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明細書 :電子回路及びイメージング回路並びに検出/受光方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和元年11月7日(2019.11.7)
発明の名称または考案の名称 電子回路及びイメージング回路並びに検出/受光方法
国際特許分類 G01J   1/44        (2006.01)
G01J   1/42        (2006.01)
H01L  31/10        (2006.01)
H04N   5/369       (2011.01)
H01L  27/146       (2006.01)
FI G01J 1/44 A
G01J 1/42 B
G01J 1/42 J
G01J 1/44 P
H01L 31/10 G
H04N 5/369
H01L 27/146 A
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 19
出願番号 特願2018-561832 (P2018-561832)
国際出願番号 PCT/JP2017/041287
国際公開番号 WO2018/131288
国際出願日 平成29年11月16日(2017.11.16)
国際公開日 平成30年7月19日(2018.7.19)
優先権出願番号 2017002089
優先日 平成29年1月10日(2017.1.10)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】池辺 将之
【氏名】佐野 栄一
出願人 【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000958、【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
【識別番号】100120189、【弁理士】、【氏名又は名称】奥 和幸
【識別番号】100173510、【弁理士】、【氏名又は名称】美川 公司
審査請求 未請求
テーマコード 2G065
4M118
5C024
5F849
Fターム 2G065AA11
2G065AB01
2G065AB04
2G065BA06
2G065BA09
2G065BA34
2G065BA40
2G065BC02
2G065BC03
2G065BC11
2G065BC22
2G065BE08
2G065DA18
4M118AB01
4M118AB10
4M118BA14
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4M118DD12
4M118FA06
5C024AX01
5C024AX06
5C024CY04
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5C024EX03
5C024GX02
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5F849KA13
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5F849KA16
5F849LA02
5F849LA04
5F849XB01
要約 回路規模を増大させることなく、テラヘルツ波と可視光に対応するピクセル回路を提供する。
テラヘルツ波検出用のカスコード型アンプのバイアス用トランジスタM2のゲート端子にスイッチ用トランジスタM9とフォトダイオードPDを接続する。カスコード型アンプの入力をバイアスとして用いる。オフセット調節用の負帰還アンプ4に対し、電源電圧VDDのオフセット出力を行う。トランジスタM2とトランジスタM3との接続点から可視光の強度に対応した第2出力信号Sp2を出力する。
特許請求の範囲 【請求項1】
テラヘルツ帯の周波数を有するテラヘルツ波を検出し当該テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号を出力するテラヘルツ波検出部と、可視光を受光し当該可視光の強度を示す第2出力信号を出力する可視光受光部と、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替える切替部と、を、一の基板上に形成した電子回路であって、
前記テラヘルツ波検出部は、
前記テラヘルツ波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナに接続されたアンプ部と、
前記アンプ部に接続されて前記第1出力信号を出力する負帰還アンプ部と、
により構成されており、
前記可視光受光部は、
前記可視光を受光する受光部と、
前記受光部に接続され且つ前記第2出力信号を出力する前記アンプ部と、
前記アンプ部に接続された前記負帰還アンプ部と、
により構成されており、
前記切替部は、前記受光部及び前記アンプ部に印加されるバイアス電圧及び前記負帰還アンプ部に対する正入力電圧を切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替えることを特徴とする電子回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電子回路において、
前記テラヘルツ波検出部としての前記負帰還アンプ部は、当該負帰還アンプ部における帰還信号を前記第1出力信号として出力することを特徴とする電子回路。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子回路において、
前記アンプ部はカスコード接続されたトランジスタを含み、
前記可視光受光部としての前記第2出力信号は、前記カスコード接続における前記トランジスタ同士の接続点から出力されることを特徴とする電子回路。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子回路において、
前記切替部は、前記バイアス電圧及び前記正入力電圧を予め設定された時間ごとに切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替えることを特徴とする電子回路。
【請求項5】
請求項4に記載の電子回路において、
前記切替部は、前記バイアス電圧及び前記正入力電圧を前記時間ごとに交互に切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを交互に切り替えることを特徴とする電子回路。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の電子回路において、
前記予め設定された時間を変更する変更部を更に備えることを特徴とする電子回路。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された電子回路が複数集積されたことを特徴とするイメージング回路。
【請求項8】
テラヘルツ帯の周波数を有するテラヘルツ波を検出し当該テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号を出力するテラヘルツ波検出部と、可視光を受光し当該可視光の強度を示す第2出力信号を出力する可視光受光部と、が、一の基板上に形成された電子回路において実行される検出/受光方法であって、
前記テラヘルツ波検出部は、前記テラヘルツ波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナに接続されたアンプ部と、前記アンプ部に接続されて前記第1出力信号を出力する負帰還アンプ部と、により構成されており、
前記可視光受光部は、前記可視光を受光する受光部と、前記受光部に接続され且つ前記第2出力信号を出力する前記アンプ部と、前記アンプ部に接続された前記負帰還アンプ部と、により構成されており、
前記受光部及び前記アンプ部に印加されるバイアス電圧及び前記負帰還アンプ部に対する正入力電圧を切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替える切替工程を含むことを特徴とする検出/受光方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路及びイメージング回路並びに検出/受光方法の技術分野に属し、より詳細には、テラヘルツ帯の周波数を有するテラヘルツ波と、可視光と、を共に検出又は受光可能な電子回路及びイメージング回路並びに当該電子回路において実行される検出/受光方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、ミリ波と遠赤外光の間の周波数であるテラヘルツ帯(100ギガヘルツ~10テラヘルツ)の周波数を有するテラヘルツ波に関する研究開発が盛んに行われている。このテラヘルツ波を検出して電気信号に変換するためには、物理量たる当該テラヘルツ波を電気信号に変換する素子が必要である。より具体的に例えば、当該テラヘルツ波を熱に変換し、その熱によって生じる抵抗値の変化を読み出す素子(例えば、ボロメータ)が必要である。
【0003】
