(In Japanese)【課題】花や果実などの対象物体を容易に且つ高精度に認識することができ、衛生的で繊細な授粉が可能であり、処理の自動化が可能な人工授粉システムを提供する。 【解決手段】人工授粉システム1は、三次元センサ500と画像認識装置600と超音波集束装置400とを備える。三次元センサは、作物のカラー画像と該作物までの距離情報とを含む三次元情報を取得する。画像認識装置は、三次元情報から、花や果実などの対象物体の認識モデルを作成し蓄積する学習処理部650と、三次元情報に対して所定の画像処理を行い、学習処理部が作成し蓄積した認識モデルを用いて対象物体を認識し、該対象物体の位置を取得する画像処理部630とを備える。超音波集束装置は、画像認識装置が取得した対象物体の位置および距離情報に基づいて、対象物体に対して超音波を照射することで該対象物体を加振させて授粉を行う。 【選択図】図1
【0053】 (三次元センサ) 本実施の形態では、3次元空間における対象物体(例えば、イチゴの花)の位置情報を得るため、距離情報の取得が可能な3Dカメラ(5001・5002)を用いる必要がある。距離情報を取得できる代表的なカメラとしてKinect for Windows v2(Microsoft、以下、Kinect)(5002)、RealSense 3D Camera(Intel、以下、RealSense)(5001)がある(図8(a)および図8(b)参照)。
【0080】 Real Sense 3D Camera(5001)ではカラーカメラと距離センサの位置とにずれがあるため、取得されるカラー画像と距離画像の座標系とが異なっている。そのため、カラー画像上の物体の正確な距離を計測するために、Real Sense SDKには、座標変換を行う関数としてProjectColorToCamera関数、およびProjectDepthToCamera関数がある。この関数では、カラー・距離画像を、カメラを中心とした実際の3D空間の座標に変換することが可能である。これによって、それぞれの座標を実空間座標に変換し、そのままのデータを超音波集束装置400で利用することが可能となる。ただし、実施の形態に係る人工授粉システム1では、超音波集束装置400の上部に3Dカメラ(500)を取り付けるため、その分の高さと幅の補正が必要となった(図3参照)。この距離は、計測によって求め、一例として、補正値をx軸方向に+30mmとし、y軸方向に+115mmとした。
【0098】 < 超音波集束装置による加振 > イチゴ花の3次元空間における重心位置を超音波集束装置400に送り、超音波による授粉を実行させる(ステップS145)。Real Sense 3D Camera(5001)は、例えば、超音波集束装置400の上部に取り付けられているため、カメラの座標系から超音波集束装置400の座標系に変換する必要がある。補正値は、ステップS115の画像取得処理で説明した通り、x軸方向に+30mm、y軸方向に+115mmとしても良い。一画面中に含まれるすべてのイチゴの花に超音波の照射を行い、完了後次の区画へ移動し再び画像取得からループする(ステップS150→ステップS110)。
【0198】 ゲートウェイ820は、通信規約(プロトコル)が異なる二者間(例えば、ZigBeeとWi-Fi)やネットワーク間の通信を中継する機器やソフトウェア、システムであり、双方のプロトコルの違いに対応できるものである。具体的には、ゲートウェイ820は、信号処理装置810から送信されたデータを受信し、受信したデータを上位側装置480に送信する。また、ゲートウェイ820は、信号処理装置810に対する制御命令や設定情報などを上位側装置840から受信する。さらに、ゲートウェイ820は、信号処理装置810から送信されたデータを単に中継するだけでなく、受信したデータを記憶したり演算したりする機能を備えていてもよい。ゲートウェイ820と上位側装置840との間の通信には、Wi-Fi、3G/LTE、有線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などが使用される。
【0203】 三次元センサ811によって時系列的に検知された物理量(以下、「時系列データ」という。)は、メモリ812に一時的に記憶される。三次元センサ811がアナログ信号を出力するように構成されている場合、三次元センサ811の出力信号は、アナログフィルタ(不図示)によってフィルタ処理され、A/D(Analog to Digital)コンバータ(不図示)によってデジタルデータに変換された後、メモリ812に記憶される。
【0204】 演算部813は、メモリ812に記憶された時系列データを用いて各種の演算を実施する。例えば、時系列データに対する1次側クレンジング、代表値算出、調整統計演算などを実施する。このような演算部813は、CPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ812やその他の周辺装置(不図示)とともに、マイクロコントローラ(MCU:Micro Control Unit)として構成されてもよい。