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明細書 :抗炎症剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2021-017432 (P2021-017432A)
公開日 令和3年2月15日(2021.2.15)
発明の名称または考案の名称 抗炎症剤
国際特許分類 A61K  31/223       (2006.01)
A61P  29/00        (2006.01)
FI A61K 31/223 ZNA
A61P 29/00
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2019-135613 (P2019-135613)
出願日 令和元年7月23日(2019.7.23)
発明者または考案者 【氏名】有村 源一郎
【氏名】八須 匡和
【氏名】八代 拓也
【氏名】堀戸 重臣
【氏名】西山 千春
【氏名】助川 聖
【氏名】宮永 正斗
【氏名】齋藤 栞
出願人 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
【識別番号】100136939、【弁理士】、【氏名又は名称】岸武 弘樹
審査請求 未請求
テーマコード 4C206
Fターム 4C206AA01
4C206AA02
4C206DB56
4C206FA53
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZB11
要約 【課題】安全性が高い、新規の抗炎症剤を提供する。
【解決手段】抗炎症剤は、モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する。抗炎症剤に含有されるモノテルペンアルコールはメントールでもよい。抗炎症剤に含有されるエステルは、Rが炭素数3~6の分岐アルキル基である、下記式(2)で表される化合物でもよい。
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【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する、抗炎症剤。
【請求項2】
前記モノテルペンアルコールがメントールである、請求項1に記載の抗炎症剤。
【請求項3】
前記分岐鎖アミノ酸が下記式(1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の抗炎症剤。
【化1】
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[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
【請求項4】
前記エステルが下記式(2)で表される化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗炎症剤。
【化2】
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[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、抗炎症剤に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼化剤、香料、安定化剤等の用途で用いられる医薬品添加物として、モノテルペンアルコールが挙げられる。特に、ペパーミントに含まれる主要な揮発性モノテルペンアルコールであるメントールは、皮膚に冷感や清涼感等を与えることを目的として、多くの鎮痛消炎外用剤に配合されている。
【0003】
一方で、非ステロイド系抗炎症剤の一つであるフェニル酢酸誘導体を有効成分とする消炎鎮痛剤にメントール類を配合することで、消炎鎮痛作用が増強することが報告されている(例えば、特許文献1参照)。また、メントール自体が、局所麻酔作用を示すことや(例えば、非特許文献1参照)、腸における抗炎症作用を示すことも報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
また、メントールに代表されるモノテルペンアルコールは、毒性や刺激が非常に低いことが知られている。これらのことから、より安全性が高い抗炎症剤の開発に向けた、モノテルペンアルコールの応用が期待されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2003-286161号公報
【0006】

【非特許文献1】Galeotti et al.,Planta Med.;2001;67;174
【非特許文献2】Bastaki et al.,Am.J.Transl.Res.;2018;10;4210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みて提案されたものであり、安全性が高い、新規の抗炎症剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的について鋭意研究した結果、モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステルが、高い抗炎症作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0009】
<1> モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する、抗炎症剤。
【0010】
<2> 上記モノテルペンアルコールがメントールである、<1>に記載の抗炎症剤。
【0011】
<3> 上記分岐鎖アミノ酸が下記式(1)で表される化合物である、<1>又は<2>に記載の抗炎症剤。
【化1】
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[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
【0012】
<4> 上記エステルが下記式(2)で表される化合物である、<1>~<3>のいずれか一つに記載の抗炎症剤。
【化2】
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[式中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。]
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安全性が高い、新規の抗炎症剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】メントール及び異なる種類のメントールアミノ酸エステルを接触させた、リポ多糖刺激RAW264.7細胞における、TNF-α及びIL-1βのmRNA量を示す図である。
【図2】異なる濃度のメントール、メントールバリンエステル及びメントールイソロイシンエステルを接触させた、リポ多糖刺激RAW264.7細胞における、TNF-αのmRNA量を示す図である。
【図3】異なる濃度のメントール、メントールバリンエステル及びメントールイソロイシンエステルを接触させた、RAW264.7細胞における、細胞生存率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

