TOP > 国内特許検索 > 分光測定装置及び分光測定ユニット > 明細書

明細書 :分光測定装置及び分光測定ユニット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-020606 (P2020-020606A)
公開日 令和2年2月6日(2020.2.6)
発明の名称または考案の名称 分光測定装置及び分光測定ユニット
国際特許分類 G01J   3/45        (2006.01)
FI G01J 3/45
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2018-142832 (P2018-142832)
出願日 平成30年7月30日(2018.7.30)
発明者または考案者 【氏名】石丸 伊知郎
出願人 【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001069、【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2G020
Fターム 2G020AA03
2G020CA12
2G020CC22
2G020CD03
2G020CD16
2G020CD24
2G020CD35
要約 【課題】装置を大きくすることなく、正確で且つ高波長分解能の分光特性を測定できるようにする。
【解決手段】本発明に係る分光測定装置は、受光面21を有し、該受光面上の光の強度分布を検出する検出器20と、測定対象物Sの測定点から発せられた光を平行光束にする平行光束化部と、該第1光束と該第2光束の間に光路長差を付与しつつ前記受光面に向けて出射し、前記第1光束と前記第2光束が少なくとも一部において互いに重なるように該受光面に入射させる光分割部とを有する干渉光学系と、第1光束と第2光束が重なった部分の受光面21における光の強度分布に基づき前記測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部30とを備え、前記平行光束化部と前記光分割部とが一体的に構成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
a) 受光面を有し、該受光面上の光の強度分布を検出する検出器と、
b) 測定対象物の測定点から発せられた光を平行光束にする平行光束化部と、前記平行光束を第1光束と第2光束に分割し、該第1光束と該第2光束の間に光路長差を付与しつつ前記受光面に向けて出射し、前記第1光束と前記第2光束が少なくとも一部において互いに重なるように該受光面に入射させる光分割部とを有する干渉光学系と、
c) 前記第1光束と前記第2光束が重なった部分の前記受光面の光の強度分布に基づき前記測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と
を備え、
前記平行光束化部と前記光分割部とが、それらの光軸が一致するように一体的に構成されていることを特徴とする分光測定装置。
【請求項2】
前記干渉光学系の前記平行光束化部が、凸面状の光入射面とその裏側に位置する平面状の光出射面とを有する板状の第1透過型光学素子から構成され、前記光分割部が、平面状の光入射面とその裏側に位置する面であって互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する板状の第2透過型光学素子から構成されており、
前記干渉光学系が、さらに、前記第1透過型光学素子と前記第2透過型光学素子を、それらの光軸が一致するように一体的に保持する保持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項3】
前記干渉光学系が、凸面状の光入射面と、その裏側に位置する面であって、互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有し、前記光入射面から前記光出射面に至るまでの部分が平行光束化部となり、前記光出射面を構成する前記2つの傾斜面が前記光分割部となる一つの透過型光学素子から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項4】
前記干渉光学系の前記平行光束化部が、凸面鏡と凹面鏡から成るカセグレン光学系から構成され、前記光分割部が、平面状の光入射面とその裏側に位置する面であって互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する板状の透過型光学素子から構成されており、
前記干渉光学系が、さらに、前記カセグレン光学系と前記透過型光学素子を、それらの光軸が一致するように一体的に保持する保持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の分光測定装置と、
測定対象物を超音波加熱することにより、該測定対象物の測定点から赤外光を放射させる超音波加熱装置と
を具備する分光測定ユニット。
【請求項6】
前記超音波加熱装置が、超音波振動子と、該超音波振動子の発する超音波振動の周波数及び/又は振幅を変更する超音波振動変更部とを備えることを特徴とする請求項5に記載の分光測定ユニット。
【請求項7】
測定対象物を挟んで前記超音波加熱装置と前記分光測定装置の平行光束化部が対向するように前記超音波加熱装置と前記分光測定装置を前記測定対象物に装着するための装着部材を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の分光測定ユニット。
