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明細書 :物品搬出入システム及び物品搬出入方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-040809 (P2020-040809A)
公開日 令和2年3月19日(2020.3.19)
発明の名称または考案の名称 物品搬出入システム及び物品搬出入方法
国際特許分類 B65G   1/00        (2006.01)
G21F   7/005       (2006.01)
G21F   9/36        (2006.01)
G21F   5/005       (2006.01)
G21F   5/06        (2006.01)
G21F   7/015       (2006.01)
FI B65G 1/00 501D
G21F 7/005
G21F 9/36 F
G21F 5/005
G21F 5/06 G
G21F 7/015
B65G 1/00 521Z
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 15
出願番号 特願2018-170691 (P2018-170691)
出願日 平成30年9月12日(2018.9.12)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り 第8回(平成30年度)一般社団法人日本原子力学会 北関東支部大会、平成30年4月13日
発明者または考案者 【氏名】吉田 将冬
【氏名】周治 愛之
【氏名】川崎 猛
【氏名】木村 泰久
【氏名】平野 宏志
出願人 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000442、【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 3F022
Fターム 3F022BB10
3F022CC10
3F022EE02
3F022KK01
3F022MM51
要約 【課題】汚染雰囲気に曝される物を最小限に抑えて、汚染雰囲気に対して物品を安全に搬出入可能な物品搬出入システムを提供する。
【解決手段】物品搬出入システムは、汚染雰囲気を囲って非汚染雰囲気から隔離すると共に、汚染雰囲気及び非汚染雰囲気を連通させる開口が形成されたポートを有する建屋と、物品が載置される載置部、及び把持可能な把持部を有する載置台と、可撓性を有する材料で構成されており、開放された両端部のうち、一方側端部が前記開口を囲むようにポートに接続され、他方側端部が載置部を囲むように載置台に接続される筒状部材と、筒状部材から露出した把持部を把持して、ポートを通じて載置台を建屋に搬入し、さらに建屋から搬出する搬出入装置と、載置台が建屋から搬出された後に、ポートと載置台との間で筒状部材をシールするシール装置とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
汚染雰囲気に対して物品を搬出入する物品搬出入システムであって、
汚染雰囲気を囲って非汚染雰囲気から隔離すると共に、汚染雰囲気及び非汚染雰囲気を連通させる開口が形成されたポートを有する建屋と、
前記物品が載置される載置部、及び把持可能な把持部を有する載置台と、
可撓性を有する材料で構成されており、開放された両端部のうち、一方側端部が前記開口を囲むように前記ポートに接続され、他方側端部が前記載置部を囲むように前記載置台に接続される筒状部材と、
前記筒状部材から露出した前記把持部を把持して、前記ポートを通じて前記載置台を前記建屋に搬入し、さらに前記建屋から搬出する搬出入装置と、
前記載置台が前記建屋から搬出された後に、前記ポートと前記載置台との間で前記筒状部材をシールするシール装置とを備えることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記把持部は、前記載置部の下部に取り付けられたパレットであり、
前記搬出入装置は、前記パレットの凹部にフォークを挿入して、前記載置台を搬出入するフォークリフトであることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項3】
請求項1に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記把持部は、線状部材を介して前記載置部を吊架するフックであり、
前記搬出入装置は、前記フックを係止して前記載置台を搬出入するクレーンであることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記ポートは、
前記開口が形成されたポート本体と、
前記開口を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第1枠と、
前記第1枠を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第2枠と、
前記ポート本体と前記第1枠及び前記第2枠との間に挟持されて、前記開口を封止する封止膜とを有することを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項5】
請求項4に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記封止膜は、直近に前記シール装置でシールされ且つ当該シール位置で切断された前記筒状部材の一部であることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記ポートは、前記建屋の下端に設けられており、
前記ポート本体は、上部及び下部が独立して伸縮することによって前記開口の向きを変更可能な蛇腹部材を介して、前記建屋の内部空間に接続されていることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記シール装置は、
前記筒状部材を挟持して溶着する一対の溶着部と、
前記一対の溶着部を接離させる操作部とを有しており、
前記操作部は、前記筒状部材をシールする作業における前記シール装置の進行方向に交差する方向において、前記一対の溶着部からずれた位置に配置されていることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項8】
