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明細書 :手書き文字学習支援装置、手書き文字学習方法、及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6751964号 (P6751964)
公開番号 特開2018-112620 (P2018-112620A)
登録日 令和2年8月20日(2020.8.20)
発行日 令和2年9月9日(2020.9.9)
公開日 平成30年7月19日(2018.7.19)
発明の名称または考案の名称 手書き文字学習支援装置、手書き文字学習方法、及びプログラム
国際特許分類 G09B  11/00        (2006.01)
G09B   7/02        (2006.01)
FI G09B 11/00
G09B 7/02
請求項の数または発明の数 7
全頁数 20
出願番号 特願2017-001976 (P2017-001976)
出願日 平成29年1月10日(2017.1.10)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用 平成28年8月18日明治大学中野キャンパス オープンキャンパス(明治大学 中野キャンパス)において公開
特許法第30条第2項適用 平成28年8月29日(平成28年8月22日予稿集発行)情報処理学会 第169回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会(山口県下関市 源平荘)において公開
特許法第30条第2項適用 平成28年9月30日、ウェブサイト(http://nkmr-lab.org/news/sighci169_mojivation_kubota.html)に掲載
特許法第30条第2項適用 平成28年10月31日、ウェブサイト(http://www.wiss.org/WISS2016/Program.html)に掲載
特許法第30条第2項適用 平成28年12月4日The First International Workshop on coMics ANalysis,Processing and Understanding(MANPU 2016)(Cancun Center,Cancun,Q.Roo,Mexico)において公開
特許法第30条第2項適用 平成28年12月14日第24回インタラクティブシステムとソトウェアに関するワークショップ(長浜ロイヤルホテル)において公開
審査請求日 令和元年10月11日(2019.10.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
発明者または考案者 【氏名】中村 聡史
【氏名】鈴木 正明
【氏名】小松 孝徳
【氏名】久保田 夏美
【氏名】新納 真次郎
【氏名】又吉 康綱
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100126882、【弁理士】、【氏名又は名称】五十嵐 光永
【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
審査官 【審査官】西村 民男
参考文献・文献 特開2015-049353(JP,A)
特開2009-109802(JP,A)
特開2009-69657(JP,A)
特開平8-315162(JP,A)
調査した分野 G09B1/00-19/26,
23/00-29/14,
G09G5/00- 5/40,
G06F3/01, 3/048-3/0489,
G06K9/00- 9/03,
9/46- 9/52,
9/62- 9/82
特許請求の範囲 【請求項1】
入力面に、接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部と、
前記入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成部と、
前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成部によって生成された融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする手書き文字学習支援装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記入力ストロークの入力開始に応じて、前記入力ストロークの入力軌跡を第1の態様で、前記表示部に表示させ、
前記入力ストロークの入力終了に応じて、前記入力ストロークの入力軌跡の表示を消去するとともに、前記第1の態様とは異なる第2の態様により前記融合ストロークを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の手書き文字学習支援装置。
【請求項3】
前記融合生成部は、利用者が前記入力ストロークから前記融合ストロークに置き換わったとの認識がなされにくいように定められた前記所定の割合により、前記入力ストロークと前記手本ストロークとを融合させた前記融合ストロークを生成する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手書き文字学習支援装置。
【請求項4】
前記手書き文字の学習回数に応じて、前記所定の割合を変更する変更制御部を備え、
前記融合生成部は、前記変更制御部によって変更された前記所定の割合で前記融合ストロークを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の手書き文字学習支援装置。
【請求項5】
前記融合生成部は、書体の異なる複数の前記手本の手書き文字のうちから選択された前記手本の手書き文字の前記手本ストロークと、前記入力ストロークとを前記所定の割合で融合させた前記融合ストロークを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の手書き文字学習支援装置。
【請求項6】
融合生成部が、入力面に接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成ステップと、
表示制御部が、前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成ステップによって生成された前記融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御ステップと
を含むことを特徴とする手書き文字学習方法。
【請求項7】
コンピュータに、
入力面に接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成ステップと、
前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成ステップによって生成された前記融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御ステップと
を実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き文字学習支援装置、手書き文字学習方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代日本において、手で文字を書く機会は多く、各種の契約書類や手紙などのさまざまな場面で手書き文字を利用することがある。従来の手書き文字の学習方法としては、手本の手書き文字を見ながら手書き文字を書くことを繰り返す手法が一般的であった。
また、手書き文字を利用して、美しい文字を作成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平8-315162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、手書き文字は、大人になるにつれて字の癖が身についていくため、手書き文字の筆跡がほぼ固定され、筆跡を変動させる手書き文字の学習には、大きな労力が必要になる。そのため、上述した従来の手書き文字の学習方法では、手本の手書き文字を見ながら手書き文字を書くことを繰り返す単純作業であるため、学習意欲を維持できずに学習を継続できない場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、学習意欲を維持しつつ手書き文字を学習させることができる手書き文字学習支援装置、手書き文字学習方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、入力面に、接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部と、前記入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成部と、前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成部によって生成された融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする手書き文字学習支援装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の手書き文字学習支援装置において、前記表示制御部は、前記入力ストロークの入力開始に応じて、前記入力ストロークの入力軌跡を第1の態様で、前記表示部に表示させ、前記入力ストロークの入力終了に応じて、前記入力ストロークの入力軌跡の表示を消去するとともに、前記第1の態様とは異なる第2の態様により前記融合ストロークを前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の手書き文字学習支援装置において、前記融合生成部は、利用者が前記入力ストロークから前記融合ストロークに置き換わったとの認識がなされにくいように定められた前記所定の割合により、前記入力ストロークと前記手本ストロークとを融合させた前記融合ストロークを生成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の手書き文字学習支援装置において、前記手書き文字の学習回数に応じて、前記所定の割合を変更する変更制御部を備え、前記融合生成部は、前記変更制御部によって変更された前記所定の割合で前記融合ストロークを生成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の手書き文字学習支援装置において、前記融合生成部は、書体の異なる複数の前記手本の手書き文字のうちから選択された前記手本の手書き文字の前記手本ストロークと、前記入力ストロークとを前記所定の割合で融合させた前記融合ストロークを生成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、融合生成部が、入力面に接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成ステップと、表示制御部が、前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成ステップによって生成された前記融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする手書き文字学習方法である。
【0012】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、入力面に接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部によって入力された前記手書き文字の前記ストロークを示す入力ストロークと、前記入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する融合生成ステップと、前記入力部に前記入力ストロークが入力されるごとに、前記融合生成ステップによって生成された前記融合ストロークを、表示部に表示させる表示制御ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、学習意欲を維持しつつ手書き文字を学習させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態による手書き文字学習支援装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態による手本文字記憶部のデータ例を示す図である。
【図3】第1の実施形態による手書き文字入力表示の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態による手書き文字学習支援装置の一例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態による手書き文字学習支援装置の学習作用の一例を説明する図である。
【図6】第1の実施形態による手書き文字学習支援装置の学習結果の一例を説明する第1の図である。
【図7】第1の実施形態による手書き文字学習支援装置の学習結果の一例を説明する第2の図である。
【図8】第2の実施形態による手書き文字学習支援装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】第2の実施形態による融合情報記憶部のデータ例を示す図である。
【図10】第2の実施形態による学習回数記憶部のデータ例を示す図である。
【図11】第2の実施形態による手書き文字学習支援装置の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態による手書き文字学習支援装置について、図面を参照して説明する。