【請求項8】
凸面状の光入射面と、その裏側に位置する、互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する透過型光学素子であって、
前記光入射面の合焦点から該光入射面に入射した光を平行光束にし、該平行光束を第1光束と第2光束に分割するとともに該第1光束と該第2光束の間に光路長差を付与し、且つ、前記光出射面から所定の距離に位置する面において前記第1光束と前記第2光束が少なくとも一部において互いに重なるように、前記第1光束と前記第2光束を前記光出射面から出射させる透過型光学素子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の分光特性を利用して該測定対象物の物性を定性的又は定量的に測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病や高脂血症等、様々な病気において、血液に含まれるグルコースやコレステロール等の生体成分の管理は、病気の予防や治療のために重要である。血液中の生体成分を測定するためには血液を採取しなければならない。ところが、血液を採取するためには、採血部位の消毒や採血器具の廃棄等の煩わしい処理が必要であるため、病気を予防する目的で生体成分を測定するための採血を日常的に行うことは敬遠される。そこで、血液を採取せずに生体成分を測定可能な、非侵襲の測定装置が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1及び特許文献2には、生体の被検部位に光を照射し、それにより被検部位の内部の生体成分から発せられる光(物体光)の分光特性を求め、該分光特性から生体成分を定性的、定量的に測定する分光測定装置が記載されている。
特許文献1に記載されている装置では、生体成分を光学的に構成する各輝点から発せられる透過光や散乱光等の物体光は対物レンズによって平行光束(物体光束)とされた後、並んで配置された、互いに平行な反射面を有する固定ミラーと可動ミラーに導かれる。固定ミラー及び可動ミラーのそれぞれで反射された物体光束は結像レンズにより結像面上の、各輝点に対応する結像点に集光される。可動ミラーは、ピエゾ素子等によりその反射面の法線方向に移動されるようになっており、該可動ミラーの移動量に応じた光路長差が、固定ミラーで反射される物体光束と可動ミラーで反射される物体光束の間に生じる。したがって、固定ミラーと可動ミラーは位相シフタを構成し、これらにより反射され、結像面上の各集光点に集光した光は、可動ミラーの移動に伴い強度が変化する干渉光、いわゆるインターフェログラムとなる。このインターフェログラムをフーリエ変換することにより物体光の分光特性(スペクトル)を取得することができる。
【0004】
また、特許文献2に記載されている装置では、位相シフタが、並んで配置された、反射面の傾きが異なる2つのミラー(基準ミラー及び傾斜ミラー)から構成されている。この装置では、各輝点から発せられ、対物レンズによって平行光束とされた物体光束は、基準ミラー及び傾斜ミラーに導かれた後、各ミラーの反射面で反射される。基準ミラーで反射された光(基準反射光)と傾斜ミラーで反射された光(傾斜反射光)はシリンドリカルレンズを通して、前記基準反射光及び傾斜反射光の光軸とは異なる向きに延びる同一直線上に集光され、線状の干渉像を形成する。基準ミラーの反射面と傾斜ミラーの反射面の傾きが異なることから、物体光束の光軸と基準ミラー及び傾斜ミラーの各反射面とのなす角度の違いに応じた基準反射光と傾斜反射光の間の光路長差が、該線状の干渉像の長手方向に沿って連続的に生じる。したがって、該線状の干渉像に沿った光強度変化がインターフェログラムとなる。このインターフェログラムをフーリエ変換することにより物体光の分光特性を取得することができる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2008-309706号公報
【特許文献2】特開2012-058068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
物体光の分光特性は生体成分の性質を反映していることから、特許文献1及び2に記載の装置を用いることにより、非侵襲で生体成分を定性的、定量的に求めることができる。ところが、特許文献1に記載されている装置において、正確な分光特性を取得するためには、高精度で且つ高い運動真直度で可動ミラーを駆動する必要があり、そのためには高精度ピエゾステージといった高額な駆動機構が必要となる。また、可動ミラーの駆動機構を有する分、装置が大形化する。
【0007】
一方、特許文献2に記載されている装置は、ミラーを駆動する機構が不要であるため、特許文献1に記載の装置でみられるような問題は生じない。しかしながら、特許文献2に記載の装置では、各輝点から発せられる物体光から1本の線状の干渉像を形成し、この干渉像に沿う光強度変化を検出することにより分光特性を求めている。したがって、波長分解能を高めるためには、干渉像の光強度変化を検出する素子の数を増やす必要がある。また、素子の数を増やすためには検出器の受光面や位相シフタ、対物レンズ等を大きくする必要があり、やはり、装置が大形化するという問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、装置を大きくすることなく、正確で且つ高波長分解能の分光特性を測定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明に係る分光測定装置は、
