材の交差部の中心間距離)、枠材の幅(太さ)および厚さ等が選択される。好適には、枠の各区画の最長の辺の両端の枠材の交差部の中心間距離をAとしたとき、真空断熱材の使用環境における上記の最長の辺の最大たわみが、予め決められた大きさ、例えばAの5%以内になるように枠が構成される。真空断熱材を光透過性とする場合には、真空断熱材の真空層を保持することができる範囲内で、好適には、断熱性能および光透過性を最大化することができるように区画の大きさ、枠材の幅(太さ)および厚さ等が選択される。
【0012】
枠の材料は必要に応じて選ばれるが、真空断熱材の真空層を保持することができる機械的強度を有する材料が用いられる。これらの材料としては、例えば、プラスチック、繊維、金属(単体金属または合金)、セラミックスおよびガラスからなる群より選択された少なくとも一種類の材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。プラスチック材料としては、取り分け、構造材として使用可能な機械的強度を有する硬質のプラスチック材料が用いられ、具体的には、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリスチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、アセチルセルロース、ブロム化フェノキシ等が挙げられる。これらの硬質のプラスチックは、塩化ビニルを除いて、可視光に対して透明である。プラスチック材料には、プラスチックにガラス繊維や炭素繊維等を混合して強度を向上させた複合材料である繊維強化プラスチック(FRP)も含まれる。プラスチック材料は一般に熱伝導率が低いため、枠材の交差部を通しての熱伝導を抑えることができ、真空断熱材の断熱性能を高くすることができる。繊維材料としては、炭素繊維等が挙げられる。金属材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄鋼材料(ステンレス鋼等)等が挙げられる。セラミックス材料は、特に限定されず、基本的にはどのようなものであってもよい。ガラス材料も、特に限定されず、基本的にはどのようなものであってもよい。枠の材料として熱伝導率がある程度高い繊維材料、金属材料、セラミックス材料およびガラス材料を用いる場合には、枠材の交差部を通しての熱伝導を抑えるために、枠の全体、取り分け枠材の交差部の外周面に熱伝導率が低い材料、例えばプラスチック材料をコーティングするようにしてもよく、こうすることで真空断熱材の断熱性能を高くすることができる。真空断熱材の断熱性能の向上のために、必要に応じて、枠の一方の主面あるいは両方の主面に低放射フィルムが設けられる。
【0013】
ガスバリアフィルムは、ガスバリアフィルムにより芯材を真空封入した状態において真空断熱材内部に真空層を保持することができる程度の強度を有するものである限り、特に限定されず、必要に応じて選ばれる。真空断熱材に光透過性を持たせるためには、ガスバリアフィルムとして透明なものを用いる。このように真空断熱材に光透過性を持たせる場合、枠の一方の主面あるいは両方の主面に設ける低放射フィルムとしては透明なものが用いられる。枠材の各区画は開口部であり、ガスバリアフィルムに真空封入された状態における枠材の各区画の内部は、光に対して透明な真空層となり、少なくとも各区画を通して光が透過可能であるため、真空断熱材は光透過性を有し、真空断熱材の面積に占める枠材の面積の割合をより小さくすることにより、光透過性をより高くすることができる。枠材の材料として透明材料、例えばプラスチック材料やガラス材料等を用いることにより、枠も透明とすることができるため、真空断熱材全体を透明に構成することができ、光透過性を最大化することができる。
【0014】
また、この発明は、
格子状の枠からなる真空断熱材用芯材である。
【0015】
また、この発明は、
内部に少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する建築物である。
【0016】
建築物は、基本的にはどのようなものであってもよいが、具体的には、例えば、ビルディング、マンション、戸建住宅、アパート、駅舎、校舎、庁舎、競技場、球場、病院、教会、工場、倉庫、小屋等が挙げられる。これらの建築物への真空断熱材の設置箇所は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。設置箇所の例を挙げると、これらの建築物の窓や採光部等であり、その場合、真空断熱材はこれらの窓や採光部の内側に、典型的には建築物に対して固定された状態で設置される。一般的には、建築物は、少なくとも一つの窓を有し、その場合、真空断熱材はこの窓の内側に設置される。真空断熱材は、建築物の内部の壁に固定した状態で設置したり、パーティションのような形で建築物の内部に固定したり床面に立てた状態で設置してもよい。真空断熱材は、移動式の黒板あるいはホワイトボードのような形で設置してもよい。
【0017】
また、この発明は、
少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する移動体である。
