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明細書 :高解像度化装置、高解像度化方法、空間データ高解像度化方法、およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-191936 (P2019-191936A)
公開日 令和元年10月31日(2019.10.31)
発明の名称または考案の名称 高解像度化装置、高解像度化方法、空間データ高解像度化方法、およびプログラム
国際特許分類 G06F  17/17        (2006.01)
G06F  16/00        (2019.01)
FI G06F 17/17
G06F 17/30 220Z
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 31
出願番号 特願2018-084055 (P2018-084055)
出願日 平成30年4月25日(2018.4.25)
発明者または考案者 【氏名】田中 佑典
【氏名】岩田 具治
【氏名】倉島 健
【氏名】戸田 浩之
【氏名】田中 利幸
出願人 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001519、【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 5B056
Fターム 5B056BB52
5B056HH03
要約 【課題】異なる粒度を持つ補助的な空間データを用いて、空間データを精度よく高解像度化することができるようにする。
【解決手段】空間補間部150が、値の種類を示す複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間し、パラメータ推定部160が、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする当該粒度の当該補助的な空間データの各々とに基づいて、当該変換対象の空間データをターゲットとする当該粒度の当該変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
空間を分割するエリアの単位を示す粒度でのエリアごとに紐付く値からなる変換対象の空間データを、値の種類が異なる補助的な空間データを用いてターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データに変換するための回帰モデルを学習する高解像度化装置であって、
前記値の種類を示す複数のドメインの各々について、前記ドメインの前記補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いて前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データに補間する空間補間部と、
前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定するパラメータ推定部と、
を含む高解像度化装置。
【請求項2】
前記空間補間部は、前記複数のドメインの各々について、前記空間補間法としてガウス過程回帰を用いて、前記ターゲットとなる前記粒度の前記補助的な空間データとして、前記ターゲットとする前記粒度でのエリアごとに前記ドメインの値の平均及び分散を求め、
前記パラメータ推定部は、前記変換対象の空間データと、前記空間補間部により前記複数のドメインの各々について求められた、前記ターゲットとする前記粒度でのエリア毎に前記ドメインの値の平均及び分散とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定する
請求項1記載の高解像度化装置。
【請求項3】
前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々と、前記回帰モデルとに基づいて、前記ターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データを算出する高解像度データ算出部
を更に含む請求項1又は2記載の高解像度化装置。
【請求項4】
空間を分割するエリアの単位を示す粒度でのエリアごとに紐付く値からなる変換対象の空間データを、値の種類が異なる補助的な空間データを用いてターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データに変換するための回帰モデルを学習する高解像度化方法であって、
空間補間部が、前記値の種類を示す複数のドメインの各々について、前記ドメインの前記補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いて前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データに補間し、
パラメータ推定部が、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定する
高解像度化方法。
【請求項5】
前記空間補間部は、前記複数のドメインの各々について、前記空間補間法としてガウス過程回帰を用いて、前記ターゲットとなる前記粒度の前記補助的な空間データとして、前記ターゲットとする前記粒度でのエリアごとに前記ドメインの値の平均及び分散を求め、
前記パラメータ推定部は、前記変換対象の空間データと、前記空間補間部により前記複数のドメインの各々について求められた、前記ターゲットとする前記粒度でのエリア毎に前記ドメインの値の平均及び分散とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定する
請求項4記載の高解像度化方法。
【請求項6】
高解像度データ算出部が、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々と、前記回帰モデルとに基づいて、前記ターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データを算出する
請求項4又は5記載の高解像度化方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1~3の何れか1項記載の高解像度化装置の各部として機能させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高解像度化装置、高解像度化方法、およびプログラムに係り、特に、空間データを高解像度化するための高解像度化装置、高解像度化方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、政府や企業などの組織が、都市環境や事業の改善を目的として、様々な種類の空間データ(貧困度、大気汚染度、犯罪数、人口、交通量など)を収集し、公開している。空間データとは、エリア(緯度経度、住所、地域など)とそれに紐づく何らかの値とのペアで与えられるデータを指す。
【0003】
このような空間データは、収集コストが高く空間的に密なデータを収集することが難しいため、空間を分割する単位を広く取ったエリア、すなわち粒度のある程度粗いエリアにおいて、平均化されて提供されることが多い。
【0004】
しかし、より良い都市環境の改善のためには、高解像度の空間データが望ましい。例えば、貧困度が高いエリアや大気汚染度が高いエリアを詳細に絞りこむことで、粗い粒度の空間データよりも適切な政策の決定等の介入が可能となる。
【0005】
したがって、粗い粒度で収集された低解像度の空間データを、細かい粒度で表わされる高解像度の空間データに変換することが考えられる。
【0006】
例えば、ターゲットとする低解像度の空間データとは別に、他の種類の高解像度の空間データを用意し、それらを粒度の高解像度化のために補助的に用いて学習した回帰モデルを用いることによって、ターゲットとする空間データの細かい粒度における値を予測する技術が存在する(非特許文献1)。
【0007】
また、例えば、空間相関(位置が近い場合に、その位置に紐づくサンプル値も近い値をとるという性質)と前述の回帰モデルとの両方の効果を加味して、ターゲットとする空間データの細かい粒度における値を予測する技術が存在する(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【0008】

