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明細書 :センサ用流路機構

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2021-032659 (P2021-032659A)
公開日 令和3年3月1日(2021.3.1)
発明の名称または考案の名称 センサ用流路機構
国際特許分類 G01N  35/08        (2006.01)
G01N  37/00        (2006.01)
B01J  19/00        (2006.01)
FI G01N 35/08 A
G01N 37/00 101
B01J 19/00 321
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2019-152189 (P2019-152189)
出願日 令和元年8月22日(2019.8.22)
発明者または考案者 【氏名】山口 昌樹
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100118706、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 陽
【識別番号】100179578、【弁理士】、【氏名又は名称】野村 和弘
審査請求 未請求
テーマコード 2G058
4G075
Fターム 2G058DA07
4G075AA13
4G075AA39
4G075AA65
4G075DA02
4G075EE21
4G075FA12
4G075FA16
4G075FC20
要約 【課題】流路形成のための金型や特殊な印刷技術が不要であって、製造が容易なバイオセンサ用流路機構を提供することを目的とする。
【解決手段】センサ用流路機構は、撥水性の糸6と親水性の糸7とによって編まれており、前記親水性の糸7によって所定の流路9が形成されている。親水性の糸7は撥水性の糸6からなる布帛に刺繍されることにより所定の流路9が形成されていてもよい。また、親水性の糸7で形成された所定の流路9は、立体的な構造とされていてもよい。撥水性の糸6及び/又は前記親水性の糸7は化学的処理、物理処理又は材料自体の性質によって撥水性又は親水性が付与されていてもよい。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
撥水性の糸と親水性の糸とによって編まれており、前記親水性の糸によって所定の流路が形成されているセンサ用流路機構。
【請求項2】
前記親水性の糸は前記撥水性の糸からなる布帛に刺繍されることにより前記所定の流路が形成されている請求項1に記載のセンサ用流路機構。
【請求項3】
前記親水性の糸で形成された所定の流路は、立体的な構造とされている請求項1に記載のセンサ用流路機構。
【請求項4】
前記撥水性の糸及び/又は前記親水性の糸は、化学的処理、物理処理又は材料自体の性質によって撥水性又は親水性が付与されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ用流路機構。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、微量の流体制御が必要とされるセンサ用の流路機構に関する。
【背景技術】
【0002】
液体中に存在する物質の濃度測定には、バイオセンサやFETセンサ等、様々なセンサが用いられている。これらのセンサにおいては、検体を検知器へ運ぶための流路機構が重要な技術となる。例えば、バイオセンサは、目的物質のみを認識する分子認識素子と、認識したという情報を信号に変換する信号変換素子と、分子認識素子から信号変換素子へ検体を運ぶ流路機構とから構成される。このようなセンサにおいて、検体の量は極めて少量であることが多く、このため、少量の液体の流動を制御可能な流路機構が必要とされる。しかし、流路に流れる液体の量が少ないために、流路の断面積が小さくなり、寸法の3乗に比例する体積力(慣性力)に比べ、寸法の2乗に比例する表面力(粘性力)が支配的となり、流体抵抗が大きくなる。このため、マイクロシリンジポンプでは圧力が足らず、制御領域表面で直接駆動力を与えられる方法が有効となる。
【0003】
本発明者は、バイオセンサに用いることが可能なマイクロ流路機構を開発し、既に、特許出願を行っている(特許文献1、2)。特許文献1では、流路内に疎水性の凹部を設け、さらに、その疎水性の凹部に複数のピラーを設けることにより、少量の液体の流動を制御可能としている。また、特許文献2では、流路内に所定の凸部を設けることにより、液体が流れに対するピン止め効果を発現させることにより、液体の流れを制御可能としている。
【0004】
また、非特許文献1には、紙の毛管現象による液体の吸い上げを利用した、紙ベースのバイオセンサ用流路機構について記載されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2014-136205号公報
【特許文献2】特開2015-171754号公報
【0006】

