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明細書 :環状の多核金属錯体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-063246 (P2020-063246A)
公開日 令和2年4月23日(2020.4.23)
発明の名称または考案の名称 環状の多核金属錯体
国際特許分類 C07F  15/04        (2006.01)
C07F   3/02        (2006.01)
C07C 237/10        (2006.01)
FI C07F 15/04 CSP
C07F 3/02 Z
C07C 237/10
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 27
出願番号 特願2019-188806 (P2019-188806)
出願日 令和元年10月15日(2019.10.15)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和1年5月16日に「Journal of the American Chemical Society」のウェブサイトにて公開 (2)令和1年5月16日に「American Chemical Society(ACS)」が発行した「Journal of the American Chemical Society、2019年、141巻、22号、第8675~8679頁」にて公開 (3)令和1年7月23日に「Chem-Station」のウェブサイトにて公開 (4)令和1年9月18日に「化学同人」が出版した「化学 2019年10月号(74巻、10号)、第12~16頁」にて公開
優先権出願番号 2018194690
優先日 平成30年10月15日(2018.10.15)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】三宅 亮介
出願人 【識別番号】305013910
【氏名又は名称】国立大学法人お茶の水女子大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100107984、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 雅紀
【識別番号】100102255、【弁理士】、【氏名又は名称】小澤 誠次
【識別番号】100096482、【弁理士】、【氏名又は名称】東海 裕作
【識別番号】100188352、【弁理士】、【氏名又は名称】松田 一弘
【識別番号】100113860、【弁理士】、【氏名又は名称】松橋 泰典
【識別番号】100131093、【弁理士】、【氏名又は名称】堀内 真
【識別番号】100150902、【弁理士】、【氏名又は名称】山内 正子
【識別番号】100141391、【弁理士】、【氏名又は名称】園元 修一
【識別番号】100198074、【弁理士】、【氏名又は名称】山村 昭裕
【識別番号】100096013、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 博行
審査請求 未請求
テーマコード 4H006
4H048
4H050
Fターム 4H006AA01
4H006AB84
4H006BU32
4H006BV21
4H006BV22
4H048AA01
4H048AB80
4H048VA20
4H048VA30
4H048VA60
4H048VB10
4H050AA01
4H050AB80
4H050WB13
4H050WB14
4H050WB23
要約 【課題】柔軟な骨格を有し巨大な環状を形成する金属錯体の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物からなる配位子と6配位構造をとる金属イオンからなる分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体。
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(R~Rは夫々独立に金属イオンに配位可能な官能基;R及びRは夫々独立にO、S又はNR(RはH、アルキル基等);Aはα-又はω-アミノ酸残基;n~nは夫々独立に1又は2;nが2以上の場合に、R同士、R同士、R同士、n同士、n同士及びn同士は同一でも相異なっていてもよい)
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
式(I)
【化1】
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(式中、R~Rは、それぞれ独立に、金属イオンに配位可能な官能基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)を表し、Aは、α-又はω-アミノ酸残基を表し、n~nは、それぞれ独立に、1又は2を表し、nが2以上の場合に、R同士、R同士、R同士、n同士、n同士及びn同士は同一でも相異なっていてもよい。)で表される化合物からなる配位子と6配位構造をとる金属イオンからなる分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体。
【請求項2】
式(I)中の金属イオンに配位可能な官能基が、アミノ基、ヒドロキシ基又はスルファニル基である請求項1に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項3】
Aが、グリシン残基である請求項1又は2に記載の環状の多核金属錯体。。
【請求項4】
トリペプチド以上のペプチド又は該ペプチドのペプチド結合のカルボニル基がチオカルボニル基若しくはイミノ基であるペプチド類似体であって、各アミノ酸残基には、金属イオンに配位結合する官能基を少なくとも1つを有し、該官能基は、前記ペプチドのペプチド主鎖に対してアルキレン鎖を介して結合している官能基であり、該官能基の少なくとも1つが、ペプチド結合のカルボニル酸素原子である配位分子が、1つの金属イオンに対して少なくとも3分子で配位し、配位分子内及び/又は配位分子間で少なくとも1つの水素結合を形成してなる構成単位が、繰り返されることによって構築される分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体。
【請求項5】
金属イオンに配位結合する官能基が、アミノ基、スルファニル基又はヒドロキシ基である請求項4に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項6】
各アミノ酸残基に金属イオンに配位結合する官能基を少なくとも1つ有するペプチド又は該ペプチド類似体が、該官能基が1つ、該官能基が2つ及び該官能基が3つのアミノ酸残基からなペプチド又はペプチド類似体である請求項4又は5に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項7】
金属イオンが、6配位金属イオンである請求項4~6のいずれか1項に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項8】
金属イオンが、Mg(II)、Ca(II)、Al(III)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)及びPt(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~7のいずれか1項に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項9】
核数が、8以上である請求項1~8のいずれか1項に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項10】
環状の多核金属錯体が、自己組織化されたものである請求項1~9のいずれか1項に記載の環状の多核金属錯体。
【請求項11】
分子内に有する空孔の内径が1nm以上である請求項1~10のいずれか1項に記載の環状の多核金属錯体
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体に関し、より詳細には、トリペプチド等の柔軟な骨格を有する配位子を用いた分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に応じて多数の構造をとることができる柔軟な空間は、induced fit のように正確な認識に重要な役割を果たしているだけなく、アロステリック効果のような環境応答性機能、効率的な輸送・貯蔵、変換(反応)など、生体でしか実現できない機能発現の場となっている。したがって、複数の構造やコンフォメーションを取れる空間のような構造変換可能な「柔軟な空間」を人工的に作れる技術の確立は高度な機能、特に複合機能の創出に向けて必須である。柔軟な空間は、小さな空間しか作れないことが多く、これまでほとんどが剛直な骨格で、結合方向をデザインすることで、大きな空間を形成することが常識であった。また、柔軟な骨格を用いる場合、比較的安定な高次構造を形成できるものを用いるものが報告されているだけで、多数の配座を取れるような柔軟な骨格を持つ小さな分子から巨大な空間を持つ構造体を構築する方法は、確立できていなかった。
【0003】
例えば、側鎖のプロパンジアミン骨格とアミドカルボニル基とで3座配位が可能なβ‐アミノ酸からなる下記式([化1]参照)で表されるβ-ジペプチドは、過塩素酸ニッケル6水和物と反応させることにより、図1に示す4核の環状金属錯体を与えることが知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
【化1】
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【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】Miyake, R.; Tashiro, S.; Shiro, M.; Tanaka,K.; Shionoya, M., J. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 5646-5647
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記式で表される構造構築単位を用いても、柔軟で巨大な空間を人工的に構築することが難しいという問題に直面した。また、空間に取り込む物質それぞれに対応する構造制御材をそれぞれ合成する必要があるという問題に直面していた。
本発明は、そのような事情にかんがみ、柔軟で巨大な空間を人工的に構築することができ、認識されるそれぞれの化合物に対応できる空間を構築できる構造単位を提供すると共に、それによる柔軟な骨格を有する巨大空間を構築することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属配位性のβ-又はγ-アミノ酸とα-又はβ-アミノ酸を組み合わせたトリ又はテトラペプチドを用いることで、柔軟な骨格であっても金属配位結合によりある程度構造を規定し、さらに骨格間の水素結合で構造を安定化し、巨大な環状骨格が形成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の事項により特定される次のとおりのものである。
(1)式(I)
【化2】
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(式中、R~Rは、それぞれ独立に、金属イオンに配位可能な官能基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)を表し、Aは、α-又はω-アミノ酸残基を表し、n~nは、それぞれ独立に、1又は2を表し、nが2以上の場合に、R同士、R同士、R同士、n同士、n同士及びn同士は同一でも相異なっていてもよい。)で表される化合物からなる配位子と6配位構造をとる金属イオンからなる分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体。
(2)式(I)中の金属イオンに配位可能な官能基が、アミノ基、ヒドロキシ基又はスルファニル基である(1)に記載の環状の多核金属錯体。
(3)Aが、グリシン残基である(1)又は(2)に記載の環状の多核金属錯体。
(4)トリペプチド以上のペプチド又は該ペプチドのペプチド結合のカルボニル基がチオカルボニル基若しくはイミノ基であるペプチド類似体であって、各アミノ酸残基には、金属イオンに配位結合する官能基を少なくとも1つを有し、前記ペプチドのペプチド主鎖に対してアルキレン鎖を介して結合している官能基であり、該官能基の少なくとも1つが、ペプチド結合のカルボニル酸素原子である配位分子が、1つの金属イオンに対して少なくとも3分子で配位し、前記配位分子内及び/又は前記配位分子間で少なくとも1つの水素結合を形成してなる構成単位が、繰り返されることによって構築される分子内に空孔を有する環状の多核金属錯体。
(5)金属イオンに配位結合する官能基が、アミノ基、スルファニル基又はヒドロキシ基である(4)に記載の環状の多核金属錯体。
(6)各アミノ酸残基に金属イオンに配位結合する官能基を少なくとも1つ有するペプチド又はペプチド類似体が、該官能基が1つ、該官能基が2つ及び該官能基が3つのアミノ酸残基からなペプチド又はペプチド類似体である(4)又は(5)に記載の環状の多核金属錯体。
(7)金属イオンが、6配位金属イオンである(4)~(6)のいずれか1つに記載の環状の多核金属錯体。
(8)金属イオンが、Mg(II)、Ca(II)、Al(III)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)及びPt(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)~(7)のいずれか1つに記載の環状の多核金属錯体。
(9)核数が、8以上である(1)~(8)のいずれか1つに記載の環状の多核金属錯体。
(10)環状の多核金属錯体が、自己組織化されたものである(1)~(9)のいずれか1つに記載の環状の多核金属錯体。
(11)分子内に有する空孔の内径が1nm以上である(1)~(10)のいずれか1つに記載の環状の多核金属錯体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の環状の多核金属錯体は、分子内に従来にない大きさの空孔を有することから、酵素等の生体機能分子と同様の働きをする可能性がある。また、本発明の環状の多核金属錯体は、結晶化の溶媒を替えるだけで、又は金属イオンとの配合比を替えるだけでその空孔の大きさ、形状を変えることができるので、簡単に機能を多様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】非特許文献1に記載された公知の環状の多核金属錯体のORTEP図を表す。(対アニオンは省略)
【図2】実施例1で得られた本発明の環状の多核金属錯体1のORTEP図を示す。(対アニオンは省略)
【図3】実施例2で得られた本発明の環状の多核金属錯体2のORTEP図を示す。(対アニオンは省略)
【図4】実施例3で得られた本発明の環状の多核金属錯体3のORTEP図を示す。(対アニオンは省略)
【図5】実施例4で得られた本発明の環状の多核金属錯体4のORTEP図を示す。(対アニオンは省略)
【図6】実施例5で得られた本発明の環状の多核金属錯体6のORTEP図を示す。(対アニオンは省略)
【図7】本発明の環状の多核金属錯体の設計指針を示す概念図を示す。
【図8】実施例6で得られた計算結果に基づくMg(II)を用いたモデル配位錯体の最適化された平衡構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の環状の多核金属錯体の配位子となる式(I)で表わされる化合物中、R~Rは、それぞれ独立に、金属イオンと配位可能な官能基を表す。R~Rは、金属部位に配位して錯体を形成できる電子構造を有する官能基であれば特に制限されないが、具体的には、下記式(II)で表される官能基群から選ばれる官能基を例示することができる。