【0016】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による手書き文字学習支援装置1の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、手書き文字学習支援装置1は、入力部11と、表示部12と、記憶部20と、制御部30とを備えている。
手書き文字学習支援装置1は、ユーザ(利用者の一例)が手書き文字を繰り返し入力部11から入力することにより、手書き文字を手本の手書き文字に近づける学習を支援する。手書き文字学習支援装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどである。

【0017】
入力部11は、ユーザによって手書き文字が入力可能なポインティングデバイスであり、例えば、タッチパネルである。入力部11は、入力面(不図示)を有し、当該入力面にストロークごとに、手書き文字を入力可能である。ここで、ストロークとは、例えば、入力面に、接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のことである。また、手書き文字は、例えば、1つ又は複数のストロークにより構成され、入力部11は、ユーザによって1つ又は複数のストロークが入力されることにより手書き文字が入力される。
また、入力部11は、手書き文字学習支援装置1の各種操作の指示を、ユーザから取得する。

【0018】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイであり、手書き文字学習支援装置1を使用する際の各種情報を表示する。表示部12は、例えば、入力された手書き文字や、融合手書き文字などを表示する。なお、融合手書き文字の詳細については、後述する。
なお、本実施形態では、手書き文字学習支援装置1は、入力部11と表示部12とが一体に構成されたタッチパネル10を備えている。

【0019】
記憶部20は、手書き文字学習支援装置1の各種処理に利用する情報を記憶する。記憶部20は、例えば、手本文字記憶部21を備えている。

【0020】
手本文字記憶部21は、手本の手書き文字データである手本文字データを記憶する。手本文字記憶部21は、例えば、文字識別情報と、手本文字データとを対応付けて記憶する。ここで、文字識別情報には、例えば、書体の識別情報、文字名、文字コードなどが含まれる。ここで、図2を参照して、手本文字記憶部21のデータ例について説明する。

【0021】
図2は、本実施形態による手本文字記憶部21のデータ例を示す図である。
図2において、手本文字記憶部21は、「文字識別子」と、「手本文字データ」とを対応付けて記憶する。また、「文字識別子」には、「書体」と「文字」とが含まれる。ここで、「書体」は、手本の手書き文字の書体を示し、「文字」は、手本の手書き文字の文字名を示す。また、「手本文字データ」は、1つ又は複数のストロークを含み文字データである。また、「文字識別子」は、文字識別情報の一例である。

【0022】
例えば、図2に示す例では、手本文字記憶部21には、手本の手書き文字として、「書体」が“丸文字ひらがな”であり、「文字」が“あ”の文字データが「手本文字データ」として記憶されている。
なお、手本文字記憶部21は、各手本文字データを、「書体」ごとにまとめて記憶してもよいし、「文字」ごとにまとめて記憶してもよい。

【0023】
また、手本文字記憶部21には、入力部11によって入力された手本文字データが記憶されてもよいし、手書き文字学習支援装置1が外部から取得した手本文字データが記憶されてもよい。

【0024】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、手書き文字学習支援装置1を統括的に制御する。制御部30は、例えば、ユーザに手書き文字を学習させる処理を実行する。また、制御部30は、例えば、融合生成部31と、表示制御部32とを備えている。

