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明細書 :褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2021-029292 (P2021-029292A)
公開日 令和3年3月1日(2021.3.1)
発明の名称または考案の名称 褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法
国際特許分類 A61B   5/00        (2006.01)
G01N  22/00        (2006.01)
FI A61B 5/00 M
G01N 22/00 S
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2019-149381 (P2019-149381)
出願日 令和元年8月16日(2019.8.16)
発明者または考案者 【氏名】高橋 応明
【氏名】向坂 美希
出願人 【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人千葉大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100149548、【弁理士】、【氏名又は名称】松沼 泰史
【識別番号】100181722、【弁理士】、【氏名又は名称】春田 洋孝
【識別番号】100153763、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 広之
審査請求
テーマコード 4C117
Fターム 4C117XB01
4C117XC02
4C117XE41
4C117XE57
4C117XJ13
要約 【課題】褥瘡を検出できる褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法を提供する。
【解決手段】褥瘡検出装置110は、生体へマイクロ波を送信し、送信したマイクロ波の反射波を受信するアンテナ102と、アンテナ102に給電する給電部109と、アンテナが受信した反射波に基づいて、褥瘡を検出する検出部133と、検出部133が検出した褥瘡の検出結果を出力する出力部134とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
生体へマイクロ波を送信し、送信した前記マイクロ波の反射波を受信するアンテナと、
前記アンテナに給電する給電部と、
前記アンテナが受信した前記反射波に基づいて、褥瘡を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記褥瘡の検出結果を出力する出力部と
を備える、褥瘡検出装置。
【請求項2】
前記検出部が検出した前記反射波の減衰の程度に基づいて、褥瘡の程度を検出する導出部を備え、
前記出力部は、前記導出部が検出した褥瘡の程度を示す情報を出力する、請求項1に記載の褥瘡検出装置。
【請求項3】
前記導出部は、前記反射波に基づいて反射係数を導出し、導出した反射係数と、健康な生体へマイクロ波を送信した場合に得られる反射波に基づいて導出された反射係数とに基づいて、褥瘡の程度を検出する、請求項2に記載の褥瘡検出装置。
【請求項4】
前記アンテナは、導電性の繊維を含むパッチアンテナである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の褥瘡検出装置。
【請求項5】
前記アンテナが送信するマイクロ波の周波数を切り替えるアンテナ処理部
を備え、
前記アンテナは、前記アンテナ処理部が切り替えた前記周波数に基づいて、前記生体へマイクロ波を送信する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の褥瘡検出装置。
【請求項6】
前記アンテナは、複数のアンテナを備え、
前記給電部は、複数の前記アンテナの各々に給電し、
前記アンテナの各々は、生体へマイクロ波を送信し、
前記検出部は、複数の前記アンテナの各々が送信した前記マイクロ波の反射波に基づいて、褥瘡を検出し、
前記出力部は、前記検出部が検出した前記褥瘡の検出結果を出力する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の褥瘡検出装置。
【請求項7】
アンテナに給電するステップと、
生体へマイクロ波を送信するステップと、
送信した前記マイクロ波の反射波を受信するステップと、
前記アンテナが受信した前記反射波に基づいて、褥瘡を検出するステップと、
前記検出するステップで検出した前記褥瘡の検出結果を出力するステップと
を有する、褥瘡検出装置が実行する褥瘡検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
褥瘡とは,長時間皮膚に圧力がかかり、血流が低下することで生じる局所的な皮膚及び皮下組織の損傷である。米国褥瘡諮問委員会(NPUAP: National Pressure Ulcer Advisory Panel)、ヨーロッパ褥瘡諮問委員会(EPUAP: European Pressure Ulcer Advisory Panel)により、褥瘡はその損傷の深度によりステージIからステージIVの4つステージに分類されている。褥瘡は、早期に対処を行うことでその治療期間を短くすることが可能である。
【0003】
褥瘡を検出するシステムに関して、皮膚に接触する多重電極アレイとインピーダンス分光法を実行する制御ハードウェアとから構成され、生体内で空間的に相関した複素インピーダンスを測定することによって褥瘡を検出する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、褥瘡を検出するシステムに関して、フレキシブルラミネートと銅線とにより構成されるウェアラブルセンサによって構成され、マイクロ波を照射して深部組織の損傷の検出を行うことによって褥瘡を検出する技術が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Sarah L. Swisher, Monica C. Lin, Amy Liao, Elisabeth J. Leeflang, Yasser Khan, Felippe J. Pavinatto, Kaylee Mann, Agne Naujokas, David Young, Shuvo Roy, Michael R. Harrison, Ana Claudia Arias, Vivek Subramanian & Michel M. Maharbiz, “Impedance sensing device enables early detection of pressure ulcers in vivo”, nature COMMUNICATIONS, 6:6575, 2015
【非特許文献2】Hamid Moghadas, Vivian K. Mushahwar, “Passive microwave resonant sensor for detection of deep tissue injuries”, Sensors & Actuators: B. Chemical vol.277 (2018) 69-77
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した技術では、センサを、直接皮膚に貼り付けることが行われる。例えば、センサは、金メッキされた電極と、銅線とを含む。センサを直接皮膚に貼り付けるため、衛生面から、定期的にアンテナを取り替えることが必要となる。また、長時間、センサが直接皮膚に貼り付けられた場合に、ふやけなどの皮膚疾患を誘発する可能性がある。また、金属アレルギーの患者に対しては、この技術は使用できない。
【0006】
本発明は、前述した問題を解決すべくなされたもので、褥瘡を検出できる褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、生体へマイクロ波を送信し、送信した前記マイクロ波の反射波を受信するアンテナと、前記アンテナに給電する給電部と、前記アンテナが受信した前記反射波に基づいて、褥瘡を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記褥瘡の検出結果を出力する出力部とを備える褥瘡検出装置である。
本発明の一実施形態は、前述の褥瘡検出装置において、前記検出部が検出した前記反射波の減衰の程度に基づいて、褥瘡の程度を検出する導出部を備え、前記出力部は、前記導出部が検出した褥瘡の程度を示す情報を出力する。
本発明の一実施形態は、前述の褥瘡検出装置において、前記導出部は、前記反射波に基づいて反射係数を導出し、導出した反射係数と、健康な生体へマイクロ波を送信した場合に得られる反射波に基づいて導出された反射係数とに基づいて、褥瘡の程度を検出する。
本発明の一実施形態は、前述の褥瘡検出装置において、前記アンテナは、導電性の繊維を含むパッチアンテナである。
本発明の一実施形態は、前述の褥瘡検出装置において、前記アンテナが送信するマイクロ波の周波数を切り替えるアンテナ処理部を備え、前記アンテナは、前記アンテナ処理部が切り替えた前記周波数に基づいて、前記生体へマイクロ波を送信する。
本発明の一実施形態は、前述の褥瘡検出装置において、前記アンテナは、複数のアンテナを備え、前記給電部は、複数の前記アンテナの各々に給電し、前記アンテナの各々は、生体へマイクロ波を送信し、前記検出部は、複数の前記アンテナの各々が送信した前記マイクロ波の反射波に基づいて、褥瘡を検出し、前記出力部は、前記検出部が検出した前記褥瘡の検出結果を出力する。
【0008】
本発明の一実施形態は、アンテナに給電するステップと、生体へマイクロ波を送信するステップと、送信した前記マイクロ波の反射波を受信するステップと、前記アンテナが受信した前記反射波に基づいて、褥瘡を検出するステップと、前記検出するステップで検出した前記褥瘡の検出結果を出力するステップとを有する、褥瘡検出装置が実行する褥瘡検出方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、褥瘡を検出できる褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る褥瘡検出装置の一例を示す図である。
【図2】実施形態に係る褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
【図3】反射係数情報の一例を示す図である。
【図4】生体組織の一例を示す図である。
【図5】生体組織のモデル化の一例を示す図である。
【図6】反射係数を求めるシミュレーションの結果の一例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の変形例1に係る褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
【図9】褥瘡のステージと反射係数との関係の一例を示す図である。
【図10】実施形態の変形例1に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の変形例2に係る褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
【図12】反射係数情報の一例を示す図である。
【図13】実施形態の変形例2に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態に係る褥瘡検出装置、及び褥瘡検出方法を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。

