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明細書 :微生物封入マイクロカプセル、微生物封入マイクロカプセルを含むセメント混和材料及びセメント系構造物の補修材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-172234 (P2018-172234A)
公開日 平成30年11月8日(2018.11.8)
発明の名称または考案の名称 微生物封入マイクロカプセル、微生物封入マイクロカプセルを含むセメント混和材料及びセメント系構造物の補修材料
国際特許分類 C04B  24/00        (2006.01)
C04B  24/26        (2006.01)
C04B  24/38        (2006.01)
C04B  28/02        (2006.01)
FI C04B 24/00
C04B 24/26 E
C04B 24/38 D
C04B 24/38 Z
C04B 28/02
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2017-071341 (P2017-071341)
出願日 平成29年3月31日(2017.3.31)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り 出版者名:セメント・コンクリート研究会、刊行物名:第43回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集、発行年月日:平成28年10月28日
発明者または考案者 【氏名】河合 慶有
【氏名】西田 孝弘
【氏名】齋藤 淳
出願人 【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
個別代理人の代理人 【識別番号】100100354、【弁理士】、【氏名又は名称】江藤 聡明
審査請求 未請求
テーマコード 4G112
Fターム 4G112MD00
4G112PB31
4G112PB39
4G112PB40
要約 【課題】高pH環境から内部の微生物を保護すると共にカプセル未破壊の状態でも炭酸カルシウムの析出に寄与しうる、セメント系硬化物の強化用微生物封入カプセル、この微生物封入マイクロカプセルを含むセメント混和材料及びセメント系構造物補修材料を提供すること
【解決手段】代謝により二酸化炭素を発生する微生物を封入すると共に、二酸化炭素由来の炭酸イオンとセメント系硬化物に含まれるカルシウムイオンとの結合により析出する炭酸カルシウムによってセメント系硬化物を強化するために用いられるセメント系硬化物強化用の微生物封入マイクロカプセルである。このマイクロカプセルのカプセル壁は、アルギン酸、アルギン酸エステル、ペクチン、ジェランガム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上の水溶性ポリマーがカルシウムイオンで架橋されたゲル化物である。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
代謝により二酸化炭素を発生する微生物を封入すると共に、前記二酸化炭素由来の炭酸イオンとセメント系硬化物に含まれるカルシウムイオンとの結合により析出する炭酸カルシウムによってセメント系硬化物を強化するために用いられるセメント系硬化物強化用の微生物封入マイクロカプセルであって、
前記マイクロカプセルのカプセル壁が、アルギン酸、アルギン酸エステル、ペクチン、ポリ(メタ)アクリル酸、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上の水溶性ポリマーがカルシウムイオンで架橋されたゲル化物であることを特徴とする微生物封入マイクロカプセル。
【請求項2】
前記微生物が、偏性嫌気性微生物及び通性嫌気性微生物から選択される請求項1に記載の微生物封入マイクロカプセル。
【請求項3】
前記微生物が、酵母である請求項1に記載の微生物封入マイクロカプセル。
【請求項4】
前記微生物が、偏性好気性微生物である請求項1に記載の微生物封入マイクロカプセル。
【請求項5】
前記微生物が、通性嫌気性微生物と偏性好気性微生物との組み合わせである請求項1に記載の微生物封入マイクロカプセル。
【請求項6】
pH7.0以上の範囲に緩衝能を有するpH緩衝剤を含む請求項1~5の何れか1項に記載の微生物封入マイクロカプセル。
【請求項7】
セメントに混合して使用される混和材料であって、
請求項1~6の何れか1項に記載の微生物封入マイクロカプセルを含む混和材料。
【請求項8】
セメント系構造物の補修材料であって、
請求項1~6の何れか1項に記載の微生物封入マイクロカプセルと、
アルギン酸、アルギン酸エステル、ペクチン、ジェランガム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上の水溶性ポリマーと、
を含む補修材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント系硬化物強化用の微生物封入マイクロカプセル、この微生物封入マイクロカプセルを含むセメント混和材料及びセメント系構造物の補修材料に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートやモルタル等のセメントの硬化物は経年劣化により中性化やひび割れ等の劣化が生じる。特に、コンクリートの中性化は大気中の二酸化炭素がセメント系硬化物中に侵入して炭酸化反応を起こし、セメント系硬化物中のpHを低下させることにより生じる。
【0003】
この中性化がセメント系硬化物内部の鉄筋まで達すると、鉄筋の不働態皮膜が破壊されて鉄筋の腐食が進行することから、セメント系硬化物の経年劣化を抑制するためにはセメントの硬化物の中性化を抑制することが必要である。
【0004】
ここで、非特許文献1には、コンクリート中の所定の細孔径を有する細孔の量がコンクリートの中性化進行速度に影響を与えることが報告されており、コンクリートの緻密化によりその中性化進行速度を低下させれば、セメント系硬化物の経年劣化を抑制できることが期待される。
【0005】
非特許文献1に開示されるように、セメント系硬化物を緻密化させるには、セメントの種類、配合条件、養生方法、養生期間等、様々な条件を調整する方法もあるが、出願人は非特許文献2に記載された、コンクリートのひび割れ補修に用いられる微生物を活用することに着目した。具体的には、非特許文献2は、微生物の代謝を介して生じた炭酸イオンとセメント系硬化物から溶出したカルシウムイオンとの結合により炭酸カルシウムを析出させ、この炭酸カルシウムによりひび割れ部位を補修する方法を開示する。
【0006】
この微生物をセメントの練り混ぜ水の一部として混入させることで、セメントの硬化物中のカルシウムイオンを微生物の代謝を介して生じた炭酸イオンとの結合により析出させ、セメントの硬化物を緻密化させようというものである。
【0007】
しかし、高pH環境のセメント系硬化物中においては微生物の活動は抑制されてしまうため、微生物の活性を高めるための手立てが求められていた。
【0008】
ここで、特許文献1は、微生物及び添加剤を含む粒子を(コ)ポリマーベースの被覆により被覆してセメント出発材料と混合する発明を開示する。具体的には、特許文献1は、セメント出発材料及び粒子状修復剤を混合してセメント系材料を用意するステップを含むセメント系材料の作製方法であって、粒子状修復剤が、細菌材料及び添加剤を含む粒子が(コ)ポリマーベースにより被覆されたものである被覆粒子を含む。
【0009】
この方法により製造されたセメント系材料によれば、(コ)ポリマーベースの被覆が実質的に耐漏出性であることから、被覆粒子内の細菌材料及び添加剤はセメント系材料の硬化後においても被覆内に維持され、硬化後のセメントがひび割れた際に被覆が破損して細菌材料及び添加剤が漏出し、細菌の活動により当該ひび割れ部位を自己修復することが可能となる。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特許第6040147号公報
【0011】