【非特許文献1】T. Akyazi et al. Analytica Chimica Acta 1001 (2018) 1-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1、2に記載のセンサ用流路機構では、流路を所定の形状とするために、微細で精密な成型用の金型が必要となったり、精密機械加工技術が必要となったりしていた。このため、製造に手間がかかり、製造コストが高騰化するという問題が生じていた。
また、上記非特許文献1に記載のセンサ用流路機構では、基材に不織布である紙を用いることで毛管現象による液体の吸引をサンプル溶液の駆動メカニズムとしているため、流路の寸法精度の維持が困難で、高精度な分析を妨げていた。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、流路形成のための金型や機械加工技術や特殊な印刷技術が不要であって、流路の寸法精度の維持に優れ、製造が容易なセンサ用流路機構を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のセンサ用流路機構は、撥水性の糸と親水性の糸とによって編まれており、前記親水性の糸によって所定の流路が形成されている。
【0010】
前記親水性の糸は前記撥水性の糸からなる布帛に刺繍されることにより前記所定の流路が形成されていてもよい。
また、前記親水性の糸で形成された所定の流路は、立体的な構造とされていてもよい。
【0011】
さらには、前記撥水性の糸及び/又は前記親水性の糸は化学的処理、物理処理又は材料自体の性質によって撥水性又は親水性が付与されていてもよい。
【0012】
また、前記親水性の糸の太さ及び/又は前記親水性の糸の編み方、ステッチ(=ひと針の長さ)、糸密度,縫い目幅の何れか一つ以上が制御されていることが好ましい。こうであれば、流路を流れる液体に働く毛細管力を所定の値となるように制御することが容易となり、流路における液体の流れや流量を容易に制御することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、流路形成のための金型や機械加工技術や特殊な印刷技術が不要となり、単に撥水性の糸と親水性の糸とを編み分けることによって、容易にセンサ用流路機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1のセンサ用流路機構の製造工程を示す模式図である。
【図2】実施形態2のセンサ用流路機構の製造工程を示す模式図である。
【図3】実施形態3のセンサ用流路機構を示す分解斜視図である。
【図4】実施例1及び実施例2の流路機構の平面図である。
【図5】実施例1の流路機構の流路に液体が流れる様子を撮ったハイスピードカメラの写真である。
【図6】実施例2の流路機構の流路に液体が流れる様子を撮ったハイスピードカメラの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のセンサ用流路機構は、撥水性の糸と親水性の糸とによって編まれており、親水性の糸によって所定の流路が形成されている。ここで、「編まれている」とは撥水性の糸と親水性の糸とを用いて織布とする場合の他、撥水性の布帛に親水性の糸で刺繍を施す場合も含まれる概念である。したがって、撥水性の布帛に親水性の糸で刺繍を施して所定の流路を形成してもよい。

【0016】
本発明のセンサ用流路機構の製造においては、撥水性の糸と親水性の糸とによって編むことによって、親水性の糸によって所定の流路を形成する。コンピュータ制御された自動編み機等、既存の編み機技術を用いれば、所望の流路を容易に形成することができる。このため、微細で精密な成型用の金型や、精密な機械加工技術や、特殊な印刷技術が不要となり、製造が容易で製造コストも低廉となる。また、編むことによって安定な流路を確保できるため、流路の寸法精度の維持が優れたものとなる。

【0017】
また、立体編み機を用いて、3次元の流路を容易に形成することもできる。3次元の流路とした場合、2次元の流路と比較して、複雑な流路を高密度に集約して立体的に形成することが可能となる。このため、アッセイに必要なサンプル量をより少量とすることができ、センサを小型化したり、小さな領域に複数のセンサを構築したりすることが容易となる。

【0018】
撥水性や親水性の糸は、素材自体が撥水性や親水性を有する糸の他、糸に化学的処理や物理処理を施して、撥水性や親水性を付与しても良い。素材自体が親水性を有する糸としては、例えば綿糸、羊毛、ポリエステル等が挙げられる。また、素材自体が親水性を有する糸としてはフッ素樹脂やポリエチレンやポリプロピレンからなる糸等が挙げられる。糸にはカーボン繊維やガラス繊維等の無機繊維を用いても良い。また、糸の表面をプラズマ処理によって親水性にしたり、シランカップリング剤等の表面修飾剤によって疎水基や親水基を化学結合して撥水性や親水性を付与したり、フッ素系樹脂等の撥水性物質が分散された撥水処理剤を布帛表面に付着させたりしてもよい。さらには、糸の表面に超単パルスレーザと表面波干渉法を用いて微細な凹凸を付与すること等の方法によりロータス効果やバラ花弁効果を付与することで、撥水性を付与してもよい。

【0019】
本発明のセンサ用流路機構では、流路に液体を流すための動力として、毛細管力を利用することになる。毛細管力は寸法の2乗に比例する表面力に基づくため、流路の断面積が小さなセンサ用流路機構において、流体抵抗に抗して十分な送液のための駆動力を発揮できる。また、親水性の糸の太さや、編むときのピッチをコンピュータ制御された自動編み機で制御することは容易であり、これにより毛細管力を制御することも容易となる。このため、流路における液体の流れや流量を容易に制御することもできる。

【0020】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のセンサ用流路機構の製造工程を示す模式図である。撥水性の布帛1を用意し、親水性の糸2によって刺繍を施して流路3及び流路3の両端に円形の反応場4a、4bを形成する。こうして、実施形態1のセンサ用流路機構5を得る。

