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明細書 :液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-037961 (P2019-037961A)
公開日 平成31年3月14日(2019.3.14)
発明の名称または考案の名称 液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法
国際特許分類 B05B   1/34        (2006.01)
G21B   1/11        (2006.01)
G21B   1/13        (2006.01)
B05D   1/02        (2006.01)
B05D   3/00        (2006.01)
FI B05B 1/34 101
G21B 1/00 P
G21B 1/00 N
B05D 1/02 Z
B05D 3/00 D
請求項の数または発明の数 9
出願形態 OL
全頁数 31
出願番号 特願2017-163791 (P2017-163791)
出願日 平成29年8月28日(2017.8.28)
発明者または考案者 【氏名】興野 文人
【氏名】笠田 竜太
【氏名】小西 哲之
出願人 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100115255、【弁理士】、【氏名又は名称】辻丸 光一郎
【識別番号】100129137、【弁理士】、【氏名又は名称】中山 ゆみ
【識別番号】100154081、【弁理士】、【氏名又は名称】伊佐治 創
審査請求 未請求
テーマコード 4D075
4F033
Fターム 4D075AA01
4D075AA76
4D075AA81
4D075AA85
4D075CA47
4D075DC15
4D075EA05
4D075EA15
4D075EB01
4D075EC07
4F033BA03
4F033CA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033KA02
4F033NA01
要約 【課題】 液滴形成用の気体が不要な液滴製造用ノズルを提供する。
【解決手段】 本発明の液滴製造用ノズルは、液体を噴出させる噴出口を含み、
前記噴出口から、液滴形成用の気体を実質的に含まない液体を真空中に噴出させ、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、
前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速が、前記噴出口の中心部と周縁部とで異なることを特徴とする。
【選択図】 図3
特許請求の範囲 【請求項1】
液体を噴出させる噴出口を含み、
前記噴出口から、液体を真空中または希薄な気体中に噴出させ、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、
前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速が、前記噴出口の中心部と周縁部とで異なることを特徴とする液滴製造用ノズル。
【請求項2】
製造される液滴の直径が、前記噴出口の直径以下であるか、または、前記噴出口の直径よりも小さい請求項1記載の液滴製造用ノズル。
【請求項3】
前記液滴製造用ノズルにおける前記液体の流路が、らせん形状である請求項1または2記載の液滴製造用ノズル。
【請求項4】
前記らせん形状が、前記噴出口側に近くなるほど半径が小さくなる先細り形状である請求項3記載の液滴製造用ノズル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の液滴製造用ノズルを含むことを特徴とする液滴製造装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の液滴製造用ノズル、または、請求項5記載の液滴製造装置を含むことを特徴とする核融合装置。
【請求項7】
さらに、前記液滴から気体および熱を分離する気体および熱分離装置を含み、
前記気体および熱分離装置が、トリチウムを分離回収可能であり、
さらに、前記回収トリチウムを核融合させる核融合プラズマを含むことを特徴とする請求項6記載の核融合装置。
【請求項8】
噴出口から真空中または希薄な気体中に液体を噴出させる液体噴出工程を含み、
前記液体噴出工程において、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、
前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速が、前記噴出口の中心部と周縁部とで異なることを特徴とする、液滴製造方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の液滴製造用ノズルを用いて前記液体噴出工程を行なう請求項8記載の液滴製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴の製造において、液体を大気中または真空中に噴出させることにより、前記液体の液滴を製造することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、真空中への噴出の場合でも、微細な液滴の生成には、前記液体を、液滴形成用の気体とともに噴出させるか、または、噴出時に前記液体が気体と接触しなければならない。例えば、「霧吹き」では、この原理を用いて液滴を生成させている。液滴形成用の気体を用いずに液体から液滴を製造できる装置および方法は、未だ実用化されていない。このため、液体からの液滴の製造時に、前記液滴形成用の気体により、前記液体の酸化等が起こり、品質が低下するおそれがある。また、真空を維持するポンプの排気負荷が、液面に接触する気体の存在のために過大となるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、液滴形成用の気体が不要な液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明の液滴製造用ノズルは、
液体を噴出させる噴出口を含み、
前記噴出口から、液体を真空中または希薄な気体中に噴出させ、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、
前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速が、前記噴出口の中心部と周縁部とで異なることを特徴とする。
【0006】
本発明の液滴製造装置は、前記本発明の液滴製造用ノズルを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の核融合装置は、前記本発明の液滴製造用ノズル、または、前記本発明の液滴製造装置を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の液滴製造方法は、
噴出口から真空中または希薄な気体中に液体を噴出させる液体噴出工程を含み、
前記液体噴出工程において、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず、
前記噴出口からの噴出時に、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、
前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速が、前記噴出口の中心部と周縁部とで異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液滴形成用の気体が不要な液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、真空中への液体噴出の一例を模式的に示すグラフである。
【図2】図2は、液体噴出の別の一例を模式的に示すグラフである。
【図3】図3は、本発明の液滴製造用ノズルの構造の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の液滴製造用ノズルの構造の別の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の液滴製造用ノズルの構造のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の液滴製造用ノズルによる液滴製造方法の理論の一例を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の液滴製造用ノズルによる液滴製造方法の理論の一例を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明の液滴製造用ノズルによる液滴製造方法の理論の一例を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明の液滴製造用ノズルによる液滴製造方法の理論の一例を示す模式図である。
【図10】図10は、本発明の液滴製造用ノズルにおけるプランジャの一例を示す写真である。
【図11】図11は、本発明の液滴製造用ノズルにおけるプランジャの別の例を示す写真である。
【図12】図12は、本発明の液滴製造用ノズルにおけるコーンの一例を示す写真である。
【図13】図13は、液滴の径の分布を理論計算により示すグラフの一例である。
【図14】図14は、液滴の径の分布を理論計算により示すグラフの別の一例である。
【図15】図15は、液滴の写真の一例である。
【図16】図16は、液滴形成の別の一例を示す写真およびグラフである。
【図17】図17は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図18】図18は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図19】図19は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図20】図20は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図21】図21は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図22】図22は、液滴の径の分布を理論計算により示すグラフのさらに別の一例である。
【図23】図23は、液滴の径の分布を理論計算により示すグラフのさらに別の一例である。
【図24】図24は、液滴の径の分布を理論計算により示すグラフのさらに別の一例である。
【図25】図25は、水の噴出速度および形成された水滴(液滴)の径の測定値を示すグラフの一例である。
【図26】図26は、液滴形成のさらに別の一例を示す写真である。
【図27】図27は、液体の噴出速度および形成された液滴の径の測定値を示すグラフの別の一例である。
【図28】図28は、本発明の核融合装置の一例を示す模式図である。
【図29】図29は、図28の容器13の構造を、さらに具体的に示す図である。
【図30】図30は、モデル計算の一例(0.1s毎のブロックに分割)を示す模式図である。
【図31】図31は、球形の液滴を示す模式図である。
【図32】図32は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果の一例を示すグラフである。
【図33】図33は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果の別の一例を示すグラフである。
【図34】図34は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果のさらに別の一例を示すグラフである。
【図35】図35は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果のさらに別の一例を示すグラフである。
【図36】図36は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果のさらに別の一例を示すグラフである。
【図37】図37は、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果のさらに別の一例を示すグラフである。
【図38】図38は、従来の核融合装置の一例によるトリチウムおよび熱の分離回収メカニズムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。

