Top > Search of Japanese Patents > CONTAINER FOR HIGH-THROUGHPUT TEST USING PLANT BODY > Specification

Specification :(In Japanese)植物体を用いてハイスループット試験を行うための容器

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)公開特許公報(A)
Publication number P2020-000057A
Date of publication of application Jan 9, 2020
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)植物体を用いてハイスループット試験を行うための容器
IPC (International Patent Classification) C12M   1/20        (2006.01)
G01N  37/00        (2006.01)
A01H   5/00        (2018.01)
FI (File Index) C12M 1/20
G01N 37/00 103
A01H 5/00 A
Number of claims or invention 12
Filing form OL
Total pages 8
Application Number P2018-121203
Date of filing Jun 26, 2018
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】藤原 崇志
【氏名】青山 卓史
【氏名】矢崎 一史
Applicant (In Japanese)【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
Representative (In Japanese)【識別番号】100101454、【弁理士】、【氏名又は名称】山田 卓二
【識別番号】100122301、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 憲史
【識別番号】100170520、【弁理士】、【氏名又は名称】笹倉 真奈美
【識別番号】100157956、【弁理士】、【氏名又は名称】稲井 史生
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 2B030
4B029
F-term 2B030AB04
2B030AD20
2B030CA14
2B030CB02
4B029AA03
4B029BB12
4B029CC07
4B029GA03
Abstract (In Japanese)【課題】植物体を用いた精度の高い試験を行うための容器を提供する。
【解決手段】複数の穴を有し、該複数の穴の1つ以上の穴は傾斜した寒天培地を有する容器。
【選択図】図1
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
植物体を用いた試験を行うための容器であって、該容器は複数の穴を有し、該複数の穴の1つ以上の穴は傾斜した寒天培地を有する、容器。
【請求項2】
植物体が、幼植物体である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
傾斜が、容器の水平方向から約30度~約60度の傾斜である、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
傾斜した寒天培地を有する1つ以上の穴が、水溶液をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
水溶液が、栄養成分および/または薬剤を含む、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
容器が、透明である、請求項1から5のいずれかに記載の容器。
【請求項7】
穴の底が、平底である、請求項1から6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
試験が、顕微鏡を用いる試験である、請求項1から7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
植物体が、蛍光マーカー遺伝子を導入された植物体である、請求項1から8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の容器の製造方法であって、
(a)複数の穴を有する容器を提供すること、
(b)該複数の穴の1つ以上の穴に寒天培地を充填すること、および
(c)容器を傾斜させること
を含む、製造方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載の容器の製造方法であって、
(a)複数の穴を有する容器を提供すること、
(b)容器を傾斜させること、および
(c)該複数の穴の1つ以上の穴に寒天培地を充填すること
を含む、製造方法。
【請求項12】
植物体を用いた試験方法であって、
(a)請求項1から9のいずれかに記載の容器に植物体を播種すること、
(b)植物体を生育させること、および
(c)生育させた植物体を調べること
を含む、方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、植物体を用いてケミカルスクリーニング等の試験を行うための容器、該容器の製造方法、ならびに該容器に播種した植物体を用いた試験方法に関する。好ましくは、該試験はハイスループット試験である。
【背景技術】
【0002】
一般的に、植物変異体のスクリーニングや植物体を用いたケミカルスクリーニングなどを含む試験は、特に顕微鏡下で行う場合、マイクロタイタープレートの各ウェル中で植物体を生育させた後に行われる(非特許文献1等参照)。これまでは、植物体の生育には、マイクロタイタープレートの各ウェルに水耕液を入れ、各ウェルで植物体を生育させるという方法が主に用いられてきた。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】Albert P et al. (2006) A high-throughput evaluation system for Arabidopsis mutants for defense signaling. Plant Biotechnol 23: 459-466
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法は、生育させた植物体の子葉等の地上部器官が水耕液に水没してストレスを受ける。さらに、各植物個体で水没の度合いが変化するために、植物体を用いた試験の精度は大きく損なわれている。そのため、地上部器官の水没を抑制する方法が必要とされている。
【0005】
また、生育させた植物体を用いた顕微鏡観察を介した試験(特にケミカルライブラリーなどのスクリーニング)は植物体の生育状態を揃えることが重要であるが、従来の方法は植物体の生育状態を揃えることが困難であった。そのため、植物体の生育状態を揃える方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、植物体を用いた試験を行うための容器であって、該容器は複数の穴を有し、該複数の穴の1つ以上の穴は傾斜した寒天培地を有する容器を用いることによって上記課題を解決した。
【0007】
すなわち、本発明は以下を提供する:
[1]植物体を用いた試験を行うための容器であって、該容器は複数の穴を有し、該複数の穴の1つ以上の穴は傾斜した寒天培地を有する、容器。
[2]植物体が、幼植物体である、[1]に記載の容器。
[3]傾斜が、容器の水平方向から約30度~約60度の傾斜である、[1]または[2]に記載の容器。
[4]傾斜した寒天培地を有する1つ以上の穴が、水溶液をさらに有する、[1]から[3]のいずれかに記載の容器。
[5]水溶液が、栄養成分および/または薬剤を含む、[4]に記載の容器。
[6]容器が、透明である、[1]から[5]のいずれかに記載の容器。
[7]穴の底が、平底である、[1]から[6]のいずれかに記載の容器。
[8]試験が、顕微鏡を用いる試験である、[1]から[7]のいずれかに記載の容器。
[9]植物体が、蛍光マーカー遺伝子を導入された植物体である、[1]から[8]のいずれかに記載の容器。
[10][1]から[9]のいずれかに記載の容器の製造方法であって、
(a)複数の穴を有する容器を提供すること、
(b)該複数の穴の1つ以上の穴に寒天培地を充填すること、および
(c)容器を傾斜させること
を含む、製造方法。
[11][1]から[9]のいずれかに記載の容器の製造方法であって、
(a)複数の穴を有する容器を提供すること、
(b)容器を傾斜させること、および
(c)該複数の穴の1つ以上の穴に寒天培地を充填すること
を含む、製造方法。
[12]植物体を用いた試験方法であって、
(a)[1]から[9]のいずれかに記載の容器に植物体を播種すること、
(b)植物体を生育させること、および
(c)生育させた植物体を調べること
を含む、方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の容器は、従来の穴に水耕液を有する容器と比べて、生育させた植物体の子葉等の地上部器官の水没を抑制することができる。また、本発明の容器は、従来の穴に水耕液を有する容器と比べて、植物体の生育状態を揃えることができる。
【0009】
したがって、本発明の容器を用いることにより、健康かつ生育状態が揃った幼植物体を用いて試験を行うことができるので、例えばケミカルスクリーニングの精度が上がるとともに、顕微鏡観察における被写体撮影も効率的になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、穴に傾斜した寒天培地を有する96穴マイクロタイタープレートの写真である。
【図2】図2は、マイクロタイタープレートで生育させた幼植物体の顕微鏡観察を介したスクリーニングの模式図である。
【図3】図3は、従来の容器または本発明の容器で生育させたウェル中の幼植物体の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、1の態様において、植物体を用いた試験を行うための容器であって、該容器は複数の穴を有し、該複数の穴の1つ以上の穴は傾斜した寒天培地を有する、容器を提供する。