【0012】
【化3】
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【0013】
式(II)中、R11は、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等を例示することができる。

【0014】
アリール基としては、単環式でも縮合多環式でもよく、又は炭化水素基でも複素環基でもよく、具体的には、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アズレニル基、3-インデニル基、1-インダニル基、5-テトラリニル基、2-ピリジル基、2-ピラジル基、2-ピリミジル基、3-ピリダジル基、2-フラニル基等を例示することができる。

【0015】
また、式(II)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、具体的には、R11で示したものと同様のものを例示することができる。
また、式(II)中、R14及びR15は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基を表し、具体的には、R11で示したものと同様のものを例示することができる。
~Rとして、中でも、アミノ基、ヒドロキシ基又はスルファニル基を好ましく例示することができ、アミノ基を特に好ましく例示することができる。

【0016】
式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子又はNRを表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、具体的には、R11で示したものと同様のものを例示することができる。R及びRとして、酸素原子を特に好ましく例示することができる。

【0017】
式(I)中、n~nは、それぞれ独立に1又は2を表し、nが2以上の場合、R同士、R同士、R同士、R同士、n同士、n同士及びn同士は、同一でも相異なっていてもよく、n~nのすべてが、1である場合を特に好ましく例示することができる。

【0018】
式(I)中、Aは、α-又はω-アミノ酸残基を表す。アミノ酸残基とは、N末端からC末端のカルボニル基までの構造部分を意味する。具体的には、下記式に表されるアミノ酸残基を例示することができる。