【0012】
本発明の前記液滴製造用ノズルにおいて、例えば、製造される液滴の直径が、前記噴出口の直径以下であるか、または、前記噴出口の直径よりも小さくてもよい。

【0013】
本発明の前記液滴製造用ノズルにおいて、例えば、前記液体の流路が、らせん形状であってもよい。また、前記らせん形状は、例えば、前記噴出口側に近くなるほど半径が小さくなる先細り形状であってもよい。

【0014】
本発明の核融合装置は、例えば、さらに、前記液滴から気体および熱を分離する気体および熱分離装置を含み、前記気体および熱分離装置が、トリチウムを分離回収可能であり、さらに、前記回収トリチウムを核融合させる核融合プラズマを含んでいてもよい。

【0015】
本発明の液滴製造方法は、例えば、前記本発明の液滴製造用ノズルを用いて前記液体噴出工程を行なってもよい。

【0016】
本発明においては、例えば、製造した液滴から熱を分離してもよい。

【0017】
本発明において、液滴から熱を分離する方法(以下、「本発明の熱分離方法」と言う場合がある。)は、例えば、真空中に形成または真空中に射出された液滴からの熱放射によって、液の保持する熱を液滴と分離する熱分離工程を含んでいてもよい。

【0018】
本発明の熱分離方法は、例えば、前記液滴が、金属の液滴であっても良い。

【0019】
本発明の熱分離方法は、例えば、前記液滴が、リチウム含有液体の液滴であっても良い。

【0020】
本発明の熱分離方法は、例えば、前記液滴が、リチウム鉛(PbLi)の液滴であっても良い。

【0021】
本発明の熱分離方法は、例えば、前記液滴が、伝熱液体の液滴であっても良い。前記伝熱液体は、例えば、溶融塩または有機液体等であっても良い。

【0022】
本発明において、前記液滴から分離した熱を回収する方法(以下、本発明の熱回収方法)と言う場合がある。)は、例えば、前記本発明の熱分離方法により分離した熱を、前記真空の周囲の壁面を介して回収してもよい。

【0023】
本発明においては、例えば、液滴から気体および熱を分離してもよい。本発明において、液滴から気体および熱を分離する方法(以下、「本発明の気体および熱の分離方法」と言う場合がある。)は、例えば、真空中に形成または真空中に射出された液滴中に溶存している気体を、前記気体の拡散放出により前記液滴と分離する気体分離方法と、前記本発明の熱分離方法とを同一の反応系中で行なうことにより、前記液滴から前記気体および前記熱を分離してもよい。

【0024】
本発明においては、例えば、液滴から気体および熱を分離回収してもよい。本発明において、液滴から気体および熱を分離回収する方法(以下、「本発明の気体および熱の分離回収方法」と言う場合がある。)は、例えば、真空中に形成または真空中に射出された液滴中に溶存している気体を、前記気体の拡散放出により前記液滴と分離する気体分離方法と、前記本発明の熱回収方法とを同一の反応系中で行なうことにより、前記液滴から前記気体および前記熱を分離回収してもよい。

【0025】
本発明においては、例えば、熱分離装置(以下、「本発明の熱分離装置」と言う場合がある。)を用いて前記本発明の熱分離方法を行なってもよい。本発明の熱分離装置は、例えば、前記本発明の熱分離方法を行なう熱分離手段を含む。

【0026】
本発明においては、例えば、気体および熱分離装置(以下、「本発明の気体および熱分離装置」と言う場合がある。)を用いて前記本発明の気体および熱の分離方法を行なってもよい。本発明の気体および熱分離装置は、例えば、前記本発明の気体および熱の分離方法を行なう気体および熱分離手段を含む。

【0027】
本発明においては、例えば、気体および熱分離回収装置(以下、「本発明の気体および熱分離回収装置」と言う場合がある。)を用いて前記本発明の気体および熱の分離回収方法を行なってもよい。本発明の気体および熱分離回収装置は、例えば、前記本発明の気体および熱の分離回収方法を行なう気体および熱分離回収手段を含む。

【0028】
また、本発明の核融合装置は、例えば、前記本発明の気体および熱分離回収装置を含み、前記本発明の気体および熱分離回収装置が、トリチウムを分離回収可能であり、さらに、前記回収トリチウムを核融合させる核融合プラズマを含んでいてもよい。

【0029】
核融合装置に於いては発生する熱エネルギーのみならず運転時に生成される燃料トリチウムを媒体である液体金属から抽出する必要がある。また熱エネルギーの回収効率及び液体金属の融点の制約から生成媒体の運転温度は最低でも300℃以上、一般的な設計では500℃以上の高温が必要である(例えば、M.S. Tillack et al., Fusion power core engineering for the ARIES-ST power plant, Fusion Eng. Des. 65 (2003) 215-261.)。

【0030】
図38に、核融合装置の一例によるトリチウムおよび熱の回収メカニズムを模式的に示す。この装置は、液体PbLi(リチウム鉛、LiPbと表記することもある)をトリチウムおよび熱の回収用に併用するブランケット方式の一つであるDual-Coolant Lithium Lead(DCLL)を用いている。図示のとおり、この装置は、核融合プラズマ161、ブランケット162、トリチウム回収部163、および熱交換部164を含む。図示のとおり、核融合プラズマ161から発生した中性子によりトリチウムおよび熱が、ブランケット162中に発生し、ブランケット162中の液体PbLi(図38中ではLiPbと表記)とともに、まず、配管165を通じてトリチウム回収部163に送られる。トリチウム回収部163では、トリチウムが回収され、配管168を通じて核融合プラズマ161に戻され、再利用される。一方、トリチウム回収後の液体PbLiおよび熱は、トリチウム回収部163から、配管166を通じて熱交換部164に送られる。熱交換部164では、熱が回収され、利用されるとともに、LiPbは、配管167を通じてブランケット162に戻され、再利用される。