【0021】
こうして得られた実施形態1のセンサ用流路機構5では、例えば反応場4aに抗体Aを修飾しておき、抗原を含む測定液を反応場4aに滴下すると、抗原抗体反応により抗原が反応場4aによって所定量が固定される、そしてさらに滴下を行うと、固定化されなかった抗原が毛細管現象により親水性の糸2からなる流路3に流れて反応場4bに到達する。こうして反応場4bに到達した抗原を吸光度測定等により定量することにより、測定液中の抗原の濃度を知ることができる。
上記のバイオセンサによる抗原濃度のセンシングにおいては、流路における流速や流量を制御することが必要となるが、親水性の糸2の太さや刺繍における糸のピッチを制御することによって、流速や流量の制御を行うことができる。

【0022】
(実施形態2)
図2は、実施形態2のセンサ用流路機構の製造工程を示す模式図である。撥水性の糸6と親水性の糸7とを用意し、撥水性の糸6からなる撥水部8と、親水性の糸7からなる流路9及び流路9の両端に円形の反応場10a、10bとを編み分ける。こうして、実施形態2のセンサ用流路機構11を得る。

【0023】
こうして得られた実施形態2のセンサ用流路機構11では、実施形態1と同様の方法により、センサを構築することができる。こうして得られたセンサでは、流路9における流速や流量を制御することが必要となるが、撥水性の糸6及び親水性の糸7の太さ、刺繍における基材布の編み方(経(タテ)編や緯(ヨコ)編など),ステッチ,糸密度,縫い目幅,芯地の有無や材質を制御することによって、流速や流量を所望の値に調整することができる。

【0024】
(実施形態3)
図3は実施形態3のセンサ用流路機構を示す斜視図である。このセンサ用流路機構は、5枚の布帛12a,b,c,d,eが重なって構成されており、各布帛は撥水性の糸と親水性の糸とで編み分けられ、撥水性を示すエリアと親水性を示すエリアとに分かれている。そして、親水性を示すエリアは5枚の布帛12a,b,c,d,eを重ねることによって上下で重なり、A,B,C,D,E,F,Gの順に連続する親水性の3次元流路を形成している。
また、撥水性を示すエリアは親水性を示す流路をカバーし、蒸発を防ぐとともに、親水性を示すエリアどうしを分断する役割を担っている。また、BからCに至る流路の屈曲部では、流路を流れるサンプル液中の物質の分子量に応じたふるい分け効果によって、サンプル中の被測定物質と夾雑物質とを分離する役割を担うことができる。こうして夾雑物質が除去された検液はD及びEを通ってFにおいてセンシングが行われる。そしてさらに、Gを経て外部と連通するHに到達する。Hは流路機構が閉ループとならないための空気穴(開放口)としての役割を担う。

【0025】
この流路機構では、Aに血液や唾液などのサンプル溶液を滴下すると、親水糸部分のみをサンプル溶液が通り、A,C,D,E,F,Gの順に送液される。このような積層構造を取ることで、平面的な流路機構と比較して、複雑な流路を高密度に集約して立体的に形成することが可能となる。このため、アッセイに必要なサンプル量をより少量とすることができ、センサを小型化したり、小さな領域に複数のセンサを構築したりすることが容易となる。また、実施例2の流路機構と同様、撥水性の糸6及び親水性の糸7の太さ、刺繍における基材布の編み方(経(タテ)編や緯(ヨコ)編など),ステッチ,糸密度,縫い目幅,芯地の有無や材質を制御することによって、流速や流量を所望の値に調整することができる。

【0026】
<実施例>
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

【0027】
撥水性を有する繊維と親水性を有する繊維を編み分けることで、刺繍をするようにセンサ用流路機構を製造した。第一ステップとして、撥水処理を行った布に親水処理を行った糸を刺繍することで複数の槽とそれを繋ぐ流路からなる流路機構を形成し、送液を観察・評価した。親水/撥水処理は化学処理で行った。以下、詳述する。

【0028】
使用した材料と装置を以下に示す。
(材 料)
・刺繍糸:ウルトラポス(登録商標)刺繍糸、材質:ポリエステル (オゼキ株式会社製)
・布帛:シルキーテックス(登録商標)J8181、材質:ポリエステル (株式会社ホームクラフト製)
・接着芯:ワンタッチ接着芯 シール加工、材質:ポリエステル (藤久株式会社製)
・親水処理剤:パラソルブ(登録商標) PET (型番DX-2412、大原パラヂウム化学株式会社製 成分及び濃度は表1参照)

【0029】
【表1】
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【0030】
・撥水処理剤:スコッチガード(登録商標)品番SG-H300、スリーエム ジャパン株式会社 成分は表2参照)