【0019】
【化4】
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【0020】
なお、アミノ酸残基中に不斉中心がある場合には、その光学活性体のいずれかでも、両者が混合したものであっても、又はラセミ混合物であってもいずれのものでも使用することができる。

【0021】
式(I)で表される化合物として、具体的には、以下に示す化合物を例示することができる。

【0022】
【化5】
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【0023】
本発明の環状の多核金属錯体に用いられる金属イオンは、6配位構造をとる金属イオンでれば特に制限されず、特に6配位で正八面体構造をとることができる金属イオンであるのが好ましく、具体的には、Mg(II)、Ca(II)、Al(III)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)、Cu(II)、Zr(IV)、Pt(IV)等が挙げられ、中でもMg(II)、Ca(II)、Al(III)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)及びPt(IV)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を好ましく例示することができ、Ni(II)を特に好ましく例示することができる。そのような二価ニッケル化合物として、具体的には、硝酸ニッケル・6水和物、テトラフルオロホウ酸ニッケル・6水和物、硫酸ニッケルアンモニウム・6水和物、水酸化ニッケル、塩化ニッケル・6水和物、過塩素酸ニッケル・6水和物等を例示することができる。また、金属イオンは、1種のみではなく2種以上を混合して用いることができるが、1種単独で用いるのが好ましい。

【0024】
本発明に用いられる金属イオンの量は、生成する環状の多核金属錯体の形状、分子内に有する空孔の大きさに応じて適宜選択することができるが、空孔の径を1nm以上の大きさのものとするためには、用いる金属イオンの量が、配位子に対して環状骨格を形成する最低限の量であるのが好ましい。なお、空孔の径とは、空孔の一番内側に面している原子と中心点をはさんで対角の空孔の内側に面している原子間の距離を言い、環の形状が、楕円形の場合には、一番短い径をいうものとする。

【0025】
本発明の環状の多核金属錯体の製造方法として、具体的には、式(I)で表される配位子と錯体を形成する金属イオンが構成する化合物(以下金属化合物という。)を所定量の割合で、水又は水-有機溶媒中で混合することにより得ることができる。水‐有機溶媒の混合溶媒で製造を行う方法としては、式(I)で表される配位子と金属化合物を水に溶解し、その水溶液を有機溶媒の蒸気が拡散している雰囲気下に置いて、徐々に水に有機溶媒を溶解させて、結晶化させる方法が好ましい。本発明においては、配位子と金属化合物を混合するだけで、配位結合及び水素結合を駆動力として、自己組織化して錯体を形成するのが好ましい。
用いる有機溶媒としては、水に可溶な有機溶媒が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等を例示することができる。
用いる有機溶媒量は、特に限定されないが、用いる有機溶媒の種類、量によって、核数、結晶形を制御できる。例えば、水溶媒中で式(I)中において、R~Rがアミノ基、R及びRが、酸素原子、Aがグリシン残基、n~nが1である配位子(配位子(Ia)という)とNiを金属イオンとする金属化合物をモル比1:1で混合後、そのまま水を蒸発させて錯体を結晶として析出させた場合には、14核の環状の多核金属錯体を形成するのに対して、水を蒸発させると共にメタノール、エタノール等の低級アルコール又はアセトニトリルを徐々に添加して結晶を析出させた場合には、12核の環状の多核金属錯体を得ることができる。

【0026】
また、水溶媒中で、配位子(Ia)とNiを金属イオンとする金属化合物をモル比1:1で混合後、水を蒸発させると共にアセトニトリルを徐々に添加して結晶を析出させた場合では、14核の環状の多核金属錯体が得られるが、水のみから析出して得られた結晶と、その結晶構造が異なる。水のみから析出した結晶が、相互貫入したカテナン構造をとるのに対して、有機溶媒を用いて析出させた結晶は、相互貫入を起こさず、分子内に大きな空間を維持することができる。

【0027】
溶媒中で、配位子と金属化合物を混合する温度は、特に限定されないが、金属化合物、及び配位子の溶媒に対する溶解度に応じて、適宜選択することができる。

【0028】
本発明の環状の多核金属錯体化合物は、結晶化の条件、又は用いる配位子及び金属化合物の混合比によって、核数、空孔の大きさ、形状等を制御することができる。本発明においては、核数としては、分子内に空孔を有することができる核数であれば、特に制限されず、8以上を好ましく例示することができる。核数の上限は、特に限定されないが30を好ましく例示することができ、12~16をさらに好ましく例示することができ、その空孔の径については、1nm以上であることを好ましく例示することができる。

【0029】
また、配位子と金属化合物の配位構造は、多核の環状の錯体を形成できるものであれば、特に限定されないが、より安定な構造を形成できるものとして、式(III)で表される配
位構造が好ましい。

【0030】
【化6】
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【0031】
式(III)は、配位子分子中の単座配位部位(A)、2座配位部位R及びR及び3座配位部位R、R及びRで金属イオンに対して6配位している構造を示し、この配位構造が繰り返されることにより、環状の錯体を形成するのが、本発明の環状の多核金属錯体の構造として好ましい。なお、式(III)においては、単座配位部位であるアミノ酸残基を表すAについては仮にグリシン残基を用いて示し、R~Rについては、アミノ基を用いて示し、Rについては、仮に酸素原子を用いて示し、n~nについては、仮に1である場合を用いて示した。

【0032】
本発明の環状の多核金属錯体を構成する配位構造の具体例として、上記式(III)で表される構造が挙げられるが、該配位構造は、上記式(III)で表される配位構造には限定されず、下記条件を満たすものであれば、本発明の環状の多核金属錯体を構築できるものと考えられる。

【0033】
(1)トリペプチド以上のペプチド又は該ペプチドのペプチド結合のカルボニル基がチオカルボニル基若しくはイミノ基であるペプチド類似体である。
(2)各アミノ酸残基には、金属イオンに配位結合する官能基を少なくとも1つを有する。
(3)該官能基は、前記ペプチドのペプチド主鎖に対してアルキレン鎖を介して結合している。
(4)該官能基の少なくとも1つが、ペプチド結合のカルボニル酸素原子である。
(5)前記(1)~(4)の条件を満たす配位分子が、1つの金属イオンに対して少なくとも3分子で配位する。
(6)配位分子内又は配位分子間で少なくとも1つの水素結合を形成する。
(7)前記(5)及び(6)の条件を満たす金属イオン-配位分子の構成単位が、繰り返される。