【非特許文献1】郭度連、他3名、「養生条件によるコンクリートの組織変化と中性化を支配する細孔径の評価」、土木学会論文集、公益社団法人土木学会、平成14年11月、No.718、V-57、p.59-68
【非特許文献2】久保郁貴、他3名、「微生物を利用した補修工法における多析出可能な配合の検討」、コンクリート工学年次論文集、公益社団法人日本コンクリート工学会、平成26年、Vol.36、No.1、p.1948-1953
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1のセメント系材料の作製方法によれば、(コ)ポリマーベースの被覆が実質的に耐漏出性であることから、細菌材料は硬化セメント系材料の高pH環境から隔離されて保護されるものの、逆に硬化セメント系材料中において細菌材料の代謝物が被覆外に漏出することがなく、硬化セメント中のカルシウムイオンが被覆内に浸入することもない。したがって、硬化セメント中におけるカルシウムイオンが微生物の代謝を介して生じた炭酸イオンと結合することがなく、非特許文献1のセメント系材料の作製方法によっては、硬化セメントを微生物の活動によって緻密化させることはできなかった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高pH環境から内部の微生物を保護すると共にカプセル未破壊の状態でも炭酸カルシウムの析出に寄与しうる、セメント系硬化物の強化用微生物封入カプセル、この微生物封入マイクロカプセルを含むセメント混和材料及びセメント系構造物補修材料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、セメントの硬化物中において、カプセルが未破壊の状態でも微生物の代謝を介した炭酸カルシウムの析出を可能とするために、マイクロカプセルのカプセル壁をカルシウムイオンや二酸化炭素由来の炭酸イオンが浸透可能な半透性の膜により形成することを着想した。そして、鋭意研究の結果、この半透性の膜は、所定の水溶性ポリマーをカルシウムイオンで架橋したゲル化物により形成することができた。
【0015】
したがって、上記目的は、代謝により二酸化炭素を生成する微生物を封入すると共に、前記二酸化炭素由来の炭酸イオンとセメント系硬化物に含まれるカルシウムイオンとの結合により析出する炭酸カルシウムによってセメント系硬化物を強化するために用いられるセメント系硬化物強化用の微生物封入マイクロカプセルであって、前記マイクロカプセルのカプセル壁が、アルギン酸、アルギン酸エステル、ペクチン、ポリ(メタ)アクリル酸、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上の水溶性ポリマーがカルシウムイオンで架橋されたゲル化物であることを特徴とする微生物封入マイクロカプセルによって達成される。
【0016】
セメント系硬化物内に微生物封入マイクロカプセルが存在する場合、微生物はマイクロカプセル内で代謝により二酸化炭素を発生する。そして、カプセル壁は所定の水溶性ポリマーがカルシウムイオンで架橋されたゲル化物であることから半透性を有しており、発生した二酸化炭素由来の炭酸イオンはカプセル壁を透過してカプセル外に移行し、セメント系硬化物から溶出したカルシウムイオンはカプセル壁を透過してカプセル内に移行する。したがって、カプセル内外において炭酸イオンがカルシウムイオンと結合して炭酸カルシウムとなってセメント系硬化物内で析出し、セメント系硬化物の緻密化が図られる。
【0017】
本発明の微生物封入マイクロカプセルの好ましい態様は以下の通りである。
【0018】
(1)前記微生物が、偏性嫌気性微生物及び通性嫌気性微生物から選択される。
(2)前記微生物が、酵母である。
(3)前記微生物が、偏性好気性微生物である。
(4)微生物が、通性嫌気性微生物と偏性好気性微生物との組み合わせである。
(5)微生物封入マイクロカプセルが、pH7.0以上の範囲に緩衝能を有するpH緩衝剤を含む。
【0019】
また、上記目的は、セメントに混合して使用される混和材料であって、上記微生物封入マイクロカプセルを含む混和材料によっても達成される。
【0020】
さらに、上記目的は、セメント系構造物の補修材料であって、上記微生物封入マイクロカプセルと、アルギン酸、アルギン酸エステル、ペクチン、ジェランガム、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上の水溶性ポリマーと、を含む補修材料によっても達成される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の微生物封入マイクロカプセルによれば、セメント系硬化物内に微生物封入マイクロカプセルが存在する場合、微生物はマイクロカプセル内で代謝により二酸化炭素を発生する。そして、カプセル壁は所定の水溶性ポリマーがカルシウムイオンで架橋されたゲル化物であることから半透性を有しており、発生した二酸化炭素由来の炭酸イオンはカプセル壁を透過してカプセル外に移行し、セメント系硬化物から溶出したカルシウムイオンはカプセル壁を透過してカプセル内に移行する。したがって、カプセル内外において炭酸イオンがカルシウムイオンと結合して炭酸カルシウムとなってセメント系硬化物内で析出し、セメント系硬化物の緻密化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1に用いた微生物封入マイクロカプセルの外観写真である。
【図2】実施例1の、酢酸カルシウム水溶液中のpH及びカルシウムイオン濃度の経時的な変化を示すグラフである。
【図3】実施例1の、(a)試料A、(b)試料B、及び(c)試料CのFE-SEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について以下に説明する。本発明は、セメント系硬化物を強化するために用いられるセメント系硬化物強化用の微生物封入マイクロカプセル、微生物封入マイクロカプセルを含む混和材料、及びセメント系構造物の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料に関するが、まず、微生物封入マイクロカプセルについて説明する。

