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明細書 :ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-099538 (P2019-099538A)
公開日 令和元年6月24日(2019.6.24)
発明の名称または考案の名称 ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング
国際特許分類 C07D 401/04        (2006.01)
A61K  31/5377      (2006.01)
A61K  49/10        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  51/04        (2006.01)
FI C07D 401/04 CSP
A61K 31/5377
A61K 49/10
A61P 35/00
A61P 43/00 111
A61K 51/04 200
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 25
出願番号 特願2017-235469 (P2017-235469)
出願日 平成29年12月7日(2017.12.7)
発明者または考案者 【氏名】佐治 英郎
【氏名】木村 寛之
【氏名】渡邊 裕之
【氏名】菊地 哲
【氏名】中村 博
【氏名】中西 修一
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
個別代理人の代理人 【識別番号】110000040、【氏名又は名称】特許業務法人池内アンドパートナーズ
審査請求 未請求
テーマコード 4C063
4C085
4C086
Fターム 4C063AA01
4C063BB02
4C063CC10
4C063DD08
4C063EE01
4C085HH03
4C085HH07
4C085KA29
4C085KB20
4C085KB56
4C085LL18
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC73
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
要約 【課題】一態様において、新規なベンゾ[b]カルバゾール化合物の提供。その他の態様において、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍のイメージングが可能なベンゾ[b]カルバゾール化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩。
JP2019099538A_000021t.gif
式中、
1は、放射性ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基である。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】
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で表される化合物又はその製薬上許容される塩であって、
式中、
1は、放射性ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基であり、
2は、1以上のR3で置換されてもよい4-7員へテロシクロアルキル基、又は1以上のR4で置換されてよいC1-6アルコキシ基であり、
3は、4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又は、C1-6アルキルスルホニル基であり、
4は、4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、又は、C1-6アルキルアミノ基である、
化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項2】
前記式(I)で表される化合物が、式(II)
【化2】
JP2019099538A_000018t.gif
で表される化合物であって、
式中、R1は、放射性ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基である、
請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項3】
式(III)
【化3】
JP2019099538A_000019t.gif
で表される化合物又はその製薬上許容される塩であって、
式中、
2は、1以上のR3で置換されてもよい4-7員へテロシクロアルキル基、又は1以上のR4で置換されてよいC1-6アルコキシ基であり、
5は、ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基、又はR6により置換されたC1-6炭化水素基であり、R6は1以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1-4アルキルスルホニルオキシ基、又は1以上のR7で置換されたC5-8アリールスルホニルオキシ基であり、R7は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、又はニトロ基であり、
3は、4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又はC1-6アルキルスルホニル基であり、
4は4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、又はC1-6アルキルアミノ基である、
化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項4】
前記式(III)で表される化合物が、式(IV)
【化4】
JP2019099538A_000020t.gif
で表される化合物であって、
式中、R5は、ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基、又は、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、ブロモベンゼンスルホニルオキシ基、若しくはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基により置換されたC1-6炭化水素基である、
請求項3に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む組成物。
【請求項6】
イメージング用試薬、核医学画像診断薬、又は、医薬組成物である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む組成物。
【請求項8】
請求項3又は4に記載の化合物又はその製剤上許容される塩を有効成分として含む、ALK阻害剤。
【請求項9】
請求項3又は4に記載の化合物又はその製剤上許容される塩を有効成分として含む、がん又はがん転移の予防剤又は治療剤。
【請求項10】
イメージングプローブ調製用試薬、核医学画像診断薬調製用試薬、又は医薬組成物である、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージング又は核医学画像診断における請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む組成物の使用。
【請求項12】
ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージング又は核医学画像診断に使用するイメージング用試薬又は核医学画像診断薬の製造のための請求項3又は4に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む組成物の使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本開示は、ベンゾ[b]カルバゾール骨格を有する化合物及び放射性標識化合物に関し、一態様においてそれらを含むイメージング用試薬及び核医学画像診断薬に関し、一態様において、それらを使用したイメージング及び核医学画像診断に関する。
【背景技術】
【0002】
アレクチニブのようなALK阻害剤が、ALK融合遺伝子陽性肺癌に対する治療薬として承認されている。例えば、特許文献1-3は、ALK阻害作用を有する4環性化合物(例えば、ベンゾ[b]カルバゾール化合物等)を開示する。
【0003】
一方、ALK阻害剤の投与には、コンパニオン診断薬を使用したALK融合遺伝子の診断(ALK融合遺伝子の陽性の確認)が必要とされている。しかしながら、現在の方法では、RT-PCR法やFISH法、免疫染色(IHC)法などいずれも生検や細胞診など侵襲的な操作が必要なものである。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特許第4588121号
【特許文献2】特許第5006987号
【特許文献3】WO 2012/023597
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、一態様において、新規なベンゾ[b]カルバゾール化合物を提供する。その他の態様において、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍のイメージングが可能なベンゾ[b]カルバゾール化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一態様において、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩に関する。
【化1】
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式中、
1は、放射性ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基であり、
2は、
(1)1以上のR3で置換されてもよい4-7員へテロシクロアルキル基
3:4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又は、C1-6アルキルスルホニル基
(2)1以上のR4で置換されてよいC1-6アルコキシ基
4:4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基、アミノ基、又は、C1-6アルキルアミノ基
から選択される。
【0007】
本開示は、一態様において、式(III)で表される化合物又はその製薬上許容される塩に関する。
【化2】
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式中、
5は、ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基、又はR6により置換されたC1-6炭化水素基であり、R6は1以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1-4アルキルスルホニルオキシ基、又は1以上のR7で置換されたC5-8アリールスルホニルオキシ基であり、R7は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、又はニトロ基であり、
2は、上記式(I)と同じである。
【0008】
本開示は、一態様において、式(I)に記載の化合物、又はその製薬上許容される塩を含む組成物、これらを使用又は利用したALK融合遺伝子陽性の腫瘍のイメージング又は核医学画像診断に関する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、新規なベンゾ[b]カルバゾール化合物を提供できる。その他の態様において、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍のイメージングが可能なベンゾ[b]カルバゾール化合物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍マウスにおいて本開示に係る化合物の薬物動態を評価した結果の一例である。
【図2】図2は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍マウスにおいて本開示に係る化合物を用いてイメージングを行った結果の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述のとおり、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍のイメージングはこれまで報告がなかった。本開示は、これまで報告のなかったALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージングが、放射性同位体元素を含む新規なベンゾ[b]カルバゾール化合物により、可能になったという知見に基づく。