【0034】
本発明の環状の多核金属錯体に用いられる配位子は、トリペプチド以上のペプチド又は該ペプチドのペプチド結合のカルボニル基がチオカルボニル基若しくはイミノ基であるペプチド類似体である。
ペプチドのアミノ酸残基は、α-アミノ酸であっても、β、γ、δ等のω-アミノ酸であってもよく、トリペプチド以上であれば、それらは1種単独でも、2種以上を混合して用いることができる。また、ペプチド類似体のイミノ基として、具体的には、式C=NR(式中、Rは、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)が挙げられ、Rとしては、例えば、式(I)におけるRと同様のものが挙げられる。

【0035】
各アミノ酸残基中に少なくとも1つ存在する金属イオンに配位結合する官能基としては、金属イオンに電子を供給できる非共有電子対を持つ原子を含む官能基であれば、特に制限されず、例えば、式(I)中のR~Rとして具体的に例示された官能基が挙げられるが、なかでも、アミノ基、スルファニル基又はヒドロキシ基が好ましい。

【0036】
上記官能基は、配位分子が金属イオンに配位する状態に応じて、配位する方向や角度を柔軟に変えられるように、前記ペプチドのペプチド主鎖に対してアルキレン鎖を介して結合している。
アルキレン鎖は、直鎖であっても、分岐していてもよく、炭素数も、金属イオンへの配位状態に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3-プロピレン基、1,2‐プロピレン基等が挙げられる。また、配位する方向や角度の柔軟性を担保できる範囲であれば、アルキレン鎖の途中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フェニレン基、シリレン基等を入れることができ、また、ハロゲン原子、アリール基等の置換基をアルキレン鎖に有していてもよい。

【0037】
該官能基の少なくとも1つが、ペプチド結合のカルボニル酸素原子である。上記ペプチド中であれば、特に限定されず、どのペプチド結合のカルボニル酸素原子でもよいが、多座配位するアミノ酸残基の官能基中の1つであるのが好ましい。

【0038】
本発明の環状の多核金属錯体は、上記(1)~(4)の条件を満たす配位分子が、1つの金属イオンに対して少なくとも3分子で配位する構成単位を有している。金属イオンに配位する分子数は、少なくとも3であれば、その数は特に制限されず、具体的には、本発明に用いられる金属イオンの配位数を上限として、金属イオンと配位結合する上記官能基の数で決めることができる。具体的には、金属イオンの配位数が6で、前記官能基の数が、3と2と1の場合、1つの金属イオンに対して3分子が配位することになる。また、金属イオンの配位数が6で、前記官能基の数が、2と2と1と1の場合、1つの金属イオンに対して4分子が配位するときと、1つの分子が2か所で配位すれば3分子が配位するときがある。
また、配位分子は、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。

【0039】
本発明の環状の多核金属錯体は、上記(1)~(4)の条件を満たす配位分子が、配位分子内及び/又は配位分子間で少なくとも1つの水素結合を形成している構成単位を有する。
水素結合の数は、1つ以上であれば特に制限されず、より強固な錯体を形成するには、2以上であるのが好ましい。前記水素結合を形成する原子は、水素結合能を有する水素原子とその他の原子であれば特に制限されないが、本発明の環状の多核金属錯体においては、ペプチド結合の窒素原子上の水素原子と、ペプチド結合のカルボニル基の酸素原子を好ましく例示することができる。前記水素結合は、環状の多核金属錯体の構造を安定化するのであれば、配位分子内、配位分子間いずれで形成されていてもよく、両者が混合して形成されていてもよいが、配位分子内で形成されるのが好ましい。

【0040】
本発明においては、上記(5)及び(6)の条件を満たす金属イオン-配位分子の構成単位が、繰り返されることにより環状の多核金属錯体が構築される。具体的には、図7にその概念図を示す。
図7には、異なる金属配位部位を3か所有し、水素結合部位を4か所以上(2対以上)有する配位分子3分子が金属イオンに対してそれぞれ異なる金属配位部位で配位して網目構造を形成し、さらに配位分子内で2つの水素結合を形成して該網目構造を安定化して、巨大な環状構造を構築することが示されている。
また、環状構造を構築するにあたっては、例えば、金属イオンを挟んで配位分子の配座を反転することで、その螺旋性を打ち消したりする。

【0041】
上記(1)~(7)の条件を満たして構築される本発明の環状の金属多核錯体に用いられる金属イオンとしては、3配位以上の構造をとる金属イオンであれば、特に制限されないが、6配位構造をとる金属イオンが好ましく、さらに6配位であり正八面体構造をとる金属イイオンが好ましく、具体的には、Mg(II)、Ca(II)、Al(III)、Cr(III)、Mn(II)、Mn(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ni(II)、Cu(II)、Zr(IV)、Pt(IV)等が挙げられる。

