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明細書 :燃料噴射装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6739848号 (P6739848)
登録日 令和2年7月28日(2020.7.28)
発行日 令和2年8月12日(2020.8.12)
発明の名称または考案の名称 燃料噴射装置
国際特許分類 F02M  51/06        (2006.01)
F02M  47/00        (2006.01)
F02M  61/10        (2006.01)
FI F02M 51/06 Z
F02M 47/00 L
F02M 61/10 Z
請求項の数または発明の数 12
全頁数 57
出願番号 特願2018-554247 (P2018-554247)
出願日 平成29年11月30日(2017.11.30)
国際出願番号 PCT/JP2017/043077
国際公開番号 WO2018/101411
国際公開日 平成30年6月7日(2018.6.7)
優先権出願番号 2016235334
優先日 平成28年12月2日(2016.12.2)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 令和元年5月24日(2019.5.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
発明者または考案者 【氏名】嶋田 泰三
【氏名】相澤 哲哉
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
審査官 【審査官】沼生 泰伸
参考文献・文献 特開2001-159379(JP,A)
特開2004-044493(JP,A)
国際公開第98/009068(WO,A1)
特開昭61-212662(JP,A)
調査した分野 F02M 51/06
F02M 47/00
F02M 51/00
F02M 61/10
特許請求の範囲 【請求項1】
燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、
前記燃料を所定圧力によって供給するコモンレールから前記燃料が供給される蓄圧部と、
前記コモンレールと前記蓄圧部とを接続し、所定の流量面積を有し、前記コモンレールから所定圧力によって供給される前記燃料を通し、前記蓄圧部への前記燃料の供給の開始から前記蓄圧部から前記燃料の噴射を開始する前に前記蓄圧部の圧力が前記所定圧力になるように前記コモンレールから前記蓄圧部に前記燃料を供給可能な燃料供給管路と、
前記燃料供給管路に配設され、前記燃料供給管路の流量面積と同等以上の流量面積を有し、第1制御信号に基づいて開放させるように開けた状態と閉塞された閉じた状態の何れかに制御され、前記開けた状態に制御されることで前記コモンレールから供給される前記燃料を、前記燃料供給管路を通して前記蓄圧部の内部に供給させる第1弁と、
第2制御信号に基づく制御により開けた状態にされることで前記蓄圧部に供給された前記燃料を前記蓄圧部から前記燃焼室内へ噴射させる第2弁と、
前記燃料供給管路における前記第1弁の下流側に設けられ、前記第2制御信号に基づいて前記第2弁の状態を制御する燃料を排出する排出弁と、
前記第1弁を前記開けた状態と前記閉じた状態とに切り替えるための前記第1制御信号と、前記第2弁を前記開けた状態と閉塞された閉じた状態とに切り替えるための前記第2制御信号とを出力し、前記第1制御信号と前記第2制御信号とに基づいて、前記第1弁と前記第2弁を独立に制御する制御部と
備え、
前記燃料供給管路は、
前記第1弁の下流側に前記排出弁に燃料を分岐する第1分岐を備え、前記第1弁の下流側に前記第1分岐以外の分岐を備えず、
前記蓄圧部における燃料は、前記第1制御信号に基づいて前記第1弁が前記開けた状態にされることで前記第1制御信号により規定される所望の期間内に前記所定圧力以上に加圧され、
前記制御部は、
前記蓄圧部の圧力が前記所定圧力以上になっている場合に前記第1制御信号に基づく制御により前記第1弁を前記閉じた状態にして、前記第1弁が前記閉じた状態にされた後の前記蓄圧部の圧力を、前記第2制御信号に基づく制御により前記開けた状態にされた前記第2弁からの燃料の噴射によって前記所定圧力以上の圧力から所望の圧力まで低減させる、
燃料噴射装置。
【請求項2】
少なくとも前記第1弁の状態を、前記開けた状態と前記閉じた状態の何れかにする第1駆動部と、
少なくとも前記第2弁の状態を、前記開けた状態と前記閉じた状態の何れかにする第2駆動部と、
前記第1駆動部と前記第2駆動部とを制御する制御部と、
を更に備える、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1弁を前記閉じた状態において前記第2弁を開けて前記蓄圧部の圧力の減圧制御を含む制御を行う、
請求項2に記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
前記減圧制御における前記蓄圧部内の単位時間あたりの圧力の変化量は、前記蓄圧部の体積に反比例し、前記蓄圧部から噴射される前記燃料の量に比例する、
請求項3に記載の燃料噴射装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2弁を前記開けた状態において前記第1弁を開ける増圧制御を含む制御を行う、
請求項2から4のうちいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記蓄圧部から噴射される前記燃料の圧力の時間的変化のパターンを、デルタ型パターン、逆デルタ型パターン、L型パターン、逆L型パターン、凹型パターン、凸型パターン、矩形型パターン、V型パターンのうちの少なくとも1つを含むパターンにすることが可能である、
請求項2から5のうちいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1制御信号により前記第1弁を開くことにより、前記所定圧力に加圧された前記燃料を前記コモンレールから前記蓄圧部に前記燃料供給管路を経て移動させて、
前記燃料供給管路内を移動する前記燃料の慣性力により前記燃料を増圧させて、前記蓄圧部における前記燃料の圧力が前記所定圧力より高まり、
前記第2弁は、前記所定圧力より高い圧力の前記燃料を、前記燃焼室内へ噴射させる、
請求項2に記載の燃料噴射装置。
【請求項8】
前記第1弁と前記蓄圧部と前記第2弁は、
前記コモンレールと前記燃料を前記燃焼室内へ噴射する噴射部との間に、前記コモンレール側から前記第1弁、前記蓄圧部、前記第2弁の順に連ねて設けられ、少なくとも前記第1弁が前記コモンレールから前記蓄圧部への前記燃料の移動を選択的に制限して、前記燃焼室内へ噴射させる前記燃料の圧力を減少させる、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項9】
前記第1弁と前記第2弁の各弁は、制御部の制御により当該各弁の状態を開けた状態と閉じた状態とをそれぞれ切替えて、前記蓄圧部に蓄える前記燃料の圧力を、前記所定圧力と前記各弁の状態の切替え方とにより決定される圧力に減圧して、
前記第2弁は、当該第2弁が開いた状態で、前記決定された圧力によって前記燃料を前記燃焼室内へ噴射する、
請求項8に記載の燃料噴射装置。
【請求項10】
前記燃料供給管路には、前記第2弁の状態を制御する排出弁に前記燃料を分岐する以外に、前記燃料供給管路から前記燃料を排出する分岐が設けられていない、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記蓄圧部から噴射される前記燃料の圧力の時間的変化のパターンに、少なくとも逆デルタ型パターンを含む、
請求項3に記載の燃料噴射装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記内燃機関の第1燃焼サイクルにおけるメイン噴射を終えてから第2燃焼サイクルの噴射を実施するまでの期間において、前記第2弁を前記閉じた状態にしたままで前記メイン噴射の期間より短い時間に前記第1弁を開くことによって前記蓄圧部の燃料の圧力を所望の圧力まで高めて、前記圧力を高めた後前記第2弁を前記閉じた状態にしたままで前記第1弁を前記閉じた状態に戻して前記蓄圧部の燃料の圧力を前記高めた圧力で維持する、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】

この発明は、燃料噴射装置に関する。
本願は、2016年12月2日に出願された日本国特許出願第2016-235334号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】

内燃機関の燃焼室内における燃料の燃焼に関する技術の研究や開発が行われている。
【0003】

これに関し、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射するための装置であって、高圧源と、増圧器と、調量弁とが設けられており、増圧器が、作業室と制御室とを有しており、両室が、運動可能なピストンによって互いに分離されており、増圧器の制御室内の圧力変化が、増圧器の圧縮室内の圧力変化を生ぜしめるようになっており、増圧器が、流入通路を介して、噴射弁部材を取り囲むノズル室を負荷するようになっている形式のものにおいて、増圧器の制御室と、調量弁との間の制御管路内に、弁体を備えた放圧弁が配置されており、弁体が、放圧弁の少なくとも1つのハイドロリック的な室を負荷するようになっており、該室が、高圧蓄圧室内に形成された圧力に接続可能である、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射するための装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】


【特許文献1】日本国特表2005-531712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】

特許文献1によれば、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射するための装置には、基準圧力によって燃料を供給する高圧源としてコモンレールが設けられている。当該装置は、増圧機構を用いて内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料の圧力を、当該高圧源の基準圧力よりも高い圧力に増圧する。その際に、当該装置は、増圧機構を作動させるために当該高い圧力の燃料の一部を燃焼室とは異なる外部へ放出する必要がある。この場合、燃料を利用して増圧機構を作動させることにより外部に放出する燃料の量は、燃焼室内に噴射する燃料の量に比べて多くなる。このため、当該装置は、当該高い圧力の燃料が有するエネルギーの一部を熱エネルギーとして散逸させてしまう。すなわち、当該装置は、熱エネルギーとして散逸させたエネルギーの分、燃料消費率を増大させてしまう。
【0006】

そこで本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる燃料噴射装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】

上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る燃料噴射装置は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、前記燃料を所定圧力によって供給する高圧源から前記燃料が供給される蓄圧部と、前記高圧源から供給される前記燃料を前記蓄圧部の内部に供給させる第1弁と、前記蓄圧部に供給された前記燃料を前記蓄圧部から前記燃焼室内へ噴射させる第2弁と、を備える。
【0008】

また、上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る燃料噴射装置は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、前記燃料を前記燃焼室内へ噴射する噴射部と、前記燃料を所定圧力によって前記噴射部へ供給する高圧源と、前記噴射部と前記高圧源の間に設けられた前記燃料の圧力を減少させる減圧部と、を備える。
【0009】

また、上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る燃料噴射装置は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、高圧源から所定圧力によって供給された前記燃料を前記燃焼室内に噴射する圧力を、少なくとも3以上の段階のそれぞれに応じた前記所定圧力以下の圧力に変更可能である。
【発明の効果】
【0010】

本発明によれば、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる燃料噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】

【図1】燃料噴射装置1の構成の一例を示す図である。
【図2】燃料噴射装置1の論理的構造の一例を示す図である。
【図3】ECU3のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】ECU3の機能構成の一例を示す図である。
【図5】燃料噴射装置1の制御方法の具体例1を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】燃料噴射装置1の制御方法の具体例2を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】燃料噴射装置1の制御方法の具体例3を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】燃料噴射装置1の制御方法の具体例4を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】燃料噴射装置1の制御方法の具体例5を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】燃料噴射装置1の制御方法の具体例6を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】燃料噴射装置1の制御方法の具体例7を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】燃料噴射装置1の制御方法の具体例8を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】燃料噴射装置1の制御方法の具体例9を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】燃料噴射装置1の制御方法の具体例10を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】燃料噴射装置1の制御方法の具体例11を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】燃料噴射装置1の制御方法の具体例12を説明するためのタイミングチャートである。
【図17】燃料噴射装置1の制御方法の具体例13を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】燃料噴射装置1の制御方法の具体例14を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】実施形態の噴射パターンの選択処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】

<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。

【0013】

<燃料噴射装置の概要>
まず、実施形態に係る燃料噴射装置1の概要について説明する。

【0014】

燃料噴射装置1は、自己着火式の内燃機関EGに備えられ、内燃機関EGの燃焼室CCに燃料を噴射(供給)する装置である。内燃機関EGは、蓄圧噴射システム(コモンレール噴射システム)を備えた内燃機関である。内燃機関EGは、例えば、自動車、船舶、鉄道車両、重機等に備えられるディーゼルエンジンである。このため、燃料は、この一例において、軽油である。なお、内燃機関EGは、ディーゼルエンジンに代えて、自己着火型のガソリンエンジン等の自己着火型の他の内燃機関であってもよい。

【0015】

ここで、燃料噴射装置1と異なる燃料噴射装置(例えば、従来の燃料噴射装置)は、例えば、当該燃料噴射装置を備えた内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料の圧力を、増圧機構を用いて基準圧力よりも高い圧力に増圧する際に、増圧機構を作動させるために当該高い圧力の燃料の一部を外部へ放出する必要がある。このため、当該装置は、当該高い圧力の燃料が有するエネルギーの一部を熱エネルギーとして散逸させてしまう。すなわち、当該装置は、熱エネルギーとして散逸させたエネルギーの分、燃料消費率を増大させてしまう。

【0016】

そこで、燃料噴射装置1は、燃料を所定圧力によって供給する高圧源(コモンレール)から燃料が供給される蓄圧部と、高圧源から供給される燃料を蓄圧部の内部に供給させる第1弁と、蓄圧部に供給された燃料を蓄圧部から燃焼室内へ噴射させる第2弁と、を備える。所定圧力は、燃料噴射装置1における基準圧力である。すなわち、燃料噴射装置1と異なる燃料噴射装置(例えば、従来の燃料噴射装置)が、当該燃料噴射装置が噴射する燃料の圧力を当該燃料噴射装置における基準圧力よりも高い圧力にすることができたのに対し、燃料噴射装置1は、燃料噴射装置1が噴射する燃料の圧力を燃料噴射装置1における基準圧力である所定圧力以下の圧力にすることができる。また、燃料噴射装置1は、燃料噴射装置1と異なる燃料噴射装置(例えば、従来の燃料噴射装置)が備えていた増圧機構を備えていない分、当該燃料噴射装置と比べて燃料消費率が低い。すなわち、燃料噴射装置1は、高い圧力の燃料が有するエネルギーの一部を熱エネルギーとして散逸させてしまうことなく、すなわち、内燃機関EGの燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。その結果、燃料噴射装置1は、内燃機関EGの燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンと一致させることができる。これらのパターンの一致は、誤差を含んでもよい。ここで、内燃機関EGでは、当該時間的変化のパターンに応じて、燃焼室CC内の燃焼状態に応じて単位時間あたりの燃料消費率、駆動状態における内燃機関EGからの騒音量、駆動状態における内燃機関EGの振動の大きさ、内燃機関EGからのエミッション(例えば、NOx、HC、CO、他の粒子状物質等)の発生量のうちの一部又は全部が変化する。このため、燃料噴射装置1は、燃料噴射装置1を備えた内燃機関EGを使用するユーザーが当該燃料消費率の増加、当該騒音量の増大、当該振動の大きさの増大、当該発生量の増大等を不快に感じる場合において、当該燃料消費率の低下、当該騒音量の減少、当該振動の大きさの減少、当該発生量の減少等を起こすことができ、ユーザーの快適性を向上させることができる。以下では、燃料噴射装置1の構成と、燃料噴射装置1の制御方法について詳しく説明する。