【非特許文献1】C. Smith-Clarke, A. Mashhadi and L. Capra, “Poverty on the Cheap: Estimating Poverty Maps Using Aggregated Mobile Communication Networks”, Proceedings of the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems, 2014, pp. 511-520.
【非特許文献2】N. W. Park, “Spatial Downscaling of TRMM Precipitation Using Geostatistics and Fine Scale Environmental Variables”, Advances in Meteorology, volume 2013, article ID 237126, 2013.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の従来技術(非特許文献1、2)は、ターゲットとする空間データが持つ空間相関を考慮しつつ、他の種類の解像度の高い空間データを補助的なデータとして用いて学習した回帰モデルに基づいて、ターゲットとする空間データの細かい粒度における値を予測することが可能である。
【0010】
ここで、従来技術では、“補助的な空間データの粒度(住所、地域などの集計単位)は互いに等しい”ことが仮定されている。
【0011】
しかし、この仮定は、より多くの種類の空間データを補助的に用いる場合には、必ずしも適切ではない。なぜなら、政府や企業などが収集する空間データは、各組織の方針に基づいて独自の粒度で集計されるからである。
【0012】
例えば、政府による国勢調査では、住所ごとの細かい粒度の人口密度データが得られるが、犯罪発生率データは警察の管轄エリア毎に得られる場合などが考えられる。
【0013】
このように、従来技術では、空間データ毎に粒度が異なる場合には適用困難である、という問題があった。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、異なる粒度を持つ補助的な空間データを用いて、空間データを精度よく高解像度化することができる高解像度化装置、高解像度化方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る高解像度化装置は、空間を分割するエリアの単位を示す粒度でのエリアごとに紐付く値からなる変換対象の空間データを、値の種類が異なる補助的な空間データを用いてターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データに変換するための回帰モデルを学習する高解像度化装置であって、前記値の種類を示す複数のドメインの各々について、前記ドメインの前記補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いて前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データに補間する空間補間部と、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定するパラメータ推定部と、を備えて構成される。
【0016】
また、本発明に係る高解像度化方法は、空間を分割するエリアの単位を示す粒度でのエリアごとに紐付く値からなる変換対象の空間データを、値の種類が異なる補助的な空間データを用いてターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データに変換するための回帰モデルを学習する高解像度化方法であって、空間補間部が、前記値の種類を示す複数のドメインの各々について、前記ドメインの前記補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いて前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データに補間し、パラメータ推定部が、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定する。
【0017】
本発明に係る高解像度化装置及び高解像度化方法によれば、空間補間部が、空間を分割するエリアの単位を示す粒度でのエリアごとに紐付く値の種類を示す複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間する。
【0018】
そして、パラメータ推定部が、当該変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についての当該ターゲットとする当該粒度の当該補助的な空間データの各々とに基づいて、当該粒度の当該変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定する。
【0019】
このように、値の種類を示す複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間し、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする当該粒度の当該補助的な空間データの各々とに基づいて、当該変換対象の空間データをターゲットとする当該粒度の当該変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定することにより、異なる粒度を持つ補助的な空間データを用いて、空間データを精度よく高解像度化することができる。
【0020】
また、本発明に係る高解像度化装置の前記空間補間部は、前記複数のドメインの各々について、前記空間補間法としてガウス過程回帰を用いて、前記ターゲットとなる前記粒度の前記補助的な空間データとして、前記ターゲットとする前記粒度でのエリアごとに前記ドメインの値の平均及び分散を求め、前記パラメータ推定部は、前記変換対象の空間データと、前記空間補間部により前記複数のドメインの各々について求められた、前記ターゲットとする前記粒度でのエリア毎に前記ドメインの値の平均及び分散とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定することができる。
【0021】
また、本発明に係る高解像度化方法の前記空間補間部は、前記複数のドメインの各々について、前記空間補間法としてガウス過程回帰を用いて、前記ターゲットとなる前記粒度の前記補助的な空間データとして、前記ターゲットとする前記粒度でのエリアごとに前記ドメインの値の平均及び分散を求め、前記パラメータ推定部は、前記変換対象の空間データと、前記空間補間部により前記複数のドメインの各々について求められた、前記ターゲットとする前記粒度でのエリア毎に前記ドメインの値の平均及び分散とに基づいて、前記回帰モデルのパラメータを推定することができる。
【0022】
また、本発明に係る高解像度化装置は、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々と、前記回帰モデルとに基づいて、前記ターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データを算出する高解像度データ算出部を備えることができる。
【0023】
また、本発明に係る高解像度化方法は、高解像度データ算出部が、前記変換対象の空間データと、前記複数のドメインの各々についての前記ターゲットとする前記粒度の前記補助的な空間データの各々と、前記回帰モデルとに基づいて、前記ターゲットとする前記粒度の前記変換対象の空間データを算出することができる。
【0024】
本発明に係るプログラムは、上記の高解像度化装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の高解像度化装置、高解像度化方法、およびプログラムによれば、異なる粒度を持つ補助的な空間データを用いて、空間データを精度よく高解像度化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における粒度の例(上図)及び出力例(下図)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の空間データ高解像度化処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の検索処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。

