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Specification :(In Japanese)無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラム

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)公開特許公報(A)
Publication number P2019-213148A
Date of publication of application Dec 12, 2019
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラム
IPC (International Patent Classification) H04W  16/18        (2009.01)
H04W  24/06        (2009.01)
H04B  17/373       (2015.01)
H04B  17/391       (2015.01)
FI (File Index) H04W 16/18 110
H04W 24/06
H04B 17/373
H04B 17/391
Number of claims or invention 7
Filing form OL
Total pages 15
Application Number P2018-110162
Date of filing Jun 8, 2018
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】佐々木 元晴
【氏名】鷹取 泰司
【氏名】井口 正人
Applicant (In Japanese)【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
Representative (In Japanese)【識別番号】100072718、【弁理士】、【氏名又は名称】古谷 史旺
【識別番号】100151002、【弁理士】、【氏名又は名称】大橋 剛之
【識別番号】100201673、【弁理士】、【氏名又は名称】河田 良夫
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 5K067
F-term 5K067AA01
5K067LL01
Abstract (In Japanese)【課題】
従来、気象条件ごとに行う粒子の空間拡散シミュレーションの中で、全置局位置候補に対する伝搬特性シミュレーションを行うため、計算量が増大するという課題があった。
【解決手段】
三次元空間に拡散する粒子情報に基づいて無線通信システムの置局設計を行う置局設計方法であって、複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを行い、各気象条件における粒子の空間拡散予測値を求めるステップと、前記複数の気象条件のそれぞれに対応する複数の前記空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値を算出するステップと、前記空間拡散予測統計値に基づいて、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行い、前記複数の置局位置候補ごとの各地点の受信電力を算出するステップとを有する。
【選択図】図1
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
三次元空間に拡散する粒子情報に基づいて無線通信システムの置局設計を行う置局設計方法であって、
複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを行い、各気象条件における粒子の空間拡散予測値を求めるステップと、
前記複数の気象条件のそれぞれに対応する複数の前記空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値を算出するステップと、
前記空間拡散予測統計値に基づいて、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行い、前記複数の置局位置候補ごとの各地点の受信電力を算出するステップと
を有することを特徴とする置局設計方法。
【請求項2】
請求項1に記載の置局設計方法において、
前記空間拡散予測統計値は、粒子濃度統計値であり、前記伝搬特性シミュレーションでは、送信点から受信点までの伝搬経路上の前記粒子濃度統計値に基づいて損失を加算して受信電力を算出する
ことを特徴とする置局設計方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の置局設計方法において、
前記複数の気象条件ごとに前記空間拡散予測値を求める前記空間拡散シミュレーションと、前記複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する前記伝搬特性シミュレーションとを時系列に独立して行い、前記複数の気象条件をN(Nは1以上の整数)通り、前記複数の置局位置候補をM(Mは1以上の整数)通り、とした場合、全体のシミュレーションの回数が(N+M)回である
ことを特徴とする置局設計方法。
【請求項4】
三次元空間に拡散する粒子情報に基づいて無線通信システムの置局設計装置において、
複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを行い、各気象条件における粒子の空間拡散予測値を求める予測値算出部と、
前記複数の気象条件のそれぞれに対応する複数の前記空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値を算出する統計値算出部と、
前記空間拡散予測統計値に基づいて、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行い、前記複数の置局位置候補ごとの各地点の受信電力を算出する伝搬特性推定部と
を有することを特徴とする置局設計装置。
【請求項5】
請求項4に記載の置局設計装置において、
前記空間拡散予測統計値は、粒子濃度統計値であり、前記伝搬特性シミュレーションでは、送信点から受信点までの伝搬経路上の前記粒子濃度統計値に基づいて損失を加算して受信電力を算出する
ことを特徴とする置局設計装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の置局設計装置において、
前記複数の気象条件ごとに前記空間拡散予測値を求める前記空間拡散シミュレーションと、前記複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する前記伝搬特性シミュレーションとを時系列に独立して行い、前記複数の気象条件をN(Nは1以上の整数)通り、前記複数の置局位置候補をM(Mは1以上の整数)通り、とした場合、全体のシミュレーションの回数が(N+M)回である
ことを特徴とする置局設計装置。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の置局設計装置が行う処理をコンピュータに実行させることを特徴とする置局設計プログラム。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、火山灰などの粒子の空間拡散情報に基づいて無線局の配置を行うための置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火山灰などの粒子による無線通信システムへの影響が懸念されている。例えば、火山噴火時に火山灰などの粒子が空中に散布された場合、粒子は空間的に偏りを持った状態で空中に分布し、気象条件に応じて拡散しながら空中を移動する。そして、無線通信システムを構成する無線局の通信区間に粒子が分布した場合、電波強度の減衰が引き起こされ、通信障害が発生する可能性がある。そのため、無線通信システムで使用される無線局の配置を決める(置局設計と称する)場合に、火山灰などの粒子の空間拡散情報を考慮する必要がある。