【0025】
融合生成部31は、入力部11によって入力された手書き文字のストロークを示す入力ストロークと、入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する。すなわち、融合生成部31は、入力ストロークと、予め選択された手本文字データであって、手本文字記憶部21が記憶する手本文字データに含まれる手本ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する。なお、手本ストロークは、手本文字データのうちの入力ストロークに対応するストロークである。

【0026】
このように、融合生成部31は、例えば、手本文字記憶部21が記憶する書体の異なる複数の手本の手書き文字のうちから選択された手本の手書き文字の手本ストロークと、入力ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する。
また、融合生成部31は、ユーザ(利用者)が入力ストロークから融合ストロークに置き換わったとの認識がなされにくいように定められた所定の割合により、入力ストロークと手本ストロークとを融合させた融合ストロークを生成してもよい。ここで、融合生成部31による融合ストローク及び融合手書き文字の生成処理の詳細について説明する。

【0027】
<融合ストローク及び融合手書き文字の生成処理>
融合生成部31は、以下の(A)~(D)の手順により、融合ストロークを生成する。

【0028】
(A)融合生成部31は、まず、入力ストロークの各点の座標を取得する。ここで、各点の座標は、入力部11の入力面におけるXY座標である。

【0029】
(B)融合生成部31は、入力ストロークの各点の点間の距離を短くするスプライン補間を実行する。

【0030】
(C)融合生成部31は、入力ストローク及び当該入力ストロークに対応する手本ストロークをフーリエ級数展開により数式化する。ここで、融合生成部31は、ストロークの点列からフーリエ級数展開により変数tを媒介変数とした下記の式(1)により表現する。

【0031】
【数1】
JP0006751964B2_000002t.gif

【0032】
ただし、f(x)及びg(t)は、下記の式(2)により表すことができる。

【0033】
【数2】
JP0006751964B2_000003t.gif

【0034】
上述した式(1)により、融合生成部31は、入力ストロークを下記の式(3)により数式化する。

【0035】
【数3】
JP0006751964B2_000004t.gif

【0036】
また、同様に、融合生成部31は、手本ストロークを下記の式(4)により数式化する。

【0037】
【数4】
JP0006751964B2_000005t.gif

【0038】
(D)融合生成部31は、下記の式(5)により、融合ストロークを生成する。ここで、融合生成部31は、入力ストロークの式(3)に所定の割合である融合割合αを掛け合わせ、手本ストロークの式(4)に(1-α)を掛け合わせることによって任意の融合割合α(0≦α≦1)による加重平均化処理を実行する。

【0039】
【数5】
JP0006751964B2_000006t.gif

【0040】
このように生成された融合ストロークにより、文字が構成されることにより、融合手書き文字が生成される。

【0041】
表示制御部32は、入力部11に入力ストロークが入力されるごとに、融合生成部31によって生成された融合ストロークを、表示部12に表示させる。表示制御部32は、入力ストロークの入力開始に応じて、入力ストロークの入力軌跡を第1の態様(例えば、赤色点線)で、表示部12に表示させる。また、表示制御部32は、入力ストロークの入力終了に応じて、入力ストロークの入力軌跡の表示を消去するとともに、第1の態様とは異なる第2の態様(例えば、黒色実線)により融合ストロークを表示部12に表示させる。ここで、図3を参照して、本実施形態における表示制御部32による融合ストロークを表示部12に表示させる処理について説明する。

【0042】
図3は、本実施形態による手書き文字入力表示の一例を示す図である。
図3(a)は、“色”という漢字の5画まで入力された状態の表示画面G1を示している。ここで、表示制御部32は、“色”という漢字の5画までの融合ストロークの表示画面G1をタッチパネル10の表示部12に表示させる。

【0043】
次に、図3(b)に示すように、“色”という漢字の6画目の入力ストロークが入力されている途中の状態では、表示制御部32は、入力ストロークST1の入力軌跡を、例えば、赤色点線のストローク(ST1)とした表示画面G2を表示部12に表示させる。

【0044】
次に、図3(c)に示すように、“色”という漢字の6画目の入力ストロークの入力が完了し、入力面の接触が終了した場合に、表示制御部32は、上述した赤色点線のストローク(ST1)を表示部12から消去する。そして、表示制御部32は、当該ストロークの融合ストロークを、黒色実線のストローク(ST2)とした表示画面G2を表示部12に表示させる。このように、表示制御部32は、入力ストロークの入力開始に応じて、入力ストロークの入力軌跡を第1の態様(例えば、赤色点線)で、表示部12に表示させ、第2の態様(例えば、黒色実線)により融合ストロークを表示部12に表示させる。

【0045】
次に、図4を参照して、本実施形態による手書き文字学習支援装置1の動作について説明する。
図4に示すように、手書き文字学習支援装置1は、手書き文字の選択を受け付ける(ステップS101)。手書き文字学習支援装置1の制御部30は、例えば、入力部11によって選択された手本の手書き文字を受け付ける。また、表示制御部32は、手書き文字の入力画面を表示部12に表示させる。

【0046】
次に、手書き文字学習支援装置1は、ストロークの入力開始であるか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、制御部30は、入力部11において、ストロークの入力が開始されたか否かを判定する。ここで、制御部30は、例えば、入力部11の入力面に、例えば、入力ペンなどが接触したか否かにより、ストロークの入力が開始されたか否かを判定する。制御部30は、ストロークの入力が開始された場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、制御部30は、ストロークの入力が開始されていない場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS102に戻す。

