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明細書 :力センサ、および、力センサの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和元年7月25日(2019.7.25)
発明の名称または考案の名称 力センサ、および、力センサの製造方法
国際特許分類 G01L   5/16        (2006.01)
G01L   1/22        (2006.01)
H01L  29/84        (2006.01)
B81B   3/00        (2006.01)
B81C   3/00        (2006.01)
FI G01L 5/16
G01L 1/22 D
H01L 29/84 B
B81B 3/00
B81C 3/00
国際予備審査の請求
全頁数 18
出願番号 特願2018-539577 (P2018-539577)
国際出願番号 PCT/JP2017/029290
国際公開番号 WO2018/051703
国際出願日 平成29年8月14日(2017.8.14)
国際公開日 平成30年3月22日(2018.3.22)
優先権出願番号 2016179650
優先日 平成28年9月14日(2016.9.14)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】磯野 吉正
出願人 【識別番号】504150450
【氏名又は名称】国立大学法人神戸大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100109210、【弁理士】、【氏名又は名称】新居 広守
審査請求 未請求
テーマコード 2F049
2F051
3C081
4M112
Fターム 2F049BA13
2F049CA07
2F049CA08
2F051AA10
2F051AA17
2F051AB10
2F051BA07
2F051DA05
3C081AA01
3C081AA11
3C081BA03
3C081BA04
3C081BA22
3C081BA32
3C081BA42
3C081BA44
3C081BA48
3C081BA55
3C081BA77
3C081CA02
3C081CA14
3C081CA23
3C081DA04
3C081DA10
3C081EA03
4M112AA01
4M112CA41
4M112CA49
4M112CA53
4M112DA03
4M112DA10
4M112DA12
4M112DA15
4M112DA18
4M112EA03
4M112EA06
4M112EA14
4M112FA20
4M112GA01
4M112GA03
要約 MEMSとしての力センサ(100)であって、半導体からなる基礎部材(110)の表層の一部に素子部(111)が設けられる検出部(101)が円周上に並んで複数配置され、検出部(101)を両面から挟んだ状態で配置される樹脂製の弾性部(102)と、検出部(101)が配置される円周の中央部において検出部(101)の一端部にそれぞれ接続され、弾性部(102)から突出する位置にまで延在する探針部(103)とを備える力センサ(100)。
特許請求の範囲 【請求項1】
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサであって、
半導体からなる基礎部材の表層の一部に素子部が設けられる検出部が円周上に並んで複数配置され、
前記検出部を挟んだ状態で配置される樹脂製の弾性部と、
前記検出部が配置される円周の中央部において前記検出部の一端部にそれぞれ接続され、前記弾性部から突出する位置にまで延在する探針部と
を備える力センサ。
【請求項2】
前記検出部が配置される円周の外周部において前記検出部の他端部にそれぞれ接続される保持部と、
前記探針部の反対側において、前記保持部に接続される端子部とをさらに備え、
前記端子部は、
前記検出部と対向する部分に前記弾性部を収容する凹部と、前記凹部に連通する貫通孔とを備える
請求項1に記載の力センサ。
【請求項3】
前記検出部において、前記素子部は、前記探針部の反対側に配置される
請求項1または2に記載の力センサ。
【請求項4】
前記探針部に取り付けられ、前記探針部を覆うカバーをさらに備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の力センサ。
【請求項5】
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサの製造方法であって、
半導体からなる基礎部材の表層の一部に素子部が円周上に並んで複数配置される検出部を成形し、
前記基礎部材において、隣り合う前記検出部の間に厚さ方向に貫通する分割孔を成形し、
前記検出部が配置される円周の中央部において前記検出部の一端部にそれぞれ接続される突出状の探針部を成形し、
前記検出部が配置される円周の外周部において前記検出部の他端部にそれぞれ接続される保持部に対し、前記探針部の反対側から端子部を電気的、かつ、機械的に接続し、
前記端子部の前記検出部と対向する部分に設けられる凹部に、前記凹部に連通する貫通孔を用いて樹脂を前記凹部に充填し、さらに、前記分割孔を通して前記検出部を挟んだ状態となるように前記樹脂を配置し、前記樹脂を硬化させて弾性部を成形する
力センサの製造方法。
【請求項6】
樹脂を前記凹部に充填する前に、前記樹脂の流れを規制するカバーを前記探針部に取り付ける
請求項5に記載の力センサの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、加えられた力の大きさや方向などを検出する力センサ、および、力センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットハンドの表面など比較的大きな機械要素へ実装される触覚センサが存在している。このような触覚センサは、ロボットハンドの表面に広く分布させる必要があるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により小型化が図られている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の触覚センサは、1つの素子で3軸方向の力を検出することができるセンサであり、一辺が0.5mm程度の矩形の基板上に形成されている。また、このような触覚センサは、検出範囲が比較的狭く、かつ、比較的強い力を検出するものである。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2015-87131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、例えば外科手術などに用いられる低侵襲医療用カテーテルのガイドワイヤ先端は、直径が0.3mm~0.5mmの半球形状をしており、これに従前の触覚センサを実装することはほぼ不可能であった。