【0018】
移動体は、基本的にはどのようなものであってもよいが、具体例を挙げると、自動車、航空機、ロケット、宇宙船、船舶等である。自動車としては、乗用車、トラック、救急車、冷凍車等が挙げられる。これらの移動体への真空断熱材の設置箇所は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。設置箇所の例を挙げると、これらの移動体の窓や採光部等であり、その場合、真空断熱材はこれらの窓や採光部の内側に、典型的には移動体に対して固定された状態で設置される。一般的には、移動体は、少なくとも一つの窓を有し、その場合、真空断熱材はこの窓の内側に設置される。真空断熱材は、移動体の内部の壁に固定した状態で設置したり、パーティションのような形で移動体の内部に固定したり床面に立てた状態で設置してもよい。
【0019】
また、この発明は、
少なくとも一つの真空断熱材を有し、
上記真空断熱材が、
格子状の枠からなる芯材と、
上記芯材を真空封入したガスバリアフィルムとを有する電気機器である。
【0020】
ここで、電気機器は、基本的にはどのようなものであってもよく、据え置き型のものと携帯型のものとの双方を含むが、具体例を挙げると、冷蔵庫、自動販売機、電気給湯機等である。これらの電気機器への真空断熱材の設置箇所は特に限定されず、必要に応じて選ばれる。電気機器が少なくとも一つの窓を有する場合、真空断熱材はこの窓の内側に設置される。
【0021】
上記の真空断熱材用芯材、建築物、移動体および電気機器の各発明においては、その性質に反しない限り、上記の真空断熱材の発明に関連して説明したことが成立する。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、真空断熱材の芯材が格子状の枠からなるため、真空断熱材全体の体積に占める真空層の体積の割合を大きくすることができ、それによって高い断熱性能を得ることができるとともに、真空断熱材の面積に占める開口部の面積の割合を大きくすることができ、ガスバリアフィルムとして透明なものを用いることにより高い光透過性を得ることができる。また、この真空断熱材は、格子状の枠からなる芯材をガスバリアフィルムにより真空封入するだけで容易に製造することができるため、安価に製造することができる。このため、実用上十分に高い断熱性能、更には高い光透過性も備えた安価な真空断熱材を実現することができる。また、このような高い断熱性能、更には高い光透過性も備えた安価な真空断熱材を窓等に用いることにより、CO2 排出量の抑制を図ることができ、省エネルギー性に優れた建築物、移動体および電気機器を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材を示す斜視図である。
【図2】図1の2-2線に沿っての断面図である。
【図3】図1の3-3線に沿っての断面図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の製造方法の一例を示す断面図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材の構造計算モデルを説明するための略線図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材の構造計算モデルを説明するための略線図である。
【図7】図5および図6に示す構造計算モデルを用いて芯材の構造計算を行った結果を示す略線図である。
【図8】図5および図6に示す構造計算モデルを用いて芯材の構造計算を行った結果を示す略線図である。
【図9】図5および図6に示す構造計算モデルを用いて行った芯材の3次元有限要素解析に用いたメッシュを示す略線図である。
【図10】図5および図6に示す構造計算モデルを用いて行った芯材の3次元有限要素解析により得られた芯材の全体の変形を示す略線図である。
【図11】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材を通しての熱移動を示す略線図である。
【図12】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材の熱伝導率および熱貫流率を六つのケースに対して計算した結果を示す略線図である。
【図13】実施例で作製した真空断熱材の作製方法を示す平面図である。
【図14】実施例で用いたガスバリアフィルムの断面構造を示す断面図である。
【図15】実施例で作製した真空断熱材を示す図面代用写真である。
【図16】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材の断熱性能の評価を行う方法を示す略線図である。
【図17】この発明の第1の実施の形態による真空断熱材の芯材の熱伝導率を伝熱計算モデルに基づく計算および実験により求めた結果を示す略線図である。
【図18】実施例および比較例による真空断熱材の芯材の熱伝導率を示す略線図である。
【図19】この発明の第2の実施の形態による建築物を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という。)について図面を参照しながら説明する。