【0012】
(実施形態)
(褥瘡検出装置)
以下、本発明の実施形態に係る褥瘡検出装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る褥瘡検出装置の一例を示す図である。
実施形態に係る褥瘡検出装置100は、患者などの生体の部位に褥瘡が発生している場合に、その褥瘡を検出する。以下、生体の一例として、患者PAを適用した場合について説明を続ける。

【0013】
褥瘡検出装置100は、アンテナ102と、制御装置110とを備える。アンテナ102と制御装置110との間は、給電線104によって接続される。また、図1には、患者PAが、ベッド30に載置されたマットレス20上に、頭部を枕10に載せて、横たわっている様子が示されている。アンテナ102は、ベッド30と、そのベッド30の上に載置されているマットレス20との間に設置される。

【0014】
褥瘡検出装置100を使用して褥瘡を検出しようとする者(以下「ユーザー」という)が、アンテナ102を、患者PAの褥瘡を検出する部位の下に設置し、制御装置110に対して、褥瘡を検出する操作を行う。この操作によって、制御装置110からアンテナ102へ、給電線104を経由して、高周波電力が供給される。図1には、仙骨部を、褥瘡を検出する部位の一例とした場合が示される。
アンテナ102は、制御装置110によって供給された高周波電力により、マイクロ波を送信する。アンテナ102から送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じる。その反射波は、アンテナ102により捕らえられることによって受信される。アンテナ102が反射波を捕らえることによって発生した高周波電力は、アンテナ102から制御装置110へ供給される。
制御装置110は、アンテナ102によって供給された高周波電力に基づいて、褥瘡を検出する。制御装置110は、褥瘡の検出結果を出力する。
以下、褥瘡検出装置100に含まれるアンテナ102と、制御装置110とについて順次説明する。

【0015】
図2は、実施形態の褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
アンテナ102について説明する。アンテナ102の一例は、パッチアンテナなどの平面アンテナである。アンテナ102の動作周波数は、1GHzから10GHz帯である。また、アンテナ102の動作周波数は、24GHz帯であってもよい。アンテナ102の一例は、誘電体基板107と、その誘電体基板107の両面に形成された放射素子106と、地導体板108とを構成要素とする。放射素子106と、地導体板108とは、誘電体基板107に形成する場合に、印刷することによって形成してもよいし、金属箔、導電性布を貼り付けることによって形成してもよい。放射素子106は、長さがLa、幅がWで両端が開放されたマイクロストリップ線路と同等の構造を有しており、Laが1/4波長の整数倍に一致する周波数で共振する。また、アンテナ102は、アンテナ102に給電する給電部109を有する。アンテナ102は、その放射素子106がマットレス20を挟んで、患者PAの褥瘡を検出する部位と対向するように設置される。アンテナ102は、制御装置110が高周波電力を出力した場合に、出力した高周波電力によって、マイクロ波を送信する。

【0016】
制御装置110について説明する。制御装置110は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
制御装置110は、例えば、アンテナ処理部115と、記憶部120と、情報処理部130と、表示部140と、操作部160と、電源部170と、各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
アンテナ処理部115は、給電モジュールと、ネットワークアナライザとを含んで実現される。アンテナ処理部115は、情報処理部130が出力した給電部109へ給電することを示す情報を取得する。アンテナ処理部115は、取得した給電部109へ給電することを示す情報に基づいて、電源部170を使用して、給電線104を介して、給電部109へ、高周波電力を供給する。アンテナ処理部115は、アンテナ102が出力した高周波電力を取得し、取得した高周波電力をダウンコンバートし、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズする。アンテナ処理部115は、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を、情報処理部130へ出力する。

【0017】
記憶部120は、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部120の一部または全部は、制御装置110の一部として設けられる場合に代えて、NASや外部のストレージサーバなど、制御装置110のプロセッサがネットワーク(図示なし)を介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部120には、情報処理部130により実行されるプログラム121と、アプリ122とが記憶される。また、記憶部120には、反射係数情報123が記憶される。

【0018】
プログラム121は、例えば、オペレーティングシステムであり、ユーザーやアプリケーションプログラムとハードウェアの中間に位置し、ユーザーやアプリケーションプログラムに対して標準的なインターフェースを提供すると同時に、ハードウェアなどの各リソースに対して効率的な管理を行う。
アプリ122は、制御装置110に、アンテナ102の給電部109に高周波電力を供給させることによって、アンテナ102にマイクロ波を送信させるモジュールを含む。アプリ122は、制御装置110に、アンテナ102に送信させたマイクロ波の反射波を受信させるモジュールを含む。アプリ122は、制御装置110に、受信させた反射波に基づいて、褥瘡を検出させるモジュールを含む。アプリ122は、制御装置110に、褥瘡の検出結果を出力させるモジュールを含む。
反射係数情報123について説明する。
図3は、反射係数情報の一例を示す図である。反射係数情報123は、患者の識別情報毎に、褥瘡検出装置100で褥瘡を検出する処理を行った日時と、その日時に褥瘡を検出する部位に送信したマイクロ波の反射波に基づいて反射係数を導出した結果とを関連付けたテーブル形式の情報である。図3に示される例では、患者の識別情報「AAA001」について、日時「****年**月**日」と反射係数「***」とが関連付けられ、日時「++++年++月++日」と反射係数「+++」とが関連付けられ、日時「####年##月##日」と反射係数「***」とが関連付けられている。反射係数情報123には、褥瘡が検出される前から、日時と反射係数との関連付けが記憶されているのが好ましい。図2に戻り説明を続ける。