【0012】
本明細書の用語「容器」とは、複数(2以上)の穴を有する容器であればよい。容器の形状および素材は、あらゆる形状および素材であってよい。好ましくは、容器は、例えば顕微鏡を介したスクリーニングのために、透明である。透明素材としては、ガラス、ポリスチレン等があるが、これらに限定されない。好ましくは、容器は、マイクロタイタープレート、特に96穴マイクロタイタープレートである。透明なマイクロタイタープレートは当業者に知られており、市販されている。容器は、例えば寒天培地を汚染および/または乾燥から防止するために、ふたを有してもよい。

【0013】
本明細書の用語「穴」とは、あらゆる形状であってよく、円形または四角形などが例示されるが、これらに限定されない。穴の底は、例えば平底、U型底またはV型底であり得る。穴の数は、2個以上、例えば6、24、96または384個である。穴の底の形状も特に限定されないが、根を観察する場合は平底であることが好ましい。

【0014】
本発明の容器の穴は複数個であり、そのうちの1つ以上の穴が傾斜した寒天培地を有する。1の具体例において、本発明の容器の全ての穴が傾斜した寒天培地を有する。寒天培地は、植物の発芽、生長に使用されるものであればいずれのものであってもよい。寒天培地は、植物の種類、試験の目的などに応じて、当業者が適宜選択することができる。穴の中の寒天培地の量も、植物の種類、試験の目的などに応じて、当業者が適宜決定することができる。

【0015】
本明細書の用語「傾斜」とは、例えば、容器の水平方向から約10度~約80度、約20度~約70度、約30度~約60度または約40度~約50度、または、約10度、約20度、約30度、約40度、約50度、約60度、約70度または約80度の傾きを指す。傾斜は、直線状であっても、曲線状であってもよい。

【0016】
本明細書の用語「試験」とは、植物体を用いたあらゆる試験であってよく、例えば植物変異体のスクリーニングや植物体を用いたケミカルスクリーニングであるが、これらに限定されない。ケミカルスクリーニングの場合、試験すべき薬剤を培地に添加してもよく、水溶液に添加してもよい。試験は、例えば顕微鏡を用いるスクリーニングであってもよく、肉眼を用いるスクリーニングであってもよく、あるいは他の公知手段を用いるスクリーニングであってもよい。顕微鏡は、例えば蛍光顕微鏡または倒立顕微鏡であるが、これらに限定されない。

【0017】
本明細書の用語「植物体」は、あらゆる種類の植物体であってよいが、カルスは除外される。好ましくは、植物体は幼植物体である。植物種は特に限定されずあらゆる種類であってよい。植物種は例えばシロイヌナズナである。本発明の容器の寒天培地上に植物体の種子を播くことにより幼植物体を形成させてもよい。あるいは発芽した幼植物体を寒天培地上に移植してもよい。植物体は、例えば顕微鏡観察を介したスクリーニングの目的のために、蛍光マーカー遺伝子のような遺伝子を導入された植物体であってもよい。

