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明細書 :第4級アンモニウム基含有ポリアミド

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-033340 (P2020-033340A)
公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
発明の名称または考案の名称 第4級アンモニウム基含有ポリアミド
国際特許分類 C07C 229/46        (2006.01)
C08G  69/26        (2006.01)
C08J   5/20        (2006.01)
FI C07C 229/46 CSP
C08G 69/26
C08J 5/20 CFG
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 17
出願番号 特願2019-150970 (P2019-150970)
出願日 令和元年8月21日(2019.8.21)
優先権出願番号 2018157710
優先日 平成30年8月24日(2018.8.24)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】金子 達雄
【氏名】高田 健司
【氏名】スマント ドゥイベディ
【氏名】ジャッカポン パンツウォンパクディ
出願人 【識別番号】304024430
【氏名又は名称】国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100141472、【弁理士】、【氏名又は名称】赤松 善弘
審査請求 未請求
テーマコード 4F071
4H006
4J001
Fターム 4F071AA55
4F071AA78
4F071FA10
4F071FB02
4H006AA01
4H006AB46
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BS20
4H006BU46
4H006BU50
4J001DA01
4J001DB01
4J001DB03
4J001EB56
4J001EC02
4J001EC03
4J001EC24
4J001EC46
4J001EC54
4J001EC67
4J001FB03
4J001FC03
4J001FC05
4J001FD01
4J001GA13
4J001GD06
4J001JA20
要約 【課題】耐熱性に優れた第4級アンモニウム基含有ポリアミド、前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドの製造中間体として有用な化合物、および前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有する陰イオン交換樹脂を提供する。
【解決手段】式(I)で表わされる4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物、及び、前記化合物とジアミンを反応させて得られる第4級アンモニウム基含有ポリアミド。
JP2020033340A_000013t.gif
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、Xはハロゲン原子を示す)
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I):
【化1】
JP2020033340A_000011t.gif
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物。
【請求項2】
式(II):
【化2】
JP2020033340A_000012t.gif
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、R4は2価のジアミン残基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる繰返し単位を有する第4級アンモニウム基含有ポリアミド。
【請求項3】
請求項2に記載の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有することを特徴とする陰イオン交換樹脂。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、第4級アンモニウム基含有ポリアミドに関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、耐熱性が要求される陰イオン交換樹脂などに有用な第4級アンモニウム基含有ポリアミド、前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドの製造中間体として有用な4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物、および前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドからなる陰イオン交換樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
第4級アンモニウム塩を有するポリマーとして、スチレン-ジビニルベンゼン系重合体の4級アンモニウム化物が知られており、当該スチレン-ジビニルベンゼン系重合体の4級アンモニウム化物は、イオン交換性を有することから、イオン交換樹脂として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、前記スチレン-ジビニルベンゼン系重合体の4級アンモニウム化物は、原料としてスチレン-ジビニルベンゼン系重合体が用いられていることから、耐熱性に劣るという欠点がある。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2015-137275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、耐熱性およびイオン交換性に優れた第4級アンモニウム基含有ポリアミド、前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドの製造中間体として有用な化合物、および前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有する陰イオン交換樹脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(1) 式(I):
【0007】
【化1】
JP2020033340A_000002t.gif

【0008】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物、
(2) 式(II):
【0009】
【化2】
JP2020033340A_000003t.gif

【0010】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、R4は2価のジアミン残基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる繰返し単位を有する第4級アンモニウム基含有ポリアミド、および
(3) 前記(2)に記載の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有することを特徴とする陰イオン交換樹脂
に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、耐熱性およびイオン交換性に優れた第4級アンモニウム基含有ポリアミド、前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドの製造中間体として有用な化合物、および前記第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有する陰イオン交換樹脂が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1で得られた4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)の1H-NMRスペクトルを示すグラフである。
【図2】実施例2で得られた第4級アンモニウム基含有ポリアミドAの1H-NMRスペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例3で得られた第4級アンモニウム基含有ポリアミドBの1H-NMRスペクトルを示すグラフである。
【図4】(a)は実験例2において、第4級アンモニウム基含有ポリアミドAの熱重量分析の結果を示すグラフ、(b)は実験例2において、第4級アンモニウム基含有ポリアミドBの熱重量分析の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物〕
本発明の4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物は、前記したように、式(I):