このとき、本発明の発明者らは、下記非特許文献1において、上記テラヘルツ波の周波数より遅い動作周波数を有するトランジスタを含む負帰還用差動増幅回路により、上記テラヘルツ波の強弱に相当する包絡線成分を増幅した出力信号を適切なオフセットで出力する回路を提案している。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】「CMOSテラヘルツイメージング回路の設計と評価」,脇田他,映像情報メディア学会技術報告(ITE technical report 40(24),pp 19-24,2016年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば上記非特許文献1に記載された技術によると、テラヘルツ波の電気信号への変換を行って例えば対応する画像出力を得ることは可能となるが、それを、人が認識可能な画像と適合させて出力することができないという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、テラヘルツ波に対応した出力信号と可視光に対応した出力信号とを適合させて出力することを、集積化された電子回路により回路規模を肥大化させることなく実現可能な電子回路及びイメージング回路並びに当該電子回路において実行される検出/受光方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、テラヘルツ帯の周波数を有するテラヘルツ波を検出し当該テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号を出力するテラヘルツ波検出部と、可視光を受光し当該可視光の強度を示す第2出力信号を出力する可視光受光部と、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替える切替部と、を、一の基板上に形成した電子回路であって、前記テラヘルツ波検出部は、前記テラヘルツ波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナに接続されたアンプ部と、前記アンプ部に接続されて前記第1出力信号を出力する負帰還アンプ等の負帰還アンプ部と、により構成されており、前記可視光受光部は、前記可視光を受光するフォトダイオード等の受光部と、前記受光部に接続され且つ前記第2出力信号を出力する前記アンプ部と、前記アンプ部に接続された前記負帰還アンプ部と、により構成されており、前記切替部は、前記受光部及び前記アンプ部に印加されるバイアス電圧及び前記負帰還アンプ部に対する正入力電圧を切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替えるように構成される。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された電子回路が複数集積されている。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、テラヘルツ帯の周波数を有するテラヘルツ波を検出し当該テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号を出力するテラヘルツ波検出部と、可視光を受光し当該可視光の強度を示す第2出力信号を出力する可視光受光部と、が、一の基板上に形成された電子回路において実行される検出/受光方法であって、前記テラヘルツ波検出部は、前記テラヘルツ波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナに接続されたアンプ部と、前記アンプ部に接続されて前記第1出力信号を出力する負帰還アンプ等の負帰還アンプ部と、により構成されており、前記可視光受光部は、前記可視光を受光するフォトダイオード等の受光部と、前記受光部に接続され且つ前記第2出力信号を出力する前記アンプ部と、前記アンプ部に接続された前記負帰還アンプ部と、により構成されており、前記受光部及び前記アンプ部に印加されるバイアス電圧及び前記負帰還アンプ部に対する正入力電圧を切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替える切替工程を含む。
【0010】
請求項1、請求項7又は請求項8のいずれか一項に記載の発明によれば、一の基板上に形成されたテラヘルツ波検出部と可視光検出部において、アンプ部と負帰還アンプ部とを共用しつつそれらの動作を切り替えて第1出力信号又は第2出力信号を出力するので、テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号と可視光の強度を示す第2出力信号とを適合させて出力することを、集積化された電子回路により回路規模を肥大化させることなく実現することができる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子回路において、前記テラヘルツ波検出部としての前記負帰還アンプ部は、当該負帰還アンプ部における帰還信号を前記第1出力信号として出力するように構成される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、テラヘルツ波検出部としての負帰還アンプ部における帰還信号が第1出力信号として出力されるので、テラヘルツ波の強度を正確に示す第1出力信号を第2出力信号に適合させて出力することができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子回路において、前記アンプ部はカスコード接続されたトランジスタを含み、前記可視光受光部としての前記第2出力信号は、前記カスコード接続における前記トランジスタ同士の接続点から出力されるように構成される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、アンプ部がカスコード接続されたトランジスタを含み、可視光受光部としての第2出力信号がカスコード接続におけるトランジスタ同士の接続点から出力されるので、可視光の強度を正確に示す第2出力信号を第1出力信号に適合させて出力することができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子回路において、前記切替部は、前記バイアス電圧及び前記正入力電圧を予め設定された時間ごとに切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを切り替えるように構成される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、バイアス電圧及び正入力電圧を既定時間ごとに切り替えるので、テラヘルツ波と可視光が見かけ上同時に検出又は受光できることにより、第1出力信号と第2出力信号とを正確に適合させて出力することができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子回路において、前記切替部は、前記バイアス電圧及び前記正入力電圧を前記時間ごとに交互に切り替えることにより、前記テラヘルツ波検出部の動作と前記可視光受光部の動作とを交互に切り替えるように構成される。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の作用に加えて、バイアス電圧及び正入力電圧を既定時間ごとに交互に切り替えるので、テラヘルツ波と可視光とを均等に検出又は受光できることにより、第1出力信号と第2出力信号とを適切に適合させて出力することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子回路において、前記予め設定された時間を変更する制御部等の変更部を更に備える。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、バイアス電圧及び正入力電圧を切り替える既定時間が変更可能であるので、例えば用途に応じてテラヘルツ波の検出と可視光の受光とを切り替えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一の基板上に形成されたテラヘルツ波検出部と可視光受光部において、アンプ部と負帰還アンプ部とを共用しつつそれらの動作を切り替えて第1出力信号又は第2出力信号を出力する。
【0022】
従って、テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号と可視光の強度を示す第2出力信号とを適合させて出力することを、集積化された電子回路により回路規模を肥大化させることなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係るピクセル回路を含むイメージセンサの概要構成を示すブロック図等である。
【図2】実施形態に係るピクセル回路の具体的な回路構成例を示す図である。
【図3】実施形態に係るピクセル回路の製造例を示す平面図である。
【図4】実施形態に係るピクセル回路のテラヘルツ波検出時における具体的な回路構成例を示す図である。
【図5】実施形態に係るピクセル回路のテラヘルツ波検出時の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】実施形態に係るピクセル回路の可視光受光時における具体的な回路構成例を示す図である。
【図7】実施形態に係るピクセル回路の可視光受光時の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を実施するための形態等について、図1乃至図7に基づいて説明する。なお以下に説明する実施形態及び変形形態は、後述するフォトダイオードを含む可視光の受光部と、例えば上記非特許文献1に記載されたテラヘルツ波の検出部と、が一チップ化されて構成されたイメージセンサに本発明を適用した場合の実施形態及び変形形態である。このとき、上記「一チップ化された」とは、上記受光部と上記検出部とが一の基板上に例えばフォトリソグラフィ技術を用いて形成されていることをいう。