【0012】
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、非侵襲的なALK融合遺伝子の診断(ALK融合遺伝子の陽性の確認)が可能となる。

【0013】
本開示において「ALK」とは、Anaplastic Lymphoma Kinaseのことをいい、これは、インスリン受容体ファミリーに属する受容体型チロシンキナーゼの一つである。
本開示において「ALK融合遺伝子」とは、ALK遺伝子と他の遺伝子とが、rearrangement(遺伝子再構成)又はtranslocation(転座)により両者が融合して形成される遺伝子をいう。ALK融合遺伝子としては、EML4-ALK遺伝子、TFG-ALK遺伝子、HIF5B-ALK遺伝子等が挙げられるが、これらに限定されなくてもよい。
本開示において、ALK融合遺伝子陽性腫瘍とは、ALK融合遺伝子が発現している腫瘍をいう。ALK融合遺伝子陽性腫瘍としては、原発巣が肺、腸間膜、腹腔内臓器(肝、胃、腸、膀胱など)、頭部、又は四肢である腫瘍が挙げられるが、これらに限定されなくてもよい。なお、EML4-ALK遺伝子は肺癌に特異的である。

【0014】
本開示において「C1-6炭化水素基」とは、「C1-6アルキル基」、「C2-6アルケニル基」及び「C2-6アルキニル基」を含む。
本開示において「C1-6アルキル基」とは、炭素数1-6の直鎖状及び分枝鎖状の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基である。具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2,3-ジメチルプロピル基、ヘキシル基などが挙げられる。
本開示において「置換されたC1-6アルキル基」とは、前記C1-6アルキル基上の1以上の水素原子が、所定の置換基により置換された基を意味する。2以上の置換基を有する場合は、各置換基は同一または異なっていてもよい。さらには、アルキル基がスピロ結合によって環状置換基により置換されていてもよい。

【0015】
本開示において「C2-6アルケニル基」とは、炭素数2-6の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基のうち、少なくとも1個の二重結合(2個の隣接SP2炭素原子)を有する1価の基である。C2-6アルケニル基としては、具体的には、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基(シス、トランスを含む)、3-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
本開示において、「置換されたC2-6アルケニル基」とは、前記C2-6アルケニル基上の1以上の水素原子が、所定の置換基により置換された基を意味する。2以上の置換基を有する場合は、各置換基は同一または異なっていてもよい。さらには炭素原子が単結合の部分がスピロ結合によって環状置換基により置換されていてもよい。

【0016】
本開示において「C2-6アルキニル基」とは、炭素数2-8の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基のうち、少なくとも1個の三重結合(2個の隣接SP炭素原子)を有する、1価の基である。具体的には、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、プロパルギル基、3-ブチニル基などが挙げられる。
本開示において「置換されたC2-6アルキニル基」とは、前記C2-6アルキニル基上の1以上の水素原子が、所定の置換基により置換された基を意味する。2以上の置換基を有する場合は、各置換基は同一または異なっていてもよい。さらには炭素原子が単結合の部分がスピロ結合によって環状置換基により置換されていてもよい。

【0017】
本開示において「C3-6シクロアルキル基」は、環状の脂肪族炭化水素基を意味する。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。

【0018】
本開示において「4-7員へテロシクロアルキル基」とは、O、S及びNから選択された1-3個のヘテロ原子を含有し、環構成原子数4-7個からなる飽和もしくは部分不飽和の複素環基を意味する。当該へテロシクロアルキル基は単環、又は2環もしくはスピロ環式ヘテロシクロアルキル基であってもよい。具体的には、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジノ基、ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペリジンニル基、ピペラジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロチオピラニル基、チオモルホリノ基、イミダゾリジニル基、オキサジニル基、テトラヒドロピラニル基、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル基などが挙げられる。

【0019】
本開示において「C1-6アルキルアミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子がC1-6アルキル基で置換された基を意味する。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。

【0020】
本開示において「C1-6アルキルスルホニル基」とは、スルホニル基(-S(=O)2-)の1つの結合手にC1-6アルキル基が結合した基を意味する。具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基などが挙げられる。

【0021】
本開示において「ヒドロキシC1-6アルキルスルホニル基」とは、スルホニル基(-S(=O)2-)の1つの結合手にヒドロキシC1-6アルキル基が結合した基を意味する。具体的には、ヒドロキシメチルスルホニル基、2-ヒドロキシエチルスルホニル基、3-ヒドロキシ-n-プロピルスルホニル基などが挙げられる。

【0022】
本開示において「C1-6アルコキシ基」とは、C1-6アルキル基が酸素に結合した基を意味する。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、1-プロポキシ基、2-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、1-ペンチルオキシ基、2-ペンチルオキシ基、3-ペンチルオキシ基、2-メチル-1-ブチルオキシ基、3-メチル-1-ブチルオキシ基、2-メチル-2-ブチルオキシ基、3-メチル-2-ブチルオキシ基、2,2-ジメチル-1-プロピルオキシ基、1-へキシルオキシ基、2-へキシルオキシ基、3-へキシルオキシ基などが挙げられる。
「置換されたC1-6アルコキシ基」とは、C1-6アルコキシ基上の1以上の水素原子が、所定の置換基により置換された基を意味する。2以上の置換基を有する場合は、各置換基は同一または異なっていてもよい。さらには炭素原子が単結合の部分がスピロ結合によって環状置換基により置換されていてもよい。

【0023】
本開示において、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本開示において、「放射性ハロゲン原子」とは、ハロゲン原子の放射性同位体をいう。放射性ハロゲン原子としては、123I、124I、125I、131I、18F、75Br、76Br、及び77Brが挙げられる。

【0024】
本開示において「イメージング」とは、放射性同位体(RI)を含む本開示に係る化合物(イメージングプローブ)を体内に投与し、体内から放出される放射線(放射性シグナル)を体外から計測・画像化することを含む。また、その他の態様において、「イメージング」とは、放射性同位体(RI)を含む本開示に係る化合物(イメージングプローブ)が投与された生体内から放出される放射線(放射性シグナル)を体外から計測・画像化することを含む。「イメージング」は、核医学画像診断のために計測データ及び/又は画像データを取得することを含む。本開示において「イメージング」は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージングを含むが、本開示において「イメージング」はこの用途に限定されなくてもよい。