請求項7に記載の物品搬出入システムにおいて、
前記シール装置は、前記筒状部材で挟まれた耐熱板を前記一対の溶着部で挟持することによって、前記筒状部材の二箇所を同時に溶着することを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の物品搬出入システムにおいて、
汚染雰囲気は、放射線、化学物質、及び病原体の少なくとも1つによって汚染されていることを特徴とする物品搬出入システム。
【請求項10】
建屋によって非汚染雰囲気から隔離された汚染雰囲気に対して、物品を搬出入する物品搬出入方法であって、
可撓性を有する筒状部材の開放された両端部のうち、一方側端部を前記建屋の内外を連通させるポートに接続し、他方側端部を前記物品が載置される載置台に接続する接続工程と、
前記筒状部材から露出した前記載置台の把持部を把持して、前記ポートを通じて前記載置台を前記建屋に搬入し、さらに前記建屋から搬出する搬出入工程と、
前記搬出入工程の終了後に、前記ポートと前記載置台との間で前記筒状部材をシールするシール工程とを含むことを特徴とする物品搬出入方法。
【請求項11】
請求項10に記載の物品搬出入方法において、
前記ポートは、
前記建屋の内外を連通させる開口が形成されたポート本体と、
前記開口を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第1枠と、
前記第1枠を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第2枠と、
前記ポート本体と前記第1枠及び前記第2枠との間に挟持されて、前記開口を封止する封止膜とを有し、
前記接続工程において、
前記第1枠を前記ポート本体から取り外し、
前記筒状部材を前記封止膜に重ねた状態で前記第1枠を前記ポート本体に取り付け、
前記第2枠を前記ポート本体から取り外して、前記封止膜の外縁部を前記第2枠の装着位置より内側に移動させ、
前記第2枠の取付位置において前記筒状部材を前記ポート本体に直接当接させて、前記第2枠を前記ポート本体に取り付け、
前記第1枠を前記ポート本体から取り外して前記封止膜を前記ポートから除去し、再び前記第1枠を前記ポート本体に取り付けることによって、前記ポートに前記筒状部材を接続することを特徴とする物品搬出入方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染雰囲気に物品を搬入し、汚染雰囲気から物品を搬出する物品搬出入システム及び物品搬出入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質、毒性の強い化学物質、病原体(例えば、菌、細菌、ウィルス)などは、非汚染雰囲気から隔離された汚染雰囲気下で取り扱う必要がある。そして、汚染雰囲気下で使用した物品を搬出する、或いは汚染雰囲気に物品を搬入するには、非汚染雰囲気との接触を避けるための特別の工夫が必要となる。
【0003】
例えば特許文献1には、放射性物質が封入された容器をセル内から搬出する方法が開示されている。より詳細には、特許文献1に記載の搬出入装置には、セルのポートに気密バッグを取り付け、気密バッグを貫通したブームの先端のフックで容器を吊り上げて搬出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平3-46599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の搬出入装置は、ブームの先端が気密バッグを貫通して汚染雰囲気に曝されるので、搬出入装置自体が汚染されてしまう。そのため、この搬出入装置を他の用途に利用できないばかりでなく、汚染された搬出入装置の保管にまで気を遣う必要が生じる。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、汚染雰囲気に曝される物を最小限に抑えて、汚染雰囲気に対して物品を安全に搬出入可能な物品搬出入システム及び物品搬出入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、汚染雰囲気に対して物品を搬出入する物品搬出入システムであって、汚染雰囲気を囲って非汚染雰囲気から隔離すると共に、汚染雰囲気及び非汚染雰囲気を連通させる開口が形成されたポートを有する建屋と、前記物品が載置される載置部、及び把持可能な把持部を有する載置台と、可撓性を有する材料で構成されており、開放された両端部のうち、一方側端部が前記開口を囲むように前記ポートに接続され、他方側端部が前記載置部を囲むように前記載置台に接続される筒状部材と、前記筒状部材から露出した前記把持部を把持して、前記ポートを通じて前記載置台を前記建屋に搬入し、さらに前記建屋から搬出する搬出入装置と、前記載置台が前記建屋から搬出された後に、前記ポートと前記載置台との間で前記筒状部材をシールするシール装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、載置台の把持部が筒状部材から露出しているので、搬出入装置を汚染雰囲気に曝すことなく、汚染雰囲気に対して物品を搬出入することができる。これにより、物品の搬出入を安全に行うことができると共に、搬出入装置の管理が容易となる。
【0009】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記把持部は、前記載置部の下部に取り付けられたパレットであり、前記搬出入装置は、前記パレットの凹部にフォークを挿入して、前記載置台を搬出入するフォークリフトであることを特徴としてもよい。
【0010】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記把持部は、線状部材を介して前記載置部を吊架するフックであり、前記搬出入装置は、前記フックを係止して前記載置台を搬出入するクレーンであることを特徴としてもよい。
【0011】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記ポートは、前記開口が形成されたポート本体と、前記開口を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第1枠と、前記第1枠を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第2枠と、前記ポート本体と前記第1枠及び前記第2枠との間に挟持されて、前記開口を封止する封止膜とを有することを特徴としてもよい。