【0025】
(I)実施形態
初めに、本発明に係る実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。

【0026】
(A)全体構成
始めに、実施形態に係るイメージセンサの全体構成等及び概要動作について、図1乃至図3を用いて説明する。なお、図1は実施形態に係るピクセル回路を含むイメージセンサの概要構成を示すブロック図であり、図2は当該ピクセル回路の具体的な回路構成例を示す図であり、図3は当該ピクセル回路等の製造例を示す平面図である。

【0027】
図1に示すように、実施形態に係るイメージセンサ100は、実施形態に係るピクセル回路Pをアレイ状に複数備えるピクセル回路アレイALと、画像処理部PSと、制御部Cと、を備えて構成されている。このとき、各ピクセル回路Pのそれぞれが本発明に係る「電子回路」の一例に相当し、制御部Cが本発明に係る「変更部」の一例に相当する。

【0028】
この構成において制御部Cは、各ピクセル回路Pにおいてテラヘルツ波を検出する動作と可視光を受光する動作とを同じ時間ずつ交互に実行するための制御信号Scを生成して、当該各ピクセル回路Pに出力する。この場合の各動作の時間は、後述する図5及び図7に示すように、例えば1ミリ秒である。そして、実施形態に係るピクセル回路アレイALを構成する各ピクセル回路Pは、制御部Cからの上記制御信号Scに基づいて、テラヘルツ波を検出する動作又は可視光を受光する動作のいずれか一方を実行し、当該検出したテラヘルツ波の強度を示す第1出力信号Sp1又は当該受光した可視光の強度を示す第2出力信号Sp2を生成して画像処理部PSに出力する。これら第1出力信号Sp1及び第2出力信号Sp2はアナログ信号である。これらにより画像処理部PSは、上記第1出力信号Sp1又は上記第2出力信号Sp2に対して予め設定された画像処理を施し、イメージセンサ100全体としての画像出力信号Goutを出力する。そして制御部Cは、上述した各ピクセル回路Pの動作及びそれらの切替動作をそれぞれ制御するための上記制御信号Scを生成して各ピクセル回路Pに出力すると共に、画像処理部PSにおける上記画像処理を制御するための制御信号Scgを生成して当該画像処理部PSに出力することで、イメージセンサ100としての動作を統括制御する。