【0017】

<燃料噴射装置の構成>
以下、実施形態に係る燃料噴射装置1の構成について説明する。

【0018】

図1は、燃料噴射装置1の構成の一例を示す図である。燃料噴射装置1は、燃料インジェクター2と、燃料インジェクター2を制御するECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)3を備える。なお、燃料噴射装置1は、ECU3を備えない構成であってもよい。

【0019】

燃料インジェクター2は、燃料タンク(不図示)を起点にする燃料供給経路(不図示)において高圧源4より下流側にあり、高圧源4から燃料が供給される。燃料インジェクター2は、ECU3による制御に応じて、高圧源4から供給された燃料を当該制御に応じた圧力で、内燃機関EGの燃焼室CC内に噴射する。なお、図1において、燃料が充填されている部分を強調するため、燃料インジェクター2と内燃機関EGの断面部分のハッチングを省略している。図1に示す燃料インジェクター2は、1つであるが、1つの高圧源4より下流側に複数の燃料インジェクター2を設けることを制限するものではない。例えば、複数の燃料インジェクター2は、それぞれが同じ仕様のものであってもよい。この場合、燃料インジェクター2と高圧源4との間が互いに独立に接続されていてもよく、一部が共用されていてもよい。
高圧源4は、内燃機関EGが備えるコモンレールである。例えば、燃料タンクから供給される燃料が加圧ポンプ(不図示)によって加圧されて、高圧源4に供給される。高圧源4は、燃料を所定圧力によって燃料インジェクター2に供給する。

【0020】

燃料インジェクター2は、例えば、2つの電動インジェクターである電動インジェクター11と電動インジェクター12を備える。

【0021】

電動インジェクター11は、燃料供給管路111と、第1蓄圧部112と、ノズルニードル113と、第1蓄圧部112に形成された第1開口部115と、駆動部A1を備える。
燃料供給管路111は、電動インジェクター11の筐体の内部に形成された管路である。燃料供給管路111は、高圧源4から所定圧力によって供給された燃料が通る管路である。また、燃料供給管路111は、高圧源4と第1蓄圧部112を繋ぐ管路である。すなわち、電動インジェクター11の第1蓄圧部112は、燃料供給管路111によって高圧源4に接続されている。高圧源4から所定圧力によって供給される燃料は、燃料供給管路111を通って第1蓄圧部112に供給される。

【0022】

第1蓄圧部112は、電動インジェクター11の筐体の内部に形成された蓄圧器を含む。第1蓄圧部112は、高圧源4からその蓄圧器に燃料が供給され、その燃料の圧力を保持可能に形成されている。第1蓄圧部112は、第1弁21を備える。第1弁21は、例えば、第1蓄圧部112における燃料の排出口に設けられている。燃料供給経路における電動インジェクター11の下流側には電動インジェクター12が設けられている。つまり、第1弁21は、電動インジェクター12に対する燃料の供給を遮断し、また、高圧源4から供給される燃料を電動インジェクター12に供給させる。より具体的には、第1弁21が開いている場合、第1蓄圧部112に蓄積された燃料は、所定圧力によって電動インジェクター12に供給される。一方、第1弁21が閉じている場合、第1蓄圧部112には、高圧源4から所定圧力によって供給される燃料が蓄積される。例えば、高圧源4から常に所定圧力によって燃料が第1蓄圧部112に供給されていれば、第1蓄圧部112内の圧力は、誤差を除いて常に所定圧力になる。なお、後述する燃料の移動に伴う動的効果が生じる場合には、第1蓄圧部112内の圧力は、高圧源4における所定圧力より高い圧力になることがある。説明を簡略化するため、その動的効果が生じない場合について先に説明する。

【0023】

第1弁21は、ノズルニードル113の先端部114Aと、第1蓄圧部112に形成された第1開口部115とによって構成される。ノズルニードル113は、例えば、少なくともその一部に軸状に形成された軸部を含む。ノズルニードル113の延在方向(長手方向)の端部の領域には先端部114Aと先端部114Bとがそれぞれ設けられている。ノズルニードル113は、燃料が流れる向きに先端部114Aを向けて配置され、その延在方向に移動可能に支持されている。例えば、先端部114Aは、軸部の軸に対して対称にテーパ状に形成されている。第1開口部115は、第1蓄圧部112から燃料が排出される出口部分に設けられている。第1開口部115は、ノズルニードル113の延在方向の移動により、先端部114Aによって閉塞され、又は開放される。つまり、ノズルニードル113の先端部114Aは、第1弁21が閉じている状態において、第1開口部115を塞ぐ。ノズルニードル113は、ECU3が駆動部A1を駆動させた場合、その延在方向に沿って先端部114B側、つまり当該長手方向に沿った方向のうち先端部114Aからノズルニードル113の先端のうち先端部114Aと反対側の先端に向かう方向に動き、第1開口部115を開く。すなわち、当該場合、第1弁21が開く。駆動部A1は、ECU3によって駆動されていない場合、燃料供給管路111を通って供給された燃料の圧力(例えば、所定圧力)によってノズルニードル113の先端部114Aを第1開口部115に押し付けさせて、第1開口部115を塞ぐ。これにより、駆動部A1は、第1弁21を閉じる。一方、駆動部A1は、ECU3によって駆動された場合、燃料供給管路111を通って第2蓄圧部122に供給された燃料の圧力(例えば、所定圧力)を、駆動部A1に設けられた弁A1Vを開けることによって先端部114B近傍の燃料の一部を弁A1Vから排出して減圧する。その減圧に伴って、駆動部A1に設けられたアクチュエーター(コマンドピストン)がノズルニードル113を先端部114B方向に動かし、第1開口部115を開く。これにより、駆動部A1は、第1弁21を開ける。なお、開いている状態の第1弁21の流量面積を、燃料供給管路111の流量面積と同等、又はそれ以上の面積にすることにより、電動インジェクター11は、上記の所定圧力まで高められた燃料に蓄えられたエネルギーの損失を低減させることができる。なお、弁A1Vから排出された燃料は不図示の燃料タンク等に還流される。また、第1弁21の状態を、開けた状態と閉じた状態の何れかにするための構造及び動作は、既知の構造及び動作であってもよく、これから開発される構造及び動作であってもよいため、これ以上の詳細な説明を省略する。なお、上記の駆動部A1は、電磁弁である弁A1Vを一例として示したものであるが、これに代えて、ピエゾ素子(積層型圧電素子)を備えたものであってもよい。その場合には、弁A1Vに駆動電流を供給することについての説明を、ピエゾ素子に駆動電圧を印加することに置き換えるとよい。

【0024】

電動インジェクター12は、燃料供給管路121と、第2蓄圧部122と、ノズルニードル123と、第2蓄圧部122に形成された第2開口部125と、駆動部A2を備える。

【0025】

燃料供給管路121は、電動インジェクター12の筐体の内部に形成された管路である。燃料供給管路121は、電動インジェクター11の第1蓄圧部112から所定圧力によって供給された燃料が通る管路である。また、燃料供給管路121は、電動インジェクター12の第1開口部115と第2蓄圧部122を繋ぐ管路である。電動インジェクター12の第2蓄圧部122は、燃料供給管路121によって電動インジェクター11の第1蓄圧部112に接続されている。第1蓄圧部112から所定圧力によって供給される燃料は、第1弁21が開いている場合に、燃料供給管路121を通って第2蓄圧部122に供給される。

【0026】

第2蓄圧部122は、電動インジェクター12の筐体の内部に形成された蓄圧器を含む。第2蓄圧部122は、電動インジェクター11の第1蓄圧部112からその蓄圧器に燃料が供給され、その燃料の圧力を保持可能に形成されている。燃料供給管路121と第2蓄圧部122の組み合わせ(又は第2蓄圧部122)は、特許請求の範囲における蓄圧部の一例である。以下では、説明の便宜上、燃料供給管路121及び第2蓄圧部122のそれぞれの内部の圧力を、第2蓄圧部122内の圧力と称して説明する。なお、燃料噴射装置1は、燃料供給管路121を備えない構成であってもよい。この場合、燃料噴射装置1では、例えば、第1蓄圧部112と第2蓄圧部122とが、第1弁21を挟んで隣接しており、第1弁21によって仕切られている。第2蓄圧部122は、第2弁22を備える。第2弁22は、例えば、第2蓄圧部122における燃料の排出口に設けられている。燃料供給経路における電動インジェクター12の下流側には内燃機関EGの燃焼室CCが設けられている。つまり、第2弁22は、燃焼室CCに対する燃料の供給を遮断し、また、第2蓄圧部122に供給された燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内へ噴射させる。より具体的には、第2弁22が開いている場合、第2蓄圧部122に蓄積された燃料は、第2蓄圧部122内の圧力に応じて燃焼室CC内に噴射される。第1弁21が開いた状態であり、且つ第2弁22が閉じた状態を第1状態という。当該圧力は、第1状態の場合、例えば、最大で高圧源4の圧力である所定圧力まで増圧される。また、第1弁21が閉じた状態であり、且つ第2弁22が開いた状態を第2状態という。当該圧力は、第2状態の場合、第2弁22が開いてからの経過時間に応じて減圧される。当該場合における単位時間あたりの当該圧力の変化量は、以下の式(1)によって表される。

【0027】

ΔP=-K(q/V) ・・・(1)

【0028】

ΔPは、第2状態における単位時間あたりの第2蓄圧部122内の圧力の変化量を表す。また、Kは、第2蓄圧部122に蓄積された燃料の体積弾性率を表す。また、qは、第2状態において単位時間あたりに第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の量である燃料噴射量を表す。また、Vは、燃料供給管路121の体積と第2蓄圧部122の体積との合計の体積を表す。すなわち、第2蓄圧部122内の単位時間あたりの圧力の変化量は、第2蓄圧部122の体積Vに反比例し、第2蓄圧部122から単位時間あたりに噴射される燃料噴射量qに比例する。

【0029】

ここで、第2状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに減少する量が、第1状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに増大する量よりも大きい場合、第3状態において第2蓄圧部122の圧力は減少する。第3状態とは、第1弁21が開いた状態であり、且つ第2弁22が開いた状態のことである。より具体的には、第2状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量ΔPが第1状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量よりも大きい場合、第3状態において第2蓄圧部122内の圧力の変化量は、第2状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量ΔPと第1状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量との差だけ変化量ΔPよりも小さくなる。

【0030】

また、第2状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに減少する量が、第1状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに増大する量よりも小さい場合、第3状態において第2蓄圧部122の圧力は増大する。より具体的には、第2状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量ΔPが第1状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量よりも小さい場合、第3状態において第2蓄圧部122内の圧力は、第2状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量ΔPと第1状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量との差だけ単位時間が経過する毎に大きくなる。

【0031】

以下では、一例として、第2状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量ΔPが第1状態における第2蓄圧部122内の圧力の変化量よりも小さい場合について説明する。すなわち、この一例において、第2状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに減少する量は、第1状態において第2蓄圧部122の圧力が単位時間あたりに増大する量よりも小さい。このため、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力を、第1弁21と第2弁22それぞれの開閉状態に応じて所定圧力以下の範囲内において任意の圧力に変化させることができる。

【0032】

第2弁22は、ノズルニードル123の先端部124Aと、第2蓄圧部122に形成された第2開口部125とによって構成される。ノズルニードル123は、例えば、少なくともその一部に軸状に形成された軸部を含む。ノズルニードル123の延在方向(長手方向)の端部の領域には先端部124Aと先端部124Bがそれぞれ設けられている。ノズルニードル123は、燃料が流れる向きに先端部124Aを向けて配置され、その延在方向に移動可能に支持されている。例えば、先端部124Aは、軸部の軸に対して対称にテーパ状に形成されている。第2開口部125は、第2蓄圧部122から燃料が排出される出口部分に設けられている。第2開口部125は、ノズルニードル123の延在方向の移動により、先端部124Aによって閉塞され、又は開放される。つまり、ノズルニードル123の先端部124Aは、第2弁22が閉じている状態において、第2開口部125を塞ぐ。ノズルニードル123は、ECU3が駆動部A2を駆動させた場合、その延在方向に沿って先端部124B側、つまり当該長手方向に沿った方向のうち先端部124Aからノズルニードル123の先端のうち先端部124Aと反対側の先端に向かう方向に動き、第2開口部125を開く。すなわち、当該場合、第2弁22が開く。駆動部A2は、ECU3によって駆動されていない場合、燃料供給管路121を通って供給された燃料の圧力(例えば、所定圧力)によってノズルニードル123の先端部124Aを第2開口部125に押し付けさせて、第2開口部125を塞ぐ。これにより、駆動部A2は、第2弁22を閉じる。一方、駆動部A2は、ECU3によって駆動された場合、燃料供給管路121を通って第2蓄圧部122に供給された燃料のうち先端部124B近傍の燃料の一部を、駆動部A2に設けられた弁A2Vを開けることによって弁A2Vから燃料を排出して、先端部124B近傍の燃料を減圧する。その減圧に伴って、駆動部A2に設けられたアクチュエーター(コマンドピストン)がノズルニードル123を先端部124B方向に動かし、第2開口部125を開く。これにより、駆動部A2は、第2弁22を開ける。なお、弁A2Vから排出された燃料は不図示の燃料タンク等に還流される。また、第2弁22の状態を、開けた状態と閉じた状態の何れかにするための構造及び動作は、既知の構造及び動作であってもよく、これから開発される構造及び動作であってもよいため、これ以上の詳細な説明を省略する。なお、上記の駆動部A2は、電磁弁である弁A2Vを一例として示したものであるが、これに代えて、ピエゾ素子を備えたものであってもよい。その場合には、弁A2Vに駆動電流を供給することについての説明を、ピエゾ素子に駆動電圧を印加することに置き換えるとよい。