【0014】
【化3】
JP2020033340A_000004t.gif

【0015】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる。

【0016】
式(I)において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。これらの基は、本発明の目的が阻害されない範囲内で置換基を有していてもよい。アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基のなかでは、イオン交換性を向上させる観点から、アルキル基およびアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。

【0017】
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、2,3,5-トリメチルヘキシル基、デシル基、ウンデシル基、4-エチル-5-メチルオクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの炭素数が1~23のアルキル基が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルキル基は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのアルキル基のなかでは、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、炭素数が1~12のアルキル基が好ましく、炭素数が1~8のアルキル基がより好ましく、炭素数が1~4のアルキル基がさらに好ましい。

【0018】
前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのシクロアルキル基は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのシクロアルキル基のなかでは、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、炭素数が3~8のシクロアルキル基が好ましく、炭素数が6~8のシクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基がさらに好ましい。

【0019】
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などの炭素数6~12のアリール基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。アリール基のなかでは、イオン交換性を向上させる観点から、フェニル基が好ましい。

【0020】
式(I)において、Xは、ハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのハロゲン原子は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ハロゲン原子のなかでは、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ましい。

【0021】
本発明の4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物は、例えば、原料として4,4’-ジアミノトルキシル酸を用いて調製することができる。より具体的には、4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとを有機溶媒中で反応させることにより、本発明の4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物を調製することができる。

【0022】
ハロゲン化アルキルとしては、例えば、フッ化アルキル、塩化アルキル、臭化アルキル、ヨウ化アルキルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのハロゲン化アルキルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのハロゲン化アルキルのなかでは、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、塩化アルキル、臭化アルキルおよびヨウ化アルキルが好ましい。ハロゲン化アルキルのアルキル基の炭素数は、ハロゲン化アルキルからハロゲン原子を容易に離脱させる観点から、1~4であることが好ましい。4,4’-ジアミノトルキシル酸1モルあたりのハロゲン化アルキルの量は、本発明の4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物を効率よく調製する観点から、10~50モル程度であることが好ましい。

【0023】
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系有機溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノールなどのアルコール系有機溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル系有機溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物系有機溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの有機溶媒のなかでは、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物を効率よく製造する観点から、ケトン系有機溶媒が好ましく、アセトンがより好ましい。有機溶媒の量は、特に限定されないが、第4級アンモニウム基含有ポリアミドを効率よく製造する観点から、4,4’-ジアミノトルキシル酸100質量部あたり、500~2000質量部程度であることが好ましい。

【0024】
なお、4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとを反応させる際には、例えば、塩酸、フッ化水素、ヨウ化水素などのハロゲン化水素化合物を適量で用いてもよい。

【0025】
4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとの反応温度は、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物を効率よく製造する観点から、好ましくは0~90℃、より好ましくは5~80℃、さらに好ましくは15~60℃である。また、4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとを反応させる際の雰囲気は、空気であってもよく、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとの反応時間は、反応温度、有機溶媒量などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、5~20時間程度である。

【0026】
以上のようにして4,4’-ジアミノトルキシル酸とハロゲン化アルキルとを反応させることにより、本発明の4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物を得ることができる。得られた4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物は、そのままの状態で用いてもよく、必要により、洗浄した後に用いてもよい。

【0027】
〔第4級アンモニウム基含有ポリアミド〕
本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドは、前記したように、式(II):

【0028】
【化4】
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【0029】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、R4は2価のジアミン残基、Xはハロゲン原子を示す)
で表わされる繰返し単位を有するポリアミドである。

【0030】
式(II)において、R1、R2、R3およびXは、式(I)におけるR1、R2、R3およびXと同様である。R4は2価のジアミン残基である。当該ジアミン残基に用いられるジアミンについては後述する。

【0031】
本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドは、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させることによって調製することができる。

【0032】
ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、脂環構造を有するジアミンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのジアミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ジアミンのなかでは、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、芳香族ジアミンが好ましい。

【0033】
芳香族ジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレンなどの芳香環1個を有する芳香族ジアミン;4,4’-ジアミノトルキシル酸、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレンなどの2個以上の芳香環を有する芳香族ジアミンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族ジアミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