【0003】
置局設計の方法として、建物データや地図情報に基づいて電波伝搬特性をシミュレーションを行い、置局位置から送信される電波が周辺の各地点で受信されるときの受信電力を計算し、各置局位置における通信エリアを見積もる方法が行われている。一方、火山灰などの粒子の空間拡散情報については、火山灰における降灰輸送シミュレーションなどにより、風向きなどの気象条件に基づいて粒子の空間的な分布を推定する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】新堀敏基,“火山灰の輸送シミュレーションと降灰予報”,研究集会「火山現象の数値計算研究」,2009年11月16日.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
火山灰などの粒子による無線通信システムへの影響を回避するために、例えば特定の気象条件下における粒子の空間拡散予測値に基づいて事前に中継局を経由する中継回線への切り替えを行う方法が考えられるが、各置局位置での通信エリアの計算と各気象条件における粒子の空間拡散情報の計算の全ての組み合わせについてシミュレーションを行う必要があり、計算量が増大するという課題がある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、複数の気象条件における火山灰などの粒子の空間拡散予測値を求める空間拡散シミュレーションと、複数の置局位置候補における各地点での受信電力を算出する伝搬特性シミュレーションとを少ない計算量で実現し、様々な気象条件における粒子の空間拡散を考慮した置局設計を行うことができる無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、三次元空間に拡散する粒子情報に基づいて無線通信システムの置局設計を行う置局設計方法であって、複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを行い、各気象条件における粒子の空間拡散予測値を求めるステップと、前記複数の気象条件のそれぞれに対応する複数の前記空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値を算出するステップと、前記空間拡散予測統計値に基づいて、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行い、前記複数の置局位置候補ごとの各地点の受信電力を算出するステップとを有することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記空間拡散予測統計値は、粒子濃度統計値であり、前記伝搬特性シミュレーションでは、送信点から受信点までの伝搬経路上の前記粒子濃度統計値に基づいて損失を加算して受信電力を算出することを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記複数の気象条件ごとに前記空間拡散予測値を求める前記空間拡散シミュレーションと、前記複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する前記伝搬特性シミュレーションとを時系列に独立して行い、前記複数の気象条件をN(Nは1以上の整数)通り、前記複数の置局位置候補をM(Mは1以上の整数)通り、とした場合、全体のシミュレーションの回数が(N+M)回であることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、三次元空間に拡散する粒子情報に基づいて無線通信システムの置局設計装置において、複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを行い、各気象条件における粒子の空間拡散予測値を求める予測値算出部と、前記複数の気象条件のそれぞれに対応する複数の前記空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値を算出する統計値算出部と、前記空間拡散予測統計値に基づいて、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行い、前記複数の置局位置候補ごとの各地点の受信電力を算出する伝搬特性推定部とを有することを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第4の発明において、前記空間拡散予測統計値は、粒子濃度統計値であり、前記伝搬特性シミュレーションでは、送信点から受信点までの伝搬経路上の前記粒子濃度統計値に基づいて損失を加算して受信電力を算出することを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、第4の発明または第5の発明において、前記複数の気象条件ごとに前記空間拡散予測値を求める前記空間拡散シミュレーションと、前記複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する前記伝搬特性シミュレーションとを時系列に独立して行い、前記複数の気象条件をN(Nは1以上の整数)通り、前記複数の置局位置候補をM(Mは1以上の整数)通り、とした場合、全体のシミュレーションの回数が(N+M)回であることを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、第4の発明から第6の発明のいずれか1つの発明に記載の置局設計装置が行う処理をコンピュータに実行させることを特徴とする置局設計プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラムは、複数の気象条件における火山灰などの粒子の空間拡散予測値を求める空間拡散シミュレーションを行い、複数の地点ごとの空間拡散予測値の統計値を算出した後、地点ごとの統計値に基づいて電波損失を加算して複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する伝搬特性シミュレーションを行うことにより、様々な気象条件における空間拡散を考慮した無線通信システムの置局設計を少ない計算量で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置の構成例を示す図である。
【図2】粒子の空間拡散予測値の一例を示す図である。
【図3】粒子濃度統計値の一例を示す図である。
【図4】置局位置候補における伝搬特性シミュレーションの一例を示す図である。
【図5】伝搬特性シミュレーションにおける粒子濃度の考慮方法の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置の処理例を示す図である。
【図7】比較例の置局設計装置の処理例を示す図である。
【図8】比較例の置局設計方法の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係る無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラムの実施形態について説明する。