【0012】
上記構成のポートにおいて、以下のような手順で筒状部材をポートに接続すれば、建屋からの汚染された空気及び汚染物質の流出を最小限に留めることができる。まず、第1枠をポート本体から取り外し、筒状部材を封止膜に重ねた状態で第1枠をポート本体に取り付ける。次に、第2枠をポート本体から取り外して、封止膜の外縁部を第2枠の装着位置より内側に移動させる。次に、第2枠の取付位置において筒状部材をポート本体に直接当接させて、第2枠をポート本体に取り付ける。次に、第1枠をポート本体から取り外して、封止膜をポートから除去する。そして、再び第1枠をポート本体に取り付ければよい。
【0013】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記封止膜は、直近に前記シール装置でシールされ且つ当該シール位置で切断された前記筒状部材の一部であることを特徴としてもよい。
【0014】
上記構成によれば、封止膜を取り付ける独立した工程が必要ないので、建屋に対して繰り返し物品を搬出入する場合に、作業の効率が向上する。
【0015】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記ポートは、前記建屋の下端に設けられており、前記ポート本体は、上部及び下部が独立して伸縮することによって前記開口の向きを変更可能な蛇腹部材を介して、前記建屋の内部空間に接続されていることを特徴としてもよい。
【0016】
上記構成によれば、開口を斜め上方に向けた状態でポートに筒状部材を取り付け、開口を水平方向に向けた状態で物品を搬出入することができる。このように、工程毎に開口の向きを変えることによって、物品を搬出入する作業の効率が向上する。
【0017】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記シール装置は、前記筒状部材を挟持して溶着する一対の溶着部と、前記一対の溶着部を接離させる操作部とを有しており、前記操作部は、前記筒状部材をシールする作業における前記シール装置の進行方向に交差する方向において、前記一対の溶着部からずれた位置に配置されていることを特徴としてもよい。
【0018】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、前記シール装置は、前記筒状部材で挟まれた耐熱板を前記一対の溶着部で挟持することによって、前記筒状部材の二箇所を同時に溶着することを特徴としてもよい。
【0019】
汚染雰囲気に対して大型の物品を搬出入しようとすると、筒状部材も大型化する。そのため、従来のシール装置では、筒状部材の幅方向の全域をシールすることができない。そこで上記構成のシール装置によれば、筒状部材の大きさにかかわらず幅方向の全域をシールすることができる。その結果、汚染雰囲気に対して大型の物品を安全に搬出入することができる。
【0020】
また、汚染雰囲気と非汚染雰囲気とを連通させずに筒状部材を切断するためには、三箇所でシールして中央のシール位置で切断する必要がある。そこで上記構成によれば、1回のシール作業で二箇所を同時にシールできるので、シール作業を2回行えば筒状部材を安全に切断することができる。すなわち、安全性を維持しつつ作業を簡略化することが可能となる。
【0021】
また、前述の物品搬出入システムにおいて、汚染雰囲気は、放射線、化学物質、及び病原体の少なくとも1つによって汚染されていることを特徴としてもよい。
【0022】
また、本発明は、前記課題を解決するため、建屋によって非汚染雰囲気から隔離された汚染雰囲気に対して、物品を搬出入する物品搬出入方法であって、可撓性を有する筒状部材の開放された両端部のうち、一方側端部を前記建屋の内外を連通させるポートに接続し、他方側端部を前記物品が載置される載置台に接続する接続工程と、前記筒状部材から露出した前記載置台の把持部を把持して、前記ポートを通じて前記載置台を前記建屋に搬入し、さらに前記建屋から搬出する搬出入工程と、前記搬出入工程の終了後に、前記ポートと前記載置台との間で前記筒状部材をシールするシール工程とを含むことを特徴とする。
【0023】
また、前述の物品搬出入方法において、前記ポートは、前記建屋の内外を連通させる開口が形成されたポート本体と、前記開口を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第1枠と、前記第1枠を囲む位置において、前記ポート本体に着脱可能な第2枠と、前記ポート本体と前記第1枠及び前記第2枠との間に挟持されて、前記開口を封止する封止膜とを有し、前記接続工程において、前記第1枠を前記ポート本体から取り外し、前記筒状部材を前記封止膜に重ねた状態で前記第1枠を前記ポート本体に取り付け、前記第2枠を前記ポート本体から取り外して、前記封止膜の外縁部を前記第2枠の装着位置より内側に移動させ、前記第2枠の取付位置において前記筒状部材を前記ポート本体に直接当接させて、前記第2枠を前記ポート本体に取り付け、前記第1枠を前記ポート本体から取り外して前記封止膜を前記ポートから除去し、再び前記第1枠を前記ポート本体に取り付けることによって、前記ポートに前記筒状部材を接続することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、載置台の把持部が筒状部材から露出しているので、搬出入装置を汚染雰囲気に曝すことなく、汚染雰囲気に対して物品を搬出入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る物品搬出入システム1の概略図である。
【図2】本実施形態に係るポート20及び載置台30を示す図である。
【図3】テント10から物品73を搬出する手順を示す図である。
【図4】搬出した物品73をテント10から切り離す手順を示す図である。
【図5】ビニルバッグ40をポート20に接続する手順を示す図である。
【図6】シール装置60の形状及びシール作業の手順を示す図である。
【図7】物品73をテント10に搬入する手順を示す図である。
【図8】変形例に係る載置台30Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態に係る物品搬出入システム1を説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。