【0047】
ステップS103において、制御部30は、ストロークの座標を取得する。制御部30は、入力部11に入力された入力ストロークの座標を時系列に取得する。

【0048】
次に、制御部30の表示制御部32は、ストロークの入力軌跡を点線(第1の態様)にて、表示部12に表示させる(ステップS104)。表示制御部32は、例えば、上述した図3(b)に示すように、入力部11に入力途中の入力ストロークの軌跡(筆跡)を点線(第1の態様)にて、表示部12に表示させる。

【0049】
次に、制御部30は、ストロークの入力終了であるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部30は、入力部11において、ストロークの入力が終了されたか否かを判定する。ここで、制御部30は、例えば、入力部11の入力面に接触していた入力ペンなどが離れたか否かにより、ストロークの入力が終了されたか否かを判定する。制御部30は、ストロークの入力が終了された場合(ステップS105:YES)に、処理をステップS106に進める。また、制御部30は、ストロークの入力が終了されていない場合(ステップS105:NO)に、処理をステップS103に戻す。

【0050】
ステップS106において、制御部30の融合生成部31は、手本ストロークと入力ストロークとを所定の割合で融合した融合ストロークを生成する。融合生成部31は、手本文字記憶部21が記憶する手本の手書き文字データのうちから、上述したステップS101において選択された手本の手書き文字データを取得する。融合生成部31は、入力ストロークと、手本文字記憶部21から取得した手本の手書き文字データの手本ストロークであって、当該入力ストロークに対応する手本ストロークとに基づいて、上述した(A)~(D)の手順の処理を実行して、融合ストロークを生成する。

【0051】
具体的に、融合生成部31は、入力ストロークにスプライン補間を実行し、スプライン補間した入力ストロークを上述した式(3)により数式化する。また、融合生成部31は、手本文字記憶部21から取得した手本ストロークを上述した式(4)により数式化する。そして、融合生成部31は、上述した式(5)により、融合ストロークを生成する。

【0052】
次に、表示制御部32は、融合ストロークを実線にて表示部12に表示させる(ステップS107)。表示制御部32は、上述した点線(第1の態様)の入力ストロークの軌跡(筆跡)を表示部12から消去させる。そして、表示制御部32は、例えば、上述した図3(c)に示すように、融合生成部31によって生成された融合ストロークを実線(第2の態様)にて、表示部12に表示させる。

【0053】
次に、制御部30は、文字入力が終了されたか否かを判定する(ステップS108)。すなわち、制御部30は、選択された手本の手書き文字データの全ての手本ストロークについて、それぞれ対応する入力ストロークの入力が完了したか否かにより、文字入力が終了したか否かを判定する。制御部30は、文字入力が終了された場合(ステップS108:YES)に、処理を終了する。また、制御部30は、文字入力が終了されていない場合(ステップS108:NO)に、処理をステップS102に戻し、次のストロークの入力を待つ。

【0054】
手書き文字学習支援装置1は、ユーザによる手書き文字の入力、及び、上述した処理を繰り返し実行して、ユーザに手本の手書き文字を学習(習得)させる。
次に、図5を参照して、手書き文字学習支援装置1の学習作用の一例について説明する。

【0055】
図5は、本実施形態による手書き文字学習支援装置1の学習作用の一例を説明する図である。
図5に示すように、まず、ユーザが、手書き文字の入力ストロークを書く(ステップS1)。すなわち、ユーザによって、手書き文字学習支援装置1に手書き文字の入力ストロークが入力される。

【0056】
次に、手書き文字学習支援装置1は、ユーザの文字の入力ストロークと手本文字の手本ストロークを融合割合αで掛け合わせて、手本文字の手本ストロークに近づいた融合ストロークに自動変換する(ステップS2)。これを手書き文字の全てのストロークについて繰り返し、手書き文字学習支援装置1は、手本文字に近づいた文字に自動変換された文字を生成し、当該自動変換された文字を表示部12に表示する。

【0057】
次に、ユーザは、手書き文字学習支援装置1が表示している綺麗な文字(変換後の文字)を自分の文字と認識(錯覚)する。又は、手書き文字を入力している途中に表示部12に表示された融合ストロークを、自分の入力ストロークであると認識(錯覚)する。(ステップS3)。
次に、ユーザは、自分の文字又は入力ストロークを上述した変換後の文字又は融合ストロークだと思い込む(ステップS4)。
次に、ステップS1に戻り、ユーザは、思い込みにより手本の文字又は手本ストロークに誘導され、少し手本文字に近づいた文字又は融合ストロークに近いストロークを書くようになる。

【0058】
このように、ステップS1からステップS4を繰り返し行うことで、ユーザは、手本の文字に近い文字を書けるようになる。また、ユーザは、自分の書いた文字が、手本文字に近づいた文字にストロークごとに自動変換されることで、例えば、綺麗な文字を書いたと思い込むため、学習意欲(モチベーション)を維持することができる。また、ユーザは、自分の書いた文字が、綺麗な文字に変換されることを楽しんで学習することができる。なお、その他の学習作用の例として、ステップS4において、ユーザは、自分の文字又は入力ストロークを上述した変換後の文字又は融合ストロークであるとは思い難い場合やそれについて疑義がある場合であっても、手本の文字又は手本ストロークに誘導されると、少し手本文字に近づいた文字を書けるようになることで、学習意欲(モチベーション)を維持する例などがあげられる。