【0029】
次に、実施形態に係るピクセル回路Pの細部構成について、具体的に図2に示す回路図を用いて説明する。

【0030】
図2に示すように、実施形態に係る一のピクセル回路Pは、切替部CHと、テラヘルツ波検出部3と、負帰還アンプ4と、可視光受光部5と、により構成されている。これらのうち、テラヘルツ波検出部3、負帰還アンプ4及び可視光受光部5は、実施形態に係る上記テラヘルツ波を検出する動作と、実施形態に係る上記可視光を受光する動作と、で共用される。このとき負帰還アンプ4が本発明に係る「負帰還アンプ部」の一例に相当する。

【0031】
この構成において可視光受光部5は、フォトダイオードPDと、n型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であるトランジスタM9と、により構成されている。そして、フォトダイオードPDのアノード端子は接地されており、フォトダイオードPDのカソード端子とトランジスタM9のソース端子とが接続されている。また、トランジスタM9のドレイン端子及びゲート端子が切替部CHに接続されている。このとき、トランジスタM9のドレイン端子には切替部CHによりバイアス電圧Vb2が印加され、ゲート端子には実施形態に係るテラヘルツ波を検出する動作と可視光を受光する動作とを切り替えるためのリセット電圧Vresetが切替部CHにより印加される。即ちトランジスタM9は、上記テラヘルツ波を検出する動作と上記可視光を受光する動作とを切り替えるためのスイッチとして機能する。またフォトダイオードPDが、本発明に係る「受光部」の一例に相当する。

【0032】
次にテラヘルツ波検出部3は、例えばマイクロストリップパッチアンテナ等からなる受信アンテナATと、キャパシタC1と、抵抗R1と、それぞれがn型のMOSFETからなるトランジスタM2及びトランジスタM3と、p型のMOSFETからなるトランジスタM1と、により構成されている。なお、受信アンテナATとキャパシタC1の一端との間には、図示しないマイクロストリップライン等からなるマッチング回路が備えられている。この構成において、受信アンテナATはテラヘルツ波を受信し、当該受信したテラヘルツ波に対応する受信電圧VinをキャパシタC1の一端に出力する。一方抵抗R1は、キャパシタC1の他端とトランジスタM3のゲート端子との接続点とバイアス電圧Vb1との間に接続されている。更にトランジスタM3のソース端子が接地されており、そのドレイン端子がトランジスタM2のソース端子に接続されている。また、トランジスタM2のゲート端子がトランジスタM9のソース端子とフォトダイオードPDのカソード端子との接続点に接続されており、これにより当該ゲート端子は、逆バイアスに接続されたフォトダイオードPDと上記スイッチとして機能するトランジスタM9を介してバイアス電圧Vb2に接続されることになる。更にトランジスタM2のドレイン端子はトランジスタM1のドレイン端子に接続されている。そして、トランジスタM1のゲート端子が負帰還アンプ4に接続されており、トランジスタM1のソース端子が電源電圧VDDに接続されている。以上のテラヘルツ波検出部3の構成において、トランジスタM2とトランジスタM3とはいわゆるカスコード接続とされており、これらは、トランジスタM1を負荷とするいわゆるカスコード型ソース接地アンプを構成している。このとき、当該カスコード型ソース接地アンプは上記テラヘルツ波よりも応答が遅くなるように設定されている。この場合の「応答が遅い」とは、具体的には「トランジスタM3の遮断周波数がテラヘルツ波の周波数より低い」ことを意味している。換言すれば、当該「応答が遅い」とは、テラヘルツ波に準じた周波数を維持した波形の応答信号が出力されるほどには、カスコード型ソース接地アンプとしての応答が早くない状態をいう。また、トランジスタM2とトランジスタM3との接続点が出力端子OUT2に接続されており、当該出力端子OUT2からは、フォトダイオードPDにより受光された可視光の強度を示し且つ実施形態に係る第2出力信号Sp2が出力される。