【0033】

<燃料噴射装置の論理的構造>
以下、図2を参照し、燃料噴射装置1の論理的構造について説明する。燃料噴射装置1の構成は、図1において説明した構成に限定されない。そこで、ここでは、燃料噴射装置1が第1状態~第3状態のそれぞれを実現するために有しているべき必須の構成要素を組み合わせた論理的構造について説明する。図2は、燃料噴射装置1の論理的構造の一例を示す図である。

【0034】

図2には、高圧源PR1と、第1弁V1と、蓄圧部PR2と、第2弁V2と、噴射部CRとが示されている。高圧源PR1と、第1弁V1と、蓄圧部PR2と、第2弁V2と、噴射部CRのそれぞれは、高圧源PR1、第1弁V1、蓄圧部PR2、第2弁V2、噴射部CRの順に論理的に接続されている。すなわち、燃料噴射装置1の論理的構造は、高圧源PR1と、第1弁V1と、蓄圧部PR2と、第2弁V2と、噴射部CRのそれぞれが、高圧源PR1、第1弁V1、蓄圧部PR2、第2弁V2、噴射部CRの順に論理的に接続される構造であることを示している。

【0035】

高圧源PR1は、燃料を所定圧力によって蓄圧部PR2に供給するコモンレールである。第2弁V2が閉じた状態において第1弁V1が開いた場合、高圧源PR1から所定圧力によって供給される燃料は、第1弁V1を通って蓄圧部PR2に蓄積される。この際、蓄圧部PR2内の圧力は、第1弁V1が開いている時間に応じて上昇して、例えば最大で所定圧力になる。また、第1弁V1が閉じた状態において第2弁V2が開いた場合、蓄圧部PR2に蓄積されていた燃料は、第2弁V2が開いてから経過した経過時間に応じた圧力であって蓄圧部PR2内の圧力によって噴射部CRから燃焼室CC内に噴射される。すなわち、燃料噴射装置1が、高圧源PR1と、第1弁V1と、蓄圧部PR2と、第2弁V2と、噴射部CRのそれぞれに対応した部材の組み合わせにより形成されていて、燃料噴射装置1の論理的構造が図2に示した論理的構造に一致している場合には、第1弁V1と第2弁V2とのそれぞれの開状態又は閉状態に関する条件を、上記の論理的構造に組み合わることにより、前述した第1状態~第3状態のそれぞれを実現することができる。

【0036】

ここで、図1に示した例では、高圧源PR1に対応する部材は、高圧源4である。当該例では、第1弁V1に対応する部材は、第1弁21である。また、当該例では、蓄圧部PR2に対応する部材は、燃料供給管路121と第2蓄圧部122の組み合わせである。また、当該例では、第2弁V2に対応する部材は、第2弁22である。また、当該例では、噴射部CRに対応する部材は、第2開口部125である。上記のように、各部材を対応付けることにより、各部の圧力変動の解析に要する処理を簡素化できる。

【0037】

<ECUの構成>
以下、図3を参照し、ECU3の構成について説明する。図3は、ECU3のハードウェア構成の一例を示す図である。ECU3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)31と、記憶部32と、第1弁駆動回路33と、第2弁駆動回路34を備える。これらの構成要素は、バスBusを介して相互に通信可能に接続されている。また、ECU3は、他のECUと互いに通信するための通信部を備える構成であってもよい。

【0038】

CPU31は、ソフトウェアプログラム(以下、プログラムという。)を実行するプロセッサを含み、記憶部32等に格納された各種プログラムを読み出して実行する。
記憶部32は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。記憶部32は、ECU3が処理する各種情報を格納する。

【0039】

第1弁駆動回路33は、第1弁21の開閉を行う駆動部A1を駆動する駆動電流を駆動部A1に供給する。
第2弁駆動回路34は、第2弁22の開閉を行う駆動部A2を駆動する駆動電流を駆動部A2に供給する。

【0040】

<ECUの機能構成>
以下、図4を参照し、ECU3の機能構成について説明する。図4は、ECU3の機能構成の一例を示す図である。ECU3は、記憶部32と、第1弁駆動回路33と、第2弁駆動回路34と、制御部36とを備える。

【0041】

制御部36は、第1弁駆動回路33を制御して駆動部A1を駆動し、記憶部32に予め記憶されたタイミングに応じて第1弁21の状態を、開けた状態又は閉じた状態にする。また、制御部36は、第2弁駆動回路34を制御して駆動部A1を駆動し、記憶部32に予め記憶されたタイミングに応じて第2弁22の状態を、開けた状態又は閉じた状態にする。制御部36は、例えば、CPU31が、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することにより実現される。また、制御部36は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。

【0042】

<燃料噴射装置の制御方法>
以下、図5~図18のそれぞれを参照し、燃料噴射装置1の制御方法の具体例について説明する。ここで、以下では、説明の便宜上、第2弁22を開けた状態にしたまま制御部36が第1弁駆動回路33を制御し、駆動部A1を駆動させて第1弁21を開ける制御を増圧制御と称し、第1弁21を閉じた状態にしたまま制御部36が第2弁駆動回路34を制御し、駆動部A2を駆動させて第2弁22を開ける制御を減圧制御と称して説明する。また、以下では、一例として、第1弁駆動回路33が駆動部A1に駆動電流A0を供給して第1弁21を開け、第2弁駆動回路34が駆動部A2に駆動電流A0を供給して第2弁22を開ける場合について説明する。すなわち、駆動部A1は、第1弁駆動回路33から駆動電流A0の供給が止まると第1弁21を閉じ、駆動部A2は、駆動電流A0の供給が止まると第2弁22を閉じる。

【0043】

図5は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例1を説明するためのタイミングチャートである。図5に示したタイミングチャートは、グラフCH11~グラフCH14の4つのグラフを含む。グラフCH11~グラフCH14のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH11の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH12の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH13の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH14の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH11~グラフCH14における時刻t11は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH11~グラフCH14における時刻t12は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH11~グラフCH14における時刻t13は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t11は、時刻t12よりも前の時刻であり、時刻t12は、時刻t13よりも前の時刻である。

【0044】

図5に示した例では、時刻t11~時刻t12の時間帯である第11時間帯において、燃料噴射装置1は、前述の第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t11より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、0であった場合について説明する。第11時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t11から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第11時間帯において当該圧力は、0から所定圧力P0まで増圧されている。第1状態において第2蓄圧部122内の圧力を0から所定圧力P0まで増圧するのに要する時間は、実験等によって調べることが可能であり、流体力学等に基づく計算によって推定することも可能である。ユーザーは、当該実験又は当該計算の結果に基づいて、第11時間帯の長さを当該時間以上の時間に決定することができる。

【0045】

次に、時刻t12~時刻t13の時間帯である第12時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって前述の第3状態を実現している。第11時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0まで増圧され、第12時間帯においても第1弁21が開いたままであるため、燃料噴射装置1は、第12時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力を所定圧力P0のまま保ち続けながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。そして、燃料噴射装置1が時刻t13において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t13以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を開いたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれ続けている。

【0046】

図5に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、燃料噴射装置1と異なる燃料噴射装置(例えば、従来の燃料噴射装置)が当該燃料噴射装置を備える内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンと容易に一致させることができる。以下では、説明の便宜上、図5に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを矩形型パターンと称して説明する。

【0047】

図6は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例2を説明するためのタイミングチャートである。図6に示したタイミングチャートは、グラフCH21~グラフCH24の4つのグラフを含む。グラフCH21~グラフCH24のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH21の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH22の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH23の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH24の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH21~グラフCH24における時刻t21は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH21~グラフCH24における時刻t22は、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH21~グラフCH24における時刻t23は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH21~グラフCH24における時刻t24は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t21は、時刻t22よりも前の時刻であり、時刻t22は、時刻t23よりも前の時刻であり、時刻t23は、時刻t24よりも前の時刻である。

【0048】

図6に示した例では、時刻t21~時刻t22の時間帯である第21時間帯において、燃料噴射装置1は、前述の第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t21より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P11であった場合について説明する。圧力P11は、所定圧力P0よりも低い圧力である。第21時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t21から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第21時間帯において当該圧力は、圧力P11から所定圧力P0まで増圧されている。第21時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0049】

次に、時刻t22~時刻t23の時間帯である第22時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第21時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P11から所定圧力P0まで増圧されている。これらのため、第22時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれる。

【0050】

次に、時刻t23~時刻t24の時間帯である第23時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第22時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0のまま保たれていたため、第23時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第23時間帯の長さに応じた圧力P11まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P11まで減圧されるのに要する時間、すなわち第23時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P11と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。そして、燃料噴射装置1が時刻t24において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t24以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P11に保たれる。

【0051】

図6に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうち逆デルタ型パターンと一致させることができる。逆デルタ型パターンは、図6に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、逆デルタ型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図6に示した例では、第23時間帯)において時間の経過とともに所定圧力P0から圧力P11まで単調に減少するパターンのことである。逆デルタ型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、第23時間帯において、燃焼室CC内にほぼ均質に噴射される。これは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料の速度が、第23時間帯において時間の経過とともに(すなわち、第2蓄圧部122内の圧力の低下とともに)遅くなるからである。その結果、燃料噴射装置1は、過大な燃料噴霧による燃料室CCの内壁への燃料の衝突、又は着火後の火炎による燃料室CC内壁への燃料の衝突によって燃料火炎が燃焼室CCの内壁で冷却されてしまうことによって起こる冷却損失を抑制することができる。ここで、燃料火炎は、燃料が燃焼することによって発生する火炎のことである。

【0052】

図7は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例3を説明するためのタイミングチャートである。図7に示したタイミングチャートは、グラフCH31~グラフCH34の4つのグラフを含む。グラフCH31~グラフCH34のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH31の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH32の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH33の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH34の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH31~グラフCH34における時刻t31は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給されるとともに第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第1弁21及び第2弁22の両方が開いた時刻を表す。また、グラフCH31~グラフCH34における時刻t33、時刻t35、時刻t37のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH31~グラフCH34における時刻t32、時刻t34、時刻t36、時刻t38のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH31~グラフCH34における時刻t39は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t31は、時刻t32よりも前の時刻であり、時刻t32は、時刻t33よりも前の時刻であり、時刻t33は、時刻t34よりも前の時刻であり、時刻t35は、時刻t36よりも前の時刻であり、時刻t36は、時刻t37よりも前の時刻であり、時刻t37は、時刻t38よりも前の時刻であり、時刻t38は、時刻t39よりも前の時刻である。また、グラフCH32及びグラフCH34における圧力P21、圧力P22、圧力P23、圧力P24、圧力P25のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P21は、圧力P22よりも低い圧力であり、圧力P22は、圧力P23よりも低い圧力であり、圧力P23は、圧力P24よりも低い圧力であり、圧力P24は、圧力P25よりも低い圧力であり、圧力P25は、圧力P26よりも低い圧力である。

【0053】

図7に示した例では、時刻t31~時刻t32の時間帯である第31時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t31より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P21であった場合について説明する。第31時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P21から第31時間帯の長さに応じた圧力P23まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t31において圧力P21であり、第31時間帯において圧力P21から圧力P23まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P21から圧力P23まで増圧されるのに要する時間、すなわち第31時間帯の長さは、圧力P21と、圧力P23と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0054】

次に、時刻t32~時刻t33の時間帯である第32時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第32時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P23から第32時間帯の長さに応じた圧力P22まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第32時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t32において圧力P23であり、第32時間帯において圧力P23から圧力P22まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P23から圧力P22まで減圧されるのに要する時間、すなわち第32時間帯の長さは、圧力P23と、圧力P22と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0055】

次に、時刻t33~時刻t34の時間帯である第33時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第33時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P22から第33時間帯の長さに応じた圧力P25まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t33において圧力P22であり、第33時間帯において圧力P22から圧力P25まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P22から圧力P25まで増圧されるのに要する時間、すなわち第33時間帯の長さは、圧力P22と、圧力P25と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0056】

次に、時刻t34~時刻t35の時間帯である第34時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第34時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P25から第34時間帯の長さに応じた圧力P24まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第34時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t34において圧力P25であり、第34時間帯において圧力P25から圧力P24まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P25から圧力P24まで減圧されるのに要する時間、すなわち第34時間帯の長さは、圧力P25と、圧力P24と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0057】

次に、時刻t35~時刻t36の時間帯である第35時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第35時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P24から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t35において圧力P24であり、第35時間帯において圧力P24から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P24から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第35時間帯の長さは、圧力P24と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0058】

次に、時刻t36~時刻t37の時間帯である第36時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第36時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を所定圧力P0から第36時間帯の長さに応じた圧力P26まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第34時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t36において所定圧力P0であり、第36時間帯において所定圧力P0から圧力P26まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P26まで減圧されるのに要する時間、すなわち第36時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P26と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0059】

次に、時刻t37~時刻t38の時間帯である第37時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第37時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P26から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t37において圧力P26であり、第37時間帯において圧力P26から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P26から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第37時間帯の長さは、圧力P26と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0060】

次に、時刻t38~時刻t39の時間帯である第38時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第38時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を所定圧力P0から第38時間帯の長さに応じた圧力P21まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第38時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t38において所定圧力P0であり、第38時間帯において所定圧力P0から圧力P21まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P21まで減圧されるのに要する時間、すなわち第38時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P21と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0061】

そして、燃料噴射装置1が時刻t39において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t39以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P21に保たれる。なお、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力とは、燃焼室CCの圧縮工程による圧力を含めていない。第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力が0である場合には、例えば、開放状態に噴射する場合に相当する。

【0062】

図7に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうちデルタ型パターンと一致させることができる。デルタ型パターンは、図7に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、デルタ型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図7に示した例では、時刻t31~時刻t39の時間帯)において時間の経過とともに圧力P21から所定圧力P0までほぼ単調に増大するパターンのことである。デルタ型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、燃料噴射装置1が燃焼室CC内に燃料を噴射している期間における前期よりも当該期間における後期において高い圧力によって噴射される。このため、燃料噴射装置1は、燃焼室CC内に噴射する燃料を微粒子化することができるとともに、燃焼室CC内において当該燃料の攪乱燃焼を起こさせることができる。その結果、燃料噴射装置1は、駆動状態における内燃機関EGの騒音量を減少することができ、更に、内燃機関EGからのエミッションの発生量を減少させることができる。

