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Specification :(In Japanese)測定装置及び測定方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)公開特許公報(A)
Publication number P2019-020146A
Date of publication of application Feb 7, 2019
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)測定装置及び測定方法
IPC (International Patent Classification) G01M  11/00        (2006.01)
FI (File Index) G01M 11/00 R
Number of claims or invention 7
Filing form OL
Total pages 22
Application Number P2017-135745
Date of filing Jul 11, 2017
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】笠 史郎
Applicant (In Japanese)【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
Representative (In Japanese)【識別番号】110000877、【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 2G086
F-term 2G086DD05
Abstract (In Japanese)【課題】 光ファイバ内の各位置における光電界成分の時間軸における連続的な測定を可能にする技術の開発が望まれている。
【解決手段】 試験光を生成する試験光生成部と、参照光を生成する参照光生成部と、(i)試験光生成部が生成した試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)参照光生成部が生成した参照光とのビート信号を検出するビート信号検出部とを備え、試験光生成部は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する試験光を生成し、参照光生成部は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する参照光を生成する。試験光の周波数の変動周期と、参照光の周波数の変動周期とは略同一であってよく、参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足してよい。
【選択図】図1
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
試験光を生成する試験光生成部と、
参照光を生成する参照光生成部と、
(i)前記試験光生成部が生成した前記試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)前記参照光生成部が生成した前記参照光とのビート信号を検出するビート信号検出部と、
を備え、
前記試験光生成部は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する前記試験光を生成し、
前記参照光生成部は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する前記参照光を生成し、
前記試験光の周波数の変動周期と、前記参照光の周波数の変動周期とは略同一であり、
前記参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、前記試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足する、
測定装置。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、
前記参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、前記試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差をΔtとし、
前記測定対象の入射端から、前記測定対象の内部の任意の位置又は領域までの距離をLとし、
前記測定対象の屈折率をnとし、
真空中における光速をcとした場合に、
Δtの絶対値が、2Ln/cと略同一であるという条件である、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
(i)前記第1周波数は前記第4周波数よりも大きい、又は、(ii)前記第3周波数は、前記第2周波数よりも大きい、
請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
コヒーレント光を発生させる光源と、
前記光源が発生させた前記コヒーレント光を、第1コヒーレント光及び第2コヒーレント光に分岐する光分岐部と、
をさらに備え、
前記試験光生成部は、前記第1コヒーレント光に光変調を施して前記試験光を生成し、
前記参照光生成部は、前記第2コヒーレント光に光変調を施して前記参照光を生成する、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記ビート信号検出部が検出したビート信号から、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を分離する周波数分離部をさらに備える、
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記測定対象が光ファイバを含む、
請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
試験光を生成する試験光生成段階と、
参照光を生成する参照光生成段階と、
(i)前記試験光生成段階において生成された前記試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)前記参照光生成段階において生成された前記参照光とのビート信号を検出するビート信号検出段階と、
を有し、
前記試験光生成段階は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する前記試験光を生成する段階を含み、
前記参照光生成段階は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する前記参照光を生成する段階を含み、
前記試験光の周波数の変動周期と、前記参照光の周波数の変動周期とは略同一であり、
前記参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、前記試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足する、
測定方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ内の各箇所における光信号の状態を測定する技術として、OTDR(Optical Time Domain Reflectometry)及びOFDR(Optical Frequency Domain Reflectometry)が知られている(非特許文献1~3を参照)。また、光ファイバに発生又は印加された振動を測定する光ファイバ振動測定システムが知られている(特許文献1を参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-161512号公報
[非特許文献]
[非特許文献1] 笠史郎、八木幹雄、「Macrobending indicator for evaluation of fiber macrobending and slice loss」、OECC2010、2010年7月、論文番号7P-34
[非特許文献2] M.K.Barnoskiら、「Optical time domain reflectometer」、APPLIED OPTICS、1977年9月、Vol.16、No.9、2375~2379頁
[非特許文献3] W.Eickhoffら、「Optical frequency domain reflectometry in single-mode fiber」、Applied Physics Letters、1981年11月、Vol.39、No.9、693~695頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のOTDR技術及びOFDR技術を用いて光ファイバ内の光信号の状態を測定する場合、当該光ファイバ内の特定の位置における状態は、測定周期の間に1回だけ測定される。しかしながら、離散時間間隔で測定されたデータでは、光信号の高速な変動を測定できない。そこで、光ファイバ内の各位置における光電界成分の時間軸における連続的な測定を可能にする技術の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、測定装置が提供される。上記の測定装置は、例えば、試験光を生成する試験光生成部を備える。上記の測定装置は、例えば、参照光を生成する参照光生成部を備える。上記の測定装置は、例えば、(i)試験光生成部が生成した試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)参照光生成部が生成した参照光とのビート信号を検出するビート信号検出部を備える。上記の測定装置において、試験光生成部は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する試験光を生成してよい。上記の測定装置において、参照光生成部は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する参照光を生成してよい。上記の測定装置において、試験光の周波数の変動周期と、参照光の周波数の変動周期とは略同一であってよい。上記の測定装置において、参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足してよい。
【0005】
上記の測定装置において、予め定められた条件は、参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差をΔtとし、測定対象の入射端から、測定対象の内部の任意の位置又は領域までの距離をLとし、測定対象の屈折率をnとし、真空中における光速をcとした場合に、Δtの絶対値が、2Ln/cと略同一であるという条件であってよい。上記の測定装置において、(i)第1周波数は第4周波数よりも大きくてよい。上記の測定装置において、(ii)第3周波数は、第2周波数よりも大きくてよい。
【0006】
上記の測定装置は、コヒーレント光を発生させる光源を備えてよい。上記の測定装置は、光源が発生させたコヒーレント光を、第1コヒーレント光及び第2コヒーレント光に分岐する光分岐部を備えてよい。上記の測定装置において、試験光生成部は、第1コヒーレント光に光変調を施して試験光を生成してよい。上記の測定装置において、参照光生成部は、第2コヒーレント光に光変調を施して参照光を生成してよい。上記の測定装置は、ビート信号検出部が検出したビート信号から、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を分離する周波数分離部を備えてよい。上記の測定装置において、測定対象が光ファイバを含んでよい。上記の測定装置において、第1周波数及び第2周波数の差の絶対値と、第3周波数及び第4周波数の差の絶対値とは略同一であってよい。
【0007】
本発明の第2の態様においては、測定方法が提供される。上記の測定方法は、例えば、試験光を生成する試験光生成段階を有する。上記の測定方法は、例えば、参照光を生成する参照光生成段階を有する。上記の測定方法は、例えば、(i)試験光生成段階において生成された試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)参照光生成段階において生成された参照光とのビート信号を検出するビート信号検出段階を有する。上記の測定方法において、試験光生成段階は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する試験光を生成する段階を含んでよい。上記の測定方法において、参照光生成段階は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する参照光を生成する段階を含んでよい。上記の測定方法において、試験光の周波数の変動周期と、参照光の周波数の変動周期とは略同一であってよい。上記の測定方法において、参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足してよい。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】検査装置100のシステム構成の一例を概略的に示す。
【図2】受光部160の内部構成の一例を概略的に示す。
【図3】信号解析部180の内部構成の一例を概略的に示す。
【図4】変調光生成部120の出力信号の一例を概略的に示す。
【図5】変調光生成部120の出力信号の一例を概略的に示す。
【図6】変調光生成部120の出力信号の一例を概略的に示す。
【図7】検査装置100における検査方法の一例を概略的に示す。
【図8】変調光生成部820の内部構成の一例を概略的に示す。
【図9】変調光生成部920の内部構成の一例を概略的に示す。
【図10】検査装置1000のシステム構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。