a) 受光面を有し、該受光面上の光の強度分布を検出する検出器と、
b) 測定対象物の測定点から発せられた光を平行光束にする平行光束化部と、前記平行光束を第1光束と第2光束に分割し、該第1光束と該第2光束の間に光路長差を付与しつつ前記受光面に向けて出射し、前記第1光束と前記第2光束が少なくとも一部において互いに重なるように該受光面に入射させる光分割部とを有する干渉光学系と、
c) 前記第1光束と前記第2光束が重なった部分の前記受光面の光の強度分布に基づき前記測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と
を備え、
前記平行光束化部と前記光分割部とが、それらの光軸が一致するように一体的に構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成の分光測定装置では、測定対象物の測定点(これは、干渉光学系の合焦点に位置している。)から発せられた光は干渉光学系に入射し、該干渉光学系の平行光束化部によって平行光束とされる。続いて、この平行光束は光分割部で第1光束及び第2光束に分割された後、検出器の受光面において、少なくとも一部が重なった状態で、前記受光面に入射する。このとき、第1光束と第2光束の間に所定の光路長差が付与されているため、受光面において両光束が重なった部分(重複領域)には、第1光束と第2光束の干渉像が形成される。したがって、前記重複領域の光の強度分布を検出することにより、干渉像の強度分布、つまり測定点のインターフェログラムが取得され、このインターフェログラムをフーリエ変換することにより測定点の分光特性を取得することができる。上記分光測定装置では、干渉光学系の平行光束化部と光分割部とが、それぞれの光軸が一致するように一体的に構成されているため、正確で且つ光波長分解能の分光特性を測定することができ、しかも、干渉光学系を小形化することができる。したがって、このような干渉光学系を用いることにより分光測定装置を小形化することができる。
【0011】
上記分光測定装置においては、干渉光学系の平行光束化部が、凸面状の光入射面とその裏側に位置する平面状の光出射面とを有する板状の第1透過型光学素子から構成され、前記光分割部が、平面状の光入射面とその裏側に位置する面であって互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する板状の第2透過型光学素子から構成されており、前記干渉光学系が、さらに、前記第1透過型光学素子と前記第2透過型光学素子を、それらの光軸が一致するように一体的に保持する保持部材を備えることが好ましい。上記構成においては、前記第1透過型光学素子の光出射面と前記第2透過型光学素子の光入射面を互いに平行となるように対向させ、且つ、第1透過型光学素子と第2透過型光学素子の光軸が一致するように保持部材に保持される。
上記構成では、第1透過型光学素子の光入射面から入射した光は平行光束となって光出射面から出射し、第2透過型光学素子の光入射面に入射する。そして、第2透過型光学素子に入射した平行光束は、光出射面を構成する2つの傾斜面からそれぞれ第1光束及び第2光束として出射する。
【0012】
また、上記分光測定装置においては、干渉光学系を、凸面状の光入射面と、その裏側に位置する面であって、互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する、一つの板状の透過型光学素子から構成することができる。この透過型光学素子は、上述した第1透過型光学素子の光出射面と第2透過型光学素子の光入射面を接合したような形状を有する。この構成においては、透過型光学素子の光入射面から光出射面に至るまでの部分が平行光束化部に相当し、光出射面を構成する2つの傾斜面が光分割部に相当する。この構成では、分光測定装置になんらかの外力が作用した場合でも、平行光束化部と光分割部の光軸がずれることが無く、測定対象物の測定点の分光特性を安定的に測定することができる。
【0013】
また、上記分光測定装置においては、干渉光学系の平行光束化部が、凸面鏡と凹面鏡から成るカセグレン光学系から構成され、光分割部が、平面状の光入射面とその裏側に位置し、互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する板状の透過型光学素子から構成され、前記干渉光学系が、さらに、前記カセグレン光学系と前記透過型光学素子をそれらの光軸が一致するように一体的に保持する保持部材を備えることが好ましい。
【0014】
上記構成の分光測定装置において、測定対象物の測定点から発せられる光としては、例えば、光源が発する光が測定対象物に照射されることにより測定点から生じる散乱光や蛍光発光や、光源から測定対象物に照射された光が該測定対象物を透過した光、該測定対象物の表面で反射した光等を利用することができる。
前記光源は、分光測定装置に組み込まれていても良いが、分光測定装置とは別の汎用の光源装置を用いることも可能である。また、太陽光を「光源からの光」として利用することもできる。
【0015】
さらに、測定対象物を超音波加熱することにより該測定対象物の測定点SPから放射される赤外線を利用することもできる。すなわち、本発明に係る分光測定ユニットは、上述した分光測定装置と、測定対象物を超音波加熱することにより該測定対象物の測定点から赤外光を放射させる超音波加熱装置とを具備することを特徴とする。
【0016】