【0024】
[微生物封入マイクロカプセル]
微生物封入マイクロカプセルは、封入された微生物が代謝により二酸化炭素を生成し、この二酸化炭素由来の炭酸イオンがセメント系硬化物に含まれるカルシウムイオンと結合することにより析出する炭酸カルシウムによってセメント系硬化物を強化する。

【0025】
炭酸カルシウム析出までの反応は、以下の式により説明される。すなわち、栄養源または栄養源の代謝生成物がグルコースである場合、嫌気性微生物は酸素不在下で下記式(1)によりエタノールと二酸化炭素を生成する。

【0026】
12 → 2COH + 2CO … 式(1)

【0027】
同じく、栄養源または栄養源の代謝生成物がグルコースである場合、好気性微生物は酸素の存在下で下記式(2)により水と二酸化炭素を生成する。

【0028】
12 + 6O → 6CO+6HO …式(2)

【0029】
式(1)又は(2)で発生した二酸化炭素が水と反応すると、下記式(3)のように炭酸イオンが発生する。

【0030】
CO + HO → CO2- + 2H … 式(3)

【0031】
セメント系硬化物からは水酸化カルシウム(Ca(OH))由来のカルシウムイオンが遊離するが、このカルシウムイオンは式(3)で生じた炭酸イオンと反応し、下記式(4)のように炭酸カルシウムが析出することとなる。

【0032】
Ca2+ + CO2- → CaCO … 式(4)

【0033】
微生物封入マイクロカプセルの大きさは、特に限定されるものではないが、直径数mm~数μmの範囲であり、セメントに混合された際のマイクロカプセルの安定性の観点から、5mm以下であることが好ましい。好ましくは、1mm以下である。