【0063】

図8は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例4を説明するためのタイミングチャートである。図8に示したタイミングチャートは、グラフCH41~グラフCH44の4つのグラフを含む。グラフCH41~グラフCH44のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH41の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH42の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH43の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH44の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH41~グラフCH44における時刻t41、時刻t44のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH41~グラフCH44における時刻t42、時刻t45のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH41~グラフCH44における時刻t43は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH41~グラフCH44における時刻t46は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t41は、時刻t42よりも前の時刻であり、時刻t42は、時刻t43よりも前の時刻であり、時刻t43は、時刻t44よりも前の時刻であり、時刻t45は、時刻t46よりも前の時刻である。また、グラフCH42及びグラフCH44における圧力P31は、所定圧力P0よりも低い圧力である。

【0064】

図8に示した例では、時刻t41~時刻t42の時間帯である第41時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t41より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P31であった場合について説明する。第41時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t41から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第41時間帯において当該圧力は、圧力P31から所定圧力P0まで増圧されている。第41時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0065】

次に、時刻t42~時刻t43の時間帯である第42時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第41時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P31から所定圧力P0まで増圧されている。これらのため、第42時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれる。

【0066】

次に、時刻t43~時刻t44の時間帯である第43時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第42時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0のまま保たれていたため、第43時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第43時間帯の長さに応じた圧力P31まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P31まで減圧されるのに要する時間、すなわち第43時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P31と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0067】

次に、時刻t44~時刻t45の時間帯である第44時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第44時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P31から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t44において圧力P31であり、第44時間帯において圧力P31から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P31から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第44時間帯の長さは、圧力P31と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0068】

次に、時刻t45~時刻t46の時間帯である第45時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t45において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0であるため、第45時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第45時間帯の長さに応じた圧力P31まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P31まで減圧されるのに要する時間、すなわち第45時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P31と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0069】

そして、燃料噴射装置1が時刻t46において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t46以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P31に保たれる。

【0070】

図8に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうち凹型パターンと一致させることができる。凹型パターンは、図8に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、凹型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図8に示した例では、時刻t43~時刻t46の時間帯)において時間の経過とともに所定圧力P0から圧力P31まで単調に減少し、その後、圧力P31から所定圧力P0まで単調に増大するパターンのことである。凹型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、第43時間帯において燃焼室CC内にほぼ均質に燃料を噴射されるとともに、第44時間帯以降において再び圧力P31よりも高圧である所定圧力P0によって噴射される。これにより、燃料噴射装置1は、燃料噴射装置1が燃焼室CC内に燃料を噴射している期間における前期よりも当該期間における後期において燃焼室CC内で当該燃料の攪乱燃焼を起こさせることができる。その結果、燃料噴射装置1は、内燃機関EGからのエミッションの発生量を減少させることができる。すなわち、図8に示したタイミングチャートが表す制御方法は、図6に示したタイミングチャートが表す制御方法と、図7に示したタイミングチャートが表す制御方法とを組み合わせた制御方法となっている。そのため、燃料噴射装置1は、図6及び図7において説明した効果の両方を得ることができる。

【0071】

図9は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例5を説明するためのタイミングチャートである。図9に示したタイミングチャートは、グラフCH51~グラフCH54の4つのグラフを含む。グラフCH51~グラフCH54のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH51の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH52の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH53の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH54の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH51~グラフCH54における時刻t51は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH51~グラフCH54における時刻t52、時刻t54、時刻t56のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH51~グラフCH54における時刻t53、時刻t55、時刻t57のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH51~グラフCH54における時刻t58は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t51は、時刻t52よりも前の時刻であり、時刻t52は、時刻t53よりも前の時刻であり、時刻t53は、時刻t54よりも前の時刻であり、時刻t54は、時刻t55よりも前の時刻であり、時刻t55は、時刻t56よりも前の時刻であり、時刻t56は、時刻t57よりも前の時刻であり、時刻t57は、時刻t58よりも前の時刻である。また、グラフCH52及びグラフCH54における圧力P41、圧力P42、圧力P43、圧力P44、圧力P45、圧力P46のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P41は、圧力P42よりも低い圧力であり、圧力P42は、圧力P43よりも低い圧力であり、圧力P43は、圧力P44よりも低い圧力であり、圧力P44は、圧力P45よりも低い圧力であり、圧力P45は、圧力P46よりも低い圧力である。

【0072】

図9に示した例では、時刻t51~時刻t52の時間帯である第51時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t51より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P42であった場合について説明する。第51時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P42から第51時間帯の長さに応じた圧力P41まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第51時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t51において圧力P42であり、第51時間帯において圧力P42から圧力P41まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P42から圧力P41まで減圧されるのに要する時間、すなわち第51時間帯の長さは、圧力P42と、圧力P41と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0073】

次に、時刻t52~時刻t53の時間帯である第52時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第52時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P41から第52時間帯の長さに応じた圧力P44まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t52において圧力P41であり、第52時間帯において圧力P41から圧力P44まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P41から圧力P44まで増圧されるのに要する時間、すなわち第52時間帯の長さは、圧力P41と、圧力P44と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0074】

次に、時刻t53~時刻t54の時間帯である第53時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第53時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P44から第53時間帯の長さに応じた圧力P43まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第53時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t53において圧力P44であり、第53時間帯において圧力P44から圧力P43まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P44から圧力P43まで減圧されるのに要する時間、すなわち第53時間帯の長さは、圧力P44と、圧力P43と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0075】

次に、時刻t54~時刻t55の時間帯である第54時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第54時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P43から第54時間帯の長さに応じた圧力P46まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t54において圧力P43であり、第54時間帯において圧力P43から圧力P46まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P43から圧力P46まで増圧されるのに要する時間、すなわち第54時間帯の長さは、圧力P43と、圧力P46と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0076】

次に、時刻t55~時刻t56の時間帯である第55時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第55時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P46から第55時間帯の長さに応じた圧力P45まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第55時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t55において圧力P46であり、第55時間帯において圧力P46から圧力P45まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P46から圧力P45まで減圧されるのに要する時間、すなわち第55時間帯の長さは、圧力P46と、圧力P45と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0077】

次に、時刻t56~時刻t57の時間帯である第56時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第56時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P45から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t56において圧力P45であり、第56時間帯において圧力P45から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P45から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第56時間帯の長さは、圧力P45と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0078】

次に、時刻t57~時刻t58の時間帯である第57時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t57において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0であるため、第57時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第57時間帯の長さに応じた圧力P42まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P42まで減圧されるのに要する時間、すなわち第57時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P42と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0079】

そして、燃料噴射装置1が時刻t58において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t58以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P42に保たれる。

【0080】

図9に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうち凸型パターンと一致させることができる。凸型パターンは、図9に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、凸型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図9に示した例では、時刻t51~時刻t58の時間帯)において時間の経過とともに圧力P42から所定圧力P0までほぼ単調に増大し、その後、所定圧力P0から圧力P42まで単調に減少するパターンのことである。凸型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、燃料噴射装置1が燃焼室CC内に燃料を噴射している期間における中期において当該期間における前期及び後期よりも高い圧力によって噴射される。これにより、燃料噴射装置1は、燃焼室CC内に噴射する燃料を微粒子化することができる。その結果、燃料噴射装置1は、駆動状態における内燃機関EGの騒音量を減少することができ、更に、内燃機関EGからのエミッションの発生量を減少させることができる。

【0081】

図10は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例6を説明するためのタイミングチャートである。図10に示したタイミングチャートが表す制御方法は、図6において説明した逆デルタ型パターンにおける燃料の噴射量を増大させる制御方法である。図10に示したタイミングチャートは、グラフCH61~グラフCH64の4つのグラフを含む。グラフCH61~グラフCH64のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH61の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH62の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH63の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH64の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH61~グラフCH64における時刻t61、時刻t64、時刻t66、時刻t68、時刻t70のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH61~グラフCH64における時刻t62、時刻t65、時刻t67、時刻t69、時刻t71のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH61~グラフCH64における時刻t63は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH61~グラフCH64における時刻t72は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t61は、時刻t62よりも前の時刻であり、時刻t62は、時刻t63よりも前の時刻であり、時刻t63は、時刻t64よりも前の時刻であり、時刻t64は、時刻t65よりも前の時刻であり、時刻t65は、時刻t66よりも前の時刻であり、時刻t66は、時刻t67よりも前の時刻であり、時刻t67は、時刻t68よりも前の時刻であり、時刻t68は、時刻t69よりも前の時刻であり、時刻t69は、時刻t70よりも前の時刻である。また、グラフCH62及びグラフCH64における圧力P51、圧力P52、圧力P53、圧力P54、圧力P55、圧力P56、圧力P57、圧力P58、圧力P59のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P51は、圧力P52よりも低い圧力であり、圧力P52は、圧力P53よりも低い圧力であり、圧力P53は、圧力P54よりも低い圧力であり、圧力P54は、圧力P55よりも低い圧力であり、圧力P55は、圧力P56よりも低い圧力であり、圧力P56は、圧力P57よりも低い圧力であり、圧力P57は、圧力P58よりも低い圧力であり、圧力P58は、圧力P59よりも低い圧力である。

【0082】

図10に示した例では、時刻t61~時刻t62の時間帯である第61時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t61より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P51であった場合について説明する。第61時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t61から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第61時間帯において当該圧力は、圧力P51から所定圧力P0まで増圧されている。第61時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0083】

次に、時刻t62~時刻t63の時間帯である第62時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第61時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P51から所定圧力P0まで増圧されている。これらのため、第62時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれる。

【0084】

次に、時刻t63~時刻t64の時間帯である第63時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第62時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0のまま保たれていたため、第63時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第63時間帯の長さに応じた圧力P58まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P58まで減圧されるのに要する時間、すなわち第63時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P58と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0085】

次に、時刻t64~時刻t65の時間帯である第64時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第64時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P58から第64時間帯の長さに応じた圧力P59まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t64において圧力P58であり、第64時間帯において圧力P58から圧力P59まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P58から圧力P59まで増圧されるのに要する時間、すなわち第64時間帯の長さは、圧力P58と、圧力P59と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0086】

次に、時刻t65~時刻t66の時間帯である第65時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t65において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P59であるため、第65時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P59から第65時間帯の長さに応じた圧力P56まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P59から圧力P56まで減圧されるのに要する時間、すなわち第65時間帯の長さは、圧力P59と、圧力P56と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0087】

次に、時刻t66~時刻t67の時間帯である第66時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第66時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P56から第66時間帯の長さに応じた圧力P57まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t66において圧力P56であり、第66時間帯において圧力P56から圧力P57まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P56から圧力P57まで増圧されるのに要する時間、すなわち第66時間帯の長さは、圧力P56と、圧力P57と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0088】

次に、時刻t67~時刻t68の時間帯である第67時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t67において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P57であるため、第67時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P57から第67時間帯の長さに応じた圧力P54まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P57から圧力P54まで減圧されるのに要する時間、すなわち第67時間帯の長さは、圧力P57と、圧力P54と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0089】

次に、時刻t68~時刻t69の時間帯である第68時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第68時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P54から第68時間帯の長さに応じた圧力P55まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t68において圧力P54であり、第68時間帯において圧力P54から圧力P55まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P54から圧力P55まで増圧されるのに要する時間、すなわち第68時間帯の長さは、圧力P54と、圧力P55と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0090】

次に、時刻t69~時刻t70の時間帯である第69時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t69において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P55であるため、第69時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P55から第69時間帯の長さに応じた圧力P52まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P55から圧力P52まで減圧されるのに要する時間、すなわち第69時間帯の長さは、圧力P55と、圧力P52と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0091】

次に、時刻t70~時刻t71の時間帯である第70時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第70時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P52から第70時間帯の長さに応じた圧力P53まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t70において圧力P52であり、第70時間帯において圧力P52から圧力P53まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P52から圧力P53まで増圧されるのに要する時間、すなわち第70時間帯の長さは、圧力P52と、圧力P53と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0092】

次に、時刻t71~時刻t72の時間帯である第71時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t71において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P53であるため、第71時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P53から第71時間帯の長さに応じた圧力P51まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P53から圧力P51まで減圧されるのに要する時間、すなわち第71時間帯の長さは、圧力P53と、圧力P51と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0093】

そして、燃料噴射装置1が時刻t72において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t72以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P51に保たれる。

【0094】

図10に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、図6に示したタイミングチャートが表す制御方法と同様に、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうち逆デルタ型パターンと一致させることができる。また、図10に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、図6に示したタイミングチャートが表す制御方法よって燃焼室CC内に噴射する燃料よりも多くの燃料を燃焼室CC内に噴射することができる。その結果、燃料噴射装置1は、過大な燃料噴霧による燃料室CCの内壁への燃料の衝突、又は着火後の火炎による燃料室CC内壁への燃料の衝突によって燃料火炎が燃焼室CCの内壁で冷却されてしまうことによって起こる冷却損失を抑制することができる。

【0095】

図11は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例7を説明するためのタイミングチャートである。図11に示したタイミングチャートは、グラフCH71~グラフCH74の4つのグラフを含む。グラフCH71~グラフCH74のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH71の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH72の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH73の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH74の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH71~グラフCH74における時刻t81、時刻t84、時刻t86、時刻t88のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH71~グラフCH74における時刻t82、時刻t85、時刻t87、時刻t89のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH71~グラフCH74における時刻t83は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH71~グラフCH74における時刻t90は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t81は、時刻t82よりも前の時刻であり、時刻t82は、時刻t83よりも前の時刻であり、時刻t83は、時刻t84よりも前の時刻であり、時刻t84は、時刻t85よりも前の時刻であり、時刻t85は、時刻t86よりも前の時刻であり、時刻t86は、時刻t87よりも前の時刻であり、時刻t87は、時刻t88よりも前の時刻であり、時刻t88は、時刻t89よりも前の時刻であり、時刻t89は、時刻t90よりも前の時刻である。また、グラフCH72及びグラフCH74における圧力P61、圧力P62のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P61は、圧力P62よりも低い圧力である。

【0096】

図11に示した例では、時刻t81~時刻t82の時間帯である第81時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t81より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P61であった場合について説明する。第81時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t81から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第81時間帯において当該圧力は、圧力P61から所定圧力P0まで増圧されている。第81時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0097】