上記分光測定ユニットにおいては、測定対象物を挟んで前記超音波加熱装置と前記分光測定装置の平行光束化部が対向するように前記超音波加熱装置及び前記分光測定装置をそれぞれ前記測定対象物に装着して、測定対象物の測定点の分光特性を測定する。したがって、上述した配置で超音波加熱装置及び分光測定装置をそれぞれ測定対象物に装着するための装着部材を備えることが好ましい。
【0017】
例えばクリップや磁石を装着部材とすることができる。すなわち、クリップの両端部に超音波加熱装置と分光測定装置を取り付け、該クリップで測定対象物を挟むと前記超音波加熱装置と前記分光測定装置が上述した配置で測定対象物に装着されるようにすることができる。また、超音波加熱装置及び分光測定装置にそれぞれ磁石を取り付け、磁石同士の吸引力を利用して測定対象物に前記超音波加熱装置と前記分光測定装置を装着することも可能である。装着部材として磁石を用いる構成は、耳たぶ等の、厚みが比較的小さい測定対象物の分光特性の測定に利用される分光特性ユニットに好適である。
【0018】
また、上記分光測定ユニットにおいては、前記超音波加熱装置を、超音波振動子と、該超音波振動子の発する超音波振動の周波数及び/又は振幅を変更する超音波振動変更部とを備える構成にすると良い。
【0019】
超音波振動子の発する超音波振動が測定対象物に付与された場合、その超音波振動の周波数及び/又は振幅の値によって、測定対象物内に定在波が形成されることがある。定在波では節にエネルギーが集中するため、節の部分はその他の部分よりも強く加熱される。したがって、測定点付近に節が位置するような超音波振動の定在波が形成されると、測定点から発せられる光(赤外線)はその他の箇所から発せられる光よりも強くなる。測定点付近に節が位置するような超音波振動の定在波を形成するためには、測定対象物の大きさや形状等に応じて、超音波振動子の発する超音波振動の周波数及び/又は振幅を調節する必要がある。上記分光測定ユニットでは、超音波振動変更部を備えるため、超音波振動子の発する超音波振動の周波数及び/又は振幅を適宜の値に変更することができる。
【0020】
また、本発明に係る透過型光学素子は、凸面状の光入射面と、その裏側に位置する、互いに傾きが異なる2つの傾斜面から成る光出射面とを有する光学素子であって、
前記光入射面の合焦点から該光入射面に入射した光を平行光束にし、該平行光束を第1光束と第2光束に分割するとともに該第1光束と該第2光束の間に光路長差を付与し、且つ、前記光出射面から所定の距離に位置する面において前記第1光束と前記第2光束が少なくとも一部において互いに重なるように、前記第1光束と前記第2光束を前記光出射面から出射させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る分光測定装置及び分光測定ユニットでは、測定点から発せられ干渉光学系に入射した光を平行光束化部で平行光束にした後、光分割部で該平行光束を第1光束と第2光束に分割し、これら第1光束と第2光束の干渉現象を利用して測定点のインターフェログラムを求める。本発明では、平行光束化部と光分割部が、それぞれに光軸が一致するように一体的に構成されているため、正確で且つ高波長分解能の分光特性を測定でき、しかも干渉光学系を小形化でき、さらには、装置全体を小形化することができる。また、従来の分光測定装置において干渉像を得るために用いていた結像レンズ等の光学部材が不要となるため、この点でも装置の小形化を図ることができる。
【0022】
また、本発明に係る透過型光学素子は、一つの光学素子で、合焦点からの光を平行光束にする機能と、平行光束を第1及び第2の光束に分割するとともに、両光束の間に光路長差を付与し、さらに、光膝射面から所定の距離に位置する面に、両光束が少なくとも一部において互いに重なるように両光束を出射する機能を有するようにした。したがって、このような透過型光学素子を上述した分光測定装置や分光測定ユニットの干渉光学系として用いることにより、該分光測定装置夜分高速艇ユニットを小形化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る分光測定装置の第1実施形態の概略構成図。
【図2】透過型光学素子の構成を示す図(a)~(d)、透過型光学素子を通過した光が検出器の受光面に入射する様子を示す図(e)。
【図3】透過型光学素子と検出器が容器に収容されている分光測定装置の概略構成図。
【図4】本発明に係る分光測定装置の第2実施形態の概略構成図。
【図5】本発明に係る分光測定装置の第3実施形態の概略構成図。
【図6】本発明の実施例1に係る分光測定ユニットの概略構成図。
【図7】本発明の実施例2に係る分光測定ユニットの概略構成図。
【図8】本発明の実施例3に係る分光測定ユニットの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る分光測定装置について具体的に説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明に係る分光測定装置の第1実施形態の概略構成を示している。分光測定装置1は、透過型光学素子10、受光面21を有する検出器20、検出器20の検出信号を処理する処理部30を備えている。検出器20は、複数の画素が二次元配置されたCCDカメラ等の二次元エリアセンサから成る。透過型光学素子10は光入射面11とその裏側の光出射面12を有しており、光入射面11が試料(測定対象物)S側に、光出射面12が検出器20の受光面21側を向くように、試料Sと受光面21の間に配置されている。