【0031】
このような方式では、前述のとおり、トリチウムおよび熱のそれぞれに対し専用の抽出装置を配置し、さらに、隔膜(金属メンブレン)との接触方式で抽出を行う。具体的には、上流にトリチウム回収ステーション(Tritium Recovery Station、TRS)を配置し、下流に熱交換ステーション(Heat Excange Station、HES)を配置する。しかしながら、この方式では、下記の二つの問題があり、それが、核融合装置の実現性の制約となる。一つ目の問題は、液体金属による配管および隔膜の腐食による装置寿命の問題である。二つ目の問題は、放射性物質であるトリチウムが、配管または隔膜を介して周囲環境および二次媒体に透過するおそれがあることである。

【0032】
これに対し、本発明の熱分離方法、熱の回収方法、気体および熱の分離方法、熱分離装置、気体および熱分離装置、ならびに核融合装置によれば、例えば、装置の腐食と、放射性物質の透過との問題を防止または抑制することが可能である。

【0033】
なお、本発明において、真空中に液滴を形成する液体は、蒸気圧が低いことが好ましい。「蒸気圧が低い」とは、具体的には、例えば、液滴の雰囲気が真空であることを妨げない程度の蒸気圧であることをいう。また、本発明において、「真空」は、例えば、液滴の流動(落下等)を妨げず、かつ、伝熱に影響を与えない程度の真空度(雰囲気圧)であれば良く、さほど高度な真空度を必要としない。一方従来法による液滴は粘性流の気体と液流との接触界面における不安定性を利用して形成するので、分子流領域以下の気体は、本発明による「真空」の範疇であると考えてよい。本発明における「希薄な気体」は、例えば、前記分子流領域以下の気体をいう。

【0034】
また、本発明において、「前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず」は、前記液体を真空中に噴出させる際に、実質的に液滴形成用の気体を前記液体とともに噴出させないこと、および/または、前記液体の流路において、前記液体を気体に実質的に接触させないことを意味する。例えば、前述のとおり、霧吹き等では液滴形成時に、液体を気体とともに噴出させたり、または、液体を噴出時に大気と接触させたりする。これに対し、本発明では、液滴形成用の気体が不要である。本発明において、「前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず」は、前記液体を真空中に噴出させる際に、前記液体中に気体が溶存していてもよい。具体的には、例えば、核融合の用途において、前記液体が、トリチウムを含み、そのトリチウムを前記液体の液滴から分離して用いてもよい。また、本発明において、「前記噴出口からの噴出時に、前記液体の液面が気体に実質的に接触せず」は、例えば、前記液体中に気体が溶存していたり、気体を前記液体とともに噴出させたり、前記液体の流路に気体が存在していたりしても、それらの気体を液滴形成に利用しなければよい。具体的には、例えば、気体を前記液体とともに噴出させたり、前記液体の流路に気体が存在していたりしても、前記気体が希薄な気体であればよい。本発明において、前記「希薄な気体」は、例えば、前述のとおり、前記分子流領域以下の気体をいう。

【0035】
また、本発明において、「真空」の真空度は、例えば、100Pa以下、10Pa以下、1Pa以下、または10-1Pa(0.1Pa)以下であってもよい。真空度の下限値は、特に限定されないが、例えば、10-2Pa以上、10-1Pa以上または0を超える数値であり、理想的には0である。または、本発明における「希薄な気体」は、例えば、前記真空度を満たす気体であってもよい。ただし、本発明においては、前述のとおり、さほど高度な真空度を必要としない。本発明において、「真空」または「希薄な気体」は、例えば、前述のとおり、液体との接触界面において流体的不安定性を生じない「分子流」であればよい。具体的には、例えば、ノズル径や液滴径に比して気体分子の平均自由行程が十分長ければ、本発明でいう「真空」または「希薄な気体」に相当する。これにより、例えば、平均自由行程が容器(例えば、液滴からの熱の回収装置)オーダ程度の寸法となり、ガス原子または分子の相互衝突の影響が無視できるような状態となる。この真空は維持するためにポンプの排気能力を必要とするので,液滴形成時に存在する気体が少ないほど真空度の達成は容易になる。

【0036】
以下、本発明について、図面、数式等を用いて、さらに具体的に説明する。ただし、以下の説明は例示であり、本発明をなんら限定しない。例えば、各図は、例示的な模式図であり、本発明はこれらに限定されない。また、数式は、理論計算の一例であり、本発明はこれらに限定されない。

【0037】
[液滴形成のメカニズム]
液体はスプレー等微小液滴化により様々な応用が可能であるが真空中での微小化は困難と考えられていた。すなわち、前述のとおり、液滴の製造において、液体を大気中または真空中に噴出させることにより、前記液体の液滴を製造することが行われている。しかし、真空中への噴出の場合でも、液滴の生成には、前記液体を、気体に接触させて噴出させるか、または、気体とともに噴出しなければならない。このため、前記気体により、前記液体の酸化等が起こり、品質が低下するおそれがある。図2は、液体を気体とともに噴出する場合の状態を例示する模式図である。図示のとおり、液相(Liquid)ρと、気相(Gas)ρとをともに噴射すると、前記液相と前記気相との界面で不安定化(Instability)が起こることにより、液滴が形成される。より具体的には、例えば、水等を対象とした液滴生成ノズルは、対象流体(液体)を高速で大気またはガス中に噴出させ、または、気体(ガス)とともに真空中に噴出させる。その時、流体とガスとの間に生ずる不安定性成長、すなわちKelvin-Helmholtz-Instability(KHI)により流体を微細化することで、液滴を形成させることができる。しかしながら、真空中では、前記KHIは利用できない。このため、前述のとおり、真空中への噴出の場合でも、液滴の生成には、前記液体を、気体とともに噴出しなければならないと考えられていた。

【0038】
これに対し、本発明者らは、液滴形成用の気体を用いなくても、流体(液体)内部に速度変曲点を与え、そこで成長する不安定性成長すなわちRayleigh Instability(RI)を利用して流体(液体)の微細化を行なうことにより、真空中で液滴を製造できることを見出した。

