TOP > 国内特許検索 > 容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置 > 明細書

明細書 :容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-194589 (P2019-194589A)
公開日 令和元年11月7日(2019.11.7)
発明の名称または考案の名称 容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置
国際特許分類 G01N  24/10        (2006.01)
G02B  21/30        (2006.01)
FI G01N 24/10 520A
G01N 24/10 520T
G02B 21/30
請求項の数または発明の数 17
出願形態 OL
全頁数 25
出願番号 特願2019-086354 (P2019-086354)
出願日 平成31年4月26日(2019.4.26)
優先権出願番号 2018085225
優先日 平成30年4月26日(2018.4.26)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】藤原 正澄
【氏名】湯川 博
【氏名】馬場 嘉信
出願人 【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100168583、【弁理士】、【氏名又は名称】前井 宏之
審査請求 未請求
テーマコード 2H052
Fターム 2H052AD24
2H052AD25
要約 【課題】電子スピン共鳴を用いた実験の効率を向上させる。
【解決手段】温度調整装置100は、光学顕微鏡に配置され、ステージ51と、第1加熱部61と、カバー7と、第2加熱部71と、温度制御部8とを備える。ステージ51は、容器1が載置されるように構成される。第1加熱部61は、光学顕微鏡の対物レンズ6を加熱する。カバー7は、容器1を覆う。第2加熱部71は、カバー7を加熱する。温度制御部8は、第1加熱部61と第2加熱部71とを制御する。容器1は、試料Mを収納する。容器1は、容器1の底面に配置されるガラス板13を備える。ガラス板13には、マイクロ波を試料Mに照射するアンテナ14が形成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
試料を収納する容器であって、
前記容器の底面に配置されるガラス板を備え、
前記ガラス板には、マイクロ波を前記試料に照射するアンテナが形成される、容器。
【請求項2】
前記アンテナは、蒸着によって前記ガラス板に形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記アンテナは、フォトリソグラフィによって前記ガラス板に形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
蓋を更に備え、
前記蓋は、前記容器を閉塞する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記アンテナに前記マイクロ波を伝送する第1導線と、
前記アンテナに前記マイクロ波を伝送し、前記第1導線と相違する第2導線と
を更に備え、
前記第1導線の一方端は、前記アンテナの一方端に接続され、
前記第2導線の一方端は、前記アンテナの他方端に接続される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記第1導線及び前記第2導線の各々は、薄板状に形成され、
前記第1導線の一方端の幅は、前記アンテナの一方端の幅と略同一であり、
前記第2導線の一方端の幅は、前記アンテナの他方端の幅と略同一である、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記第1導線の長手方向の中心線は、直線状であり、
前記第1導線の幅方向の両端部の各々は、前記第1導線の長手方向に直線状に形成され、
前記第2導線の長手方向の中心線は、直線状であり、
前記第2導線の幅方向の両端部の各々は、前記第2導線の長手方向に直線状に形成される、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記第1導線の他方端は、第1同軸ケーブルの一方端に接続され、
前記第2導線の他方端は、前記第1同軸ケーブルと相違する第2同軸ケーブルの一方端に接続され、
前記第1同軸ケーブルの他方端と、前記第2同軸ケーブルの他方端とは、マイクロ波発生器に接続され、
前記マイクロ波発生器は、前記マイクロ波を出力する、請求項6又は請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記第1導線の他方端と前記第1同軸ケーブルの一方端とは、第1コネクタを介して接続され、
前記第2導線の他方端と前記第2同軸ケーブルの一方端とは、前記第1コネクタと相違する第2コネクタを介して接続され、
前記第1導線の他方端の幅は、前記第1コネクタの電極の幅と略同一に形成され、
前記第2導線の他方端の幅は、前記第2コネクタの電極の幅と略同一に形成される、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記第1導線の他方端と前記第1コネクタの電極とは、圧着されて接続され、
前記第2導線の他方端と前記第2コネクタの電極とは、圧着されて接続される請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記第1導線の他方端と前記第1コネクタの電極とは、銀ペーストによって接続され、
前記第2導線の他方端と前記第2コネクタの電極とは、銀ペーストによって接続される、請求項9又は請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記アンテナは、共振構造を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
前記アンテナに前記マイクロ波を伝送する導線を更に備え、
前記アンテナは、前記導線と対向して配置される、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記アンテナは、
前記導線に対して一方側に配置される第1導電部と、
前記導線に対して他方側に配置される第2導電部と
を有する、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記アンテナは、前記導線の延びる方向と平行に延びた形状を有している、請求項13又は請求項14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の容器が載置されるように構成されたステージと、
対物レンズを加熱又は冷却する第1加熱冷却部と、
前記容器を覆うカバーと、
前記カバーを加熱又は冷却する第2加熱冷却部と、
前記第1加熱冷却部と前記第2加熱冷却部とを制御する温度制御部と
を備える、光学顕微鏡の温度調整装置。
【請求項17】
マイクロ波を出力するマイクロ波発生器と、
前記マイクロ波を前記アンテナに伝送する同軸ケーブルと、
前記同軸ケーブルの端部に接続されたコネクタと、
前記コネクタを支持する支持部材と
を更に備え、
前記支持部材は、前記ステージに固定される、請求項16に記載の光学顕微鏡の温度調整装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電子スピン共鳴を用いた実験に用いる容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の顕微鏡には、金属製のステージの中央部に、ガラス板が配置される。また、ガラス板の上面には、例えば、ガラス製のペトリディシュ型の培養容器が載置される。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2009-300841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の顕微鏡では、アンテナの位置を調整するために、時間を要する可能性がある。例えば、電子スピン共鳴(EPR:Electron Paramagnetic Resonance)による検出を実行するためには、試料にマイクロ波を照射する必要がある。また、試料にマイクロ波を的確に照射するためには、アンテナの位置を調整する必要がある。よって、アンテナの位置を調整するために、時間を要する可能性がある。したがって、電子スピン共鳴を用いた実験の効率が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電子スピン共鳴を用いた実験の効率を向上可能な容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器は、試料を収納する。前記容器は、前記容器の底面に配置されるガラス板を備える。前記ガラス板には、マイクロ波を前記試料に照射するアンテナが形成される。
【0007】
本発明に係る容器において、前記アンテナは、蒸着によって前記ガラス板に形成されることが好ましい。
【0008】
本発明に係る容器において、前記アンテナは、フォトリソグラフィによって前記ガラス板に形成されることが好ましい。
【0009】
本発明に係る容器は、蓋を更に備えることが好ましい。前記蓋は、前記容器を閉塞することが好ましい。
【0010】
本発明に係る容器は、第1導線と、第2導線とを更に備えることが好ましい。前記第1導線は、前記アンテナに前記マイクロ波を伝送することが好ましい。前記第2導線は、前記アンテナに前記マイクロ波を伝送し、前記第1導線と相違することが好ましい。前記第1導線の一方端は、前記アンテナの一方端に接続されることが好ましい。前記第2導線の一方端は、前記アンテナの他方端に接続されることが好ましい。
【0011】
本発明に係る容器は、前記第1導線及び前記第2導線の各々が、薄板状に形成されることが好ましい。前記第1導線の一方端の幅は、前記アンテナの一方端の幅と略同一であることが好ましい。前記第2導線の一方端の幅は、前記アンテナの他方端の幅と略同一であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る容器は、前記第1導線の他方端が、第1同軸ケーブルの一方端に接続されることが好ましい。前記第2導線の他方端は、前記第1同軸ケーブルと相違する第2同軸ケーブルの一方端に接続されることが好ましい。前記第1同軸ケーブルの他方端と、前記第2同軸ケーブルの他方端とは、マイクロ波発生器に接続されることが好ましい。前記マイクロ波発生器は、前記マイクロ波を出力することが好ましい。
【0013】
本発明に係る容器は、前記第1導線の他方端と前記第1同軸ケーブルの一方端とは、第1コネクタを介して接続されることが好ましい。前記第2導線の他方端と前記第2同軸ケーブルの一方端とは、前記第1コネクタと相違する第2コネクタを介して接続されることが好ましい。前記第1導線の他方端の幅は、前記第1コネクタの電極の幅と略同一に形成されることが好ましい。前記第2導線の他方端の幅は、前記第2コネクタの電極の幅と略同一に形成されることが好ましい。
【0014】
本発明に係る容器は、前記第1導線の長手方向の中心線が、直線状であることが好ましい。前記第1導線の幅方向の両端部の各々は、前記第1導線の長手方向に直線状に形成されることが好ましい。前記第2導線の長手方向の中心線は、直線状であることが好ましい。前記第2導線の幅方向の両端部の各々は、前記第1導線の長手方向に直線状に形成されることが好ましい。
【0015】
本発明に係る容器は、前記第1導線の他方端と前記第1コネクタの電極とは、圧着されて接続されることが好ましい。前記第2導線の他方端と前記第2コネクタの電極とは、圧着されて接続されることが好ましい。
【0016】
本発明に係る容器は、前記第1導線の他方端と前記第1コネクタの電極とは、銀ペーストによって接続されることが好ましい。前記第2導線の他方端と前記第2コネクタの電極とは、銀ペーストによって接続されることが好ましい。
【0017】
本発明に係る容器において、前記アンテナは、共振構造を有する。
【0018】
本発明に係る容器は、前記アンテナに前記マイクロ波を伝送する導線を更に備え、前記アンテナは、前記導線と対向して配置される。
【0019】
本発明に係る容器において、前記アンテナは、前記導線に対して一方側に配置される第1導電部と、前記導線に対して他方側に配置される第2導電部とを有する。
【0020】
本発明に係る容器において、前記アンテナは、前記導線の延びる方向と平行に延びた形状を有している。
【0021】
本発明に係る光学顕微鏡の温度調整装置は、ステージと、第1加熱冷却部と、カバーと、第2加熱冷却部と、温度制御部とを備える。前記ステージは、前記容器が載置されるように構成される。前記第1加熱冷却部は、対物レンズを加熱又は冷却する。前記カバーは、前記容器を覆う。前記第2加熱冷却部は、前記カバーを加熱又は冷却する。前記温度制御部は、前記第1加熱冷却部と前記第2加熱冷却部とを制御する。
【0022】
本発明に係る光学顕微鏡の温度調整装置は、マイクロ波発生器と、同軸ケーブルと、コネクタと、支持部材とを更に備えることが好ましい。前記マイクロ波発生器は、マイクロ波を出力することが好ましい。前記同軸ケーブルは、前記マイクロ波を前記アンテナに伝送することが好ましい。前記コネクタは、前記同軸ケーブルの端部に接続されることが好ましい。前記支持部材は、前記コネクタを支持することが好ましい。前記支持部材は、前記ステージに固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置によれば、電子スピン共鳴を用いた実験の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る容器の構成の一例を示す図である。(a)は、容器の構成の一例を示す側面図である。(b)は、容器の構成の一例を示す底面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る容器の構成の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る容器の構成の一例を示す図である。(a)は、容器の構成の一例を示す側面図である。(b)は、容器の構成の一例を示す底面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る温度調整装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るステージの一例を示す斜視図である。
【図6】ステージの一例を示す分解斜視図である。
【図7】ステージの一例を示す斜視図である。
【図8】温度調整装置による温度の制御結果の一例を示すグラフである。
【図9】実験結果の一例を示すグラフである。(a)は、光検出スピン共鳴スペクトルの一例を示すグラフである。(b)は、光検出スピン共鳴スペクトルのピーク値の温度依存性の一例を示すグラフである。
【図10】実験結果の一例を示すグラフである。(a)は、S11値の強度分布の一例を示すグラフである。(b)は、S21値の強度分布の一例を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態に係る容器の構成の一例を示す図である。(a)は、容器の構成の一例を示す底面図であり、(b)は、アンテナの構成を示す模式図である。
【図12】本発明の実施形態に係る容器の構成の一例を示す平面図である。
【図13】(a)は、図1に示した容器において発生する磁場分布を示す図であり、(b)は、図1に示した容器において発生する磁場の強度を示すグラフであり、(c)は、(b)の領域R1を拡大したグラフである。
【図14】(a)は、図11に示した容器において発生する磁場分布を示す図であり、(b)は、図11に示した容器において発生する磁場の強度を示すグラフであり、(c)は、(b)の領域R2を拡大したグラフである。
【図15】(a)は、図1に示した容器における電場分布の一例を示す図であり、(b)は、図11に示した容器における電場分布の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1~図15)を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。