【0033】
最後に負帰還アンプ4は、テラヘルツ波検出部3から出力される第2出力信号Sp2のオフセット値を制御するための低域補正用の負帰還アンプである。そして負帰還アンプ4は、キャパシタC2と、それぞれがn型のMOSFETからなるトランジスタM6、トランジスタM7及びトランジスタM8と、それぞれがp型のMOSFETからなるトランジスタM4及びトランジスタM5と、により構成されている。この構成において、トランジスタM8のソース端子及びゲート端子が接地されており、これによりトランジスタM8は、サブスレッショルド領域のリーク電流によって駆動する電流源として機能する。一方、トランジスタM6とトランジスタM7とは差動対を構成しており、それぞれのソース端子がトランジスタM8のドレイン端子に接続されており、それぞれのドレイン端子がトランジスタM4及びトランジスタM5のドレイン端子にそれぞれ接続されており、トランジスタM6のゲート端子には切替部CHからのバイアス電圧Vb2が印加されており、トランジスタM7のゲート端子が帰還出力として出力端子OUT1及びトランジスタM2のドレイン端子とトランジスタM1のソース端子との接続点に接続されている。更に、トランジスタM4とトランジスタM5とは能動負荷を構成しており、それぞれのドレイン端子がトランジスタM6及びトランジスタM7のドレイン端子にそれぞれ接続されており、それぞれのソース端子が電源電圧VDDに接続されており、それぞれのゲート端子の接続点と、トランジスタM7のドレイン端子とトランジスタM5のドレイン端子との接続点と、が接続されている。また、トランジスタM4のドレイン端子とトランジスタM6のドレイン端子の接続点は、一端が接地され且つ安定化用のキャパシタC2を介して、トランジスタM1のゲート端子に接続されている。以上の構成を備える負帰還アンプ4は、テラヘルツ波検出部3からの出力信号Sp2に含まれるオフセット値を負帰還により調節するための、応答が極めて遅い差動増幅器を構成している。この場合の「応答が極めて遅い」とは、具体的には「ほぼ直流成分に対応する数百ヘルツ以下のオーダーの極めて遅い応答であること」を意味しており、換言すれば負帰還アンプ4は、直流に近い成分のみを負帰還で補正する負帰還アンプとして動作する。そして上記出力端子OUT1からは、受信アンテナATにより受信されたテラヘルツ波の強度を示し且つ実施形態に係る第1出力信号Sp1が出力される。

【0034】
次に、上記ピクセル回路Pを複数アレイ状に含む実施形態に係るイメージセンサ100を一チップ化して製造した場合の例について、図3を用いて説明する。

【0035】
実施形態に係るピクセル回路アレイALは、図3左に例示するような態様で複数のピクセル回路Pが集積されて一つの基板上に一チップ化されて製造される。この基板の具体的な大きさの一例は、図3に示すように1,035マイクロメートル×745マイクロメートルである。そして、図3中の「Row」とはピクセル回路アレイALに含まれる各行の切り替えを制御する集積回路部であり、同じく「Column」とは当該ピクセル回路アレイALに含まれる各列の切り替えを制御する集積回路部である。一方、ピクセル回路アレイALを構成する各ピクセル回路Pは、図3右に例示するような態様で受信アンテナAT及びフォトダイオードPD等が集積されて製造される。一つのピクセル回路Pが占めるピクセル回路アレイAL上の大きさの一例は、図3に示すように250マイクロメートル×180マイクロメートルである。

【0036】
(B)テラヘルツ波検出動作
次に、実施形態に係るピクセル回路Pを用いてテラヘルツ波を検出する動作について、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4は当該ピクセル回路Pのテラヘルツ波検出時における具体的な回路構成例を示す図であり、図5は当該テラヘルツ波検出時の動作を示すタイミングチャートである。また図4においては、上記負帰還アンプ4を構成する各素子を纏めてシンボル化している。

【0037】
実施形態に係る制御部C(図1参照)は上述したように、実施形態に係るピクセル回路Pにおいてテラヘルツ波を検出する動作と可視光を受光する動作とを同じ時間(例えば1ミリ秒)ずつ交互に実行するための上記制御信号Scを生成し、各ピクセル回路Pに出力する。

【0038】
そして図4に示すピクセル回路Pにおいて、実施形態に係るテラヘルツ波を検出する動作を実行すべき旨が制御信号Scにおいて指示されている場合、制御信号Scが入力された切替部CHは、トランジスタM9のゲート端子のリセット電圧Vresetを電源電圧VDDに設定すると共に(図5の「Vreset」参照)、トランジスタM9のドレイン端子及び負帰還アンプ4の正入力端子にそれぞれ印加されているバイアス電圧Vb2を、電源電圧VDD以外の任意の電圧(例えば0.6ボルト)に設定する。