【0025】
〈第1の実施の形態〉
[真空断熱材]
図1~図3は第1の実施の形態による真空断熱材を示し、図1は全体を示す斜視図、図2は図1の2-2線に沿っての断面図、図3は図1の3-3線に沿っての断面図である。図1~図3に示すように、この真空断熱材は、全体として正方形または長方形の平板状の格子状の枠からなる芯材10がガスバリアフィルム20(図1においては図示せず)により真空封入されたものであり、全体として正方形または長方形の平板状の形状を有する。図1~図3においては、一例として芯材10および真空断熱材の平面形状が正方形の場合が示されている。ガスバリアフィルム20は、芯材10の両主面および四つの側面の全体を覆うように密着している。真空断熱材に光透過性を持たせる場合にはガスバリアフィルム20として透明なものが用いられ、必要に応じてさらに芯材10も透明に構成する。

【0026】
芯材10を構成する格子状の枠は、直線状の細い枠材11を縦横に複数本、縦方向および横方向に互いに異なる間隔でそれぞれ等間隔で形成するか、あるいは、縦方向および横方向とも同じ間隔で形成することにより形成されたものである。枠材11の縦方向の間隔と横方向の間隔とが互いに異なる場合は、芯材10の枠の各区画12の平面形状はいずれも長方形となり、枠材11を縦方向および横方向とも同じ間隔で形成する場合は、芯材10の枠の各区画12の平面形状はいずれも正方形となる。縦方向および横方向の枠材11の本数、従って区画12の数は必要に応じて選ばれる。

【0027】
縦横に形成された枠材11の交差部13は直方体の形状を有し、支柱の役割を果たす。芯材10を構成する枠の各区画12は互いに連通している。すなわち、各区画12の各辺の枠材11には、互いに隣接する二つの交差部13の間に枠10の主面に沿う方向にスリット状の細長い開口14が形成されており、この開口14を通じて各区画12は互いに連通し、かつ芯材10の外周の四つの辺の枠材11に形成された開口14を通じて各区画12は外部とも連通している。

【0028】
芯材10の材料、芯材10を構成する枠の各区画12の各辺の両端の枠材11の交差部13の中心間距離(間隔)、枠材11の幅(太さ)および厚さは、芯材10の内部の真空層の圧力およびこの真空断熱材の使用環境の圧力に応じて、この真空断熱材に加わる圧力に対して芯材10が形状をほぼ維持することができ、それによって芯材10の内部の真空層を保持することができ、かつ、好適には真空断熱材の断熱性能を最大化することができるように、更には真空断熱材に光透過性を持たせるためには、好適には光透過性を最大化することができるよう選択される。例えば、区画12が長方形である場合には、各区画12の最長の辺の両端の交差部13の中心間距離、すなわち間隔をAとしたとき、その最長の辺の最大たわみがAの5%以内になるように芯材10を構成する。区画12が正方形である場合には、各区画12の各辺の両端の交差部13の間隔をaとしたとき、各辺の最大たわみがaの5%以内になるように芯材10を構成する。Aまたはaは必要に応じて選ばれるが、一般的には、5mm以上50mm以下であり、枠材の太さは0.5mm以上5mm以下である。