【0042】
上記(1)~(7)の条件を満たして構築される本発明の環状の多核金属錯体化合物は、結晶化の条件、又は用いる配位子及び金属化合物の混合比によって、核数、空孔の大きさ、形状等を制御することができる。本発明においては、核数としては、分子内に空孔を有することができる核数であれば、特に制限されず、8以上を好ましく例示することができる。核数の上限は、特に限定されないが30を好ましく例示することができ、12~16をさらに好ましく例示することができ、その空孔の径については、1nm以上であることを好ましく例示することができる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
[参考例1]
【化7】
JP2020063246A_000009t.gif
【実施例】
【0045】
氷冷下、化合物1(2.39g、5.00mmol)の塩化メチレン(Super dehydrated、50ml)溶液にN-ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)(1.15g、9.99mmol、2eq)、塩酸 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド(EDCI・HCl)(1.92g、10.0mmol、2eq)を加え、10分間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。再び氷冷し、0.5M NHジオキサン溶液(40ml、20mmol、4eq)を加え、10分撹拌後、室温で1時間撹拌した。塩化メチレンを減圧留去した後、反応液にクロロホルム(50ml)を加え、1M HCl水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去することにより化合物2を2.88g(粗生成物)、無色フォームとして得た。
【実施例】
【0046】
上記で得られた粗生成物である化合物2(1.63g)のエタノール(28ml)/ジオキサン(14ml)溶液にNHNH・HO(0.20ml、4.1mmol、4eq)を加え、80℃で5時間加熱した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、不溶物を濾別した後、溶媒を留去した。残渣(1.04g)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Universal Premium L、展開溶媒クロロホルム:メタノール=99:1(5分)から85:15(30分)、流速:15ml/分)にて精製し、化合物3を905mg(収率92%)無色固体として得た。
1H-NMR (600MHz,DMSO-d6) δ : 7.79 (s, 1H), 7.00 (s, 1H)(CONH2), 6.50 (t, 2H, J
= 6.3 Hz, BocNH), 3.11 (dd, 2H, J = 14.0, 6.4 Hz), 3.06 (dd, 2H, J = 14.2, 6.6Hz) (BocNHCH2), 2.54 (s, 2H, NH2CH2), 1.43 (s,9H), 1.40 (s, 9H) (Boc) ;
13C-NMR(150MHz,DMSO-d6) δ : 175.7 (CONH2), 156.4 (t-BuOCO×2), 78.3 (Me3COCO×2), 52.1 ((CH2)3CCONH2),43.0 , 41.5 (CH2×2), 28.3 (t-Bu×2).
HRMS (ESI) [AA-2016-05A] ; m/z= [M+H]+347.2282, C15H31N4O5requires347.2289.
なお、上記化学式中、Bocは、t-ブトキシカルボニル基を表し、NPhtは、N-フタルイミド基を表す。以下の化学式においても同様である。
【実施例】
【0047】
【化8】
JP2020063246A_000010t.gif
【実施例】
【0048】
化合物1(459mg、0.96mmol、1.1eq)、化合物3(302mg、0.87mmol、1.0eq)を塩化メチレン(Super dehydrated、15ml)に溶解し、氷冷下ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(170mg、1.32mmol、1.5eq)の塩化メチレン(Super dehydrated、1.0ml)溶液、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)(397mg、1.04mmol、1.2eq)を加え、同温で30分、室温にて19時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチル(60ml)に溶解し、飽和重曹水、0.5M重硫酸カリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣(841mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、Universal Premium L、展
開溶媒 クロロホルム:メタノール=98:2(30分)、流速15ml/分)及び(SiO、ChromatorexSI-50、Size 60、展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム:メ
タノール=50:50:0(3分)から47.5:47.5:5(20分)、流速:15ml/分)にて精製し、化合物4を677mg(収率96%)無色フォームとして得た。1H-NMR (600MHz, DMSO-d6) δ: 7.87-7.83 (m, 4H, Pht ) , 7.65 (brs, 1H, CONHCH2), 7.16(brs, 1H), 7.03 (brs, 1H) (CONH2), 6.50 (br, 4H, BocNH), 3.67 (s,2H, PhtNHCH2), 3.35-3.30 (overlapped with H2O), 3.21-3.15(m, 6H), 2.94 (dd, 2H, J = 14.5, 6.2 Hz) (CONHCH2C, BocNHCH2),1.36 (s), 1.34 (s) (36H, Boc); 13C-NMR (150MHz, MeOH-d4) δ: 177.3, 174.7 (CO×2), 170.5 (Pht), 158.8,158.8, 158.5, 158.4 (t-BuOCO×4), 135.6, 133.2, 124.4(Pht), 80.7, 80.6 (Me3COCO×4), 53.6, 53.3(CCONH2,
(CH2)3CCONH), 42.7, 42.6, 42.4, 42.3, 41.1, 40.9 (CH2×6), 28.7 (t-Bu×4). HRMS
(ESI) ; m/z = [M+Na]+ 828.4090, C38H59N7O12Narequires 828.4114.
【実施例】
【0049】
【化9】
JP2020063246A_000011t.gif
【実施例】
【0050】
化合物4(160mg、0.20mmol)のエタノール(2ml)/ジオキサン(1ml)溶液にNHNH・HO(0.04ml、0.8mmol、4eq)を加え、80℃に4時間加熱した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、不溶物を濾別した後、溶媒を留去し、残渣144mgを得た。同様に化合物4(490mg、0.61mmol)のエタノール(6ml)/ジオキサン(3ml)溶液にNHNH・HO(0.12ml、2.5mmol、4eq)を加え、80℃に3時間加熱し、後処理することにより残渣444mgを得た。両方の残渣を合わせフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Chromatorex SI-50, Size 60、展開溶媒 クロロホルム:メタノール=99:1(5分)から85:15(30分)、流速:12ml/分)にて精製し、化合物5を478mg(88%)無色フォームとして得た。