【0039】
前記Rayleigh Instability(RI)の原理については、L. Rayleighにより1880年に発表された論文(L. Rayleigh, On the stability, or instability, of certain fluid motions, Proc. Lond. Math. Soc. 11, (1880), pp. 57-70.)に記載されている。図1に示すとおり、流体の速度がUからUに変化する速度変曲点が存在すると、不安定性原理により、流体(液体)の不安定化が起こる。すなわち、同一流体中に於いて速度不連続点にはRayleigh不安定が成長するが、その波長は密度に依存しない。本発明者らは、この原理を利用すれば、前述のとおり、液滴形成用の気体を用いなくても、真空中で液滴を製造できることを見出した。前記Rayleigh Instability(RI)の原理について、より詳しくは、F. Charru, Hydrodynamic instabilities (English translation) , Ch. 4.3 Instability of a mixing layer, Cambridge University Press(2011), ISBN 978-0- 521-76926-6.の、特に122~125頁に記載されている。例えば、下記表1に示す数式、図およびグラフ(図は、図1と同一)に示す原理により、液滴を製造することができる。なお、下記表1の数式中、符号の意味は、下記のとおりである。

k:波数
δ:微小厚
c:波速(複素数)
U:流速
aν:平均流速
:高速側流速
:低速側流速
e:指数関数
:波速 実数部
ic:波速 虚数部
ωmax:最大角速度 虚数部
max:最大波数 実数部
λsh:成長波長
sh:成長時間
Lb:成長距離
a:速度増大率
:ノズル直径

【0040】
【表1】
JP2019037961A_000003t.gif

【0041】
さらに、進行流体に回転を付与すると不安定波の高周波成分が増幅される(S.P. Lin, Breakup of liquid sheets and jets, Ch. 7.9, Cambridge Univ. Press. (2003))。この原理も、本発明における真空中での液滴製造(液体の微細化)に適用できる。

【0042】
なお、液滴形成用の気体を用いずに液滴を形成する方法としては、例えば、ノズルの噴出口から単純に液体を落下させる方法がある。しかし、この方法では、液滴の直径が、ノズルの噴出口の直径よりも大きくなってしまう。具体的には、真空中での液体の単純落下では、製造される液滴の直径は、理論計算上、ノズルの噴出口の直径に対し、例えば、約1.89倍となる。このため、この方法で微細な液滴を製造するためには、ノズルの噴出口の直径を小さく(微細化)する必要があり、ノズルの製作困難性、噴出口の目詰まり等の問題があった。したがって、微細な(直径が小さい)液滴を製造するためには、従来は、前述のとおり、液体を液滴形成用の気体とともに噴出させていた。このような方法および装置の典型例として、霧吹きがあげられる。これに対し、本発明によれば、液滴形成用の気体を用いずに、液滴の直径がノズルの噴出口の直径以下であるか、またはノズルの噴出口の直径よりも小さい液滴を製造することも可能である。本発明において、製造される液滴の直径は、特に限定されないが、前記液滴の平均径が、ノズルの噴出口の直径に対し、例えば、0.01~1倍、0.03~0.5倍、または0.05~0.3倍であってもよい。

【0043】
本発明は、任意の液体の液滴の製造に使用できるが、例えば、液体金属を真空中で微細化(液滴化)するために使用できる。より具体的には、例えば、熱エネルギーおよび/または溶解懸濁した物質の搬送媒体として用いる液体から、真空中で当該熱および/または物質を分離回収する為に必要となる液体の微細化に使用できる。本発明によれば、例えば、極めて細かい液滴を真空中で得ることにより、熱や物質の分離回収が高効率で可能となる。したがって、本発明は、例えば、前述のとおり、核融合装置に使用可能である。より具体的には、例えば、核反応エネルギーの回収に用いることができる。しかしながら、本発明は、これに限定されず、任意の用途に使用可能である。例えば、本発明は、宇宙空間における飛行物体の熱交換および冷却、大型計算機の冷却への応用等も可能である。また真空乾燥等、真空排気と液体スプレーの組み合わせ利用例は従来から多く、そのため、本発明の工業的な適用範囲は広い。例えば、本発明により製造した液滴から熱を分離して固体化することで、固体粒子(例えば、粉末、顆粒等)の製造が可能である。本発明は、例えば、粉末冶金における金属粉末の製造、食品用粉末(例えば、インスタントコーヒー、等)の製造等に使用できる。例えば、粉末冶金における金属粉末の製造では、本発明により、金属粉末の酸化を抑制または防止できる。これにより、例えば、製造した金属粉末の還元処理を省略することも可能である。また、例えば、食品用粉末の製造では、本発明により、食品用粉末の酸化を抑制または防止できる。これにより、例えば、保存性、安全性、食味等が向上するという効果が得られる。

【0044】
[実施形態1]
図3に、本発明の液滴製造用ノズルの構造の一例を、模式的に示す。図示のとおり、この液滴製造用ノズルは、コーン31、プランジャ32、およびクランプボロット33)を含む。プランジャ32は、先細りの円錐形であり、コーン31内の円錐形の空孔に嵌合している。クランプボロット33は、プランジャ32の上端に取付けられている。そして、プランジャ32の円錐の側壁には、らせん状の溝32aが形成され、その溝32aを通じて、プランジャ32の先端部32bから、液体(流体)を、回転力を加えて真空中に放出し、液滴を形成することができる。

【0045】
図3において、ノズル先端(プランジャ32の先端部32b)の液体噴出口の半径rは、例えば、0.25mm以上、0.5mm以上、0.7mm以上、1.5mm以下、1.0mm以下、または0.7mm以下である。プランジャ32に形成されたらせん状の溝の半径rは、例えば、0.25mm以上、0.5mm以上、0.7mm以上、1.5mm以下、1.0mm以下、または0.7mm以下である。前記らせん状の溝の、水平方向からの傾き角度θは、例えば20°以上、30°以上、45°以上、または60°以上であり、例えば、70°以下、60°以下、または45°以下である。また、プランジャ32の円錐側面と軸とのなす角αは、例えば5°以上、10°以上、15°以上であり、例えば、30°以下、20°以下、または15°以下である。また、プランジャ32の円錐の上端(底面)の半径rは、例えば、2mm以上、3mm以上、または5mm以上であり、例えば、20mm以下、15mm以下、または10mm以下である。また、プランジャ32に対する液体の注入速度Vは、例えば1m/s以上、2m/s以上、または3m/s以上であり、例えば、20m/s以下、10m/s以下、または5m/s以下である。

【0046】
図3のノズルは、例えば、下記数式(31)のように設計することができる。下記数式(31)において、ηは、渦変換効率である。

【0047】
【数31】
JP2019037961A_000004t.gif

【0048】
また、液体(流体)がらせん状の溝32a内を循環(circulation)する速度Γは、例えば、下記数式(32)で表すことができる。

【0049】
【数32】
JP2019037961A_000005t.gif

【0050】
図3のノズルによれば、テーパスパイラル溝32a中を流体(液体)を流し流体に直進と回転を与える。そして、ノズル出口(噴出口)での境界条件の変化により流速に変曲点が生じここに不安定性が成長する。さらに、流体の回転によりθ方向に不安定性の高周波成分が生成され、さらなる微細化に寄与する。