次に、時刻t82~時刻t83の時間帯である第82時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第81時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P61から所定圧力P0まで増圧されている。これらのため、第82時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれる。

【0098】

次に、時刻t83~時刻t84の時間帯である第83時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第82時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0のまま保たれていたため、第83時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第83時間帯の長さに応じた圧力P61まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P61まで減圧されるのに要する時間、すなわち第83時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P61と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0099】

次に、時刻t84~時刻t85の時間帯である第84時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第84時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P61から第84時間帯の長さに応じた圧力P62まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t84において圧力P61であり、第84時間帯において圧力P61から圧力P62まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P61から圧力P62まで増圧されるのに要する時間、すなわち第84時間帯の長さは、圧力P61と、圧力P62と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0100】

次に、時刻t85~時刻t86の時間帯である第85時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t85において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62であるため、第85時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P62から第85時間帯の長さに応じた圧力P61まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62から圧力P61まで減圧されるのに要する時間、すなわち第85時間帯の長さは、圧力P62と、圧力P61と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0101】

次に、時刻t86~時刻t87の時間帯である第86時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第86時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P61から第86時間帯の長さに応じた圧力P62まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t86において圧力P61であり、第86時間帯において圧力P61から圧力P62まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P61から圧力P62まで増圧されるのに要する時間、すなわち第86時間帯の長さは、圧力P61と、圧力P62と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0102】

次に、時刻t87~時刻t88の時間帯である第87時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t87において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62であるため、第87時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P62から第87時間帯の長さに応じた圧力P61まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62から圧力P61まで減圧されるのに要する時間、すなわち第87時間帯の長さは、圧力P62と、圧力P61と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0103】

次に、時刻t88~時刻t89の時間帯である第88時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第88時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P61から第88時間帯の長さに応じた圧力P62まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t88において圧力P61であり、第88時間帯において圧力P61から圧力P62まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P61から圧力P62まで増圧されるのに要する時間、すなわち第86時間帯の長さは、圧力P61と、圧力P62と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0104】

次に、時刻t89~時刻t90の時間帯である第89時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t89において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62であるため、第89時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P62から第89時間帯の長さに応じた圧力P61まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P62から圧力P61まで減圧されるのに要する時間、すなわち第89時間帯の長さは、圧力P62と、圧力P61と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0105】

そして、燃料噴射装置1が時刻t90において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t90以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P61に保たれる。

【0106】

図11に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうちL型パターンと一致させることができる。L型パターンは、図11に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、L型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図11に示した例では、時刻t83~時刻t90の時間帯)において時間の経過とともに所定圧力P0から圧力P61まで単調に減少し、その後、ほぼ圧力P61のまま保たれるパターンのことである。L型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、当該期間において、逆デルタ型パターンの場合と比べて燃焼室CC内に更に均質に噴射される。その結果、燃料噴射装置1は、過大な燃料噴霧による燃料室CCの内壁への燃料の衝突、又は着火後の火炎による燃料室CC内壁への燃料の衝突によって燃料火炎が燃焼室CCの内壁で冷却されてしまうことによって起こる冷却損失を更に抑制することができる。

【0107】

図12は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例8を説明するためのタイミングチャートである。図12に示したタイミングチャートは、グラフCH81~グラフCH84の4つのグラフを含む。グラフCH81~グラフCH84のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH81の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH82の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH83の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH84の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH81~グラフCH84における時刻t91、時刻t94、時刻t96、時刻t98のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH81~グラフCH84における時刻t92、時刻t95、時刻t97、時刻t99のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH81~グラフCH84における時刻t93は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH81~グラフCH84における時刻t100は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t91は、時刻t92よりも前の時刻であり、時刻t92は、時刻t93よりも前の時刻であり、時刻t93は、時刻t94よりも前の時刻であり、時刻t94は、時刻t95よりも前の時刻であり、時刻t95は、時刻t96よりも前の時刻であり、時刻t96は、時刻t97よりも前の時刻であり、時刻t97は、時刻t98よりも前の時刻であり、時刻t98は、時刻t99よりも前の時刻であり、時刻t99は、時刻t100よりも前の時刻である。また、グラフCH82及びグラフCH84における圧力P71、圧力P72、圧力P73のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P71は、圧力P72よりも低い圧力であり、圧力P72は、圧力P73よりも低い圧力である。

【0108】

図12に示した例では、時刻t91~時刻t92の時間帯である第91時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t91より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P71であった場合について説明する。第91時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t91から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第91時間帯において当該圧力は、圧力P71から第91時間帯の長さに応じた圧力P73まで増圧されている。第91時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0109】

次に、時刻t92~時刻t93の時間帯である第92時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第91時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P71から圧力P73まで増圧されている。これらのため、第92時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P73のまま保たれる。

【0110】

次に、時刻t93~時刻t94の時間帯である第93時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第92時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P73のまま保たれていたため、第93時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P73から第93時間帯の長さに応じた圧力P71まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P73から圧力P71まで減圧されるのに要する時間、すなわち第93時間帯の長さは、圧力P73と、圧力P71と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0111】

次に、時刻t94~時刻t95の時間帯である第94時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第94時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P71から第94時間帯の長さに応じた圧力P72まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t94において圧力P71であり、第94時間帯において圧力P71から圧力P72まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P71から圧力P72まで増圧されるのに要する時間、すなわち第94時間帯の長さは、圧力P71と、圧力P72と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0112】

次に、時刻t95~時刻t96の時間帯である第95時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t95において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P72であるため、第95時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P72から第95時間帯の長さに応じた圧力P71まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P72から圧力P71まで減圧されるのに要する時間、すなわち第95時間帯の長さは、圧力P72と、圧力P71と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0113】

次に、時刻t96~時刻t97の時間帯である第96時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第96時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P71から第96時間帯の長さに応じた圧力P72まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t96において圧力P71であり、第96時間帯において圧力P71から圧力P72まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P71から圧力P72まで増圧されるのに要する時間、すなわち第96時間帯の長さは、圧力P71と、圧力P72と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0114】

次に、時刻t97~時刻t98の時間帯である第97時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t97において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P72であるため、第97時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P72から第97時間帯の長さに応じた圧力P71まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P72から圧力P71まで減圧されるのに要する時間、すなわち第97時間帯の長さは、圧力P72と、圧力P71と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0115】

次に、時刻t98~時刻t99の時間帯である第98時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第98時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P71から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t98において圧力P71であり、第98時間帯において圧力P71から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P71から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第96時間帯の長さは、圧力P71と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0116】

次に、時刻t99~時刻t100の時間帯である第99時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t99において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0であるため、第99時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第99時間帯の長さに応じた圧力P71まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P71まで減圧されるのに要する時間、すなわち第99時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P71と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0117】

そして、燃料噴射装置1が時刻t100において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t100以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P71に保たれる。

【0118】

図12に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、ユーザーが所望するパターンのうち逆L型パターンと一致させることができる。逆L型パターンは、図12に示したパターンであって燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンのことである。すなわち、逆L型パターンは、燃料噴射装置1により燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力が、燃料噴射装置1が燃料を噴射している期間(図12に示した例では、時刻t93~時刻t100の時間帯)において時間の経過とともにほぼ圧力P72のまま保ち、その後、所定圧力まで単調に増大してから再び圧力P71まで単調に減少するパターンのことである。逆L型パターンでは、燃料噴射装置1から燃焼室CC内に噴射される燃料は、デルタ型パターンと同様に、当該期間における前期よりも当該期間における後期において高い圧力によって噴射される。しかし、逆L型パターンでは、燃料噴射装置1は、デルタ型パターンと比較して、燃焼室CC内に噴射する燃料を更に微粒子化することができるとともに、燃焼室CC内において当該燃料の攪乱燃焼を更に起こさせることができる。その結果、燃料噴射装置1は、デルタ型パターンと比較して、駆動状態における内燃機関EGの騒音量を更に減少することができ、更に、内燃機関EGからのエミッションの発生量を更に減少させることができる。

【0119】

図13は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例9を説明するためのタイミングチャートである。図13に示したタイミングチャートは、グラフCH91~グラフCH94の4つのグラフを含む。グラフCH91~グラフCH94のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH91の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH92の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH93の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH94の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH91~グラフCH94における時刻t101、時刻t104、時刻t106、時刻t108、時刻t110のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH91~グラフCH94における時刻t102、時刻t105、時刻t107、時刻t109、時刻t111のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH91~グラフCH94における時刻t103は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH91~グラフCH94における時刻t112は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t101は、時刻t102よりも前の時刻であり、時刻t102は、時刻t103よりも前の時刻であり、時刻t103は、時刻t104よりも前の時刻であり、時刻t104は、時刻t105よりも前の時刻であり、時刻t105は、時刻t106よりも前の時刻であり、時刻t106は、時刻t107よりも前の時刻であり、時刻t107は、時刻t108よりも前の時刻であり、時刻t108は、時刻t109よりも前の時刻であり、時刻t109は、時刻t110よりも前の時刻であり、時刻t110は、時刻t111よりも前の時刻であり、時刻t111は、時刻t112よりも前の時刻である。また、グラフCH92及びグラフCH94における圧力P81、圧力P82、圧力P83のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P81は、圧力P82よりも低い圧力であり、圧力P82は、圧力P83よりも低い圧力である。

【0120】

図13に示した例では、時刻t101~時刻t102の時間帯である第101時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t101より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P81であった場合について説明する。第101時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t101から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第101時間帯において当該圧力は、圧力P81から第101時間帯の長さに応じた圧力P83まで増圧されている。第101時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0121】

次に、時刻t102~時刻t103の時間帯である第102時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第101時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P81から圧力P83まで増圧されている。これらのため、第102時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P83のまま保たれる。

【0122】

次に、時刻t103~時刻t104の時間帯である第103時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。第102時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83のまま保たれていたため、第103時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P83から第103時間帯の長さに応じた圧力P82まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83から圧力P82まで減圧されるのに要する時間、すなわち第103時間帯の長さは、圧力P83と、圧力P82と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0123】

次に、時刻t104~時刻t105の時間帯である第104時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第104時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P82から第104時間帯の長さに応じた圧力P83まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t104において圧力P82であり、第104時間帯において圧力P82から圧力P83まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P82から圧力P83まで増圧されるのに要する時間、すなわち第104時間帯の長さは、圧力P82と、圧力P83と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0124】

次に、時刻t105~時刻t106の時間帯である第105時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t105において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83であるため、第105時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P83から第105時間帯の長さに応じた圧力P82まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83から圧力P82まで減圧されるのに要する時間、すなわち第105時間帯の長さは、圧力P83と、圧力P82と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0125】

次に、時刻t106~時刻t107の時間帯である第106時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第106時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P82から第106時間帯の長さに応じた圧力P83まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t106において圧力P82であり、第106時間帯において圧力P82から圧力P83まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P82から圧力P83まで増圧されるのに要する時間、すなわち第106時間帯の長さは、圧力P82と、圧力P83と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0126】

次に、時刻t107~時刻t108の時間帯である第107時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t107において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83であるため、第107時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P83から第107時間帯の長さに応じた圧力P82まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83から圧力P82まで減圧されるのに要する時間、すなわち第107時間帯の長さは、圧力P83と、圧力P82と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0127】

次に、時刻t108~時刻t109の時間帯である第108時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第108時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P82から第108時間帯の長さに応じた圧力P83まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t108において圧力P82であり、第108時間帯において圧力P82から圧力P83まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P82から圧力P83まで増圧されるのに要する時間、すなわち第108時間帯の長さは、圧力P82と、圧力P83と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0128】

次に、時刻t109~時刻t110の時間帯である第109時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t109において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83であるため、第109時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P83から第109時間帯の長さに応じた圧力P82まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83から圧力P82まで減圧されるのに要する時間、すなわち第109時間帯の長さは、圧力P83と、圧力P82と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0129】

次に、時刻t110~時刻t111の時間帯である第110時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第110時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P82から第110時間帯の長さに応じた圧力P83まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t110において圧力P82であり、第110時間帯において圧力P82から圧力P83まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P82から圧力P83まで増圧されるのに要する時間、すなわち第110時間帯の長さは、圧力P82と、圧力P83と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0130】

次に、時刻t111~時刻t112の時間帯である第111時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t111において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83であるため、第111時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P83から第111時間帯の長さに応じた圧力P81まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P83から圧力P81まで減圧されるのに要する時間、すなわち第111時間帯の長さは、圧力P83と、圧力P81と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0131】

そして、燃料噴射装置1が時刻t112において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t112以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P81に保たれる。

【0132】

図13に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を、所定圧力P0よりも低い圧力である圧力P83にほぼ保ちながら当該燃料を燃焼室CC内に噴射することができる。すなわち、燃料噴射装置1は、高圧源4から供給される圧力以下の圧力であってユーザーが所望する圧力によって燃料を燃焼室CC内に噴射することができる。

【0133】

図14は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例10を説明するためのタイミングチャートである。当該制御方法の具体例10は、上記において説明した制御方法の一部又は全部を組み合わせることにより、燃料噴射装置1に多段噴射、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフター噴射のそれぞれを順に行わせる制御方法である。図14に示したタイミングチャートは、グラフCH101~グラフCH104の4つのグラフを含む。グラフCH101~グラフCH104のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH101の縦軸は、第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH102の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH103の縦軸は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を表す。また、グラフCH104の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH101~グラフCH104における時刻t125、時刻t129のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH101~グラフCH104における時刻t127、時刻t130のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH101~グラフCH104における時刻t121、時刻t123、時刻t126、時刻t130のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH101~グラフCH104における時刻t122、時刻t124、時刻t128、時刻t131のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t121は、時刻t122よりも前の時刻であり、時刻t122は、時刻t123よりも前の時刻であり、時刻t123は、時刻t124よりも前の時刻であり、時刻t124は、時刻t125よりも前の時刻であり、時刻t125は、時刻t126よりも前の時刻であり、時刻t126は、時刻t127よりも前の時刻であり、時刻t127は、時刻t128よりも前の時刻であり、時刻t128は、時刻t129よりも前の時刻であり、時刻t129は、時刻t130よりも前の時刻であり、時刻t130は、時刻t131よりも前の時刻である。また、グラフCH102及びグラフCH104における圧力P91、圧力P92、圧力P93、圧力P94、圧力P95、圧力P96のそれぞれは、所定圧力P0よりも低い圧力である。また、圧力P91は、圧力P92よりも低い圧力であり、圧力P92は、圧力P93よりも低い圧力であり、圧力P93は、圧力P94よりも低い圧力であり、圧力P94は、圧力P95よりも低い圧力であり、圧力P95は、圧力P96よりも低い圧力である。