【0039】
そして、上述したようにゲート端子のリセット電圧Vresetが電源電圧VDDに設定されると、トランジスタM9はオン状態となる。また、上述したようにバイアス電圧Vb2が設定されると、テラヘルツ波に対応した受信アンテナATからの受信電圧Vinは、キャパシタC1を介し、抵抗R1を通したバイアス電圧Vb1を中心とした交流電圧の信号として、トランジスタM3のゲート端子に入力される。一方トランジスタM2のゲート端子には、上記オン状態となったトランジスタM9を介して、バイアス電圧Vb2(例えば0.6ボルト)が入力される。このとき、当該ゲート端子であるノード(A)にはフォトダイオードPDのカソード端子が接続されているが、フォトダイオードPDに流れる光電流はナノアンペア程度の極小電流なので、トランジスタM9がオン状態であれば、ノード(A)の電圧にはほとんど影響しない(図5の「A点」参照)。そして、トランジスタM2との間で、トランジスタM1を負荷とした高利得のカスコード型ソース接地アンプを構成しているトランジスタM3の応答がテラヘルツ波より遅い場合、トランジスタM3は、テラヘルツ波の信号周波数に応答するのではなく、テラヘルツ波の強度(強弱)に応答した信号を増幅して出力することになる(図5の「Vin」参照)。このとき、受信電圧Vinの振幅(図5の「a」参照)は、テラヘルツ波の強度が高いと大きくなり、当該強度が低いと小さくなる。

【0040】
一方負帰還アンプ4は、バイアス電圧Vb2(例えば0.6ボルト)を正入力電圧とし、テラヘルツ波検出部3からの第1出力信号Sp1を負入力電圧とし、更にその出力端子がトランジスタM1のゲート端子に接続されているため、テラヘルツ波検出部3のトランジスタM1による能動負荷を制御する。このとき負帰還アンプ4は、第1出力信号Sp1がバイアス電圧Vb2(例えば0.6ボルト)に近づくように、トランジスタM4とトランジスタM5により構成される上記能動負荷を制御する。そして上述したように、負帰還アンプ4の応答速度は、テラヘルツ波に対して極めて遅くなるように設定されている。これにより負帰還アンプ4は、テラヘルツ波の上記強度(強弱)に応答した信号自体に応答するのではなく、その振幅を平滑化した電圧レベルに応答することになる。

【0041】
以上の図4に示すピクセル回路Pの動作を纏めると、トランジスタM9がテラヘルツ波検出時において常時オンとされると共にバイアス電圧Vb1及びバイアス電圧Vb2がそれぞれ設定されると、受信アンテナATからの受信電圧VinはキャパシタC1により直流成分がカットされ、バイアス電圧Vb1によりバイアスされてトランジスタM3のゲート端子に入力される。そして、テラヘルツ波よりも応答が遅いトランジスタM1、トランジスタM2及びトランジスタM3からなるカスコード型ソース接地アンプにより、テラヘルツ波の強弱を示す包絡線の成分が増幅され、第1出力信号Sp1として出力される(図5の「Sp1」参照)。一方、テラヘルツ波に対して極めて応答の遅い負帰還アンプ4は、バイアス電圧Vb2を第1出力信号Sp1として伝えるボルテージフォロアとして動作すべく、トランジスタM1を負帰還により制御する。このとき、当該負帰還アンプ4の動作がテラヘルツ波に対して極めて遅いため、結果的に第1出力信号Sp1に出力されるテラヘルツ波の包絡線の強弱の振幅は保持され、その直流成分がバイアス電圧Vb2と等しくなる。即ち、テラヘルツ波検出時のピクセル回路Pは、バイアス電圧Vb2をオフセット値とし、テラヘルツ波の強弱のみを振幅とした第1出力信号Sp1を出力するように動作する。このとき、上述したようにフォトダイオードPDにはナノアンペア程度の極小電流しか流れないため、トランジスタM2のゲート端子の電圧であるバイアス電圧Vb1の値は影響を受けること無く変動しない。

【0042】
以上の図4に示すピクセル回路Pの動作により、第1出力信号Sp1として、バイアス電圧Vb2(例えば0.6ボルト)をオフセット値として、テラヘルツ波の強弱に応答した信号が増幅されて出力される(図5の「Sp1」参照)。

【0043】
(C)可視光受光動作
次に、実施形態に係るピクセル回路Pを用いて可視光を受光する動作について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は実施形態に係るピクセル回路の可視光受光時における具体的な回路構成例を示す図であり、図7は当該可視光受光時の動作を示すタイミングチャートである。