【0017】
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100の構成例を示す。図1において、置局設計装置100は、気象条件保持部101、粒子拡散情報保持部102、粒子拡散情報推定部103、伝搬特性推定部104および伝搬特性推定結果保持部105を有する。

【0018】
気象条件保持部101は、気象庁などの外部のコンピュータやオペレータの手入力などにより予め入力される複数の気象条件をハードディスクやメモリなどに保持するデータベース(DB)である。なお、本実施形態では、気象条件は、例えば三次元座標上の位置における風速および風向などの情報を基本とするが、湿度、気温、降雨量などの情報を含めてもよい。例えば、湿度や降雨量まで考慮した粒子の空間拡散情報を得ることにより、粒子の含水率の影響まで考慮することができ、より詳細な伝搬特性シミュレーションが可能となる。

【0019】
粒子拡散情報保持部102は、気象庁などの外部のコンピュータから粒子情報などを取得し、ハードディスクやメモリなどに保持するデータベース(DB)である。また、粒子拡散情報保持部102は、後述する粒子拡散情報推定部103により求められた粒子の空間拡散予測値および粒子の空間拡散予測統計値なども保持する。ここで、粒子情報は、例えば、粒子の種類や成分、大きさ、重さ、密度、噴出点での濃度などの情報と、粒子噴出点の情報を少なくとも含む。また、粒子噴出点の情報は、例えば、火山の噴火口の三次元座標(緯度(x軸)、経度(y軸)、高度(z軸))などで、通常、火口位置に相当する。

【0020】
粒子拡散情報推定部103は、気象条件保持部101に保持されている複数の気象条件のそれぞれの気象条件において粒子の空間拡散シミュレーションを行い、粒子の空間拡散予測値を求める。そして、粒子拡散情報推定部103は、複数の気象条件のそれぞれの気象条件における粒子の空間拡散予測値を統計処理して、粒子の空間拡散予測統計値を算出する。なお、本実施形態では、粒子の空間拡散予測値は、粒子濃度の予測値として説明するが、粒子の成分や大きさなどの情報を含めた予測値とすることで電波への影響をより細かくシミュレーションすることができる。例えば、粒子噴出点に近いエリアでは相対的に大きな粒子が多く含まれるが、粒子噴出点に遠いエリアでは相対的に小さな粒子が多く含まれるなどの情報に基づいて粒子の空間拡散予測値を求めてもよい。また、粒子の空間拡散予測統計値は、複数の気象条件ごとの予測値(粒子濃度など)の最大値、平均値および中央値などの統計値を用いる。ここで、統計値の種類は、シミュレーションの目的によって切り替えるようにしてもよい。例えば、粒子の空間拡散予測統計値として各地点の最大値を用いてシミュレーションを行うことで、各置局位置での最悪の状態を考慮した置局設計を行うことができる。或いは、無線局の置局位置が既に決定している場合において、粒子の空間拡散予測統計値として各地点の平均値や中央値を用いることで、大規模噴火などで粒子が拡散したときの地点ごとの平均的な影響を確認することができる。

【0021】
なお、粒子拡散情報推定部103は、粒子の空間拡散予測値を求める空間拡散シミュレーションを実施する予測値算出部と、粒子の空間拡散予測値を統計処理して、粒子の空間拡散予測統計値を算出する統計値算出部とに分けてもよい。

【0022】
伝搬特性推定部104は、粒子拡散情報推定部103により求められた粒子の空間拡散予測統計値に基づいて、予め設定された複数の置局位置のそれぞれの置局位置での伝搬特性シミュレーションを行い、置局位置候補ごとに各地点での受信電力を推定する。本実施形態では、伝搬特性推定部104は、送信点から受信点までの伝搬経路における粒子濃度統計値に基づいて損失を加算して受信電力を算出する。

【0023】
伝搬特性推定結果保持部105は、伝搬特性推定部104が行った置局位置ごとの伝搬特性シミュレーション結果を保持するデータベース(DB)である。例えば、伝搬特性推定結果保持部105は、置局位置候補ごとに各地点での受信電力の情報を保持する。