【0134】

図14に示した例では、時刻t121~時刻t122の時間帯である第121時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現し、パイロット噴射を行う。ここで、当該例では、時刻t121より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P94であった場合について説明する。第121時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P94のまま保たれていたため、第121時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P94から第121時間帯の長さに応じた圧力P93まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P94から圧力P93まで減圧されるのに要する時間、すなわち第121時間帯の長さは、圧力P94と、圧力P93と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0135】

次に、時刻t122~時刻t123の時間帯である第122時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第121時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P94から圧力P93まで減圧されている。これらのため、第122時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P93のまま保たれる。

【0136】

次に、時刻t123~時刻t124の時間帯である第123時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現し、プレ噴射を行う。第122時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P93のまま保たれていたため、第123時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P93から第123時間帯の長さに応じた圧力P92まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P93から圧力P92まで減圧されるのに要する時間、すなわち第123時間帯の長さは、圧力P93と、圧力P92と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0137】

次に、時刻t124~時刻t125の時間帯である第124時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第123時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P93から圧力P92まで減圧されている。これらのため、第124時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P92のまま保たれる。

【0138】

次に、時刻t125~時刻t126の時間帯である第125時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。第125時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t125から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第125時間帯において当該圧力は、圧力P92から圧力P96まで増圧されている。第125時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0139】

次に、時刻t126~時刻t127の時間帯である第126時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって第3状態を実現している。第126時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P96から所定圧力P0まで増圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。これらにより、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t126において圧力P96であり、第126時間帯において圧力P96から所定圧力P0まで増圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P96から所定圧力P0まで増圧されるのに要する時間、すなわち第126時間帯の長さは、圧力P96と、所定圧力P0と、前述の式(1)と、第11時間帯の長さを決定する方法とに基づいて算出することができる。

【0140】

次に、時刻t127~時刻t128の時間帯である第127時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t127において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0であるため、第127時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を所定圧力P0から第127時間帯の長さに応じた圧力P91まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P91まで減圧されるのに要する時間、すなわち第127時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P91と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0141】

次に、時刻t128~時刻t129の時間帯である第128時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第128時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P91まで減圧されている。これらのため、第128時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P91のまま保たれる。

【0142】

なお、燃料噴射装置1は、時刻t125~時刻t129の期間においてメイン噴射を行っている。

【0143】

次に、時刻t129~時刻t130の時間帯である第129時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。第129時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t129から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0であるため、第2蓄圧部122内の圧力は、最大で所定圧力P0まで増圧可能である。当該例では、第129時間帯において当該圧力は、圧力P91から圧力P95まで増圧されている。第129時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0144】

次に、時刻t130~時刻t131の時間帯である第130時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現し、アフター噴射を行う。時刻t130において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P95であるため、第130時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P95から第130時間帯の長さに応じた圧力P94まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P95から圧力P94まで減圧されるのに要する時間、すなわち第130時間帯の長さは、圧力P95と、圧力P94と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0145】

そして、燃料噴射装置1が時刻t131において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t131以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P94に保たれる。

【0146】

図14に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、上記において説明したパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフター噴射のそれぞれを行うことができる。図14に示した例では、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射及びプレ噴射において、メイン噴射において燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力よりも低い圧力によって燃料を燃焼室CC内に噴射している。これにより、燃料噴射装置1は、内燃機関EGの騒音量を減少させることができ、更に、内燃機関EGのエミッションの発生量を減少させることができる。また、当該例では、燃料噴射装置1は、前述の逆デルタ型パターンによって燃料を燃焼室CC内に噴射している。また、燃料噴射装置1は、アフター噴射において、メイン噴射において燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力よりも低い圧力であってパイロット噴射において燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力よりも高い圧力によって燃料を燃焼室CC内に噴射している。これにより、燃料噴射装置1は、第130時間帯において燃焼室CC内で攪乱燃焼を起こし、内燃機関EGのエミッションの発生量を減少させることができる。

【0147】

次に、図15から図18を参照して、燃料噴射装置1における燃料の移動に伴う動的効果が作用する場合について説明する。
図15は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例11を説明するためのタイミングチャートである。当該制御方法の具体例11は、上記において説明した制御方法の一部又は全部を組み合わせることにより、燃料噴射装置1に多段噴射、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを行わせる制御方法である。なお、上記の制御方法は、アフター噴射の実施を制限するものではなく、適宜追加して実施してよい。図15に示したタイミングチャートは、グラフCH111~グラフCH114の4つのグラフを含む。グラフCH111~グラフCH114のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH111の縦軸は、弁A1Vの状態を、開状態と閉状態の2値で表す。以下、単に弁A1Vの状態を表す、という。なお、弁A1Vの状態が変化するタイミングは、前述の第1弁駆動回路33から駆動部A1に供給された駆動電流を変化させたタイミングより微小時間遅れたものになる。また、グラフCH112の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH113の縦軸は、弁A2Vの状態を、開状態と閉状態の2値で表す。以下、単に弁A2Vの状態を表す、という。なお、弁A2Vの状態が変化するタイミングは、前述の第2弁駆動回路34から駆動部A2に供給された駆動電流を変化させたタイミングより微小時間遅れたものになる。また、グラフCH114の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH111~グラフCH114における時刻t141、時刻t150、時刻t154、時刻t158のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH111~グラフCH114における時刻t142、時刻t152、時刻t156、時刻t160のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH111~グラフCH114における時刻t151、時刻t155、時刻t159のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH111~グラフCH114における時刻t153、時刻t157、時刻t161のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。なお、グラフCH111~グラフCH114における時刻t143、時刻t145、時刻t147のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、弁A2Vが第2蓄圧部122からの燃料の排出を開始した時刻を表す。また、グラフCH111~グラフCH114における時刻t144、時刻t146、時刻t148のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、弁A2Vが第2蓄圧部122からの燃料の排出を停止した時刻を表す。ここで、時刻t141は、時刻t142よりも前の時刻であり、時刻t142は、時刻t143よりも前の時刻であり、時刻t143は、時刻t144よりも前の時刻であり、時刻t144は、時刻t145よりも前の時刻であり、時刻t145は、時刻t146よりも前の時刻であり、時刻t146は、時刻t147よりも前の時刻であり、時刻t147は、時刻t148よりも前の時刻であり、時刻t148は、時刻t150よりも前の時刻であり、時刻t150は、時刻t152よりも前の時刻であり、時刻t152は、時刻t151よりも前の時刻であり、時刻t151は、時刻t153よりも前の時刻であり、時刻t153は、時刻t154よりも前の時刻であり、時刻t154は、時刻t156よりも前の時刻であり、時刻t156は、時刻t155よりも前の時刻であり、時刻t155は、時刻t157よりも前の時刻であり、時刻t157は、時刻t158よりも前の時刻であり、時刻t158は、時刻t159よりも前の時刻であり、時刻t159は、時刻t160よりも前の時刻であり、時刻t160は、時刻t161よりも前の時刻である。また、グラフCH112及びグラフCH114における圧力P101、圧力P103、圧力P104、圧力P105のそれぞれは、0より高く所定圧力P0よりも低い圧力であり、圧力P107は、所定圧力P0よりも高い圧力である。また、圧力P101は、圧力P103よりも低い圧力であり、圧力P103は、圧力P104よりも低い圧力であり、圧力P104は、圧力P105よりも低い圧力である。

【0148】

図15に示した例では、時刻t141~時刻t142の時間帯である第141時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。ここで、当該例では、時刻t141より前の時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P101であった場合について説明する。第141時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t141から経過した経過時間に応じて増圧される。例えば、第2蓄圧部122内の圧力は、燃料の移動に伴う増圧効果によって圧力P103から圧力P107まで増圧されている。燃料の移動に伴う増圧効果とは、例えば、高圧源4から第2蓄圧部122までの間の燃料供給管路121内などに存在する燃料の移動による燃料の慣性力によって、高圧源4の圧力で圧所定圧P0より高い圧力が生じることをいう。燃料の慣性力による動的効果を利用することで、能動的な増圧機構(加圧器)を用いることなく第2蓄圧部122内の圧力を,所定圧力P0を超える圧力に高めることができる。第141時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0149】

次に、時刻t142~時刻t143の時間帯である第142時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第141時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P101から圧力P107まで増圧されている。これらのため、第142時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P107のまま保たれる。

【0150】

次に、時刻t143~時刻t144の時間帯である第143時間帯において、燃料噴射装置1は、非噴射減圧制御を行うことによって第4状態を実現している。なお、第4状態とは、第1弁21が閉じた状態であり、且つ第2弁22が閉じた状態を維持しながら弁A2Vが非噴射減圧制御を受ける状態のことである。また、非噴射減圧制御とは、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射することなく、第2蓄圧部122内の圧力を減圧させる手法の一例であり、例えば、閉塞状態にある弁A2Vを、アクチュエーターが応答しない程度の微小時間開くように駆動電流を短時間流すことにより実現する。先の第142時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107のまま保たれていたため、第143時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122における燃料の圧力を圧力P107から第143時間帯の長さに応じた圧力P105まで減圧する。圧力P105は、第143時間帯の長さに依存する。第143時間帯の長さは、弁A2Vに駆動電流を流し始めてから、弁A2Vが応答して燃料の排出を開始するまでの時間より長く、第2弁22が応答して燃料の噴射を開始するまでの時間より短い時間に予め決定されている。つまり、第2弁駆動回路34が弁A2Vに所定の駆動電流を第143時間帯の期間に流すことにより、第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107から圧力P105まで減圧する。

【0151】

次に、時刻t144~時刻t145の時間帯である第144時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第143時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P105に減圧されている。これらのため、第144時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P105のまま保たれる。

【0152】

次に、時刻t145~時刻t146の時間帯である第145時間帯において、燃料噴射装置1は、非噴射減圧制御を行うことによって第4状態を実現している。
第144時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P105に保たれていたため、第145時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122における燃料の圧力を圧力P105から圧力P104まで減圧する。

【0153】

次に、時刻t146~時刻t147の時間帯である第146時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第145時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P105に減圧されている。これらのため、第146時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P104のまま保たれる。

【0154】

次に、時刻t147~時刻t148の時間帯である第147時間帯において、燃料噴射装置1は、非噴射減圧制御を行うことによって第4状態を実現している。先の第146時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104に保たれていたため、第145時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122における燃料の圧力を圧力P104から圧力P103まで減圧する。圧力P103は、減圧目標の圧力である。ここでは、今回の非噴射減圧制御によって、第2蓄圧部122における燃料の圧力が、減圧目標の圧力P103に達したものと仮定する。なお、第4状態を繰り返す回数は、上記に限らず、1回の非噴射減圧制御により減圧できる大きさと、圧力P107と、減圧目標の圧力P103とに基づいて適宜決定するとよい。或いは、所定の回数の非噴射減圧制御の実施により到達した第2蓄圧部122内の圧力を、減圧目標の圧力(圧力P103)とみなしてもよい。

【0155】

次に、時刻t148~時刻t150の時間帯である第148時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第147時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P103に減圧されている。これらのため、第148時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0156】

次に、時刻t150~時刻t153の時間帯において、燃料噴射装置1は、所謂パイロット噴射を実施する。例えば、時刻t150~時刻t152の時間帯である第150時間帯において、燃料噴射装置1は、前述の第1状態を実現している。第150時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t150から経過した経過時間に応じて増圧され、圧力P104になる。この第150時間帯の期間は、弁A2Vを制御することによる第2蓄圧部122内の圧力の減圧を補う程度に微小なものであり、圧力P103に対する増圧分は小さなものになる。第150時間帯に期間は微小ではあるが、この第1状態を設けることにより、弁A2Vを制御することによる減圧を相殺することができる。第150時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0157】

次に、時刻t152~時刻t151の時間帯である第152時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第151時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104に増圧されている。これらのため、第152時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P104のまま保たれる。

【0158】

次に、時刻t151~時刻t153の時間帯である第151時間帯において、減圧制御を行うことによって第2状態を実現する。ここで、当該例では、時刻t151の時点で、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P104であった場合について説明する。先の第152時間帯のうち時刻t151において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104であったため、第151時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P104から第151時間帯の長さに応じて圧力P103まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されるのに要する時間、すなわち第151時間帯の長さは、圧力P104と、圧力P103と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0159】

なお、前述の時刻t152を、第151時間帯内に配置してもよい。

【0160】

次に、時刻t153~時刻t154の時間帯である第153時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第151時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されている。これらのため、第153時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0161】

次に、時刻t154~時刻t157の時間帯において、燃料噴射装置1は、所謂プレ噴射を実施する。例えば、時刻t154~時刻t156の時間帯である第154時間帯において、燃料噴射装置1は、前述の第1状態を実現している。第154時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t154から経過した経過時間に応じて増圧され、圧力P104になる。この第154時間帯の期間は、弁A2Vを制御することによる第2蓄圧部122内の圧力の減圧を補う程度に微小なものであり、圧力P103に対する増圧分は小さなものになる。第154時間帯の期間は微小ではあるが、この第1状態を設けることにより、弁A2Vを制御することによる減圧を相殺することができる。第154時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0162】

次に、時刻t155~時刻t157の時間帯である第155時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現する。ここで、当該例では、時刻t155の時点で、第2蓄圧部122内の圧力が、圧力P104であった場合について説明する。先の第154時間帯のうち時刻t155において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104であったため、第155時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を圧力P104から第155時間帯の長さに応じて圧力P103まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されるのに要する時間、すなわち第155時間帯の長さは、圧力P104と、圧力P103と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0163】

なお、前述の時刻t156を、第155時間帯内に配置してもよい。

【0164】

次に、時刻t157~時刻t158の時間帯である第157時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第155時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されている。これらのため、第157時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0165】