【0027】
図1~図6に示すように、物品搬出入システム1は、テント(建屋)10と、テント10に設けられたポート20と、載置台30と、ビニルバッグ(筒状部材)40と、フォークリフト(搬出入装置)50と、シール装置60とを主に備える。

【0028】
図1に示すように、テント10は、物品搬出入システム1を用いる空間を、汚染雰囲気と非汚染雰囲気とに区画する。汚染雰囲気とは、放射性物質、化学物質、或いは病原体(以下、これらを総称して、「汚染源」と表記する。)が高濃度で大気中を浮遊している空間であって、他の空間から隔離して管理すべき空間を指す。非汚染雰囲気とは、人間が生活するのに支障がない程度に汚染源の濃度が低い空間を指す。換言すれば、テント10は、非汚染雰囲気から汚染雰囲気を隔離している。

【0029】
テント10は、複数の支柱11を組み合わせて骨格を形成し、気密性を有するビニールシート12を骨格に沿って被せることによって構成される。典型的な例として、テント10は、放射性物質を扱うグローブボックス(図示省略)を解体するのに際して、解体対象のグローブボックスを覆う。ただし、建屋の具体的な構成及び建屋の用途は、前述の例に限定されない。

【0030】
作業員は、テント10内に作業機械(例えば、小型ショベル、油圧カッター、粉砕機)を搬入し、搬入した作業機械を用いてグローブボックスを解体し、解体したグローブボックスのパーツや作業機械をテント10から搬出する。テント10に対して搬出入されるあらゆる物品71、72、73は、物品搬出入システム1によって搬出入される。

