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明細書 :液滴生成方法および液滴生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-054983 (P2020-054983A)
公開日 令和2年4月9日(2020.4.9)
発明の名称または考案の名称 液滴生成方法および液滴生成装置
国際特許分類 B05D   1/26        (2006.01)
B05D   3/00        (2006.01)
B05C   5/00        (2006.01)
B05B   1/02        (2006.01)
FI B05D 1/26 Z
B05D 3/00 B
B05C 5/00 101
B05B 1/02 102
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 12
出願番号 特願2018-189391 (P2018-189391)
出願日 平成30年10月4日(2018.10.4)
発明者または考案者 【氏名】田中 健太郎
出願人 【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100091982、【弁理士】、【氏名又は名称】永井 浩之
【識別番号】100091487、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 行孝
【識別番号】100082991、【弁理士】、【氏名又は名称】佐藤 泰和
【識別番号】100105153、【弁理士】、【氏名又は名称】朝倉 悟
【識別番号】100152205、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 昌司
【識別番号】100120385、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 健之
審査請求 未請求
テーマコード 4D075
4F033
4F041
Fターム 4D075AC00
4D075AC88
4D075BB13Y
4D075BB48Y
4D075BB81Y
4D075CA35
4D075EA05
4F033BA03
4F033CA07
4F041AB01
4F041BA10
要約
【課題】液滴を所望の位置に形成することができる液滴生成方法および液滴生成装置を提供する。
【解決手段】第1部材の第1端面と、第2部材の第2端面との間に液体を保持させ、第1端面に接する液体の第1接触線で囲まれる第1領域の幾何中心と、第2端面に接する液体の第2接触線で囲まれる第2領域の幾何中心と、を結ぶ線分の中点に液滴が形成されるように、液体を破断させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1部材の第1端面と、第2部材の第2端面との間に液体を保持させ、
前記第1端面に接する前記液体の第1接触線で囲まれる第1領域の幾何中心と、前記第2端面に接する前記液体の第2接触線で囲まれる第2領域の幾何中心と、を結ぶ線分の中点に液滴が形成されるように、前記液体を破断させる液滴生成方法。
【請求項2】
前記第1領域と前記第2領域とは、同一形状である、請求項1に記載の液滴生成方法。
【請求項3】
前記第1端面と前記第2端面とは、同一形状であり、
前記第1領域は、前記第1端面の全領域であり、
前記第2領域は、前記第2端面の全領域である、請求項2に記載の液滴生成方法。
【請求項4】
前記第1端面における他の領域よりも濡れ性のよい前記第1端面における第3領域と、前記第2端面における他の領域よりも濡れ性のよい前記第2端面における第4領域とは、同一形状であり、
前記第1領域は、前記第3領域と同じであり、
前記第2領域は、前記第4領域と同じである、請求項2に記載の液滴生成方法。
【請求項5】
前記第1領域の幾何中心を通り前記第1端面に直交する前記第1領域の第1中心軸は、前記第2領域の幾何中心を通り前記第2端面に直交する前記第2領域の第2中心軸と一致している、請求項2~4のいずれか1項に記載の液滴生成方法。
【請求項6】
前記第1接触線が前記第1端面上で移動せず、かつ、前記第2接触線が前記第2端面上で移動しないように前記第1部材および/または前記第2部材を移動させることで、前記液体を破断させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の液滴生成方法。
【請求項7】
前記第1端面と前記第2端面とが離間するように前記第1部材および/または前記第2部材を移動させることで前記液体を破断させる、請求項1~6のいずれか1項に記載の液滴生成方法。
【請求項8】
前記中点が移動しないように前記第1部材と前記第2部材との双方を移動させる、請求項7に記載の液滴生成方法。
【請求項9】
前記第1部材および前記第2部材は、同一形状の柱状体である、請求項1~8のいずれか1項に記載の液滴生成方法。
【請求項10】
前記中点を捕捉手段の捕捉位置に一致させた状態で前記液体を破断させる、請求項1~9に記載の液滴生成方法。
【請求項11】
前記中点を、前記捕捉手段の捕捉位置としての、レーザ光の焦点、超音波音場の音圧の節、または前記液体に電圧を印加する電極間に一致させた状態で前記液体を破断させる、請求項10に記載の液滴生成方法。
【請求項12】
第1端面を有する第1部材と、
前記第1端面との間に液体を保持可能な第2端面を有する第2部材と、
前記第1端面に接する前記液体の第1接触線で囲まれる第1領域の幾何中心と、前記第2端面に接する前記液体の第2接触線で囲まれる第2領域の幾何中心と、を結ぶ線分の中点に液滴が形成されるように、前記第1端面と前記第2端面との間に保持された液体を破断させる破断部と、を備える液滴生成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴生成方法および液滴生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、微小な液滴を生成するための種々の技術が提案されていた。例えば、特許文献1には、ノズルから射出された液柱に周期的な振動を付与することによって液柱を周期的に分裂させることで微小液柱を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】国際公開WO2016/170951