次に、時刻t158~時刻t159の時間帯である第158時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。第158時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t158から経過した経過時間に応じて増圧される。例えば、第2蓄圧部122内の圧力は、燃料の移動に伴う増圧効果によって圧力P103から圧力P107まで増圧されている。第158時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0166】

次に、時刻t159~時刻t160の時間帯である第159時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を開いている。すでに、第158時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107に増圧されている。これらのため、第159時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、増圧することなく圧力P107のまま保たれる。なお、この第159時間帯を省略してもよい。

【0167】
次に、時刻t160~時刻t161の時間帯である第160時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t160において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107であるため、第160時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を、少なくとも圧力P107から第160時間帯の長さに応じた圧力P101まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が少なくとも圧力P107から圧力P101まで減圧されるのに要する時間、すなわち第160時間帯の長さは、圧力P107と、圧力P101と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0168】

そして、燃料噴射装置1が時刻t161において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t161以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を閉じたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P101に保たれる。

【0169】

図15に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、上記において説明したパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフター噴射のそれぞれを行うことができる。図15に示した例では、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射及びプレ噴射を実施する際の第2蓄圧部122内の圧力を、0より高く所定圧力P0より低い所望の圧力になるように調整する。つまり、上記の所望の圧力は、メイン噴射時において燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力よりも低い圧力である。そして、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射、プレ噴射及びメイン噴射のそれぞれにおいて上記の所望の圧力によって燃料を燃焼室CC内に噴射している。これにより、燃料噴射装置1は、内燃機関EGの騒音量を減少させることができ、更に、内燃機関EGのエミッションの発生量を減少させることができる。なお、当該例では、燃料噴射装置1は、パイロット噴射とプレ噴射時の第2蓄圧部122内の圧力の調整を可能とし、また、メイン噴射では、逆デルタ型パターンの固有の特徴を生かした制御を実現できる。

【0170】

なお、図15に示した各グラフの横軸は時刻を表すものとして説明したが、内燃機関EGの図示しないクランクの角度(クランク角)に置き換えることができる。この場合、図15は、燃焼サイクルの1周期を表す。なお、上記の場合には、ECU3は、既知の方法でクランク角に関する情報を取得するとよい。以下の図においても同様である。

【0171】

図16は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例12を説明するためのタイミングチャートである。当該制御方法の具体例12は、上記において説明した制御方法の一部又は全部を組み合わせることにより、燃料噴射装置1に多段噴射、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを行わせる制御方法である。なお、上記の制御方法は、アフター噴射の実施を制限するものではなく、適宜追加して実施してよい。図16に示したタイミングチャートは、グラフCH121~グラフCH124の4つのグラフを含む。グラフCH121~グラフCH124のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH121の縦軸は、弁A1Vの状態を表す。また、グラフCH122の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH123の縦軸は、弁A2Vの状態を表す。また、グラフCH124の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH121~グラフCH124における時刻t150、時刻t154、時刻t158、時刻t162のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH121~グラフCH124における時刻t152、時刻t156、時刻t160、時刻t163のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH121~グラフCH124における時刻t151、時刻t155、時刻t159のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH121~グラフCH124における時刻t153、時刻t157、時刻t161のそれぞれは、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t161は、時刻t162よりも前の時刻であり、時刻t162は、時刻t163よりも前の時刻である。なお、グラフCH121~グラフCH124における時刻t150から時刻t161までの説明は、前述の図15に示す実施例11の説明を参照する。図15に示す実施例11との相違点は、パイロット噴射とプレ噴射のための第2蓄圧部122の圧力の調整方法が異なる。図15に示す実施例11では、メイン噴射の後、パイロット噴射とプレ噴射に先だち第2蓄圧部122の圧力を圧力P107まで一旦加圧して後に所望の圧力に調整していた。本実施形態では、これを省略して、時刻t161以降に、圧力P107まで一旦加圧することなく第2蓄圧部122の圧力を調整する。以下、時刻t161以降に実施する圧力調整について説明する。

【0172】

なお、燃料噴射装置1は、時刻t150から時刻t161にかけて、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを順に実施する。

【0173】

次に、時刻t161~時刻t162の時間帯である第161時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、第161時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107から圧力P101まで減圧されている。これらのため、第161時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P101のまま保たれる。また、燃料噴射装置1が時刻t161において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t161以降の時間帯において0になる。

【0174】

次に、時刻t162~時刻t163の時間帯である第162時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。第162時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t162から経過した経過時間に応じて増圧される。また、第2蓄圧部122に供給される燃料の圧力が所定圧力P0である。燃料の移動による動的効果によれば、第2蓄圧部122内の圧力は、例えば、最大で圧力P107まで増圧可能であるが、当該例では、第162時間帯の長さを比較的短い時間に決定されており、第2蓄圧部122内の圧力は、少なくとも所定圧力P0より低い圧力P103までの増圧に留まる。なお、第162時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0175】

次に、燃料噴射装置1は、時刻t163以降の期間に、次の燃焼サイクルのパイロット噴射のタイミングまで、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。これにより、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0176】

図16に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、上記において説明したパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを行うことができる。図16に示した例では、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射及びプレ噴射を実施する際の第2蓄圧部122内の圧力を、少なくとも0より高く所定圧力P0より低い所望の圧力になるように調整する。つまり、上記の所望の圧力は、メイン噴射時において燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力P107よりも低い圧力である。そして、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射、プレ噴射及びメイン噴射のそれぞれにおいて上記の所望の圧力によって燃料を燃焼室CC内に噴射している。さらに、燃料噴射装置1は、当該パイロット噴射とプレ噴射時の第2蓄圧部122内の圧力を、少なくとも所定圧力P0まで高めることなく調整することができる。これにより、燃料噴射装置1は、内燃機関EGの騒音量を減少させることができ、更に、内燃機関EGのエミッションの発生量を減少させることができる。なお、当該例では、燃料噴射装置1は、パイロット噴射とプレ噴射時の第2蓄圧部122内の圧力の調整を可能とし、また、メイン噴射では、逆デルタ型パターンの固有の特徴を生かした制御を実現できる。

【0177】

図17は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例13を説明するためのタイミングチャートである。当該制御方法の具体例13は、上記において説明した制御方法の一部又は全部を組み合わせることにより、燃料噴射装置1に多段噴射、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを行わせる制御方法である。なお、上記の制御方法は、アフター噴射の実施を制限するものではなく、適宜追加して実施してよい。図17に示したタイミングチャートは、グラフCH131~グラフCH134の4つのグラフを含む。グラフCH131~グラフCH134のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH131の縦軸は、弁A1Vの状態を表す。また、グラフCH132の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH133の縦軸は、弁A2Vの状態を表す。また、グラフCH134の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH131~グラフCH134における時刻t171、時刻t173、時刻t175、時刻t177のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH131~グラフCH134における時刻t172、時刻t174、時刻t176、時刻t178のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH131~グラフCH134における時刻t170は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH131~グラフCH134における時刻t179は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t157は、時刻t170よりも前の時刻であり、時刻t170は、時刻t171よりも前の時刻であり、時刻t171は、時刻t172よりも前の時刻であり、時刻t172は、時刻t173よりも前の時刻であり、時刻t173は、時刻t174よりも前の時刻であり、時刻t174は、時刻t175よりも前の時刻であり、時刻t175は、時刻t176よりも前の時刻であり、時刻t176は、時刻t177よりも前の時刻であり、時刻t177は、時刻t178よりも前の時刻であり、時刻t178は、時刻t179よりも前の時刻である。また、グラフCH132及びグラフCH134における圧力P21、圧力P101、圧力P103、圧力P104、圧力P105のそれぞれは、0より高く所定圧力P0よりも低い圧力であり、圧力P107は、所定圧力P0よりも高い圧力である。また、圧力P101は、圧力P103よりも低い圧力であり、圧力P103は、圧力P104よりも低い圧力であり、圧力P104は、圧力P105よりも低い圧力である。少なくとも圧力P21は、圧力P103よりも低い圧力である。

【0178】

なお、グラフCH131~グラフCH134における時刻t141から時刻t157までの説明は、前述の図15に示す実施例11の説明を参照する。なお、時刻t141における第2蓄圧部122内の圧力を圧力P103である場合を例示する。この時刻t141における第2蓄圧部122内の圧力は、前回の燃料噴射サイクルの状態により変動することがある。図15に示す実施例11との主な相違点は、メイン噴射の際の第2蓄圧部122の圧力の調整方法が異なる。図15に示す実施例11は逆デルタ型のメイン噴射の事例であったが、本実施例は、デルタ型のメイン噴射の事例である。以下、時刻t170以降に実施する圧力調整ついて説明する。

【0179】

燃料噴射装置1は、メイン噴射に先だち、時刻t141から時刻t148にかけて、パイロット噴射とプレ噴射のための圧力調整を実施する。その後、時刻t150から時刻t157にかけて、パイロット噴射、プレ噴射のそれぞれを順に実施する。

【0180】

また、時刻t157~時刻t170の時間帯である第157時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、前述の第156時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されている。これらのため、第157時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0181】

図17に示した例では、時刻t170~時刻t179の時間帯において、燃料噴射装置1は、メイン噴射を実現している。例えば、時刻t170~時刻t171の時間帯である第170時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。このため、第170時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を圧力P103から第170時間帯の長さに応じた圧力P21まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、第170時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t170において圧力P103であり、第170時間帯において圧力P103から圧力P21まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が圧力P103から圧力P21まで減圧されるのに要する時間、すなわち第170時間帯の長さは、圧力P103と、圧力P21と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0182】

次に、時刻t171~時刻t179の時間帯にかけて、燃料噴射装置1は、前述の図7に示したデルタ型のメイン噴射を実施する。その詳細な説明については、図7を参照し、図7の時刻t31から時刻t39を、時刻t171から時刻t179に読み替える。

【0183】

なお、グラフCH134において時刻t170から時刻t179までの範囲に示す破線は、デルタ型パターンによる圧力を模式化したものである。実際の制御では、時刻t178から時刻t179までの時間帯で、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、実線のように減少する。例えば、時刻t178から時刻t179までの時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122内の圧力を所定圧力P0から時刻t178から時刻t179までの長さに応じて圧力P103まで減圧しながら、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。その結果、時刻t178から時刻t179までの時間帯において、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力は、時刻t178において所定圧力P0であり、時刻t178から時刻t179までの時間帯において所定圧力P0から圧力P103まで減圧される。第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0から圧力P103まで減圧されるのに要する時間、すなわち時刻t178から時刻t179までの時間帯の長さは、所定圧力P0と、圧力P103と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0184】

図17に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、パイロット噴射とプレ噴射時の第2蓄圧部122内の圧力の調整を可能とし、また、メイン噴射では、デルタ型パターンの固有の特徴を生かした制御を実現できる。

【0185】

図18は、燃料噴射装置1の制御方法の具体例14を説明するためのタイミングチャートである。当該制御方法の具体例14は、上記において説明した制御方法の一部又は全部を組み合わせることにより、燃料噴射装置1に多段噴射、例えば、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射のそれぞれを行わせる制御方法である。なお、上記の制御方法は、アフター噴射の実施を制限するものではなく、適宜追加して実施してよい。図18に示したタイミングチャートは、グラフCH141~グラフCH144の4つのグラフを含む。グラフCH141~グラフCH144のそれぞれの横軸は、時刻を表す。また、グラフCH141の縦軸は、弁A1Vの状態を表す。また、グラフCH142の縦軸は、第2蓄圧部122内の圧力を表す。また、グラフCH143の縦軸は、弁A2Vの状態を表す。また、グラフCH144の縦軸は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射された燃料の圧力を表す。また、グラフCH141~グラフCH144における時刻t188から時刻t193は下記の通りである。グラフCH141~グラフCH144における時刻t188、時刻t191のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1に駆動電流が供給され、第1弁21が開いた時刻を表す。また、グラフCH141~グラフCH144における時刻t190、時刻t193のそれぞれは、第1弁駆動回路33から駆動部A1への駆動電流の供給が止められ、第1弁21が閉じた時刻を表す。また、グラフCH141~グラフCH144における時刻t189は、第2弁駆動回路34から駆動部A2に駆動電流が供給され、第2弁22が開いた時刻を表す。また、グラフCH141~グラフCH144における時刻t192は、第2弁駆動回路34から駆動部A2への駆動電流の供給が止められ、第2弁22が閉じた時刻を表す。ここで、時刻t188は、時刻t189よりも前の時刻であり、時刻t189は、時刻t190よりも前の時刻であり、時刻t190は、時刻t191よりも前の時刻であり、時刻t191は、時刻t192よりも前の時刻であり、時刻t192は、時刻t193よりも前の時刻である。また、グラフCH142及びグラフCH144における圧力P101、圧力P103、圧力P104、圧力P105、圧力P108のそれぞれは、0より高く所定圧力P0よりも低い圧力であり、圧力P107は、所定圧力P0よりも高い圧力である。また、圧力P101は、圧力P108よりも低い圧力であり、圧力P108は、圧力P103よりも低い圧力であり、圧力P103は、圧力P104よりも低い圧力であり、圧力P104は、圧力P105よりも低い圧力である。

【0186】
なお、グラフCH141~グラフCH144における時刻t141から時刻t157までの説明は、前述の図15に示す実施例11の説明を参照する。なお、時刻t141における第2蓄圧部122内の圧力を圧力P103である場合を例示する。この時刻t141における第2蓄圧部122内の圧力は、前回の燃料噴射サイクルの状態により変動することがある。図15に示す実施例11との主な相違点は、メイン噴射の際の第2蓄圧部122の圧力の調整方法が異なる。図15に示す実施例11は逆デルタ型のメイン噴射の事例であったが、本実施例は、V型のメイン噴射の事例である。以下、時刻t188以降に実施する圧力調整ついて説明する。

【0187】

なお、燃料噴射装置1は、メイン噴射に先だち、時刻t141から時刻t148にかけて、パイロット噴射とプレ噴射のための圧力調整を実施する。その後、時刻t150から時刻t157にかけて、パイロット噴射、プレ噴射のそれぞれを順に実施する。

【0188】

また、時刻t157~時刻t188の時間帯である第157時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を閉じている。また、前述の第155時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P104から圧力P103まで減圧されている。これらのため、第157時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、圧力P103のまま保たれる。

