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明細書 :ループアンテナの給電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-036067 (P2020-036067A)
公開日 令和2年3月5日(2020.3.5)
発明の名称または考案の名称 ループアンテナの給電装置
国際特許分類 H01Q   7/00        (2006.01)
H01Q  19/10        (2006.01)
FI H01Q 7/00
H01Q 19/10
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2018-158123 (P2018-158123)
出願日 平成30年8月27日(2018.8.27)
発明者または考案者 【氏名】大塚 啓人
【氏名】斉藤 昭
【氏名】本城 和彦
【氏名】石川 亮
出願人 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
審査請求 未請求
テーマコード 5J020
Fターム 5J020AA03
5J020BA06
5J020BC10
5J020DA09
要約 【課題】アンテナ導体上の電流分布に影響を与えない給電回路を提供する。
【解決手段】無線通信周波数から決まる波長の約整数倍の周囲長を有する円形ループアンテナが複数同心円状に配置されてなる送信および受信アンテナ100、200を備えた無線通信装置であって、各円形ループアンテナの給電部を、このループアンテナ100に対して垂直に設置することで、互いの導体が直交するようにし、互いが互いに誘起電流を生じないようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
無線通信周波数から決まる波長の約整数倍の周囲長を有する円形ループアンテナが、波長毎に複数、同一平面上、且つ、同心円状となるように構成されるループアンテナであって、
前記各円形ループアンテナに接続される給電装置は、当該円形ループアンテナが構成される平面に対して垂直に配置されることを特徴とするループアンテナの給電装置。
【請求項2】
前記給電装置は、前記ループアンテナの一端に接続される第1の給電装置と、当該ループアンテナの他端に接続される第2の給電装置とで構成されていることを特徴とする請求項1記載のループアンテナの給電装置。
【請求項3】
前記第1および第2の給電装置の間には誘電体が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のループアンテナの給電装置。
【請求項4】
前記ループアンテナの背面には反射板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のループアンテナの給電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナへの給電装置に関し、特にループアンテナへの給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの豊富なコンテンツと、光回線による超高速ネットワークならびに最終ユーザへの無線ネットワークの普及で、“いつでも、どこでも、誰とでも”、さらには“いまだけ、ここだけ、あなただけ”という個人のニ-ズに合わせた情報の提供を可能にする高度情報社会への進展が急速に進んでいる。さらに、センサーネットワークを用いた人を介さない通信によるビッグデータの収集も並行して進んでいる。これらを支える無線システムとして、携帯電話、Wimax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、ジグビー等多様なシステムが提供されている。
【0003】
加えて、これらのシステムをシームレスに接続し、各システムを組み合わせて提供するサービスも進展している。これらの無線システムは、固有の通信帯域を占有して通信を行うものであり、特に大量のデータを高速に伝送するためには広い周波数帯域を用いる必要があり、貴重な資源である周波数資源を多く必要とするという問題があった。このため、有効利用の指標として伝送情報量を帯域幅で割った周波数あたりの伝送レート(bit/Hz)を向上できる技術の重要性が増大している。
【0004】
周波数あたりの伝送レートを向上できる技術の1つとして、複数のアンテナを送信側と受信側に配置したMIMO(multiple-input and multiple-output)と称される技術が知られている。MIMOは、同じ時間内に同じ帯域内で、伝搬特性の違いを活用して多重化する空間多重化の手法である。例えば、送信側と受信側のそれぞれがn個(nは任意の整数)のアンテナを備えた場合、送信アンテナの電圧電流と受信アンテナの電圧電流の関係は、伝搬路の伝達関数(例えばZ行列)で一意に定めることができ、n行×n列の正方行列として表現される。
【0005】
この行列の固有ベクトルを用いるとn行×n列の正方行列は対角化でき、n個の固有ベクトルに関する伝達関数は独立となるので、n重の多重化が可能となる。しかしながら、MIMOでは、混ざり合った信号を数学的に分離するため、複雑な信号処理が必要になるという問題がある。また、複数のアンテナを協調させて動作させることになるので、システム構成が複雑になるという問題もあった。
【0006】
このような状況を踏まえて、近年、同一の周波数における多重化の手法として、OAM(Orbital Angular Momentum)通信が提案されている。この手法は、電磁界の軌道角運動量が保存される場合にのみ相互作用が許容される現象を活用するものであり、電磁波に軌道角運動量(OAM)の情報を持たせて伝送する手法である。
レーザのようなビーム断面がガウス分布系となる波動では、断面における方位φに関する位相空間分布は、通常の波では一定である。一方、OAM波では、exp(jmφ)(但し、mはOAM波のモード次数で磁気量子数と呼ばれる)に従い、方位φに対して線形に変化して、同一位相面が螺旋状に進む。
このようなOAM波は、光通信の場合には、レーザとホログラムあるいはスパイラル位相板を用いて比較的簡単に実現することができる。一方、マイクロ波の場合には、固有モードの送信方法や受信方法、及び絞られたビームの伝送方法が光通信と大きく異なるため、OAM波の実現は容易ではない。
【0007】
特許文献1の無線通信装置は、送信アンテナと、送信アンテナから送信された無線信号を受信する受信アンテナとを有する無線通信装置である。
送信アンテナ及び受信アンテナは、それぞれが無線通信周波数から決まる波長の約整数倍の異なる周囲長を持ち、同一の平面に同心円状に配置される複数の円形ループアンテナと、複数の円形ループアンテナに個別に接続される複数の給電部とを備える。
そして、送信アンテナの複数の円形ループアンテナの中心軸と、受信アンテナの複数の円形ループアンテナの中心軸とを、ほぼ直線状に配置した構成としている。
【0008】
また特許文献1のアンテナ装置は、それぞれが無線通信周波数から決まる波長の約整数倍の異なる周囲長を持ち、同一の平面に同心円状に配置される複数の円形ループアンテナと、複数の円形ループアンテナに個別に接続される複数の給電部とを備え、複数の給電部に、それぞれ別の送信部又は受信部を接続するようにしている。
【0009】
特許文献1によれば、シンプルな構造で安価かつ量産性に優れたアンテナ装置を使用してOAM波を実現していることから、周波数あたりの伝送レートを向上させた無線通信を実現することができる。しかも、特許文献1の場合、アンテナ装置に接続される送信部や受信部として、複数の系の信号の分離や混合などのための特別な構成を必要としないので、無線通信装置全体としても簡単な構成で、周波数あたりの伝送レートを向上させた無線通信が可能になるという効果を有する。
【0010】
また特許文献2によれば、端子方位を変更することで特許文献1でのOAM波のモード間のアイソレーションの向上させている。
【先行技術文献】
【0011】