【0034】
-微生物
微生物は、栄養源を直接又は間接に代謝し、二酸化炭素を生成する微生物であれば特に限定されない。この栄養源の代謝には、式(1)の酸素を利用しない代謝や、式(2)の酸素を利用した代謝の双方を含む。

【0035】
微生物としては、偏性(絶対)嫌気性微生物、通性嫌気性微生物、偏性好気性微生物、微好気性微生物から1種以上を選択して用いることができるが、後述するセメントに混合された後の代謝の継続性を考慮すると偏性嫌気性微生物、通性嫌気性微生物が好ましく、取り扱いの簡易さからは通性嫌気性微生物が特に好ましい。

【0036】
一方で、後述するように、セメント系硬化物内で酸素を消費し、セメント系硬化物中に埋設された鋼材の腐食を防止するという観点からすると、通性嫌気性微生物、偏性好気性微生物、微好気性微生物が好ましく、偏性好気性微生物が特に好ましい。

【0037】
さらに、代謝の継続性及び酸素の消費の双方の観点からすると、通性嫌気性微生物が最も好ましい。

【0038】
なお、微生物とは、細菌類、酵母、真菌、原生生物、原生動物等広く使用することが可能である。これらの中でも、強化される対象であるセメント系硬化物がアルカリ環境であることを考慮すると、胞子(子嚢胞子、芽胞、分正子)形成能がある胞子形成微生物が好ましい。

【0039】
胞子形成微生物としては、例えば、枯草菌(Bacillus属、主に偏性好気性)、放線菌(Streptomyces属等)、真菌類(不完全菌門、子嚢菌門、接合菌門、担子菌門、ツボカビ門)などを1種以上使用することが可能である。これらの中でも、真菌類が特に好ましく、取扱いと、嫌気代謝効率の点で特に酵母が好ましい。

【0040】
酵母は、Saccharomyces属、Candida属、Zygosaccharomyces属、Schizosaccharomyces属、Kluyveromyces属、Saccharomycopsis属、Pachysolen属など多様な属種から1種以上を選択でき、特に、Saccharomyces属のものが好ましい。

【0041】
Saccharomyces属では、具体的には、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces Pastorianus、Saccharomyces intermedius、Saccharomyces validus、saccharomyces ellipsoiders、Saccharomyces mali risler、Saccharomyces mandschuricus、Saccharomyces Vordermannii、Saccharomyces Peka、Saccharomyces shasshing、Saccharomyces piriformis、Saccharomyces anamensis、saccharomyces cartilaginosus、Saccharomyces Awamori、Saccharomyces Batatae、Saccharomyces Coreanus、Saccharomyces robustus、Saccharomyces Carlsbergensis、Saccharomyces Monacensis、Saccharomyces Marxianus、Saccharomyces lactes、Saccharomyces Rouxiiなどから選択される1種以上を用いることができ、好ましくはSaccharomyces cerevisiae(通性嫌気性)である。

【0042】
Candida属では、具体的には、Candida atmosphaerica、Candida auris、Candida blattae、Candida bromeliacearum、Candida carvajalis、Candida cerambycidarum、Candida chauliodes、Candida dosseyi、Candida dubliniensis、Candida ergatensis、Candida fructus、Candida glabrata、Candida guilliermondii、Candida humilis、Candida insectamens、Candida insectorum、Candida intermedia、Candida jeffresii、Candida kefyr、Candida keroseneae、Candida krusei、Candida lyxosophila、Candida maltosa、Candida marina、Candida membranifaciens、Candida mogii、Candida oleophila、Candida tsuchiyae、Candida sinolaborantium、Candida sojae、Candida subhashii、Candida viswanathii、Candida ubatubensis、Candida zempliniなどから選択される1種以上を用いることができる。

【0043】
Schizosaccharomyces属では、具体的には、Schizosaccharomyces cryophilus、Schizosaccharomyces japonicus、Schizosaccharomyces octosporus、Schizosaccharomyces pombeから選択される1種以上を用いることができる。

【0044】
Zygosaccharomyces属では、具体的には、Zygosaccharomyces tikumaensis、Zygosaccharomyces lactis、Zygosaccharomyces marxianus、Zygosaccharomyces cidri、Zygosaccharomyces fermentati、Zygosaccharomyces thermotolerans、Zygosaccharomyces tikumaensis、Zygosaccharomyces chevalieri、Zygosaccharomyces mongolicusなどから選択される1種以上を用いることができる。