【0028】
<本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の概要>
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。

【0029】
本実施形態では、様々な粒度を持つ様々なドメイン(種類)の空間データを補助的に用いて、変換対象とする粗い粒度の空間データとの間の統計的な関係を回帰モデルにより学習する。

【0030】
具体的には、クリギング(参考文献1)やガウス過程回帰(参考文献2)等の空間補間法を、様々な粒度を持つ補助的な空間データに適用することにより、これらの補助的な空間データの粒度を均一にする。そして、それらを入力として、変換対象の空間データとの統計的な関係を回帰モデルにより学習する。
[参考文献1]T. Hengl, G. B. M. Heuvelink and A. Stein, “A Generic Framework for Spatial Prediction of Soil Variables based on Regression-Kriging”, Geoderma, volume 120, issues 11-2, 2004, pages 75-93.
[参考文献2]C. E. Rasmussen and C. K. I. Williams, Gaussian Processes for Machine Learning, MIT Press, 2006.

【0031】
このような構成により、粒度が互いに異なる補助的な空間データが与えられた場合においても、回帰モデルを学習可能である。

【0032】
例えば、住所ごとの人口密度データと、警察の管轄エリアごとの犯罪発生率データのように、集計化される単位が異なる場合においても、それらのデータを用いて回帰モデルを学習し、ターゲットとする粗い粒度の空間データの高解像度化に利用することができる。

【0033】
また、補助的な空間データに対して空間補間法を適用し、任意の点におけるサンプル値を予測することができるため、ターゲットとする粒度を任意に設定することができる。

【0034】
例えば、100m×100mのグリッドで区切られたエリア集合等をターゲットとする粒度として設定することも可能である。これにより政府や企業等が要求する粒度に基づくエリア集合に対して、高解像度なデータを算出することができる。

【0035】
本実施形態では、様々な粒度を持つ補助的な空間データに対してガウス過程回帰を用いた空間補間を行う場合について説明する。ガウス過程回帰を用いることで、任意の点における予測値と分散(予測値に対する信頼度)を計算し、この予測値に対する信頼度を加味することで、効果的に回帰モデルを学習する。

【0036】
回帰モデルの学習では、補助的に用いる空間データのそれぞれに対する重要度を学習する。ここで、重要度とは、補助的な空間データのそれぞれが、ターゲットとする高解像度な空間データをどの程度説明できるかの度合いを表す。この重要度はターゲットとする空間データとの相関のみによって決まるわけではなく、補助的に用いる空間データの粒度の粗さにも依存する。

【0037】
例えば、変換対象とする空間データA、補助的な空間データB、Cがあったとし、AとBと、及びAとCとの間の相関がそれぞれ全く同じだったとする。このとき、Bの空間粒度は細かく、Cの空間粒度は粗いとすると、高解像度な空間データをより説明できるのは細かい粒度の空間データBであると考えられる。

【0038】
このように、補助的に用いるそれぞれの空間データの重要度を、それらの持つ空間粒度の違いを加味しつつ回帰モデルの推定が可能であるというメリットがある。

【0039】
したがって、補助的に用いる空間データの粒度の違いを加味しつつ効果的に回帰モデルを学習でき、学習済みの回帰モデルを用いることにより変換対象とする粗い粒度の空間データを高解像度に変換することができる。

【0040】
<本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の構成>
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る高解像度化装置10の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る高解像度化装置10の構成を示すブロック図である。

【0041】
高解像度化装置10は、CPUと、RAMと、後述する高解像度化処理ルーチン及び検索処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備えたコンピュータで構成され、機能的には次に示すように構成されている。

【0042】
図1に示すように、本実施形態に係る高解像度化装置10は、補助的空間データ格納部100と、ターゲット粒度エリア中心格納部110と、変換対象空間データ格納部120と、粒度エリア対応表格納部130と、操作部140と、空間補間部150と、パラメータ推定部160と、高解像度データ算出部170と、高解像度データ格納部180と、入力部190と、検索部200と、出力部210とを備えて構成される。