1H-NMR (600MHz, DMSO-d6) δ : 8.51(brs, 1H, CONHCH2), 7.21 (brs, 1H), 7.08 (brs, 1H) (CONH2),6.55 (brt, 4H, J = 5.1 Hz, BocNH), 3.19 (s, 2H, CONHCH2C), 3.11-3.04(m, 8H, BocNHCH2), 2.57 (s, 2H, NH2CH2), 1.75(br, 2H, NH2), 1.38 (s), 1.37 (s) (36H, Boc); 13C-NMR(150MHz, MeOH-d4) δ : 177.5, 175.6 (CO×2), 159.0, 158.8, (t-BuOCO×4), 80.8, 80.5(Me3COCO×4), 54.8, 53.4 (CCONH2,(CH2)3CCONH), 43.0, 42.0, 41.9, 40.9 (CH2×6), 28.7 (t-Bu×4). HRMS (ESI) ; m/z = [M+H]+676.4212,
C30H58N7O10requires 676.4240.
【実施例】
【0051】
【化10】
JP2020063246A_000012t.gif
【実施例】
【0052】
化合物5(268mg、0.40mmol、1.0eq)、N-t-ブトキシカルボニルグリシン(Boc-Gly-OH、105mg、0.60mmol、1.5eq)を塩化メチレン(Super dehydrated、7.0ml)に溶解し、氷冷下DIEA(77mg、0.60mmol、1.5eq)の塩化メチレン(Super dehydrated、1.0ml)溶液、HATU(181mg、0.48mmol、1.2eq)を加え、同温で30分、室温にて20時間撹拌した。反応液を濃縮後、酢酸エチル(50ml)を加え、飽和重曹水、0.5M重硫酸カリウム水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去した。残渣(345mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、 Universal Premium M、展開溶媒 クロロホルム:メタノール=98:2(30min)、流速:10ml/分)にて精製し、化合物6を308mg(収率93%)無色フォームとして得た。
1H-NMR (600MHz, DMSO-d6) δ : 7.79(brs, 1H), 7.66 (brs, 1H) (NH), 7.24 (t, 1H, J = 5.6 Hz , BocNHCH2CONH),7.20 (s, 1H), 7.05 (s, 1H) (CONH2), 6.59 (t, 2H, J =
6.4 Hz), 6.54 (t, 2H, J = 6.2 Hz) (BocNH), 3.52 (d, 2H, J = 5.6 Hz, BocNHCH2CO),3.26 (d, 2H, J = 5.6 Hz), 3.21-3.16 (m, 6H), 3.00-2.95 (m, 4H) (CONHCH2C,BocNHCH2), 1.38 (s), 1.36 (s) (45H, Boc); 13C-NMR(150MHz, MeOH-d4) δ : 177.4, 174.8, 173.7(CO×3), 158.9, 158.7, 158.5 (t-BuOCO×5), 80.8, 80.7, 80.5 (Me3COCO×5),54.2, 53.3 (CCONH2, (CH2)3CCONH), 45.0(BocNHCH2CO ), 42.3, 42.2, 40.9, 39.6 (CH2×6), 28.8, 28.7 (t-Bu×5). HRMS (ESI) ; m/z =[M+Na]+ 855.4763, C37H68N8O13Narequires 855.4798.
【実施例】
【0053】
【化11】
JP2020063246A_000013t.gif
化合物6(289mg、0.35mmol)の塩化メチレン(Super dehydrated、12ml)溶液にトリフルオロ酢酸(TFA)(0.80ml、10.4mmol、30eq)を加え、室温にて撹拌した。17時間後反応液を減圧濃縮し、残渣をメタノールと共沸することにより化合物7を339mg(粗生成物)ほぼ無色の粘性フォームとして得た。
1H-NMR (600MHz, D2O) δ : 3.73 (s,2H, CH2), 3.61 (s, 2H, CH2), 3.58 (s, 2H, CH2),3.25 (d, J = 14.6 Hz, 2H, H2NCH2), 3.21 (d, J = 13.4 Hz,2H, H2NCH2), 3.15 (d, J = 14.6 Hz, 2H, H2NCH2),3.14 (d, J = 13.4 Hz, 2H, H2NCH2).
【実施例】
【0054】
【化12】
JP2020063246A_000014t.gif
【実施例】
【0055】
化合物7の水(4.0ml)溶液をメンブランフィルター(TORAST Disk:Nylon
、φ25mm、0.45μm)にて濾過し、透明な溶液を得た。この溶液をAmberlite IRA-400J(OH form、35ml)にチャージし、水で溶出した。ニンヒドリン陽性のフラクションを集め、濃縮、一晩減圧乾燥することにより化合物8を104.3mg(収率91%)無色フィルム状物質として得た。
1H-NMR (600MHz, D2O) δ : 3.43 (d,J= 19.8 Hz), 3.39 (d, J = 19.8 Hz) (3.43-3.39, 4H, CH2), 3.25 (s,2H, H2NCH2CO), 2.71 (d, J = 12.0 Hz), 2.70 (s), 2.66 (d,J = 13.9 Hz) (2.71-2.66, 8H, H2NCH2); 13C-NMR(150MHz, D2O) δ : 178.5, 176.2, 176.0 (CO×3), 52.9, 52.5 (CCONH2, (CH2)3CCONH),43.6 (H2NCH2CO), 42.1, 41.9, 39.5,
39.4 (CH2×6). HRMS (ESI) ; m/z = [M+H]+333.2360, C12H29N8O3requires333.2357.
【実施例】
【0056】
[参考例2]
【化13】
JP2020063246A_000015t.gif
【実施例】
【0057】
5(205mg、0.30mmol、1.0eq)、N-t-ブトキシカルボニルチロシン(Boc-Tyr-OH、128mg、0.46mmol、1.5eq)のCHCl(Super dehydrated、5.0ml)溶液に、氷冷下DIEA(59mg、0.46mmol、1.5eq)のCHCl(Super dehydrated、1.0ml)溶液、HATU(138mg、0.36mmol、1.2eq)を加え、同温で30分、室温にて19時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により原料の消失を確認した後、反応液を濃縮し、EtOAc(50ml)を加え、飽和重曹水、0.5Maq.KHSO、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。残渣(318mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Universal Premium M、CHCl:MeOH=99:1(10min)~98:2(10min)~85:15(15min)、Flow rate:10ml/min)にて精製し、9を無色フォームとして得た(265mg、収率93%)。
1H-NMR(600MHz, DMSO-d6) δ : 9.16 (s, 1H, HOC6H4),7.81 (s, 1H), 7.64 (s, 1H) (NH), 7.19 (s), 7.10-7.02 (m) (CONH2),7.10 (d, J = 7.3 Hz) (BocNHCHCONH), 7.03 (d, J = 8.3 Hz) (HOC6H4)(5H), 6.63 (d, J = 8.4 Hz, HOC6H4), 6.55-6.52 (m, 4H,BocNH), 3.98 (brs, 1H, BocNHCHCONH), 3.21-3.14 (m, 8H), 3.01 (dd, J = 13.7, 6.0Hz), 2.95-2.92 (m) (4H) (CONHCH2C, BocNHCH2), 2.83 (dd,1H, J = 14.0, 4.7 Hz), 2.64 (dd, 1H, J = 13.4, 10.1 Hz) (CH2C6H4OH),1.38 (s), 1.36 (s), 1.36 (s) (36H), 1.31 (s, 9H) (Boc).