【0006】
また、極小の力まで検出でき、かつ、広い検出範囲実現し、かつ、1つの素子で3軸方向の力を検出することは、従前の触覚センサでは困難であった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、微小な部分に取り付け可能であり、広い検出範囲で極小の力まで三次元的に検出することのできる力センサ、および、力センサの製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明にかかる力センサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサであって、半導体からなる基礎部材の表層の一部に素子部が設けられる検出部が円周上に並んで複数配置され、前記検出部を挟んだ状態で配置される樹脂製の弾性部と、前記検出部が配置される円周の中央部において前記検出部の一端部にそれぞれ接続され、前記弾性部から突出する位置にまで延在する探針部とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによれば、突出状態で検出部の一端部に接続されている探針部に弾性部を介さずに直接力が加えられると、検出部がひずみ、そのひずみ量に応じて複数の素子部から信号を取得することが可能となる。従って、検出部を小型化、薄型化すると非常に小さな力まで検出することが可能となる。一方、検出部は、弾性部によって挟まれているため小型化された検出部の構造的強度を補うことができ、強い力が探針部に加えられた場合でも検出部が破壊されることを抑制できる。さらに、探針部に加えられた力に対する検出部のひずみ量を弾性部の弾性力により調整することが可能となるため、力の検出範囲を広くすることが可能となる。
【0010】
また、前記検出部が配置される円周の外周部において前記検出部の他端部にそれぞれ接続される保持部と、前記探針部の反対側において、前記保持部に接続される端子部とをさらに備え、前記端子部は、前記検出部と対向する部分に前記弾性部を収容する凹部と、前記凹部に連通する貫通孔とを備えてもよい。
【0011】
これによれば、探針部の突出方向に沿って探針部の反対側から信号を端子部を介して取り出すことができるため、信号伝送用の配線が邪魔になることなくワイヤーなどの細い部材の先端に力センサを取り付けることが可能となる。
【0012】
また、前記検出部において、前記素子部は、前記探針部の反対側に配置されても構わない。
【0013】
これにより、探針部を検出部に別途取り付けることなく検出部と探針部とを一体に成型することができ、製造誤差の発生を抑制することが可能となる。
【0014】
また、前記探針部に取り付けられ、前記探針部を覆うカバーをさらに備えてもよい。
【0015】
これによれば、探針部を覆うことで、生体適合性など化学的な性質を探針部に付加することが可能となる。また、鋭利な探針部を覆うことで測定対象物を傷付けることなどを防止することができる。
【0016】
また、上記目的を達成するために本発明に係る力センサの製造方法は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としての力センサの製造方法であって、半導体からなる基礎部材の表層の一部に素子部が円周上に並んで複数配置される検出部を成形し、前記基礎部材において、隣り合う前記検出部の間に厚さ方向に貫通する分割孔を成形し、前記検出部が配置される円周の中央部において前記検出部の一端部にそれぞれ接続される突出状の探針部を成形し、前記検出部が配置される円周の外周部において前記検出部の他端部にそれぞれ接続される保持部に対し、前記探針部の反対側から端子部を電気的、かつ、機械的に接続し、前記端子部の前記検出部と対向する部分に設けられる凹部に、前記凹部に連通する貫通孔を用いて樹脂を前記凹部に充填し、さらに、前記分割孔を通して前記検出部を挟んだ状態となるように前記樹脂を配置し、前記樹脂を硬化させて弾性部を成形することを特徴とする。
【0017】
これによれば、ワイヤーなど細い部材の先端に取り付け可能な力センサを容易に製造することが可能となる。
【0018】
また、樹脂を前記凹部に充填する前に、前記樹脂の流れを規制するカバーを前記探針部に取り付けてもよい。
【0019】
これによれば、検出部を通過して漏れ出てくる樹脂を、所定の位置で規制することができ、検出部を挟む弾性部の厚さを統一して、製品としての力センサ間の性能を均一化することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、広い検出範囲で小さな力まで検出することができる微小な力センサを提供することができ、また、当該力センサを容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、力センサを示す斜視図である。
【図2】図2は、力センサを分解した状態で示す斜視図である。
【図3】図3は、検出部を探針部、および、保持部と共に下方から示す斜視図である。
【図4】図4は、力センサの断面図である。
【図5】図5は、図4の断面を45°ずらして示す断面図である。
【図6】図6は、変形例に係る検出部を探針部、および、保持部と共に下方から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る力センサ、および、力センサの製造方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明に係る力センサ、および、力センサの製造方法の一例を示したものに過ぎない。従って本発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。