【0024】
このようにして、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、互いに異なる複数の気象条件ごとに火山灰などの粒子の空間拡散シミュレーションを行って気象条件ごとに空間拡散予測値を求め、複数の気象条件における粒子の空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測値の統計値を算出し、複数の置局位置候補ごとに粒子の空間拡散予測値の統計値に基づいて伝搬経路の損失を考慮した各地点の受信電力を算出する伝搬特性シミュレーションを行う。

【0025】
本実施形態では、粒子の空間拡散予測値を複数の気象条件ごとに求める空間拡散シミュレーションを行う処理と、複数の置局位置候補の地点ごとに粒子の空間拡散予測値の統計値に基づいて伝搬特性シミュレーションを行う処理とを独立して行うので、空間拡散シミュレーションの中で伝搬特性シミュレーションを二重に行う場合に比べて計算量を大幅に削減することができる。

【0026】
図2は、粒子の空間拡散予測値の一例を示す。図2は、図1で説明した粒子拡散情報推定部103が複数の気象条件ごとに粒子の空間拡散シミュレーションを実施して求めた空間拡散予測値の一例であり、簡単のために二次元的に描いてあるが、粒子は三次元空間に拡散されるので、二次元ではなく三次元で行うのが望ましい。また、図2の各図において、横軸xは緯度、縦軸yは経度をそれぞれ示し、y軸のプラス方向が北、y軸のマイナス方向が南、x軸のプラス方向が東、x軸のマイナス方向が西である。ここで、本実施形態では、粒子の空間拡散予測値として、例えば粒子濃度を用いる。なお、図2では、以下の4つの気象条件での予測結果が示されている。

【0027】
図2の(a1)は、気象条件が風向:北東、風速:強の場合の粒子の空間拡散予測値の一例を示し、粒子噴出点から北東の強い風により南西方向の遠くまで粒子が拡散している。

【0028】
図2の(a2)は、気象条件が風向:南東、風速:強の場合の粒子の空間拡散予測値の一例を示し、粒子噴出点から南東の強い風により北西方向の遠くまで粒子が拡散している。

【0029】
図2の(a3)は、気象条件が風向:南、風速:中の場合の粒子の空間拡散予測値の一例を示し、粒子噴出点から南の中程度の風により北方向に粒子が拡散している。

【0030】
図2の(a4)は、気象条件が風向:北、風速:弱の場合の粒子の空間拡散予測値の一例を示し、粒子噴出点から北の弱い風により粒子噴出点の南方向を中心に東西にも粒子が拡散している。

【0031】
図3は、粒子濃度統計値の一例を示す。図3は、図2で説明した複数の気象条件ごとに求めた複数の空間拡散予測値を統計処理して求めた空間拡散予測統計値(図3の例では粒子濃度統計値)を示し、図2と同様に簡単のために二次元的に描いてある。なお、図3は、図2に対応し、横軸xは緯度、縦軸yは経度をそれぞれ示し、y軸のプラス方向が北、y軸のマイナス方向が南、x軸のプラス方向が東、x軸のマイナス方向が西である。また、粒子濃度の大きさは、メッシュ状に分割したセル(メッシュの1マス単位)の色の濃さで表され、セルの色が薄いほど粒子濃度の統計値が低く、セルの色が濃いほど粒子濃度の統計値が高いことをそれぞれ示す。図3では、例えば、粒子噴出点での拡散開始から定常状態になるまでの一定時間における各地点(図3の例では各セル)における粒子濃度の統計値(最大値や平均値など)を表している。図3の例では、図2で説明した複数の気象条件に対応して粒子噴出点を中心に東西南北に拡散する粒子の濃度を確認することができる。

【0032】
このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、粒子の空間拡散シミュレーションにより、複数の気象条件を含む粒子の空間拡散予測値の統計値を計算し、メッシュ状に分割された各セル(各地点)における粒子の空間拡散予測統計値(粒子濃度)を確認することができる。

【0033】
ここで、本実施形態では、メッシュ状に分割された複数のセルのいずれかのセルを置局位置候補とし、置局位置候補のセルに設置された無線局から送信される電波が置局位置候補のセル周辺の各セル(受信地点)で受信される受信電力を伝搬特性シミュレーションにより計算する。つまり、本実施形態では、メッシュ状に分割された各セルは、置局位置候補でもあり受信地点でもある。例えば、無線通信システム全体のサービスエリアが10km×10kmの場合、x軸方向およびy軸方向にそれぞれ100mごとに分割して、各セルのサイズを100m×100mとする。或いは、サービスエリアを網羅的にメッシュ分割したセルを置局位置候補とするのではなく、例えばサービスエリア内にある複数のビルの位置を置局位置候補としてもよい。