【0019】
操作部160は、入力デバイスを備え、ユーザーの操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。
表示部140は、CPUなどのプロセッサによって制御され、画像、GUI(Graphical User Interface)などを表示する。この一例では、操作部160は、タッチパネルである。
電源部170は、制御装置110の各部に、電源を供給する。

【0020】
情報処理部130は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部120に格納されたプログラム121と、アプリ122とを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130は、例えば、受付部131と、処理部132と、検出部133と、出力部134として機能する。
受付部131は、ユーザーが操作部160に対して、褥瘡を検出する操作を行うことによって、操作部160が出力する褥瘡を検出することを示す情報を受け付ける。受付部131は、受け付けた褥瘡を検出することを示す情報を、処理部132へ出力する。具体的には、ユーザーは、患者PAの識別情報を入力し、褥瘡を検出する操作を行う。この操作によって、操作部160から、受付部131へ、患者PAの識別情報を含む褥瘡を検出することを示す情報が出力される。

【0021】
処理部132は、受付部131が出力した褥瘡を検出することを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出することを示す情報に基づいて、アンテナ処理部115に、給電部109へ給電することを示す情報を出力する。処理部132は、褥瘡を検出することを示す情報から、患者PAの識別情報を取得し、取得した患者PAの識別情報を、検出部133へ出力する。
検出部133は、処理部132が出力した患者PAの識別情報を取得する。検出部133は、アンテナ処理部115が出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、褥瘡を検出する。具体的には、検出部133は、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、反射係数を導出する。検出部133は、反射係数情報123から、患者PAの識別情報に該当するテーブルを取得し、取得したテーブルに、反射係数を導出した日時と、導出した反射係数とを関連付けて記憶する。検出部133は、導出した反射係数が反射係数閾値以上である場合には褥瘡を検出したとし、反射係数閾値未満である場合に褥瘡を検出していないとする。検出部133は、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。
出力部134は、検出部133が出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、褥瘡を検出したか否かを表示する。

【0022】
ここで、褥瘡を検出する処理について説明する。最初に、生体組織について説明する。
図4は、生体組織の一例を示す図である。図4には、生体組織の縦断面の画像と、その生体組織を構成する各層とを示す。図4において、上図は健康な生体組織の一例を示し、下図は褥瘡が発生している生体組織の一例を示す。
図4の上図を参照して説明する。正常な生体組織の縦断面の一例は、骨202と、骨202上に積層されている筋肉層204と、筋肉層204の上に積層されている脂肪層206と、脂肪層206の上に積層されている皮膚層208とを含む。図4の例によれば、骨202の厚さは17.5mmであり、筋肉層204の厚さは2.2mmであり、脂肪層206の厚さは4.4mmであり、皮膚層208の厚さは3.5mmである。
図4の下図を参照して説明する。褥瘡が発生している生体組織の縦断面の一例は、骨202と、筋肉層204と、脂肪層206と、皮膚層208とに加え、脂肪層206と皮膚層208との間に、血液層210が形成されている。血液層210の幅と位置は、褥瘡の損傷の深度を示すステージによって変化する。ここで、ステージIは、皮膚表面には損傷が無い状態である。ステージIIは、真皮までに損傷がとどまる状態である。ステージIIIは、脂肪組織まで損傷が及んでいる状態である。ステージIVは、損傷が、骨、腱、筋肉の露出を伴っている状態である。

【0023】
次に、生体組織のモデル化について説明する。図4に示される生体組織の一例に基づいて、生体組織のモデル化を行った。生体組織のモデル化は、生体組織を構成する各層の厚みに基づいて行った。
図5は、生体組織のモデル化の一例を示す図である。図5において、左図は健康な生体組織のモデル化の一例を示し、右図は褥瘡が発生している生体組織のモデル化の一例を示す。また、図5において、皮膚層208をX軸とY軸とによって示し、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸とする。また、皮膚層208から骨202へ向かう方向をZ軸の正の方向とする。
図5の左図を参照して、健康な生体組織のモデル化の一例を説明する。健康な生体組織モデルの一例は、骨202mと、骨202mのZ軸のマイナス方向に形成された筋肉層204mと、筋肉層204mのZ軸のマイナス方向に形成された脂肪層206mと、脂肪層206mのZ軸のマイナス方向に形成された皮膚層208mとを含む。ここで、骨202mの厚さを17.6mmとし、筋肉層204mの厚さを2.2mmとし、脂肪層206mの厚さを4.40mmとし、皮膚層208mの厚さを3.4mmとした。ここで、長さは、Z軸方向の長さである。
さらに、皮膚層208mのZ軸のマイナス側には、空気層220mが形成される。空気層220mの厚さを、30.0mmとした。空気層220mを挟んで、健康な生体組織モデルの皮膚層208mと対向する位置にアンテナ102が形成される。健康な生体組織モデルのXY平面の面積を、100mm×100mmとした。

【0024】
図5の右図を参照して、褥瘡が発生している生体組織のモデル化の一例を説明する。褥瘡が発生している生体組織モデルの一例は、骨202mと、骨202mのZ軸のマイナス方向に形成された筋肉層204mと、筋肉層204mのZ軸のマイナス方向に形成された脂肪層206mと、脂肪層206mのZ軸のマイナス方向に形成された皮膚層208mとに加え、筋肉層204mの一部分と脂肪層206mの一部分との間に形成された血液層210mを含む。血液層210mから、皮膚層208mまでのZ軸方向の部分は、皮膚層208mとは、性質が異なることが多いため、欠陥範囲212mとされる。ここで、骨202mの厚さを17.6mmとし、筋肉層204mの厚さを2.2mmとし、脂肪層206mの厚さを4.40mmとし、皮膚層208mの厚さを3.4mmとし、血液層210mの厚さを1.00mmとした。
さらに、皮膚層208mのZ軸のマイナス側には、空気層220mが形成される。空気層220mの厚さを、30.0mmとした。空気層220mを挟んで、褥瘡が発生している生体組織モデルの皮膚層208mの欠陥範囲212mと対向する位置にアンテナ102が形成される。褥瘡が発生している生体組織モデルのXY平面の面積を、100mm×100mmとした。血液層210mのXY平面の面積を、Lmm×Lmmとした。