【0051】
また、液体の流路(図3では、溝32a)のらせん形状が、図3のように、噴出口側に近くなるほど半径が小さくなる先細り形状であると好ましい。このような先細り形状であると、前記噴出口における液体の流速が速くなりやすく、液体(流体)の不安定性が成長しやすいので、液滴が形成されやすいためである。ただし、本発明の液滴製造用ノズルにおいて、液体の流路の形状は、これには限定されず、任意である。

【0052】
さらに、本発明の液滴製造用ノズルの形状は、図3に限定されず、任意である。本発明の液滴製造用ノズルの形状は、前記液体に回転力を加えた状態で噴出させるとともに、前記噴出口からの噴出時における前記液体の流速を、前記噴出口の中心部と周縁部とで異ならせることができれば、どのような形状でもよい。本発明の液滴製造用ノズルの形状の、図3と別の一例を、図4および5にそれぞれ模式的に示す。図4の液滴製造用ノズルは、図示のとおり、容器41内部を、らせん形状(ねじ形状)の流路42aが通っており、ノズルの先端部42bから流体(液体)を噴出させることができる。また、図5の液滴製造用ノズルは、容器51内の流体(液体)に、回転羽根52aにより回転力を加え、ノズルの先端部52bから噴出させることができる。

【0053】
図6に、図3のノズルを用いた液滴製造方法のメカニズムを模式的に示す。図示のとおり、液体の流路(溝)32aは、らせん形状であり、液体の噴出方向に対し角度aを有し、流路32aの長さはaで表される。また、液体の噴出口の直径は、dで表される。ノズルの噴出口では、中心部の液体の流速はUで表される。一方、ノズルの噴出口の周縁部では、図示のとおり、遠心力が働くために、液体に、噴出口の方向と垂直方向の速度成分Vが与えられ、その結果、前記噴出口の中心部と液体の流速が異なる。

【0054】
図6のメカニズムは、図7のようにも示すことができる。図示のとおり、ノズルの中を通った液体301が、先端部32bの噴出口から噴出されるとき、前記噴出口が速度変曲点となり、液体の拡散部302となって噴出される。

【0055】
図8に、図7の液体噴出(拡散)による液滴形成のメカニズムを示す。前述のとおり、ノズルの噴出口では、中心部の液体の流速はUで表される。一方、ノズルの噴出口の周縁部では、図示のとおり、遠心力が働くために、液体に、噴出口の方向と垂直方向の速度成分Vが与えられ、その結果、前記噴出口の中心部と液体の流速が異なる。このため、ノズルの中を通った液体301が、先端部32bの噴出口から噴出されるとき、前記噴出口が速度変曲点となり、液体の拡散部302となって噴出される。拡散部302は、さらに、その先端で靭帯(ligament)形状部303を形成し、それが分散して液滴304が形成される。

【0056】
図8のメカニズムは、図9のようにも表すことができる。前述のとおり、ノズルの噴出口では、中心部の液体の流速はUで表される。一方、ノズルの噴出口の周縁部では、前述のとおり、噴出口の方向と垂直方向の速度成分Vが与えられる結果、液体の流速は、Uとは異なる速度Uとなる。

【0057】
[核融合装置等の例]
図28に、本発明の核融合装置の一例を模式的に示す。図示のとおり、この装置は、核融合プラズマ11と、ブランケット12と、容器13とを主要構成要素とする。図示のとおり、核融合プラズマ11から発生したトリチウム(気体)および熱は、ブランケット12中の液体PbLi(図28中ではLiPbと表記)とともに、まず、配管14を通じて容器13内に送られる。容器13内は真空であり、液滴形成手段(図示せず)により、容器13内に液体PbLiの液滴を形成する。そして、容器13内で液体PbLiの液滴が落下する間に、前記液滴から、トリチウムと熱とを同時に回収する。トリチウムについては、移流拡散により液体PbLiの液滴から放出させて回収する。熱(heat)については、図示のように、ふく射(熱放射)により容器13の周囲の壁(壁面)を加熱し、二次媒体に変換し、配管17を通じて回収する。回収した熱は、例えば、水蒸気を発生させてタービンを回して発電するために利用する。回収したトリチウムは、配管16を通じて核融合プラズマ11に戻され、再利用される。一方、熱およびトリチウムを回収後の液体PbLiは、配管15を通じてブランケット12に戻され、再利用される。

【0058】
なお、図28において、核融合プラズマ11以外の部分は、本発明の、気体分離装置、熱分離装置、気体および熱の分離装置、または、本発明の気体分離回収装置に該当する。図28の装置では、液体PbLiの液滴から、前記液滴中に溶存している気体であるトリチウムを、前記トリチウムの拡散放出により前記液滴と分離することができる。また、容器13は液滴から気体および熱を放出させる真空を保持し、本発明の気体および熱の分離回収装置に該当する。

【0059】
図28の装置によれば、真空中において、非接触で(液体金属を装置壁、配管等に接触させずに)熱およびトリチウムを回収(分離)するため、従来のDCLLの課題であった装置の腐食と、放射性物質の透過との問題を防止または抑制することが可能である。

【0060】
また、図28の装置によれば、熱とトリチウムとを、容器13内の同一の反応系中において、同時に回収(分離)する。このため、従来のDCLLにおける熱とトリチウムとの二段階回収よりも高効率で熱およびトリチウムを回収することが可能である。すなわち、図28のような一段階回収であれば、二段階回収よりも、短時間で回収が可能であるため、その分、時間の経過で放熱が進むことによる熱エネルギーのロスを低減できる。

【0061】
また、本発明の装置では、例えば、図28のように、熱とトリチウムとを同一の反応系中で回収(分離)することにより、二段階回収よりも装置の小型化が可能である。

【0062】
つぎに、図29に、図28の容器13の構造を、さらに具体的に示す。図示のとおり、容器13の内部には空洞13aがある。空洞13aは、真空状態に保たれている。容器13の上端には、液体PbLi注入口21が設けられており、ノズル(図示せず)から液体PbLiを空洞(真空)13a中に液体PbLiの液滴22を形成放出する。液滴22からは、トリチウム23と熱(heat)とを分離する。分離したトリチウムは、容器13の上端および中腹のトリチウム回収部24および25から回収する。また、容器13の器壁内には、前記器壁下端のヘリウム導入部26からヘリウム(He)を導入することが可能であり、かつ、導入したヘリウムを、前記器壁上端のヘリウム導出部27から導出することが可能である。そして、前記ヘリウムを熱媒体として熱を分離する。また、容器13内の下端には、熱およびトリチウムを分離済の液体PbLi28を溜めることが可能であり、これを、液体PbLi回収部29から回収可能である。