【0031】
ポート20は、テント10によって隔てられた汚染雰囲気と非汚染雰囲気とを連通させる。ポート20は、例えば、テント10の下端に設けられている。ポート20は、図2~図5に示すように、ポート本体21と、蛇腹部材22と、第1枠24と、第2枠25と、クランプ26、27とを主に備える。

【0032】
図2(A)に示すように、ポート本体21は、矩形(本実施形態では、正方形)の開口23が形成された枠型の部材である。蛇腹部材22は、テント10の内部空間と、ポート本体21の開口23とを連通させる。換言すれば、ポート本体21は、蛇腹部材22を介してテント10の内部空間に接続されている。蛇腹部材22は、蛇腹構造によって伸縮可能な筒形状の部材であって、開口23の向きを変更することができる。

【0033】
より詳細には、蛇腹部材22は、上部及び下部が独立して伸縮可能に構成されている。そのため、図3(A)に示すように、蛇腹部材22の上部を縮め且つ下部を伸ばすことによって、ポート本体21の開口23を斜め上方に向けることができる。また、図3(B)に示すように、蛇腹部材22の上部及び下部を縮めることによって、ポート本体21の開口23を水平方向に向けることができる。

【0034】
図2(A)に示すように、第1枠24及び第2枠25は、矩形(本実施形態では、正方形)の枠型の部材である。第1枠24は、ポート本体21の前面(テント10と反対側の面)で、且つ開口23を囲む位置において、複数のクランプ26によってポート本体21に着脱可能に構成されている。第2枠25は、ポート本体21の前面で、且つ第1枠24を囲む位置において、複数のクランプ27によってポート本体21に着脱可能に構成されている。

【0035】
図2(B)に示すように、載置台30は、テント10に対して搬出入される物品71~73を載置可能で、且つフォークリフト50によって搬送可能な部材である。載置台30は、載置板(載置部)31と、パレット(把持部)32と、第3枠33と、第4枠34とを主に備える。

【0036】
載置板31は、矩形で平板状の部材である。載置板31の幅は、ポート20の開口23の幅より小さい。パレット32は、フォークリフト50のフォーク51が進入可能な一対の凹部35が形成された一般的な形状である。パレット32は、載置板31の下面にボルトなどによって取り付けられている。

【0037】
第3枠33及び第4枠34は、矩形(本実施形態では、正方形)の枠型の部材である。第3枠33は、載置板31の上面で且つ外縁部において、着脱可能に構成されている。第4枠34は、載置板31の上面で且つ第3枠33を囲む位置において、着脱可能に構成されている。第3枠33及び第4枠34を固定する方法は特に限定されないが、例えば、ねじ止めであってもよい。

【0038】
ビニルバッグ40は、可撓性及び気密性を有する材料(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネートなど)で構成されている。ビニルバッグ40は、両端が開放された筒形状の外形を呈する。ビニルバッグ40の開放された両端部のうち、一方側端部は第1枠24及び第2枠25によってポート本体21に接続され、他方側端部は第3枠33或いは第4枠34によって載置板31に接続される。一方、図3(B)に示すように、ビニルバッグ40が載置板31に接続されても、パレット32は、ビニルバッグ40の外部に露出している。

【0039】
図6(A)及び図6(B)に示すように、シール装置60は、一対の溶着部61、62と、操作部63とを主に備える。一対の溶着部61、62は、ビニルバッグ40を挟持して高周波或いは熱を発生させることによって、重ねられたビニルバッグ40の生地を溶着することができる。一対の溶着部61、62は、シール作業におけるシール装置60の進行方向に長い棒状の部材である。

【0040】
操作部63は、例えば、ハサミを使う要領で操作することによって、一対の溶着部61、62を接離させる。操作部63は、シール作業におけるシール装置60の進行方向(すなわち、一対の溶着部61、62の長手方向)に交差する方向において、一対の溶着部61、62からずれた位置に配置されている。

【0041】
次に、図3~図6を参照して、テント10内で汚染雰囲気に曝された物品73を、テント10から安全に搬出する手順を説明する。なお、図3(A)に示すように、ポート20の開口23は、後述する封止膜42によって封止されているものとする。