【0025】
健康な生体組織モデルと、褥瘡が発生している生体組織モデルとを用いて、アンテナ102からマイクロ波を生体組織へ照射した場合の反射係数を求めるシミュレーションを行った。健康な生体組織モデルと、褥瘡が発生している生体組織モデルとにおいて、皮膚層208mのパラメータを、εr=3.294、σ=0.62S/mとし、脂肪層206mのパラメータを、εr=4.56、σ=0.62S/mとし、筋肉層204mのパラメータを、εr=42.08、σ=11.35S/mとし、骨202mのパラメータを、εr=7.96、σ=2.24S/mとし、血液層210mのパラメータを、εr=44.25、σ=13.95S/mとした。なお、εrは歪であり、σは応力である。マイクロ波の周波数は、10.5GHzとした。解析には、FDTD法(Finite-difference time-domain methodを使用した。

【0026】
図6は、反射係数を求めるシミュレーションの結果の一例を示す図である。図6において、横軸は周波数[GHz]で、縦軸は反射係数[dB]である。なお、L=10とした。健康な生体組織モデルと、褥瘡が発生している生体組織モデルとについて反射係数を求めるシミュレーションを行った。褥瘡が発生している生体組織モデルは、ステージIからステージIVの各々に対応するものについて、シミュレーションを行った。
図6によれば、健康な生体組織モデルから求められる反射係数と、ステージIに対応する褥瘡が発生している生体組織モデルから求められる反射係数との差は小さいことが分かる。しかし、健康な生体組織モデルから求められる反射係数(ステージIに対応する褥瘡が発生している生体組織モデルから求められる反射係数)と、ステージIIからステージIVの各々から求められる褥瘡が発生している生体組織モデルから求められる反射係数との間に、3dBから4dBの差が見られることが分かる。これは、患者PAの褥瘡を検出する部分にマイクロ波を照射し、その反射波に基づいて導出した反射係数の値によって、ステージII以降の褥瘡が発生している場合には、その褥瘡を検出できることを示している。

【0027】
(褥瘡検出装置の動作)
図7は、本実施形態に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。図7には、ベッド30に載置されたマットレス20上に、頭部を枕10に載せて、患者PAが横たわっており、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に、ユーザーが、アンテナ102を設置した後の動作が示される。
(ステップS1)
受付部131は、ユーザーが操作部160に対して、患者PAの識別情報を入力し、褥瘡を検出する操作を行うことによって、操作部160が出力する褥瘡を検出することを示す情報を受け付ける。受付部131は、受け付けた褥瘡を検出することを示す情報を、処理部132へ出力する。
処理部132は、受付部131が出力した褥瘡を検出することを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出することを示す情報に基づいて、アンテナ処理部115に、給電部109へ給電することを示す情報を出力する。また、処理部132は、褥瘡を検出することを示す情報から、患者PAの識別情報を取得し、取得した患者PAを示す情報を、検出部133へ出力する。
アンテナ処理部115は、情報処理部130が出力した給電部109へ給電することを示す情報を取得し、取得した給電部109へ給電することを示す情報に基づいて、アンテナ102へ高周波電力を出力する。アンテナ102は、制御装置110が高周波電力を出力した場合に、出力した高周波電力によって、マイクロ波を送信する。
(ステップS2)
アンテナ102から送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じる。アンテナ102は、その反射波を捕らえ、捕らえた反射波によって、高周波電力を発生する。アンテナ102は、発生した高周波電力を、制御装置110へ出力する。
(ステップS3)
検出部133は、処理部132が出力した患者PAの識別情報を取得する。アンテナ処理部115は、アンテナ102が出力した高周波電力をダウンコンバートし、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズする。アンテナ処理部115は、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を、検出部133へ出力する。検出部133は、アンテナ処理部115が出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、反射係数を導出する。検出部133は、導出した反射係数に基づいて、褥瘡を検出する。
(ステップS4)
検出部133は、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。
出力部134は、検出部133が出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、褥瘡を検出したか否かを表示する。

【0028】
前述した実施形態では、アンテナ102と制御装置110とが、給電線104で接続されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ102と制御装置110とが一体化されていてもよい。
前述した実施形態では、アンテナ102が放射するマイクロ波の周波数の一例として、10GHz帯である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、10GHz帯に限らず、共振周波数周辺の周波数であってもよい。また、アンテナ処理部115は、高周波電力の周波数を切り替えることによって、アンテナ102が送信するマイクロ波の周波数を切り替えるようにしてもよい。
前述した実施形態では、仙骨部を、褥瘡を検出する部位の一例とした場合について説明したが、この例に限られない。例えば、踵骨部、大転子部、腸骨部などの仙骨部以外の部位を、褥瘡を検出する部位としてもよい。
前述した実施形態において、アンテナ102を、導電性の繊維を含むパッチアンテナで構成してもよい。この場合、アンテナ102は、放射導体と、接地導体に導電性の布を使用したものであってもよい。導電性繊維は、銅被覆の表面にニッケル層を施したポリエステル繊維、アラミド繊維などを含む合成樹脂製布を使用してもよい。このように構成することによって、アンテナ102に柔軟性を持たせることができるため、アンテナ102を、設置しやすくできる。
本実施形態によれば、褥瘡検出装置100は、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に設置されたアンテナ102から褥瘡を検出する部位へ、マイクロ波の送信を行う。褥瘡検出装置100は、送信したマイクロ波が褥瘡で反射することによって生じた反射波に基づいて、褥瘡を検出する。ベッド30とマットレス20との間にアンテナ102を設置できるため、患者PAの寝心地を悪化させることなく、褥瘡の発生をモニタリングできる。
マットレス20上に、横たわっている患者PAの褥瘡を検出する部位の下に、アンテナ102が設置されることによって、患者PAとアンテナ102とが直接触れることがないため、アンテナ102などのセンサが患者PAに触れることによる皮膚疾患、金属アレルギーへの懸念をなくすことができるため、看護者、介護者などのユーザーの負担を軽減できる。また、非接触で、褥瘡を検出できるため、衛生的であり、患者PAの長時間のモニタリングが可能となる。マイクロ波を送信し、そのマイクロ波の反射波を利用するため、非侵襲で、褥瘡を検出できる。