【0011】
[検査装置100の概要]
図1は、検査装置100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、検査装置100は、例えば、変調光生成部120と、光サーキュレータ140と、受光部160と、信号解析部180とを備える。本実施形態において、変調光生成部120は、例えば、光源122と、光分岐部124と、光変調部126と、光変調部128と、変調制御部130とを備える。

【0012】
光ファイバ10は、測定対象又は測定対象の一部の一例であってよい。測定対象又は測定対象の一部の他の例としては、任意の導光部材又は光学部材を例示することができる。検査装置100は、測定装置の一例であってよい。変調光生成部120は、試験光生成部及び参照光生成部の一例であってよい。光源122は、光源の一例であってよい。光分岐部124は、光分岐部の一例であってよい。光変調部126は、試験光生成部の一例であってよい。光変調部128は、参照光生成部の一例であってよい。光変調部126に入射する光及び光変調部128に入射する光は、第1コヒーレント光及び第2コヒーレント光の一例であってよい。光変調部126から出射する光は、試験光の一例であってよい。光変調部128から出射する光は、参照光の一例であってよい。受光部160は、ビート信号検出部の一例であってよい。信号解析部180は、周波数分離部の一例であってよい。

【0013】
本実施形態において、検査装置100は、光ファイバ10を含む検査対象を検査する。一実施形態において、検査装置100は、光ファイバ10の状態を検査する。光ファイバ10の状態としては、光ファイバ10の周辺の電磁環境の状態、光ファイバ10の内部又周囲の電界の状態、光ファイバ10の振動状態、光ファイバ10の屈曲状態、光ファイバ10の接続状態(例えば、光ファイバ10を構成する2つの光ファイバ芯材の接続のズレ具合である。)などを例示することができる。光ファイバ10の周辺の電磁環境の状態としては、当該電磁環境の変動状態を例示することができる。光ファイバ10の内部又は周囲の電界の状態としては、当該電界の変動状態を例示することができる。他の実施形態において、検査装置100は、光ファイバ10の内部における光信号の状態を検査する。光信号の状態としては、光信号の強度変動、振幅変動、位相変動、偏波変動などを例示することができる。

【0014】
本実施形態において、検査装置100は、光ファイバ10の内部の各位置における光電界成分を、時間軸上で連続的に測定する。具体的には、本実施形態において、検査装置100は、光ファイバ10に光信号を入射し、光ファイバ10の内部の各位置からの後方散乱光又は反射光(後方散乱光などと称する場合がある。)を受光する。検査装置100は、上記の後方散乱光などを適切に解析することで、光ファイバ10の入射端から任意の距離に存在する点又は領域における光信号の振幅、位相及び偏波状態の少なくとも1つを連続的に測定する。ここで、連続的に測定するとは、(i)一定期間に渡る測定データをアナログ信号として取り込むことであってもよく、(ii)一定期間に渡る測定データをデジタル信号として取り込むことであってもよい。

【0015】
一実施形態において、試験信号光により搬送される光信号の波形パターンが、周期的に繰り返し現れる特定のパターン(周期パターンと称する場合がある。)を含む場合において、検査装置100が、測定データをデジタル信号として取り込むとき、検査装置100は、周期パターンの出現周期の間に複数の測定データを取得することで、(i)光ファイバ10の状態及び(ii)光ファイバ10の内部の任意の点又は領域における光信号の状態を連続的に測定する。上記の出現周期の間に3以上の測定データが取得されることが好ましく、4以上の測定データが取得されることがより好ましく、5以上の測定データが取得されることがさらに好ましい。

【0016】
他の実施形態において、試験信号光により搬送される光信号の波形パターンが周期パターンを含む場合において、検査装置100は、周期パターンの出現周期の5%以上の期間に渡って測定データを取得することで、光ファイバ10の状態及び光ファイバ10の内部における光信号の状態を連続的に測定する。上記の測定データを取得する期間は、出現周期の10%以上の期間であってもよく、出現周期の15%以上の期間であってもよく、出現周期の20%以上の期間であってもよく、出現周期の25%以上の期間であってもよく、出現周期の30%以上の期間であってもよく、出現周期の1/3以上の期間であってもよく、出現周期の35%以上の期間であってもよく、出現周期の40%以上の期間であってもよく、出現周期の45%以上の期間であってもよく、出現周期の50%以上の期間であってもよく、出現周期の55%以上の期間であってもよく、出現周期の60%以上の期間であってもよく、出現周期の65%以上の期間であってもよく、出現周期の2/3以上の期間であってもよく、出現周期の70%以上の期間であってもよく、出現周期の75%以上の期間であってもよく、出現周期の80%以上の期間であってもよく、出現周期の85%以上の期間であってもよく、出現周期の90%以上の期間であってもよく、出現周期の95%以上の期間であってもよい。検査装置100は、周期パターンの出現周期の全体に渡って測定データを取得してもよい。

【0017】
本実施形態において、光源122は、光を発生させる。光源122は、コヒーレンス光を発生させてよい。光源122は、レーザ光源であってよい。本実施形態において、光分岐部124には、光源122が発生させた光が入射する。光分岐部124は、光源122が発生させた光を複数の光に分岐する。本実施形態において、光分岐部124は、光源122が発生させた光を、光変調部126に入射する光と、光変調部128に入射する光とに分岐する。

【0018】
本実施形態において、光変調部126は、光ファイバ10の検査に用いられる試験信号光を生成する。本実施形態において、光変調部126には、光源122が発生させた光の一部が入射する。光変調部126は、例えば、光変調部126に入射した光に光変調を施して試験信号光を生成する。より具体的には、光変調部126は、光変調部126に入射した光を、変調制御部130からの変調信号102により変調することで、試験信号光を生成する。光変調部126の変調方式は特に限定されるものではなく、既知の変調方式又は将来的に開発された変調方式が利用され得る。光変調部126は、例えば、単側波帯変調方式(SSB変調方式)により光を変調する光SSB変調器であってよい。試験信号光は試験光の一例であってよい。