【0029】
芯材10の材料は、例えば、既に挙げた各種の材料(プラスチック、繊維、金属、セラミックス、ガラス等)の中から必要に応じて選ばれる。

【0030】
[真空断熱材の製造方法]
真空断熱材の製造方法の一例を図4A~Dに従って説明する。

【0031】
図4Aに示すように、芯材10に使用する材料に応じて、従来公知の技術により芯材10を形成する。例えば、芯材10に使用する材料がプラスチックである場合は、射出成型や3Dプリンターにより芯材10を形成する。

【0032】
次に、図4Bに示すように、ガスバリアフィルム20により形成された一端が開放した長方形の封筒状の袋30に芯材10を挿入する。

【0033】
次に、図4Cに示すように、袋30の内部を真空引きしながら袋30の開放端を熱溶着して封止する。こうして、芯材10がガスバリアフィルム20により真空封入される。

【0034】
この後、必要に応じて、図4Dに示すように、ガスバリアフィルム20の外周部を切除する。

【0035】
以上により、目的とする真空断熱材が製造される。

【0036】
[芯材10の設計方法]
既に述べたように、この真空断熱材においては、この真空断熱材を使用する環境、例えば大気中において、真空封入を行った後に外部から圧力がかかる条件に対しても、芯材10が変形して形状が変化することなく、真空断熱材の内部の真空層を保持することができる強度が必要となる。一方で、真空層を形成するために必要な、交差部13の間隔が小さい、もしくは枠材11の幅(太さ)が大きくなる場合には、熱橋による断熱性能の低下(真空断熱材の熱伝導率の増大) や光透過性の低下が発生する。従って、真空層を保持することできる範囲で真空断熱材の断熱性能や光透過性の最大化を行うことが求められる。

【0037】
これに対して、本発明者らは、格子状の枠からなる芯材10に対して大気圧がかかる条件における最大たわみを計算するモデルを構築し、真空層を保持することできる交差部13の間隔や枠材11の厚さおよび幅(太さ)等を設計することができるようにした。図5に芯材10の構造計算モデルを示す。図5に示すように、芯材10の枠材11に大気圧(太い矢印で示す)がかかると想定し、交差部13の間隔aに対する最大たわみを計算する。この場合、支柱の役割を果たす交差部13により両端が支持された枠材11に、等分布荷重として大気圧がかかることとなり、二つの力によるたわみが発生する。一つは図6Aに示すような大気圧によるたわみであり、互いに隣接する二つの交差部13の間の枠材11の中央部で最大(ω)となる。この場合、枠材11の応力は中央部で最小応力σmin となり、交差部13で最大応力σmax となる。もう一つは交差部13からの反力Fによるたわみ(ω)であり、交差部13の部分でたわみが最大(ω)となる。この場合、枠材11の応力は中央部で最大応力σmax となり、交差部13で最小応力σmin となる。どちらの最大たわみも以下の(1)式で計算することが可能である。
【数1】
JP2019124327A_000003t.gif
ここで、δは枠材11を矩形の平板と考えたときに均一の負荷がかかる場合の係数、P0 は大気圧(=101.3kPa)[Pa]、aは交差部13の間隔[m]である。Dは板の曲げ剛性[N/m]で、以下の(2)式で計算することができる。
【数2】
JP2019124327A_000004t.gif
ここで、Eは枠材11の弾性率[Pa]、tは交差部13で両端を支持された枠材11の厚さ[m]、μはポアソン比である。枠材11の材料をポリカ—ボネートとし、それを用いた場合の物性値であるE=2.32GPa、μ=0.39と、t=1.0mmを与え、大気圧のみを考えたδ1 =0.0138、反力のみを考えたδ2 =0.0611をそれぞれδに与え、間隔aに対するωmax1とωmax2とをそれぞれ計算した。大気圧のみを考えたδ1 を与えて計算するωmax1と、反力のみを考えδ2 を与えて計算するωmax2とは互いに打消し合うため、枠材11の最大たわみ合計値ωmax は結局、図7に示す通りとなる。真空層を保持することができる最大たわみの安全域(Safety margin) を間隔aの5%と設定し、安全域と最大たわみの計算値 (合計値) とを比較すると、間隔aが14mm以上となると計算値は安全域を超えることが分かる。この結果より、間隔aを例えば10mmとすれば、最大たわみの計算値は安全域よりもずっと小さく、確実に真空層を確保することができると考えられる。また、間隔aと枠材11の幅をそれぞれ変更して、最大たわみの計算を行った結果を図8に示す。この結果より、枠材11の幅が1mmであれば、間隔aは10mm以下とすることが望ましいが、枠材11の幅を1.2mmとすれば、間隔aは15mmまで増やすことも可能となる。この場合、真空断熱材の断熱性能や光透過性を高めることが可能となる。