【0026】
まず、図1を参照して本発明の実施形態に係る容器1の構成について説明する。図1は、容器1の構成の一例を示す図である。図1(a)は、容器1の構成の一例を示す側面図である。図1(b)は、容器1の構成の一例を示す底面図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、容器1は、容器本体11と、蓋12と、ガラス板13と、アンテナ14と、導線15とを備える。容器1は、図略の試料Mを収納する。試料Mは、例えば細胞である。

【0027】
容器本体11は、有底の円筒状に形成される。容器本体11は、樹脂で形成される。容器本体11は、例えばポリスチレンで形成される。容器本体11の直径は、例えば35mmである。容器本体11には、孔111が形成される。孔111は、容器本体11の底面の中央部に円形状に形成される。孔111の直径は、例えば10mmである。

【0028】
蓋12は、容器1を閉塞する。蓋12は、容器本体11の上部に載置される。蓋12は、容器本体11の上面の開口を覆う。蓋12は、容器本体11に着脱自在である。蓋12は、樹脂で形成される。蓋12は、例えばポリスチレンで形成される。

【0029】
ガラス板13は、矩形の板状に形成される。ガラス板13は、例えば、正方形の板状に形成される。ガラス板13は、容器本体11の底面に固定される。ガラス板13は、容器本体11の底面に、例えば接着剤で固定される。ガラス板13は、孔111を覆う。ガラス板13の中央部に孔111が位置するように、ガラス板13は容器本体11の底面に固定される。ガラス板13の上面には、試料Mが載置される。ガラス板13の厚みは、例えば0.17mmである。ガラス板13の一辺の長さは、例えば20mmである。