【0019】
光変調部126は、試験信号光の周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化するように、試験信号光を生成してよい。第1周波数及び第2周波数は、互いに異なる周波数であってよい。光変調部126は、試験信号光により搬送される光信号の波形パターンが、周期的に繰り返し現れる周期パターンを含むように、試験信号光を生成してよい。周期パターンは、連続的に出現してもよく(つまり、一の周期パターンが終了する時点と、次の周期パターンが開始する時点とが同一である)、離散的に出現してもよい(つまり、各周期パターンは、(i)予め定められた周期又は(ii)任意の規則により定まるタイミングで開始又は終了するものの、一の周期パターンが終了する時点と、次の周期パターンが開始する時点とが異なる)。周期パターンは、信号レベルが時間に対して単調増加又は単調減少する領域を含んでよい。周期パターンは、信号レベルが、時間に対して、線形に単調増加又は単調減少する領域を含んでよい。試験信号光により搬送される光信号の波形パターンとしては、サイン波、コサイン波、三角波、鋸歯状波、及び、これらの組み合わせを例示することができる。

【0020】
本実施形態において、光変調部128は、光ファイバ10からの後方散乱光などの検波に用いられる局部発振光を生成する。本実施形態において、光変調部128には、光源122が発生させた光の一部が入射する。光変調部128は、例えば、光変調部128に入射した光に光変調を施して局部発振光を生成する。より具体的には、光変調部128は、光変調部128に入射した光を、変調制御部130からの変調信号104により変調することで、局部発振光を生成する。光変調部128の変調方式は特に限定されるものではなく、既知の変調方式又は将来的に開発された変調方式が利用され得る。光変調部128は、例えば、単側波帯変調方式(SSB変調方式)により光を変調する光SSB変調器であってよい。局部発振光は参照光の一例であってよい。

【0021】
光変調部128は、局部発振光の周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化するように、局部発振光を生成してよい。第3周波数及び第4周波数は、互いに異なる周波数であってよい。光変調部128は、局部発振光により搬送される光信号の波形パターンが、周期的に繰り返し現れる周期パターンを含むように、局部発振光を生成してよい。周期パターンは、連続的に出現してもよく、離散的に出現してもよい。周期パターンは、信号レベルが時間に対して単調増加又は単調減少する領域を含んでよい。周期パターンは、信号レベルが、時間に対して、線形に単調増加又は単調減少する領域を含んでよい。局部発振光により搬送される光信号の波形パターンとしては、サイン波、コサイン波、三角波、鋸歯状波、及び、これらの組み合わせを例示することができる。

【0022】
本実施形態において、変調制御部130は、変調信号102を生成し、変調信号102を光変調部126に供給する。また、変調制御部130は、変調信号104を生成し、変調信号104を光変調部128に供給する。変調制御部130は、波形発生器であってよい。

【0023】
一実施形態において、変調制御部130は、試験信号光の周期パターンの出現周期と、局部発振光の周期パターンの出現周期とが略同一になるように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。試験信号光の周期パターンの出現周期は、試験光の周波数の変動周期の一例であってよい。局部発振光の周期パターンの出現周期は、参照光の周波数の変動周期の一例であってよい。

【0024】
他の実施形態において、変調制御部130は、試験信号光の周期パターンの始点の出現時刻と、局部発振光の周期パターンの始点の出現時刻との差が、予め定められた条件を満足するように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。予め定められた条件は、例えば、試験信号光の周期パターンの始点の出現時刻と、局部発振光の周期パターンの始点の出現時刻との差をΔtとし、光ファイバ10の入射端から、光ファイバ10の内部の任意の位置又は領域(検査位置又は検査領域と称する場合がある。)までの距離をLとし、光ファイバ10の屈折率をnとし、真空中における光速をcとした場合に、Δtの絶対値が、(2Ln)/cと略同一であるという条件である。

【0025】
予め定められた条件は、(i)上記のΔtの絶対値が(2Lnp)/cより大きく、且つ、(i)上記のΔtの絶対値が(2Ln)/cと略同一又は(2Ln)/cより小さいという条件であってもよい。ここで、pは1未満の正の小数であってよい。予め定められた条件は、(i)上記のΔtの絶対値が(2Lnp)/cより大きく、且つ、(i)上記のΔtの絶対値が(2Lnq)/cより小さいという条件であってもよい。ここで、qは、pより大きく1より小さい正の小数であってよい。試験信号光の周期パターンは、試験光の周波数変動の変動パターンの一例であってよい。局部発振光の周期パターンは、参照光の周波数変動の変動パターンの一例であってよい。

【0026】
光ファイバ10の入射端から検査領域までの距離Lとしては、(i)光ファイバ10の入射端から、検査領域の入射端側の端部までの距離、(ii)光ファイバ10の入射端から、検査領域の略中央までの距離、(iii)光ファイバ10の入射端から、検査領域の出射端側の端部までの距離など採用することができる。検査領域の距離Lとして、光ファイバ10の入射端から、検査領域の略中央までの距離を採用することが好ましい。

【0027】
光ファイバ10の入射端から検査位置又は検査領域までの距離Lは、ユーザにより検査装置100に入力されてもよく、検査装置100により決定されてもよい。一実施形態において、ユーザ又は検査装置100は、(i)OTDR、OFDRなどを利用した従来の検査手法により異常が発見された位置又は領域、(ii)構造的に異常が発生しやすい位置又は領域、及び、(iii)周囲の環境からの影響を受けやすい位置又は領域の少なくとも1つを、検査位置又は検査領域として決定してよい。

【0028】
構造的に異常が発生しやすい位置又は領域としては、光ファイバ芯線同士の接続箇所、収容ボックスなどに収容されている領域などを例示することができる。周囲の環境からの影響を受けやすい位置又は領域としては、振動又は揺れが比較的大きな場所に配置されている位置又は領域を例示することができる。振動又は揺れが比較的大きな場所としては、線路、道路、橋、高架及び回転機器、並びに、それらの周辺を例示することができる。

【0029】
ユーザ又は検査装置100は、1又は複数の光ファイバに関する異常発生履歴、検査履歴、修繕履歴などを利用して、特定の光ファイバに関する、構造的に異常が発生しやすい位置又は領域、及び、周囲の環境からの影響を受けやすい位置又は領域の少なくとも一方を決定してもよい。ユーザ又は検査装置100は、特定の光ファイバに関する異常発生履歴、検査履歴、修繕履歴などを利用して、当該特定の光ファイバに関する、構造的に異常が発生しやすい位置又は領域、及び、周囲の環境からの影響を受けやすい位置又は領域の少なくとも一方を決定してもよい。

【0030】
他の実施形態において、ユーザ又は検査装置100は、光ファイバ10の任意の位置又は領域から、任意の方向に向かって、検査位置又は検査領域を任意の距離だけ移動させながら、光ファイバ10の特定の領域を走査することを決定してよい。例えば、ユーザ又は検査装置100は、光ファイバ10の入射端から、出射端に向かって、予め定められた距離ごとに検査位置又は検査領域を任意の距離だけ移動させながら、光ファイバ10を予め定められた距離に亘って走査することを決定する。例えば、ユーザ又は検査装置100は、光ファイバ10の入射端から100kmの位置から、入射端に向かって、予め定められた距離ごとに検査位置又は検査領域を任意の距離だけ移動させながら、光ファイバ10を予め定められた距離に亘って走査することを決定する。