【0044】
図6に示すピクセル回路Pにおいて、実施形態に係る可視光を受光する動作を実行すべき旨が制御部Cからの制御信号Scにおいて指示されている場合、その制御信号Scが入力された切替部CHは、トランジスタM9のゲート端子のリセット電圧Vresetを、予め設定されたT秒間(例えば10ナノ秒)だけ電源電圧VDDに設定し、その後、可視光受光動作を終了させるまでの間(即ち、例えば(1ミリ秒-10ナノ秒)の間)0ボルトとすると共に(図7の「Vreset」参照)、トランジスタM9のドレイン端子及び負帰還アンプ4の正入力端子にそれぞれ印加されているバイアス電圧Vb2を電源電圧VDDに設定する。

【0045】
そして、上述したようにリセット電圧Vresetが一定時間だけ電源電圧VDDに設定されると、その時間だけトランジスタM9はオン状態となる。このとき、トランジスタM2のゲート端子であるノード(A)の電圧は、図7に示すように、電源電圧VDDからトランジスタM9の閾値電圧Vth(M9)を減じた値となる。また、上述したようにバイアス電圧Vb2が設定されると、テラヘルツ波に対応した受信アンテナATからの受信電圧Vinは、キャパシタC1を介し、抵抗R1を通したバイアス電圧Vb1を中心とした交流電圧の信号として、トランジスタM3のゲート端子に入力される。一方トランジスタM2のゲート端子には、上記オン状態となったトランジスタM9を介して、バイアス電圧Vb2(=電源電圧VDD)が入力される。

【0046】
次に、リセット電圧Vresetが図5に例示するタイミングTにおいて電源電圧VDDから0ボルトになると、トランジスタM9はオフ状態となる。そしてノード(A)の電圧は、逆バイアスに接続されたフォトダイオードPDからの受光強度に応じた光電流により、電源電圧VDDから閾値電圧Vth(M9)を減じた値から逐次的に減少していく。このとき、当該減少度が受光強度に応じて変わることになり(図7の「A点」参照)、この電圧の逐次変化がトランジスタM2により電流増幅されることになる。そしてトランジスタM2とトランジスタM3とは、いわゆるソースフォロア回路を形成しており、利得が「1」以下であるアンプを形成する。よってこのアンプの出力が、ノード(A)の電圧の逐次変化に対応した電圧の第2出力信号Sp2となる。

【0047】
一方負帰還アンプ4は、バイアス電圧Vb2(=電源電圧VDD)を正入力電圧とし、テラヘルツ波検出部3からの第1出力信号Sp1を負入力電圧とし、更にその出力端子がトランジスタM1のゲート端子に接続されているため、テラヘルツ波検出部3のトランジスタM1による能動負荷を制御する。このとき負帰還アンプ4は、第1出力信号Sp1がバイアス電圧Vb2(電源電圧VDD)に近づくように、トランジスタM4とトランジスタM5により構成される上記能動負荷を制御する。そして、トランジスタM2及びトランジスタM3は、それらにより形成された上記ソースフォロア回路においてトランジスタM2のドレイン端子の電圧を電源電圧VDDとして動作させる。このとき当該ソースフォロア回路からの第2出力信号Sp2は、ノード(A)の電圧に即した出力を行うことになる。この出力は、図7の「Sp2」として示すように、ノード(A)の電圧からトランジスタM2の閾値電圧Vth(M2)を減じた電圧を有する。

【0048】
ここで、出力端子OUT2にはトランジスタM3のドレイン端子が接続されているが、テラヘルツ波の振幅に対してノード(A)における電圧(電源)変動が大きいため、第2出力信号Sp2に対する受信電圧Vinの影響は小さい。この点に関しては、トランジスタM2のゲート幅をトランジスタM3のゲート幅よりも大きくすることで、第2出力信号Sp2に対する受信電圧Vinの影響を更に低減することが可能である。

【0049】
以上の図6に示すピクセル回路Pの動作を纏めると、実施形態に係るピクセル回路Pにおける可視光を受光する動作では、バイアス電圧Vb2が電源電圧VDDとされると共に、結果的に、トランジスタM9を時系列の(即ち、時間に沿ってオン/オフされる)デジタルスイッチとして動作させることになる。ここで、トランジスタM9を一定時間(例えば10ナノ秒間)オン状態とし、その後にオフ状態とすると、図7に示すノード(A)には、電源電圧VDDからトランジスタM9の閾値電圧Vth(M9)を減じた電荷が保持される。そしてノード(A)の電圧については、可視光の光強度が強くなってフォトダイオードPDの光電流が大きくなると、ノード(A)での放電が速くなる。これに対し、当該光強度が弱くなって当該光電流が小さくなると、ノード(A)での放電は遅くなる。そして図7に示すように、可視光受光動作の終了タイミングである1ミリ秒経過時には、ノード(A)の電圧は光強度の強弱に対応して変化していることになる。ここで、バイアス電圧Vb1として予め設定された電圧(例えば0.5ボルト)を印加しておくと、バイアス電圧Vb2が現在は電源電圧VDDに設定されているので、負帰還アンプ4は、図6に示すノード(B)を電源電圧VDDとするようにトランジスタM1を駆動することになる。そしてこのとき、トランジスタM2とトランジスタM3とはソースフォロア回路として動作し、結果として、ノード(A)の電圧に準じた第2出力信号Sp2が出力される。そして、可視光受光動作の終了タイミングである1ミリ秒経過時に当該第2出力信号Sp2の電圧を検出すれば、そのときの可視光の強度が、例えば図7に示す出力電圧P1、出力電圧P2又は出力電圧P3のいずれか一の値として検出できることになる。