【0029】
(実施形態の変形例1)
(褥瘡検出装置)
実施形態の変形例1の褥瘡検出装置100aは、図1を適用できる。褥瘡検出装置100aは、アンテナ102と、制御装置110aとを備える。アンテナ102と制御装置110とaの間は、給電線104によって接続される。褥瘡検出装置100aは、褥瘡検出装置100と、褥瘡の検出に加えて、褥瘡のステージを検出する点で異なる。

【0030】
ユーザーが、アンテナ102を、患者PAの褥瘡を検出する部位の下に設置し、制御装置110aに対して、褥瘡を検出する操作を行う。この操作によって、制御装置110aからアンテナ102へ、給電線104を経由して、高周波電力が供給される。
アンテナ102は、制御装置110aによって供給された高周波電力により、マイクロ波を送信する。アンテナ102から送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じ、その反射波は、アンテナ102により捕らえられる。アンテナ102が反射波を捕らえることによって発生した高周波電力は、アンテナ102から制御装置110aへ供給される。
制御装置110aは、アンテナ102によって供給された高周波電力に基づいて、褥瘡を検出する。制御装置110aは、高周波電力に基づいて、褥瘡のステージを導出する。制御装置110aは、褥瘡の検出結果と、褥瘡を検出した場合には、そのステージを示す情報を出力する。
以下、褥瘡検出装置100aに含まれるアンテナ102と、制御装置110aとのうち、実施形態と異なる制御装置110aについて説明する。

【0031】
図8は、実施形態の変形例1の褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
(制御装置110a)
制御装置110aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
制御装置110aは、例えば、アンテナ処理部115と、記憶部120aと、情報処理部130aと、表示部140と、操作部160と、電源部170と、各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。

【0032】
記憶部120aには、情報処理部130aにより実行されるプログラム121と、アプリ122aとが記憶される。また、記憶部120aには、反射係数情報123が記憶される。
アプリ122aは、実施形態で説明したアプリ122が有するモジュールに加え、以下のモジュールを含む。アプリ122aは、制御装置110aに、褥瘡を検出させた場合に、その褥瘡のステージを導出させるモジュールを含む。アプリ122aは、制御装置110aに、褥瘡の検出結果と、褥瘡を検出させた場合に、その褥瘡のステージを示す情報を出力させるモジュールを含む。

【0033】
情報処理部130aは、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部120aに格納されたプログラム121と、アプリ122aとを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130aは、例えば、受付部131と、処理部132と、検出部133aと、出力部134と、導出部135として機能する。
検出部133aは、実施形態で説明した検出部133の機能に加え、以下の機能を備える。検出部133aは、褥瘡を検出したとした場合に、褥瘡を検出したことを示す情報と、反射係数を示す情報と、患者PAの識別情報とを、導出部135へ出力する。
導出部135は、検出部133aが出力した褥瘡を検出したことを示す情報と反射係数を示す情報と、患者PAの識別情報とを取得する。導出部135は、取得した反射係数を示す情報に基づいて、褥瘡のステージを導出する。導出部135は、褥瘡のステージの導出結果を、出力部134へ出力する。
出力部134は、検出部133が出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、褥瘡を検出したか否かを示す情報を表示する。さらに、出力部134は、導出部135が出力した褥瘡のステージの導出結果を取得した場合に、表示部140に、褥瘡を検出したことを示す情報とともに、褥瘡のステージを示す情報を表示する。

【0034】
褥瘡のステージを導出する処理について説明する。
図9は、褥瘡のステージと反射係数の差との関係の一例を示す図である。図9において、横軸は褥瘡のステージであり、縦軸は反射係数の差である。ここで、反射係数の差ΔS11は、式(1)に基づいて、導出される。

【0035】
ΔS11=S11b(褥瘡が発生している生体組織モデルの一例に基づいて導出)-S11a(健康な生体組織モデルの一例に基づいて導出) (1)

【0036】
つまり、反射係数の差ΔS11は、褥瘡が発生している生体組織モデルの一例に基づいて導出した反射係数S11bから健康な生体組織モデルの一例に基づいて導出した反射係数S11aを減算することにより導出したものである。
さらに、図9には、L=10、30、50の各々について、褥瘡のステージと反射係数の差との関係が示されている。
図9によれば、L=10の場合には、ステージIのΔS11と比較して、ステージIIのΔS11は増加しているのが分かる。また、ステージIIIのΔS11とステージIVのΔS11とは、ステージIIのΔS11と同様の値であることが分かる。
L=30、50の場合には、ステージIのΔS11と比較して、ステージIIのΔS11は増加しているのが分かる。また、ステージIIのΔS11と比較して、ステージIIIのΔS11は増加しているのが分かる。ステージIVのΔS11は、ステージIIIのΔS11と同様の値であることが分かる。
以上から、L=10などの欠陥範囲212mのXY平面の面積(以下「損傷面積」という)が狭い場合には、ステージIと、ステージIIからステージIVと間の識別が可能であることが分かる。また、L=30、50などのL=10よりも損傷面積が広い場合には、ステージIとステージIIとの識別と、ステージIIとステージIIIからステージIVとの間の識別が可能であることが分かる。

【0037】
本実施形態の変形例1では、導出部135は、検出部133aが出力する患者PAの識別情報と、反射係数を示す情報とを取得した場合に、取得した患者PAの識別情報に基づいて、記憶部120aの反射係数情報123から、患者PAの識別情報に該当するテーブルを取得する。導出部135は、取得したテーブルに含まれる反射係数を示す情報を取得する。ここで、導出部135は、テーブルから、健康なときに導出した反射係数を示す情報を取得する。ただし、導出部135は、健康なときに導出した反射係数を示す情報が無い場合には、最も古い反射係数を示す情報を取得してもよい。導出部135は、検出部133aから取得した反射係数と、テーブルから取得した反射係数との差を導出する。
導出部135は、損傷面積が損傷面積閾値未満である場合に、ステージIと、ステージIIからステージIVとを識別する反射係数の差の閾値である反射係数差閾値に基づいて、反射係数の差が反射係数差閾値未満である場合にはステージIを検出したとし、反射係数の差が反射係数差閾値以上である場合にはステージIIからステージIVのいずれかを検出したとする。ここで、損傷面積閾値は、Lの値に基づいて、導出部135に予め設定される。反射係数差閾値は、ステージIの反射係数の差とステージIIからステージIVの反射係数の差とに基づいて、導出部135に予め設定される。反射係数差閾値は、褥瘡を検出する部位、Lの値によって異なっていてもよい。
導出部135は、損傷面積が損傷面積閾値以上である場合に、ステージIと、ステージIIとを識別する反射係数の差の閾値である第1反射係数差閾値と、ステージIIと、ステージIIIからステージIVとを識別する反射係数の差の閾値である第2反射係数差閾値とに基づいて、反射係数の差が第1反射係数差閾値未満である場合にはステージIを検出したとし、反射係数の差が第1反射係数差閾値以上で、且つ第2反射係数差閾値未満である場合にはステージIIを検出したとし、反射係数の差が第2反射係数差閾値以上である場合にはステージIIIからステージIVのいずれかを検出したとする。ここで、損傷面積閾値は、Lの値に基づいて、導出部135に予め設定される。第1反射係数差閾値は、ステージIの反射係数の差とステージIIの反射係数の差とに基づいて、導出部135に予め設定される。第2反射係数差閾値は、ステージIIの反射係数の差とステージIIIの反射係数の差とに基づいて、導出部135に予め設定される。第1反射係数差閾値と第2反射係数閾値との各々は、褥瘡を検出する部位によって異なっていてもよい。