【0189】

図18に示した例では、時刻t188~時刻t193の時間帯において、メイン噴射を実現している。例えば、時刻t188~時刻t189の第188時間帯において、燃料噴射装置1は、第1状態を実現している。第188時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、時刻t188から経過した経過時間に応じて増圧される。例えば、第2蓄圧部122内の圧力は、燃料の移動に伴う増圧効果によって圧力P103から圧力P107まで増圧されている。第188時間帯の長さは、第11時間帯の長さと同様に、ユーザーによって決定される。

【0190】

次に、時刻t189~時刻t190の時間帯である第189時間帯において、燃料噴射装置1は、第1弁21及び第2弁22の両方を開いている。すでに、第188時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107に増圧されている。これらのため、第189時間帯において、第2蓄圧部122内の圧力は、増圧することなく圧力P107のまま保たれる。なお、この第159時間帯を省略してもよい。

【0191】

次に、時刻t190~時刻t191の時間帯である第190時間帯において、燃料噴射装置1は、減圧制御を行うことによって第2状態を実現している。時刻t190において第2蓄圧部122内の圧力が圧力P107であるため、第190時間帯において、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力を、少なくとも圧力P107から第190時間帯の長さに応じた圧力P108まで減圧しながら当該燃料を第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射する。第2蓄圧部122内の圧力が少なくとも圧力P107から圧力P108まで減圧されるのに要する時間、すなわち第190時間帯の長さは、圧力P107と、圧力P108と、前述の式(1)とに基づいて算出することができる。

【0192】

次に、時刻t191~時刻t192の時間帯である第191時間帯において、燃料噴射装置1は、増圧制御を行うことによって前述の第3状態を実現している。第191時間帯において第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0まで増圧される。この第191時間帯においても第1弁21が開いたままであるため、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力を、第2蓄圧部122内の圧力になるように徐々に増圧して、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に燃料を噴射する。図18に示す場合は、時刻t192に至る前に、第2蓄圧部122内の圧力が所定圧力P0に達した一例である。そして、燃料噴射装置1が時刻t192において第2弁22を閉じるため、第2蓄圧部122から燃焼室CC内への燃料の噴射が止まり、第2蓄圧部122から燃焼室CC内に噴射される燃料の圧力は、時刻t192以降の時間帯において0になる。一方、当該時間帯において、燃料噴射装置1が第1弁21を開いたままにしているため、第2蓄圧部122内の圧力は、所定圧力P0のまま保たれる。なお、第2蓄圧部122内の圧力は、次の燃焼サイクルにおいて、パイロット噴射を開始する時刻までに、適した圧力に調整される。

【0193】

図18に示したタイミングチャートが表す制御方法により、燃料噴射装置1は、パイロット噴射とプレ噴射時の第2蓄圧部122内の圧力の調整を可能とし、また、メイン噴射では、V型パターンの固有の特徴を生かした制御を実現できる。このV型パターンの場合には、前述の凹型パターンと同様に、燃料噴射装置1は、燃料噴射装置1が燃焼室CC内に燃料を噴射している期間における前期よりも当該期間における後期において燃焼室CC内で当該燃料の攪乱燃焼を起こさせることができる。その結果、燃料噴射装置1は、内燃機関EGからのエミッションの発生量を減少させることができる。

【0194】

ここで、上記において説明した各種の制御方法によって、燃料噴射装置1は、燃料を内燃機関EGの燃焼室CC内に噴射する。このような燃料噴射装置1は、高圧源4から所定圧力P0によって供給された燃料を燃焼室CC内に噴射する圧力を、少なくとも3以上の段階のそれぞれに応じた所定圧力以下の圧力に変更可能である。例えば、燃料噴射装置1の制御部36は、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力が互いに異なるように複数の段階に分けて、燃料インジェクター2から上記の段階に対応する圧力で燃料を噴射させる。制御部36は、上記の複数の段階を例えば3以上にすることで、例えば、噴射開始の段階、噴射期間内の中ほどの段階、噴射期間の終盤の段階などのように、1回のメイン噴射の開始時点からの時間の経過に応じて噴射量などが変化する噴射パターンを形成することができる。これにより、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。

【0195】

なお、燃料噴射装置1は、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、任意の他のパターンであってユーザーが所望するパターンと一致させることができる。

【0196】

例えば、燃料噴射装置1は、図19に示すように所望の噴射パターンを選択して、燃料インジェクター2を制御してもよい。図19は、実施形態の噴射パターンの選択処理の手順を示すフローチャートである。

【0197】

下記の処理に先だち、燃料噴射装置1に適用可能な各種噴射パターンを生成するための基礎データが記憶部32に格納されている。制御部36は、噴射パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出して、基礎データに従い燃料インジェクター2を制御する。例えば、噴射パターンの選択は、下記の手順による。

【0198】

まず、制御部36は、選択すべき噴射パターンの識別情報を取得する(ステップS11)。例えば、制御部36は、ユーザーによる不図示のアクセルの操作に関するデータ、又は、内燃機関EGの回転数に基づいて、選択すべき噴射パターンの識別情報を所定の規則に従い決定して、その識別情報を取得してもよい。

【0199】

次に、制御部36は、取得した識別情報を判定する(ステップS12)。ステップS12の判定の結果により、制御部36は、下記の場合に対応する処理を実施する。

【0200】

例えば、識別情報がデルタ型パターンに対応するものである場合、制御部36は、デルタ型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS13)。また、識別情報が逆デルタ型パターンに対応するものである場合、制御部36は、逆デルタ型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS14)。また、識別情報がL型パターンに対応するものである場合、制御部36は、L型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS15)。また、識別情報が逆L型パターンに対応するものである場合、制御部36は、逆L型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS16)。また、識別情報が凹型パターンに対応するものである場合、制御部36は、凹型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS17)。また、識別情報が凸型パターンに対応するものである場合、制御部36は、凸型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS18)。また、識別情報が矩形型パターンに対応するものである場合、制御部36は、矩形型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS19)。また、識別情報がV型パターンに対応するものである場合、制御部36は、V型パターンに対応する基礎データを記憶部32から読み出す(ステップS20)。

【0201】

次に、制御部36は、ステップS13からステップS20の何れかの処理において記憶部32から読み出した基礎データに基づいて、燃料インジェクター2における第1蓄圧部112の圧力を制御して(ステップS21)、図に示す一連の処理を終える。なお、所望の基礎データが記憶部32から予め読み出されている場合には、それを利用することを制限するものではない。

【0202】
このような処理により、選択対象の候補のうちから所望の噴射パターンを選択して、静的に又は動的に実施する噴射パターンを切替えることができる。これに代えて、燃料噴射装置1は、第2蓄圧部122から噴射される燃料の圧力の時間的変化のパターンを、上記のデルタ型パターン、逆デルタ型パターン、L型パターン、逆L型パターン、凹型パターン、凸型パターン、矩形型パターン、V型パターンのうちの少なくとも1つを含むパターンにすることも可能である。

【0203】

なお、図5~図18のそれぞれにおいて説明した各種のパターンのそれぞれは、燃料噴射装置1が燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを一致させることが可能なパターンの一例に過ぎない。燃料噴射装置1に適用させるパターンの種類に応じて、図19における選択条件を変更するとよい。

【0204】
また、燃料噴射装置1は、第1弁21の開閉状態と第2弁22の開閉状態との組み合わせによって噴射する燃料の圧力を変化させる。一方、前述の増圧機構を備えた燃料噴射装置(燃料噴射装置1と異なる燃料噴射装置)は、増圧機構を動かすことによって噴射する燃料の圧力を変化させる。燃料噴射装置1が第1弁21と第2弁22とのそれぞれに供給する駆動電流を変化させてから燃料噴射装置1から噴射された燃料の圧力が変化するまでの応答時間は、当該燃料噴射装置が増圧機構を動かしてから当該燃料噴射装置から噴射された燃料の圧力が変化するまでの応答時間よりも短い。このような応答時間の違いにより、当該燃料噴射装置は、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、任意の他のパターンであってユーザーが所望するパターンと一致させることが困難な場合がある。例えば、当該燃料噴射装置は、当該燃料噴射装置が噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、上記の凹型パターン、凸型パターン、V型パターンなどのような、1回のメイン噴射の期間内で短時間に繰り返し圧力変化を起こすパターンと一致させることができない。これに対し、燃料噴射装置1は、上記のように、燃焼室CC内に噴射する燃料の圧力の時間的変化のパターンを、任意の他のパターンであってユーザーが所望するパターンと一致させることができる。これは、内燃機関EGの設計自由度を向上させることにも繋がり、重要である。

【0205】
また、図5~図18のそれぞれにおいて説明した各時刻は、燃料噴射装置1が第1弁21及び第2弁22それぞれを開けた状態と閉じた状態の何れかの状態に切り替えるタイミングを表している。そして、ECU3は、記憶部32に予め記憶されたタイミングに応じて、第1弁21及び第2弁22それぞれを開けた状態と閉じた状態の何れかの状態にする。ユーザーは、記憶部32に予めユーザーが所望するタイミングを記憶させることにより、燃料噴射装置1にユーザーが所望するタイミングにおいて第1弁21及び第2弁22それぞれの状態の切替え(開閉)を行わせる。上記のタイミングに関するデータは、各種噴射パターンの基礎データに含まれる。ここで、図5~図18のそれぞれでは、説明の便宜上、燃料噴射装置1が第1弁21及び第2弁22それぞれを開閉させるタイミングを時刻によって表して説明した。しかし、記憶部32に予め記憶されたタイミングは、時刻に代えて、基準となる時間からの経過時間によって表されてもよく、他の既知の方法によって表されてもよく、これから開発される方法によって表されてもよい。

【0206】

以上説明したように、実施形態に係る燃料噴射装置1は、燃料を内燃機関(この一例において、内燃機関EG)の燃焼室(この一例において、燃焼室CC)内に噴射する燃料噴射装置であって、燃料を所定圧力(この一例において、所定圧力P0)によって供給する高圧源(この一例において、高圧源4)から燃料が供給される蓄圧部(この一例において、第2蓄圧部122)と、高圧源から供給される燃料を蓄圧部の内部に供給させる第1弁(この一例において、第1弁21)と、蓄圧部に供給された燃料を蓄圧部から燃焼室内へ噴射させる第2弁(この一例において、第2弁22)と、を備える。これにより、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。

【0207】
また、燃料噴射装置1は、少なくとも第1弁の状態を、開けた状態と閉じた状態の何れかにする第1駆動部(この一例において、駆動部A1)と、少なくとも第2弁の状態を、開けた状態と閉じた状態の何れかにする第2駆動部(この一例において、駆動部A2)と、第1駆動部と第2駆動部とを制御する制御部(この一例において、制御部36)と、を更に備える。これにより、燃料噴射装置1は、制御部による制御によって、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。

【0208】

また、燃料噴射装置1は、第1弁を閉じた状態において第2弁を開けて蓄圧部の圧力の減圧制御を含む制御を行う。これにより、燃料噴射装置1は、燃焼室へ噴射される燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に減圧させることができる。

【0209】

また、燃料噴射装置1では、減圧制御における蓄圧部内の単位時間あたりの圧力の変化量は、蓄圧部の体積に反比例し、蓄圧部から噴射される燃料の量に比例する。これにより、燃料噴射装置1は、蓄圧部の体積及び蓄圧部から噴射される燃料の量に応じた速さで、燃焼室へ噴射される燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に減圧させることができる。

【0210】

また、燃料噴射装置1は、第2弁を開けた状態において第1弁を開ける増圧制御を含む制御を行う。これにより、燃料噴射装置1は、燃焼室への燃料の噴射によって低下した圧力であって当該燃焼室へ噴射される燃料の圧力を最大で所定圧力までユーザーが所望する圧力に増圧させることができる。

【0211】

また、燃料噴射装置1は、蓄圧部から噴射される燃料の圧力の時間的変化のパターンを、デルタ型パターン、逆デルタ型パターン、L型パターン、逆L型パターン、凹型パターン、凸型パターン、矩形型パターン、V型パターンのうちの少なくとも1つを含むパターンにすることが可能である。これにより、燃料噴射装置1は、蓄圧部から噴射される燃料の圧力の時間的変化のパターンをユーザーが所望するパターンにすることができる。

【0212】

また、燃料噴射装置1は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、燃料を燃焼室内へ噴射する噴射部(この一例において、第2開口部125)と、燃料を所定圧力によって噴射部へ供給する高圧源と、噴射部と高圧源の間に設けられた燃料の圧力を減少させる減圧部(この一例において、第2蓄圧部122)と、を備える。これにより、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。なお、上記の通り、第2蓄圧部122は、減圧部の一例である。このような第2蓄圧部122は、少なくとも高圧源4との間の燃料の移動が選択的に遮断されると、燃料噴射時の第2蓄圧部122における燃料の圧力を減少させる。燃料噴射装置1は、上記の遮断に代えて、上記の燃料の移動が所定量以下になる状態を選択して燃料の流量を制限してもよい。なお、第2蓄圧部122は、制御部36との組み合わせることにより減圧部を形成してもよい。

【0213】

また、燃料噴射装置1は、燃料を内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料噴射装置であって、高圧源から所定圧力によって供給された燃料を燃焼室に噴射する圧力を、少なくとも3以上の段階のそれぞれに応じた所定圧力以下の圧力に変更可能である。これにより、燃料噴射装置1は、燃料消費率の増大を抑制しつつ、燃焼室内へ噴射する燃料の圧力をユーザーが所望する圧力に変化させることができる。

【0214】

以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。

【0215】

また、以上に説明した装置(例えば、ECU3)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。

【0216】

また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0217】

1…燃料噴射装置、2…燃料インジェクター、11…電動インジェクター、12…電動インジェクター、21…第1弁、22…第2弁、31…CPU、32…記憶部、33…第1弁駆動回路、34…第2弁駆動回路、36…制御部、111…燃料供給管路、112…第1蓄圧部、113…ノズルニードル、114A、114B…先端部、115…第1開口部、121…燃料供給管路、122…第2蓄圧部、123…ノズルニードル、124A、124B…先端部、125…第2開口部、A1…駆動部、A2…駆動部、Bus…バス、CC…燃焼室、CR…噴射部、EG…内燃機関、PR1…高圧源、PR2…蓄圧部、V1…第1弁、V2…第2弁、A1V、A2V…弁
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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