【0050】
以上説明したように、実施形態に係るピクセル回路P及びイメージセンサ100の動作によれば、一の基板上に形成されたテラヘルツ波検出部3と可視光検出部5において、テラヘルツ波検出部3内のトランジスタM2等と負帰還アンプ4とを共用しつつそれらの動作を切り替えて第1出力信号Sp1又は第2出力信号Sp2を出力するので、テラヘルツ波の強度を示す第1出力信号Sp1と可視光の強度を示す第2出力信号Sp2とを適合させて出力することを、集積化された電子回路により回路規模を肥大化させることなく実現することができる。

【0051】
また、テラヘルツ波検出動作に用いられる負帰還アンプ4における帰還信号が第1出力信号Sp1として出力されるので、テラヘルツ波の強度を正確に示す第1出力信号Sp1を第2出力信号Sp2に適合させて出力することができる。

【0052】
更に、テラヘルツ波検出部3がカスコード接続されたトランジスタM2及びトランジスタM3を含み、可視光受光動作としての第2出力信号Sp2が上記カスコード接続におけるトランジスタM2とトランジスタM3との接続点から出力されるので、可視光の強度を正確に示す第2出力信号Sp2を第1出力信号Sp1に適合させて出力することができる。

【0053】
更にまた、バイアス電圧Vb2及び負帰還アンプ4の正入力電圧を既定時間(例えば1ミリ秒)ごとに切り替えるので、テラヘルツ波と可視光が見かけ上同時に検出又は受光できることにより、第1出力信号Sp1と第2出力信号Sp2とを正確に適合させて出力することができる。

【0054】
また、バイアス電圧Vb2及び負帰還アンプ4の正入力電圧を既定時間ごとに交互に切り替えるので、テラヘルツ波と可視光とを均等に検出又は受光できることにより、第1出力信号Sp1と第2出力信号Sp2とを適切に適合させて出力することができる。

【0055】
(II)変形形態
次に、本発明に係る変形形態について説明する。

【0056】
先ず第1変形形態として、テラヘルツ波を検出する動作の時間と可視光を受光する動作の時間とを、それぞれ、制御部Cにより可変とするように構成してもよい。この場合は、例えば図示しない操作部からの操作により可変としてもよいし、イメージセンサ100の使用態様に応じた時間に自動的に変更されるように構成してもよい。この場合には、それぞれが予め設定された、テラヘルツ波を検出する動作の時間及び可視光を受光する動作の時間(即ち、バイアス電圧Vb2及び負帰還アンプ4の正入力電圧を切り替える予め設定された時間)が可変であるので、例えば用途に応じてテラヘルツ波の検出と可視光の受光とを切り替えることができる。

【0057】
更に第2変形形態として、上述した実施形態では、テラヘルツ波を検出する動作の時間と可視光を受光する動作の時間とを相互に同一としたが、これ以外に、例えばイメージセンサ100の用途に応じて当該各時間を異ならせてもよい。

【0058】
更にまた第3変形形態として、上述した実施形態では各ピクセル回路P内の切替部CHを介して各ピクセル回路Pの動作及びそれらの切替動作を制御したが、これ以外に、制御部Cから直接各ピクセル回路Pの動作及びそれらの切替動作を制御するように構成してもよい。

【0059】
また第4変形形態として、実施形態に係る制御部Cの動作を、コンピュータプログラムによるCPU等の動作により実現させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上それぞれ説明したように、本発明は、ピクセル回路Pを含むイメージセンサ100の技術分野に利用することが可能であり、特に回路の小型化を目的としたイメージセンシングの分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【符号の説明】
【0061】
3 テラヘルツ波検出部
4 負帰還アンプ
5 可視光受光部
100 イメージセンサ
C 制御部
P ピクセル回路
C1、C2 キャパシタ
M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9 トランジスタ
R1 抵抗
AL ピクセル回路アレイ
AT 受信アンテナ
CH 切替部
PS 画像処理部
PD フォトダイオード
P1、P2、P3 出力電圧
Sc、Scg 制御信号
Sp1 第1出力信号
Sp2 第2出力信号
Gout 画像出力信号
OUT1、OUT2 出力端子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6