【0016】
本実施形態に係る抗炎症剤は、モノテルペンアルコールと分岐鎖アミノ酸とのエステル又はその塩を有効成分として含有する。

【0017】
<モノテルペンアルコール>
エステルを構成するモノテルペンアルコールは特に限定されず、例えば、メントール、チモール、カルバクロール、テルピネオール、リナロール、ヒノキチオール、ゲラニオール、ネロール、テルピネン-4-オール、シトロネロール、ラバンジュロール、ボルネオール、又はペリルアルコール等が挙げられる。また、エステルを構成するモノテルペンアルコールが異性体を有する場合、異性体の種類は限定されない。

【0018】
上述したように、それ自体が抗炎症作用をもつ観点から、エステルを構成するモノテルペンアルコールはメントールであることが好ましい。また、メントールには多数の異性体が存在することが知られているが、入手容易性の観点から、エステルを構成するモノテルペンアルコールはl-メントール又はd-メントールであることがより好ましく、l-メントールであることが更に好ましい。

【0019】
<分岐鎖アミノ酸>
エステルを構成する分岐鎖アミノ酸は、下記式(1)で表される。下記式(1)中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。分岐アルキル基は特に限定されず、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基等が挙げられる。一実施形態では、分岐アルキル基は、イソプロピル基又はsec-ブチル基である。また、エステルを構成する分岐鎖アミノ酸の異性体の種類は限定されず、D体、L体、DL体のいずれであってもよい。なお、経済性や入手容易性の観点から、エステルを構成する分岐鎖アミノ酸はL体であることが好ましい。
【化3】
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【0020】
上記式(1)で表される分岐鎖アミノ酸の具体例としては、例えば必須アミノ酸であるバリン、イソロイシン、ロイシン等が挙げられる。これらの内、エステルを構成する分岐鎖アミノ酸は、バリン又はイソロイシンであることが好ましい。

【0021】
<エステル>
抗炎症剤に含有されるエステルは、下記式(2)で表される。下記式(2)中、Rは炭素数3~6の分岐アルキル基を示す。エステルの異性体の種類は限定されない。
【化4】
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【0022】
上記式(2)で表されるエステルの具体例としては、上記式(2)中のRがイソプロピル基のものや、sec-ブチル基のもの等が挙げられる。

【0023】
エステルは、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。例えば、エステルは、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩の形態であってもよく、酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸との塩の形態であってもよい。

【0024】
<抗炎症剤>
本実施形態に係る抗炎症剤は、炎症の予防又は治療に用いることができる。「炎症」とは、各種の刺激、損傷、感染等によって引き起こされる様々な反応機序を指す。炎症が惹起されているかは、公知の炎症マーカーを用いて特定できる。炎症マーカーとしては、例えば、TNF-α、IL-1β、iNOS、INF-γ、COX-2、NF-κB等が知られる。なお、「予防」には、疾患の発症を防ぐことのほか、発症の時期を遅らせることも含まれる。また、「治療」には、疾患の症状を消失又は軽減させることのほか、症状の進行の度合いを抑制することも含まれる。

【0025】
上記「炎症」は一般的な炎症疾患を含んでおり、例えば、アトピー性皮膚炎を含む各種皮膚炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、アレルギー、全身性紅斑性狼瘡、天疱瘡、アフター性口内炎、網膜炎のような眼疾患、胃炎、肝炎、気管支炎、食道炎、腸炎、膵臓炎、大膓炎、腎臓炎、床擦れ、狼瘡、慢性甲状腺炎、多発性硬化症のような各種慢性炎症疾患、敗血症、ショック、放射線損傷、臓器移植の拒絶反応のような各種急性炎症疾患、全身性浮腫及び局所性浮腫、等が挙げられる。

【0026】
本実施形態に係る抗炎症剤は、エステル又はその塩以外の成分を含有していてもよい。例えば、抗炎症剤は、製剤素材として慣用の有機又は無機の担体を含有していてもよい。この担体は、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等として、液状製剤においては、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤等として配合される。また、抗炎症剤は、防腐剤、抗酸化剤、薬剤の溶解剤、経皮吸収促進剤、着色剤、甘味剤、香料等の製剤添加物を含有していてもよい。