【0025】
本開示において「核医学画像診断薬」とは、体内に投与し、体内から放出される放射線(放射性シグナル)を体外から計測・画像化し、臓器又は組織の生体機能の評価又は検査や、疾病の診断等を行うインビボ核医学検査に用いられる放射性標識化合物を含む薬剤、又は体内から採取した組織や血液等の試料と試験管内で反応させ、臓器又は組織の生体機能の評価又は検査や、疾病の診断等を行うインビトロ核医学検査に用いられる放射性標識化合物を含む薬剤をいう。インビボ核医学検査としては、一又は複数の実施形態において、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)や、PET(Positron Emission Tomography)等といった核医学イメージングプローブを用いた方法が挙げられる。本開示において「核医学画像診断」は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍の核医学画像診断を含むが、本開示において「核医学画像診断」はこの用途に限定されなくてもよい。本開示において、「ALK融合遺伝子陽性腫瘍の核医学画像診断」は、ALK阻害剤を患者に投与する前に行う、ALK融合遺伝子の診断(ALK融合遺伝子の陽性の確認)を含みうる。

【0026】
本開示において「製薬上許容される塩」とは、薬理上及び/又は医薬上許容される塩を含有し、例えば、無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、有機塩基塩、酸性又は塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。本開示において「塩」には、化合物が大気中に放置されることにより、水分を吸収して形成されうる水和物が包含され得る。また、本開示において「塩」には、化合物が他のある種の溶媒を吸収して形成されうる溶媒和物も包含され得る。

【0027】
本開示は、一態様において、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩(以下、「本開示に係る放射性化合物」ともいう)に関する。
【化3】
JP2019099538A_000005t.gif

【0028】
式(I)において、R1は、放射性ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基である。炭素数は、一又は複数の実施形態において、ALK阻害能の観点から、1-4が好ましい。C1-6炭化水素基は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、C1-4アルキル基が好ましい。
C1-6炭化水素基における放射性ハロゲン原子の置換部位は、一又は複数の実施形態において、化合物の合成の観点及びイメージングの観点から、炭化水素基の末端であることが好ましい。

【0029】
式(I)において、
2は、
(1)1以上のR3で置換されてもよい4-7員へテロシクロアルキル基
3:4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、(ヒドロキシC1-6アルキル)スルホニル基、アミノ基、C1-6アルキルアミノ基、又は、C1-6アルキルスルホニル基
(2)1以上のR4で置換されてよいC1-6アルコキシ基
4:4-7員ヘテロシクロアルキル基、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、(ヒドロキシC1-6アルキル)スルホニル基、アミノ基、又は、C1-6アルキルアミノ基
から選択される。

【0030】
式(I)において、R2は、一又は複数の実施形態において、ALK阻害能の観点から、1以上のR3で置換されてもよい4-7員へテロシクロアルキル基であって、R3は、4-7員ヘテロシクロアルキル基であり、好ましくは1以上のR3で置換された4-7員ヘテロシクロアルキル基であり、より好ましくは4-7員ヘテロシクロアルキル基で置換された4-7員へテロシクロアルキル基(例えば、4-モルホリン-4-イル-ピペリジン-1-イル基)である。

【0031】
本態様の一又は複数の実施形態として、式(II)で表される化合物、又はその製薬上許容される塩が挙げられる。なお、式(II)において、R1は、式(I)と同様である。
【化4】
JP2019099538A_000006t.gif

【0032】
本開示に係る放射性化合物は、放射性同位元素(放射性ハロゲン)を有し、かつ、一又は複数の実施形態において、ALK阻害能を有するから、イメージングや核医学画像診断に使用できる。
したがって、本開示は、その他の態様において、本開示に係る放射性化合物を含む組成物に関する。
本態様の組成物は、一又は複数の実施形態において、イメージング用試薬、核医学画像診断薬、又は、医薬組成物として使用できる。本態様の組成物の形態は、特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、溶液又は粉末が挙げられる。これらは、担体等の医薬品添加物を含んでいてもよい。本開示において医薬品添加物は、日本薬局方、アメリカ薬局方及び/又はヨーロッパ薬局方等で医薬品添加物として許認可を受けている化合物をいう。担体としては、例えば、水性溶媒及び非水性溶媒が使用できる。水性溶媒としては、例えば、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、リンゲル液、及び蒸留水等が挙げられる。非水性溶媒としては、例えば、ポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノール、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、及びプロピレングリコール等が挙げられる。

【0033】
本態様の組成物は、一又は複数の実施形態において、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージングのためのイメージング用試薬、又は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍の核医学画像診のための核医学画像診断薬である。
よって、本開示は、一態様において、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージング又は核医学画像診断における本開示に係る放射性化合物の使用、又は、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージング又は核医学画像診断における本態様の組成物の使用に関する。

【0034】
イメージングや核医学画像診断の対象(被検体)は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ヒト、ヒト以外の哺乳類、モデル動物、培養細胞、及びALK融合遺伝子が存在しうる対象から選択される。

【0035】
イメージングは、一又は複数の実施形態において、本開示に係る放射性化合物、又は、本開示に係るイメージング用試薬若しくは核医学画像診断薬が投与された被検体から前記化合物の放射性シグナルを検出することを含む。シグナルの検出は、使用する本開示に係る放射性化合物に含まれる放射性同位元素の種類に応じて適宜決定でき、例えば、PET又はSPECT等を用いて行うことができる。

【0036】
本開示は、その他の態様において、式(III)で表される化合物又はその製薬上許容される塩(以下、「本開示に係るcold体/前駆体」ともいう。)に関する。
【化5】
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【0037】
式(III)において、R2は、式(I)と同様である。

【0038】
式(III)において、R5は、ハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基、又はR6により置換されたC1-6炭化水素基である。R5における炭化水素基の炭素数は、一又は複数の実施形態において、ALK阻害能の観点から、1-4が好ましい。C1-6炭化水素基は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、C1-4アルキル基が好ましい。
6は、1以上のハロゲン原子により置換されてもよいC1-4アルキルスルホニルオキシ基、又は1以上のR7で置換されたC5-8アリールスルホニルオキシ基である。R7は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基、又はニトロ基である。C1-4アルキル基としては、メチル基などが挙げられる。C5-8アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。R6としては、一又は複数の実施形態において、メタンスルホニルオキシ基(メシレート、OMs)、トルエンスルホニルオキシ基(トシレート、OTs)、ニトロベンゼンスルホニルオキシ基(ノシレート、ONs)、ブロモベンゼンスルホニルオキシ基(ブロシレート、OBs)、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基(トリフレート、OTf)などが挙げられる。