【0043】
補助的空間データ格納部100、ターゲット粒度エリア中心格納部110、変換対象空間データ格納部120、粒度エリア対応表格納部130、及び高解像度データ格納部180は、Webサーバや、データベースを具備するデータベースサーバ等であり、要求にしたがって、データを読み出し、該当のデータを要求元に送信する。

【0044】
補助的空間データ格納部100は、変換対象の空間データの高解像度化のために補助的に利用され得る補助的な空間データを、値の種類を示すドメインごとに格納する。

【0045】
具体的には、入力空間全体を表す集合を
JP2019191936A_000003t.gif
とする。ここで、
JP2019191936A_000004t.gif
はユークリッド空間の部分集合であり、例えば対象とする都市全体を表現するものである。

【0046】
また、ドメインを表す集合を
JP2019191936A_000005t.gif
とし、ドメイン
JP2019191936A_000006t.gif
の空間データが紐づくエリア集合を
JP2019191936A_000007t.gif
とする。ここで、
JP2019191936A_000008t.gif

JP2019191936A_000009t.gif
の分割であり、
JP2019191936A_000010t.gif
の要素であるエリアの和集合は
JP2019191936A_000011t.gif
に一致する。

【0047】
また、エリア
JP2019191936A_000012t.gif
におけるドメインsの空間データの値を
JP2019191936A_000013t.gif
と表す。

【0048】
そして、ドメインsの空間データをまとめて
JP2019191936A_000014t.gif
次元ベクトル
JP2019191936A_000015t.gif
とする。ここで、
JP2019191936A_000016t.gif

JP2019191936A_000017t.gif
に含まれるエリアの数を表す。

【0049】
また、ドメインsのエリア
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における中心座標を
JP2019191936A_000019t.gif
とし、まとめて
JP2019191936A_000020t.gif
とする。

【0050】
すなわち、補助的空間データ格納部100は、
JP2019191936A_000021t.gif
を補助的な空間データとして格納している。

【0051】
ターゲット粒度エリア中心格納部110は、ターゲットとする粒度のエリア集合に対する各エリアjの中心座標の集合
JP2019191936A_000022t.gif
を、粒度ごとに格納する。

【0052】
ここで、粒度とは、空間を分割するエリアの単位である。例えば、図2上図に示すように、ターゲットとなり得る粒度であるターゲット粒度候補が、複数用意されており、ターゲット粒度候補Aとターゲット粒度候補Bとでは、ターゲット粒度候補Aの方が粗い粒度である。

【0053】
具体的には、ターゲットとする粒度のエリア集合を
JP2019191936A_000023t.gif
とする。細かいエリア
JP2019191936A_000024t.gif
における中心座標を
JP2019191936A_000025t.gif
とし、まとめて
JP2019191936A_000026t.gif
とする。

【0054】
ここで、
JP2019191936A_000027t.gif
は、
JP2019191936A_000028t.gif
に含まれるエリアの数を表す。

【0055】
変換対象空間データ格納部120は、変換対象とする粗い粒度の空間データ
JP2019191936A_000029t.gif
を格納する。

【0056】
ここでは、変換対象の空間データの粗い粒度のエリア集合を
JP2019191936A_000030t.gif
とする。また、粗いエリア
JP2019191936A_000031t.gif
におけるターゲットの空間データの値を
JP2019191936A_000032t.gif
と表し、まとめて
JP2019191936A_000033t.gif
次元ベクトル
JP2019191936A_000034t.gif
とする。

【0057】
ここで、
JP2019191936A_000035t.gif
は、
JP2019191936A_000036t.gif
に含まれるエリアの数を表す。

【0058】
粒度エリア対応表格納部130は、ターゲットとする粒度の各エリアが、粗い粒度のどのエリアに含まれるかを表す対応表
JP2019191936A_000037t.gif
を格納する。

【0059】
ここで、
JP2019191936A_000038t.gif
は、粗い粒度のエリアiに含まれるターゲットとする粒度のエリアjの集合を表す。

【0060】
操作部140は、補助的空間データ格納部100、ターゲット粒度エリア中心格納部110、変換対象空間データ格納部120、及び粒度エリア対応表格納部130が格納するデータに対するユーザからの各種操作を受け付ける。

【0061】
各種操作とは、例えば、格納された情報を登録、修正、削除する操作等である。操作部140の入力手段は、キーボードやマウス、メニュー画面、タッチパネルによるもの等、なんでもよい。また、操作部140は、マウス等の入力手段のデバイスドライバや、メニュー画面の制御ソフトウェアで実現される。

【0062】
空間補間部150は、複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間する。

【0063】
本実施形態では、複数のドメインの各々について、空間補間法としてガウス過程回帰を用いて、ターゲットとなる粒度の補助的な空間データとして、ターゲットとする粒度でのエリアごとに当該ドメインの値の平均及び分散を求める場合について説明する。