【0025】
図2(a)は透過型光学素子10をその光出射面12側から見た図、図2(b)は同図(a)のb-b'線に沿う断面図、図2(c)は同図(a)のc-c'線に沿う断面を紙面の上側から見た図、図2(d)は同図(a)のd-d'線に沿う断面を紙面の下側から見た図、図2(e)は透過型光学素子10の光出射面12から出射した光が受光面21に入射する様子を示す図である。ここでは、図2(a)における上下左右を、透過型光学素子10の上下左右とする。

【0026】
図2(a)~図2(d)から明らかなように、透過型光学素子10は光入射面11側(又は光出射面12側)から見て円形状の光学素子から成り、光入射面11は、外側に凸となる略球面状に構成されている。一方、光出射面12は、並んで配置された平面状の第1光出射面12Aと第2光出射面12Bから構成されており、それぞれ、光出射面12の上下方向中央の中心線CLから下方及び上方に向かって光入射面11側に傾斜している。

【0027】
また、第1光出射面12Aは、図2(a)のc-c'方向(つまり左右方向)に傾いていないのに対して、第2光出射面12Bは、図2(a)の符号cから符号c'に向かって光入射面11側に角度θだけ傾いている。つまり、第2光出射面12Bは、中心線CLから上方に向かって光入射面11側に傾斜しているとともに、右側から左側に向かって光入射面11側に傾斜している。このため、第1光出射面12Aと第2光出射面12Bは、中心線CLを挟んで対称な構成ではない。

【0028】
上記構成により、光源40から試料Sに対して光が照射されることにより、透過型光学素子10の合焦点に位置する測定点SPから散乱光や蛍光発光等の光線群(物体光)が生じ、該物体光が透過型光学素子10の光入射面11に入射すると、物体光は平行光束(以下「物体光束」という)となって透過型光学素子10の光出射面12に向かう。そして、第1光出射面12A及び第2光出射面12Bのそれぞれから屈折して出射する際に第1光束と第2光束に分割され、各光束は検出器20の受光面21に入射する。このとき、第1光束及び第2光束の進行方向は、第1光出射面12A及び第2光出射面12Bの傾斜角度、物体光束の波長、及び透過型光学素子10と外部(空気)の屈折率差に応じて決まる。

【0029】
したがって、透過型光学素子10の材質、第1光出射面12Aと第2光出射面12Bのなす角度φ(図2(b)参照)、透過型光学素子10から検出器20の受光面21までの距離L等を適切に選択することにより、第1光出射面12A及び第2光出射面12Bのそれぞれから出射した第1光束及び第2光束を、少なくとも一部において互いに重なるように受光面21に入射させることができる。また、第1光出射面12Aに対して第2光出射面12Bの角度θ(図2(d)参照)で傾斜していることにより、第1光束と第2光束の間に光路長差が生じ、受光面21において第1光束と第2光束が重複した領域では、第1光束と第2光束の干渉像が形成される。したがって、この干渉像の光強度分布を検出器20で検出することにより測定点SPのインターフェログラムを取得することができ、このインターフェログラムを処理部30でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0030】
このように本実施形態においては、透過型光学素子10が干渉光学系として機能する。また、透過型光学素子10のうち光入射面11から光出射面12までの部分が平行光束化部を構成し、光出射面12が光分割部を構成する。

【0031】
受光面21において第1光束と第2光束が重複して入射するときの、第1光出射面12Aに対する第2光出射面12Bの傾斜角度は、測定波長範囲、波長分解能等の光学条件に基づき設計することができる。
例えば、透過型光学素子10の直径Dが6mm、透過型光学素子10から検出器20の受光面21までの距離Lが20mm、検出器20の画素数が80×80、上下方向及び左右方向の画素ピッチが共に34μm、測定波長範囲が8~14μmとし、第1光出射面12Aに対する第2光出射面12Bの傾斜角(水平方向の傾斜角度)をθ、第1光出射面12Aと第2光出射面12Bのなす角度(垂直方向の傾斜角度)をφとすると、角度θを1.12deg、角度φを177.15degとすることにより、第1光束及び第2光束は、少なくとも一部が重なるように受光面21に入射する。

【0032】
例えば図3に示すように、透過型光学素子10と検出器20とが一つの容器50内に収容された構成とすると、透過型光学素子10の光出射面12から検出器20の受光面21までの距離Lを所定の距離に固定することができる。また、容器50内において、検出器20に対して透過型光学素子10を相対的に移動可能な構成とすることにより、測定波長範囲等に応じて、前記距離Lを調整することができる。

【0033】
また、検出器20と反対側の容器50の端部から透過型光学素子10の光入射面11までの距離を該透過型光学素子10の光入射面11側の焦点距離又は該焦点距離-αに設定しておくことにより、容器50の端部を試料Sの表面に当接させることにより、試料Sの表面に位置する測定点SP又は表面から距離αだけ内部に位置する測定点SPからの物体光を透過型光学素子10によって平行光束にすることができる。

【0034】
[第2実施形態]
図4は、本発明に係る分光測定装置の第2実施形態の概略構成図である。この実施形態の分光測定装置1Aでは、干渉光学系が2つの透過型光学素子(以下、平行化光学素子110、分割光学素子120という)から構成されている。