【0042】
まず、図3(A)に示すように、作業員は、蛇腹部材22の上部を縮め且つ下部を伸ばすことによって、封止膜42で封止された開口23が斜め上方を向くように、ポート本体21を傾ける。これにより、ビニルバッグ40の一方側端部をポート20に取り付ける作業(図5を参照して後述)がしやすくなる。

【0043】
次に、図3(B)に示すように、作業員は、ポート20及び載置台30にビニルバッグ40を接続する。より詳細には、ポート本体21と第1枠24及び第2枠25とでビニルバッグ40の一方側端部を挟持させ、載置板31と第3枠33とでビニルバッグ40の他方側端部を挟持させる。ビニルバッグ40の一方側端部をポート20に取り付ける手順は、図5を参照して後述する。

【0044】
図3(B)及び図5に示す工程によって、ビニルバッグ40の内部と載置板31の上面とが汚染雰囲気に曝される。一方、ビニルバッグ40で覆われていないパレット32は、汚染雰囲気に曝されない。図3(A)、図3(B)、及び図5に示す工程は、接続工程に相当する。

【0045】
次に、図3(C)に示すように、フォークリフト50を運転する作業員は、凹部35にフォーク51を進入させてパレット32を持ち上げ、開口23を通じて載置台30をテント10に搬入する。このとき、ビニルバッグ40が裏返しになって、載置板31の上面がテント10内に露出される。そして、テント10内の作業員は、載置板31上に直接物品73を載置する。一方、載置台30がテント10に進入しても、パレット32及びパレット32を把持するフォークリフト50は、汚染雰囲気に曝されない。

【0046】
次に、図4(A)に示すように、フォークリフト50を運転する作業員は、フォークリフト50を後退させることによって、物品73が載置された載置台30を、開口23を通じてテント10から搬出する。ただし、物品73は、ビニルバッグ40で覆われているので、非汚染雰囲気に触れることはない。図3(C)及び図4(A)に示す工程は、搬出入工程に相当する。

【0047】
次に、図4(B)に示すように、作業員は、シール装置60を用いて、ポート20と載置台30との間でビニルバッグ40をシールする。シール装置60を用いてビニルバッグ40をシールする作業(以下、「シール作業」と表記する。)は、図6を参照して後述する。図4(B)及び図6の工程によって、ビニルバッグ40の内部空間は、ビニルバッグ40の一部41と載置板31とで物品73を囲む空間と、テント10の内部空間に連通するビニルバッグ40の他の一部42で囲まれた空間とに分割される。

【0048】
次に、図4(C)に示すように、作業員は、シール装置60でシールした箇所で、ビニルバッグ40を切断する。そして、作業員は、ビニルバッグ40の一部41で覆われた物品73を、一方側端部のみが開放されたビニルバッグ43でさらに覆う。より詳細には、作業員は、載置板31と第4枠34との間で、ビニルバッグ43の開放された端部を挟持させる。

【0049】
一方、ビニルバッグ40の他の一部42は、封止膜42としてポート20の開口23を封止する。すなわち、図3(A)に示す封止膜42は、直近にシール装置60でシールされ且つ当該シール位置で切断されたビニルバッグ40の一部42である。換言すれば、封止膜42は、図4(B)及び図4(C)の工程を実行すれば自然と形成されるものであり、封止膜42で開口23を封止するための独立した工程は不要である。図4(B)及び図4(C)に示す工程は、シール工程に相当する。

【0050】
次に、図5を参照して、ビニルバッグ40の一方側端部をポート20に取り付ける手順を詳細に説明する。なお、図5(A)に示すように、ビニルバッグ40を取り付ける直前のポート20は、ポート本体21と第1枠24及び第2枠25とで挟持された封止膜42によって、開口23が封止された状態である。また、図5に示す手順を実行する前に、ビニルバッグ40の他方側端部は、既に載置台30に接続されているものとする。

【0051】
まず、図5(B)に示すように、第1枠24をポート本体21から一端取り外し、ビニルバッグ40の一方側端部を封止膜42に重ねて、再び第1枠24をポート本体21に取り付ける。これにより、ビニルバッグ40は、ポート本体21と第1枠24とに挟持されて、ポート20に接続される。ただし、この時点では、開口23が封止膜42で封止されているので、ビニルバッグ40の内部空間は、汚染雰囲気に曝されていない。