【0031】
本明細書において、「略同一」とは、両者が同一である場合だけでなく、(i)測定精度又は測定誤差及び(ii)要求される検査精度又は検査誤差の少なくとも一方を考慮して、両者を同一とみなすことができる場合を含んでもよい。測定精度又は測定誤差は、測定により表される物理量の精度又は誤差であってもよく、測定位置の特定に関する精度又は誤差であってもよい。検査精度は、検査により表される物理量又は指標の値の精度又は誤差であってもよく、検査位置の特定に関する精度又は誤差であってもよい。

【0032】
例えば、光ファイバ10のコアの屈折率nの値は、光ファイバの種類、ロットなどにより異なる。また、同一の光ファイバ10の中でも、位置によってコアの屈折率nが異なる場合がある。また、光ファイバ10によっては、製造者又は販売者によりコアの屈折率nが公開されていない場合がある。このような場合には、コアの屈折率nの値として、一般的な値(例えば、波長1.55μmにおいて、約1.45である。)が用いられることがある。光ファイバ10のコアの屈折率nと、真空中における光速cとを利用して、光ファイバ10の入射端から後方散乱光などの発生位置までの距離Lを特定する場合、上記のようなコアの屈折率nの分布、バラツキなどが、距離Lの特定誤差の原因となる。また、距離Lが長くなるほど、特定誤差も大きくなり得る。なお、後方散乱光などの発生位置は、測定位置の一例であってよい。

【0033】
他の実施形態において、変調制御部130は、上記の第1周波数が第4周波数よりも大きくなるように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。これにより、局部発振光により搬送される光信号の波形パターンと、後方散乱光などにより搬送される光信号の波形パターンとの周波数差を、より大きくすることができる。第1周波数と第4周波数との差の絶対値は、5GHz以上であることが好ましく、7GHz以上であることがより好ましく、10GHz以上であることがさらに好ましい。第1周波数と第4周波数との差の絶対値は、40GHz以下であることが好ましく、30GHz以下であることがより好ましく、20GHz以下であることがさらに好ましい。第1周波数及び第4周波数は、第1周波数と第4周波数との差の絶対値が、上記の下限値及び上限値の任意の組み合わせにより定められる数値範囲の範囲内となるように決定されてよい。上記のように周波数の差の絶対値を設定することにより、例えば、光変調部126、光変調部128、変調制御部130、受光部160の実現可能な仕様を満たすことができると共に、検査装置100の距離Lに関する分解能(検査装置100の測定距離分解能と称する場合がある。)を適切に設定することができる。

【0034】
他の実施形態において、変調制御部130は、上記の第3周波数が第2周波数よりも大きくなるように、変調信号102及び変調信号104を生成してもよい。これにより、局部発振光により搬送される光信号の波形パターンと、後方散乱光などにより搬送される光信号の波形パターンとの周波数差を、より大きくすることができる。第3周波数と第2周波数との差の絶対値は、5GHz以上であることが好ましく、7GHz以上であることがより好ましく、10GHz以上であることがさらに好ましい。第3周波数と第2周波数との差の絶対値は、40GHz以下であることが好ましく、30GHz以下であることがより好ましく、20GHz以下であることがさらに好ましい。第2周波数及び第3周波数は、第2周波数と第3周波数との差の絶対値が、上記の下限値及び上限値の任意の組み合わせにより定められる数値範囲の範囲内となるように決定されてよい。上記のように周波数の差の絶対値を設定することにより、例えば、光変調部126、光変調部128、変調制御部130、受光部160の実現可能な仕様を満たすことができると共に、検査装置100の測定距離分解能を適切に設定することができる。

【0035】
他の実施形態において、変調制御部130は、第1周波数及び第2周波数の差の絶対値と、第3周波数及び第4周波数の差の絶対値とが略同一であるように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。他の実施形態において、変調制御部130は、第1周波数及び第2周波数の差の絶対値が、第3周波数及び第4周波数の差の絶対値よりも大きくなるように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。他の実施形態において、変調制御部130は、試験信号光の周期パターンの少なくとも一部の形状と、局部発振光の周期パターンの少なくとも一部の形状とが略同一になるように、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。

【0036】
変調制御部130は、技術的に矛盾しない範囲において、複数の実施形態について説明した事項の組み合わせにより、変調信号102及び変調信号104を生成してよい。例えば、変調制御部130は、(i)試験信号光の周期パターンの始点の出現時刻と、局部発振光の周期パターンの始点の出現時刻との差Δtの絶対値が、(2Ln)/cと略同一であるという条件を満足し、(ii)第1周波数及び第2周波数の差の絶対値と、第3周波数及び第4周波数の差の絶対値とが略同一であり、(iii)試験信号光の周期パターンの形状と、局部発振光の周期パターンの形状とが略同一になるように、変調信号102及び変調信号104を生成し得る。この場合、光ファイバ10の入射端から任意の距離に存在する点又は領域における光電界成分を、周期パターンの出現周期の略全期間にわたって、連続的に測定することができる。光電界成分は、各偏波成分に対応した電界の(i)振幅及び(ii)位相成分であってよい。

【0037】
本実施形態において、光サーキュレータ140の第1入力端子には、変調光生成部120が生成した試験信号光が入射する。光サーキュレータ140は、変調光生成部120が生成した試験信号光を、光ファイバ10の入射端から、光ファイバ10の内部へと送出する。本実施形態において、光サーキュレータ140の第2入力端子には、光ファイバ10の入射端から、光ファイバ10の内部の各位置からの後方散乱光などが入射する。光サーキュレータ140は、光ファイバ10からの後方散乱光などを、受光部160へと伝播させる。

【0038】
本実施形態において、受光部160は、例えば光サーキュレータ140を介して、光ファイバ10の内部の各位置からの後方散乱光などを受光する。本実施形態において、受光部160は、変調光生成部120が生成した局部発振光を用いて、上記の後方散乱光などを検波する。これにより、受光部160は、(i)変調光生成部120が生成した試験信号光を光ファイバ10に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)変調光生成部120が生成した局部発振光とのビート信号106を検出することができる。受光部160は、検出されたビート信号106を、信号解析部180に送信してよい。検波の方式は特に限定されるものではなく、既知の検波方式又は将来的に開発された検波方式が利用され得る。受光部160は、例えば、ヘテロダイン検波方式又はコヒーレントヘテロダイン検波方式により、上記の後方散乱光などを検波する。

【0039】
本実施形態において、信号解析部180は、ビート信号106を解析して、光ファイバ10に関する各種の情報を取得する。例えば、信号解析部180は、ビート信号106を解析して、光ファイバ10の状態に関する各種の情報を取得することができる。例えば、信号解析部180は、光ファイバ10の振動状態、光ファイバ10の屈曲状態、光ファイバ10の接続状態などに関する情報を取得することができる。また、信号解析部180は、光ファイバ10において異常が発生している可能性が高い箇所を特定することができる。これにより、検査装置100は、光ファイバ10の状態を検査することができる。

【0040】
より具体的には、信号解析部180は、受光部160が検出したビート信号106から、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を分離する。分離の方式は特に限定されるものではなく、既知の分離方式又は将来的に開発された分離方式が利用され得る。信号解析部180は、例えば、バンドパスフィルタなどを用いて、ビート信号106から、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を濾波する。信号解析部180は、分離された特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を解析して、光ファイバ10の状態を検査してよい。