【0038】
この計算モデルについては、図9に示すような、詳細な3次元有限要素法を用いた計算モデルとの比較により検証も行った。結果として、大気圧による歪みの分布を図10に示す。図10に示すように、歪みの最大値は0.2mm程度となっており、上記の最大たわみの計算値よりも小さくなっていることが分かる。この結果からも構造計算モデルによる設計の有効性が確認できた。

【0039】
また、真空層を保持することができる範囲内において、断熱性能を検討することができる3次元熱移動計算モデルの構築を行った。計算モデルの概念図を図11に示す。熱移動計算モデルでは、内部の自然対流は無視できるものとし、熱伝導と放射のみを考慮している。また、熱伝導は自由分子状態のもとで行われるものとしている。この場合、真空断熱材の熱貫流率Uは以下の(3)式で表すことができる。
【数3】
JP2019124327A_000005t.gif
ここで、RC 、RH はそれぞれ低温側、高温側の表面の熱抵抗である。また、CT は真空断熱材内部のコンダクタンスであり、以下の(4)式で表すことができる。
【数4】
JP2019124327A_000006t.gif
ここで、UV は真空層の熱貫流率、df は枠材11の表面と開口14との間の幅、λf は枠材11の熱伝導率である。UV は熱伝導と放射熱伝達とに分けることにより以下の(5)式で表すことができる。
【数5】
JP2019124327A_000007t.gif
ここで、Rvcは熱伝導による熱抵抗、Rvrは放射による熱抵抗である。真空層内の熱伝導は以下の3次元定常熱伝導の式を解くことにより求められる。ここで、Tは温度、x、y、zは3次元空間の座標である。
【数6】
JP2019124327A_000008t.gif

【0040】
上記の(6)式を解くための、真空層内の熱伝導率λv は以下の(7)式により計算する。
【数7】
JP2019124327A_000009t.gif
ただし、
【数8】
JP2019124327A_000010t.gif
ここで、Lv は真空層の厚さ、γは比熱比、β0 は適応係数、Pは真空層内部の圧力、Mは分子量、T1 、T2 は真空層を形成する両側の部材の温度である。

【0041】
次に、放射伝熱量は以下の(9)式および(10)式により計算できる。
【数9】
JP2019124327A_000011t.gif
【数10】
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ここで、σはステファンボルツマン定数であり、ε1 とε2 は内部表面の放射率である。Tm は放射が行われる内部表面2面の温度の平均値である。φ1,2 は2面間の形態係数であり、以下の(11)式で計算できる。
【数11】
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【0042】
本計算モデルの計算例を以下に示す。真空層の厚さLv 、内部の圧力P、内部表面の放射率ε1 とε2 、支柱となる交差部13の間隔aや枠材11の幅(太さ)を変更して計算を行った。計算条件を表1に示す。表1には各条件の真空断熱材の全体の厚さも記載している。
【表1】
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【0043】
各条件における計算結果として、真空断熱材の熱伝導率と熱貫流率を図12に示す。低放射フィルムを用いることを想定したケース1、ケース3およびケース5については、熱伝導率は同程度となっているが、ケース1およびケース3よりケース5の方が厚さが大きいため、熱貫流率は小さくなる結果が得られた。