【0059】
次に、図6及び図7を参照して、本実施形態による手書き文字学習支援装置1を使用した学習結果について説明する。
図6及び図7は、本実施形態による手書き文字学習支援装置1の学習結果の一例を示す図である。
図6は、融合割合α=0.0である場合(従来の学習手法に相当)と、融合割合α=0.25である場合との学習結果に比較を示している。ここで、融合割合α=0.0である場合には、融合ストロークと入力ストロークとが等しくなるため、従来の手本の手書き文字を見ながら手書き文字を書く場合に相当する。

【0060】
図6において、手書き文字TM1は、丸文字ひらがなの“ま”の手本の手書き文字を示している。また、手書き文字TM2は、丸文字ひらがなの“ね”の手本の手書き文字を示している。

【0061】
また、手書き文字M011は、融合割合α=0.0により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が3回~5回目の平均文字を示している。また、手書き文字M012は、融合割合α=0.0により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が28回~30回目の平均文字を示している。
また、手書き文字M021は、融合割合α=0.0により“ね”の文字を学習した場合において、学習回数が3回~5回目の平均文字を示している。また、手書き文字M022は、融合割合α=0.0により“ね”の文字を学習した場合において、学習回数が28回~30回目の平均文字を示している。

【0062】
また、手書き文字M111は、融合割合α=0.25により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が3回~5回目の平均文字を示している。また、手書き文字M012は、融合割合α=0.25により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が28回~30回目の平均文字を示している。
また、手書き文字M121は、融合割合α=0.25により“ね”の文字を学習した場合において、学習回数が3回~5回目の平均文字を示している。また、手書き文字M122は、融合割合α=0.25により“ね”の文字を学習した場合において、学習回数が28回~30回目の平均文字を示している。

【0063】
図6に示すように、融合割合α=0.25において、手書き文字M112は、手書き文字M111に比べて、手本の手書き文字TM1に近づいており、手本の手書き文字TM1との差が少ない。また、同様に、手書き文字M122は、手書き文字M121に比べて、手本の手書き文字TM2に近づいており、手本の手書き文字TM2との差が少ない。これらのことから、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、手書き文字の学習効果を期待できる。

【0064】
また、融合割合α=0.25の手書き文字M112は、融合割合α=0.0の手書き文字M012に比べて、手本の手書き文字TM1に近づいており、手本の手書き文字TM1との差が少ない。また、融合割合α=0.25の手書き文字M122は、融合割合α=0.0の手書き文字M022に比べて、手本の手書き文字TM2に近づいており、手本の手書き文字TM2との差が少ない。これらのことから、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、従来の手本の手書き文字を見ながら手書き文字を書く学習手法に比べて、手本の手書き文字に近づけることができるとともに、効率良く手書き文字を学習することができる。

【0065】
また、図7は、さらに融合割合を高めて、融合割合α=0.5にした場合の手書き文字学習支援装置1の学習結果の一例を示している。
図7において、手書き文字TM3は、角文字ひらがなの“ま”の手本の手書き文字を示している。また、手書き文字M331は、融合割合α=0.5により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が3回~5回目の平均文字を示している。また、手書き文字M332は、融合割合α=0.5により“ま”の文字を学習した場合において、学習回数が28回~30回目の平均文字を示している。

【0066】
図7に示すように、融合割合α=0.5においても、手書き文字M332は、手本の手書き文字TM3に近づいており、手書き文字の学習効果を期待できる。なお、融合割合α=0.5は、入力ストロークから融合ストロークに置き換わったとユーザが認識するレベルの融合割合である。これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、所定の割合(例えば、融合割合α)が、入力ストロークから融合ストロークに置き換わったとユーザが認識するレベルであっても、手本の手書き文字に近づけることができるとともに、効率良く手書き文字を学習することができる。

【0067】
以上説明したように、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、入力部11と、融合生成部31と、表示制御部32とを備えている。入力部11は、入力面に、接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能である。融合生成部31は、入力部11によって入力された手書き文字のストロークを示す入力ストロークと、入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合(例えば、融合割合α)で融合させた融合ストロークを生成する。表示制御部32は、入力部11に入力ストロークが入力されるごとに、融合生成部31によって生成された融合ストロークを、表示部12に表示させる。

【0068】
これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、所定の割合(例えば、融合割合α)で融合させた融合ストロークを表示部12に表示する。そのため、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、上述した図5のステップS1からステップS4を繰り返すことにより、学習意欲を維持しつつ手書き文字を学習させることができる。
また、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、上述した図6及び図7に示すように、従来の手本の手書き文字を見ながら手書き文字を書くことを繰り返す手法に比べて、効率良く手本の手書き文字に近づけることができる。すなわち、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、従来の手法に比べて、効率良く手書き文字を学習させることができる。

【0069】
なお、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、ストロークごとに融合ストロークを表示部12に表示させるため、ユーザが手書き文字を書いている途中において、手本の手書き文字に融合された融合文字が表示部12に表示される。そのため、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、ユーザが手書き文字を書いている途中から、手本の手書き文字に誘導されるため、融合文字を文字ごとに表示部12に表示する場合に比べて、効率良く手本の手書き文字に近づけることができる。

【0070】
また、本実施形態による手書き文字学習支援装置1では、融合ストロークを、表示部12に表示させることで、手本の手書き文字に誘導するため、ユーザは、必ずしも手本の手書き文字を見ながら学習しなくてもよい。そのため、本実施形態による手書き文字学習支援装置1では、ユーザが、手本の手書き文字を見ずに、手本の手書き文字を無意識に学習することができる。