【0034】
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアミン、ポリプロピレングリコールジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの脂肪族ジアミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

【0035】
脂環構造を有するジアミンとしては、例えば、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの脂肪族ジアミンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

【0036】
式(II)において、R4の2価のジアミン残基としては、例えば、前記ジアミンの2価の残基などが挙げられる。2価のジアミン残基の代表例としては、式:

【0037】
【化5】
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【0038】
(式中、nは重合度を示す)
などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0039】
4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとは、化学量論的に反応する。4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物1モルあたりのジアミンの量は、通常、0.8~1.2モル程度であることが好ましい。

【0040】
4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させる際には、有機溶媒を用いることができる。

【0041】
有機溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系有機溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノールなどのアルコール系有機溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル系有機溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物系有機溶媒などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの有機溶媒のなかでは、第4級アンモニウム基含有ポリアミドを効率よく製造する観点から、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系有機溶媒が好ましい。有機溶媒の量は、特に限定されないが、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとの合計量100質量部あたり100~300質量部程度であることが好ましい。

【0042】
4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させたとき、当該4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物が有するカルボキシル基と当該ジアミンのアミノ基とが脱水し、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとが縮合する。したがって、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させる際に、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとの反応性を向上させる観点から、脱水縮合剤を用いることが好ましい。

【0043】
脱水縮合剤としては、例えば、亜リン酸トリフェニル、三塩化リン、ジエチルリン酸アニドなどのリン化合物;N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N-ジフェニルカルボジイミドなどのカルボジイミド;無水酢酸、無水クロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物;塩化チオニル、塩化トシルなどの塩化物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。脱水縮合剤の量は、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとの合計量1モルあたり0.8~1.2モル程度であることが好ましい。

【0044】
また、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを適量の塩基の存在下で反応させることができる。塩基としては、有機塩基および無機塩基が挙げられる。有機塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ルチジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの塩基は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

【0045】
4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとの反応温度は、本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを効率よく製造する観点から、80~120℃程度であることが好ましい。4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させる際の雰囲気は、空気中に含まれている酸素による影響を受けないようにする観点から、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであることが好ましい。また、4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させる際の雰囲気は、常圧であってもよく、必要により減圧または加圧であってもよい。

【0046】
4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとの反応時間は、反応温度などの重合条件などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、1~10時間程度である。

【0047】
以上のようにして4,4’-ビス(アンモニウムハロゲン)トルキシル酸化合物とジアミンとを反応させることにより、本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを得ることができる。生成した第4級アンモニウム基含有ポリアミドが式(III)で表わされる繰返し単位を有することは、例えば、1H-核磁気共鳴(NMR)スペクトル、13C-核磁気共鳴(NMR)スペクトル、赤外吸収(IR)スペクトル、フーリエ変換赤外分光(FT-IR)スペクトルなどで分析することによって容易に確認することができる。

【0048】
第4級アンモニウム基含有ポリアミドの数平均分子量は、耐熱性およびイオン交換性を向上させる観点から、好ましくは5000~30万、より好ましくは6000~10万、さらに好ましくは7000~5万である。第4級アンモニウム基含有ポリアミドの数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)などによって容易に測定することができる。

【0049】
本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドは、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどの第4級アンモニウム基含有ポリアミドに対する良溶媒に溶解させて溶液として用いることができる。本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを良溶媒に溶解させた溶液は、例えば、キャスティングなどの方法により、フィルムなどの所定の形状に容易に成形することができる。

【0050】
以上のようにして得られる本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドは、イオン交換性および耐熱性に優れていることから、高温状態の反応溶液でイオン交換をするための陰イオン交換樹脂、気温が高くなる屋外で使用される陰イオン交換樹脂、排水温度が高くなる工業排水用浄化フィルターなどの用途に使用することが期待される。

【0051】
本発明の陰イオン交換樹脂は、第4級アンモニウム基含有ポリアミドを含有するものである。したがって、本発明の陰イオン交換樹脂は、第4級アンモニウム基含有ポリアミドのみで構成されていてもよく、本発明の目的が阻害されない範囲内で、当該第4級アンモニウム基含有ポリアミド以外の他のポリマーが含まれていてもよい。