【0041】
上記の特定の周波数又は特定の周波数帯の成分は、光ファイバ10の入射端から特定の距離に存在する点又は領域における光電界成分に関する情報を示す。ユーザ又は検査装置100は、例えば、上記の特定の周波数又は特定の周波数帯の成分の変動状態に基づいて、光ファイバ10の内部の特定の点又は領域における光電界成分の変動状態に関する情報を取得することができる。これにより、信号解析部180は、光ファイバ10の内部の任意の点又は領域における光電界成分に関する情報を、連続的に取得することができる。光ファイバ10の内部の任意の点又は領域は、光ファイバ10の曲げ、接続不良、振動などの発生が疑われる領域であってよい。光ファイバ10の曲げ、接続不良、振動などの発生が疑われる領域は、OTDR技術又はOFDR技術を利用した検査結果などにより、予め、抽出されてよい。

【0042】
特定の周波数又は特定の周波数帯は、(i)試験信号光により搬送される光信号の波形パターンと、(ii)局部発振光により搬送される光信号の波形パターンとに基づいて決定されてよい。特定の周波数又は特定の周波数帯は、(i)試験信号光により搬送される光信号の波形パターンと、(ii)局部発振光により搬送される光信号の波形パターンと、(iii)検査位置又は検査領域における光ファイバ10の入射端からの距離とに基づいて決定されてよい。特定の周波数又は特定の周波数帯は、(i)試験信号光により搬送される光信号の波形パターンと、(ii)局部発振光により搬送される光信号の波形パターンと、(iii)上記のΔtとに基づいて決定されてよい。

【0043】
[異常箇所の特定方法]
上記のΔtを算出するには、光ファイバ10の屈折率nの値を決定する必要がある。しかしながら、光ファイバ10の内部における屈折率分布、ロットによる屈折率の違いなどにより、光ファイバ10の全長にわたる屈折率nを算出することは比較的困難である。そのため、屈折率nの真の値と、検査装置が上記のΔtを算出するために用いた屈折率nの値との誤差に起因して、上記のΔtにも誤差が生じ得る。その結果、特定の周波数又は特定の周波数帯に対応する、光ファイバ10の内部の点又は領域(つまり、検査位置又は検査領域である。)の位置(例えば、光ファイバ10の入射端からの距離である。)の特定にも誤差が生じ得る。

【0044】
そこで、光ファイバ10の内部の特定の点又は領域の状態を連続的に測定して異常を検出する場合などには、ユーザ又は検査装置100は、検査領域を徐々に狭くしながら、異常箇所を特定してもよい。上記の特定の点又は領域としては、異常が発生している可能性が高い箇所、異常が発生しやすい箇所などを例示することができる。

【0045】
[STEP1]
例えば、ユーザ又は検査装置100は、下記の手順により、異常箇所を特定することができる。まず、ユーザ又は検査装置100は、特定の点又は領域を含む、比較的範囲の広い第1領域を検査する。具体的には、ユーザ又は検査装置100は、ビート信号106から、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を分離する工程において、バンドパスフィルタの帯域幅を第1の範囲に設定する。第1の範囲は、上記の特定の点又は領域に対応する周波数又は周波数帯が含まれるように設定されてよい。第1の範囲の数値範囲は、第1領域の位置(例えば、光ファイバ10の入射端から第1領域の中央までの距離である。)及び大きさ(例えば、光ファイバ10の延伸方向の幅である。)に対応する。

【0046】
第1の範囲の数値範囲は、ユーザにより指定された大きさであってもよく、予め定められた大きさであってもよく、任意のアルゴリズムにより決定された大きさであってもよい。例えば、第1の範囲の数値範囲は、(i)光ファイバ10の検査対象となる部分の長さ、又は、光ファイバ10に含まれる検査箇所の個数、(ii)検査時間の許容値、目標値又は設置値、及び、(iii)異常の発生頻度の少なくとも1つに基づいて決定されてよい。

【0047】
光ファイバ10の検査対象となる部分の長さが長い場合には、光ファイバ10の検査対象となる部分の長さが短い場合と比較して、第1の範囲の数値範囲の幅が大きくなるように設定されてよい。光ファイバ10に含まれる検査箇所の個数が多い場合には、光ファイバ10に含まれる検査箇所の個数が少ない場合と比較して、第1の範囲の数値範囲の幅が大きくなるように設定されてよい。検査時間の許容値、目標値又は設置値が小さい場合には、検査時間の許容値、目標値又は設置値が大きい場合と比較して、第1の範囲の数値範囲の幅が大きくなるように設定されてよい。異常の発生頻度が小さい領域が検査される場合には、光ファイバ10の異常の発生頻度が大きい領域が検査される場合と比較して、第1の範囲の数値範囲の幅が大きくなるように設定されてよい。

【0048】
次に、検査装置100が、ビート信号106をバンドパスフィルタにより濾波し、当該濾波により得られた信号を解析する。検査装置100は、予め定められた時間に亘ってビート信号106を濾波し、当該濾波により得られた信号を解析してよい。これにより、検査装置100は、光ファイバ10の第1領域を検査することができる。

【0049】
[STEP2]
次に、第1領域において何らかの異常が検出された場合、ユーザ又は検査装置100は、第1領域の一部をさらに検査する。例えば、ユーザ又は検査装置100は、バンドパスフィルタの帯域幅を第2の範囲に設定して、第1領域に含まれる複数の第2領域の少なくとも一部をさらに検査する。第2の範囲の数値範囲は、検査対象となる第2領域の位置及び大きさに対応する。一方、第1領域において異常が検出されなかった場合、ユーザ又は検査装置100は、検査を終了してもよく、光ファイバ10の内部の他の点又は領域の状態を検査に進んでよい。

【0050】
複数の第2領域は、隣接する第2領域の範囲の一部が重複するように設定されてもよく、隣接する第2領域の範囲が重複しないように設定されてもよい。複数の第2領域の大きさは、同一であってもよく、異なってもよい。複数の第2領域のそれぞれの大きさは、ユーザにより指定された大きさであってもよく、予め定められた大きさであってもよく、任意のアルゴリズムにより決定された大きさであってもよい。例えば、第2領域のそれぞれの大きさは、(i)第1領域の大きさ(ii)距離分解能の要求値、目標値又は設定値、及び、(iii)検査時間の許容値、目標値又は設定値の少なくとも1つに基づいて決定される。

【0051】
検査装置100が複数の第2領域を検査する順番は特に限定されるものではない。検査装置100が複数の第2領域を検査する順番は、ユーザにより指定された順番であってもよく、予め定められた順番であってもよく、任意のアルゴリズムにより決定された順番であってもよい。一実施形態において、検査装置100は、第1領域の一方の端部から他方の端部に向かって、複数の第2領域を順番に検査する。