【0035】
平行化光学素子110は、凸面状の光入射面111と、その裏側の平面状の光出射面112を有している。また、分割光学素子120は、平面状の光入射面121と、その裏側の凸面状の光出射面122を有している。

【0036】
分割光学素子120の光出射面122は、並んで配置された平面状の第1光出射面122Aと第2光出射面122Bから構成されている。第1光出射面122Aと第2光出射面122Bは、第1実施形態の第1光出射面12Aと第2光出射面12Bに対応しており、第1光出射面122A及び第2光出射面122Bのそれぞれの傾斜角度や両者のなす角度等は、第1実施形態の第1光出射面12A及び第2光出射面12Bのそれと同じである。したがって、ここでは詳しい説明を省略する。

【0037】
平行化光学素子110と分割光学素子120は、一つの円筒状の容器50内に収容されている。容器50内において、平行化光学素子110と分割光学素子120は、光出射面112と光入射面121が平行で対向するように、且つ、両光学素子の光軸が一致するように配置されている。また、容器50の端部には検出器20が取り付けられている。これにより、分割光学素子120の光出射面122から検出器20の受光面21までの距離が確定される。この例では、容器50は本発明の保持部材として機能する。

【0038】
なお、上記した以外の分光測定装置1Aの構成は分光測定装置1と略同じであるため、分光測定装置1と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。

【0039】
上記構成により、光源40から試料Sに対して光が照射されることにより試料Sの測定点SPで生じた物体光が平行化光学素子110の光入射面111に入射すると、物体光は平行光束とされて平行化光学素子110の光出射面112から出射する。この平行光束は平行化光学素子110と分割光学素子120の間の空間を直進し、該分割光学素子120の光入射面121に入射する。そして、分割光学素子120の第1光出射面122A及び第2光出射面122Bのそれぞれから屈折して出射する際に第1光束と第2光束に分割され、各光束は少なくとも一部が重なるように、検出器20の受光面21に入射する。また、第1光束と第2光束の間には光路長差が生じているため、受光面21において第1光束と第2光束が重複した領域では、第1光束と第2光束の干渉像が形成される。したがって、この干渉像の光強度分布を検出器20で検出することにより測定点SPのインターフェログラムを取得することができ、このインターフェログラムを処理部30でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0040】
[第3実施形態]
図5は、本発明に係る分光測定装置の第3実施形態の概略構成図である。この分光測定装置1Bでは、干渉光学系200が、保持部材としての容器201内に収容されたカセグレン光学系210と、拡大光学素子220と、分割光学素子230とから構成されている。なお、この容器201は検出器20に固定されている。

【0041】
カセグレン光学系210は、凹面鏡である主鏡211と凸面鏡である副鏡212から構成されている。主鏡211及び副鏡212は、いずれも上から見ると円形の外形を有している。主鏡211は、その凹面を下に向けた状態で容器201内に保持されている。副鏡212は、凸面を上に向けた状態で主鏡211の下方に配置されている。また、主鏡211の上部及び容器201の底面には、それぞれ光を通過させるための上部開口213及び下部開口214が設けられている。

【0042】
容器201内のうち主鏡211よりも上部の空間には、拡大光学素子220及び分割光学素子230が主鏡211側から順に保持されている。拡大光学素子220は、凹面状の光入射面221と凸面状の光出射面222を有しており、光入射面221が主鏡211の上面に密着した状態で容器201内に収容されている。また、分割光学素子230は、平面状の光入射面231と凸面状の光出射面232を有している。分割光学素子230の形状は、第2実施形態の分割光学素子120の形状と同じであり、光出射面232が第1光出射面232Aと第2光出射面232Bから構成されている。分割光学素子230は、その光入射面231が拡大光学素子220の光出射面222と接するように容器201内に配置されている。また、カセグレン光学系210、拡大光学素子220、分割光学素子230は、それらの光軸が一致した状態で容器201内に収容されている。

【0043】
本実施形態の分光測定装置1Bを用いて、試料Sの分光特性を取得する場合は、試料Sの表面に容器201の底面が接触するように分光測定装置1Bを設置する。この状態で、図示しない光源からの光が試料Sに照射され、該試料S内の測定点SPから様々な方向に物体光が放出されると、それらの一部は下部開口214から容器50内に入射し、主鏡211及び副鏡212を経て一つの平行光束に統合された後、上部開口213から拡大光学素子220の光入射面221に入射する。光入射面221に入射した平行光束は、拡大光学素子220の内部を通過する際に外径が徐々に大きくなり、光入射面221から入射したときよりも大きな外径の平行光束となって光出射面222から出射する。そして、光出射面222から出射した平行光束は分割光学素子230の光入射面231に入射し、分割光学素子230内を光出射面232に向かって進み、第1光出射面232A及び第2光出射面232Bのそれぞれから屈折して出射する際に第1光束と第2光束に分割され、各光束は検出器20の受光面21に、少なくとも一部が重複した状態で入射する。