【0045】
なお、Saccharomyces cerevisiaeのような嫌気性微生物と、他の微生物と組み合わせて使用することも可能である。この場合は、多様な環境に対応できるように異なる性質の微生物(例えば偏性好気性微生物)と組み合わせることが好ましく、特に、Bacillus subtilisのような胞子(芽胞)形成能がある偏性好気性微生物との組み合わせが好ましい。

【0046】
このような組み合わせによれば、偏性好気性微生物(Bacillus subtilis)がセメント系硬化物中の酸素を消費し、セメント系硬化物中に埋設された鋼材の下記式(5)で示すカソード反応を抑制し、鋼材の腐食を抑制することができる。

【0047】
1/2O + HO + 2e(鋼材のFe由来)→ 2OH …式(5)

【0048】
上記のような微生物は、自家培養品、市販品のいずれか一方又は両方を用いてもよい。例えば、Saccharomyces cerevisiaeの場合は、多様な市販品(オリエンタル酵母工業(株)製、ルサッフル社製、秋田十条化成株式会社)が公知である。

【0049】
微生物は生菌(栄養細胞)、乾燥品、冷凍品、真空凍結乾燥品など多様な態様で用いることができるが、酵母のような胞子形成微生物を用いる場合は、その微生物にストレスを与えて胞子数を増加させると同時に、他の微生物数を減少(滅菌)させてから使用することもできる。ここで、ストレス環境とは、貧栄養、乾燥、高温、低温、高圧、化学処理のいずれか1種以上のストレスを胞子形成微生物に付与する状態を意味する。

【0050】
-水溶性ポリマー
水溶性ポリマーは、カルボキシル基を含み、カルシウムイオンの存在下で下記式(6)のようなイオン架橋を生じ、親水性が低下してゲル化を起こす水溶性ポリマーである。

【0051】
2R-COO + Ca2+ + RCOO-Ca-OOCR … 式(6)
具体的には、アルギン酸(アルギン酸塩、アルギン酸エステルも含む)、ポリ(メタ)アクリル酸、ペクチン、ジェランガム、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上のカルボキシル基含有水溶性ポリマーを用いることができる。ここで、塩とは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩の他、アンモニウム塩をも含む概念ではあるが、より好ましくはナトリウムとカリウムから選択する。

【0052】
ペクチンは特に限定されないが、ゲル化性を考慮すると、エステル化度(ガラクチュロン酸メチルエステルの割合)が50%未満のLMペクチン(Low Methylester pectin)が好ましい。また、ジェランガムは二価陽イオンと結合してゲル化するもの、例えばLAジェランガム(脱アシル化ジェランガム)などが好ましい。

【0053】
但し、取扱い性、ゲル化速度などを考慮すると、上記水溶性ポリマーの中でもアルギン酸とポリ(メタ)アクリル酸が好ましく、特に好ましくはアルギン酸である。

【0054】
水溶性ポリマーは、水溶性ポリマーの水溶液をカルシウムイオン含有水溶液と接触・混合することでゲル化し、カプセル壁を形成する。

【0055】
-カルシウムイオン含有水溶液
カルシウムイオン含有水溶液の製造には、カルシウム塩が用いられる。カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム等、水に対する溶解性の大きいカルシウム塩を用いることができる。

【0056】
-その他のマイクロカプセル内に封入される物質
マイクロカプセル内には、微生物だけでなく、微生物栄養源、pH緩衝剤を含むことができる。

【0057】
微生物栄養源は特に限定されず、有機炭素源(糖類、デンプン、脂質等)、無機炭素源(炭酸ナトリウム等)、有機窒素源(アミノ酸、ペプチド、タンパク質等)、無機窒素源(アンモニウム塩、硝酸塩等)、無機栄養源(P、S、K、Na等)を1種以上用いることができる。ただし、無機栄養源のうち、カルシウム、Fe等の水溶液で多価金属イオンを形成するものはマイクロカプセルを製造する前に水溶性ポリマーのゲル化をまねくため、添加することができない。

【0058】
栄養源は、代謝により腐食性物質を排出しないものが好ましい。栄養源としての炭素源(糖類等)が有機酸(酢酸、乳酸、ピルビン酸)のような腐食性物質の原因となる場合は、栄養源に窒素源を添加し、微生物が産出するアンモニアにより有機酸をマスクしてもよい。特に、バチルス属細菌を嫌気性微生物と併用する場合に効果的である。微生物が胞子形成微生物の場合には、栄養源として発芽誘導物質を添加することもできる。

【0059】
pH緩衝剤は、微生物が生成した二酸化炭素由来の炭酸イオンによるマイクロカプセル内のpHの低下を抑制するために用いられる。pHが低下し、マイクロカプセル内の環境が酸性となると、析出した炭酸カルシウムが溶解し、セメント系硬化物の緻密化が実現できなくなるからである。