【0031】
【表2】
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【0032】
(使用機器)
・多色回転ポット染色試験機 UR・MINI-COLOR V5 (株式会社テクサム技研)
・化学処理用ボビン
・業務用刺繍ミシン VR100 (表3、型番PRT5101、ブラザー工業株式会社)

【0033】
・刺繍データ作成ソフトウェア 刺繍PRO10 (ブラザー工業株式会社製)
・ハイスピードカメラ (表3参照、型番MEMRECAM HX-6、ナックイメージテクノロジー株式会社製)
・マイクロピペット

【0034】
【表3】
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【0035】
(製造方法)
(1)親水性の糸の調整
親水性の糸の調整は、以下の手順に従って糸を親水処理することにより行った。
1)流路機構を作製するのに十分な量の刺繍糸(ウルトラポス(登録商標)刺繍糸、材質:ポリエステル (オゼキ株式会社製))を推定し、化学処理用ボビンに巻き取った。
2)糸を巻き取ったボビンと元のボビンの重さから巻き取った糸の重さを計算した。
3)巻き取った糸の重さから、以下の経験式によって、使用する親水剤の量を決定した。
親水剤の使用量 (g) = 糸の重さ (g) × 0.06
4)巻き取った糸の重さから、以下の経験式により、処理に用いる全体の水量を求めた。
処理に用いる水量(g) = 糸の重さ (g) × 20
5)3)及び4)で計算した量にあわせて薬品及び水を多色回転ポット染色試験機の容器に加え糸を入れた。
6)5)で準備した容器を多色回転ポット染色試験機にセットし、容器を回転させながら40度で30分加熱した後、30度で10分間冷却を行った。
7)処理を行った糸を、恒温槽で乾燥させて親水処理された糸を得た。

【0036】
(2)布帛の撥水処理
布帛としてシルキーテックス(登録商標)J8181、材質:ポリエステル (株式会社ホームクラフト製)にスコッチガード(登録商標)品番SG-H300、スリーエム ジャパン株式会社)を液ダレせずにしっとり濡れる程度にスプレーし、20分程度乾燥させることにより、撥水性の布帛を得た。

【0037】
(3)流路機構の製造方法
1)刺繍データ作成ソフトウェアを使用して、作製する流路をCAD設計した。
2)設計した流路のCADデータを、刺繍ミシンに取り込んだ。
3)親水処理した刺繍糸を下糸用ボビンと上糸ボビンに巻き取り、両方を刺繍ミシンに設置した。
4)撥水処理した布に接着芯を裏地として取り付け補強した。この布を刺繍枠に張りミシンにセットした。
5)設計した流路の刺繍を、刺繍ミシンで行なった。
6)本評価には、5μL のサンプル溶液の送液を目標に設計した図4に示す実施例1及び実施例2の流路機構を作成した。

【0038】
(評 価)
・評価方法
実施例1及び実施例2の流路機構について、以下の手順により流路に液体が流れる様子をハイスピードカメラで観察した。なお、流れる液体の様子が判別しやすいように、純水に黒インクを加えたサンプル溶液 5 μL を用いた。
1)数秒の観察ができ、かつ流路機構の映像がはっきり見えるように、ハイスピードカメラのピント、明るさ、撮影速度等を調節した。
2)マイクロピペットで、サンプル溶液を槽1に 5 μL を滴下し、下記の条件でハイスピードカメラで動画を記録した。
実施例1:撮影速度 50 fps、フレームサイズ 1280 × 720 pixel、記録時間 120 秒
実施例2:撮影速度 50 fps、フレームサイズ 1920 × 1080 pixel、記録時間 54 秒
・結 果
実施例1における結果を図5に、実施例2における結果を図6に示す。これらの図から次のことが分かった。
1)実施例1及び実施例2ともに、親水処理した糸で作成した流路機構の流路部分のみにサンプル溶液が流れ、撥水処理した布にはみ出ることはなかった。
2)実施例1の流路機構では、4.5秒後に槽2 全体が黒く染まり、流路に沿っての送液が可能であることが分かった。
3)実施例2の流路機構では、表4に示すように平均送液速度 0.43~0.8 mm/s で送液され、流路に沿っての送液が可能であることが分かった。

【0039】
【表4】
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【0040】
本発明のセンサ用流路機構は、流路形成のための金型や機械加工技術や特殊な印刷技術が不要であって、糸を編み分けることにより容易に製造することができ、流路の寸法精度の維持に優れる。このため、センサに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0041】
1…撥水性の布帛、2,7…親水性の糸、3…流路、
4a,4b,10a,10b…反応場、5,11…センサ用流路機構、6…撥水性の糸、8…撥水部、9…流路、
12a,12b,12c,12d,12e…布帛

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5