【0052】
本発明の陰イオン交換樹脂の形態としては、例えば、平均粒子径が300μm~1mm程度である球状粒子などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0053】
本発明の陰イオン交換樹脂は、例えば、カラムなどに充填して用いることができる。本発明の陰イオン交換樹脂が充填されたカラムを用い、当該カラムに例えば水酸化物水溶液を通水したとき、当該水酸化物水溶液に含まれている水酸化物イオンが陰イオン交換樹脂に吸着されるので、カラムから排出される水には陰イオン交換樹脂から溶離したハロゲン化物イオンが溶出するが、水酸化物イオンがほとんど含有されない。なお、カラムを使用した後には、当該カラムを水洗することにより、陰イオン交換樹脂に吸着されている水酸化物イオンを溶出させることができるので、イオン交換樹脂を繰り返して使用することができる。

【0054】
本発明の陰イオン交換樹脂によって吸着させることができる陰イオンとしては、例えば、フッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)などのハロゲン化物イオン、クロムイオン(CrO42-、Cr272-など)、ヒ素イオン(H2AsO4-、H2As23-など)、セレンイオン(SeO42-、HSeO3-など)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0055】
したがって、本発明の陰イオン交換樹脂は、例えば、排水などに含まれている重金属イオンなどの汚染物質を除去する際に使用することが期待される。
【実施例】
【0056】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0057】
なお、以下の各実施例および比較例で得られた化合物の物性は、以下の方法に基づいて調べた。
【実施例】
【0058】
1H-NMR〕
ブルカー(BRUKER)社製、商品名:AVANCE III HD NMR Spectrometer 400 MHzを用い、サンプル10mgをジメチルスルホキシド0.6mLに溶解させて得られた溶液をガラス製サンプルチューブに移し、25℃で積算回数16にて核磁気共鳴(1H-NMR)を測定した。
【実施例】
【0059】
〔フーリエ変換赤外分光(FT-IR)分析〕
パーキン・エルマー(Perkin Elmer)社製、商品名:Spectrum 100 (ATR法) を用い、700~4000cm-1の測定波数で積算回数8回にてフーリエ変換赤外分光を測定した。
【実施例】
【0060】
〔数平均分子量〕
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、以下の測定条件下で数平均分子量を測定した。
(測定条件)
・送液ポンプユニット:日本分光(株)製、品番:PU-2080
・カラムオーブン:ジーエルサイエンス(株)製、品番:CO631A、設定温度:40℃
・紫外可視検出器:日本分光(株)製、品番:UV-2075
・示差屈折計:日本分光(株)製、品番:RI-2031
・カラム:ショウデックス(Shodex)社製、品番:SB-806MHQ、2本
・標準物質:ポリスチレンスタンダード(分子量:1390、2780、6940、18300、51200、124000、266000、659000、1390000、2700000)
・移動相:0.01mol/LのLiBrのN,N-ジメチルスルホキシド溶液(溶液の流速:1.0mL/min)
【実施例】
【0061】
実施例1〔4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)の調製〕
4,4’-ジアミノトルキシル酸1.0g(3.06mmol)をアセトン15.0mLに溶解させた後、得られた溶液にヨードメタン10.0mL(0.16mol)、塩酸4.0mLを添加し、12時間反応させた。反応終了後、得られた反応溶液を濾過し、十分な量のアセトンで洗浄することにより、4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)2.01gを得た(収率:98.5%)。
【実施例】
【0062】
なお、生成した化合物が4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)であることは、当該化合物が図1に示される1H-NMRスペクトルを有することによって確認された。
【実施例】
【0063】
実施例2〔第4級アンモニウム基含有ポリアミドAの調製〕
実施例1と同様の操作で4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)を調製し、窒素雰囲気中で当該4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)0.5g(0.75mmol)および4,4’-ジアミノジフェニルエーテル0.15g(0.75mmol)をN-メチル-2-ピロリドン1.5mLに溶解させ、得られた溶液に亜リン酸トリフェニル0.4mL(1.53mmol)およびピリジン0.7mL(8.69mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で3時間重合させることにより、反応溶液を得た。前記で得られた反応溶液にN-メチルピロリドン5mLを添加することにより、反応溶液の粘度を低下させ、得られた溶液をメタノールに再沈殿させることにより、第4級アンモニウム基含有ポリアミドAを黄白色の固体として析出させ、当該固体を濾過によって回収した。