【0030】
アンテナ14は、ガラス板13に形成される。アンテナ14は、例えばガラス板13の上面に形成される。アンテナ14は、マイクロ波を試料Mに照射する。アンテナ14は、孔111の中心を通るように配置される。

【0031】
ここでは、アンテナ14は、直線状に延びる。アンテナ14は、孔111の一方端(左端)から孔111の他方端(右端)まで形成される。アンテナ14は、例えば直線状に形成される。アンテナ14の幅は、例えば25μmである。アンテナ14の幅が比較的細いことにより、広範囲の周波数のマイクロ波をアンテナ14に供給できる。例えば、アンテナ14は、金属から形成される。一例では、アンテナ14は、銅で形成される。アンテナ14は、蒸着によってガラス板13に形成される。具体的には、アンテナ14は、フォトリソグラフィによってガラス板13に形成される。

【0032】
導線15は、アンテナ14にマイクロ波を伝送する。導線15は、薄板状に形成される。導線15の一部は、図1(a)に示すように、ガラス板13の上面と容器本体11の底面との間に配置される。導線15の一部は、導線15のうちのガラス板13で覆われる部分を示す。導線15は、例えば銅で形成される。

【0033】
導線15は、第1導線151と、第2導線152とを有する。第2導線152は、第1導線151と相違する。第1導線151の一方端(例えば、右端)は、アンテナ14の一方端(例えば、左端)に接続される。第2導線152の一方端(例えば、左端)は、アンテナ14の他方端(例えば、右端)に接続される。

【0034】
以上、図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、ガラス板13には、マイクロ波を試料Mに照射するアンテナ14が形成される。よって、アンテナ14の位置を調整する必要がない。したがって、電子スピン共鳴を用いた実験の効率を向上できる。また、アンテナ14の位置を調整するために蓋12を開ける必要がない。したがって、試料Mにコンタミネ-ションが発生することを抑制できる。

【0035】
また、アンテナ14は、蒸着によってガラス板13に形成される。したがって、所望する形状のアンテナ14を容易に形成できる。

【0036】
また、アンテナ14は、フォトリソグラフィによってガラス板13に形成される。したがって、所望する形状のアンテナ14を更に容易に形成できる。

【0037】
また、蓋12は容器1を密閉する。したがって、試料Mにコンタミネ-ションが発生することを抑制できる。

【0038】
また、第1導線151の一方端は、アンテナ14の一方端に接続され、第2導線152の一方端は、アンテナ14の他方端に接続される。したがって、第1導線151及び第2導線152を介してアンテナ14にマイクロ波を供給できる。

【0039】
なお、本発明の実施形態では、アンテナ14がガラス板13の上面に形成されるが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14がガラス板13に形成されればよい。アンテナ14が、例えば、ガラス板13の下面に形成されてもよい。この場合には、ガラス板13を、容器本体11の底面に容易に固定できる。

【0040】
また、本発明の実施形態では、アンテナ14が銅で形成されるが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14が導電体で形成されればよい。例えば、アンテナ14が銀で形成されてもよい。また、アンテナ14が金で形成されてもよい。

【0041】
また、本発明の実施形態では、アンテナ14が直線状に形成されるが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14の形状は、試料Mに照射するマイクロ波の強度、及び周波数と、量子計測の測定モードと、試料Mのサイズとに応じて決定すればよい。なお、量子計測の測定モードは、温度測定モード、磁場測定モード、及び電場測定モードを含む。

【0042】
次に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る容器1の構成について更に説明する。図2は、容器1の構成の一例を示す平面図である。図2に示すように、第1導線151の他方端(左端)は、第1コネクタ21の電極211に接続され、第2導線152の他方端(右端)は、第2コネクタ22の電極221に接続される。具体的には、第1導線151の他方端は、第1コネクタ21の電極211に圧着されて接続される。また、第2導線152の他方端は、第2コネクタ22の電極221に圧着されて接続される。

【0043】
第1コネクタ21は、第1同軸ケーブル31の一方端に接続される。すなわち、第1導線151の他方端は、第1同軸ケーブル31の一方端と、第1コネクタ21を介して接続される。第2コネクタ22は、第2同軸ケーブル32の一方端に接続される。すなわち、第2導線152の他方端は、第2同軸ケーブル32の一方端と、第2コネクタ22を介して接続される。このため、マイクロ波の透過特性を示すS21値を取得することにより、アンテナ14から照射されるマイクロ波の強度をマイクロ波の周波数に応じて取得できる。なお、以下の説明において、第1コネクタ21と第2コネクタ22とをコネクタ2と総称する場合がある。コネクタ2は、例えばSMAコネクタである。すなわち、コネクタ2は、MIL-PRF-39012に規定されたSMA形(Sub Miniature TypeA)に準拠して作られたコネクタである。

【0044】
第1同軸ケーブル31の他方端と、第2同軸ケーブル32の他方端とはマイクロ波発生器に接続される。マイクロ波発生器は、マイクロ波を出力する。マイクロ波発生器については、後述にて図4を参照して詳細に説明する。以下の説明において、第1同軸ケーブル31と第2同軸ケーブル32とを同軸ケーブル3と総称する場合がある。

【0045】
第1導線151の一方端(右端)は、アンテナ14の一方端(左端)に接続される。また、第1導線151の一方端の幅がアンテナ14の一方端の幅と同一になるように、第1導線151が形成される。本発明の実施形態では、アンテナ14の幅は、25μmである。そこで、第1導線151の一方端の幅は、25μmである。

【0046】
第2導線152の一方端(左端)は、アンテナ14の他方端(右端)に接続される。また、第2導線152の一方端の幅がアンテナ14の他方端の幅と同一になるように、第2導線152が形成される。本発明の実施形態では、アンテナ14の幅は、25μmである。そこで、第2導線152の一方端の幅は、25μmである。

【0047】
第1導線151の他方端(左端)の幅が第1コネクタ21の電極211の幅と同一になるように、第1導線151が形成される。本発明の実施形態では、第1コネクタ21の電極211の幅は、例えば1mmである。そこで、第1導線151の他方端の幅は、1mmに形成される。

【0048】
第2導線152の他方端(右端)の幅が第2コネクタ22の電極221の幅と同一になるように、第2導線152が形成される。本発明の実施形態では、第2コネクタ22の電極221の幅は、例えば1mmである。よって、第2導線152の他方端の幅は、1mmに形成される。

【0049】
第1導線151の長手方向(左右方向)の中心線は、直線状である。第1導線151の幅方向(上下方向)の両端部の各々は、第1導線151の長手方向に直線状に形成される。すなわち、第1導線151は、台形状に形成される。なお、台形の高さ方向(左右方向)は、台形の幅方向(上下方向)と比較して長い。

【0050】
第2導線152の長手方向(左右方向)の中心線は、直線状である。第2導線152の幅方向(上下方向)の両端部の各々は、第2導線152の長手方向に直線状に形成される。すなわち、第2導線152は、台形状に形成される。なお、台形の高さ方向(左右方向)は、台形の幅方向(上下方向)と比較して長い。