【特許文献1】国際公開第WO2017/188172
【特許文献2】国際出願番号PCT/JP2018/017420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1及び特許文献2のOAM波のモードはアンテナ導体上の電流分布により決定されるが、給電回路の電流による誘起電流がアンテナ導体の電流分布を乱し、モードの単一性を悪化させていた。
【0013】
このように従来の給電回路では、OAM波のモードの単一性が悪化するという問題があり、導体上の電流分布に影響を与えない構成の給電回路が望まれていた。
【0014】
本発明の目的は、アンテナ導体上の電流分布に影響を与えない給電回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載のループアンテナの給電装置は、無線通信周波数から決まる波長の約整数倍の周囲長を有する円形ループアンテナが、波長毎に複数、同一平面上、且つ、同心円状となるように構成されるループアンテナであって、各円形ループアンテナに接続される給電装置は、この円形ループアンテナが構成される平面に対して垂直に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載のループアンテナの給電装置は、ループアンテナの一端に接続される第1の給電装置と、このループアンテナの他端に接続される第2の給電装置とで構成されることを特徴とする。
請求項3に記載のループアンテナの給電装置は、第1および第2の給電装置の間には誘電体が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載のループアンテナの給電装置は、ループアンテナの背面に反射板が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アンテナ導体上の電流分布に影響を与えない給電回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態例による無線通信装置の全体構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態例によるアンテナ構成を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態例によるアンテナ構成を示す俯瞰図である。
【図4】本発明の一実施の形態例によるアンテナの給電部付近を拡大して示す俯瞰図である。
【図5】本発明の一実施の形態例によるアンテナの給電部付近を拡大して示す側面からの俯瞰図である。
【図6】本発明の一実施の形態例によるアンテナの給電部の平面図である。
【図7】本発明の一実施の形態例によるアンテナの給電部の側面図である。
【図8】図2のI-I´断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態例による送受信間の通過特性の例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する。)を、図1~図9を参照して説明する。
[1.アンテナ装置の構成]
図1は、本発明の給電回路を特許文献1及び特許文献2に用いた無線通信装置全体の構成例を示す図である。送信アンテナ100と受信アンテナ200は同一の構成であり、複数(ここでは4個)の円形ループアンテナ110~140,210~240を備える。