【0039】
よって、本態様は、一又は複数の実施形態において、式(IV)で表される化合物又はその製薬上許容される塩である。R5は、式(III)と同様である。
【化6】
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【0040】
本態様の化合物は、一又は複数の実施形態において、放射性同位元素を含まない。本態様の化合物は、一又は複数の実施形態において、本開示に係る放射性化合物のcold体又は前駆体である。
5がフッ素以外のハロゲン原子やR6(上記のアルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニル基)を有する場合、放射性同位元素を含む本開示に係る化合物の前駆体となりうる。R6(上記のアルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニル基)は、脱離基として機能し得る。

【0041】
本開示は、その他の態様において、本開示に係るcold体/前駆体を含む組成物に関する。
本態様の組成物は、一又は複数の実施形態において、イメージング用試薬を製造するための組成物、核医学画像診断薬を製造するための組成物、又は、医薬組成物として使用できる。本態様の組成物の形態は、特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、溶液又は粉末が挙げられる。これらは、担体等の医薬品添加物を含んでいてもよい。医薬品添加物については、上述のとおりである。
よって、本開示は、一態様において、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージング又は核医学画像診断に使用するイメージング用試薬又は核医学画像診断薬の製造のための、本開示に係るcold体/前駆体の使用、並びに、本開示に係るcold体/前駆体を含む組成物の使用に関する。
本開示に係るcold体としては、上記式(III)及び(IV)において、R5がハロゲン原子により置換されたC1-6炭化水素基である、ベンゾ[b]カルバゾール化合物が挙げられる。

【0042】
[キット]
本開示は、さらにその他の態様として、本開示に係るcold体/前駆体と、放射性金属核種とを含むキットに関する。さらにその他の態様として、本開示に係る放射性化合物を含むキットに関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、本開示に係る放射性化合物を製造するためのキット、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージングを行うためのキットなどが挙げられる。キットは、一又は複数の実施形態において、これらの各態様において、それぞれの形態に応じた取扱い説明書を含む。取扱い説明書は、キットに同梱されてもよいし、ウェブ上で提供されてもよい。キットは、一又は複数の実施形態において、本開示に係る放射性化合物又は本開示に係るcold体/前駆体を入れるための容器をさらに含む。容器としては、例えば、シリンジやバイアル瓶等が挙げられる。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、バッファー及び浸透圧調整剤等の分子プローブを調製するための成分、並びに、注射器等の化合物の投与に使用する器具から選択される1つ以上をさらに含む。

【0043】
本開示は、さらにその他の態様として、ALK融合遺伝子陽性腫瘍をイメージングするための方法であって、本開示に係る放射性化合物を投与された被検体から前記放射性化合物に結合する放射性ハロゲン原子の放射性シグナルを検出することを含むイメージング方法に関する。被検体は、特に限定されないが、上述のとおりである。

【0044】
本開示に係るイメージング方法は、第1の態様として、本開示に係る放射性化合物を予め投与された被検体から該化合物の放射性シグナルを検出することを含む。シグナルの検出は、例えば、該化合物を投与後、シグナルの検出に十分な時間が経過後に行うことが好ましい。

【0045】
本開示に係るイメージング方法は、一又は複数の実施形態において、検出されたシグナルを再構成処理して画像に変換し表示すること、及び/又は検出されたシグナルを数値化して集積量を提示することを含む。本開示において「表示すること」は、一又は複数の実施形態において、モニタに表示すること、及び/又は印字することを含む。本開示において「提示すること」は、一又は複数の実施形態において、算出した集積量を保存すること、及び/又は外部に出力することを含む。

【0046】
シグナルの検出は、使用する放射性化合物の放射性核種の種類に応じて適宜決定でき、例えば、PET及びSPECT等を用いて行うことができる。SPECTは、例えば、本開示に係る放射性化合物を投与された被検体から放出されるγ線をガンマカメラにより測定することを含む。ガンマカメラによる測定は、例えば、投与された化合物の放射性核種から放出される放射線(γ線)を一定時間単位で測定することを含み、好ましくは放射線が放出される方向及び放射線数量を一定時間単位で測定することを含む。本開示にかかるイメージング方法は、放射線の測定により得られた測定された放射性化合物の分布を断面画像として表すこと、及び得られた断面画像を再構成することをさらに含んでいてもよい。

【0047】
PETは、例えば、本開示に係る放射性化合物を投与された被検体から、ポジトロンと電子との対消滅により生成するガンマ線をPET用検出器で同時計数することを含み、さらに、計測した結果に基づきポジトロンを放出する放射性核種の位置の三次元分布を描写することを含んでいてもよい。

【0048】
SPECT又はPETによる測定にあわせて、X線CT及び/又はMRIの測定を行ってもよい。これにより、例えば、SPECT又はPETにより得られた画像(機能画像)と、CT又はMRIにより得られた画像(形態画像)とを融合させた融合画像を得ることができる。

【0049】
本開示にかかるイメージング方法は、第2の形態として、本開示に係る放射性化合物を被検体に投与すること、及び投与された被検体から化合物の放射性シグナルを検出することを含む。シグナルの検出、及び再構成処理等は、第1の態様と同様に行うことができる。

【0050】
被検体への本開示に係る放射性化合物の投与は、局所的であってもよく、全身的であってもよい。投与経路は、被検体の状態等に応じて適宜決定できるが、例えば、静脈、動脈、皮内、腹腔内への注射又は輸液等が挙げられる。本開示に係る放射性化合物の投与量(用量)は、特に制限されず、イメージングのために所望のコントラストを得るために十分な量を投与すればよく、一又は複数の実施形態において、1μg以下とすることができる。本開示に係る放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、担体等の医薬品添加物とともに投与される。医薬品添加物としては、上述のとおりである。投与から測定までの時間は、例えば、本開示に係る放射性化合物のALKへの結合時間、該化合物の分解時間等に応じて適宜決定できる。

【0051】
[その他の態様]
本開示に係るcold体は、一又は複数の実施形態において、ALK阻害剤、がん転移の予防剤又は治療剤として使用することができる。よって、本開示は、その他の態様において、本開示に係るcold体又はその製剤上許容される塩を有効成分として含むALK阻害剤、ならびに本開示に係るcold体、又はその製剤上許容される塩を有効成分として含むがん又はがん転移の予防剤又は治療剤に関する。