【0051】
以上、図1及び図2を参照して説明したように、第1導線151の一方端の幅がアンテナ14の一方端の幅と同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の一方端の幅がアンテナ14の他方端の幅と同一になるように、第2導線152が形成される。よって、アンテナ14の一方端と第1導線151の一方端との接続部、及びアンテナ14の他方端と第2導線152の一方端との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。したがって、アンテナ14にマイクロ波を効率的に供給できる。

【0052】
また、第1導線151の他方端は、第1同軸ケーブル31の一方端に接続され、第2導線152の他方端は、第2同軸ケーブル32の一方端に接続される。また、第1同軸ケーブル31の他方端と、第2同軸ケーブル32の他方端とはマイクロ波発生器に接続される。したがって、第1同軸ケーブル31及び第2同軸ケーブル32を介して、マイクロ波発生器からのマイクロ波を第1導線151及び第2導線152に伝送できる。

【0053】
また、第1導線151の他方端の幅が第1コネクタ21の電極211の幅と同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の他方端の幅が第2コネクタ22の電極221の幅と同一になるように、第2導線152が形成される。よって、第1導線151の他方端と第1コネクタ21との接続部、及び第2導線152の他方端と第2コネクタ22との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。したがって、アンテナ14にマイクロ波を更に効率的に供給できる。

【0054】
また、第1導線151の幅方向の両端部の各々は、第1導線151の長手方向に直線状に形成され、第2導線152の幅方向の両端部の各々は、第2導線152の長手方向に直線状に形成される。よって、第1導線151及び第2導線152の各々におけるマイクロ波の伝送損出を更に低減できる。したがって、アンテナ14にマイクロ波を更に効率的に供給できる。

【0055】
また、第1導線151の他方端と第1コネクタ21の電極211とは、圧着されて接続され、第2導線152の他方端と第2コネクタ22の電極221とは、圧着されて接続される。よって、第1導線151の他方端と第1コネクタ21の電極211との着脱が容易であり、第2導線152の他方端と第2コネクタ22の電極221との着脱が容易である。したがって、電子スピン共鳴を用いた実験の効率を更に向上できる。

【0056】
なお、本発明の実施形態では、第1導線151と第1コネクタ21の電極211とが、圧着されて接続され、第2導線152と第2コネクタ22の電極221とが、圧着されて接続されるが、本発明はこれに限定されない。第1導線151と第1コネクタ21の電極211とが、着脱自在に接続され、第2導線152と第2コネクタ22の電極221とが、着脱自在に接続されればよい。

【0057】
例えば、第1導線151と第1コネクタ21の電極211とが、銀ペーストによって接続され、第2導線152と第2コネクタ22の電極221とが、銀ペーストによって接続されてもよい。この場合には、第1導線151と第1コネクタ21の電極211との接続部、及び第2導線152と第2コネクタ22の電極221との接続部の各々におけるマイクロ波の伝送損出を更に低減できる。したがって、アンテナ14にマイクロ波を更に効率的に供給できる。

【0058】
また、本発明の実施形態では、第1導線151の一方端の幅がアンテナ14の一方端の幅と同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の一方端の幅がアンテナ14の他方端の幅と同一になるように、第2導線152形成されるが、本発明はこれに限定されない。第1導線151の一方端の幅がアンテナ14の一方端の幅と略同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の一方端の幅がアンテナ14の他方端の幅と略同一になるように、第2導線152が形成されればよい。第1導線151の一方端の幅とアンテナ14の一方端の幅との差が小さい程、アンテナ14の一方端と第1導線151の一方端との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。第2導線152の一方端の幅とアンテナ14の他方端の幅との差が小さい程、アンテナ14の一方端と第1導線151の一方端との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。

【0059】
また、本発明の実施形態では、第1導線151の他方端の幅が第1コネクタ21の電極211の幅と同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の他方端の幅が第2コネクタ22の電極221の幅と同一になるように、第2導線152が形成されるが、本発明はこれに限定されない。第1導線151の他方端の幅が第1コネクタ21の電極211の幅と略同一になるように、第1導線151が形成され、第2導線152の他方端の幅が第2コネクタ22の電極221の幅と略同一になるように、第2導線152が形成されればよい。第1導線151の他方端の幅と第1コネクタ21の電極211の幅との差が小さい程、第1導線151の他方端と第1コネクタ21との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。第2導線152の他方端の幅と第2コネクタ22の電極221の幅と幅との差が小さい程、第2導線152の他方端と第2コネクタ22との接続部におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。

【0060】
また、本発明の実施形態では、第1コネクタ21の電極211の幅、及び第2コネクタ22の電極221の幅は、1mmであるが、本発明はこれに限定されない。第1コネクタ21の電極211の幅とアンテナ14の幅との差が小さい程、第1導線151におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。第2コネクタ22の電極221の幅とアンテナ14の幅との差が小さい程、第2導線152におけるマイクロ波の伝送損出を低減できる。

【0061】
次に、図1~図3を参照して、本発明の他の実施形態に係る容器1の構成について更に説明する。図1に示す容器1の容器本体11が有底の円筒状であるのに対して、図3に示す容器1の容器本体11が円筒状である点で相違している。以下の説明では、図1に示す容器1と相違する点について主に説明する。

【0062】
図3に示すように、容器1は、容器本体11と、蓋12と、ガラス板13と、アンテナ14と、導線15とを備える。

【0063】
容器本体11は、円筒状に形成される。容器本体11の直径は、例えば10mmである。ガラス板13は、矩形状に形成される。ガラス板13の厚みは、例えば0.17mmである。ガラス板13の一辺の長さは、例えば20mmである。容器本体11は、ガラス板13の中央部に配置される。

【0064】
アンテナ14は、ガラス板13の上面に形成される。アンテナ14は、容器本体11の中心を通るように配置される。アンテナ14は、容器本体11の一方端(左端)から容器本体11の他方端(右端)まで形成される。アンテナ14は、例えば直線状に形成される。

【0065】
導線15の一部は、ガラス板13の上面に配置される。導線15の一部は、導線15のうちのガラス板13での上面に配置される部分を示す。

【0066】
以上、図3を参照して説明したように、本発明の実施形態では、容器1の容器本体11は、円筒状に形成される。したがって、図1に示す容器1と比較して簡素な構成で、容器1を形成できる。

【0067】
また、容器1は、図1に示す容器1と比較して小さい。具体的には、図1に示す容器1の容器本体11の直径が35mmであるのに対して、容器1の容器本体11の直径が10mmである。よって、容器1の内部の気体の体積を削減できる。したがって、試料Mにコンタミネ-ションが発生することを抑制できる。

【0068】
なお、図1~図3を参照した説明では、アンテナ14の両端は、第1導線151及び第2導線152に接続されるとともに、第1導線151は第1コネクタ21の電極211に接続され、第2導線152は第2コネクタ22の電極221に接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。アンテナ14の一方端が導線15に接続される一方で、アンテナ14の他方端が導線15に接続されなくてもよい。この場合でも、アンテナ14の一方端に接続された導線15は同軸ケーブルを介してマイクロ波発生器に接続される。このため、同軸ケーブルを介して、マイクロ波発生器からのマイクロ波を導線15に伝送できる。また、マイクロ波の反射特性を示すS11値を取得することにより、アンテナ14から照射されるマイクロ波の強度をマイクロ波の周波数に応じて取得できる。