【0019】
すなわち、送信アンテナ100は、4本の円形ループアンテナ110,120,130,140と反射板101を備える。この4本の円形ループアンテナ110,120,130,140は、中心位置cを一致させた状態で同一の平面内に配置される。
また、受信アンテナ200についても、4本の円形ループアンテナ210,220,230,240と反射板201を備え、4本の円形ループアンテナ210,220,230,240が、中心位置cを一致させた状態で同一の平面内に配置される。
なお、本例の円形ループアンテナ110~140,210~240は、後述するように給電部で途切れた円形の導体で構成され、導体が環状には繋がっていない(図4及び図5参照)。

【0020】
送信アンテナ100及び受信アンテナ200を構成する各円形ループアンテナ110~140,210~240は、それぞれが独立しており、本例の無線通信装置で無線伝送する周波数から決まる波長の整数倍となる長さを有する。各円形ループアンテナ110~140,210~240の長さの詳細については後述する。

【0021】
図1に示すように、送信アンテナ100の中心位置cを円形ループアンテナ110~140と直交する方向に延長させた中心軸φは、受信アンテナ200の中心位置cを通過する。すなわち、送信アンテナ100と受信アンテナ200とは、それぞれの中心軸φをほぼ一致させた状態で配置される。

【0022】
また特許文献2よりループアンテナ110,210の端子方位を0°とし、ループアンテナ120,220は115°、ループアンテナ130,230は225°、ループアンテナ140,240は50°とした。

【0023】
送信側の構成について説明すると、送信データ生成部10が、4つの送信データ系列を生成し、生成した4つの送信データ系列を、4つの送信部21,22,23,24に供給する。各送信部21,22,23,24は、供給される送信データ系列を、それぞれ同じ送信周波数に変調された送信信号とする。各送信部21,22,23,24で得た送信信号は、信号線31,32,33,34を介して、4本の円形ループアンテナ110,120,130,140に垂直に接続された給電部111,121,131,141に供給される。
そして、4本の円形ループアンテナ110,120,130,140は、各給電部111,121,131,141に得られる送信信号を無線伝送する。

【0024】
特許文献1及び特許文献2によれば、ループアンテナから放射されるOAM波のモード比は、ループアンテナ上の電流分布をフーリエ級数展開したときの展開係数の比となる。この展開係数の値はループ半径、ループの導体幅、それぞれのループの位置関係から決定されるため、適切なパラメータで設計を行うことで任意のモードのOAM波を最大に放射するループアンテナが設計できる。

【0025】
ある導体を流れる電流による他の導体の誘起電流は、ある導体中の電流の流れる方向にしか誘起されない。そのためアンテナと同一平面に給電回路を設けると、給電回路に流れた電流による誘起電流がループアンテナに生じる。この誘起電流により、理想的に設計したループアンテナであっても、その電流分布が乱され、放射するOAM波のモード単一性が悪化する。

【0026】
それに対し本発明の給電部111,121,131,141はループアンテナ110,120,130,140と直交した導体のみで構成されるため、ループアンテナ、給電部それぞれの電流はそれぞれの導体に誘起電流を生じない。これによりループアンテナ上の電流分布がバランの誘起電流によって乱されることがなくなり、放射するOAM波のモード単一性のバランによる悪化がなくなる。

【0027】
4本の円形ループアンテナ110,120,130,140から無線伝送された信号は、受信アンテナ200の4本の円形ループアンテナ210,220,230,240で個別に受信される。4本の円形ループアンテナ210,220,230,240は、それぞれ別の給電部211,221,231,241を備え、各給電部211,221,231,241に得られる受信信号が、信号線41,42,43,44を介して個別の受信部51,52,53,54に供給される。各受信部51,52,53,54は、同じ周波数で伝送された信号を受信処理して、受信データ系列を得る。各受信部51,42,53,54で得られた受信データ系列は、受信データ処理部60に供給される。