【0071】
また、本実施形態では、表示制御部32は、入力ストロークの入力開始に応じて、入力ストロークの入力軌跡を第1の態様(例えば、赤色点線など)で、表示部に表示させる。そして、表示制御部32は、入力ストロークの入力終了に応じて、入力ストロークの入力軌跡の表示を消去するとともに、第1の態様とは異なる第2の態様(例えば、黒色実線など)により融合ストロークを表示部12に表示させる。このようにすることで、ユーザは第1の態様から第2の態様への変化に注目することとなり、入力ストロークの形状が、融合ストロークの形状に変化することへの違和感を低減させることがきる。すなわち、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、ユーザに違和感を与えずに、入力ストロークから融合ストロークに置き換えて表示することができる。

【0072】
また、本実施形態では、融合生成部31は、ユーザが入力ストロークから融合ストロークに置き換わったとの認識がなされにくいように定められた所定の割合により、入力ストロークと手本ストロークとを融合させた融合ストロークを生成する。
これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、入力ストロークから融合ストロークに置き換わったことを認識されにくくなるため、ユーザに違和感を与えずに、手書き文字を学習させることができる。

【0073】
また、本実施形態では、融合生成部31は、書体の異なる複数の手本の手書き文字のうちから選択された手本の手書き文字の手本ストロークと、入力ストロークとを所定の割合で融合させた融合ストロークを生成する。
これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、様々な書体の手本の手書き文字に対して手書き文字を学習させることができる。本実施形態による手書き文字学習支援装置1では、手本の手書き文字は、単に綺麗な文字に限定されるものではなく、例えば、芸能人の手書き文字や、女性らしい丸文字などでもよい。そのため、本実施形態による手書き文字学習支援装置1は、ユーザの真似したい手書き文字などの様々な書体の手本の手書き文字に対して手書き文字を学習させることができる。

【0074】
また、本実施形態による手書き文字学習方法は、融合生成ステップと、表示制御ステップとを含む。融合生成ステップにおいて、融合生成部31が、入力面に接触開始から接触終了までの連続する入力軌跡のストロークごとに、手書き文字を入力可能な入力部11によって入力された手書き文字のストロークを示す入力ストロークと、入力ストロークに対応する手本の手書き文字の手本ストロークとを所定の割合(例えば、融合割合α)で融合させた融合ストロークを生成する。表示制御ステップにおいて、表示制御部32が、入力部11に入力ストロークが入力されるごとに、融合生成ステップによって生成された融合ストロークを、表示部12に表示させる。
これにより、本実施形態による手書き文字学習方法は、上述した手書き文字学習支援装置1と同様の効果を奏し、学習意欲を維持しつつ手書き文字を学習させることができる。

【0075】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による手書き文字学習支援装置1aについて説明する。
本実施形態では、手書き文字の学習回数に応じて、上述した融合割合αを変更する場合の一例について説明する。ここで、手書き文字の学習回数とは、例えば、ユーザによって手書き文字が入力された回数である。また、学習回数は、例えば、手書き文字ごとに入力された回数である。

【0076】
図8は、第2の実施形態による手書き文字学習支援装置1aの一例を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、手書き文字学習支援装置1aは、入力部11と、表示部12と、記憶部20aと、制御部30aとを備えている。
なお、図8において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

【0077】
本実施形態では、記憶部20aが、融合情報記憶部22と、学習回数記憶部23とを備える点と、制御部30aが、変更制御部33を備える点が、上述した第1の実施形態と異なる。

【0078】
記憶部20aは、手書き文字学習支援装置1aの各種処理に利用する情報を記憶する。記憶部20aは、例えば、手本文字記憶部21と、融合情報記憶部22と、学習回数記憶部23とを備えている。

【0079】
融合情報記憶部22は、融合生成部31が融合ストロークを生成するために用いる融合割合αに関する情報を記憶する。融合情報記憶部22は、例えば、手書き文字の学習回数と、融合割合αとを対応付けて記憶する。ここで、図9を参照して、融合情報記憶部22のデータ例について説明する。

【0080】
図9は、本実施形態による融合情報記憶部22のデータ例を示す図である。
図9において、融合情報記憶部22は、「学習回数」と、「融合割合α」とを対応付けて記憶する。ここで、「学習回数」は、ユーザによって実行された手書き文字の学習回数を示し、「融合割合α」は、「学習回数」に対応して設定される融合割合αを示している。

【0081】
例えば、図9に示す例では、「学習回数」が“0回(初期値)”である場合に、「融合割合α」が“0.5”に設定(変更)されることを示している。また、「学習回数」が“10回”である場合に、「融合割合α」が“0.4”に設定(変更)されることを示している。また、「学習回数」が“20回”である場合に、「融合割合α」が“0.3”に設定(変更)されることを示している。なお、図9に示す例は、学習回数が多くなる程、融合割合αを低下させる場合の一例である。

【0082】
図8の説明に戻り、学習回数記憶部23は、手本の手書き文字ごとに、手書き文字の学習回数を記憶する。すなわち、学習回数記憶部23は、文字識別情報と、手書き文字の学習回数とを対応付けて記憶する。ここで、図10を参照して、学習回数記憶部23のデータ例について説明する。