【0069】
次に、図1、図2及び図4を参照して、本発明の実施形態に係る温度調整装置100について説明する。図4は、温度調整装置100の一例を示す図である。図4に示すように、温度調整装置100は、容器1と、同軸ケーブル3と、マイクロ波発生器4と、ステージ51と、ステージ駆動部5と、第1加熱部61と、カバー7と、第2加熱部71と、温度調整部8と、光センサ9とを備える。容器1には、アンテナ14が配置されている。温度調整装置100は、光学顕微鏡に配置される。

【0070】
同軸ケーブル3は、アンテナ14にマイクロ波を伝送する。同軸ケーブル3と、アンテナ14とは、図2に示すコネクタ2を介して接続される。

【0071】
マイクロ波発生器4は、マイクロ波を発生する。マイクロ波の周波数は、例えば3GHzである。マイクロ波発生器4によって発生されたマイクロ波は、同軸ケーブル3によってアンテナ14に伝送される。そして、マイクロ波は、アンテナ14から試料Mに照射される。

【0072】
ステージ51には、容器1が載置される。ステージ51は水平方向に移動可能に構成される。ステージ駆動部5は、図略のモータを備え、ステージ51を駆動する。ステージ51は、例えば、測定位置と待機位置との間を移動可能に構成される。「測定位置」は、容器1が対物レンズ6の直上に位置するようなステージ51の位置を示す。「待機位置」は、ステージ51に載置された容器1が別の容器1に取り換えられるようなステージ51の位置を示す。すなわち、ステージ51を測定位置に移動して、試料Mにマイクロ波を照射しながら光学顕微鏡で試料Mを観察する。そして、試料Mの観察が終了した後に、別の試料Mを観察するために、ステージ51を待機位置に移動して、容器1を、別の試料Mが収納された別の容器1に取り換える。

【0073】
対物レンズ6は、光学顕微鏡の一部を構成する。容器1に収納された試料Mを観察する際に、対物レンズ6は、容器1の裏面に近接して配置される。蛍光励起レーザー光は、対物レンズ6を通して、試料Mに照射される。また、対物レンズ6は、蛍光を集光する。

【0074】
第1加熱部61は、対物レンズ6を加熱する。第1加熱部61は、例えばセラミックヒータで構成される。第1加熱部61は、「第1加熱冷却部」の一例に相当する。

【0075】
光センサ9は、対物レンズ6によって集光された蛍光の強度を検出する。光センサ9は、例えばフォトダイオードのような光電センサで構成される。

【0076】
カバー7は、容器1を覆う。カバー7は、箱状に形成され、容器1に被せられる。カバー7は、熱伝導性の良好な材料で形成される。カバー7は、例えばジュラルミンで形成される。

【0077】
第2加熱部71は、カバー7を加熱する。第2加熱部71は、例えばセラミックヒータで構成される。第2加熱部71は、「第2加熱冷却部」の一例に相当する。カバー7の内部には、図略の温度センサSが配置される。温度センサSは、例えば100Ωの白金抵抗温度計である。

【0078】
温度調整部8は、プロセッサー及び記憶部を備える。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)を備える。記憶部は、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部は、制御プログラムを記憶している。プロセッサーは、制御プログラムを実行することによって、容器1の温度を制御する。具体的には、温度調整部8は、温度センサSの検出結果に基づき、第1加熱部61及び第2加熱部71を制御する。

【0079】
以上、図1、図2及び図4を参照して説明したように、容器1はステージ51に載置され、カバー7に覆われる。第2加熱部71は、カバー7を加熱する。第1加熱部61は、対物レンズ6を加熱する。温度調整部8は、第1加熱部61及び第2加熱部71を制御する。したがって、容器1を所望する温度に制御することができる。

【0080】
また、カバー7の内部には、図略の温度センサSが配置される。温度調整部8は、温度センサSの検出結果に基づき、第1加熱部61及び第2加熱部71を制御する。したがって、容器1の温度を更に正確に制御できる。

【0081】
なお、本発明の実施形態では、温度調整装置100が第1加熱部61及び第2加熱部71を備えるが、本発明はこれに限定されない。温度調整装置100が、対物レンズ6を加熱又は冷却する第1加熱冷却部と、カバー7を加熱又は冷却する第2加熱冷却部とを備えればよい。例えば、温度調整装置100が、対物レンズ6を冷却する第1冷却部と、カバー7を冷却する第2冷却部とを備えてもよい。第1冷却部及び第2冷却部の各々は、例えばペルチェ素子で構成される。この場合には、温度調整装置100は、容器1を室温以下の温度に制御できる。

【0082】
また、本発明の実施形態では、マイクロ波発生器4は、周波数が3GHzのマイクロ波を発生するが、本発明はこれに限定されない。マイクロ波発生器4が発生するマイクロ波の周波数は、量子計測の測定モードに応じて決定すればよい。

【0083】
次に、図4~図7を参照して、本発明の実施形態に係るステージ51について更に説明する。図5は、ステージ51の一例を示す斜視図である。図5は、上方からステージ51を見た斜視図である。図6は、ステージ51の一例を示す分解斜視図である。図7は、ステージ51の一例を示す斜視図である。図7は、下方からステージ51を見た斜視図である。なお、図5~図7では、便宜上、ガラス板13、アンテナ14及び導線15の記載を省略している。図5~図7に示すように、ステージ51は、支持部材52を備える。また、図6及び図7に示すように、ステージ51は、通光孔511を更に備える。

【0084】
図6及び図7に示すように、通光孔511は、円形に形成されている。通光孔511は、図4に示す対物レンズ6から蛍光励起レーザー光を試料Mに照射するように形成される。すなわち、通光孔511は、対物レンズ6と容器1との間に形成される。容器1は、通光孔511の直上に載置される。通光孔511の直径は、容器1の直径未満である。通光孔511の直径は、例えば20mmである。

【0085】
支持部材52は、ステージ51に固定される。ステージ51は、図4に示すステージ駆動部5によって方向D1に移動される。方向D1は、ステージ51の移動方向を示す。支持部材52は、ステージ51から方向D2に突出して形成される。方向D2は、方向D1と直交する方向を示す。方向D1と方向D2とは水平方向を示す。支持部材52は、コネクタ2を支持する。支持部材52は、第1支持部材521と第2支持部材522とを有する。第1支持部材521は、第1コネクタ21を支持する。第2支持部材522は、第2コネクタ22を支持する。

【0086】
具体的には、図7に示すように、第1コネクタ21は、第1支持部材521の下面側に固定される。第2コネクタ22は、第2支持部材522の下面側に固定される。また、図5に示すように、第1コネクタ21の電極211は、第1支持部材521の上面側に固定される。すなわち、第1コネクタ21の電極211は、第1支持部材521の下面側から第1支持部材521の上面側に向けて、第1支持部材521を挿通される。第2コネクタ22の電極221は、第2支持部材522の上面側に固定される。すなわち、第2コネクタ22の電極221は、第2支持部材522の下面側から第2支持部材522の上面側に向けて、第2支持部材522を挿通される。

