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Specification :(In Japanese)接合構造

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6662519
Publication number P2017-067093A
Date of registration Feb 17, 2020
Date of issue Mar 11, 2020
Date of publication of application Apr 6, 2017
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)接合構造
IPC (International Patent Classification) F16B   5/02        (2006.01)
E04B   1/61        (2006.01)
E04B   1/24        (2006.01)
FI (File Index) F16B 5/02 U
F16B 5/02 A
E04B 1/61 502P
E04B 1/24 E
Number of claims or invention 5
Total pages 9
Application Number P2015-190091
Date of filing Sep 28, 2015
Date of request for substantive examination Aug 1, 2018
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】田中 照久
【氏名】木村 潤一
Representative (In Japanese)【識別番号】100099508、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 久
【識別番号】100182567、【弁理士】、【氏名又は名称】遠坂 啓太
【識別番号】100195327、【弁理士】、【氏名又は名称】森 博
【識別番号】100197642、【弁理士】、【氏名又は名称】南瀬 透
Examiner (In Japanese)【審査官】熊谷 健治
Document or reference (In Japanese)特開2010-019371(JP,A)
特開2010-053956(JP,A)
特開2004-108425(JP,A)
特開平08-338073(JP,A)
実開昭54-79455(JP,U)
Field of search F16B 5/00- 5/12
E04B 1/24
E04B 1/61
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
ボルト孔が開設された被接合部材と、前記ボルト孔及び前記被接合部材を挟むように配置された複数の添え板と、前記添え板に開設されたボルト孔及び前記被接合部材のボルト孔を貫通するボルトと、前記ボルトに締め付けられたナットと、を備えた接合構造であって、前記添え板のボルト孔の周囲に前記添え板の一方の面から他方の面に向かって剪断変形状に突出した状態で段差部が突設され、
前記添え板の一方の面に形成された前記段差部の凹状部の内周面が前記添え板の一方の面と直角をなし、前記添え板の他方の面に形成された前記段差部の凸状部の外周面が前記添え板の他方の面と直角をなし、
前記段差部の凸状部側を前記被接合部材の前記ボルト孔の内部に嵌入させた接合構造。
【請求項2】
前記段差部の外周形状が前記添え板のボルト孔と同心をなす円形状である請求項1記載の接合構造。
【請求項3】
前記段差部の段抜き高さが前記添え板の厚さの1/6~1/2である請求項1または2記載の接合構造。
【請求項4】
前記ボルトの前記被接合部材のボルト孔内に位置する部分に座金を装着した請求項1~3のいずれか1項に記載の接合構造。
【請求項5】
前記段差部の凸状部の外周が拡径方向に変位した請求項1~4のいずれか1項に記載の接合構造。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、各種鉄骨構造物を構成する鋼板や鉄骨などを互いに接合する部分の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板の接合構造については、従来、突合せ状態に接近配置された複数の鋼板を複数の添え板で挟み、積層状態となった添え板及び鋼板に高力ボルトを貫通させてナットで締め付ける、所謂、高力ボルト摩擦接合構造が一般的である。
【0003】
しかしながら、従来の高力ボルト接合構造における接合部の降伏耐力は、高力ボルトのすべり耐力で決まる場合が殆どであり、降伏耐力(即ち、すべり耐力)の増大を図るためには、ボルト本数やボルト軸径の増大、高強度ボルトの採用や摩擦面処理の工夫などが必要となっている。
【0004】
一方、従来の高力ボルト接合構造の問題点を改良するものとして、例えば、特許文献1に記載された「高力ボルト接合構造」がある。この「高力ボルト接合構造」は、特許文献1中の図2などに記載されているように、高力ボルトの軸部が挿通する被接合部材のボルト孔を、被接合部材の厚さ方向内側に向かうに従い漸次縮径して孔面をテーパー状に形成した支圧孔部を備えて形成されている。
【0005】
また、添板に、ボルト孔の径方向外側に位置する同心円状の屈曲部で屈曲して支圧孔部に嵌合する支圧部を設ける。そして、高力ボルトで一対の被接合部材と添板とを締め付けるとともに、座金部材で添板の支圧部を押圧させ、この支圧部を被接合部材の支圧孔部の孔面に押圧させることによって「高力ボルト接合構造」が形成される。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2010-53956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の「高力ボルト接合構造」は、摩擦面処理を施すことなく、且つ高力ボルトを高強度化することなく、従来の高力ボルト接合構造よりも耐力を向上させることが可能である点において優れているが、被接合部材のボルト孔の周囲及び添え板のボルト孔の周囲が複雑な形状であるため、これらの形状を形成するまでに多大な労力と時間を要する。また、特殊な形状をした座金部材も必要であるため、汎用性に欠ける面がある。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、従来の高力ボルト接合構造よりも優れた耐力及び剛性を発揮し、ボルト本数の削減、ボルト強度の緩和、接合面の表面処理の省力化、並びに、ボルト締め付け施工及び導入軸力管理の省力化を図ることができる接合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の接合構造は、ボルト孔が開設された被接合部材と、前記ボルト孔及び前記被接合部材を挟むように配置された複数の添え板と、前記添え板に開設されたボルト孔及び前記被接合部材のボルト孔を貫通するボルトと、前記ボルトに締め付けられたナットと、を備えた接合構造であって、前記添え板のボルト孔の周囲に前記添え板の一方の面から他方の面に向かって剪断変形状に突出した状態で段差部が突設され、
前記添え板の一方の面に形成された前記段差部の凹状部の内周面が前記添え板の一方の面と直角をなし、前記添え板の他方の面に形成された前記段差部の凸状部の外周面が前記添え板の他方の面と直角をなし、
前記段差部の凸状部側を前記被接合部材の前記ボルト孔の内部に嵌入させたことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記段差部の外周形状を前記添え板のボルト孔と同心をなす円形状とすることが望ましい。
【0011】
また、前記段差部の段抜き高さは前記添え板の厚さの1/6~1/2とすることが望ましい。
【0012】
一方、前記ボルトの前記被接合部材のボルト孔内に位置する部分に座金を装着することができる。
【0013】
さらに、前記段差部の凸形状側の外周が拡径方向に変位した状態とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、従来の高力ボルト接合構造よりも優れた耐力を発揮し、ボルト本数の削減、ボルト強度の緩和、接合面の表面処理の省力化、並びに、ボルト締め付け施工及び導入軸力管理の省力化を図ることができる接合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態である接合構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す接合構造を構成する添え板の表面部分を示す一部省略斜視図である。
【図3】図2に示す添え板の裏面部分を示す一部省略斜視図である。
【図4】図2中のX-X線における断面図である。
【図5】図1に示す接合構造に外力が加わって変形した状態を示す断面図である。
【図6】図5に示す接合構造に外力が加わってさらに変形した状態を示す断面図である。
【図7】その他の実施形態である接合構造を示す断面図である。
【図8】その他の実施形態である接合構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1~図7に基づいて本発明の実施形態である接合構造100,200,300について説明する。