【0060】
pH緩衝剤としては、カプセル内環境をpH7.0(中性)以上に保持可能なものであればどのようなものを用いても良い。また、pHの上限は、微生物の活性を維持できるpHであればどのようなものであっても良い。例えば、微生物として酵母を用いる場合、pHは7.0以上9.0以下の範囲に維持し得るpH緩衝剤を用いることができる。

【0061】
このようなpH緩衝剤としては、TAPSO、POPSO、HEPPSO、EPPS、Tricine、Bicine、TAPS、CHES、CAPSO、CAPS、Tris、Bis-Tris等の水溶液に塩酸溶液または水酸化ナトリウム溶液を加えて調整したものを用いることができる。

【0062】
[微生物封入マイクロカプセルの製造方法]
微生物封入マイクロカプセルは、微生物及と水溶性ポリマーと任意の添加剤(栄養源等)を混合した混合溶液とカルシウムイオン含有水溶液とを混合することにより製造することができる。

【0063】
混合は、いずれか一方の溶液を他方の溶液に流し込み、撹拌すれば良いが、マイクロカプセル同士の大きさの均一化を図る観点から、何れか一方の溶液を他方の溶液に滴下することが好ましく、特に、微生物及と水溶性ポリマーと任意の添加剤(栄養源等)を混合した混合溶液を、緩速撹拌するカルシウムイオン含有水溶液に滴下することが好ましい。

【0064】
なお、マイクロカプセルの大きさは、一方の溶液を他方の溶液に滴下する滴下速度、滴下に用いる管の内径により調整することができる。例えば、管の内径としては3mm以下が好ましい。

【0065】
水溶性ポリマーと混合する微生物の量は、水溶性ポリマーの水溶液1リットル当たり40g(乾燥品)以下である。また、水溶液1リットルあたり5g以上であることが好ましく、特に、水溶性ポリマーの水溶液1リットル当たり15g以上30g以下であることが好ましい。

【0066】
また、水溶性ポリマーの混合溶液中の濃度は、カプセル壁の強度の維持及び半透性の維持の観点から、0.5wt%以上2.0wt%以下とすることが好ましい。

【0067】
さらに、カルシウムイオン含有水溶液中のカルシウムイオンの濃度は、例えば、0.05mol/L以上1.0mol/L以下とすることができる。

【0068】
[微生物封入マイクロカプセルを含む混和材料]
本発明の混和材料は、セメントと混合して使用される混和材料である。混和材料は、微生物封入マイクロカプセル以外に、添加剤としてフィラー、分散剤、界面活性剤、pH調整、pH緩衝剤等を使用可能であり、添加剤は1種類のみ単独で使用することもできるし、2種類以上を用いることもできる。

【0069】
混和材料は、液状、固体(乾燥品)のいずれの形態でもよく、液状の場合は上記微生物封入マイクロカプセルと、必要に応じて添加剤とを、水、有機溶媒等の媒質に分散させて液状とする。媒質は好ましくは水を含有し、より好ましくは水を主成分とし、より好ましくは水で構成される。

【0070】
本発明の混和材料は、コンクリート、モルタル等の多様なセメント系硬化物を作成する目的で、セメントと混合して使用することができる。

【0071】
[セメント]
本発明の混和材料は多様なセメントに対し使用可能であり、例えば、ポルトランドセメント(JIS R5210)、混合セメント(JIS R5211、R5212、R5213)、エコセメント等を1種以上使用することができる。

【0072】
本発明の混和材料は1種以上のセメントと混練してペースト状にされ、必要により細骨材(砂等)や粗骨材(砂利等)が混合されて使用され、所定期間養生することでセメント系硬化物が形成される。

【0073】
したがって、本発明の微生物封入マイクロカプセル及び混和材料によれば、高pH環境のセメント系硬化物内であっても微生物はマイクカプセル内で保護されるので活性が維持され、栄養源又はその代謝生成物を代謝して二酸化炭素を生成する。

【0074】
生成された二酸化炭素由来の炭酸イオン及びセメント系構造物から溶出したカルシウムイオンは半透性のカプセル壁を互いに透過して結合し、マイクロカプセルの内外で炭酸カルシウムが析出する。これにより、セメント系硬化物が緻密化され、強化される。

【0075】
なお、本発明の微生物封入マイクロカプセルは、混和材料に含ませることに限らず、製造された微生物封入マイクロカプセルはそのままセメントの練り混ぜ水中に添加されてもよい。すなわち、セメント系硬化物を緻密化して強化する用途で最終的にセメント系硬化物中に分散させることができるのであれば、セメント系硬化物を形成する途中の任意の段階で本発明の微生物封入マイクロカプセルを添加してよい。