【0087】
以上、図4~図7を参照して説明したように、本発明の実施形態では、支持部材52は、コネクタ2を支持し、ステージ51に固定される。よって、容器1に形成されたアンテナ14に容易にマイクロ波を伝送できる。したがって、実験の効率を更に向上できる。

【0088】
なお、本発明の実施形態では、第1コネクタ21が第1支持部材521の下面側に固定され、第2コネクタ22が第2支持部材522の下面側に固定されるが、本発明はこれに限定されない。第1コネクタ21が第1支持部材521に固定され、第2コネクタ22が第2支持部材522に固定されればよい。例えば、第1コネクタ21が第1支持部材521の上面側に固定され、第2コネクタ22が第2支持部材522の上面側に固定されてもよい。この場合には、第1コネクタ21の電極211が第1支持部材521を挿通する必要がなく、第2コネクタ22の電極221が第2支持部材522を挿通する必要がない。したがって、温度調整装置100の構成を簡素化できる。

【0089】
次に、図4~図8を参照して、温度調整装置100による温度の制御結果について説明する。図8は、温度の制御結果の一例を示すグラフである。図8に示すグラフの横軸は、設定温度TSを示し、縦軸は、容器内部温度TMを示す。

【0090】
設定温度TSは、図4に示す温度調整部8に対してユーザーが設定する温度を示す。容器内部温度TMは、温度センサSが検出する温度を示す。温度センサSは、容器1の内部に配置される。よって、容器内部温度TMは、容器1の内部の温度を示す。グラフG6は、容器内部温度TMと設定温度TSとの関係を示す。

【0091】
図8に示すように、グラフG6は直線状であった。すなわち、容器内部温度TMと設定温度TSとは、補正を行うことによって、容易に一致させ得ることが判明した。したがって、容器内部温度TMの制御精度を向上できることが判明した。

【0092】
以上、図4~図8を参照して説明したように、本発明の実施形態では、温度調整装置100によって、容器1を所望する温度に制御できることが判明した。

【0093】
次に、図1~図10を参照して、容器1が配置された顕微鏡による実験結果について説明する。図9は、実験結果の一例を示すグラフである。ここでは、容器1には、ダイヤモンドナノ粒子を添加している。図9(a)は、光検出スピン共鳴スペクトルの一例を示すグラフである。図9(b)は、光検出スピン共鳴スペクトルのピーク値の温度依存性の一例を示すグラフである。

【0094】
図9(a)に示すグラフの横軸は、周波数Fを示し、縦軸はODMRコントラストCTを示す。周波数Fは、アンテナ14から照射されるマイクロ波の周波数を示す。ODMR(Optically Detected Magnetic Resonance)コントラストCTは、マイクロ波の照射による蛍光の減衰量を示す。すなわち、ODMRコントラストCTは、マイクロ波を照射した場合の蛍光量を、マイクロ波を照射しない場合の蛍光量で除した商を示す。なお、蛍光量は、図4に示す光センサ9によって検出される。

【0095】
ODMR(光検出磁気共鳴、又は光検出電子スピン共鳴)は、以下に示す現象を示す。ダイヤモンド中の結晶欠陥である窒素-空孔中心の電子基底状態は三重項となり、共鳴周波数のマイクロ波を吸収して電子スピン共鳴を示す。なお、電子スピン共鳴時には、電子励起状態において無輻射のエネルギー失活が増大するという特性を有する。そのため、マイクロ波照射時には、マイクロ波非照射時と比較して蛍光量が減少する。外部磁場がゼロ磁場の場合には、電子スピン共鳴は周波数Fが2.87GHzにおいて発生する。

【0096】
グラフG1に示すように、周波数Fが2.87GHz近傍のマイクロ波を照射した場合に、蛍光量が0.03程度減衰することが判る。ピーク(極小値)が2つに分かれているのは、結晶歪みによる効果である。第1周波数F1及び第2周波数F2の各々は、蛍光量が極小値となる周波数を示す。第2周波数F2は、第1周波数F1より大きい。

【0097】
図9(b)に示すグラフの横軸は、温度Tを示し、縦軸は、周波数Fを示す。温度Tは、容器1の内部の温度を示す。周波数Fは、アンテナ14から照射されるマイクロ波の周波数を示す。グラフG2は、温度Tの変化に対する第2周波数F2の変化を示す。グラフG3は、温度Tの変化に対する第1周波数F1の変化を示す。

【0098】
具体的には、図9(a)に示す第1周波数F1及び第2周波数F2の各々について、スペクトルピークをローレンツ型ピーク関数でフィッティングすることによって中心周波数を決定した。第1周波数F1の中心周波数と温度Tとの関係をプロットしたものがグラフG3である。第2周波数F2の中心周波数と温度Tとの関係をプロットしたものがグラフG2である。

【0099】
グラフG2及びグラフG3に示すように、温度Tの上昇に伴って、第1周波数F1及び第2周波数F2の各々が低周波側にシフトすることが判る。近似線形フィットを行った結果、グラフG2の傾きは-56kHz/Kであり、グラフG3の傾きは-65kHz/Kであった。温度Tの上昇に伴って、第1周波数F1及び第2周波数F2の各々が低周波側にシフトすることは、ダイヤモンドのナノ粒子の温度が変化したことを示す。

【0100】
図10(a)は、S11値の強度分布の一例を示すグラフである。図10(b)は、S21値の強度分布の一例を示すグラフである。

【0101】
図10(a)の横軸は、周波数Fを示し、縦軸はS11値を示す。S11値は、いわゆるSパラメータのうちのパラメータS11の値を示す。すなわち、S11値は、第1コネクタ21から出射するマイクロ波のパワー量と、第1コネクタ21に入射するマイクロ波のパワー量との比を示す。つまり、S11値は、マイクロ波の反射特性を示す。S11値が小さくなる程、マイクロ波の反射量が小さいことを示す。すなわち、S11値が小さくなる程、第1コネクタ21からマイクロ波がアンテナ14に注入されていることを示す。

【0102】
図10(b)の横軸は、周波数Fを示し、縦軸はS21値を示す。S21値は、いわゆるSパラメータのうちのパラメータS21の値を示す。すなわち、S21値は、第2コネクタ22から出射されるマイクロ波のパワー量と、第1コネクタ21に入射するマイクロ波のパワー量との比を示す。つまり、S21値は、マイクロ波の透過特性を示す。S21値が小さくなる程、マイクロ波の透過量が小さいことを示す。

【0103】
図10(a)に示すグラフG4におけるピーク位置と、図10(b)に示すグラフG5におけるピーク位置とは一致していない。その理由は、マイクロ波がアンテナ14から自由空間内に放出されるためである。なお、アンテナ14から放出されるマイクロ波の空間分布については、シミュレーション解析によって求めることができる。電子スピン共鳴を用いた実験において、主に使用する周波数Fの帯域は2.7~2.9GHzである。

【0104】
なお、図1~図4を参照して上述した説明では、アンテナ14は、直線状に延びていたが、本実施形態はこれに限定されない。アンテナ14は、共振構造を有してもよい。