【0064】
具体的には、空間補間部150は、以下に説明するように、補助的空間データ格納部100に格納されたドメインsの補助的な空間データ
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を、様々な粒度を持つ空間データに補間するためのドメインsにおける空間データに関するハイパーパラメータを求めた後、粒度毎に、各ドメインsにおける連続表現(予測分布)として、ターゲット粒度エリア中心格納部110に格納された各エリア中心での平均(予測値)及び分散を推定する。

【0065】
まず、
JP2019191936A_000040t.gif
をある座標とし、
JP2019191936A_000041t.gif
をドメインsにおける補助的な空間データに対する潜在的な関数とする。
JP2019191936A_000042t.gif
はガウス過程に従うと仮定し、平均は0、相関関数は下記式(1)とする。

【0066】
【数1】
JP2019191936A_000043t.gif

【0067】
ここで、
JP2019191936A_000044t.gif
はある点
JP2019191936A_000045t.gif
の周りへの点への相関の範囲を決めるスケールパラメータであり、
JP2019191936A_000046t.gif
は相関の大きさ(magnitude)を決める分散パラメータである。式(1)はsquared-exponential kernelと呼ばれ、空間座標におけるあるデータの類似度を測るためにも最もよく用いられる相関関数の一つである。

【0068】
ドメインsのエリア集合における各エリアの中心座標
JP2019191936A_000047t.gif
を表す訓練データが与えられたとしたとき、
JP2019191936A_000048t.gif
の結合分布は多次元ガウス分布で表すことができ、下記式(2)と書ける。

【0069】
【数2】
JP2019191936A_000049t.gif

【0070】
ここで、
JP2019191936A_000050t.gif

JP2019191936A_000051t.gif
行列であり、各要素は
JP2019191936A_000052t.gif
である。

【0071】
次に、ドメインsの空間データ
JP2019191936A_000053t.gif
は、ガウスノイズが加えられて得られるものと仮定する。このとき、ドメインsの空間データ
JP2019191936A_000054t.gif
は、条件付き確率である下記式(3)に従う。

【0072】
【数3】
JP2019191936A_000055t.gif

【0073】
ここで、
JP2019191936A_000056t.gif
は、単位行列であり、
JP2019191936A_000057t.gif
はノイズに対する分散パラメータである。

【0074】
ここで、上記式(2)及び式(3)の共役性により、
JP2019191936A_000058t.gif
を解析的に積分消去することができる。このため、ドメインsの空間データ
JP2019191936A_000059t.gif
の周辺尤度が、下記式(4)により定義される。

【0075】
【数4】
JP2019191936A_000060t.gif

【0076】
そして、空間補間部150は、式(4)について、周辺尤度最大化に基づいて、ハイパーパラメータである
JP2019191936A_000061t.gif
を推定する。式(4)の両辺の対数をとった周辺化対数尤度関数は、下記式(5)で表すことができる。

【0077】
【数5】
JP2019191936A_000062t.gif

【0078】
すなわち、空間補間部150は、式(5)を最大にするようなハイパーパラメータ
JP2019191936A_000063t.gif
を求める。ここで、最適化手法は何を用いてもよいが、例えば、BFGS法(参考文献3)を用いることができる。
[参考文献3]D.C. Liu and J. Nocedal, “On the Limited Memory BFGS Method for Large Scale Optimization”, Mathematical Programming, vol. 45, 1989, pp. 503-528.

【0079】
次に、空間補間部150は、推定したハイパーパラメータ
JP2019191936A_000064t.gif
を用いて、粒度毎に、ターゲット粒度エリア中心格納部110に格納された各エリアjの中心座標
JP2019191936A_000065t.gif
での予測分布を計算する。
JP2019191936A_000066t.gif
を、あるターゲット粒度のテストデータとしたとき、各テストサンプル
JP2019191936A_000067t.gif
における予測値
JP2019191936A_000068t.gif
の結合予測分布は、下記式(6)となる。

【0080】
【数6】
JP2019191936A_000069t.gif

【0081】
ここで、
JP2019191936A_000070t.gif
は、平均(予測平均)であり、下記式(7)により計算することができ、
JP2019191936A_000071t.gif
は分散(相関行列)であり、下記式(8)により計算することができる。

【0082】
【数7】
JP2019191936A_000072t.gif

【0083】
【数8】
JP2019191936A_000073t.gif

【0084】
ここで、
JP2019191936A_000074t.gif
は、
JP2019191936A_000075t.gif
行列であり、
JP2019191936A_000076t.gif
の各要素は、訓練データ
JP2019191936A_000077t.gif
の各訓練サンプル
JP2019191936A_000078t.gif
と、テストデータ
JP2019191936A_000079t.gif
の各テストサンプル
JP2019191936A_000080t.gif
との相関関数(式(1))の値である。ただし、推定したハイパーパラメータ
JP2019191936A_000081t.gif
を用いる。