【0017】
図1に示す接合構造100は、ボルト孔11が開設された被接合部材10と、ボルト孔11を含む被接合部材10の両面を挟むように配置された2枚の添え板20,20と、添え板20,20に開設されたボルト孔21,21及び被接合部材10のボルト孔11を貫通するボルト30と、ボルト30締め付けられたナット31と、を備えている。2枚の添え板20,20のボルト孔21,21の周囲に突設された段差部22の凸状部22b側が被接合部材10のボルト孔11の内部に嵌入されている。ナット31と添え板20との間のボルト30には座金32が挿着されている。

【0018】
図1に示す接合構造100を構成する2枚の添え板20,20は板状部材(鋼板)で形成されている。図2,図3及び図4に示すように、段差部22は添え板20のボルト孔21の周囲に、当該添え板20の一方の面(表面20a)から他方の面(裏面20b)に向かって突出した状態で形成されている。即ち、図2に示すように、添え板20の表面20aに段差部22の凹状部22aが形成され、図3に示すように添え板20の裏面20b側において段差部22の凸状部22bが形成されている。

【0019】
図2~図4に示すように、段差部22の凹状部22aの外周22asの形状及び段差部22の凸状部22bの外周22bsの形状は添え板20のボルト孔21の中心線21cと同心をなす円形状としている。添え板20の製造方法は限定しないが、例えば、ボルト孔21を開設した鋼板をダイ上に載置し、金型パンチにてボルト孔21の周囲に強制的に剪断変形を加えて段差部22を形成させる、段抜きプレスという加工方法を用いることができる。段抜きプレスで形成した添え板20は「段抜き開口鋼板」と呼称されることがあり、図4中において矢線Yで示す距離を「段抜き高さ」と呼ぶことがある。段差部22の段抜き高さYは添え板20の厚さの1/6~1/2とすることが望ましい。

【0020】
ここで、図5,図6に基づいて、図1に示す接合構造100に外力が作用した場合の変形機構などについて説明する。図5に示すように、接合構造100を構成する被接合部材10及び添え板20,20に対し、互いに平行で向きが180度異なる外力P1,P2がそれぞれ作用し、外力P1,P2が被接合部材10と添え板20,20との間の摩擦抵抗力を超えると、被接合部材10のボルト孔11と、段差部22とが相対的に反対方向へ移動していき、矢線Aで示す部分において、被接合部材10のボルト孔11の内周面11aと、添え板20の段差部22の凸状部22bの外周面22be(図4参照)とが接触した時点で、一旦、移動が停止する。

【0021】
前述したように、内周面11aと外周面22beとが接触した後、外力P1,P2がさら増大していくと、図6に示すように、段差部22の一方の側(図6中の左側)が添え板20本体に対して剪断方向に変形していくとともに、添え板20のボルト孔21が偏平するように変形していく。前述した変形が生じると、図6中の矢線B,Cで示す部分において、ボルト30の外周面30aと、添え板20,20のボルト孔21の内周面21aとが接触する。この後、さらに外力P1,P2が増大すると、段差部22が剪断破壊または支圧破壊するとともにボルト30の軸部が剪断破壊し、その時点での外力の大きさが最大耐力となる。