【0105】
次に、図11~図15を参照して、本発明の他の実施形態に係る容器1Aの構成の一例を説明する。図11(a)は、容器1Aの構成の一例を示す底面図である。なお、図11(a)の容器1Aは、アンテナ14の形状が異なり、かつ、第2導線152を有しない点を除き、図1(b)に示した容器1と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。

【0106】
図11(a)に示すように、容器1Aは、容器本体11と、蓋12と、ガラス板13と、アンテナ14と、導線15とを備える。アンテナ14は、共振構造を有する。導線15を伝送するマイクロ波は、アンテナ14に供給され、アンテナ14から容器本体11に向けて照射される。ここでは、アンテナ14は、導線15と接続せず、導線15と対向する。例えば、アンテナ14と導線15との間の距離は、0.01mm以上1mm以下である。導線15は、第1導線151を有する。第1導線151の一方端(例えば、右端)は、アンテナ14の一方端(例えば、左端)に対向して配置される。導線15は、X方向に延びており、アンテナ14は、導線15と同様にX方向に延びる。

【0107】
図11(b)は、アンテナ14の構成を示す模式図である。図11(a)及び図11(b)に示すように、アンテナ14は、導電部14aを有する。導電部14aは、導電部材から形成される。導電部14aは、導線15に対して一方側に位置する。導電部14aは略環状構造であるが、導電部14aの両端は接続していない。ここでは、導電部14aは、一部切り欠かれた矩形外縁状である。導電部14aのX方向に沿った長さは、導電部14aのY方向に沿った長さよりも長い。導電部14aの幅は0.01mm以上1mm以下である。

【0108】
また、アンテナ14は、導電部14bを有する。導電部14bは、導線15に対して他方側に位置する。導電部14bは略環状構造であるが、導電部14aの両端は接続していない。導電部14bは、導電部14aと同様の構造を有する。

【0109】
導電部14aは、端部a1と、端部a2と、連絡部a3を有する。端部a1は、導電部14aの一端であり、端部a2は、導電部14aの他端である。連絡部a3は、端部a1と、端部a2とを連絡する。

【0110】
導電部14aの端部a1と端部a2とは接続しない。導電部14aの端部a1と端部a2との間には、隙間が設けられており、導電部14aの端部a1と端部a2とは互いに対向する。導電部14aの端部a1と端部a2とにより、共振構造のキャパシタが形成される。例えば、導電部14aの端部a1と端部a2との間の距離は、0.01mm以上1mm以下である。

【0111】
連絡部a3の経路長は、共振構造のインダクタンスに相当する。例えば、導電部14aの経路長は、10mm以上500mm以下である。連絡部a3の長手方向は、導線15と平行である。連絡部a3と導線15とは互いに対向する。連絡部a3のうち導線15と対向する長さは、例えば、10mm以上100mm以下である。

【0112】
連絡部a3は、部分a31と、部分a32と、部分a33と、部分a34と、部分a35とを有する。部分a31は、X方向に延びる。部分a31の一端は、端部a1と連絡し、部分a31の他端は、部分a32と連絡する。

【0113】
部分a32は、Y方向に延びる。部分a32の一端は、部分a31と連絡し、部分a32の他端は、部分a33と連絡する。部分a33は、X方向に延びる。部分a33の一端は、部分a32と連絡し、部分a33の他端は、部分a34と連絡する。また、部分a34は、Y方向に延びる。部分a34の一端は、部分a33と連絡し、部分a34の他端は、部分a35と連絡する。部分a35は、X方向に延びる。部分a35の一端は、部分a34と連絡し、部分a35の他端は、端部a2と連絡する。

【0114】
上述したように、図11(b)に示したアンテナ14では、導電部14aのX方向に沿った長さは、導電部14aのY方向に沿った長さよりも長い。このため、部分a33の長さは、部分a32及び部分a34の長さよりも大きい。

【0115】
なお、図11(b)に示したアンテナ14では、導電部14aの端部a1及び端部a2は、連絡部a3の内側に向けて延びる。これにより、キャパシタの容量を増大できる。なお、図11(b)に示したアンテナ14では、導電部14aの端部a1及び端部a2は、連絡部a3の内側に向かって延びたが、導電部14aの端部a1及び端部a2は、連絡部a3の外側に向かって延びてもよい。あるいは、導電部14aの端部a1及び端部a2は、連絡部a3の内側及び外側の両方に向かって延びてもよい。

【0116】
導電部14bは、導線15に対して、導電部14aと対称構造であることが好ましい。図11(b)に示したアンテナ14では、導電部14bの構成は導電部14aと対称構造であり、冗長を避けるために導電部14bの構成の説明を省略する。

【0117】
本実施形態の容器1Aでは、アンテナ14が共振構造を有する。このため、容器1Aは、特定の周波数のマイクロ波を比較的広い照射面積から比較的強い強度で照射できる。また、アンテナ14は、対象構造の導電部14aと導電部14bとを有する。このため、アンテナ14は、マイクロ波の共振による照射強度を増加できる。

【0118】
次に、図12を参照して、本発明の実施形態に係る容器1Aの構成について更に説明する。図12は、容器1Aの構成の一例を示す平面図である。図12に示すように、第1導線151の他方端(左端)は、第1コネクタ21の電極211に接続される。具体的には、第1導線151の他方端は、第1コネクタ21の電極211に圧着されて接続される。なお、図12の容器1Aは、第2導線152及び第2コネクタ22を有さない点を除いて、図2を参照して上述した容器1と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。

【0119】
第1コネクタ21は、第1同軸ケーブル31の一方端に接続される。すなわち、第1導線151の他方端は、第1同軸ケーブル31の一方端と、第1コネクタ21を介して接続される。

【0120】
なお、図11及び図12に示した容器1では、容器本体が有底の円筒状であったが、本実施形態はこれに限定されない。容器本体は図3に示したような円筒状であってもよい。

【0121】
図11に示した容器1Aは、図1に示した容器1よりもマイクロ波の磁場の発生領域を増大できる。

【0122】
次に、図1、図11及び図13~図15を参照して、図11に示した容器1Aと図1に示した容器1とのマイクロ波の磁場発生領域の違いを説明する。まず、図1及び図13を参照して、図1に示した容器1において発生するマイクロ波の磁場について説明する。図13(a)は、容器1において発生する磁場分布を示す図であり、図13(b)は、アンテナ14の位置を基準としてY方向に沿って容器1において発生する磁場の強度を示すグラフであり、図13(c)は、図13(b)の領域R1の拡大図である。なお、図13(c)の横軸の値は、図13(b)の横軸の値と異なることに留意されたい。

【0123】
図13(a)に示すように、容器1では、磁場は、直線状のアンテナ14に沿って発生する。図13(b)に示すグラフG7におけるピーク位置は、アンテナ14の上部である。より詳細には、磁場の強度は、ガラス板13とアンテナ14との界面においてより高くなっており、図13(c)に示すように、グラフG7におけるピーク位置は、アンテナ14の上部において2つに分かれる。