【0018】
別の態様において、傾斜した寒天培地を有する1つ以上の穴が、水溶液をさらに有していてもよい。好ましくは、水溶液は、寒天培地の一部を覆い、寒天培地の全てを覆わない。水溶液が、寒天培地を部分的に覆い、寒天培地を完全に覆わないことによって、生育させる植物体の地上部器官(例えば、茎、葉、花)が水溶液へ水没することを抑制することができる。水没することを抑制し、水没ストレスを与えないことによって、健康な植物体を生育させることができる。また、根のみを水溶液に接触させることによって、生育させる植物体に効率よく水溶液中の成分を摂取させることができる。

【0019】
本明細書の用語「水溶液」とは、水であるか、または、あらゆる濃度のあらゆる成分、例えば栄養成分および/または薬剤を含んでいてもよい。栄養成分は、植物体の生育のために用いられるあらゆる成分、例えば液体培地、窒素化合物、リン化合物およびカリウム化合物であり得るが、これらに限定されない。薬剤は、あらゆる薬剤、例えばスクリーニングの目的のために使用される薬剤、例えば阻害剤、成長促進剤または蛍光成分であり得るが、これらに限定されない。

【0020】
別の態様において、本発明の容器は、穴が平型底である。穴が平型底であることによって、生育させた植物体の根が傾斜寒天培地を下った後に底面を水平に成長させることができる。倒立顕微鏡を用いた下方からの根の観察において、根に対する焦点距離が一定になり、容易かつ高解像度の観察が行える。また、根の被写体撮影も効率よく行うことができる。

【0021】
別の態様において、本発明の容器は、生育させる植物体として蛍光マーカー遺伝子を導入した植物体を用いて、蛍光顕微鏡観察のために利用することができる。

【0022】
別の態様において、本発明の容器は、マイクロタイタープレートを用いて、完全な自動化または高精度ハイスループット化による実験、観察および/または試験のために使用することができる。また、温度および湿度等を含む環境条件をプレート毎に調整することができる。

【0023】
本発明は、もう1つの態様において、上記容器の製造方法を提供する。該方法は、
(a)複数の穴を有する容器を提供すること、
(b)該複数の穴の1つ以上の穴に寒天培地を充填すること、および
(c)容器を傾斜させること
を含む。上記方法において、工程(b)、(c)の順序を逆にしてもよい。

【0024】
本発明は、さらにもう1つの態様において、植物体を用いた試験方法であって、
(a)請求項1から9のいずれかに記載の容器に植物体を播種すること、
(b)植物体を生育させること、および
(c)生育させた植物体を調べること
を含む、方法を提供する。

【0025】
植物体の生育は、当業者に公知の手段または方法を用いて行うことができる。生育させた植物体を、例えば植物体の活度、物理的強度、高さ、葉の数、葉の色、枝の数、根の長さや数などによって調べることができる。

【0026】
好ましくは、上記方法は、ハイスループット試験のための方法である。

【0027】
上で説明した以外の本明細書の用語は、植物に関連する分野の当業者が通常に理解している意味に解される。

【0028】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的かつ詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されると解すべきではない。
【実施例1】
【0029】
市販の植物培養用培地塩類(商品名:ムラシゲ・スクーグ培地用混合塩類、製造業者名:日本製薬株式会社)115μg、ショ糖(製造業者名:ナカライテスク株式会社)500μg、およびMES(2-Morpholinoethanesulfonic acid monohydrate)(製造業者名:同仁化学研究所株式会社)26.7μgを50μlの水に溶解させ、市販の寒天末(商品名:BA-10、製造業者名:伊那食品工業株式会社)700μgを加え、121℃に加熱した。市販のマイクロタイタープレート(商品名:組織培養用マイクロプレート、製造業者名:AGCテクノグラス株式会社)の穴に、加熱された寒天培地材料を充填した。マイクロタイタープレートを70度に傾け、5分間放置して傾斜した寒天培地を穴の中に形成させた。
【実施例2】
【0030】
市販の植物培養用培地塩類115μg、ショ糖500μg、およびMES26.7μgを50μlの水に溶解させ、市販の寒天末700μgを加え、121℃に加熱した。市販のマイクロタイタープレートを70度に傾けた。マイクロタイタープレートの穴に、加熱された寒天培地材料を充填し、5分間放置して傾斜した寒天培地を穴の中に形成させた。
【実施例3】
【0031】
得られた傾斜した寒天培地を有するマイクロタイタープレート(図1)の寒天培地上に、シロイヌナズナの種子を播種し、生育させ、幼植物体を得た。播種した6日後に、マイクロタイタープレートの穴に水耕液65μlを加えた。
【実施例3】
【0032】
得られた幼植物体の子葉等の地上部器官は、水耕液に水没せず、地上部器官の水没を抑制することができた。また、得られた幼植物体の根は、傾斜寒天培地を下った後、ウェルの底面を水平に這っていた。
【実施例4】
【0033】
実施例3で得られた幼植物体の根を、倒立顕微鏡を用いて下方から観察した。焦点距離が一定になり、容易かつ高解像度の観察が行えた。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2