【0044】
[実施例]
次のようにして真空断熱材を作製した。

【0045】
まず、市販の熱抵抗型3Dプリンターによりポリカーボネート製の正方形平板状の格子状の枠からなる芯材10を形成した。芯材10の全体の厚さは3mm、一辺の長さは150mm、開口14の高さ(幅)は1mm、開口14の上下の枠材11の高さはそれぞれ1mmである。縦横に形成された枠材11の交差部13は一辺の長さが1mmの立方体である。交差部13の間隔aは10mmである。区画12の数は25列25行で合計625である。この芯材10の一方の主面の全体に市販の透明な低放射フィルム(図示せず)を張り付けた。

【0046】
図13に示すように、透明なガスバリアフィルム20を用いて芯材10が入る大きさの長方形の袋30を作製した。この袋の3辺の周辺部31は熱溶着されており、残りの1辺の端部32だけ開放している。使用したガスバリアフィルム20の断面構造を図14に示す。図14に示すように、ガスバリアフィルム20は、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製ベースフィルム上に厚さ12μmのシリカ蒸着PET膜、ポリアミド(PA)/エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)/ポリアミド(PA)からなる厚さ12μmの3層構造の膜および厚さ40μmのキャストポリプロピレン(CPP)膜を順次形成したものである。この袋30の端部32からこの袋30の内部の一番奥に酸化カルシウム製ゲッター材40を挿入してから袋30の内部に、低放射フィルムを張り付けた芯材10を挿入した。次に、真空ポンプにより端部32から袋30を真空引きした後、端部32を熱溶着した。こうして、ガスバリアフィルム20により芯材10を真空封入し、真空断熱材を作製した。作製された真空断熱材を図15に示す。真空封入後のガスバリアフィルム20は芯材10の外周面に密着し、真空断熱材の内部の空間は真空層となっている。

【0047】
[芯材の断熱性能の評価および伝熱計算モデルの検証]
上記のようにして作製した芯材10について、図16に示すような保護熱板法を用いて設定した圧力条件において熱伝導率を測定し、断熱性能を評価するとともに、伝熱計算モデルの検証を行った。真空チャンバー内の圧力を0.1Pa、1.0Paに設定し、熱板表面を27℃、冷却板表面を17℃に保ち、熱板への加熱量をもとに熱伝導率の評価を行った。熱板および冷却板の表面温度の測定は測温抵抗体Pt-100を用いて行った。また、本試験において得られる熱伝導率については、図16に示すように3層の隙間が発生し、熱抵抗となることが想定される。そのため、伝熱計算モデルとの比較においては、以下の(12)式により3層の隙間の熱抵抗(Rva1 、Rva2 、Rva3 )を除いて評価を行った。
【数12】
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また、伝熱計算モデルと比較する熱伝導率については、RVIP を用いて、以下の(13)式により計算する。
【数13】
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表2に、保護熱板法により測定された熱伝導率λm 、それにより得られる熱抵抗Rm 、各層の隙間の熱抵抗Rva、RVIP およびλVIP の値を示す。
【表2】
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【0048】
上記の計算モデルとの比較結果を図17に示す。図17より、計算モデルは実験値より高い値となっているものの、概ね一致していることが分かり、このことからも計算モデルの再現性が確認できた。

【0049】
更に、格子状の芯材を用いた実施例の真空断熱材と、芯材が異なる非特許文献1のCase1、Case2、Case3、Case4の真空断熱材(それぞれ比較例1、2、3、4とする)との性能の比較を行った。