【0085】
また、
JP2019191936A_000082t.gif
は、
JP2019191936A_000083t.gif
行列であり、
JP2019191936A_000084t.gif
の各要素は、テストデータ
JP2019191936A_000085t.gif
の各テストサンプル
JP2019191936A_000086t.gif
間の相関関数(式(1))の値である。ただし、推定したハイパーパラメータ
JP2019191936A_000087t.gif
を用いる。

【0086】
このように、空間補間部150は、上記の処理を全てのドメインsについて、ハイパーパラメータ
JP2019191936A_000088t.gif
を推定し、ターゲットとする粒度毎に、平均
JP2019191936A_000089t.gif
及び分散
JP2019191936A_000090t.gif
を求めることにより、ドメインsの補助的な空間データを、ターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間する。

【0087】
そして、空間補間部150は、求めた全てのドメインsにおける平均
JP2019191936A_000091t.gif
及び分散
JP2019191936A_000092t.gif
を、パラメータ推定部160及び高解像度データ算出部170に渡す。

【0088】
パラメータ推定部160は、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする粒度でのエリア毎にドメインの値の平均及び分散とに基づいて、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定する。

【0089】
具体的には、パラメータ推定部160は、まず、
JP2019191936A_000093t.gif
を変換対象とする空間データに対する潜在的な関数とし、
JP2019191936A_000094t.gif
はガウス過程に従うものとし、平均関数を下記式(9)とする。

【0090】
【数9】
JP2019191936A_000095t.gif

【0091】
ここで、
JP2019191936A_000096t.gif
はドメインsの空間データに対する重みパラメータであり、
JP2019191936A_000097t.gif
はバイアスパラメータである。また、相関関数は上記式(1)と同様のものを用いる。ただし、相関関数のハイパーパラメータを
JP2019191936A_000098t.gif
とする。

【0092】
次に、パラメータ推定部160は、ターゲットとする粒度におけるエリア集合の各エリアjの中心座標
JP2019191936A_000099t.gif
に対する変換対象の空間データのサンプル値を
JP2019191936A_000100t.gif
とする。

【0093】
ここで、
JP2019191936A_000101t.gif
は、変換対象の空間データを、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データに変換した空間データであり、以下高解像度データ
JP2019191936A_000102t.gif
と呼ぶ。

【0094】
各ドメインsにおける補助的な空間データの予測値が与えられたとしたとき、
JP2019191936A_000103t.gif
の条件付き確率は、下記式(10)と書ける。

【0095】
【数10】
JP2019191936A_000104t.gif

【0096】
ここで、
JP2019191936A_000105t.gif
であり、
JP2019191936A_000106t.gif

JP2019191936A_000107t.gif
の相関行列である。また、
JP2019191936A_000108t.gif
を数値1を並べた列ベクトルであるとして、
JP2019191936A_000109t.gif
とした。

【0097】
変換対象の空間データ
JP2019191936A_000110t.gif
は、
JP2019191936A_000111t.gif
を構成する高解像度データ
JP2019191936A_000112t.gif
を平均化して表されると仮定すると、
JP2019191936A_000113t.gif
は下記式(11)の条件付き分布から生成されるとみなすことができる。

【0098】
【数11】
JP2019191936A_000114t.gif

【0099】
ここで、
JP2019191936A_000115t.gif
はノイズに対する分散パラメータであり、
JP2019191936A_000116t.gif

JP2019191936A_000117t.gif
の平均化行列である。

【0100】
また、パラメータ推定部160は、粒度エリア対応表格納部130に格納されている
JP2019191936A_000118t.gif
を用いて、
JP2019191936A_000119t.gif
の要素
JP2019191936A_000120t.gif
は、
JP2019191936A_000121t.gif
を満たす場合は
JP2019191936A_000122t.gif
であり、満たさない場合は0とする。

【0101】
次に、パラメータ推定部160は、モデルパラメータである重みパラメータ
JP2019191936A_000123t.gif
及び空間相関を制御するパラメータ
JP2019191936A_000124t.gif
を推定する。

【0102】
具体的には、変換対象空間データ格納部120に格納されている変換対象の空間データ
JP2019191936A_000125t.gif
の周辺化尤度は下記式(12)で表すことができる。

【0103】
【数12】
JP2019191936A_000126t.gif

【0104】
ここで、
JP2019191936A_000127t.gif
とした。また、
JP2019191936A_000128t.gif

JP2019191936A_000129t.gif
の共分散行列であり、各要素
JP2019191936A_000130t.gif
は下記式(13)で表すことができる。

【0105】
【数13】
JP2019191936A_000131t.gif

【0106】
ここで、
JP2019191936A_000132t.gif
はクロネッカーのデルタ関数であり、A=Bのとき1の値を、それ以外のとき0の値をとる関数である。また、上記式(13)の2行目における第2項は、
JP2019191936A_000133t.gif
の回帰残差に対する分散を表す。ここに、
JP2019191936A_000134t.gif
が加えられていることに注目する。各ドメインsにおける補助的な空間データを用いて、空間補間部150により求められた平均
JP2019191936A_000135t.gif
に対する分散
JP2019191936A_000136t.gif