【実施例】
【0064】
なお、式(I)において、R1、R2およびR3がいずれもメチル基であり、R4が式:
【実施例】
【0065】
【化6】
JP2020033340A_000007t.gif
【実施例】
【0066】
で表わされる2価の4,4’-ジアミノジフェニルエーテル残基であり、Xがヨウ素原子であることは、当該第4級アンモニウム基含有ポリアミドAが図2に示される1H-NMRスペクトルを有することによって確認された。また、第4級アンモニウム基含有ポリアミドAの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、26000であることが確認された。
【実施例】
【0067】
実施例3〔第4級アンモニウム基含有ポリアミドBの調製〕
実施例1と同様の操作で4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)を調製し、窒素雰囲気中で当該4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)0.5g(0.75mmol)および1,4-フェニレンジアミン80.1mg(0.75mmol)をN-メチル-2-ピロリドン1.5mLに溶解させ、得られた溶液に亜リン酸トリフェニル0.4mL(1.53mmol)およびピリジン0.7mL(8.69mmol)を添加し、得られた混合物を100℃で3時間重合させることにより、反応溶液を得た。前記で得られた反応溶液にN-メチル-2-ピロリドン5mLを添加することにより、反応溶液の粘度を低下させ、得られた溶液をメタノールに再沈殿させることにより、第4級アンモニウム基含有ポリアミドBを黄白色の固体として析出させ、当該固体を濾過によって回収した。
【実施例】
【0068】
なお、式(I)において、R1、R2およびR3がいずれもメチル基であり、R4が式:
【実施例】
【0069】
【化7】
JP2020033340A_000008t.gif
【実施例】
【0070】
で表わされる2価の1,4-フェニレンジアミン残基であり、Xがヨウ素原子であることは、当該第4級アンモニウム基含有ポリアミドBが図3に示される1H-NMRスペクトルを有することによって確認された。また、第4級アンモニウム基含有ポリアミドBの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、28900であることが確認された。
【実施例】
【0071】
実施例4
第4級アンモニウム基含有ポリアミドAからなる粒子径が約0.5mmである粒子を陰イオン交換樹脂として用いた。
【実施例】
【0072】
前記で得られた陰イオン交換樹脂を用い、以下の方法に基づいて当該陰イオン交換樹脂のイオン交換性Aおよびイオン交換性Bを調べた。
【実施例】
【0073】
(1)イオン交換性A
陰イオン交換樹脂1.0gを0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液30mL中に分散させ、室温で5時間撹拌することにより、分散体を得た。前記で得られた分散体を濾過することによって陰イオン交換樹脂を回収し、十分な量の脱イオン水で洗浄することにより、イオン交換を行なった。
【実施例】
【0074】
イオン交換前の陰イオン交換樹脂に存在しているヨウ素イオンおよびカリウムイオンの各量、およびイオン交換後に陰イオン交換樹脂に存在しているヨウ素イオンおよびカリウムイオンの各量をエネルギー分散型X線分析(EDX)で調べた。なお、エネルギー分散型X線分析(EDX)を行なう際に日本電子(株)製、品番:JCM-6000Plus卓上SEMおよびEX-37001EDXを用い、加速電圧:1.5kVにて金蒸着した後に陰イオン交換樹脂の元素分析を行なった。
【実施例】
【0075】
その結果、初期段階では、陰イオン交換樹脂からヨウ素イオン5.77質量%が検出されたが、カリウムイオンが検出されなかった。前記分散体を陰イオン交換樹脂で濾過した後には、陰イオン交換樹脂からカリウムイオン11.6質量%が検出されたが、ヨウ素イオンは検出されなかった。さらに陰イオン交換樹脂を脱イオン水で洗浄した後には、陰イオン交換樹脂からヨウ素イオン0.034質量%が検出され、カリウムイオン0.358質量%が検出された。
【実施例】
【0076】
以上の結果から、前記で得られた第4級アンモニウム基含有ポリアミドAは、イオン交換性に優れていることがわかる。
【実施例】
【0077】
(2)イオン交換性B
表1に示す液温を有する10mg/Lのヨウ化カリウム水溶液200mLに、前記陰イオン交換樹脂0.1gを添加し、2時間撹拌することにより、均一な組成を有する分散体を得た。前記で得られた分散体を濾過し、得られた濾液におけるヨウ素の含有率を以下の方法に基づいて測定した。その結果を表1に示す。
【実施例】
【0078】