【0027】
本実施形態に係る抗炎症剤の剤形は特に制限されない。抗炎症剤の剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤等の経口剤;注射剤、点滴剤、外用剤、坐剤、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤;等が挙げられる。

【0028】
本実施形態に係る抗炎症剤は、医薬品の分野において採用される任意の方法や適当な改良を加えた方法によって製造することができる。

【0029】
本実施形態に係る抗炎症剤の投与量は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状等に応じて適宜決定される。また、投与回数や投与間隔等も特に制限されず、単回投与であっても、複数回投与であってもよい。

【0030】
本実施形態に係る抗炎症剤は、投与目的等に応じて、他の薬剤と併用して投与してもよい。抗炎症剤と併用される薬剤の種類や量等は、得ようとする効果等に基づき適宜選択され、それらは抗炎症剤とともに投与してもよいし、別々に投与してもよい。

【0031】
本実施形態に係る抗炎症剤の投与対象は特に限定されず、哺乳類等を好ましく挙げることができる。哺乳類としては、ヒト、及び非ヒト動物(マウス、ラット、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等)のいずれであってもよい。
【実施例】
【0032】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
【実施例】
【0033】
(メントールアミノ酸エステルの合成)
l-メントールとL-アミノ酸とのエステル(本明細書において、「メントールアミノ酸エステル」ともいう)の合成は、Haradaらの論文(Harada et al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.;1964;37;191)に記されている方法に従って行った。まず、1モル当量のL-アミノ酸、1.3モル当量のp-トルエンスルホン酸一水和物、及び1.5モル当量のl-メントールをトルエンに懸濁し、還流冷却器が備えられたDean-Stark装置を用いて、110℃で3日間加熱した。酢酸エチルで希釈した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過及び減圧濃縮を行い、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、メントールアミノ酸エステルを得た。
【実施例】
【0034】
(試験例1)
以下の試験では、RAW264.7細胞株(マウスマクロファージ様細胞株)を用いた。RAW264.7細胞株の培養には、終濃度10%のFCS(富士フイルム和光純薬社)、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを含む0.85%生理食塩水(富士フイルム和光純薬社)を添加したDMEM培地(SIGMA社)を使用した。RAW264.7細胞株は、5.0×10 cells/wellとなるように12well-plate(IWAKI社)に播種し、37℃、5%COのインキュベーター内で、24時間培養を行った。
【実施例】
【0035】
0.1mM MES及び0.1% DMSOを含有する水溶液に溶解した、メントール及び異なる種類のメントールアミノ酸エステルを、終濃度が100μMの濃度となるように培地に添加し、24時間インキュベートを行った。次に、リポ多糖(LPS)を終濃度1μg/mLとなるように培地に添加し、1時間もしくは6時間インキュベートして炎症刺激を行った。その後、TNF-α及びIL-1βのmRNA発現量を測定した。なお、TNF-α及びIL-1βは、上述したとおり炎症マーカー遺伝子である。
【実施例】
【0036】
LPS刺激後の細胞から、SepazolRNA I SuperG(8%キノリノール含有)(nakarai tesque社)を用いてトータルRNAの抽出を行った。その後、ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(東洋紡社)を用いて、cDNAの合成を行った。合成したcDNAについて、THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix(東洋紡社)を用いたリアルタイムPCR法により、TNF-α、IL-1β、及び内因性コントロールとしてGAPDHの遺伝子を増幅した。リアルタイムPCRは、CFX Connect Real-Time PCR detection system(Bio-Rad社)を用いて、95℃で60秒間の初期変性を行った後、95℃で15秒間の変性反応及び60℃で30秒間の伸長反応を40サイクル行った。TNF-α、IL-1βのmRNA発現量は、GAPDHのmRNA発現量により補正した。使用したプライマーの配列は以下のとおりである。