【0083】
図10は、本実施形態による学習回数記憶部23のデータ例を示す図である。
図10において、学習回数記憶部23は、「文字識別子」と、「学習回数」と、「設定融合割合」とを対応付けて記憶する。ここで、「文字識別子」は、上述した図2に示す「文字識別子」と同様である。また、「学習回数」は、手書き文字(学習文字)ごとの学習回数を示し、「設定融合割合」は、設定されている融合割合αを示している。

【0084】
例えば、図10に示す例では、「書体」が“丸文字ひらがな”であり、「文字」が“あ”である手本の手書き文字に対して、「学習回数」が“5回”であり、「設定融合割合」が“0.5”に設定されていることを示している。

【0085】
再び、図8の説明に戻り、制御部30aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、手書き文字学習支援装置1aを統括的に制御する。制御部30aは、手書き文字ごとに、学習回数をカウントし、ユーザによって入力部11に入力される手書き文字の入力が完了した場合に、カウントした学習回数を学習回数記憶部23に記憶させる。

【0086】
例えば、制御部30aは、手書き文字の入力が完了した場合に、当該手書き文字に対応する学習回数を学習回数記憶部23から取得する。制御部30aは、取得した学習回数に“1”を加算した値を、学習回数記憶部23の当該手書き文字に対応する学習回数として記憶させる。
また、制御部30aは、例えば、融合生成部31と、表示制御部32と、変更制御部33とを備えている。

【0087】
変更制御部33は、手書き文字の学習回数に応じて、所定の割合を変更する。変更制御部33は、例えば、学習回数記憶部23から手書き文字の学習回数を取得する。変更制御部33は、取得した手書き文字の学習回数に対応する融合割合αを、融合情報記憶部22から取得する。なお、変更制御部33は、取得した手書き文字の学習回数に一致する学習回数が融合情報記憶部22にある場合に、当該学習回数に対応する融合割合αを、融合情報記憶部22から取得する。また、取得した手書き文字の学習回数に一致する学習回数が融合情報記憶部22にない場合に、融合情報記憶部22に記憶されている当該学習回数より少ない学習回数に対応する融合割合αを、融合情報記憶部22から取得する。変更制御部33は、取得した融合割合αを、学習回数記憶部23に設定融合割合として記憶させる。なお、変更制御部33は、設定融合割合を記憶させる場合に、例えば、当該学習回数に対応する手書き文字の文字識別情報に対応付けられている設定融合割合に、融合情報記憶部22から取得した融合割合αを記憶させる。

【0088】
なお、本実施形態において、融合生成部31は、変更制御部33によって変更された所定の割合で融合ストロークを生成する。すなわち、融合生成部31は、学習回数記憶部23が記憶する設定融合割合に基づいて、融合ストロークを生成する。

【0089】
次に、図11を参照して、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aの動作について説明する。
図11に示すように、手書き文字学習支援装置1aは、手書き文字の選択を受け付ける(ステップS201)。手書き文字学習支援装置1aの制御部30aは、例えば、入力部11によって選択された手本の手書き文字を受け付ける。また、表示制御部32は、手書き文字の入力画面を表示部12に表示させる。

【0090】
次に、制御部30aの変更制御部33は、学習回数に応じた融合割合αを設定する(ステップS202)。変更制御部33は、選択された手本の手書き文字に対応する手書き文字の学習回数を学習回数記憶部23から取得する。変更制御部33は、取得した手書き文字の学習回数に対応する融合割合αを、融合情報記憶部22から取得する。そして、変更制御部33は、取得した融合割合αを、学習回数記憶部23に設定融合割合として記憶させる。

【0091】
続く、ステップS203からステップS209までの処理は、上述した図4のステップS102からステップS108の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。なお、ステップS207において、融合生成部31は、学習回数記憶部23が記憶する設定融合割合に基づいて、融合ストロークを生成する。

【0092】
ステップS210において、制御部30aは、学習回数を更新する。制御部30aは、上述したステップS201にて選択された手書き文字に対応する学習回数を学習回数記憶部23から取得する。制御部30aは、取得した学習回数に“1”を加算した値を、学習回数記憶部23の当該手書き文字に対応する学習回数として記憶させる。

【0093】
次に、制御部30aは、選択した文字の学習終了か否かを判定する(ステップS211)。制御部30aは、例えば、入力部11を介して、学習終了を指示する操作があるか否かに応じて、選択した文字の学習終了か否かを判定する。制御部30aは、選択した文字の学習終了でない場合(ステップS211:NO)に、処理をステップS202に戻す。また、制御部30aは、選択した文字の学習終了である場合(ステップS211:YES)に、処理を終了する。

【0094】
以上説明したように、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aは、第1の実施形態と同様に、入力部11と、融合生成部31と、表示制御部32とを備えている。
これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、学習意欲を維持しつつ手書き文字を学習させることができる。

【0095】
また、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aは、手書き文字の学習回数に応じて、所定の割合を変更する変更制御部33を備える。融合生成部31は、変更制御部33によって変更された所定の割合で融合ストロークを生成する。
これにより、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aは、学習段階(学習回数)に応じた適切な融合割合αにより、融合ストロークを生成することができる。よって、本実施形態による手書き文字学習支援装置1aは、さらに効率良く手書き文字を学習させることができる。