〔濾液におけるヨウ素の含有率の測定方法〕
前記濾液200mLに4,4’,4’’-メチリジントリス(N,N-ジメチルアニリン)〔東京化成工業(株)製、商品名:ロイコクリスタルバイオレット〕1.5g(4.02mmol)を添加し、得られた25℃の溶液1mLの波長592nmにおける吸光度を紫外可視分光光度計〔日本分光(株)製、品番:V-670〕で積算回数2回にて測定し、測定された吸光度をあらかじめ作成された検量線と照合することにより、濾液におけるヨウ素の含有率を測定した。
【実施例】
【0079】
【表1】
JP2020033340A_000009t.gif
【実施例】
【0080】
一般に用いられている陰イオン交換樹脂は、60℃以上の高温になるとイオン交換性が低下するのに対し、前記で得られた陰イオン交換樹脂は、表1に示されているように室温(25℃)におけるアニオン交換性と高温(60~80℃)におけるアニオン交換性とが同等であることから、通水される水溶液が高温であってもアニオン交換性に優れていることがわかる。
【実施例】
【0081】
実験例1
実施例1で得られた4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)10mgおよび表2に示す各種溶媒1mLを混合し、室温下で撹拌することにより、混合物を得た。前記で得られた混合物を用いて各種溶媒に対する4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)の溶解性を目視にて調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
【実施例】
【0082】
〔評価基準〕
◎:室温下で約16時間放置したときに4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)が溶解している。
〇:室温下で約16時間放置したときに4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)が溶解しなかったが、混合物を70℃に加熱することにより、4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)が溶解する。
×:混合物を70℃に加熱しても4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)が溶解しない。
【実施例】
【0083】
【表2】
JP2020033340A_000010t.gif
【実施例】
【0084】
表2に示された結果から、本発明の4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)は、温水、脂肪族低級アルコール、酢酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどに可溶であることから、本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドを溶液重合法によって容易に調製することができることがわかる。また、本発明の4,4’-ビス(テトラメチルアンモニウムヨウ素)トルキシル酸(Q4ATA)は、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系有機溶媒、酢酸エチル、アセトンなどの有機溶媒に対して不溶であることがわかる。
【実施例】
【0085】
実験例2
前記で得られた第4級アンモニウム基含有ポリアミドAおよびBの耐熱性を以下の方法に基づいて調べた。
【実施例】
【0086】
〔第4級アンモニウム基含有ポリアミドの耐熱性の測定方法〕
第4級アンモニウム基含有ポリアミドの耐熱性は、示差熱-熱重量同時測定装置〔(株)日立製作所製、品番:STA7200〕、サンプル5mgおよびプラチナパンを用い、窒素雰囲気下(窒素ガス流量:200mL/min)でリファレンスをブランク(サンプルなし)とし、測定前に25℃から200℃まで昇温速度20℃/minで加熱し、200℃で20分間保持した後、200℃から25℃まで降温速度20℃/minで冷却し、25℃で20分間保持し、その間に熱重量分析を行なうことによって評価した。
【実施例】
【0087】
第4級アンモニウム基含有ポリアミドAおよびBの耐熱性を調べた結果を図4に示す。図4において、(a)は第4級アンモニウム基含有ポリアミドAの熱重量分析の結果を示すグラフ、(b)は第4級アンモニウム基含有ポリアミドBの熱重量分析の結果を示すグラフである。
【実施例】
【0088】
図4に示された結果から、第4級アンモニウム基含有ポリアミドAおよびBは、いずれも、約250℃以上の耐熱性を有することがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の第4級アンモニウム基含有ポリアミドは、イオン交換性および耐熱性に優れていることから、高温状態の反応溶液でイオン交換をするための陰イオン交換樹脂、気温が高くなる屋外で使用される陰イオン交換樹脂、排水温度が高い工業排水用浄化フィルターなどの用途に使用することが期待される。

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3