【0028】
[2.アンテナ装置の構成]
図2及び図3は、送信アンテナ100の構成を示す。図2及び図3は、送信アンテナ100の構成を示すが、受信アンテナ200も送信アンテナ100と同じ構成であるから、図2及び図3の説明を適用することができる。
図2に示すように、送信アンテナ100が備える4本の円形ループアンテナ110,120,130,140は、同心円状に配置される。それぞれの円形ループアンテナ110,120,130,140を構成する導体の長さは、送信信号の周波数から決まる波長の約整数倍に設定する。

【0029】
図4及び図5は、円形ループアンテナ110に接続される給電部111の詳細構成を拡大して示したものである。
円形ループアンテナ110の一端110aと裏面にある他端110bとの間は非導通状態で近接し、一端110a及び他端110bには、比誘電率4.7のプリント基板上の直線状の結合線路111a及び裏面にある直線状の結合線路111bがパッド111c及び裏面にあるパッド111dによって接続される。また111a及び111bの他端にはパッド111e及び裏面にあるパッド111fが形成される。111a,111b,111c,111d,111e,111fは比誘電率4.7のプリント基板111g上に配置される。
2つのパッド111e及び111fには、図1に示す送信部21から互いに逆極性の差動信号が供給される。

【0030】
図6及び図7に示す構成の給電部111は、実インピーダンス変換を行うバランとして機能する。このバランとしての機能を持つ給電部111により、例えば円形ループアンテナ110の入力インピーダンスを、同軸ケーブルのインピーダンスである50Ωに合わせることができる。
また、ループアンテナの導体と直交した導体のみで構成されるため、給電部とループアンテナは互いに誘起電流を生じない。

【0031】
送信アンテナ100が備える他の円形ループアンテナ120,130,140に接続された給電部121,131,141についても、図3に示す給電部111と同様の構成であり、それぞれの給電部121,131,141に対応した送信部22,23,24から差動信号が供給される。

【0032】
また、受信アンテナ200の各円形ループアンテナ210,220,230,240に接続された給電部211,221,231,241についても、図1に示す給電部111と同様の構成である。すなわち、各給電部211,221,231,241のパッド(図3に示すパッド111e及び111fと同様の構成)に、各円形ループアンテナ210,220,230,240で受信した差動信号が得られ、パッドに得られる差動信号が各受信部51,52,53,54に供給される。

【0033】
図8は、図2のI-I´断面図である。

【0034】
図9は、送信アンテナ100と受信アンテナ200を図1に示すように配置した場合の、各円形ループアンテナ110~140,210~240の反射損失とアンテナ間の通過特性を評価した特性図である。
ここでは、各アンテナ100,200の4つの円形ループアンテナ110~140,210~240の半径及び導体幅として、以下のように設定する。
・円形ループアンテナ110,210:半径3.05mm、導体幅0.2mm
・円形ループアンテナ120,220:半径6.85mm、導体幅0.2mm
・円形ループアンテナ130,230:半径10.40mm、導体幅0.2mm
・円形ループアンテナ140,240:半径13.95mm、導体幅0.2mm
また、各円形ループアンテナ110~140,210~240を構成する導体を、0.1mmの厚さで、比誘電率4.7のプリント基板上に配置する。そして、送信アンテナ100と受信アンテナ200とを15mm間隔で対向して配置して評価したのが、図9である。この場合の電流及び電磁界のモード次数nは、n=1,2,3,4に相当する。また、各給電部111~141,211~214の端子インピーダンスは差動100Ωとする。

【0035】
図9Aはループアンテナの反射損失、図9Bはループアンテナの相互インピーダンス、図9Cは送信アンテナ100の給電部111と受信アンテナ200の各給電部211,221,231,241との間の通過特性、図9Dは送信アンテナ100の給電部121と受信アンテナ200の各給電部211,221,231,241との間の通過特性、図9Eは送信アンテナ100の給電部131と受信アンテナ200の各給電部211,221,231,241との間の通過特性、図9Fは送信アンテナ100の給電部141と受信アンテナ200の各給電部211,221,231,241との間の通過特性をそれぞれ示す。