【0076】
[微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料]
本発明の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料は、微生物封入マイクロカプセル以外に、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーは、上記[微生物封入カプセル]の項目に記載した水溶性ポリマーと同じものの中から選択することができる。中でも、微生物封入マイクロカプセルに使用した水溶性ポリマーと同一の種類のものを用いると、マイクロカプセルとゲル化した補修材料とが一体化し、ゲル化後の補修材料の機械的強度が向上する。

【0077】
-その他の添加剤
本発明の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料は、上記微生物封入マイクロカプセルと水溶性ポリマーに限定されず、他のポリマー(バインダー)、微生物栄養源(有機、無機)、着色剤、フィラー、pH緩衝剤、pH調整剤、老化防止剤、分散剤、界面活性剤など1種以上の添加剤を添加することができる。

【0078】
微生物栄養源は特に限定されず、有機炭素源(糖類、デンプン等)、無機炭素源(炭酸ナトリウム等)、有機窒素源(アミノ酸、ペプトン等)、無機窒素源(アンモニウム塩、硝酸塩等)、無機栄養源(P、S、K、Mg、Fe、Na等)を1種以上用いることができる。ただし、無機栄養源のうち、カルシウム等のセメント系構造物に含まれる無機栄養源は、別途添加する必要はない。

【0079】
栄養源は、代謝により腐食性物質を排出しないものが好ましい。栄養源としての炭素源(糖類等)が有機酸(酢酸、乳酸、ピルビン酸)のような腐食性物質の原因となる場合は、栄養源に窒素源を添加し、微生物が産出するアンモニアにより有機酸をマスクしてもよい。特に、バチルス属細菌を嫌気性微生物と併用する場合に効果的である。

【0080】
本発明の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料は、セメント系硬化物を使用した構造物(以下、セメント系構造物という)の欠陥部分に適用される。ここで、セメント系構造物の欠陥部分とは、乾燥収縮、熱膨張、熱収縮、機械的ストレス、化学的ストレス、製法上の問題(例:コールドジョイント)などの様々な理由で表面や内部に生じた欠陥部分(ひび割れ、凹部)をいう。

【0081】
まず、本発明の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料は、粉体の場合には媒質に分散させて液状とし、この液状の補修材料を欠陥部分に塗布、散布又は注入して適量を供給する。

【0082】
欠陥部分において補修材料中の水溶性ポリマーはセメント系構造物由来カルシウムイオンによりゲル化する。マイクロカプセル内の微生物は栄養源を代謝して二酸化炭素をマイクロカプセル外部に排出し、補修材料中に移行してきたカルシウムイオンと結合して炭酸カルシウムを析出させ、補修材料中のゲル膜を緻密化する。