【0124】
例えば、ODMRの検出限界は5A/mであるが、図13(c)に示すグラフG7の磁場は、直線状のアンテナ14の近傍において検出限界値を超える。図13(c)において、長さL1は、磁場強度が検出限界値を超えるY方向の長さを示す。ここでは、長さL1は約0.3mmである。例えば、アンテナ14のX方向の長さが15mmである場合、アンテナ14からのマイクロ波の照射領域は4.5mm2となる。

【0125】
次に、図11及び図14を参照して、容器1Aにおいて発生するマイクロ波の磁場について説明する。図14(a)は、容器1Aにおいて発生する磁場分布を示す図であり、図14(b)は、アンテナ14の位置を基準としてY方向に沿って容器1Aにおいて発生する磁場の強度を示すグラフであり、図14(c)は、図14(b)の領域R2の拡大図である。

【0126】
図14(a)に示すように、容器1Aでは、マイクロ波の磁場は、導電部14a及び導電部14bによって囲まれた領域において発生する。マイクロ波の磁場の強度は、導電部14a及び導電部14bによって囲まれた領域においてほぼ一定である。ここでは、導電部14a及び導電部14bのそれぞれのX方向の長さは11mmであり、Y方向の長さは3mmである。

【0127】
図14(b)に示すグラフG8は、4つのピークを有する。グラフG8は、中心に対して略対称である。グラフG8は、中心に対して一方側に位置する内側のピーク及び外側のピークと、中心に対して他方側に位置する内側のピーク及び外側のピークとを有する。一方側の内側のピークは、導電部14aのうち内側の部分(部分a33)に対応するピークであり、一方側の外側のピークは、導電部14aのうちの外側の部分(部分a35)に対応するピークである。他方側の内側のピークは、導電部14bのうち内側の部分(部分b33)に対応するピークであり、他方側の外側のピークは、導電部14bのうちの外側の部分(部分a35)に対応するピークである。例えば、ODMRの検出限界は5A/mであるが、図14(c)に示すグラフG8の磁場は、導電部14aの内側から外側までの領域にわたって検出限界値を超える。図14(c)において、長さL2は、磁場強度が検出限界値を超える長さを示す。ここでは、長さL2は約4.5mmである。例えば、導電部14a及び導電部14bのそれぞれに囲まれた領域をマイクロ波の照射領域とすると、アンテナ14のマイクロ波照射領域は66mm2である。このように、容器1Aでは、より広い範囲にマイクロ波を照射できるため、細胞のみならず組織又は個体について好適に観察できる。

【0128】
図13と図14との比較から理解されるように、容器1Aは、容器1よりもマイクロ波の磁場発生領域を広くできる。さらに、容器1では、磁場は電場とほぼ同じ領域において発生するが、容器1Aでは、磁場は電場とは異なる領域で発生できる。

【0129】
なお、ダイヤモンドの窒素欠陥は、マイクロ波の磁場を吸収して電子スピン共鳴を示す。容器1及び容器1Aにおいてダイヤモンドの窒素欠陥によるマイクロ波の磁場の吸収を測定する場合、マイクロ波の電場は、マイクロ波の磁場とは異なる領域に発生することが好ましい。マイクロ波の電場がマイクロ波の磁場と同じ領域に発生すると、マイクロ波の電場によって試料の状態が変化してしまうことがあるからである。一例では、容器に試料として細胞を載置した場合、細胞に電場が印加されると、測定時に細胞の温度が変化したり、細胞に毒性が生じたりして、意図した状態の細胞を測定できないことがある。

【0130】
次に、図15を参照して、容器1及び容器1Aによる電場分布について説明する。図15(a)は、容器1における電場分布の一例を示す図であり、図15(b)は、容器1Aにおける電場分布の一例を示す図である。

【0131】
図15(a)に示すように、容器1では、アンテナ14に沿って電場が発生する。詳細には、容器1では、電場は、直線状に発生する。

【0132】
図13(a)と図15(a)との比較から理解されるように、容器1において電場の発生する領域は、容器1において磁場の発生する領域とほぼ等しい。このため、容器1内においてマイクロ波の磁場が発生する領域には、電場も発生することになる。

【0133】
一方、図15(b)に示すように、容器1Aでは、アンテナ14の一部において電場が発生する。容器1Aでは、アンテナ14と導線15との結合部分、導電部14aの端部a1と端部a2との間、及び、導電部14bの端部b1と端部b2との間に強く電場が発生する一方、導電部14a及び導電部14bに囲まれた領域の電場は比較的低い。

【0134】
図14(a)と図15(b)との比較から理解されるように、容器1Aにおいて電場の発生する領域は、容器1Aにおいて磁場の発生する領域とは異なる。図14(a)に示すように、磁場は、導電部14aによって規定される領域において発生する。このため、容器1Aでは、マイクロ波の磁場が発生する領域に、電場はそれほど発生しない。したがって、容器1Aでは、試料の状態を変化させることなく、試料にマイクロ波を照射できる。

【0135】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(5))。図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

【0136】
(1)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、容器1がポリスチレンで形成されるが、本発明はこれに限定されない。容器1が試料Mを収納すればよい。例えば、容器1がガラスで形成されてもよい。

【0137】
(2)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、容器1が円筒状に形成されるが、本発明はこれに限定されない。容器1が試料Mを収納すればよい。例えば、容器1が矩形筒状に形成されてもよい。

【0138】
(3)図1を参照して説明したように、本発明の実施形態では、アンテナ14が、ガラス板13の上面に形成されるが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14が、ガラス板13に形成されればよい。例えば、アンテナ14が、ガラス板13の下面に形成されてもよい。

【0139】
(4)図11を参照して説明したように、本発明の実施形態では、アンテナ14の導電部14a、14bは、一部切り欠かれた矩形外縁状であったが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14の導電部14a、14bは、一部切り欠かれた環状であってもよい。ただし、導電部14a、14bの形成面積を小さくするとともに、導電部14a、14bと導線15との結合距離を長くするために導電部14a、14bは部切り欠かれた矩形外縁状であることが好ましい。

【0140】
(5)図11を参照して説明したように、本発明の実施形態では、アンテナ14は、導線15と平行に延びた形状を有していたが、本発明はこれに限定されない。アンテナ14は、導線15に対して直交する方向(Y方向)に延びた形状を有してもよい。ただし、より小さいガラス板13にアンテナ14を形成するためには、アンテナ14は、導線15と平行に延びた形状を有することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、電子スピン共鳴を用いた実験に用いる容器、及び光学顕微鏡の温度調整装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0142】
100 温度調整装置
1 容器
11 容器本体
111 孔
12 蓋
13 ガラス板
14 アンテナ
15 導線
151 第1導線
152 第2導線
2 コネクタ
21 第1コネクタ
211 電極
22 第2コネクタ
221 電極
3 同軸ケーブル
31 第1同軸ケーブル
32 第2同軸ケーブル
4 マイクロ波発生器
5 ステージ駆動部
51 ステージ
511 通光孔
6 対物レンズ(光学顕微鏡の一部)
61 第1加熱部(第1加熱冷却部)
7 カバー
71 第2加熱部(第2加熱冷却部)
8 温度調整部
9 光センサ
S 温度センサ
F 周波数
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14