【0052】
他の実施形態において、検査装置100は、まず、第1領域の中央近傍の第2領域を検査する。次に、検査装置100は、中央近傍の第2領域から、第1領域の一方の端部の間に存在する1又は複数の第2領域を検査する。上記の1又は複数の第2領域が検査される順番は特に限定されるものではないが、例えば、検査装置100は、中央近傍の第2領域に隣接する第2領域から、第1領域の一方の端部に存在する第2領域にむかって、順番に検査する。次に、中央近傍の第2領域から、第1領域の他方の端部の間に存在する1又は複数の第2領域を検査する。上記の1又は複数の第2領域が検査される順番は特に限定されるものではないが、例えば、検査装置100は、中央近傍の第2領域に隣接する第2領域から、第1領域の他方の端部に存在する第2領域にむかって、順番に検査する。

【0053】
なお、より高精度の距離分解能が要求される場合、検査装置100は、例えば第1の領域の一部を検査した手法を繰り返して、第2領域の一部をさらに検査してよい。より具体的には、検査装置100は、複数の第2領域のうち、異常が検出された各領域について、当該領域に含まれる複数の第3領域の少なくとも一部をさらに検査してもよく、複数の第3領域のうち、異常が検出された各領域について、当該領域に含まれる複数の第4領域の少なくとも一部をさらに検査してもよい。

【0054】
複数の第3領域は、隣接する第3領域の範囲の一部が重複するように設定されてもよく、隣接する第3領域の範囲が重複しないように設定されてもよい。複数の第4領域は、隣接する第4領域の範囲の一部が重複するように設定されてもよく、隣接する第4領域の範囲が重複しないように設定されてもよい。第3領域及び第4領域の大きさは、第2領域の大きさと同様の構成を有してよく、検査装置100が第3領域及び第4領域を検査する順番は、検査装置100が第2領域を検査する順番と同様の構成を有してよい。

【0055】
以上のとおり、検査装置100の一実施形態によれば、光ファイバ10の内部の光電界の状況を非破壊で測定することができる。検査装置100の一実施形態によれば、急激な偏波変動及び位相変動の少なくとも一方が生じている箇所を、光ファイバ10の入射端(例えば、送信端である。)からの測定のみで特定することができる。また、検査装置100の一実施形態によれば、光ファイバの各位置において生じている物理量の変化などを連続的に測定することができる。そのため、検査装置100の一実施形態を光ファイバをセンサとして利用する各種のセンサに応用することにより、当該センサの性能又は機能を向上させることができる。

【0056】
[検査装置100の各部の具体的な構成]
検査装置100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。検査装置100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。検査装置100の各部は、その少なくとも一部が、仮想サーバ上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。検査装置100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。検査装置100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。

【0057】
検査装置100に含まれる構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機、ビーコン受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置、ビーコン発信装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。

【0058】
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。

【0059】
上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、検査装置100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、検査装置100又はその一部における情報処理を実行させるためのプログラムであってよい。

【0060】
例えば、上記のソフトウエア又はプログラムは、試験装置に組み込まれたコンピュータ又は試験装置と通信回線を介して接続されたコンピュータに、試験装置の試験光生成部に試験光を生成させる手順と、試験装置の参照光生成部に参照光を生成させる手順と、試験装置のビート信号検出部が検出した、(i)試験光を測定対象に入射して得られる後方散乱光及び反射光の少なくとも一方と、(ii)参照光とのビート信号を解析する手順とを実行させるためのプログラムであってよい。なお、試験装置の試験光生成部に試験光を生成させる手順は、その周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化する試験光を生成させる手順を含んでよい。試験装置の参照光生成部に参照光を生成させる手順は、その周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化する参照光を生成させる手順を含んでよい。また、試験光の周波数の変動周期と、参照光の周波数の変動周期とは略同一であってよく、参照光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻と、試験光の周波数変動の変動パターンの始点の出現時刻との差は、予め定められた条件を満足してよい。

【0061】
図2は、受光部160の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、受光部160は、例えば、偏波分離器222と、光90度ハイブリッド224と、光受信器226と、光受信器228とを備える。また、受光部160は、例えば、偏波分離器242と、光90度ハイブリッド244と、光受信器246と、光受信器248とを備える。

【0062】
本実施形態において、偏波分離器222には、光ファイバ10からの後方散乱光などが入力される。偏波分離器222は、後方散乱光などを、x偏波成分と、y偏波成分とに分離する。一方、偏波分離器242には、変調光生成部120からの局部発振光が入力される。偏波分離器242は、局部発振光を、x偏波成分と、y偏波成分とに分離する。

【0063】
本実施形態において、光90度ハイブリッド224には、偏波分離器222からのx偏波成分と、偏波分離器242からのx偏波成分とが入力される。光90度ハイブリッド224は、入力されたx偏波成分のI信号成分及びQ信号成分を出力する。一方、光90度ハイブリッド244には、偏波分離器222からのy偏波成分と、偏波分離器242からのy偏波成分とが入力される。光90度ハイブリッド244は、入力されたy偏波成分のI信号成分及びQ信号成分を出力する。

【0064】
本実施形態において、光受信器226は、光90度ハイブリッド224からのI信号成分を受光して、電気信号として出力する。光受信器228は、光90度ハイブリッド224からのQ信号成分を受光して、電気信号として出力する。一方、光受信器246は、光90度ハイブリッド244からのI信号成分を受光して、電気信号として出力する。光受信器248は、光90度ハイブリッド244からのQ信号成分を受光して、電気信号として出力する。これにより、ビート信号106が出力される。本実施形態において、ビート信号106は、I信号202、Q信号212、I信号204及びQ信号214を含む。

【0065】
図3は、信号解析部180の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、信号解析部180は、例えば、A/D変換部322と、A/D変換部324と、A/D変換部342と、A/D変換部344とを備える。また、信号解析部180は、例えば、デジタル信号処理部350を備える。本実施形態において、デジタル信号処理部350は、濾波部352と、ダウンコンバート部354と、位相成分算出部356と、変動解析部358とを有する。デジタル信号処理部350及び濾波部352は、周波数分離部の一例であってよい。

【0066】
本実施形態において、A/D変換部322は、I信号202をデジタル信号に変換する。A/D変換部324は、Q信号212をデジタル信号に変換する。A/D変換部342は、I信号204をデジタル信号に変換する。A/D変換部344は、Q信号214をデジタル信号に変換する。

【0067】
本実施形態において、デジタル信号処理部350には、A/D変換部322、A/D変換部324、A/D変換部342及びA/D変換部344のそれぞれから、I信号202、Q信号212、I信号204及びQ信号214のそれぞれに対応するデジタル信号ExI、ExQ、EyI及びEyQが入力される。デジタル信号処理部350は、入力されたデジタル信号に対して、信号位相推定処理、高速フーリエ変換処理などの各種の信号処理を施す。

【0068】
本実施形態において、濾波部352は、デジタル信号ExI、ExQ、EyI及びEyQを取得する。濾波部352は、デジタル信号ExI、ExQ、EyI及びEyQのそれぞれから、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分を濾波する。ここで、上記の特定の周波数又は上記の特定の周波数帯の中心周波数を、周波数fdとする。濾波部352は、デジタル信号ExI、ExQ、EyI及びEyQのそれぞれを濾波して得られた信号ExIB、ExQB、EyIB及びEyQBを、ダウンコンバート部354に送信してよい。なお、上述のとおり、特定の周波数又は特定の周波数帯の成分の変動は、光ファイバ10の特定の点又は領域における電界成分の変動を示す。