【0083】
したがって、本発明の微生物封入マイクロカプセルを含む補修材料によれば、セメント系構造物の欠陥部分は炭酸カルシウムが充填された緻密な水溶性ポリマーのゲル膜により補修され、セメント系構造物の機械的強度が回復する。
【実施例】
【0084】
以下、本発明を実施例により説明する。
【実施例】
【0085】
[実施例1]
実施例1では、微生物として酵母を用いた検討を行った。
【実施例】
【0086】
(1)微生物封入マイクロカプセルの製造
撹拌している500mlの蒸留水に1.0wt%となるようにアルギン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、鹿1級、カタログNo,37094-01)を添加し、そのまま30分間撹拌した。その後、微生物として市販のドライイースト(秋田十条化成株式会社製、商品名「白新こだま酵母ドライ」)及びグルコースを加えてさらに30分間撹拌し、これらの原料が完全に溶解したことを目視で確認し、微生物含有アルギン酸ナトリウム水溶液を得た。
【実施例】
【0087】
次に、0.5Lの蒸留水に酢酸カルシウムを溶解し、ここにTris緩衝溶液(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール緩衝溶液 pH9.0)を添加し、カルシウムイオン含有水溶液を得た。
【実施例】
【0088】
使用材料の濃度を表1に示す。
【実施例】
【0089】
【表1】
JP2018172234A_000003t.gif
【実施例】
【0090】
次に、微生物含有アルギン酸ナトリウム水溶液をペリスタルティックポンプ(アトー株式会社製、AC-2110II)を用いて流量1,500ml/hourでカルシウムイオン源溶液中に滴下し、微生物封入マイクロカプセルを得た。なお、使用したペリスタルティックポンプのチューブの内径は3mmである。
【実施例】
【0091】
得られたマイクロカプセルはガーゼで濾し、ろ紙で挟んでマイクロカプセル周囲の水分を拭き取り、次の検討に用いた。
【実施例】
【0092】
また、得られたマイクロカプセルは、図1に示すように、球形であって、アルギン酸のカルボキシル基をカルシウムイオンで架橋させて形成されるゲル被膜によるカプセル壁を有していた。
【実施例】
【0093】
(2)微生物封入マイクロカプセルを用いた炭酸カルシウム析出課程の試験管試験による検討
(2-1)カルシウムイオン濃度及びpH変化の測定
水溶液中のカルシウムイオン濃度が4.5g/Lとなるように酢酸カルシウムを添加し、さらにTris緩衝溶液(2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール緩衝溶液 pH9.0)濃度を0.1mol/Lとするように調整した1Lの酢酸カルシウム水溶液に上記(1)で作製した微生物封入マイクロカプセルを全量投入し、水溶液中のカルシウムイオン濃度とpHの測定を6時間毎に48時間後まで行った。
【実施例】
【0094】
なお、カルシウムイオン濃度の測定にはポータブルイオン計(株式会社東亜DKK製)を用い、pH測定にはハンディ型pH計(株式会社佐藤計量器製作所製、SK-620PH)を使用した。
【実施例】
【0095】
測定結果を図2のグラフに示す。図2のグラフは、酢酸カルシウム水溶液中のpH及びカルシウムイオン濃度の経時的な変化を示す。
【実施例】
【0096】
図示のように、試験開始後から徐々にマイクロカプセルを添加した酢酸カルシウム水溶液中のpHは低下し、24時間以降はほぼ一定の値となった。これは、マイクロカプセル中の微生物の代謝生成物がカプセル壁を浸透し、酢酸カルシウム水溶液中に拡散されていることによるものと推察される。
【実施例】
【0097】
また、溶液中のpHは12時間後に7.5より低下しており、炭酸カルシウムの析出速度は徐々に低下していると考えられる。
【実施例】
【0098】
また、酢酸カルシウム水溶液中のカルシウムイオン濃度はpHの低下に伴い徐々に低下している。これは、溶液中のカルシウムイオンが炭酸イオンと反応し、炭酸カルシウムとなっていることを示している。
【実施例】
【0099】
(2-2)FE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)による観察
次に、「(2-1)カルシウムイオン濃度及びpH変化の測定」において試験管のアルカリ環境下に置かれた微生物封入カプセルを取りだし、室内環境で乾燥させた。この乾燥させた微生物封入マイクロカプセルを用いてFE-SEM(日本電子株式会社製、JSM-7001FA)による観察を行った。
【実施例】
【0100】
観察に用いた微生物封入カプセルは、
試料A:「(1)微生物封入マイクロカプセルの製造」による製造直後のもの
試料B:「(2-1)カルシウムイオン濃度及びpH変化の測定」における酢酸カルシウム水溶液に添加して6時間後に取り出したもの及び、
試料C:「(2-1)カルシウムイオン濃度及びpH変化の測定」における酢酸カルシウム水溶液に添加して24時間後に取り出したもの
である。
【実施例】
【0101】
試料A~CのFE-SEM画像を図3に示す。
【実施例】
【0102】
同図に示すように、試料AのFE-SEM画像においては、アルギン酸被膜(カプセル壁)の表面に、封入された球形(3-4μm)のイースト菌(微生物)による起伏形状が確認される。
【実施例】
【0103】
また、試料BのFE-SEM画像においては、アルギン酸被膜の内側に、幅1μm程度の大きさの炭酸カルシウムの結晶(カルサイト)が析出していることが認められる。
【実施例】
【0104】
さらに、試料CのFE-SEM画像においては、アルギン酸被膜の内外に亘って炭酸カルシウムの結晶が成長し、その大きさが3倍程度になっていることが認められる。
【実施例】
【0105】
したがって、微生物封入マイクロカプセルの内外に微生物代謝により炭酸カルシウムが析出されることを利用して、このマイクロカプセルがセメント系材料に含まれた場合に、得られたセメント系硬化物の緻密化が可能となる。
【実施例】
【0106】
なお、微生物として、実施例1の酵母(通性嫌気性微生物)に代えて枯草菌(偏性好気性微生物)を用い、実施例1と同様に微生物封入マイクロカプセルを製造し、この微生物封入マイクロカプセルを用いた炭酸カルシウム析出課程の試験管試験を行った。
【実施例】
【0107】
その結果、酵母と比べると析出速度が劣るものの、枯草菌を用いた場合でも炭酸カルシウムの析出が生じたことが確認された。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2