【0063】
図28および29の容器13の上部において、前記ノズルとして、図3に示した構造のノズルを用いることができる。これにより、液体PbLiの液滴を製造できる。具体的には、液体PbLi注入口21から注入した液体PbLiを、プランジャ(planger)32を経由して容器13内部の空洞(真空)13a中に放出することにより、回転力を加えて液体PbLiの液滴を形成することができる。なお、図3に示したとおり、プランジャ32上端には、クランプボロット(clamp bolot)33が取り付けられている。プランジャ32は、コーン(cone)31内に取付けられ、クランプボロット33およびコーン31とともにノズルを形成している。

【0064】
本発明によれば、例えば、このように、核融合炉ブランケットにおいて液体リチウム鉛からトリチウムと熱エネルギーとを同時回収するための液体金属の微細化(液滴化)を真空中で行なうことができる。これにより、トリチウムと熱エネルギーとの同時回収が可能である。

【0065】
従来、熱の回収において、ふく射熱伝達は、1000℃以上等のきわめて高い温度の場合を除いて、効率的な方法であるとは考えられていなかった。

【0066】
これに対し、本発明者らは、1000℃未満の温度範囲でも、十分小さな液滴では表面積が大きくなるためふく射熱熱伝達の効率を良くすることが可能であることを見出した。

【0067】
例えば、図31に示すような球形の液滴において、液滴の半径rと、ふく射熱伝達効率 dT/dtとの関係は、下記数式(1)および(2)で表される。

【0068】
【数1-2】
JP2019037961A_000006t.gif
r:液滴の半径(m)
:液滴の温度(K)
:液滴外部の環境温度(K)
σ:シュテファンボルツマン定数(Wm-2-4
ε:放射率(-)
ρ:密度(kgm-3
:比熱(JK-1kg-1
V:体積(m
A:表面積(m

【0069】
前記数式(1)および(2)によれば、ふく射熱伝達効率dT/dtは、液滴の半径rに反比例するため、液滴の半径rを小さくすることにより、ふく射熱伝達効率dT/dtを十分高くできると考えられる。一例として、dT/dtは、下記のように算出される。

PbLi 径=1mm
=700℃
=650℃
ε=0.25
dT/dt=15℃/s

【0070】
本発明のトリチウムおよび熱の分離方法および分離装置において、金属の液滴の半径は、例えば1×10-4m以下、5×10-5m以下、4×10-5m以下、3×10-5m以下、2×10-5m以下、または1.5×10-5m以下であり、例えば1×10-5m以上である。

【0071】
図30に、モデル計算の一例(0.1s毎のブロックに分割)を模式的に示す。各ブロック内では温度は一定として熱エネルギーの伝達と温度変化を逐次計算した。時間t後の液滴の表面温度Tは、下記数式(3)で表され、時定数は、下記数式(4)で表される。

【0072】
【数3】
JP2019037961A_000007t.gif

【0073】
【数4】
JP2019037961A_000008t.gif

【0074】
700℃(973K)のPbLi液滴においては、例えば、下記数式(5)および(6)のとおり計算される。ブロックサイズは、Δt=0.1秒に固定されており、この時間は、温度変化の時定数の約5倍である。したがって、1ブロック内で、全ての液滴の温度が等しいと仮定される。

【0075】
【数5-6】
JP2019037961A_000009t.gif

【0076】
また、液滴から放出される熱とガス媒体が受け取った熱との間におけるエネルギーバランス(ふく射エネルギーと伝達エネルギーとの関係)は、下記数式(7)で表される。

【0077】
【数7】
JP2019037961A_000010t.gif

:液滴表面積(m
(i):経過時間i秒後の液滴の温度(K)
(i):経過時間i秒後の隔壁の温度(K)
(i):経過時間i秒後の二次媒体(ガス)の温度(K)
h:隔壁二次媒体間の熱伝達率(WK-1-2
:隔壁二次媒体間の単一ブロック表面積(m