【0034】
図4は、置局位置候補における伝搬特性シミュレーションの一例を示す。図4(a)は、図3と同じ図を示し、置局位置候補が星印で示されている。図4(b)は、図4(a)に示した置局位置候補に無線局を設置して電波を送信した場合の無線局周辺の各地点(図4の例ではメッシュ状に分割された各セル)における受信電力を示している。なお、図4(b)の各セルは、図4(a)と同じ位置のセルにそれぞれ対応する。そして、図4(a)と同様に、横軸xは緯度、縦軸yは経度をそれぞれ示し、y軸のプラス方向が北、y軸のマイナス方向が南、x軸のプラス方向が東、x軸のマイナス方向が西である。また、受信電力の大きさは、セルの色の濃さで表されており、セルの色が薄いほど受信電力が低く、セルの色が濃いほど受信電力が高いことをそれぞれ示す。図4(b)の伝搬特性シミュレーション結果では、星印で示した置局位置候補の西側に色の濃いセルが広がっているので、この付近の受信電力は高く、良好な通信状態が確保できることが分かる。

【0035】
このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、様々な気象条件に対応した粒子濃度の統計値を用いて伝搬特性シミュレーションを実行し、各置局位置候補における受信電力を確認することができる。ここで、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、図2で説明したように、複数の気象条件に対応した粒子の空間拡散予測値を計算するための粒子の空間拡散シミュレーションを気象条件ごとに行って粒子濃度統計値を求める処理を行った後で、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行って各地点での受信電力を求める。このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、粒子の空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとを別々に行うので、例えば、気象条件の数をN通り(Nは正の整数)、置局位置候補の地点の数をM通り(Mは正の整数)とした場合、粒子の空間拡散シミュレーションの回数はN回、伝搬特性シミュレーションの回数はM回となり、総シミュレーション回数は(N+M)回となる。これに対して、後述する比較例の場合、気象条件を変えながら置局位置候補ごとの受信電力を求めるので、粒子の空間拡散シミュレーションの中で伝搬特性シミュレーションを行わなければならず、総シミュレーション回数は(N×M)回となる。

【0036】
このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、粒子の空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとを別々に行うので、総シミュレーション回数を大幅に削減することができる。

【0037】
図5は、伝搬特性シミュレーションにおける粒子濃度の考慮方法の一例を示す。図5(a)および図5(b)は、図4(a)と同じ図を示し、置局位置候補と受信点とが示されている。

【0038】
ここで、粒子濃度に対する伝搬特性の計算を実施する伝搬特性シミュレーションの方法として、推定式を用いる方法やレイトレースを用いる方法などが考えられる。

【0039】
図5(a)は、推定式を用いる方法を示す。推定式では、置局位置候補(送信点)と受信点とを結ぶ直線(伝搬経路)において、直線上にある各セルの粒子濃度に応じた付加損失を考慮する。例えば図5(a)において、5種類の色の濃さに分けられた各セルの粒子濃度と損失とが比例関係にある場合、例えば5段階の色の濃い方から順にそれぞれの損失は-4dB、-3dB、-2dB、-1dB、0dBとなる。この場合、図5(a)の例では、置局位置候補の星印から受信点の黒丸印までの伝搬経路に、-3dBの損失に相当する色の濃さのセルが3個、-2dBの損失に相当する色の濃さのセルが1個、-1dBの損失に相当する色の濃さのセルが1個、がそれぞれ存在するので、合計で-(3×3)dB-2dB-1dB=-12dBの付加損失が伝搬特性シミュレーションで与えられる。このようにして、粒子濃度に応じた損失を考慮して受信点における受信電力が求められる。

【0040】
図5(b)は、レイトレースを用いる方法を示す。図5(b)において、レイトレースを用いる方法では、置局位置候補(送信点)から受信点へ到達する複数のレイを想定して、各レイが通るセルの粒子濃度に応じたそれぞれの付加損失を考慮する。なお、付加損失の計算方法は、図5(a)で説明した方法と同様に、セルの粒子濃度(色の濃さ)に対応する予め決められた損失を各レイが通るセルごとに加算して付加損失を求める。これにより、粒子濃度による透過損失などの付加損失を考慮した受信点における受信電力を求めることができる。

【0041】
このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、各地点の粒子濃度統計値に対する電波の付加損失を考慮するので、各地点の受信電力を高い精度で求めることができる。

【0042】
図6は、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100の処理例を示す。なお、図6の処理は、図1で説明した各ブロックにより実行される。