【0022】
図1に示す接合構造100は、従来の高力ボルト接合構造に比べ、最大耐力が約1.2倍~1.5倍となる、優れた耐力を発揮するので、ボルト本数の削減、ボルト強度の緩和、接合面の表面処理の省力化、並びに、ボルト締め付け施工及び導入軸力管理の省力化を図ることができる。

【0023】
次に、図7,図8に基づいて、本発明のその他の実施形態である接合構造200,300について説明する。なお、図7,図8に示す接合構造200,300において、図1に示す接合構造100を構成する部分と同じ構造、機能を示す部分については図1中に示す記号と同じ符号を付して説明を省略する。

【0024】
図7に示す接合構造200においては、ボルト30において、被接合部材10のボルト孔11内に位置する部分30bに複数の座金33を装着している。図7に示すように、複数の座金33は、2枚の添え板20,20の段差部22,22の凸状部22b,22bの間に隙間なく挟持された状態となっている。なお、座金33は単数の場合もある。

【0025】
座金33がない場合、ボルト30の締め付け軸力を導入すると、段差部22の段抜き高さY(図4参照)が増大するが、図7に示す接合構造200のように、座金33がある場合、段抜き高さYの変形を抑制することができる。また、座金33がなく、添え板20(鋼板)の板厚に対する段抜き高さYの比が大きい場合に、ボルト30が締め付けられると、現行の高力ボルト摩擦接合の標準ボルト軸力が導入される前に、段差部22のボルト30の軸方向の変形が過大となり、剪断破壊することがある。

【0026】
ところが、図7に示す接合構造200のように、ボルト30に複数の座金33を装着すると、前記剪断破壊を防ぐことができ、かつ、標準ボルト軸力を導入することが可能となり、段差部22と座金33との間の摩擦力発生を期待することができる。また、複数の座金33の合計厚さを、添え板20,20間の隙間(対向する凸状部22,22の間の隙間)より小さくしておけば、ボルト30・ナット31の締め付け力を変えることにより、段抜き高さY(図4参照)の変形量を容易にコントロールすることができる。

【0027】
次に、図8に示す接合構造300においては、2枚の添え板20,20の段差部22,22の凸状部22bの外周22bsが拡径方向に変位した状態となっている。接合構造300の場合、最初の段階で、被接合部材10のボルト孔11の内周面11aに、添え板20の凸状部22bの外周22bsが接触した状態となっているので、図5中に示す外力P1,P2が加わったときの剛性が高いという長所がある。

【0028】
図8に示す接合構造300において、2枚の添え板20,20の段差部22,22の凸状部22bの外周22bsを拡径方向に変位させる方法としては、例えば、ボルト30にナット31を締め付けるとき、強い力で締め付け、二つの段差部22,22のボルト孔21の部分が互いに接近するように変形させるという方法がある。この場合、座金32,34の代わりに、円錐台の側面の一部をなすような押圧面41を一方の面に有する座金40を使用すれば、前述した拡径方向の変形を容易化することができる。

【0029】
また、図8に示す接合構造300は、外力が加わったときに図5に示すような変形機構が生じるのを抑制することができる。即ち、接合構造300においては、外力が加わったときの小さな変形状態の段階から、ボルト孔11の内周面11aと段差部22の凸状部22bの外周22bsとの間の力の伝達が可能となるので、初期剛性の増大を期待することができる。

【0030】
さらに、接合構造300においては、図5に示す外力P1,P2が加わり始めた初期の段階から図6に示す変形機構が生じるのを期待することができるので、変形過程で一度も耐力が低下することなく、小さな変形で最大耐力を発揮することができる。以上のことより、接合構造300は高剛性、高耐力を備えた接合構造であるといえる。

【0031】
なお、図1~図8に基づいて説明した接合構造100,200,300は、本発明の接合構造を例示するものであり、本発明の接合構造は前述した接合構造100,200,300に限定されない。また、図1,図5,図6,図7に示す実施形態ではトルシア形高力ボルトを使用し、図8に示す実施形態では六角高力ボルトを使用しているが、ボルトの種類はこれらに限定されないので、六角高力ボルト、トルシア形高力ボルトあるいは普通ボルトなど様々な種類のボルトを使用することができる。

【0032】
さらに、ボルト孔11の周囲に段差部22を有する添え板20は、各種鉄骨構造物(鋼材と鋼材との接合構造物)に限らず、鋼材とコンクリートとの接合構造物、鋼材と木材との接合構造物、コンクリート同士の接合構造物、木材同士の接合構造物あるいはその他の材料(例えば、FRPなど)の接合構造物において広く利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の接合構造は、各種鉄骨構造物における鋼板や鉄骨の接合構造として土木建設業や建築業などの分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 被接合部材
11,21 ボルト孔
20 添え板
20a 表面
20b 裏面
21a 内周面
21c 中心線
22 段差部
22a 凹状部
22as,22bs 外周
22b 凸状部
22be 外周面
30 ボルト
30a 外周面
31 ナット
32,33,34,40 座金
41 押圧面
100,200,300 接合構造
P1,P2 外力
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7