13C-NMR(150MHz, MeOH-d4) δ : 177.4, 175.7, 174.8(CO×3), 159.0, 158.7, 157.9, 157.3 (t-BuOCO×5), 131.3, 129.3, 116.3 (HOC6H4), 80.8, 80.8,80.7, 80.6 (Me3COCO×5), 58.4 (BocNHCHC6H4OH),54.1, 53.4 (CCONH2, (CH2)3CCONH), 42.5, 42.4,42.0, 41.0, 40.0 (CH2×6), 37.9 (CH2C6H4OH),28.8, 28.8 (t-Bu×5).
HRMS (ESI) ; m/z = [M+Na]+961.5184, C44H74N8O14Na requires961.5217.
【実施例】
【0058】
【化14】
JP2020063246A_000016t.gif
【実施例】
【0059】
15(218mg、0.23mmol)のCHCl(Super dehydrated、8.0ml)溶液にTFA(0.54ml、7.1mmol、31 eq)を加え、室温にて撹拌した。18時間後反応液を減圧濃縮し、残渣をMeOHと共沸することにより粗生成物295mgを得た。全てのBoc基が脱保護されていることをHNMRにより確認した。この粗生成物をHO(8.0ml)に溶解し、TORAST Disk (Nylon、φ25mm、0.45μm)にて濾過した後、濃縮し、一晩減圧乾燥することにより10を無色アモルファスとして得た(239.1mg、収率quant.)。
1H-NMR (600MHz, D2O) δ : 7.07 (d, 2H, J = 8.3 Hz), 6.79 (d, 2H, J = 8.3 Hz) (HOC6H4),4.14 (t, 1H, J = 7.7 Hz, BocNHCHCONH), 3.63 (s, 2H), 3.60 (d, J = 15.2 Hz),3.56 (d, J = 15.2 Hz) (2H) (CH2), 3.28 (d, J = 14.3 Hz), 3.27 (d, J= 14.1 Hz) (2H), 3.21-3.18 (m, 3H), (H2NCH2), 3.05 (dd,1H, J = 14.1, 7.3 Hz), 2.99 (dd, J = 14.1, 8.0 Hz) (CH2C6H4OH),2.99 (d, J = 14.3 Hz) (2H), 2.94 (d, 1H, J = 14.1 Hz), 2.88 (d, 1H, J = 14.1Hz) (H2NCH2).
13C-NMR(150MHz, D2O) δ : 173.6, 173.4, 172.9 (CO×3), 164.3 (q, J = 35.6 Hz, CF3CO2H), 156.5, 132.0,126.7 (HOC6H4), 117.6 (q, J = 291.6 Hz, CF3CO2H),117.2 (HOC6H4), 55.8 (BocNHCHCONH), 50.1, 49.9 (CCONH2,(CH2)3CCONH), 41.9, 41.5, 41.4, 41.2, 41.0 (CH2×6), 37.6 (CH2C6H4OH).
HRMS (ESI) ; m/z = [M+H]+ ofthe free base 439.2786, C19H35N8O4 requires439.2776.
【実施例】
【0060】
[参考例3]
【化15】
JP2020063246A_000017t.gif
【実施例】
【0061】
5(200mg、0.30mmol、1.0eq)のCHCl(Super dehydrated、5.0ml)に、N-t-ブトキシカルボニルアスパラギン(Boc-Asn-OH、104mg、0.45mmol、1.5eq)を加えた。氷冷下、DIEA(77mg、0.60mmol、1.5eq)のCHCl(Super dehydrated、1.0ml)溶液を加えた。続いて、HATU(134mg、0.35mmol、1.2eq)を加え、同温で30分、室温にて20時間撹拌した。TLCにより原料の消失を確認した後、反応液を濃縮し、EtOAc(30ml)を加え、飽和重曹水、0.5Maq.KHSO、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を芒硝乾燥後、溶媒を留去した。残渣(268mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、Universal Premium M、CHCl:MeOH=99:1(7min)~98:2(7min)~85:15(15min)、Flow rate:10ml/min)にて精製し、11を無色フォームとして得た(232mg、収率88%)。
1H-NMR (600MHz, DMSO-d6) δ : 7.85 (brs, 1H), 7.67 (brs, 1H) (NH), 7.33 (s, 1H), 7.21 (s, 1H)(CONH2), 7.13 (d, 1H, J = 7.3 Hz , BocNHCHCONH), 7.05 (s, 1H), 6.96(s, 1H) (CONH2), 6.58 (brs), 6.53 (brs) (4H) (BocNH), 4.17 (q, 1H, J= 6.9 Hz, BocNHCHCO), 3.24-3.16 (m, 8H), 3.00-2.88 (m, 4H) (CONHCH2C,BocNHCH2), 2.46 (dd, 1H, J = 15.2, 5.3 Hz), 2.39 (dd, 1H, J = 15.4,8.0 Hz) (H2NCOCH2CH), 1.38 (s), 1.37 (s) (45H, Boc).
13C-NMR(150MHz, MeOH-d4) δ : 177.4, 175.1, 175.0,174.9 (CO×4), 158.9, 158.9, 158.7, 158.6, 157.7(t-BuOCO×5), 81.0, 80.7, 80.5, 80.5 (Me3COCO×5), 54.3, 53.4, 53.3 (BocNHCHCO, CCONH2, (CH2)3CCONH),42.5, 42.4, 42.3, 42.1, 41.0, 39.8 (CH2×6),37.8 (H2NCOCH2CH), 28.8, 28.7 (t-Bu×5).
【実施例】
【0062】
【化16】
JP2020063246A_000018t.gif
【実施例】
【0063】
11(201mg、0.23mmol)のCHCl(Super dehydrated、8.0ml)溶液にTFA(0.52ml、6.8mmol、30eq)を加え、室温にて撹拌した。20時間後反応液を減圧濃縮し、残渣をMeOHと共沸することにより12・5TFAを、ほぼ淡黄色の粘性フォームとして得た(338mg(curde))。全てのBoc基が脱保護されていることをHNMRにより確認した。12・5TFAのHO(3.0ml)溶液をTORAST Disk (Nylon、φ25mm、0.45μm)にて濾過し、透明な溶液を得た。この溶液をAmberlite IRA-400J(OH form、25ml)にチャージし、HOで溶出した。ニンヒドリン陽性のフラクションを集め、濃縮、一晩減圧乾燥することにより12を無色フィルム状物質として得た(82.3mg、収率94%)。
1H-NMR (600MHz, D2O) δ : 3.64 (t, 1H, J = 6.8 Hz) (H2NCHCO), 3.45 (d, 1H, J =14.2 Hz), 3.41 (s, 2H), 3.34 (d, 1H, J = 14.3 Hz) (CH2), 2.72-2.65(m, 8H) (H2NCH2), 2.55 (dd, 1H, J = 15.1, 6.5 Hz), 2.48(dd, 1H, J = 15.0 , 7.1 Hz) (H2NCH2CH).
13C-NMR(150MHz, D2O) δ : 178.4, 176.5, 176.1, 175.3(CO×4), 52.8, 52.5 (CCONH2, (CH2)3CCONH),51.7 (H2NCHCO), 42.1, 42.1, 41.9, 39.7, 39.4, 39.4 (CH2×6).