【0052】
以下に、実施例を用いて本開示をさらに説明する。但し、本開示は以下の実施例に限定して解釈されない。
【実施例】
【0053】
式(V)及び下記表1で表される、cold体化合物C1-F、C3-F、C4-F及びC5-F、標識前駆体化合物C1-Cl、C3-OMs、C4-OMs及びC5-OMs、並びに、放射性同位元素を含む化合物C3-18F、C4-18F及びC5-18Fを合成した。
【実施例】
【0054】
【化7】
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【実施例】
【0055】
【表1】
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【実施例】
【0056】
表1において、「OMs」は、メタンスルホン酸エステル又はメシレートを表す。
【実施例】
【0057】
[合成方法]
各化合物の合成において、下記スキームの化合物1は、既報(例えば、特許文献2)を参考にして合成した。
【実施例】
【0058】
[化合物C5-OMs及びC5-Fの合成]
化合物C5-OMs及びC5-Fの合成は、以下のスキームで行った。
【実施例】
【0059】
【化8】
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【実施例】
【0060】
9-(5-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ペント-1-イニル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(5-(tert-Butyldimethylsilyloxy)pent-1-ynyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(2a)の合成例
化合物1(164 mg, 0.30 mmol)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)(17 mg, 0.065 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4',6’-トリイソプロピルビフェニル(以下X-Phosと略)(64 mg, 0.13 mmol)、炭酸セシウム(530 mg, 1.6 mmol)および5-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-ペンチン(310 mg, 1.6 mmol)を脱水アセトニトリル (4.0 mL)に溶解させ、オイルバス(85 ℃)で加熱した。4時間後、反応容器をオイルバスからはずし、室温に戻したのち、別容器に用意した過剰の酢酸エチルに注ぎ込んだ。生じた沈殿をろ過で除去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて粗精製し、化合物2aを含む生成物を得た。得られた粗生成物はこれ以上の精製を行わずそのまま次の反応に使用した。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.31 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.06 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.24 (1H, s), 3.86 (2H, d, J = 11.5 HZ), 3.74 (2H, dd, J = 6.5 Hz, 5.5 Hz), 3.58 (4H, m), 2.79 (2H, t, J = 11.5 Hz), 2.56 (2H, dd, J = 7.0 Hz, 6.5 Hz), 2.51 (4H, m), 2.32 (1H, m), 1.90 (2H, d, J = 11.0 Hz), 1.79-1.74 (8H, m), 1.57 (2H, m), 0.89 (9H, s), 0.06 (6H, s).
【実施例】
【0061】
9-(5-tert-ブチルジメチルシリルオキシペンチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(5-tert-Butyldimethylsilyloxypentyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(3a)の合成例
化合物2a含む粗生成物とパラジウム炭素(10%パラジウム)(87 mg)をテトラヒドロフラン(9.0 mL)とメタノール(6.0 mL)の混合溶媒に懸濁させ、反応容器を水素で置換(0.2 MPa)したのち、室温で22時間反応させた。反応後、パラジウムをセライトろ過で除去し、酢酸エチルで洗浄、回収した溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物3aを92 mg(収率 45%, 2ステップ)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.31 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.00 (2H, m), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.34 (1H, s), 3.60-3.57 (6H, m), 3.17 (2H, m), 2.76 (2H, m), 2.66 (2H, m), 2.51 (4H, m), 2.31 (1H, m), 1.90 (2H, m), 1.73 (6H, m), 1.66 (2H, m), 1.55 (2H m), 1.37 (2H, m), 0.84 (9H, s), 0.082 (6H, s).
【実施例】
【0062】
9-(5-ヒドロキシペンチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(5-Hydroxypentyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(4a)の合成例
化合物3a(92 mg, 0.14 mmol)をテトラヒドロフラン(5.0 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0 mol/L)(400 μL, 0.40 mmol)を加え、原料がなくなるまで撹拌した。反応を水で停止させ、酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物4aを69 mg(収率 92%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.01 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.34 (1H, s), 4.38 (1H, m), 3,.60 (4H, m), 3.42 (2H, m), 3.19 (2H, m), 2.76 (2H, t, J = 6.5 Hz), 2.66 (2H, m), 2.51 (4H, m), 2.30 (1H, m), 1.93 (2H, d, J = 11.0 Hz), 1.75 (6H, m), 1.68-1.49 (6H, m), 1.40 (2H, m).
【実施例】
【0063】
5-(3-シアノ-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-9-イル)ペンチルメタンスルホナート(5-(3-Cyano-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazol-9-yl)pentylmethanesulfonate)(C5-OMs)の合成例
化合物4a(69 mg, 0.13 mmol)とジイソプロピルエチルアミン(1.2 mL, 7.0 mmol)をアセトニトリル(4.0 mL)に懸濁させ、塩化メタンスルホニル(254 μL, 3.3 mmol)をゆっくり加えた。原料の消失を確認したのち、反応を水で停止させ、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物C5-OMsを51 mg(収率 65%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.02 (1H, s), 8.01 (1H, s), 7.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.35 (1H, s), 4.23 (1H, t, J = 7.0 Hz), 3.66 (1H, t, J = 6.5 Hz), 3.60 (4H, m), 3.35 (1H, s), 3.20-3.17 (4H, m), 2.78-2.66 (4H, m), 2.53 (4H, m), 2.30 (1H, m), 1.90 (2H, m), 1.79-1.69 (10H, m), 1.57 (2H, m), 1.46 (2H, m).
【実施例】
【0064】
9-(5-フルオロペンチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(5-Fluoropentyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(C5-F)の合成例
化合物C5-OMs(47 mg, 0.077 mmol)をアセトニトリル(5.0 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0 mol/L)(384 μL, 0.38 mmol)を加えた。この溶液をオイルバス(70 ℃)で加熱し反応させた。6.5 時間後、反応を水で停止させ、酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製したところ、目的化合物C5-Fを30 mg (収率 71%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.02 (1H, s), 7.97 (1H, s), 7.56 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.30 (1H, s), 4.46 (2H, d, JH-F = 47.5 Hz), 3,.65-3.60 (4H, m), 3.20 (2H, m), 2.77-2.67 (4H,m), 2.53 (4H, m), 2.33 (1H, m), 1.93 (2H,m ), 1.78-1.70 (12H, m), 1.61 (2H, m).
【実施例】
【0065】
[化合物C4-OMs及びC4-Fの合成]
化合物C4-OMs及びC4-Fの合成は、以下のスキームで行った。