【0043】
(ステップS101)図1で説明した置局設計装置100は、火山灰などの粒子が様々な気象条件下で空間拡散する場合の無線通信システムの置局設計処理を開始する。なお、気象庁などの外部のコンピュータから粒子情報などが予め取得されているものとする。また、シミュレーションに用いる複数の気象条件についても、予め設定されているものとする。さらに、複数の置局位置候補の位置(二次元座標または三次元座標)についても予め設定されているものとする。なお、図6の処理では、気象条件の数をN通り(Nは正の整数)、置局位置候補の地点の数をM通り(Mは正の整数)として説明する。

【0044】
(ステップS102)気象条件n(nは0からNの整数)を0に設定(初期化)する。

【0045】
(ステップS103)気象条件nを1つインクリメントする(n=n+1)。つまり、n=0に初期化されている場合、1番目の気象条件が設定される。

【0046】
(ステップS104)気象条件nにおける粒子の空間拡散シミュレーションを実施し、粒子濃度などの粒子の空間拡散予測値を求める。空間拡散シミュレーションの結果により、例えば図2で説明したように、各気象条件(風向や風速)に基づいて粒子噴出点から粒子がどの地点にどのような濃度で拡散するかを確認できる。

【0047】
(ステップS105)ステップS104で求められた気象条件nに対する粒子の空間拡散シミュレーション結果(粒子の空間拡散予測値n)を例えば図1の粒子拡散情報保持部102に保存する。ここで、気象条件nに対する粒子の空間拡散シミュレーション結果を粒子の空間拡散予測値nと表記する。例えば、気象条件1の粒子の空間拡散シミュレーション結果は粒子の空間拡散予測値1、気象条件2の粒子の空間拡散シミュレーション結果は粒子の空間拡散予測値2、・・・、気象条件Nの粒子の空間拡散シミュレーション結果は粒子の空間拡散予測値Nのように表記する。なお、保存される粒子の空間拡散シミュレーション結果の数は、最終的にN個である。

【0048】
(ステップS106)気象条件nがN番目の気象条件であるか否かを判別する。つまり、全ての気象条件について空間拡散シミュレーションを終了したか否かを判別する。そして、気象条件nがN番目の気象条件である場合、気象条件1から気象条件Nまでの空間拡散シミュレーションが終了したと判断し、次のステップS107の処理に進む。気象条件nがN番目の気象条件ではない場合、N番目の気象条件までの粒子の空間拡散シミュレーションが終了していないと判断し、ステップS103の処理に戻って、ステップS103からステップS106までの処理をN番目の気象条件になるまで繰り返し実行する。

【0049】
(ステップS107)ステップS103からステップS106までの処理で求められたN通りの空間拡散予測値を統計処理して粒子の空間拡散予測統計値N’を算出し、例えば図1の伝搬特性推定結果保持部105に保存する。

【0050】
(ステップS108)置局位置m(mは0からMの整数)を0に設定(初期化)する。

【0051】
(ステップS109)置局位置mを1つインクリメントする(m=m+1)。つまり、m=0に初期化されている場合、1番目の置局位置が設定される。

【0052】
(ステップS110)置局位置m、粒子の空間拡散予測統計値N’における伝搬特性シミュレーションを実施し、図4で説明したように置局位置mにおける周辺の各地点での受信電力を求める。

【0053】
(ステップS111)ステップS110で求められた置局位置mに対する伝搬特性シミュレーション結果(各地点での受信電力)を保存する。ここで、保存される伝搬特性シミュレーション結果の数は、最終的にM個である。

【0054】
(ステップS112)置局位置mがM番目の置局位置であるか否かを判別する。つまり、全ての置局位置について伝搬特性シミュレーションを終了したか否かを判別する。そして、置局位置mがM番目の置局位置である場合、置局位置1から置局位置Mまでの伝搬特性シミュレーションが終了したと判断し、次のステップS113の処理に進む。置局位置mがM番目の置局位置ではない場合、全ての置局位置(1番目からM番目の置局位置)の伝搬特性シミュレーションが終了していないと判断し、ステップS109の処理に戻って、ステップS109からステップS112までの処理をM番目の置局位置になるまで繰り返し実行する。

【0055】
(ステップS113)置局設計装置100は、火山灰などの粒子が様々な気象条件下で空間拡散する場合の無線通信システムの置局設計の処理を終了する。

【0056】
このように、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、粒子の空間拡散予測値を複数の気象条件ごとに求める空間拡散シミュレーションを行う処理と、複数の置局位置候補の地点ごとに粒子の空間拡散予測値の統計値に基づいて伝搬特性シミュレーションを行う処理とを独立して行うので、空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとを二重に行う場合に比べて計算量を大幅に削減することができる。