【0023】
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。

【0024】
図1は、力センサを示す斜視図である。

【0025】
図2は、力センサを分解した状態で示す斜視図である。

【0026】
これらの図に示すように、力センサ100は、フォトリソグラフィなどの微細加工技術を用いて製造され、機械的構造と電気素子的構造とを併せ持ついわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)としてのセンサであって、検出部101と、弾性部102と、探針部103とを備えている。本実施の形態の場合、力センサ100は、保持部104と、端子部105と、カバー106とを備えている。

【0027】
図3は、検出部を探針部、および、保持部と共に下方から示す斜視図である。

【0028】
同図に示すように、検出部101は、半導体からなる基礎部材110の表層の一部に素子部111が設けられた部材であり、検出部101の弾性変形的ひずみを素子部111によって電気信号に変更する部分である。また、検出部101は、円周上に均等に並んで配置されている。これにより、各検出部101の素子部111から得られる信号を処理することにより探針部103に加えられた力の方向を三次元的に特定することができ、また、力の大きさを取得することが可能となっている。

【0029】
なお、検出部101の数は3以上であればよく、本実施の形態の場合、力センサ100は、検出部101を放射状に4つ備えている。また、検出部101の表面には、隣り合う2つの素子部111の一端部同士を電気的に接続するために膜状の配線部材119が形成されている。

【0030】
素子部111は、検出部101のひずみを電気信号に変換することができる素子である。本実施の形態の場合、素子部111は、ピエゾ抵抗効果を発揮する部分であり、基礎部材110の表層に、基礎部材110を構成する元素とは異なる元素(不純物)をドーピングすることにより成形される。なお、素子部111の成形方法は、特に限定されるものではなく、不純物を基礎部材110の表層に熱拡散させる方法や、イオン注入により不純物を基礎部材110に埋め込む方法を例示できる。

【0031】
本実施の形態の場合、素子部111は、検出部101の幅方向の2箇所に帯状に設けられており、それぞれが検出部101の一端部から他端部にわたって延在している。これにより、探針部103を中心とした放射方向における検出部101の歪を主として検出することができるものとなっている。

【0032】
また、複数の検出部101は、一枚の半導体基板を微細加工することにより成形されるものであり、複数の検出部101が相互に独立してひずみを検出するために、隣り合う検出部101の間には、厚さ方向に貫通する分割孔112が設けられている。

【0033】
探針部103は、複数の検出部101が配置される円周の中央部において検出部101の一端部にそれぞれ接続された状態で配置される部分である。本実施の形態の場合、探針部103は、四つの検出部101が配置される平面に対し、垂直に起立した円柱状の部材であり、素子部111が設けられている面の反対側に向かって突出している。探針部103の長さは特に限定されるものではないが、検出部101を挟むように配置される弾性部102から突出する(露出する)長さとなっている。また本実施の形態の場合、一枚の半導体基板を微細加工することにより探針部103と検出部101とを一体に成形するため、探針部103の長さは加工前の半導体基板の厚さに依存する。

【0034】
保持部104は、検出部101が配置される円周の外周部において検出部101の他端部にそれぞれ接続され、検出部101を保持する部分である。本実施の形態の場合、保持部104は、四つの検出部101が配置される平面内に配置される円環状の部材である。また本実施の形態の場合、一枚の半導体基板を微細加工することにより検出部101の基礎部材110と保持部104とは一体に成形される。

【0035】
また、保持部104の表面には、検出部101に設けられる素子部111の両端部にそれぞれ接続される膜状の電極141が成形されている。電極141は、素子部111で発生した電気信号を外部に導出するための部材である。

【0036】
図4は、力センサの断面図である。

【0037】
図5は、図4の断面を45°ずらして示す断面図である。

【0038】
これらの図に示すように、弾性部102は、検出部101を素子部111が成形されている面、および、探針部103が突出している側の面の両面から挟んだ状態で配置される部材であり、弾性を備えた樹脂で成形される部材である。本実施の形態の場合、弾性部102は、隣り合う検出部101の間に設けられる分割孔112を介して一体に成形されている。弾性部102の形状や、弾性部102を構成する材料は、特に限定されるものではなく、検出する力の大きさや検出範囲によって適宜決定される。つまり、探針部103に力が加えられることにより発生する検出部101のひずみの量が検出部101を挟んで配置される弾性部102のヤング率などにより調整される。樹脂としては具体的には、アクリル樹脂、ジメチルポリシロキサンのようなシリコン樹脂、その他エラストマーを例示することができる。