【実施例】
【0066】
【化9】
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【実施例】
【0067】
9-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ブタ-1-イニル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(4-(tert-Butyldimethylsilyloxy)but-1-ynyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(2b)の合成例
化合物1(52 mg, 0.10 mmol)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)(2.9 mg, 0.011 mml)、X-Phos(11 mg, 0.032 mmol)、炭酸セシウム(200 mg, 0.61 mmol)および4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-ブチン(105 mg, 0.57 mmol)を脱水アセトニトリル (10 mL) に溶解させ、オイルバス(85 ℃)で加熱した。原料の消失後、反応容器をオイルバスからはずし、室温に戻したのち、別容器に用意した過剰の酢酸エチルに注ぎ込んだ。生じた沈殿をろ過で除去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物2bを35 mg(収率 55%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.31 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.08 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (1H, s), 3.87 (2H, d, J = 11.5 HZ), 3.81 (2H, dd, 7.0 Hz, 6.0 Hz), 3.59 (4H, m), 2.78 (2H, t, J = 11.5 Hz), 2.70 (2H, dd, J = 7.0 Hz, 6.0 Hz), 2.51 (4H, m), 2.33 (1H, m), 1.90 (2H, d, J = 11.0 Hz), 1.70 (6H, m), 1.57 (2H, m), 0.89 (9H, s), 0.09 (6H, s).
【実施例】
【0068】
9-(4-tert-ブチルジメチルシリルオキシブチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(4-tert-Butyldimethylsilyloxybutyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(3b)の合成例
化合物2b(35 mg, 0.050 mmol)とパラジウム炭素(10%パラジウム)(15 mg)をテトラヒドロフラン(3.0 mL)とメタノール(2.0 mL)の混合溶媒に懸濁させ、反応容器を水素で置換(0.20 MPa)したのち、室温で原料が消失するまで撹拌した。反応後、反応溶液をセライトろ過しパラジウムなどの不溶物を除去し、酢酸エチルで洗浄した。回収した溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物3bを24 mg(収率 70%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.01 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.34 (1H, s), 3.64-3.56 (6H, m), 3.35 (1H, m), 3.16 (2H, d, J = 11.0 Hz), 2.74 (2H, t, J = 11.0 Hz), 2.66 (2H, m), 2.49 (4H, m), 2.32 (1H, m), 1.88 (2H, m), 1.73 (6H, m), 1.70 (2H, m), 1.54 (4H m), 0.85 (9H, s), 0.02 (6H, s).
【実施例】
【0069】
9-(4-ヒドロキシブチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(4-Hydroxybutyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(4b)の合成例
化合物3b(116 mg, 0.18 mmol)をテトラヒドロフラン(5.0 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0 mol/L)(400 μL, 0.40 mmol)を加え、原料がなくなるまで撹拌した。反応を水で停止させ、酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物4bを75 mg(収率 79%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.01 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.66 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.34 (1H, s), 4.38 (1H, t, J = 10.5 Hz), 3.60 (4H, m), 3.46 (2H, m), 3.34 (1H, m), 3.18 (2H, m), 2.76 (2H,m), 2.66 (2H, t, J = 8.0 Hz), 2.51 (4H, m), 2.23 (1H, m), 1.92 (2H, d, J = 10.5 Hz), 1.75 (6H, m), 1.69 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.55 (4H, m).
【実施例】
【0070】
4-(3-シアノ-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-9-イル)ブチルメタンスルホナート(4-(3-Cyano-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazol-9-yl)butylmethanesulfonate)(C4-OMs)の合成例
化合物4b(31 mg, 0.060 mmol)とジイソプロピルエチルアミン(500 μL, 2.9 mmol)をアセトニトリル(8.0 mL)に懸濁させ、塩化メタンスルホニル(115 μL, 1.5 mmol)をゆっくり加えた。原料の消失を確認したのち、反応を水で停止させ、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物C4-OMsを19 mg(収率 65%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.03 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.35 (1H, s), 4.27 (1H, m), 3.60 (4H, m), 3.35 (4H, m), 3.18 (4H, m), 2.79-2.69 (4H, m), 2.52 (2H, m), 2.32 (1H, m), 1.91 (2H, m), 1.80-1.75 (10H, m), 1.24 (2H, m).
【実施例】
【0071】
9-(4-フルオロブチル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(4-Fluorobutyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(C4-F)の合成例
化合物C4-OMs(19 mg, 0.032 mmol)をアセトニトリル(3.0 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0 mol/L)(320 μL, 0.32 mmol)を加えた。この溶液をオイルバス(70 ℃)で加熱し反応させた。4 時間後、反応を水で停止させ、酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製したところ、目的化合物C4-Fを10 mg (収率 60%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.6 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.05 (1H, s), 7.92 (1H, s), 7.52 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.30 (1H, s), 4.50 (2H, d, JH-F = 47.5 Hz), 3.67 (7H, m), 3.22 (2H, m), 2.81-2.72 (4H,m), 2.33 (1H, m), 1.96 (2H,m ), 1.83-1.79 (10H, m), 1.64 (2H, m).
【実施例】
【0072】
[化合物C3-OMs及びC3-Fの合成]
化合物C3-OMs及びC3-Fの合成は、以下のスキームで行った。
【実施例】
【0073】
【化10】
JP2019099538A_000013t.gif
【実施例】
【0074】
9-(3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロプ-1-イニル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(3-(tert-Butyldimethylsilyloxy)prop-1-ynyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(2c)の合成例