【0057】
ここで、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100は、図1に示した各ブロックを有する装置として説明したが、図6の処理に対応するプログラムを実行するコンピュータでも実現できる。なお、プログラムは、記録媒体に記録して提供されてもよいし、ネットワークを通して提供されてもよい。

【0058】
図7は、比較例の置局設計装置の処理例を示す。なお、図7の処理は、図6で説明した本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100の処理に対応する。

【0059】
(ステップS801)比較例の置局設計装置は、火山灰などの粒子が様々な気象条件下で空間拡散する場合の無線通信システムの置局設計の処理を開始する。なお、図6と同様に、気象庁などの外部のコンピュータから粒子情報などが予め取得されているものとする。また、シミュレーションに用いる複数の気象条件についても、予め設定されているものとする。さらに、複数の置局位置候補の位置(二次元座標または三次元座標)についても予め設定されているものとする。なお、図6と同様に、図7の処理では、気象条件の数をN通り、置局位置候補の地点の数をM通りとして説明する。

【0060】
(ステップS802)気象条件n(nは0からNの整数)を0に設定(初期化)する。

【0061】
(ステップS803)気象条件nを1つインクリメントする(n=n+1)。つまり、n=0に初期化されている場合は、1番目の気象条件が設定される。

【0062】
(ステップS804)気象条件nにおける粒子の空間拡散シミュレーションを実施し、粒子の空間拡散予測値nを求める。粒子の空間拡散予測値nは、図2で説明した本実施形態と同様に、例えば風向や風速に基づいて粒子噴出点から粒子がどの地点にどのような濃度で拡散するかを示す粒子の空間拡散シミュレーション結果である。

【0063】
(ステップS805)ステップS804で求められた粒子の空間拡散シミュレーション結果(粒子の空間拡散予測値n)を保存する。粒子の空間拡散予測値nは、図2で説明した本実施形態と同様に、例えば各地点ごとの粒子濃度である。ここで、保存される粒子の空間拡散シミュレーション結果の数は、最終的にN個である。

【0064】
(ステップS806)置局位置m(mは0からMの整数)を0に設定(初期化)する。

【0065】
(ステップS807)置局位置mを1つインクリメントする(m=m+1)。つまり、m=0に初期化されている場合は、1番目の置局位置が設定される。

【0066】
(ステップS808)置局位置mおよび気象条件nの粒子の空間拡散予測値nにおける伝搬特性シミュレーションを実施する。

【0067】
(ステップS809)ステップS808で求められた伝搬特性シミュレーション結果(置局位置mおよび気象条件nにおける各地点の受信電力)を保存する。ここで、保存される伝搬特性シミュレーション結果の数は、最終的に(M×N)個となり、図6で説明した本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100に比べて、保存される伝搬特性シミュレーション結果の数は大幅に増加し、大容量の記憶媒体が必要になる。

【0068】
(ステップS810)置局位置mがM番目の置局位置であるか否かを判別する。そして、置局位置mがM番目の置局位置である場合、置局位置1から置局位置Mまでの伝搬特性シミュレーションが終了したと判断し、次のステップS811の処理に進む。置局位置mがM番目の置局位置ではない場合、M番目の置局位置までの伝搬特性シミュレーションが終了していないと判断し、ステップS807の処理に戻って、ステップS807からステップS810までの処理がM番目の置局位置になるまで繰り返し実行される。

【0069】
(ステップS811)気象条件nがN番目の気象条件であるか否かを判別する。そして、気象条件nがN番目の気象条件である場合、気象条件1から気象条件Nまでの粒子の空間拡散シミュレーションが終了したと判断し、次のステップS812の処理に進む。気象条件nがN番目の気象条件ではない場合、N番目の気象条件までの粒子の空間拡散シミュレーションが終了していないと判断し、ステップS803の処理に戻って、ステップS803からステップS811までの処理がN番目の気象条件になるまで繰り返し実行される。