【0052】
次に、図5(C)に示すように、第2枠25をポート本体21から取り外し、封止膜42の外縁部を第2枠25の装着位置より内側に移動させる。さらに、直前まで封止膜42で覆われていたポート本体21の表面(すなわち、第2枠25の装着位置)に対して、汚染検査及び除染を行う。

【0053】
次に、図5(D)に示すように、第2枠25の取付位置において、第1枠24からはみ出たビニルバッグ40の外縁部をポート本体21に直接当接させる。そして、第2枠25を再びポート本体21に取り付けて、ポート本体21と第2枠25とでビニルバッグ40を挟持させる。

【0054】
次に、図5(E)に示すように、第1枠24をポート本体21から取り外す。これにより、第1枠24及び第2枠25による封止膜42の拘束が解けるので、封止膜42を除去することができる。その結果、ビニルバッグ40の内部空間は、テント10の内部空間と連通して、汚染雰囲気に曝される。

【0055】
次に、図5(F)に示すように、第1枠24をポート本体21に再び取り付けることによって、ビニルバッグ40の一方側端部は、ポート本体21と第1枠24及び第2枠25との間で挟持されて、ポート20に接続される。

【0056】
次に、図6を参照して、シール装置60を用いてビニルバッグ40をシールするシール作業の手順を詳細に説明する。

【0057】
まず、図6に示すように、ポート20及び載置台30の間において、ビニルバッグ40で耐熱板64を挟み込む。これにより、耐熱板64の一方側でビニルバッグ40の生地が重なった状態となり、耐熱板64の他方側でもビニルバッグ40の生地が重なった状態となる。なお、耐熱板64は、ビニルバッグ40の幅方向(物品71~73の搬出入方向に直交する方向)より十分に長い板状の部材である。そのため、ビニルバッグ40と耐熱板64とは、ビニルバッグ40の幅方向の全域において、図6に示す位置関係となる。

【0058】
次に、ビニルバッグ40で挟まれた耐熱板64を、シール装置60の一対の溶着部61、62で挟持することによって、図6(B)の参照番号44、45で示すように、耐熱板64の一方側でビニルバッグ40の2枚の生地が溶着され、耐熱板64の他方側でビニルバッグ40の2枚の生地が溶着される。すなわち、物品71~73の搬出入方向に離間した二箇所44、45において、ビニルバッグ40が同時に溶着される。

【0059】
そして、一対の溶着部61、62で挟持する位置を、ビニルバッグ40の幅方向(シール作業におけるシール装置60の進行方向)にずらして、ビニルバッグ40の幅方向の全域を溶着すれば、図4(B)に示すように、ビニルバッグ40の内部空間が、物品73を囲む空間と、テント10に連通する空間とに分割される。

【0060】
さらに、前述したシール作業を、物品71~73の搬出入方向にずれた位置で再び行う。これにより、ビニルバッグ40は、2回のシール作業によって、物品71~73の搬出入方向に離間した四箇所でシールされることになる。そして、図4(C)において、四箇所のシール位置のうち、中央の二箇所のいずれかでビニルバッグ40を切断すればよい。

【0061】
次に、図7を参照して、物品73をテント10に搬入する手順を説明する。なお、図3~図6を参照して説明した物品73の搬出手順との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明するものとする。

【0062】
まず、図7(A)に示すように、載置台30に物品73を載置し、ビニルバッグ40の他方側端部を載置台30に接続する。より詳細には、載置板31と第4枠34とでビニルバッグ40の他方側端部を挟持させればよい。なお、図示は省略するが、既に汚染雰囲気に曝された物品73を再びテント10に搬入する場合、載置台30よりひと回り大きい載置台に、図4(C)の二重梱包された物品73を載置台30ごと載置し、大きい方の載置台にビニルバッグ40を取り付ければよい。

【0063】
次に、図7(B)に示すように、ビニルバッグ40の一方側端部をポート20に接続する。この手順は、図5を参照して既に説明したので、再度の説明は省略する。

【0064】
次に、図7(C)に示すように、パレット32を持ち上げてフォークリフト50を前進させることによって、ポート20を通じて物品73が載置された載置台30をテント10の内部に搬入する。