【0038】
(褥瘡検出装置の動作)
図10は、実施形態の変形例1に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。図10には、ベッド30に載置されたマットレス20上に、頭部を枕10に載せて、患者PAが横たわっており、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に、ユーザーが、アンテナ102を設置した後の動作が示される。
ステップS11からステップS13は、前述した図7のステップS1からステップS3を適用できる。
(ステップS14)
検出部133aは、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。検出部133aは、褥瘡を検出した場合に、褥瘡を検出したことを示す情報と、反射係数を示す情報と、患者PAの識別情報とを、導出部135へ出力する。
導出部135は、検出部133aが出力した褥瘡を検出したことを示す情報と反射係数を示す情報と、患者PAの識別情報とを取得する。導出部135は、取得した反射係数を示す情報に基づいて、褥瘡のステージを導出する。導出部135は、褥瘡のステージの導出結果を、出力部134へ出力する。
(ステップS15)
出力部134は、検出部133が出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、褥瘡を検出したか否かを示す情報を表示する。さらに、出力部134は、導出部135が出力した褥瘡のステージの導出結果を取得した場合に、表示部140に、褥瘡を検出したことを示す情報とともに、褥瘡のステージを示す情報を表示する。

【0039】
前述した実施形態の変形例1では、ステージIとステージIIからステージIVとを識別する場合と、ステージIとステージII、ステージIIとステージIIIからステージIVとを識別する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ステージIIからステージIVのいずれかを識別するために、個人差や損傷範囲等によって特定の周波数による判断が難しい場合は適切な周波数を選択することで、ステージIからステージIVのいずれかを識別できる。
本実施形態の変形例1によれば、褥瘡検出装置100aは、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に設置されたアンテナ102から褥瘡を検出する部位へ、マイクロ波の送信を行う。褥瘡検出装置100aは、送信したマイクロ波が褥瘡で反射することによって生じた反射波に基づいて、褥瘡を検出するとともに、褥瘡を検出した場合に、そのステージを検出する。このように構成することによって、実施形態の効果に加え、褥瘡のステージなどの褥瘡の程度を示す情報を取得できるため、より詳細な情報を取得できる。

【0040】
(実施形態の変形例2)
(褥瘡検出装置)
実施形態の変形例の褥瘡検出装置100bは、褥瘡検出装置100と、複数のアンテナを備える点で異なる。
図11は、実施形態の変形例2の褥瘡検出装置の一例を示すブロック図である。
褥瘡検出装置100bは、アンテナ102aと、アンテナ102bと、制御装置110bとを備える。アンテナ102aと制御装置110bとは給電線104aを介して接続され、アンテナ102bと制御装置110bとは給電線104bを介して接続される。

【0041】
ユーザーが、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々を、患者PAの褥瘡を検出する部位の下に設置し、制御装置110bに対して、褥瘡を検出する操作を行う。この操作によって、制御装置110bからアンテナ102aと、アンテナ102bとの各々へ、給電線104aと給電線104bとの各々を経由して、高周波電力が供給される。
アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々は、制御装置110bによって供給された高周波電力により、マイクロ波を送信する。アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々から送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じ、その反射波は、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々により捕らえられる。アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々が反射波を捕らえることによって発生した高周波電力は、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々から制御装置110bへ供給される。
制御装置110bは、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々によって供給された高周波電力に基づいて、褥瘡を検出する。制御装置110は、褥瘡の検出結果を出力する。
以下、褥瘡検出装置100bに含まれるアンテナ102aと、アンテナ102bと、制御装置110bとについて順次説明する。

【0042】
アンテナ102aと、アンテナ102bとは、実施形態で説明したアンテナ102と同様の構成であるため、ここでの説明は省略する。ただし、アンテナ102aとアンテナ102bとは、アンテナ102と、そのサイズが異なっていてもよい。また、アンテナ102aのサイズと、アンテナ102bのサイズとが異なっていてもよい。

【0043】
(制御装置110b)
制御装置110bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
制御装置110bは、例えば、アンテナ処理部115bと、記憶部120bと、情報処理部130bと、表示部140と、操作部160と、電源部170と、各構成要素を図11に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
アンテナ処理部115bは、給電モジュールと、ネットワークアナライザとを含んで実現される。アンテナ処理部115bは、情報処理部130bの制御に基づいて、給電線104aを介して、アンテナ102aの給電部109aへ、高周波電力を供給する。アンテナ処理部115bは、情報処理部130bの制御に基づいて、給電線104bを介して、アンテナ102bの給電部109bへ、高周波電力を供給する。アンテナ処理部115bは、アンテナ102aが出力した高周波電力を取得し、取得した高周波電力をダウンコンバートし、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズする。アンテナ処理部115bは、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を情報処理部130bへ出力する。アンテナ処理部115bは、アンテナ102bが出力した高周波電力を取得し、取得した高周波電力をダウンコンバートし、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズする。アンテナ処理部115bは、ダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を情報処理部130bへ出力する。

【0044】
具体的には、アンテナ処理部115bは、情報処理部130bが出力した給電部109aへ給電することを示す情報を取得し、取得した給電部109aへ給電することを示す情報に基づいて、アンテナ102aへ給電する。アンテナ処理部115bは、情報処理部130bが出力した給電部109bへ給電することを示す情報を取得し、取得した給電部109bへ給電することを示す情報に基づいて、アンテナ102bへ給電する。