JP2019191936A_000137t.gif
の回帰残差に対する分散に影響する。これにより、補助的な空間データを用いて推定した予測の信頼度、すなわち、空間補間の信頼度を加味しつつ、重みパラメータ
JP2019191936A_000138t.gif
を推定することができる。

【0107】
そして、パラメータ推定部160は、上記式(12)を最大化するように、重みパラメータ
JP2019191936A_000139t.gif
及び空間相関を制御するパラメータ
JP2019191936A_000140t.gif
を推定する。

【0108】
ここで、式(12)の両辺に対数をとった周辺化対数尤度関数は、下記式(14)と書くことができる。

【0109】
【数14】
JP2019191936A_000141t.gif

【0110】
そこで、パラメータ推定部160は、上記式(14)を最大にするような、重みパラメータ
JP2019191936A_000142t.gif
及び空間相関を制御するパラメータ
JP2019191936A_000143t.gif
を推定する。最適化手法は何を用いてもよいが、例えば、BFGS法(参考文献3)を用いることができる。

【0111】
そして、パラメータ推定部160は、推定した重みパラメータ
JP2019191936A_000144t.gif
及び空間相関を制御するパラメータ
JP2019191936A_000145t.gif
を、高解像度データ算出部170に渡す。

【0112】
高解像度データ算出部170は、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする粒度の補助的な空間データの各々と、回帰モデルとに基づいて、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データを算出する。

【0113】
具体的には、高解像度データ算出部170は、変換対象空間データ格納部120に格納された変換対象とする空間データ
JP2019191936A_000146t.gif
、空間補間部150により求められた各ドメインにおける補助的な空間データの平均
JP2019191936A_000147t.gif
及び分散
JP2019191936A_000148t.gif
、及びターゲット粒度エリア中心格納部110に格納されたターゲットとする粒度のエリア集合に対する各エリアjの中心座標の集合
JP2019191936A_000149t.gif
と、粒度エリア対応表格納部130に格納された対応表
JP2019191936A_000150t.gif
と、パラメータ推定部160で推定された重みパラメータ
JP2019191936A_000151t.gif
及び空間相関を制御するパラメータ
JP2019191936A_000152t.gif
とを用いて、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データである高解像度データ
JP2019191936A_000153t.gif
の予測分布
JP2019191936A_000154t.gif
を求めることにより、高解像度データ
JP2019191936A_000155t.gif
を算出する。

【0114】
予測分布
JP2019191936A_000156t.gif
は、下記式(15)である。

【0115】
【数15】
JP2019191936A_000157t.gif

【0116】
ここで、
JP2019191936A_000158t.gif
は平均であり、下記式(16)で表すことができる。

【0117】
【数16】
JP2019191936A_000159t.gif

【0118】
また、
JP2019191936A_000160t.gif
は相関行列であり、下記式(17)で表すことができる。

【0119】
【数17】
JP2019191936A_000161t.gif

【0120】
そして、高解像度データ算出部170は、算出したターゲットとする粒度の変換対象の空間データである高解像度データ
JP2019191936A_000162t.gif
の平均
JP2019191936A_000163t.gif
及び相関行列
JP2019191936A_000164t.gif
を、高解像度データ格納部180に格納する。

【0121】
高解像度データ格納部180は、高解像度データ算出部170により算出されたターゲットとする粒度の変換対象の空間データである高解像度データ
JP2019191936A_000165t.gif
の平均
JP2019191936A_000166t.gif
及び相関行列
JP2019191936A_000167t.gif
を、格納する。

【0122】
そして、高解像度化装置10は、空間補間部150、パラメータ推定部160、及び高解像度データ算出部170の処理を、ターゲット粒度候補の全てについて行う。

【0123】
入力部190は、ターゲット粒度候補のIDであるターゲット粒度IDの入力を受け付ける。

【0124】
そして、入力部190は、受け付けたターゲット粒度IDを、検索部200に渡す。

【0125】
なお、入力部190にターゲット粒度IDを入力する手段は、キーボードやマウス、メニュー画面、タッチパネルによるもの等、なんでもよい。また、入力部190は、マウス等の入力手段のデバイスドライバや、メニュー画面の制御ソフトウェアで実現され得る。

【0126】
検索部200は、入力部190により受け付けたターゲット粒度IDにより指定された粒度のエリア集合に対して、変換対象の空間データを高解像度化した高解像度データ
JP2019191936A_000168t.gif
を検索する。

【0127】
具体的には、図2上図に示すように、入力部190が受け付けたターゲット粒度IDと同一のIDであるターゲット粒度候補の変換対象の空間データである高解像度データ
JP2019191936A_000169t.gif
の平均
JP2019191936A_000170t.gif
を、高解像度データ格納部180から検索する。