【0044】
したがって、受光面21における第1光束と第2光束が重複している領域(つまり干渉像)の光強度分布を検出器20で検出することにより測定点SPのインターフェログラムを取得することができ、このインターフェログラムを処理部30でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0045】
次に、本発明を分光測定ユニットに適用した実施例について説明する。
[実施例1]
図6に示す分光測定ユニット300は、上述した第1実施形態の分光測定装置1(図3参照)と光源40と、これらを収容するケーシング301とを有している。ケーシング301には透光性部材から成る窓板302が取り付けられている。この窓板302を通して光源40からの光がケーシング301の外部に放出され、窓板302を通して外部からの光がケーシング301内に入射する。分光測定装置1は、透過型光学素子10が窓板302側を向くようにケーシング301内に配置されている。

【0046】
この実施例では、測定対象物Sの表面に窓板302を当接させた状態で該窓板302から測定対象物Sに対して光源40からの光を入射させる。すると、窓板302付近の測定対象物S内から発せられた光が該窓板302を通してケーシング301内に入射し、その入射光が分光測定装置1に導入される。このとき、透過型光学素子10の合焦点(これが測定点SPとなる。)から発せられた光が分光測定装置1の透過型光学素子10に入射すると、その入射光は平行光束となって光出射面12に向かい、第1光束と第2光束に分かれて光出射面12から出射する。光出射面12から出射した第1光束と第2光束は、一部が重なった状態で検出器20の受光面21に入射し、第1光束と第2光束の干渉像を形成する。したがって、検出器20で前記干渉像の光強度分布を測定することにより測定点SPのインターフェログラムが得られ、このインターフェログラムを処理部30でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0047】
[実施例2]
図7に示す分光測定ユニット400は、円筒状のケーシング401とその内部に収容された透過型光学素子410及び検出器420を備えた分光測定装置1Cと、超音波加熱装置450とから構成されている。透過型光学素子410は、第1実施形態の分光測定装置1が備える透過型光学素子10と同じ構成を有しており、光入射面411と、第1及び第2光出射面から成る光出射面412とを備えている。検出器420は、処理装置430と信号線を介して接続されており、検出信号を処理装置430に出力する。ケーシング401には透光性部材からなる窓板402が取り付けられており、この窓板402と透過型光学素子410の光入射面411が対向し、且つ、透過型光学素子410の光軸が窓板402に対して垂直となるように、該透過型光学素子410がケーシング401内に配置されている。

【0048】
超音波加熱装置450は、板材451と該板材451に取り付けられた超音波振動子452と超音波振動子452を駆動する駆動装置453を備えている。

【0049】
上記分光測定ユニット400の使用方法を説明する。ここでは、耳たぶのように厚みの小さい物体を測定対象物Sとすることとする。
まず、測定対象物Sを挟んで該測定対象物Sの両側に分光測定装置1Cと超音波加熱装置450を配置し、ケーシング401の窓板402を測定対象物Sの表面に当接させ、測定対象物Sを挟んで窓板402と対向するように板材451を測定対象物Sに当接させる。

【0050】
この状態で、駆動装置453を動作させて超音波振動子452に交流電力を供給すると、測定対象物Sのうち板材451と窓板402の間の領域(測定領域)に超音波振動が発生し、該測定領域が超音波加熱される。これにより、測定領域から赤外線が放射され、この赤外線が窓板402を通してケーシング401内の透過型光学素子410に入射する。透過型光学素子410に入射した赤外線のうち、該透過型光学素子410の合焦点である測定点SPから発せられた赤外線は平行光束となって光出射面412に向かい、光出射面412から第1光束と第2光束に分かれて出射する。そして、光出射面412から出射した第1光束と第2光束は一部が重なった状態で検出器420の受光面421に入射し、第1光束と第2光束の干渉像を形成する。したがって、検出器420で前記干渉像の光強度分布を測定することにより測定点SPのインターフェログラムが得られ、このインターフェログラムを処理装置430でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0051】
この実施例の分光測定ユニット400では、分光測定装置1Cと、光源として機能する超音波加熱装置450を別に設けた。したがって、分光測定装置1Cを小形化することができる。