【0039】
カバー106は、探針部103に取り付けられ、探針部103を覆う部材である。カバー106は、微細加工により成形される比較的鋭利な探針部103を覆い、また、生体内部などの特殊な環境から探針部103を遮断するものである。カバー106の形状や材質は、特に限定されるものではないが、加えられた力を探針部103に伝達しうる剛性を備えており、鋭利な部分がないことが好ましい。

【0040】
本実施の形態の場合、カバー106は、先端がドーム状の砲弾形状であり、少なくとも弾性部102よりも高い剛性を備えた樹脂で成形されている。また、カバー106は、弾性部102の検出部101と反対側の面に接触した状態で探針部103に取り付けられている。これにより、弾性部102の弾性力がカバー106に加えられた力に抗することができるため、不本意に大きな力がカバー106に加えられた場合でも検出部101の破壊を免れることができる。

【0041】
端子部105は、探針部103の反対側において、保持部104に接続される部材であり、保持部104を介して検出部101や探針部103を機械的に保持すると共に、素子部111で発生する電気信号を探針部103の延在方向に沿って探針部103突出方向と反対向きに導出する部材である。本実施の形態の場合、端子部105は、導電体部151と、絶縁体部152と、凹部153と、貫通孔154とを備えている。

【0042】
導電体部151は、保持部104の表面に設けられた電極141と電気的に接続され、素子部111の電気信号を端子部105の反対側の端部まで導く部分である。本実施の形態の場合、素子部111が4箇所に配置されているため、導電体部151は、端子部105の内部に円周上に並んで8箇所に配置されている。導電体部151の形状は、特に限定されるものではないが、端子部105と接続される側の形状は、接触面積を広くするため端子部105と同型状となっており、反対側の形状は、ワイヤー状の導線との接続を容易にするため、導電体部151相互の絶縁を維持しつつできる限り面積が大きくなるような形状となっている。

【0043】
絶縁体部152は、複数本の導電体部151を相互に導通しない様に保持し、かつ、保持部104を介して検出部101、および、探針部103を先端に保持するための部材である。絶縁体部152の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、絶縁体部152の形状は、円環状の保持部104の外径に対応した円筒状あり、保持部104などと同様微細加工技術で成形されている。絶縁体部152の材質も、力センサ100を使用する環境において絶縁体であればよい。本実施の形態の場合、絶縁体部152は、保持部104などと同じシリコン製の半導体基板に基づいて形成されている。

【0044】
凹部153は、絶縁体部152の検出部101と対向する端部において、検出部101から遠ざかる方向に窪んだ部分であり、検出部101を挟んで配置される弾性部102の一部を収容する部分である。

【0045】
貫通孔154は、絶縁体部152に設けられ、凹部153に連通する孔である。本実施の形態の場合、弾性部102は、貫通孔154を通して充填される樹脂が硬化することにより形成されるものであるため、貫通孔154には弾性部102と同じ樹脂が充填されている。

【0046】
本実施の形態に係る力センサ100によれば、検出部101の両面ばかりでなく検出部101の周囲の部分も弾性部102により覆われているため、微細加工によって小さな力でも歪むように成形された検出部101の感度を弾性部102のヤング率により調整し、例えば力の検出範囲を0.01N~5N等の微小な力を含むワイドレンジにすることが可能となる。

【0047】
また、大きな外力が働いた場合でも、弾性部102や弾性部102に接触するカバー106により検出部101が保護されているため、検出部101が破壊されることを抑止できる。

【0048】
また、端子部105を含む力センサ100全体が細い棒形状(例えば径が500μm以下)となっており、その先端部に探針部103が突出状態で配置されているため、生体内に挿入するカテーテルの先端などにも容易に取り付けることが可能となる。

【0049】
また、信号増幅器などに力センサ100を接続するための配線を端子部105を用いることにより検出部101から離れた位置で接続することができるため、力の測定の妨げとなるような配線を探針部103から遠ざけることが可能となる。

【0050】
さらに、複数の検出部101により、加えられる力を三次元的に捉えることができ、1つの力センサ100でベクトル情報を取得することが可能となる。

【0051】
つぎに、力センサ100の製造方法を説明する。

【0052】
力センサ100は、例えば全体として500μm以下の径、1000μm以下の大きさであり、力センサ100の製造には半導体デバイスの製造に利用される微細加工技術が用いられる。