【0078】
また、隣接するブロックにおける液滴と雰囲気(二次媒体)との間の温度変化は、下記数式(8)および(9)で表される。

【0079】
【数8-9】
JP2019037961A_000011t.gif

:液滴質量(kg)
:単位ブロック内二次媒体(ガス)質量(kg)
pc:二次媒体(ガス)比熱(Jkg-1-1
ph:液滴比熱(Jkg-1-1

【0080】
なお、図32~37のそれぞれのグラフに、PbLi液滴の温度と真空中滞在時間との関係の計算結果の一例を示す。液滴と真空中滞在時間の比較により、熱のふく射放出が決定因子であり小球程効率が良いことから、目標を満たす最少径を求めた。計算はモデルを0.1sec単位のブロックに分割し各ブロック内でのみ熱の交換がなされる前提とした。目標として、真空中滞在時間1sec(真空中での自由落下を行う年て装置高10m相当)の間に、PbLi液滴の温度が700℃から550℃まで変化するという目標を設定した。ただし、この目標は例示であり、本発明をなんら限定しない。図32~37の各グラフにおいて、横軸は、真空中滞在時間[秒]であり、縦軸は、PbLi液滴の温度[℃]である。「dd」は、PbLi液滴の直径である。図32は、PbLiが液滴(球)の場合である。また、図33および34は、PbLiが、それぞれ、液滴(Thi)、隔壁(bulk plate)の場合(Twi)、および気体(Tci)の場合を表す。なお、図33においては、真空中への放出時(0秒時)において、液滴の温度T(0)=700℃、雰囲気温度T(0)=650℃であり、図34においては、0秒時において、液滴の温度T(0)=800℃、雰囲気温度T(0)=650℃である。図35は、雰囲気(gas)の最終温度680℃において、PbLi液滴の直径ddを変化させた場合を表す。図示のとおり、液滴の直径を0.02mm以下にすれば前記目標値を達成できる。また、図36は、0秒時における液滴の温度T(0)=700℃、雰囲気(gas)の最終温度650℃におけるPbLi液滴の直径ddを変化させた場合のグラフである。図示のとおり、真空中滞在時間1秒以内に液滴の温度を550℃以下に低下させるためには、PbLi液滴の直径ddが約0.04mm以下であれば可能であると計算される。また、図37は、図36と同条件において、PbLi液滴の直径ddを0.05mmに固定し、放出率(emissivity)εの影響を加味して計算した結果である。図示のとおり、ε=0.25、0.5、0.75でそれぞれ計算したところ、εが大きければ、PbLi液滴の直径ddが0.05mmまたはそれ以上でも、経過時間1秒以内に液滴の温度を550℃以下に低下させることができると計算される。なお、放出率εは、一般的に光沢が有るほど低い傾向にある。図32~36では、光沢金属表面の類似データより、PbLiの放出率εを、安全サイドの数値であるε=0.25と推定した。ただし、εの数値は、PbLiの光沢により、大きく変化し得る。
【実施例】
【0081】
大気中への水の噴出による水の液滴(水滴)の製造を行なった(参考例)。一方、真空中への液体金属の噴出による、前記液体金属の液滴の製造を行なった(実施例)。これらについて、以下に説明する。なお、本実施例において、前記液体金属としては、ガリウム(Ga)68重量%、インジウム(In)22重量%、スズ(Sn)10重量%の組成の合金を用いた。この組成の合金は、融点が約-19℃のため、常温で液体である。この組成の合金は、ドイツのGeratherm. Medical社(Geratherm. Medical AG)から、Galinstan(ガリンスタン)の商品名で発売されているが、他社からも販売されている。以下においては、本実施例で用いた前記合金について、便宜上、全て「ガリンスタン」と表記する。
【実施例】
【0082】
図10に、本実施例で用いたノズルの一例の写真を示す。また、図11に、本実施例で用いたノズルの別の例の写真を示す。図10および11に示したノズルの部品は、図3におけるコーン31以外の部分に相当する。図10および11において、ノズルの部品とともに示したスケール(物差し)の目盛の単位は、1目盛につき1mmである。
また、図10は、図11にA、BおよびCの3とおり示したノズルのうち「A」と同一である。図示のとおり、ノズルA、BおよびCは、液体の流路32aが噴出口の方向となす角度θ(図6および7のaに相当)が、それぞれ、45°、30°および67°である。また、先端部(噴出口)の直径dは、それぞれ、1.0mm、0.7mmおよび0.7mmと示しているが、このdは、コーン31を交換することで変更できる。なお、図12に、本実施例で用いたノズルのコーン31の一例の写真を示す。
【実施例】
【0083】
なお、以下の全ての写真において、図中に示したスケール(物差し)の目盛の単位は、特に断らない限り、図10および11の写真と同様に、1目盛につき1mmである。
【実施例】
【0084】
図13のグラフに、図11のノズル「A」(図10のノズルと同一)を用いて先端部(噴出口)の直径d=1.0mm、ノズルの噴出口方向の流速(図8の、Uに該当)=6.0m/sで水を噴出させた場合の、液滴(水滴)の直径の確率分布の理論計算結果を示す。同図において、横軸は、液滴(水滴)の直径(mm)を表す。縦軸は、液滴(水滴)がその直径となる確率(Probability)を表す。ただし、図13は、理論計算結果であって、必ずしも実際の実験結果を反映するものではなく、また、本発明をなんら限定しない。
【実施例】
【0085】
図14のグラフに、図11のノズル「C」を用いて先端部(噴出口)の直径d=0.7mm、ノズルの噴出口方向の流速(図8の、Uに該当)=6.0m/sで水を噴出させた場合の、液滴(水滴)の直径の確率分布の理論計算結果を示す。同図において、横軸は、液滴(水滴)の直径(mm)を表す。縦軸は、液滴(水滴)がその直径となる確率(Probability)を表す。ただし、図14は、理論計算結果であって、必ずしも実際の実験結果を反映するものではなく、また、本発明をなんら限定しない。
【実施例】
【0086】
また、図15の写真に、参考例、すなわち図11のノズルを用いて大気中に水を噴出させた場合の液滴(水滴)の一例を示す。図示のとおり、大気中に水滴が形成されている。なお、図15に示したスケール(物差し)の目盛の単位は、mmである。
【実施例】
【0087】
図16に、参考例、すなわち図11のノズルを用いて大気中に水を噴出させた場合の、流速Vと、液体(水)の拡散部の長さLとの関係の一例を示す。図16左側は、図11のノズル「A」(図10と同一)を用いて水を大気中に噴出させた場合の写真の一例である。また、図16右側のグラフは、その場合における流速V(m/s)と、液体(水)の拡散部の長さL(mm)との関係を示すグラフである。同グラフにおいて、横軸が前記流速V(m/s)を表し、縦軸が前記拡散部の長さL(mm)を表す。なお、図16において、流速Vは、図8に示した噴出口の方向と垂直方向の流速Vと同じではなく、図8の、噴出口の方向の流速Uに該当する。また。図16において、拡散部の長さLは、図8に示した拡散部302の長さLに該当する。図示のとおり、流速Vが速く(大きく)なると、液体(水)の拡散部の長さLは短くなる傾向が観測された。なお、流速V(図8のUに該当)は、液体(流体)をノズル内の流路に流すときの圧力の大きさにより変化させた。以下の全ての参考例および実施例において同様である。
【実施例】
【0088】
図17に、図11のノズル「A」を用いて、V=6.0m/sで大気中に水を噴出させた場合の写真を示す。Vの定義は、図16と同様であり、以下、図18~28の全てにおいて同様である。図示のとおり、液滴(水滴)が形成されている。また、拡散部の広がりの角度φは、28.3°であった。
【実施例】
【0089】
また、図18~20に、図11のノズル「A」を用いて、Vを種々変化させて大気中に水を噴出させた場合の写真を示す。図18左側の写真は、V=4.0m/sの例である。図18右側の写真は、V=8.0m/sの例である。図19左側の写真は、V=5.0m/sの例である。図19右側の写真は、V=10.0m/sの例である。
図20左側の写真は、V=7.0m/sの例である。図20中央の写真は、V=8.0m/sの例である。図20右側の写真は、V=9.0m/sの例である。図示のとおり、全ての場合において、液滴(水滴)が形成されている。