【0128】
そして、検索部200は、検索結果である
JP2019191936A_000171t.gif
を出力部210に渡す。

【0129】
出力部210は、検索部200から取得した
JP2019191936A_000172t.gif
を高解像度データとして出力する。

【0130】
例えば、図2下図に示すように、粗い粒度の変換対象の空間データを、ターゲット粒度候補Aの持つ粒度に高解像度データを出力する。

【0131】
また、上記ではディスプレイへの表示を例にしたが、出力部210は、プリンタへの印字、音出力、外部装置への送信等の出力をする構成としてもよい。また、出力部210は、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを含む構成としてもよい。また、出力部210は、出力デバイスのドライバソフトまたは、出力デバイスのドライバソフトと出力デバイス等で実現され得る。

【0132】
<本発明の実施の形態に係る高解像度化装置の作用>
図3は、本発明の実施の形態に係る高解像度化処理ルーチンを示すフローチャートである。

【0133】
高解像度化装置10において、高解像度化処理を行う命令が実行されると、図3に示す高解像度化処理ルーチンが実行される。

【0134】
まず、ステップS100において、空間補間部150は、複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを様々な粒度の当該補助的な空間データに補間するためのハイパーパラメータを推定する。
ステップS110において、高解像度化装置10が、1番目のターゲット粒度IDを選択する。

【0135】
ステップS120において、空間補間部150は、複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データについて上記ステップS100で推定されたハイパーパラメータを用いて、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間する。

【0136】
ステップS130において、パラメータ推定部160は、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする粒度でのエリア毎にドメインの値の平均及び分散とに基づいて、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定する。

【0137】
ステップS140において、高解像度データ算出部170は、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする粒度の補助的な空間データの各々と、回帰モデルとに基づいて、ターゲットとする粒度の変換対象の空間データを算出する。

【0138】
ステップS150において、高解像度データ格納部180は、上記ステップS140により算出されたターゲットとする粒度の変換対象の空間データである高解像度データの平均及び相関行列を、格納する。

【0139】
ステップS160において、高解像度化装置10は、全てのターゲット粒度IDについて、処理を行ったか否かを判定する。

【0140】
全てのターゲット粒度IDについて処理を行っていない場合(ステップS160のNO)、ステップS170において、高解像度化装置10は、次のターゲット粒度IDを選択し、上記ステップS120~S160の処理を繰り返す。

【0141】
一方、全てのターゲット粒度IDについて処理を行っている場合(ステップS160のYES)、処理を終了する。

【0142】
また、図4は、本発明の実施の形態に係る検索処理ルーチンを示すフローチャートである。

【0143】
ステップS200において、ターゲットとする粒度のIDであるターゲット粒度IDの入力を受け付ける。

【0144】
ステップS210において、検索部200は、上記ステップS200により受け付けたターゲット粒度IDにより指定された粒度のエリア集合に対して、変換対象の空間データを高解像度化した高解像度データを検索する。

【0145】
ステップS220において、出力部210は、検索部200から取得した高解像度データを出力する。

【0146】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る高解像度化装置によれば、値の種類を示す複数のドメインの各々について、当該ドメインの補助的な空間データを、任意の空間補間法を用いてターゲットとする粒度の当該補助的な空間データに補間し、変換対象の空間データと、複数のドメインの各々についてのターゲットとする当該粒度の当該補助的な空間データの各々とに基づいて、当該変換対象の空間データをターゲットとする当該粒度の当該変換対象の空間データに変換するための回帰モデルのパラメータを推定するため、異なる粒度を持つ補助的な空間データを用いて、空間データを精度よく高解像度化することができる。

【0147】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。

【0148】
例えば、上記実施形態では、予め全ての粒度について高解像度データ
JP2019191936A_000173t.gif
の平均
JP2019191936A_000174t.gif
及び相関行列
JP2019191936A_000175t.gif
を、高解像度データ格納部180に格納しておく構成としたが、ターゲット粒度IDが入力される度に学習済みモデルで高解像度化して出力する構成としてもよい。

【0149】
また、入力部190が、変換対象となる空間データ
JP2019191936A_000176t.gif
及びターゲット粒度IDを受け付け、これを変換対象空間データ格納部120に格納し、入力されたターゲット粒度IDの粒度をターゲットとする粒度として、変換対象となる空間データを高解像度化し、これを出力する構成としてもよい。

【0150】
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0151】
10 高解像度化装置
100 補助的空間データ格納部
110 ターゲット粒度エリア中心格納部
120 変換対象空間データ格納部
130 粒度エリア対応表格納部
140 操作部
150 空間補間部
160 パラメータ推定部
170 高解像度データ算出部
180 高解像度データ格納部
190 入力部
200 検索部
210 出力部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3