【0065】
次に、図示は省略するが、テント10の内部で物品73が載置台30から降ろされた後、フォークリフト50を後退させることによって、ポート20を通じてテント10から載置台30を搬出する。さらに、図4(B)、図4(C)、及び図6と同様の手順でビニルバッグ40をシールして切断すればよい。

【0066】
本実施形態によれば、例えば、以下のような作用効果を奏する。

【0067】
上記の実施形態によれば、載置台30のパレット32がビニルバッグ40から露出しているので、フォークリフト50を汚染雰囲気に曝すことなく、汚染雰囲気に対して物品71~73を搬出入することができる。これにより、物品71~73の搬出入を安全に行うことができると共に、フォークリフト50の管理が容易となる。

【0068】
また、上記の実施形態において、図5の手順でビニルバッグ40をポート20に接続すれば、テント10からの汚染された空気及び汚染物質の流出を最小限に留めることができる。また、図3(A)及び図3(B)のように、蛇腹部材22によって工程毎に開口23の向きを変えることによって、物品71~73を搬出入する作業の効率が向上する。

【0069】
また、図4(B)、図4(C)、及び図6の手順でビニルバッグ40をシール及び切断することによって、封止膜42をポート20に取り付ける独立した工程が必要なくなる。その結果、テント10に対して繰り返し物品71~73を搬出入する場合に、作業の効率が向上する。

【0070】
また、汚染雰囲気に対して大型の物品71~73を搬出入しようとすると、ビニルバッグ40も大型化する。そのため、従来のシール装置では、ビニルバッグ40の幅方向の全域をシールすることができない。そこで上記構成のシール装置60によれば、ビニルバッグ40の大きさにかかわらず幅方向の全域をシールすることができる。その結果、汚染雰囲気に対して大型の物品71~73を安全に搬出入することができる。

【0071】
また、汚染雰囲気と非汚染雰囲気とを連通させずにビニルバッグ40を切断するためには、三箇所でシールして中央のシール位置で切断する必要がある。そこで上記構成によれば、1回のシール作業で二箇所を同時にシールできるので、シール作業を2回行えばビニルバッグ40を安全に切断することができる。すなわち、安全性を維持しつつ作業を簡略化することが可能となる。

【0072】
(変形例)
なお、上記の実施形態では、搬出入装置の具体例としてフォークリフト50を説明した。しかし、搬出入装置の具体例及び載置台30の具体的な構造は、前述の例に限定されない。以下、図8を参照して、変形例に係る載置台30Aの構造と、搬出入装置の他の例を説明する。

【0073】
図8に示すように、変形例に係る載置台30Aは、載置板31と、第3枠33と、第4枠34とを備える点で、図2(B)に示す載置台30と共通する。一方、変形例に係る載置台30Aは、パレット32が省略され、線状部材36A、36B、36C、36Dと、フック37とを備える点で、図2(B)に示す載置台30と相違する。

【0074】
線状部材36A~36Dは、例えば、ワイヤ、ロープ、チェーンなど、物品71~73が載置された載置台30Aの重量に耐える強度を有する。線状部材36A~36Dの一端は、載置板31の四隅にそれぞれ接続されている。また、線状部材36A~36Dの他端は、纏めてフック37に接続されている。

【0075】
そして、搬出入装置の他の例であるクレーン(図示省略)は、フック37を係止することによって、線状部材36A~36Dを介して載置台30Aを吊り上げて、テント10に搬入し、テント10から搬出すればよい。
【符号の説明】
【0076】
1…物品搬出入システム、10…テント(建屋)、11…支柱、12…ビニールシート、20…ポート、21…ポート本体、22…蛇腹部材、23…開口、24…第1枠、25…第2枠、26,27…クランプ、30,30A…載置台、31…載置板(載置部)、32…パレット(把持部)、33…第3枠、34…第4枠、35…凹部、36A,36B,36C,36D…線状部材、37…フック、40…ビニルバッグ(筒状部材)、50…フォークリフト(搬出入装置)、51…フォーク、60シール装置、61,62…溶着部、63…操作部、64…耐熱板、71,72,73…物品
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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