【0045】
記憶部120bには、情報処理部130bにより実行されるプログラム121と、アプリ122bとが記憶される。また、記憶部120bには、反射係数情報123bが記憶される。
アプリ122bは、制御装置110bに、アンテナ102aの給電部109aに高周波電力を供給させることによって、アンテナ102aにマイクロ波を送信させるモジュールを含む。アプリ122bは、制御装置110bに、アンテナ102bの給電部109bに高周波電力を供給させることによって、アンテナ102bにマイクロ波を送信させるモジュールを含む。アプリ122bは、制御装置110bに、アンテナ102aに送信させたマイクロ波の反射波を受信させるモジュールを含む。アプリ122bは、制御装置110bに、アンテナ102bに送信させたマイクロ波の反射波を受信させるモジュールを含む。アプリ122bは、制御装置110bに、受信させたアンテナ102aに送信させたマイクロ波の反射波と、アンテナ102bに送信させたマイクロ波の反射波との各々に基づいて、褥瘡を検出させるモジュールを含む。アプリ122bは、制御装置110bに、褥瘡の検出結果を出力させるモジュールを含む。

【0046】
反射係数情報123bについて説明する。
図12は、反射係数情報の一例を示す図である。反射係数情報123bは、患者の識別情報毎に、褥瘡検出装置100で褥瘡を検出する処理を行った日時と、その日時に褥瘡を検出する部位に送信したマイクロ波の反射波に基づいて反射係数を導出した結果とを関連付けたテーブル形式の情報である。ここで、反射係数を導出した結果には、アンテナ102aが送信したマイクロ波の反射波に基づいて導出した結果である反射係数Aと、アンテナ102bが送信したマイクロ波の反射波に基づいて導出した結果である反射係数Bとが含まれる。図12に示される例では、患者の識別情報「AAA001」について、日時「****年**月**日」と反射係数A「***」と反射係数B「+++」とが関連付けられ、日時「++++年++月++日」と反射係数A「+++」と反射係数B「***」とが関連付けられ、日時「####年##月##日」と反射係数A「***」と反射係数B「+++」とが関連付けられている。反射係数情報123bには、褥瘡が検出される前から、日時と反射係数Aと反射係数Bとの関連付けが記憶されているのが好ましい。図11に戻り説明を続ける。

【0047】
情報処理部130bは、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部120bに格納されたプログラム121と、アプリ122bとを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130bの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130bは、例えば、受付部131と、処理部132bと、検出部133bと、出力部134として機能する。

【0048】
処理部132bは、受付部131が出力した褥瘡を検出することを示す情報を取得する。処理部132bは、取得した褥瘡を検出することを示す情報に基づいて、アンテナ処理部115bに、給電部109aへ給電することを示す情報Aと、給電部109bへ給電することを示す情報Bとを出力する。例えば、処理部132bは、アンテナ処理部115bに、情報Aと、情報Bとを順次出力するようにしてもよい。また、処理部132bは、褥瘡を検出することを示す情報から、患者PAの識別情報を取得し、取得した患者PAを示す情報を、検出部133bへ出力する。
検出部133bは、処理部132bが出力した患者PAの識別情報を取得する。検出部133bは、処理部132bが情報Aを出力することによって、アンテナ処理部115bが出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、反射係数Aを導出する。検出部133bは、導出した反射係数Aに基づいて、褥瘡を検出する。検出部133bは、処理部132bが情報Bを出力することによって、アンテナ処理部115bが出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、反射係数Bを導出する。検出部133bは、導出した反射係数Bに基づいて、褥瘡を検出する。検出部133bは、反射係数情報123bから、取得した患者PAの識別情報に該当するテーブルを取得し、取得したテーブルに、反射係数Aと、反射係数Bとを導出した日時と、導出した反射係数Aと、反射係数Bとを関連付けて記憶する。検出部133bは、導出した反射係数Aが反射係数閾値以上である場合には褥瘡を検出したとし、反射係数閾値未満である場合に褥瘡を検出していないとする。検出部133bは、導出した反射係数Bが反射係数閾値以上である場合には褥瘡を検出したとし、反射係数閾値未満である場合に褥瘡を検出していないとする。検出部133は、アンテナ102aの上の褥瘡を検出する部位と、アンテナ102bの上の褥瘡を検出する部位との各々で、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。

【0049】
(褥瘡検出装置の動作)
図13は、実施形態の変形例2に係る褥瘡検出装置の動作の一例を示すフローチャートである。図13には、ベッド30に載置されたマットレス20上に、頭部を枕10に載せて、患者PAが横たわっており、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に、ユーザーが、アンテナ102aと、アンテナ102bとを設置した後の動作が示される。なお、アンテナ102aが設置された位置と、アンテナ102bが設置された位置とは異なる。
(ステップS21)
受付部131は、ユーザーが操作部160に対して、患者PAの識別情報を入力し、褥瘡を検出する操作を行うことによって、操作部160が出力する褥瘡を検出することを示す情報を受け付ける。受付部131は、受け付けた褥瘡を検出することを示す情報を、処理部132bへ出力する。
処理部132bは、受付部131が出力した褥瘡を検出することを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出することを示す情報に基づいて、アンテナ処理部115bに、給電部109aへ給電することを示す情報を出力する。また、処理部132bは、褥瘡を検出することを示す情報から、患者PAの識別情報を取得し、取得した患者PAを示す情報を、検出部133bへ出力する。
アンテナ処理部115bは、処理部132bが出力した給電部109aへ給電することを示す情報を取得し、取得した給電部109aへ給電することを示す情報に基づいて、アンテナ102aへ高周波電力を出力する。アンテナ102aは、制御装置110bが高周波電力を出力した場合に、出力した高周波電力によって、マイクロ波を送信する。
(ステップS22)
アンテナ102aから送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じる。アンテナ102aは、その反射波を捕らえ、捕らえた反射波によって、高周波電力を発生する。アンテナ102aは、発生した高周波電力を、制御装置110bへ出力する。
(ステップS23)
検出部133bは、処理部132bが出力した患者PAの識別情報を取得する。検出部133bは、アンテナ処理部115bが出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、アンテナ102aが設置された上の褥瘡を検出する部位の褥瘡を検出する。
(ステップS24)
検出部133bは、アンテナ102aが設置された上の褥瘡を検出する部位に、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。
出力部134は、検出部133bが出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、アンテナ102aが設置された上の褥瘡を検出する部位に、褥瘡を検出したか否かを表示する。