【実施例1】
【0064】
化合物8(100μmol)の水溶液(350μL)に、Ni(NO・6HO(27.67mg、95μmol)の水溶液(95μL)を加えた。混合物をろ過した後、室温でゆっくりと溶媒を留去することにより濃縮した。紫色の針状結晶が溶液は半分の容量まで濃縮された2日後に得られ、それらを集め、空気中で乾燥させて、2価のNi錯体1を7.06mg(収率14%)で得た。なお、X線構造解析及びその他の方法で、対アニオン部分の決定できなかったので、仮定の分子量(M.W. 7211.54560 (C168H392N140Ni14O126:M14L14(NO3)28 M=Ni, L=化合物8)をもとに収率を計算した。また、得られたNi錯体1に対して、元素分析を行った結果を以下に示す。
元素分析: C, 27.48; H, 5.54; N, 26.80% (計算値: C, 27.98; H, 5.48; N, 27.19 for M14L14(NO3)28,C, 27.57, H, 5.56, N, 26.79% for M14L14(NO3)28・6H2O)
なお、得られた2価のNi錯体1の結晶につき、X線回折装置(Bruker Smart APEX IIUltra、線源:Mo(Kα))を用いてX線結晶構造解析を行った。ORTEP図を図2に、結晶データを表1にそれぞれ示す。
なお、X線構造解析では、結晶に含まれる対アニオン、溶媒を特定することができなかったので、表1における化学式は、観測された範囲での化学式である。以下表2~5においても同様である。
【実施例1】
【0065】
【表1】
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【実施例2】
【0066】
化合物8(100μmol)の水溶液(350μL)に、Ni(NO・6HO(27.62mg、95μmol)の水溶液(95μL)を加えた。混合物をメンブランフィルター(0.45μm)でろ過した後、溶液を60℃で1時間加熱した。その後、ゆっくりとした蒸気拡散によって、1日かけて、この溶液にメタノールを添加した。得られた粉末をろ過し、空気中で乾燥し、Ni錯体2を紫色の粉末として得た(21.1mg)。
得られた紫色の粉末(3.70mg)を水(50μL)に溶解した。その後、20℃で、蒸気拡散により4日かけてアセトニトリルを前記水溶液に添加し、平板状の結晶を得た。あアセトニトリルの代わりにメタノールを用いても同様の平板状の結晶を得ることができた。
なお、得られた平板状結晶のNi錯体2については、X線結晶構造解析を行った。そのORTEP図を図3に、結晶データを表2に示す。
【実施例2】
【0067】
【表2】
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【実施例3】
【0068】
化合物8(100μmol)の水溶液(350μL)に、Ni(NO・6HO(29.08mg、100μmol)の水溶液(100μL)を加えた。混合物をろ過した後、その後、室温で3日間蒸気拡散により、アセトニトリルを添加した。(結晶は、水/アセトニトリルの容量比が0.84になった時に得られた。)紫色のブロック状と平板状のNi錯体が得られた。結晶は集められ、空気中で乾燥された(11.42mg)。なお、溶媒をアセトニトリルに代えてメタノールで行っても同様に紫色のブロック状と平板状のNi錯体が得られた。
なお、主生成物として得られたブロック状結晶のNi錯体3については、X線結晶構造解析を行った。そのORTEP図を図4に、結晶データを表3に示す。
なお、平板状のNi錯体は、Ni錯体2であった。
【実施例3】
【0069】
【表3】
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【実施例4】
【0070】
化合物8(100μmol)の水溶液(580μL)に、重炭酸ナトリウム(16.8mg、200μmol)の水溶液(200μL)を加え、さらに、Ni(NO・6HO(58.25mg、200μmol)の水溶液(400μL)を加えた。溶液の色が、紫色からダークオレンジ色に変わった後、溶液をろ過し、室温でゆっくりと溶媒を留去することにより濃縮した。オレンジ色の針状結晶が溶液は半分の容量まで濃縮された2日後に得られ、それらを集め、空気中で乾燥させて、2価のNi錯体4を17.03mg(収率28%)で得た。なお、外部の湿度、温度によって含まれる水のモル数が変わるので、熱重量分析から推定される分子量をもとに収率を計算した。
なお、得られた2価のNi錯体4の結晶につき、X線結晶構造解析を行った。ORTEP図を図5に、結晶データを表4にそれぞれ示す。
【実施例4】
【0071】
【表4】
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【実施例4】
【0072】
金属化合物の量を増やし、さらに塩基を用いることで、同じ金属化合物及び配位子を用いて空孔の径が異なる環状の多核金属錯体5を形成することができた。なお、得られた錯体5の構造は、非特許文献1のものと同様の構造であった。
【実施例5】
【0073】
化合物8(100μmol)の水溶液(580μL)に、Ni(TfO)・6HO(35.68mg、100μmol)の水溶液(1mL)を加えた。混合物をメンブランフィルター(0.45μm)でろ過した後、容量が20%になるまで濃縮した。濃縮された溶液を室温で1日静置した。トリフルオロメタンスルホン酸塩であるNi錯体6を紫色の平板状結晶として得た。
なお、得られた2価のNi錯体6の結晶につき、X線結晶構造解析を行った。ORTEP図を図6に、結晶データを表5にそれぞれ示す。
【実施例5】
【0074】
【表5】
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【実施例6】
【0075】
ペプチド分子(C12H28N8O3)と3つのジカチオン性Mg原子(3Mg2+)、3つのキレートリガンド(C9H22N6O2、2つのC4H11N3O)及び2つのアンモニア分子を組み合わせて形成されるモデル配位錯体(C29H78N22Mg3O7)の、最適化された平衡構造(EQ)を計算により予測した。計算方法は以下に示すとおりである。
モデル配位錯体の初期ジオメトリから開始して、量子化学パッケージプログラム(Gaussian09)に含まれるPM6の半経験的分子軌道理論により、EQを得た。次に、PM6を利用して、ポテンシャルエネルギー表面(PES)の立体配座検索を行った。特に、可能な異性化経路のフル検索を回避するために、振動運動を50方向に制限し非調和的下向き歪み方法(the large ADD (anharmonic downward distortion) following method)のオプションを使用して、PESでの上り坂方向にGlobal Reaction Route Mapping(GRRM)プログラムを使用した。また、指定された原子間距離の解離後のポテンシャルエネルギー検索の継続を回避するために、すべての共有結合とNiリガンド結合の検索プロセス中に結合長の判断を使用した。得られた最安定配座を量子化学計算(ωB97XD/6-311G)で最適化した。
計算結果から、上記したNiを用いた環状の多核金属錯体の部分構造と一致する構造がモデル配位錯体の最適なEQであることがわかった(図8参照)。このことは、Mg(II)を用いた場合でも、上記Ni錯体と同様の環状の多核金属錯体を形成することが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明によって、柔軟なトリペプチドを利用した分子内に有する空孔の径が今までない巨大空間を持つ柔軟な構造体の形成が可能になった。この環状の多核金属錯体を用いることにより、生体内部で起こっている様々な反応を人工的に再現できるようになり、本発明は、生体機能の解明また、その機能を利用した効率の良い物の生産方法の開発に有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
6
【図8】
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