【0069】
本実施形態において、ダウンコンバート部354は、入力された信号をダウンコンバートする。例えば、ダウンコンバート部354は、濾波部352から、信号ExIB、ExQB、EyIB及びEyQBを取得する。信号ExIB、ExQB、EyIB及びEyQBは、中心周波数がfdの信号である。本実施形態において、ダウンコンバート部354は、信号ExIB、ExQB、EyIB及びEyQBを、中心周波数が0の信号に変換する。ダウンコンバート部354は、信号ExIB、ExQB、EyIB及びEyQBを変換して得られた信号ExI0、ExQ0、EyI0及びEyQ0を、位相成分算出部356と、変動解析部358とに送信してよい。

【0070】
本実施形態において、位相成分算出部356は、ダウンコンバート部354から、信号ExI0、ExQ0、EyI0及びEyQ0を取得する。本実施形態において、位相成分算出部356は、下記の数式1及び数式2に基づいて、信号ExI0、ExQ0、EyI0及びEyQ0から、x偏波信号の位相成分Φx及びy偏波信号の位相成分Φyを算出する。
[数式1]
Φx=tan-1(ExQ0/ExI0
[数式2]
Φy=tan-1(EyQ0/EyI0
位相成分算出部356は、x偏波信号の位相成分Φx及びy偏波信号の位相成分Φyを変動解析部358に送信してよい。

【0071】
本実施形態において、変動解析部358は、光ファイバ10の特定の点又は領域における、光ファイバ10の内部又周囲の電界の変動を解析する。本実施形態において、変動解析部358は、ダウンコンバート部354から、信号ExI0、ExQ0、EyI0及びEyQ0を取得する。本実施形態において、変動解析部358は、位相成分算出部356から、x偏波信号の位相成分Φx及びy偏波信号の位相成分Φyを取得する。本実施形態において、変動解析部358は、信号ExI0、ExQ0、EyI0及びEyQ0、並びに、x偏波信号の位相成分Φx及びy偏波信号の位相成分Φyに対して、高速フーリエ変換処理を施す。これにより、変動解析部358は、光ファイバ10の内部の特定の点又は領域において生じている変動の周波数成分を算出することができる。

【0072】
これにより、変動解析部358は、光ファイバ10の内部の任意の点又は領域(つまり、検査位置又は検査領域である。)における光電界成分に関する情報を、連続的に取得又は出力することができる。変動解析部358は、検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を解析して、検査位置又は検査領域における光ファイバ10の振動状態に関する情報を出力してもよい。

【0073】
本実施形態においては、デジタル信号処理部350が、検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を解析して、光ファイバ10の振動状態に関する情報を出力する場合について説明した。しかしながら、デジタル信号処理部350は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、デジタル信号処理部350は、検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を解析して、光ファイバ10の屈曲状態、光ファイバ10の接続状態などに関する情報を出力してもよい。さらに他の実施形態において、デジタル信号処理部350は、検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を解析して、光ファイバ10において異常が発生している可能性が高い箇所を示す情報を出力してもよい。

【0074】
図4は、変調光生成部120の出力信号の一例を概略的に示す。図4は、試験信号光406により搬送される光信号の波形パターンと、局部発振光408により搬送される光信号の波形パターンとを、光ファイバ10の入射端からの距離がLである検査位置からの後方散乱光410などにより搬送される光信号の波形パターンとともに示す。なお、図4には、光ファイバ10からの後方散乱光などにより搬送される光信号の波形パターンとして、受光部160が受光した後方散乱光410などにより搬送される光信号の波形パターンのみが図示されている。しかしながら、受光部160は、光ファイバ10の各位置からの後方散乱光などを受光していることに留意されたい。

【0075】
本実施形態において、試験信号光406により搬送される光信号の波形パターンは、周期TSの間に周波数fS1からfS2まで線形に単調増加する周期パターンを含む。本実施形態において、局部発振光408により搬送される光信号の波形パターンは、周期TLの間に周波数fL1からfL2まで線形に単調増加する周期パターンを含む。後方散乱光410などにより搬送される光信号の波形パターンは、周期TSの間に周波数fS1からfS2まで線形に単調増加する周期パターンを含む。本実施形態において、周期TSと、周期TLとは略同一である。

【0076】
本実施形態において、fS1及びfS2の差ΔfSの絶対値と、fL1及びfL2の差ΔfLの絶対値とが略同一である。また、試験信号光406により搬送される光信号に含まれる周期パターンの始点の出現時刻(例えば、t1である。)と、局部発振光408により搬送される光信号に含まれる周期パターンの始点の出現時刻(例えば、t2である。)との差Δtの絶対値は、(2Ln)/cと略同一である。

【0077】
これにより、局部発振光408により搬送される光信号に含まれる周期パターンの始点の出現時刻と、後方散乱光410などにより搬送される光信号に含まれる周期パターンの始点の出現時刻とが略同一になる。この場合、局部発振光408により搬送される光信号に含まれる周期パターンの周波数と、後方散乱光410などにより搬送される光信号に含まれる周期パターンの周波数との差fdは、t2からt2+TLの期間に渡って略同一である。

【0078】
そこで、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、周波数がfdである成分を分離することで、信号解析部180は、検査位置における光電界成分を連続的に測定することができる。同様に、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、fdを含む周波数帯の成分を分離することで、信号解析部180は、上記の検査位置を含む検査領域における光電界成分を連続的に測定することができる。

【0079】
図5は、変調光生成部120の出力信号の他の例を概略的に示す。図5に関連して説明される実施形態は、局部発振光408により搬送される光信号に含まれる周期パターンの始点の出現時刻がt1と、t2との間(つまり、t3である。)に位置する点で、図4に関連して説明された実施形態と相違する。上記の相違点以外について、図5に関連して説明される実施形態は、図4に関連して説明された実施形態と同様の構成を備えてよい。

【0080】
この場合、fdは、周期TLのうちの一部の期間(tONと称する場合がある。例えば、t2からt3+TLの期間である。)に渡って略同一である。そこで、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、周波数がfdである成分を分離することで、信号解析部180は、周期TLのうちのtONの期間に渡って、検査位置における光電界成分を連続的に測定することができる。同様に、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、fdを含む周波数帯の成分を分離することで、信号解析部180は、周期パターンTLのうちのtONの期間に渡って、上記の検査位置を含む検査領域における光電界成分を連続的に測定することができる。信号解析部180は、周期パターンTLの残りの期間(tOFFと称する場合がある。例えば、t3からt2の期間である。)のデータを破棄してもよい。

【0081】
図6は、変調光生成部120の出力信号のさらに他の例を概略的に示す。図6に関連して説明される実施形態は、試験信号光406により搬送される光信号に含まれる周期パターンの一部の領域の形状と、局部発振光408により搬送される光信号に含まれる周期パターンの一部の領域の形状とが略同一である点で、図4に関連して説明された実施形態と相違する。本実施形態において、局部発振光408により搬送される光信号の波形パターンは、周期TLの間に周波数fL1からfL2Dまで線形に単調増加する周期パターンを含む。上記の相違点以外について、図6に関連して説明される実施形態は、図4に関連して説明された実施形態と同様の構成を備えてよい。