【0053】
本実施の形態の場合、検出部101と探針部103と保持部104とを1つの半導体基板から形成する。

【0054】
半導体基板は、いわゆるSOI(Silicon on Insulator)と称される基板を用いている。これは、シリコン層の表面に酸化シリコンの薄膜層が形成されている基板である。本実施の形態では、シリコン層の中間部分にも酸化シリコン層が配置される4層構造の基板が用いられている。このように離れて配置される酸化シリコンに挟まれるシリコン層の厚さが、検出部101、および、保持部104の厚さとなり、当該部分が基礎部材110に該当する。

【0055】
つぎに、このような半導体基板の表面に形成される酸化シリコンの膜に、素子部111を形成するためのパターンをエッチングにより形成する。

【0056】
つぎに、エッチングされてシリコン層の表面が露出した部分にシリコンとは異なる元素(例えば、ゲルマニウムなど)を充填し、熱により当該元素をシリコン層の表層に拡散させる。これにより、基礎部材110の表層部分にピエゾ抵抗効果を発揮する素子部111が形成される。

【0057】
つぎに、周知の技術を用いて、酸化シリコン層の表面に配線部材119や電極141を形成する。

【0058】
つぎに、例えば反応性プラズマエッチングなどのドライエッチングにより、保持部104や分割孔112を形成する。

【0059】
つぎに、素子部111を形成した面とは反対側からシリコン層の中間に配置される酸化シリコンの層までドーナツ状にエッチングし、探針部103を形成する。従って厳密には、探針部103と検出部101とは、酸化シリコンの層を介して接続されることになる。

【0060】
一方、別のSOI基板を用い、端子部105を成形する。

【0061】
端子部105の形成に用いられるSOI基板は、シリコン層の両面に酸化シリコン層が形成された3層構造の基板である。

【0062】
当該基板の両側からエッチングを行い(同時にエッチングする必要はない)、導電体部151を充填するための円周上に並んだ貫通孔を複数本(本実施の形態の場合8本)形成する。また同時に、凹部153も形成する。

【0063】
つぎに、形成された貫通孔に、銅などの導電体を周知の技術を用いて充填する。なお、保持部104に設けられた電極141と導電体部151の端部とは、ウエハーレベルCSP(Wafer level Chip Size Package)技術を用いて熱圧着により接続するため、電極141と接続する側の面は面一の部材で封止された状態で、反対側の開口から導電体が充填される。

【0064】
つぎに、中央部分に貫通孔154をエッチングにより形成する。

【0065】
以上により端子部105が形成される。

【0066】
つぎに、端子部105と検出部101とを保持部104を介して接続する。接続方法は、特に限定されるものではないが、上述のウエハーレベルCSP技術が用いられる。

【0067】
つぎに、カバー106を接着剤などを用いて端子部105に取り付ける。

【0068】
つぎに、カバー106と検出部101、および、その周辺に弾性部102を配置する。配置する方法は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、熱により可塑化した樹脂を真空吸引により貫通孔154を通じて吸い上げることで、端子部105に設けられた凹部153を樹脂で充填し、さらに分割孔112を通して検出部101とカバー106との間を樹脂で充填することで弾性部102を形成している。

【0069】
以上により、力センサ100が製造される。

【0070】
また、力センサ100は、端子部105の端部に露出している導電体部151にワイヤボンディングを行い、配線処理を行う事で、信号増幅器などに力センサ100を接続することが可能となる。

【0071】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。

【0072】
例えば、上記実施の形態では、1つの検出部101に直列接続された2つの素子部111が設けられた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示すように、1つの検出部101に1つの素子部111を備えるものでも構わない。

【0073】
また、隣り合う検出部101の間に分割孔112がなく、一枚の作動膜(ダイヤフラム)に複数の検出部101が設けられるものでも構わない。

【0074】
また、検出部101と探針部103とが一体に成形される場合を説明したが、別体の探針部103と検出部101とを接合するものでも構わない。

【0075】
また、端子部105を用いることなく、保持部104に設けられている電極141に直接ワイヤボンディングを実行しても構わない。

【0076】
また、シリコン製の基板に基づき力センサ100を製造する場合を説明したが、微細加工が可能な材質であれば、シリコンに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る力センサは、例えば低侵襲医療用カテーテルガイドワイヤ、医療用内視鏡、ロボットハンド等に利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 力センサ
101 検出部
102 弾性部
103 探針部
104 保持部
105 端子部
106 カバー
110 基礎部材
111 素子部
112 分割孔
119 配線部材
141 電極
151 導電体部
152 絶縁体部
153 凹部
154 貫通孔
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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