【0036】
図9Aに示す反射損失について説明すると、特性S11は円形ループアンテナ110,210の反射損失、特性S22は円形ループアンテナ120,220の反射損失、特性S33は円形ループアンテナ130,230の反射損失、特性S44は円形ループアンテナ140,240の反射損失である。図9Aでは、11GHzから13GHzまでの反射損失を示している。
図9Aに示すように反射損失は、周囲長が波長の整数倍となる概ね12GHzの付近で、良好な特性となっている。

【0037】
図9Bに示す相互インピーダンスについて説明すると、特性S21は、円形ループアンテナ110,120の相互インピーダンス、特性S31は、円形ループアンテナ110,130の相互インピーダンス、特性S41は、円形ループアンテナ110,140の相互インピーダンス、特性S32は、円形ループアンテナ120,130の相互インピーダンス、特性S42は、円形ループアンテナ120,140の相互インピーダンス、特性S43は、円形ループアンテナ130,140の相互インピーダンスである。図9Bでは、11GHzから13GHzまでの相互インピーダンスを示す。
図9Bに示すように隣接する円形ループアンテナ間の相互インピーダンスは、この周波数領域では-21.8dB以下と小さく、サイズの異なることに起因する磁気量子数モードの違いで、その値は十分に小さく、従来例に比べて2.8dB改善した。

【0038】
次に、図9C~図9Fの各アンテナの通過特性について説明する。図9C~図9Fは、11GHzから13GHzまでの通過特性を示している。
図9Cは送信アンテナ100の円形ループアンテナ110の給電部111と受信アンテナ200の各円形ループアンテナ210~240の給電部211~241との間の通過特性を示す。特性S51は、給電部111と給電部211との通過特性を示す。特性S61は、給電部111と給電部221との通過特性を示す。特性S71は、給電部111と給電部231との通過特性を示す。特性S81は、給電部111と給電部241との通過特性を示す。

【0039】
図9Dは送信アンテナ100の円形ループアンテナ120の給電部121と受信アンテナ200の各円形ループアンテナ210~240の給電部211~241との間の通過特性を示す。特性S52は、給電部121と給電部211との通過特性を示す。特性S62は、給電部121と給電部221との通過特性を示す。特性S72は、給電部121と給電部231との通過特性を示す。特性S82は、給電部121と給電部241との通過特性を示す。

【0040】
図9Eは送信アンテナ100の円形ループアンテナ130の給電部131と受信アンテナ200の各円形ループアンテナ210~240の給電部211~241との間の通過特性を示す。特性S53は、給電部131と給電部211との通過特性を示す。特性S63は、給電部131と給電部221との通過特性を示す。特性S73は、給電部131と給電部231との通過特性を示す。特性S83は、給電部131と給電部241との通過特性を示す。

【0041】
図9Fは送信アンテナ100の円形ループアンテナ140の給電部141と受信アンテナ200の各円形ループアンテナ210~240の給電部211~241との間の通過特性を示す。特性S54は、給電部141と給電部211との通過特性を示す。特性S64は、給電部141と給電部221との通過特性を示す。特性S74は、給電部141と給電部231との通過特性を示す。特性S84は、給電部141と給電部241との通過特性を示す。

【0042】
これら図9C~図9Fに示すように、周囲長が同じ円形ループアンテナ同士の組み合わせの通過特性S51,S62,S73,S84と、周囲長が異なる場合の通過特性(例えば特性S61,S71,S81)との比のは、19.3dB以上であり、従来例に比べて1.0dB改善した。

【0043】
以上説明したように、本例の給電回路によると、アンテナ110~140,210~240の電流分布を乱すことなく給電することができ、OAM波のモード単一性を悪化させない
【符号の説明】
【0044】
10…送信データ生成部、21~24…送信部、31~34,41~44…信号線、51~54…受信部、60…受信データ処理部、100…送信アンテナ、101…反射板、102…アンテナ基板、110,120,130,140,210,220,230,240…ループ部、111,121,131,141,211,221,231,241…給電部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8