【0082】
この場合、fdは、周期TLのうちの一部の期間(tONと称する場合がある。例えば、t2からt4の期間である。)に渡って略同一である。そこで、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、周波数がfdである成分を分離することで、信号解析部180は、周期TLのうちのtONの期間に渡って、検査位置における光電界成分を連続的に測定することができる。同様に、信号解析部180が、受光部160が検出したビート信号106から、fdを含む周波数帯の成分を分離することで、信号解析部180は、周期パターンTLのうちのtONの期間に渡って、上記の検査位置を含む検査領域における光電界成分を連続的に測定することができる。信号解析部180は、周期パターンTLの残りの期間(tOFFと称する場合がある。例えば、t4からt2+TLの期間である。)のデータを破棄してもよい。

【0083】
図7は、検査装置100における検査方法の一例を概略的に示す。検査装置100における検査方法は、測定方法の一例であってよい。本実施形態によれば、まず、ステップ702(ステップをSと省略する場合がある。)において、変調光生成部120が、試験信号光及び局部発振光を生成する。変調光生成部120は、試験信号光の周波数が第1周波数から第2周波数まで周期的に変化するように、試験信号光を生成してよい。変調光生成部120は、局部発振光の周波数が第3周波数から第4周波数まで周期的に変化するように、局部発振光を生成してよい。

【0084】
次に、S704において、光サーキュレータ140が、試験信号光を光ファイバ10に入射する。また、S706において、受光部160が、光サーキュレータ140を介して、光ファイバ10の内部の各位置からの後方散乱光などを受光する。S708において、受光部160が、後方散乱光などを検波して、後方散乱光などと、局部発振光とのビート信号を検出する。

【0085】
次に、S710において、信号解析部180が、ビート信号106を濾波して、特定の周波数成分を取り出す。これにより、光ファイバ10の内部の任意の点又は領域(つまり、検査位置又は検査領域である。)における光電界成分に関する情報が、連続的に出力される。その後、S712において、信号解析部180が、検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を解析して、検査位置又は検査領域における光ファイバ10の振動状態に関する情報を出力する。

【0086】
図8は、変調光生成部820の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、変調光生成部820は、試験信号光を発生させる光源826と、局部発振光を発生させる光源828と、光源826及び光源828を制御する光源制御部830とを備える点で、変調光生成部120と相違する。上記以外の相違点について、変調光生成部820は、変調光生成部120と同様の構成を備えてよい。変調光生成部820は、試験光生成部及び参照光生成部の一例であってよい。光源826は、試験光生成部の一例であってよい。光源828は、参照光生成部の一例であってよい。

【0087】
本実施形態において、光源826及び光源828のそれぞれは、出力光の周波数を連続的に掃引することができる光源であってよい。出力光の周波数を連続的に掃引することができる光源としては、DBRレーザ、多電極DFBレーザなどを例示することができる。本実施形態において、光源制御部830は、光源826に、特定の信号を搬送する試験信号光を発生させるための制御信号802を生成する。光源制御部830は、光源828に、特定の信号を搬送する局部発振光を発生させるための制御信号804を生成する。

【0088】
図9は、変調光生成部920の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、変調光生成部920は、光源122と、光変調部126と、変調制御部130と、光分岐部924と、調整部928とを備える点で、変調光生成部120又は変調光生成部820と相違する。上記以外の相違点について、変調光生成部920は、変調光生成部120又は変調光生成部820と同様の構成を備えてよい。変調光生成部920は、試験光生成部及び参照光生成部の一例であってよい。光変調部126及び光分岐部924は、試験光生成部の一例であってよい。調整部928は、参照光生成部の一例であってよい。

【0089】
本実施形態において、光源122は、光を発生させる。光変調部126は、光変調部126に入射した光を、変調制御部130からの変調信号102により変調することで、変調光を生成する。本実施形態において、光分岐部924には、光変調部126が生成した変調光が入射する。光分岐部924は、光変調部126が生成した変調光を、試験信号光として変調光生成部920から出力される光と、調整部928に入射する光とに分岐する。本実施形態において、調整部928は、調整部928に入射した光を調整して、局部発振光を生成する。一実施形態において、調整部928は、調整部928に入射した光を適宜遅延させて、局部発振光を生成する。他の実施形態において、調整部928は、調整部928に入射した光を適宜変調して、局部発振光を生成する。例えば、調整部928は、調整部928に入射した光を、変調制御部130からの変調信号104により変調することで、局部発振光を生成する。

【0090】
図10は、検査装置1000のシステム構成の一例を概略的に示す。検査装置1000は、複数の変調光生成部120及び複数の受光部160を備える点と、複数の変調光生成部120、複数の受光部160及び信号解析部180を制御する測定制御部1010を備える点とにおいて、検査装置100と相違する。上記以外の相違点について、検査装置100は、検査装置100と同様の構成を備えてよい。検査装置1000は、測定装置の一例であってよい。

【0091】
本実施形態において、複数の変調光生成部120のそれぞれは、周波数の異なる複数の試験信号光を生成する。複数の試験信号光は、光サーキュレータ140を介して、光ファイバ10に入射される。複数の受光部160のそれぞれは、対応する変調光生成部120が生成した試験信号光の後方散乱光などを受光する。複数の変調光生成部120の個数と、複数の受光部160の個数とは、同一であってもよく、異なってもよい。

【0092】
これにより、検査装置1000は、光ファイバ10の内部の複数の検査位置又は検査領域における光電界成分に関する情報を、連続的に取得することができる。また、検査装置1000は、光ファイバ10の内部の複数の検査位置又は検査領域における光ファイバ10の状態に関する各種の情報を取得することができる。

【0093】
本実施形態においては、検査装置1000が、複数の変調光生成部120を備える場合について説明した。しかしながら、検査装置1000は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、検査装置1000は、単一の変調光生成部120と、複数の光変調部128とを備えてもよい。

【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

【0095】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0096】
10 光ファイバ、100 検査装置、102 変調信号、104 変調信号、106 ビート信号、120 変調光生成部、122 光源、124 光分岐部、126 光変調部、128 光変調部、130 変調制御部、140 光サーキュレータ、160 受光部、180 信号解析部、202 I信号、204 I信号、212 Q信号、214 Q信号、222 偏波分離器、224 光90度ハイブリッド、226 光受信器、228 光受信器、242 偏波分離器、244 光90度ハイブリッド、246 光受信器、248 光受信器、322 A/D変換部、324 A/D変換部、342 A/D変換部、344 A/D変換部、350 デジタル信号処理部、352 濾波部、354 ダウンコンバート部、356 位相成分算出部、358 変動解析部、406 試験信号光、408 局部発振光、410 後方散乱光、802 制御信号、804 制御信号、820 変調光生成部、826 光源、828 光源、830 光源制御部、920 変調光生成部、924 光分岐部、928 調整部、1000 検査装置、1010 測定制御部
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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