【0050】
実施例および比較例1~4の真空断熱材について、熱流計法を用いて熱伝導率の測定を行った。測定結果を図18に示す。図18より、実施例の真空断熱材は、比較例1~4の真空断熱材より高い断熱性能が得られることが分かった。また、実施例の真空断熱材と比較例1~4の真空断熱材とを評価項目毎に比較した結果を表3に示す。表3より、実施例の真空断熱材は製造コスト、薄さ、真空断熱材の製作の容易さ等の点において、比較例1~4の真空断熱材より優位性があると言える。
【表3】
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【0051】
以上のように、この第1の実施の形態によれば、真空断熱材の芯材10が格子状の枠からなるため、真空断熱材全体の体積に占める真空層の体積の割合を大きくすることができ、それによって高い断熱性能を得ることができる。また、真空断熱材の面積に占める開口部の面積の割合を大きくすることができるので、ガスバリアフィルム20として透明なものを用いることにより高い光透過性を得ることができ、芯材10も透明に構成することにより一層高い光透過性を得ることができる。また、この真空断熱材は、格子状の枠からなる芯材10をガスバリアフィルム20により真空封入するだけで容易に製造することができるため、安価に製造することができる。このため、実用上十分に高い断熱性能、更にはガスバリアフィルム20として透明なものを用いた場合には高い光透過性も備えた安価な真空断熱材を実現することができる。また、この真空断熱材は薄型化および軽量化を容易に行うことができる。このような高い断熱性能、更にはガスバリアフィルム20として透明なものを用いた場合には高い光透過性も備えた安価で薄型化および軽量化も容易な真空断熱材は、例えば、既存の建築物、移動体等の窓等に容易に設置することができ、あるいは電気機器の断熱材として用いたりすることができ、それによって、CO2 排出量の抑制を図ることができ、省エネルギー性に優れた建築物、移動体および電気機器を安価に実現することができる。

【0052】
〈第2の実施の形態〉
[建築物]
図19は第2の実施の形態による建築物、特に窓が取り付けられた外壁の一部を示す。図19に示すように、この建築物においては、外壁50にアルミサッシ(図示せず)等に取り付けられたガラス製の窓60が設けられている。窓60の内側にはカーテン70が取り付けられている。そして、このカーテン70の内側に、第1の実施の形態による真空断熱材80が設置されている。この真空断熱材80は、透明なガスバリアフィルム20が用いられており、光透過性を有するものであ。

【0053】
この第2の実施の形態によれば、建築物の窓50の内側に真空断熱材80が設置されていることにより、窓60の光透過性を損なうことなく高断熱化を行うことができ、省エネルギー性に優れた建築物を実現することができる。

【0054】
〈第3の実施の形態〉
[移動体]
第3の実施の形態においては、自動車、列車(電車を含む)、飛行機、船舶等の移動体の窓の内側に、真空断熱材80が設置されている。この真空断熱材80は、透明なガスバリアフィルム20が用いられており、光透過性を有するものである。移動体の窓は、例えば、自動車においてはリアウィンドウ、列車においては車両の側面の窓、飛行機においては胴体の側面の窓、船舶においては航行の安全に関係のない部位の窓等である。

【0055】
この第3の実施の形態によれば、移動体の窓の内側に真空断熱材80が設置されていることにより、窓の光透過性を損なうことなく高断熱化を行うことができ、省エネルギー性に優れた移動体を実現することができる。

【0056】
〈第4の実施の形態〉
[電気機器]
第4の実施の形態においては、例えば、断熱材を用いる部位がある冷蔵庫等の電気機器の断熱材として、第1の実施の形態による真空断熱材が設置されている。この真空断熱材は、特に光透過性を持たせる必要がないため、ガスバリアフィルム20は透明とする必要はないが、透明なものを用いてもよい。

【0057】
この第4の実施の形態によれば、電気機器の断熱材として第1の実施の形態による真空断熱材が設置されていることにより、省エネルギー性に優れた電気機器を実現することができるとともに、真空断熱材の薄型化および軽量化を容易に行うことができるため電気機器の小型化および軽量化を行うことができる。

【0058】
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。

【0059】
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、材料、形状、配置等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…芯材、20…ガスバリアフィルム、30…袋、50…外壁、60…窓、70…カーテン、80…真空断熱材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
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【図18】
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【図19】
18