【0052】
[実施例3]
図8に示す分光測定ユニット400Aは、超音波加熱装置450の駆動装置453が超音波振動子452に供給する交流電力の周波数や超音波振動子452が発生する超音波振動の振幅を調整する振動調整部455と、使用者によって操作される操作部456を備えている。振動調整部455及び操作部456は本発明の振動変更部に相当する。また、分光測定ユニット400Aは、分光測定装置1Cと超音波加熱装置450を測定対象物Sに装着するための装着部材460を備えている。装着部材460は、例えばクリップからなり、クリップの両端部に、板材451及び超音波振動子452とケーシング401がそれぞれ取り付けられている。装着部材460で測定対象物Sを挟持すると、板材451と窓材402が測定対象物Sを挟んで対向するように、板材451及び超音波振動子452とケーシング401が測定対象物Sに固定される。
上記した以外の分光測定ユニット400Aの構成は図7に示す分光測定ユニット400と同じであるため、同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。

【0053】
上記分光測定ユニット400Aの使用方法を説明する。ここでも、耳たぶのように厚みの小さい物体を測定対象物Sとすることとする。
まず、装着部材460で測定対象物Sを挟み、該該測定対象物Sの両側に分光測定装置1Cのケーシング401と超音波加熱装置450の板材451及び超音波振動子451を固定する。

【0054】
この状態で、駆動装置453を動作させて超音波振動子452に交流電力を供給すると測定対象物Sのうち板材451と窓板402の間の測定領域に超音波振動が発生し、該測定領域が超音波加熱される。このとき、操作部456を操作して超音波振動子452に供給する交流電力の周波数や超音波振動子452が発生する超音波振動の振幅を適宜調整し、板材451に垂直で、測定点SPに節が位置する定在波を測定領域に形成する。

【0055】
図8に、測定対象物Sの内部に定在波Swが形成されている様子を模式的に示す。定在波Swでは節の部分にエネルギーが集中するため、節の部分が、その他の部分よりも強く加熱され、高エネルギーの赤外線を放射する。測定点SPから発せられた高エネルギーの赤外線は窓板402を通してケーシング401内の透過型光学素子410に入射する。透過型光学素子410に入射した測定点SPからの赤外線は平行光束となって光出射面412に向かい、光出射面412から第1光束と第2光束に分かれて出射する。光出射面412から出射した第1光束と第2光束は一部が重なった状態で検出器420の受光面421に入射し、第1光束と第2光束の干渉像を形成する。したがって、検出器420で前記干渉像の光強度分布を測定することにより測定点SPのインターフェログラムが得られ、このインターフェログラムを処理装置430でフーリエ変換することにより測定点SPの分光特性を取得することができる。

【0056】
また、本実施例では、測定点SPに位置するような超音波振動の定在波Swを形成し、測定点SPから高エネルギーの赤外線を発生させるようにした。これにより、検出器420の受光面421における干渉像の形成に寄与しない、測定点SP以外の箇所から放射される赤外線を小さく抑えることができるため、SN比を高めることができる。

【0057】
上述した実施例1~実施例3の分光測定ユニット300、400、400Aを用いることにより、簡便に、測定対象物の分光特性を測定することができる。また、分光測定装置1は干渉光学系として透過型光学素子10、410が用いられており、干渉光学系を小形化できることから、分光測定ユニット300、400、400Aも小形化することができる。したがって、分光測定ユニット300、400、400Aは、例えば測定対象物として例えば耳たぶや指先等の比較的小さい領域を流れる血液の分光特性を測定し、その結果からグルコースやコレステロール等の生体成分濃度を測定する装置として好適である。

【0058】
なお、本発明は上述した実施形態、或いは実施例の構成に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。
例えば実施例1、実施例2の分光測定ユニット300、400についても、ケーシング301、或いはケーシング401と超音波加熱装置450を測定対象物に固定するための装着部材を備えるようにしてもよい。
分光測定ユニット300、400、400Aを構成する分光測定装置は、第2実施形態の分光測定装置1Aでも良く、第3実施形態の分光測定装置1Bでも良い。
第3実施形態の分光測定装置では、カセグレン光学系と分割光学素子の間に拡大光学素子を配置したが、この拡大光学素子は省略しても良い。
【符号の説明】
【0059】
1、1A、1B、1C…分光測定装置
10、410…透過型光学素子
11、411…光入射面
12、412…光出射面
12A…第1光出射面
12B…第2光出射面
110…平行化光学素子
111…光入射面
112…光出射面
120…分割光学素子
121…光入射面
122…光出射面
122A…第1光出射面
122B…第2光出射面
20、420…検出器
21…受光面
200…干渉光学系
201…容器
210…カセグレン光学系
211…主鏡
212…副鏡
220…拡大光学素子
221…光入射面
222…光出射面
230…分割光学素子
231…光入射面
232…光出射面
232A…第1光出射面
232B…第2光出射面
30…処理部
300、400、400A…分光測定ユニット
301、401…ケーシング
302、402…窓板
40…光源
450…超音波加熱装置
452…超音波振動子
453…駆動装置
455…振動調整部
456…操作部
460…装着部材
50…容器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7