【実施例】
【0090】
また、図21に、図11のノズル「C」を用いて、V=10.0m/sで大気中に水を噴出させた場合の水滴の写真を示す。図示のとおり、液滴(水滴)が形成されていることが明確に観察された。
【実施例】
【0091】
図22のグラフに、図11のノズル「C」を用いて先端部(噴出口)の直径d=1.0mm、ノズルの噴出口方向の流速W(図8のU、図16~21のVに該当)=6.0m/sで水を噴出させた場合の、液滴(水滴)の直径の確率分布の理論計算結果を示す。同図において、横軸は、液滴(水滴)の直径(mm)を表す。縦軸は、液滴(水滴)がその直径となる確率(Probability)を表す。また、図22中の写真は、実際に前記条件で水を噴出させた場合の写真である。
【実施例】
【0092】
図23のグラフに、図11のノズル「C」を用いて先端部(噴出口)の直径d=1.0mm、ノズルの噴出口方向の流速W(図8のU、図16~21のVに該当)=8.0m/sで水を噴出させた場合の、液滴(水滴)の直径の確率分布の理論計算結果を示す。同図において、横軸は、液滴(水滴)の直径(mm)を表す。縦軸は、液滴(水滴)がその直径となる確率(Probability)を表す。また、図23中の写真は、実際に前記条件で水を噴出させた場合の写真である。
【実施例】
【0093】
図24のグラフに、図11のノズル「C」を用いて先端部(噴出口)の直径d=1.0mm、ノズルの噴出口方向の流速W(図8のU、図16~21のVに該当)=10.0m/sで水を噴出させた場合の、液滴(水滴)の直径の確率分布の理論計算結果を示す。同図において、横軸は、液滴(水滴)の直径(mm)を表す。縦軸は、液滴(水滴)がその直径となる確率(Probability)を表す。また、図24中の写真は、実際に前記条件で水を噴出させた場合の写真である。
【実施例】
【0094】
図25のグラフに、図11のノズルを用いて大気中に水を噴出させた場合の、流速V(m/s)と液滴(水滴)の直径(mm)の実測値との関係を示す。流速Vの定義は、図16~21と同様であり、図8のUに該当する。図25のグラフにおいて、横軸が流速V(m/s)を表し、縦軸が液滴(水滴)の直径(mm)を表す。また、図中において、「d0.7a45」は、図11のノズル「A」(図10と同一)を用いて噴出口の直径d=0.7mmで水を噴出させた場合を表す。「d0.7a67」は、図11のノズル「C」を用いて噴出口の直径d=0.7mmで水を噴出させた場合を表す。「d1.0a45」は、図11のノズル「A」(図10と同一)を用いて噴出口の直径d=1.0mmで水を噴出させた場合を表す。「d1.0a67」は、図11のノズル「C」を用いて噴出口の直径d=1.0mmで水を噴出させた場合を表す。図示のとおり、いずれの場合でも、流速Vが大きくなるほど液滴(水滴)の直径が小さくなる傾向が観測された。
【実施例】
【0095】
つぎに、ガリンスタンを真空中に噴出させてガリンスタンの液滴を製造した。ガリンスタンは、前述のとおり、常温で液体である。また、ガリンスタンは、表面張力が0.5N/mと、400℃でのPbLiと類似の液滴化挙動を示すために、室温での有意な検証が可能である。ノズル内流速(図8のUに該当)は4.0m/sまたは6.0m/s、チャンバー内真空度は約10-1Pa、温度は20℃とした。
【実施例】
【0096】
図26に、大気中に水を噴出したときの写真(右側の写真)と、真空中にガリンスタンを噴出したときの写真(左側の写真)とを併せて示す。右側の写真(大気中の水)は、図22の写真と同一である。また、左側の写真(真空中のガリンスタン)は、ノズル内流速(図8のUに該当)が6.0m/sのときの写真である。図示のとおり、いずれの場合も、同様に液滴の形成が観測された。
【実施例】
【0097】
図27の左側のグラフに、真空中にガリンスタンを噴出した場合の流速V(m/s)と液滴(水滴)の直径(mm)の実測値との関係を、図11のノズルを用いて大気中に水を噴出させた場合の、流速V(m/s)と液滴(水滴)の直径(mm)の実測値との関係と併せて示す。流速Vの定義は、図16~21と同様であり、図8のUに該当する。図27の左側のグラフは、図25のグラフに、真空中にガリンスタンを噴出した場合のデータを書き加えたものである。同グラフにおいて、横軸および縦軸の意味は図25と同じである。また、図中において、「d0.7a45 H2O in air」は、図11のノズル「A」(図10と同一)を用いて噴出口の直径d=0.7mmで大気中に水を噴出させた場合を表す。「d0.7a67 H2O in air」は、図11のノズル「C」を用いて噴出口の直径d=0.7mmで大気中に水を噴出させた場合を表す。「d1.0a45 H2O in air」は、図11のノズル「A」(図10と同一)を用いて噴出口の直径d=1.0mmで大気中に水を噴出させた場合を表す。「d1.0a67 H2O in air」は、図11のノズル「C」を用いて噴出口の直径d=1.0mmで大気中に水を噴出させた場合を表す。また、「d0.7a67 GIS in vacuum」は、図11のノズル「C」を用いて噴出口の直径d=0.7mmで真空中にガリンスタンを噴出させた場合を表す。図示のとおり、いずれの場合でも、流速Vが大きくなるほど液滴(水滴)の直径が小さくなる傾向が観測された。また、ガリンスタンを真空中に噴出させた場合、図示のとおり、流速4.0m/sおよび6.0m/sで、それぞれ、液滴の平均径0.31mmおよび0.23mmという結果が得られた。この結果は、真空下において理論予想された結果とほぼ完全に一致する結果であった。これを、例えば、真空中でのPbLiの微細化(液滴製造)に用いれば、例えば、熱とトリチウムの同時回収が可能であると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上、説明したとおり、本発明によれば、液滴形成用の気体が不要な液滴製造用ノズル、液滴製造装置、核融合装置、および液滴製造方法を提供することができる。本発明は、例えば、前述のとおり、核融合装置に使用可能であるが、これに限定されず、任意の用途に使用可能である。例えば、本発明は、宇宙空間における飛行物体の熱交換および冷却、大型計算機の冷却への応用等も可能である。さらに、本発明は、例えば、粉末冶金における金属粉末の製造、食品用粉末(例えば、インスタントコーヒー等)の製造等に使用可能であり、その適用範囲はきわめて広い。
【0099】
また、本発明の熱分離方法、熱の回収方法、気体および熱の分離方法、気体および熱の分離回収方法、熱分離装置、気体および熱分離装置、気体および熱分離回収装置、ならびに核融合装置によれば、例えば、装置の腐食と、放射性物質の透過との問題を防止または抑制することが可能である。Dual-Coolant Lithium Lead(DCLL)は高い熱抽出効率が得られる反面、トリチウム透過、隔膜耐久性等の技術的課題がありITER-TBM(テストブランケットモジュール)には採用されていない。これに対し、本発明によれば、これらの問題を解決し、安全で長期間運転可能なトリチウムと熱の回収装置を提供できる。また、本発明は、これに限定されず、広範な分野に適用可能である。例えば、本発明は、宇宙空間における飛行物体から、排熱のための媒体を用いずに冷却への応用が可能である。金属工業においては溶存ガス不純物の除去にも利用可能である。
【符号の説明】
【0100】
11 核融合プラズマ
12 ブランケット
13 容器
14、15、16、17 配管
13a 空洞(真空)
31 コーン
32 プランジャ
33 クランプボロット
32a 溝(流路)
32b プランジャ32の先端部
41 容器
42a 流路
先端部42b ノズル
51 容器
52a 回転羽根
52b ノズルの先端部
301 液体
302 拡散部
303 靭帯(ligament)形状部
304 液滴
161 核融合プラズマ
162 ブランケット
163 トリチウム回収部
164 熱交換部
165、166、167、168 配管
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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