化合物1(203 mg, 0.38 mmol)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)(11 mg, 0.042 mml)、X-Phos(37 mg, 0.077 mmol)、炭酸セシウム(616 mg, 1.9 mmol)および3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-プロピン(760 μL, 3.8 mmol)を脱水アセトニトリル (4.0 mL)に溶解させ、オイルバス(85 ℃)で2時間加熱した。反応後オイルバスをはずし、室温に戻したのち、別容器に用意した過剰の酢酸エチルに注ぎ込んだ。生じた沈殿をろ過で除去し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的化合物2cを209 mg(収率 89%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.30 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.09 (1H, s), 8.00 (1H, s), 7.59 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.22 (1H, s), 4.62 (2H, s), 3.85 (2H, d, J = 12.0Hz), 3.58 (4H, m), 3.34 (2H, m), 2.80 (2H, t, J = 11.5 Hz), 2.50 (2H, m), 2.33 (1H, m), 1.88 (2H, m), 1.76 (6H, m), 1.60 (2H, m), 0.90 (9H, s), 0.14 (6H, s).
【実施例】
【0075】
9-(3-tert-ブチルジメチルシリルオキシプロピル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(3-tert-Butyldimethylsilyloxypropyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(3c)の合成例
化合物2c(209 mg, 0.33 mmol)とパラジウム炭素(10%パラジウム)(85 mg)をテトラヒドロフラン(8.0 mL)とメタノール(5.0 mL)の混合溶媒に懸濁させ、反応容器を水素で置換(0.20 MPa)したのち、室温で17時間撹拌した。反応後、反応溶液をセライトろ過してパラジウムなどの不溶物を除去し、酢酸エチルで洗浄した。回収した溶媒を減圧留去し、目的化合物3cを含む粗生成物を得た(203 mg)。得られた粗生成物はこれ以上の精製を行わずそのまま次の反応に使用した。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.4 (1H, s), 8.36 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.07 (1H, s), 8.06 (1H, s), 7.88 (1H, s), 7.49 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.24 (1H, s), 3.72-3.66 (6H, m), 3.26 (2H, m), 2.77 (4H, m), 2.55 (2H, m), 2.36 (1H, m), 1.97-1.90 (4H, m), 1.78 (6H, m), 1.70-1.67 (2H, m), 1.26 (1H, m), 0.85 (9H, s), 0.06 (6H, s).
【実施例】
【0076】
9-(3-ヒドロキシプロピル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(3-Hydroxypropyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(4c)の合成例
化合物3cを含む粗生成物(203 mg)をテトラヒドロフラン(3.6 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1 mol/L)(1.6 μL, 1.6 mmol)を加え、原料がなくなるまで撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物4cを120 mg(収率 71%, 2ステップ)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.04 (1H, s), 7.92 (1H, s), 7.52 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.28 (1H, s), 4.47 (1H, t, J = 5.0 Hz), 3.64 (4H, br), 3.51 (2H, m), 3.33 (4H, m), 3.24 (2H, m), 2.80-2.71 (4H, m), 2.32 (1H, m), 1.95 (2H, m), 1.85 (2H, m), 1.76 (6H, m), 1.64 (2H, m).
【実施例】
【0077】
3-(3-シアノ-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-9-イル)プロピルメタンスルホナート(3-(3-Cyano-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazol-9-yl)propylmethanesulfonate)(C3-OMs)の合成例
化合物4c (70 mg, 0.14 mmol)をピリジン(2.8 mL)に懸濁させ、塩化メタンスルホニル(50 μL, 0.63 mmol)をゆっくり加えた。2時間後、反応を水で停止させ、10%クエン酸水溶液でpHを5.0に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製したところ、目的化合物C3-OMsを23 mg(収率 28%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.03 (1H, m), 8.01(1H, s), 7.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.38 (1H, s), 4.30 (1H, m), 3.64-3.60 (6H, m), 3.36 (1H, m), 3.19 (5H, m), 2.77 (5H, m), 2.34 (1H, m), 2.09 (3H, m), 1.89 (2H, m), 1.85 (6H, m), 1.61 (2H, m).
【実施例】
【0078】
9-(3-フルオロプロピル)-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-(3-Fluoropropyl)-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(C3-F)の合成例
化合物C3-OMs (54 mg, 0.091 mmol)をアセトニトリル(3.0 mL)に溶解させ、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0 mol/L)(1.1 mL, 1.1 mmol)を加えた。この溶液をオイルバス(70 ℃)で加熱し反応させた。2時間後、オイルバスをはずし、室温まで冷やした。反応溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、目的化合物C3-Fを25 mg (収率 54%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.33 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.04 (1H, s), 7.96 (1H, s), 7.55 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.34 (1H, s), 4.45 (2H, d, JH-F = 47.0 Hz), 3.64 (4H, m), 3.21 (2H, m) , 2.78 (4H, m), 2.52 (4H, br),2.36 (1H, m), 2.10-1.94 (4H,m), 1.76 (6H,m ), 1.61 (2H, m).
【実施例】
【0079】
[化合物C1-F及びC1-Clの合成]
化合物C1-F及びC1-Clの合成は、以下のスキームで行った。
【実施例】
【0080】
【化11】
JP2019099538A_000014t.gif
【実施例】
【0081】
6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-9-ビニル-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-9-vinyl-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile) (5)の合成例
化合物1(378 mg, 0.71 mmol)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)(19 mg, 0.071 mml)、X-Phos(68 mg, 0.14 mmol)、塩化リチウム(61 mg, 1.4 mmol)およびビニルトリブチルスズ(518 μL, 1.8 mmol)を脱水ジメチルホルムアミド(7.0 mL)に溶解させ、オイルバスで24時間110 ℃で加熱した。反応を飽和の炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させ、酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物5を207 mg(収率 61%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.32 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.25 (1H, s), 8.01 (1H, s), 7.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.31 (1H, s), 6.89 (1H, dd, J = 17.5 Hz, 11.0 Hz), 5.87 (d, 1H, J = 17.5 Hz), 5.37 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.60 (4H, m), 3.38-3.35 (3H, m), 2.77 (2H, m), 2.53 (4H, m), 2.32 (1H, m), 1.93 (2H, m), 1.77 (6H, s), 1.61 (2H, m).
【実施例】
【0082】
9-ヒドロキシメチル-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-Hydroxmethyl-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile) (7)の合成例