【実施例】
【0037】
【表1】
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【実施例】
【0038】
同様の実験を3回行い、平均値と標準偏差値を求めた。結果を図1に示す。なお、図1における「*」は、コントロール溶液を添加し、かつ、LPS刺激を行った例(cont(+LPS))と比較して、統計学的に有意であることを示し、「ns」は統計学的に有意でないことを示す。
【実施例】
【0039】
図1に示されるように、LPSを添加すると、TNF-α及びIL-1βのmRNA発現量が増加することが確認された。次に、LPSの添加に加えて、メントールとバリンとのエステル(本明細書において、「メントールバリンエステル」又は「ment-Val」ともいう)及びメントールとイソロイシンとのエステル(本明細書において、「メントールイソロイシンエステル」又は「ment-Ile」ともいう)を添加すると、TNF-αのmRNA発現量の増加が抑制された。また、LPSの添加に加えて、メントールバリンエステル、メントールイソロイシンエステル、及びメントールとロイシンとのエステル(本明細書において、「メントールロイシンエステル」又は「ment-Leu」ともいう)を添加した場合に、IL-1βのmRNA発現量の増加が抑制された。一方で、アラニン、グリシン、フェニルアラニンのアミノ酸で構成されるメントールアミノ酸エステルの添加では、これらの炎症マーカー遺伝子のmRNA発現量の増加抑制作用は確認されなかった。これらの結果より、メントールと分岐鎖アミノ酸とのエステルが、炎症抑制作用を有することがわかった。
【実施例】
【0040】
(試験例2)
以下の試験では、試験例1と同様の方法で培養した細胞を用いた。100%エタノールにメントール、メントールバリンエステル、及びメントールイソロイシンエステルを溶解し、エタノールの終濃度が0.5%となるように水で希釈したものを試験溶液とした。これらの化合物の濃度が1~500μMの範囲内で異なる終濃度となるように試験溶液を培地に添加し、24時間インキュベートを行った。次に、LPSを終濃度1mg/mLとなるように培地に添加し、1時間インキュベートして炎症刺激を行った。その後、TNF-αのmRNA発現量を測定した。TNF-αのmRNA量の測定は、試験例1と同様の方法を用いて行った。
【実施例】
【0041】
同様の実験を3回行い、平均値と標準偏差値を求めた。結果を図2に示す。なお、図2における「*」は、コントロール溶液を添加し、かつ、LPS刺激を行った例(各化合物において0μMと表記したもの)と比較して、統計学的に有意であることを示す。
【実施例】
【0042】
図2に示されるように、LPSの添加に加えて、メントール、メントールバリンエステル、及びメントールイソロイシンエステルを添加すると、濃度依存的にTNF-αのmRNA発現量の増加が抑制される傾向が確認された。更に、メントールはIC50値が45.05μMであったのに対して、メントールバリンエステルはIC50値が7.54μM、メントールイソロイシンエステルはIC50値が4.89μMであった。このことより、メントールに比べて、メントールバリンエステル及びメントールイソロイシンエステルは、非常に高い抗炎症作用をもつことがわかった。
【実施例】
【0043】
(試験例3)
メントールアミノ酸エステルの細胞毒性を確認するために、細胞毒性試験を行った。
【実施例】
【0044】
以下の試験では、試験例1と同様の方法で培養した細胞を用いた。0.1mM MES及び0.1% DMSOを含有する水溶液に溶解した、メントール、メントールバリンエステル、及びメントールイソロイシンエステルを、1μM、10μM、100μM、500μM、1000μM、10000μMの濃度となるように培地に添加し、24時間インキュベートを行った。その後、回収した細胞を終濃度5μg/mLのヨウ化プロピジウム(PI)に曝露し、MAQSQuant Analyzer(Miltenyi Biotec社)を用いて、PI陰性細胞を生細胞として算出した。
【実施例】
【0045】
同様の実験を3回行い、平均値と標準偏差値を求めた。結果を図3に示す。なお、図3における「*」は、コントロール溶液を添加した例(各化合物において0μMと表記したもの)と比較して、統計学的に有意であることを示す。
【実施例】
【0046】
図3に示されるように、メントールを添加した場合には、1000μMまでの範囲で有意な細胞毒性は示されなかった。また、メントールバリンエステル又はメントールイソロイシンエステルを添加した場合には、500μMまでの範囲で有意な細胞毒性は示されなかった。
【実施例】
【0047】
この結果より、図2で示されたメントールバリンエステル及びメントールイソロイシンエステルのIC50値(7.54μM及び4.89μM)では、細胞毒性は生じないことがわかった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2