【0050】
(ステップS25)
処理部132bは、アンテナ処理部115bに、給電部109bへ給電することを示す情報を出力する。
アンテナ処理部115bは、処理部132bが出力した給電部109bへ給電することを示す情報を取得し、取得した給電部109bへ給電することを示す情報に基づいて、アンテナ102bへ高周波電力を出力する。アンテナ102bは、制御装置110bが高周波電力を出力した場合に、出力した高周波電力によって、マイクロ波を送信する。
(ステップS26)
アンテナ102bから送信されたマイクロ波は、患者PAの褥瘡を検出する部位へ照射される。マイクロ波が、褥瘡を検出する部位へ照射され、照射されたマイクロ波が褥瘡で反射されることによって、反射波が生じる。アンテナ102bは、その反射波を捕らえ、捕らえた反射波によって、高周波電力を発生する。アンテナ102bは、発生した高周波電力を、制御装置110bへ出力する。
(ステップS27)
検出部133bは、アンテナ処理部115bが出力したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果を取得し、取得したダウンコンバートした高周波電力をデジタイズした結果に基づいて、アンテナ102bが設置された上の褥瘡を検出する部位の褥瘡を検出する。
(ステップS28)
検出部133bは、アンテナ102bが設置された上の褥瘡を検出する部位に、褥瘡を検出したか否かを示す情報を出力部134へ出力する。
出力部134は、検出部133bが出力した褥瘡を検出したか否かを示す情報を取得し、取得した褥瘡を検出したか否かを示す情報を処理することによって、表示部140に、アンテナ102bが設置された上の褥瘡を検出する部位に、褥瘡を検出したか否かを表示する。
前述した実施形態の変形例2では、褥瘡検出装置100bが、アンテナ102aとアンテナ102bとの二個のアンテナを備える場合について説明したがこの例に限られない。例えば、褥瘡検出装置100bが、三個以上のアンテナを備えていてもよい。この場合、複数のアンテナから順次マイクロ波を送信する制御を行ってもよい。このように構成することによって、三か所以上の褥瘡を検出する部位の褥瘡を検出できる。
前述した実施形態の変形例2では、実施形態の褥瘡検出装置100に複数のアンテナを備える場合について説明したがこの例に限られない。例えば、実施形態の変形例1の褥瘡検出装置100aに複数のアンテナを備えるようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例2では、アンテナ102aと制御装置110bとが給電線104aを介して接続され、アンテナ102bと制御装置110bとが給電線104bを介して接続されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、アンテナ102aとアンテナ102bとのいずれか一方又は両方が、制御装置110bと一体化されていてもよい。
本実施形態の変形例2によれば、褥瘡検出装置100bは、患者PAの褥瘡を検出する部位の下で、且つベッド30とマットレス20との間に設置されたアンテナ102aと、アンテナ102bとの各々から褥瘡を検出する部位へ、マイクロ波の送信を行う。褥瘡検出装置100bは、送信したマイクロ波が褥瘡で反射することによって生じた反射波に基づいて、褥瘡を検出する。ベッド30とマットレス20との間にアンテナ102aと、アンテナ102bとの各々を設置できるため、患者PAの寝心地を悪化させることなく、褥瘡の発生をモニタリングできる。
マットレス20上に、横たわっている患者PAの褥瘡を検出する部位の下に、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々が設置されることによって、患者PAとアンテナ102aと、アンテナ102bとの各々が直接触れることがないため、アンテナ102a、アンテナ102bなどのセンサが患者PAに触れることによる皮膚疾患、金属アレルギーへの懸念をなくすことができるため、看護者、介護者などのユーザーの負担を軽減できる。また、非接触で、褥瘡を検出できるため、衛生的であり、患者PAの長時間のモニタリングが可能となる。マイクロ波を送信し、そのマイクロ波の反射波を利用するため、非侵襲で、褥瘡を検出できる。また、アンテナ102aと、アンテナ102bとの各々のサイズを小さくすることによって、褥瘡を検出する精度を向上できる。

【0051】
<構成例>
一構成例として、生体へマイクロ波を送信し、送信したマイクロ波の反射波を受信するアンテナ(実施形態では、アンテナ102)と、アンテナに給電する給電部(実施形態では、給電部109)と、アンテナが受信した反射波に基づいて、褥瘡を検出する検出部と、検出部が検出した褥瘡の検出結果を出力する出力部とを備える、褥瘡検出装置である。
一構成例として、検出部が検出した反射波の減衰の程度に基づいて、褥瘡の程度を検出する導出部を備え、出力部は、導出部が検出した褥瘡の程度を示す情報を出力する。
一構成例として、導出部は、反射波に基づいて反射係数を導出し、導出した反射係数と、健康な生体へマイクロ波を送信した場合に得られる反射波に基づいて導出された反射係数とに基づいて、褥瘡の程度を検出する。
一構成例として、アンテナは、導電性の繊維を含むパッチアンテナである。
一構成例として、アンテナが送信するマイクロ波の周波数を切り替えるアンテナ処理部を備え、アンテナは、アンテナ処理部が切り替えた周波数に基づいて、生体へマイクロ波を送信する。
一構成例として、アンテナは、複数のアンテナ(実施形態では、アンテナ102aと、アンテナ102b)を備え、給電部は、複数のアンテナの各々に給電し、アンテナの各々は、生体へマイクロ波を送信し、検出部は、複数のアンテナの各々が送信したマイクロ波の反射波に基づいて、褥瘡を検出し、出力部は、検出部が検出した褥瘡の検出結果を出力する。

【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合わせを行うことができる。これら実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、前述の制御装置110、制御装置110a、制御装置110bは内部にコンピュータを有している。そして、前述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…枕、 20…マットレス、 30…ベッド、 100、100a、100b…褥瘡検出装置、 102、102a、102b…アンテナ、 104、104a、104b…給電線、 106、106a、106b…放射素子、 107、107a、107b…誘電体基板、108、108a、108b…地導体板、 109、109a、109b…給電部、 110、110a、110b…制御装置、 115…アンテナ処理部、 120、120a、120b…記憶部、 121…プログラム、 122、122a、122b・・・アプリ、 123、123b…反射係数情報、 130、130a、130b…情報処理部、 131…受付部、 132、132b…処理部、 133、133a、133b…検出部、 134…出力部、 135…導出部 140…表示部、 150…バスライン、 160…操作部、 170…電源部、 202、202m…骨、 204、204m…筋肉層、 206、206m…脂肪層、 208、208m…皮膚層、 210、210m…血液層、 212m…欠陥範囲、 220m…空気層
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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