【0096】
[参考例]
次に、参考例による手書き文字学習支援装置について説明する。
本参考例では、手書き文字のストロークごとに融合ストロークを生成せず、手書き文字を一文字分又は数文字分入力した後、当該入力した手書き文字の種類を認識し、認識した文字の種類に対応した手本文字と、当該入力した手書き文字を所定の割合で融合して表示部12に表示させる。
すなわち、参考例の手書き文字学習支援装置は、第1の形態の入力部11と、表示部112と、記憶部20と、制御部30に加え、入力された手書き文字を認識する認識部とを備えている。

【0097】
なお、認識部が手書き文字を認識する方法は特に限定されず、例えば、特許文献1に記載の文字形状取得手段を用いてもよい。

【0098】
また、参考例において融合させる手本文字は、ユーザ自身の文字を用いてもよい。参考例の手書き文字学習支援装置は、例えば、ユーザが「あ」の文字を20回書いた場合に、上述した式(1)を用いてそれぞれの「あ」を数式化し、平均化処理したものを用いてもよい。これによって、参考例の手書き文字学習支援装置は、ユーザ固有の書き順や書き方の癖を反映することができる。

【0099】
また、参考例の手書き文字学習支援装置は、ユーザが入力した手書き文字を拡大し、当該拡大された手書き文字と、当該拡大された手書き文字と同等の大きさの手本文字とを所定の割合で融合してもよい。一般的にユーザは小さい文字の方が、整った形状の文字を書きやすいため、これによって、参考例の手書き文字学習支援装置は、より整った形状の大きな文字を書くことが可能となる。

【0100】
また、参考例の手書き文字学習支援装置は、例えば、入力部11に入力された文字を記憶するとともに、表示部12に表示する電子ノート又は電子黒板である。この場合、参考例の手書き文字学習支援装置は、入力された手書き文字を認識し、当該手書き文字を平均化処理した文字を表示部12に表示するとともに、既に表示(記憶)されている同一の手書き文字についても、新たに平均化処理した文字に置き換える処理を実行する。なお、参考例の手書き文字学習支援装置は、新たに平均化処理した文字に置き換える処理を実行する際に、既に表示している文字の大きさに応じて、置き換える文字の大きさを調整してもよいし、新たに入力された手書き文字の大きさに近い文字のみ置き換えてもよい。また、平均化処理した文字は、他人も含む任意の人の文字を、ユーザ自身の文字として平均化処理されてもよい。参考例の手書き文字学習支援装置は、他人の文字を含む複数の文字を、式(5)により容易に平均化処理することができる。

【0101】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、手本の手書き文字を表示部12に表示させない例を説明したが、表示制御部32は、手本の手書き文字を表示部12に表示させた上で、ユーザに手書き文字の入力をさせるようにしてもよい。この場合、ユーザは、手本の手書き文字を見ながら学習することができるため、さらに効率よく手書き文字を学習(習得)することができる。

【0102】
また、上記の各実施形態において、入力部11と表示部12とは、一体に構成されたタッチパネル10である場合の一例を説明したが、これに限定されるものではない。入力部11と表示部12とは、別体により構成されてもよい。例えば、入力部11は、例えば、タッチパッド、ペンタブレット、マウスなどのポインティングデバイスであってもよい。

【0103】
また、上記の各実施形態において、入力ストロークの入力軌跡を表示する第1の態様が、点線及び赤色であり、融合ストロークを表示する第2の態様が、黒色実線である例を説明したが、これに限定されるものではない。第1の態様と第2の態様とを、線種の変更、色の変更、線の太さの変更など、異なる態様であれば、他の形態であってもよい。例えば、第2の態様を太線にしてもよい。

【0104】
また、上記の各実施形態において、手書き文字学習支援装置1(1a)は、表示部12に手本の手書き文字の書き順を表示させてもよい。また、手書き文字学習支援装置1(1a)は、ユーザに書き順どおりにストロークを入力させてもよい。手書き文字学習支援装置1(1a)は、ユーザに書き順どおりにストロークを入力させることによって、例えば、ユーザが書き順を間違えた場合に、文字の形状が大きく乱れるため、ユーザに書き順の間違いを認識させることができる。
一方、手書き文字学習支援装置1(1a)は、書き順や書く方向を考慮させなくてもよい。

【0105】
また、上記の各実施形態において、手本の手書き文字によらずに、融合割合αが一定である例を説明したが、これに限定されるものではなく、手書き文字学習支援装置1(1a)は、手本の手書き文字の書体や文字の種類に応じて、融合割合αを変更するようにしてもよい。手書き文字学習支援装置1(1a)は、例えば、手本の手書き文字の画数(ストローク数)に応じて、融合割合αを変更するようにしてもよい。

【0106】
また、上記の第2の実施形態において、学習回数記憶部23は、学習回数を手本の手書き文字ごとに記憶する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、手本の手書き文字の書体ごとに学習回数を記憶するようにしてもよい。この場合、変更制御部33は、書体ごとの学習回数に応じて、融合割合αを変更するようにしてもよい。また、ユーザが、融合割合αを設定するようにしてもよい。

【0107】
なお、上述した手書き文字学習支援装置1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した手書き文字学習支援装置1(1a)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した手書き文字学習支援装置1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線などの通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROMなどの非一過性の記録媒体であってもよい。

【0108】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に手書き文字学習支援装置1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。

【0109】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1、1a 手書き文字学習支援装置
10 タッチパネル
11 入力部
12 表示部
20、20a 記憶部
21 手本文字記憶部
22 融合情報記憶部
23 学習回数記憶部
30、30a 制御部
31 融合生成部
32 表示制御部
33 変更制御部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10