【0070】
(ステップS812)比較例の置局設計装置は、火山灰などの粒子が様々な気象条件下で空間拡散する場合の無線通信システムの置局設計の処理を終了する。

【0071】
このように、比較例の置局設計装置は、粒子の空間拡散予測値を複数の気象条件ごとに求める空間拡散シミュレーションを行う処理の中で、複数の置局位置候補ごとに粒子の空間拡散予測値に基づいて伝搬特性シミュレーションを行う処理を実行するので、空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとが二重に行われることになり、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計装置100に比べて計算量が大幅に増加する。例えば、気象条件の数をN通り、置局位置候補の地点の数をM通りとした場合、粒子の空間拡散シミュレーションの回数はN回、伝搬特性シミュレーションの回数はM回となり、比較例での総シミュレーション回数は(N×M)回となる。

【0072】
図8は、比較例の置局設計方法の概要を示す。また、図8(a)は、複数の気象条件における粒子の空間拡散シミュレーションを実施して求めた粒子の空間拡散予測値の一例を示す。例えば、図8(a)の(a1)は、本実施形態で説明した図2の(a1)と同じ気象条件(風向:北東、風速:強)における粒子の空間拡散シミュレーションの結果を示す。同様に、図8(a)の(a2)は図2の(a2)の気象条件、図8(a)の(a3)は図2の(a3)の気象条件および図8(a)の(a4)は図2の(a4)の気象条件、にそれぞれ対応する粒子の空間拡散シミュレーションの結果である。なお、図8(a)の例では、複数の気象条件の数は4つである。

【0073】
一方、図8(b)は、図8(a)に示す複数の気象条件のそれぞれに対して、複数の置局位置候補ごとの伝搬特性シミュレーションを行った結果の一例を示す。図8(b)の例では、置局位置が星印で示され、(b1)に示す置局位置と(b2)に示す置局位置と(b3)に示す置局位置と(b4)に示す置局位置とはそれぞれ異なり、4つの置局位置についてそれぞれ伝搬特性シミュレーションが行われる。そして、各置局位置から電波を送信した場合の各地点(図8(b)の例では各セル)における受信電力が求められる。図8(b)の例では、図4(b)と同様に、受信電力の大きさがセルの色の濃さで表されており、セルの色が薄いほど受信電力が低く、セルの色が濃いほど受信電力が高いことをそれぞれ示す。

【0074】
図8に示した比較例では、気象条件ごとに全ての置局位置候補の受信電力を求めるので、1つの気象条件に対する粒子の空間拡散シミュレーションの中で全ての置局位置候補に対する伝搬特性シミュレーションを行わなければならない。例えば図8の場合、気象条件の数が4通りなので粒子の空間拡散シミュレーションの回数が4回、置局位置候補の地点の数が4通りなので伝搬特性シミュレーションの回数が4回である。この場合、図8(a)の(a1)に示す粒子の空間拡散シミュレーションを行う中で、図8(b)の(b1)から(b4)の4回の伝搬特性シミュレーションが行われる。同様に、図8(a)の(a2)、(a3)および(a4)に示す粒子の空間拡散シミュレーションを行う中で、図8(b)の(b1)から(b4)の4回の伝搬特性シミュレーションがそれぞれ行われる。

【0075】
このように、比較例では、4回の粒子の空間拡散シミュレーションの中でそれぞれ4回の伝搬特性シミュレーションが行われるので、総シミュレーション回数は4×4=16回となる。

【0076】
これに対して、本実施形態に係る無線通信システムの置局設計方法では、粒子の空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとを別々に行うので、例えば4通りの気象条件と4通りの置局位置候補の場合、総シミュレーション回数は4+4=8回となり、比較例よりも総シミュレーション回数を大幅に削減することができ、計算量が軽減される。

【0077】
以上、実施形態で説明したように、本発明に係る無線通信システムの置局設計方法、置局設計装置および置局設計プログラムは、複数の気象条件における火山灰などの粒子の空間拡散予測値を求める粒子の空間拡散シミュレーションを行い、複数の地点ごとの粒子の空間拡散予測値の統計値を算出した後、各地点の統計値に基づく電波損失を考慮して複数の置局位置候補ごとに各地点の受信電力を算出する伝搬特性シミュレーションを行うので、様々な気象条件における空間拡散を考慮した無線通信システムの置局設計を少ない計算量で行うことができる。特に、複数の気象条件ごとに空間拡散シミュレーションを行う処理と、複数の置局位置候補ごとに伝搬特性シミュレーションを行う処理とを時系列に独立して行うので、空間拡散シミュレーションと伝搬特性シミュレーションとを二重に行う場合に比べて計算量を大幅に削減することができる。
【符号の説明】
【0078】
100・・・置局設計装置;101・・・気象条件保持部;102・・・粒子拡散情報保持部;103・・・粒子拡散情報推定部;104・・・伝搬特性推定部;105・・・伝搬特性推定結果保持部
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7