化合物5(156 mg, 0.32 mmol)をTHF/H2O(5.0 mL/2.0 mL)に溶解させ、2.0 Mの四酸化オスミウム水溶液(160 μL, 3.2 mmol)加えた。反応溶液をオイルバス(50℃)で12 時間加熱した。室温まで冷ましたのち、2.0 Mの四酸化オスミウム水溶液(160 μL, 3.2 mmol)と過ヨウ素酸ナトリウム水溶液((140 mg, 0.66 mmol)を水(1.5 mL)に溶解させたもの)を加え、室温で反応させた。24時間後、反応をチオ硫酸ナトリウム水溶液にて停止させ、酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去した。このとき、化合物6は単離精製せず、粗生成物のNMRによりホルミル基の生成の確認のみ行った。得られた残渣を、テトラヒドロフラン/エタノールの混合溶媒に溶解させ、約5.0当量の水素化ホウ素ナトリウムを0 ℃にて加えた。2時間後、反応を飽和塩化アンモニウム水溶液で停止させ、酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物7を37 mg(収率 22%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.7 (1H, s), 8.34-8.33 (2H, m), 8.00 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.29 (1H, s), 5.29 (1H, t, J = 5.5 Hz), 4.55 (2H, d, J = 5.0 Hz), 3.56 (4H, m), 3.28 (1H, br), 3.26 (2H, m), 2.77 (2H, t, J = 11.0 Hz), 2.54 (4H, m), 2.31 (1H, m), 1.90 (2H, d, J = 11.0 Hz), 1.76 (6H, s), 1.57 (2H, m).
【実施例】
【0083】
9-フルオロメチル-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-Fluoromethyl-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(C1-F)の合成例
化合物7(54 mg, 0.11 mmol)をテトラヒドロフラン(2.0 mL)に溶解させ、フッ化メタンスルホニル(38 μL, 0.56 mmol)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(165 μL, 1.1 mmol)を加えた。5日間室温で撹拌したのち、蒸留水で反応を停止させた。酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物C1-Fを5.0 mg(収率 9%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.8 (1H, s), 8.33 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.24 (1H, s), 8.02 (1H, s), 7.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.41 (1H, s), 5.54 (2H, d, JH-F = 47.5 Hz), 3.60 (4H, m), 3.40-3.26 (3H, m), 2.84 (2H, m, J = 12.0 Hz), 2.53 (4H, m), 2.33 (1H, m), 1.90 (2H, m), 1.78 (6H, s), 1.62 (2H, m).
【実施例】
【0084】
9-クロロメチル-6,6-ジメチル-8-(4-モルホリノピペリジン-1-イル)-11-オキソ-6,11-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]カルバゾール-3-カルボニトリル(9-Chloromethyl-6,6-dimethyl-8-(4-morpholinopiperidin-1-yl)-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile)(C1-Cl)の合成例
化合物7(46 mg, 0.095 mmol)をクロロホルム(5.0 mL)に懸濁させ、塩化チオニル(100 μL, 1.4 mmol)とピリジン(50 μL, 0.62 mmol)を加えた。12時間室温で撹拌したのち、反応フラスコを水浴にいれ、蒸留水で反応を停止させた。酢酸エチル/テトラヒドロフラン混合溶媒で抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過で除去し、溶媒を減圧留去したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し目的化合物C1-Clを6.4 mg(収率 13%)で得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 11.2 (1H, s), 8.50 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.43 (1H, s), 7.74 (1H, s), 7.51 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.15 (1H, s), 4.52 (2H, s), 3.64 (4H, br), 3.44 (3H, m), 2.80 (2H, t, J = 11.5 Hz), 2.66 (4H, br), 2.38 (1H, m), 2.05-1.74 (10H, m).
【実施例】
【0085】
[放射性同位元素を含む化合物C3-18F、C4-18F及びC5-18Fの合成]
[18F]fluoride溶液(1415 MBq)を入れた反応バイアルに、Kryptofix(R) 2.2.2(7.1 mg)およびアセトニトリル(0.5 mL)を加え、N2気流下120 ℃で加熱し共沸脱水した。再度アセトニトリルを加え共沸脱水を繰り返し行った。これに、前駆体(C3-OMs、C4-OMs又はC5-OMs)(0.3 mg)を無水アセトニトリル(0.3 mL)に溶解させてものを加え、150 ℃で30分間反応させた。反応後室温に冷ました後、逆相HPLCにて分取精製した[COSMOSIL 5C18-AR-II, 10x250 mm, gradient of 70:30(2 min)→10:90(20 min)by(0.1%TFA水溶液):(0.1%TFAアセトニトリル溶液), RT=8.0-8.5 min, flow rate 5.0mL/min]。目的物のフラクションを集め、ロータリーエバポレーターを用い溶媒を減圧留去し目的物(C3-18F、C4-18F及びC5-18F)を得た。
【実施例】
【0086】
[ALK阻害能の確認]
化合物C1-F、C3-F、C4-F、C5-F、C1-Cl、C3-OMs、及びC4-OMsについて、ALK阻害能を確認した。具体的には、下記の条件で行った。
Assay principles:
HTRF (High Fluorescence Resonance Energy Transfer)
Kinase Reaction:
・Assay buffer: 50 mM Hepes, 0.1 mM Orthovanadate, 5 mM MgCl2, 0.01% BSA, 1 mM DTT
・0.5 nM ALK WT
・1 μM TK-peptide, 30 μM ATP, 50 nM SEB
・90 minutes @ 23 ℃
Detection Reaction:
・Detection buffer: 50 mM Hepes, 0.8 M KF, 20 mM EDTA, 0.01% BSA
・0.67 nM TK-Antibody, 62.5 nM XL665
・60 minutes @ 23 ℃
Detection Equipment:
Envision (PerkinElmer # 2104)
その結果を下記表2に示す。
【実施例】
【0087】
【表2】
JP2019099538A_000015t.gif
【実施例】
【0088】
表2に示すとおり、テストした化合物のALK阻害能が確認できた。炭素鎖の長さと阻害能の間に相関はみられなかったものの、R1の炭素数を5まで伸ばす(C5-F)とその性能は低下することが分かった。
【実施例】
【0089】
[体内動態評価]
化合物C3-18Fについて、EML4-ALK融合遺伝子陽性肺癌細胞株NCI-H2228を皮下に移植した担ガンマウスを用いて体内動態評価を行った。具体的には、前述の方法で合成したC3-18Fを4.5 μCi/100 μLとなるように生理食塩水で溶液を調製し、担がんマウスに100 μLずつ尾静脈投与した。投与後15分、30分、1時間にマウスを断頭屠殺した。血液を回収し組織を摘出して質量と集積した放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量を(%dose/g)を算出して組織への集積を評価した。その結果を図1及び下記表3に示す。
【実施例】
【0090】
図1は、C3-18Fの各臓器への集積の経時変化の一例を示すグラフである。下記表3は、腫瘍/血液比(腫瘍への集積量/血液への集積量)及び腫瘍/筋肉比(腫瘍への集積量/筋肉への集積量)を示す。
【表3】
JP2019099538A_000016t.gif
【実施例】
【0091】
図1及び表3から各臓器におけるC3-18Fの集積を確認したところ、表3に示す通り、30分から60分の間で、それぞれの比が2を超える値となっており、EML4-ALK融合遺伝子陽性肺がんのイメージングができる可能性が示唆されたといえる。
【実施例】
【0092】
[腫瘍のイメージング]
化合物C3-18Fについて、EML4-ALK融合遺伝子陽性肺癌細胞株NCI-H2228を皮下に移植した担ガンマウスを用い、PET/CTスペクトル撮像により腫瘍のイメージングを行った。具体的には、担がんマウスC3-18Fの(61.9 μCi/300 μL)をマウスの尾静脈より投与した。投与後5分からイソフラン(2.0%)を吸引麻酔し投与後15分からPET/CT装置(FX-3300)を用いて30分間撮像した。その後CT撮像(60 kV,320 nA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。化合物C3-18F投与後30分後に撮像した結果を図2に示す。
【実施例】
【0093】
図2に示すとおり、本開示に係る放射性同位元素を含む化合物により、ALK融合遺伝子陽性腫瘍のイメージングができた。
図面
【図1】
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【図2】
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