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、液滴を所望の位置に形成することについて有効な提案がなされていないのが実情であった。
【0005】
そこで、本発明は、液滴を所望の位置に形成することができる液滴生成方法および液滴生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る液滴生成方法は、
第1部材の第1端面と、第2部材の第2端面との間に液体を保持させ、
前記第1端面に接する前記液体の第1接触線で囲まれる第1領域の幾何中心と、前記第2端面に接する前記液体の第2接触線で囲まれる第2領域の幾何中心と、を結ぶ線分の中点に液滴が形成されるように、前記液体を破断させる。
【0007】
前記液滴生成方法において、
前記第1領域と前記第2領域とは、同一形状であってもよい。
【0008】
前記液滴生成方法において、
前記第1端面と前記第2端面とは、同一形状であり、
前記第1領域は、前記第1端面の全領域であり、
前記第2領域は、前記第2端面の全領域であってもよい。
【0009】
前記液滴生成方法において、
前記第1端面における他の領域よりも濡れ性がよい前記第1端面における第3領域と、前記第2端面における他の領域よりも濡れ性がよい前記第2端面における第4領域とは、同一形状であり、
前記第1領域は、前記第3領域と同じであり、
前記第2領域は、前記第4領域と同じであってもよい。
【0010】
前記液滴生成方法において、
前記第1領域の幾何中心を通り前記第1端面に直交する前記第1領域の第1中心軸は、前記第2領域の幾何中心を通り前記第2端面に直交する前記第2領域の第2中心軸と一致していてもよい。
【0011】
前記液滴生成方法において、
前記第1接触線が前記第1端面上で移動せず、かつ、前記第2接触線が前記第2端面上で移動しないように前記第1部材および/または前記第2部材を移動させることで、前記液体を破断させてもよい。
【0012】
前記液滴生成方法において、
前記第1端面と前記第2端面とが離間するように前記第1部材および/または前記第2部材を移動させることで前記液体を破断させてもよい。
【0013】
前記液滴生成方法において、
前記中点が移動しないように前記第1部材と前記第2部材との双方を移動させてもよい。
【0014】
前記液滴生成方法において、
前記第1部材および前記第2部材は、同一形状の柱状体であってもよい。
【0015】
前記液滴生成方法において、
前記中点を捕捉手段の捕捉位置に一致させた状態で前記液体を破断させてもよい。
【0016】
前記液滴生成方法において、
前記中点を、前記捕捉手段の捕捉位置としての、レーザ光の焦点、または超音波音場の音圧の節、または前記液体に電圧を印加する電極間に一致させた状態で前記液体を破断させてもよい。
【0017】
本発明の一態様に係る液滴生成装置は、
第1端面を有する第1部材と、
前記第1端面との間に液体を保持可能な第2端面を有する第2部材と、
前記第1端面に接する前記液体の第1接触線で囲まれる第1領域の幾何中心と、前記第2端面に接する前記液体の第2接触線で囲まれる第2領域の幾何中心と、を結ぶ線分の中点に液滴が形成されるように、前記第1端面と前記第2端面との間に保持された液体を破断させる破断部と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、液滴を所望の位置に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態による液滴生成装置を示す図である。
【図2】第1の実施形態による液滴生成装置の動作例において、液体の供給工程を示す図である。
【図3】第1の実施形態による液滴生成装置の動作例において、液体の保持工程を示す図である。
【図4】第1の実施形態による液滴生成装置の動作例において、第1部材および第2部材の移動工程を示す図である。
【図5】第1の実施形態による液滴生成装置の動作例において、液体の破断工程を示す図である。
【図6】第2の実施形態による液滴生成装置の動作例において、第2部材の移動工程を示す図である。
【図7】第3の実施形態による液滴生成装置を示す図である。
【図8】第4の実施形態による液滴生成装置の動作例において、液体の保持工程を示す図である。
【図9】第4の実施形態による液滴生成装置の動作例において、第1部材および第2部材の移動工程を示す図である。
【図10】第4の実施形態による液滴生成装置の動作例において、液体の破断工程を示す図である。
【図11】第5の実施形態による液滴生成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図面の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張している場合がある。

【0021】
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。

【0022】
また、本明細書において用いる、部材表面の濡れ性の程度を特定する、例えば「親水性」「疎水性」等の用語については、液体が「水」である場合を想定している。しかし、液体は水に限定されることはなく、油やその他の物質でもよい。液体に濡れやすいことを「親水性」、濡れにくいことを「疎水性」の用語で代表して表現する。

【0023】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による液滴生成装置1を示す図である。液滴生成装置1は、第1部材2と、第2部材3と、破断部4とを備える。

【0024】
第1部材2は、第1端面21を有する。図1の例において、第1部材2は、円柱形状の柱状体であり、第1端面21は、柱状体の一端に設けられた円形面である。第1端面21は、その全面が親水性を有する。第1端面21の全面が親水性を有するようにするため、例えば、第1部材2の全体をステンレス等の親水性材料で形成してもよく、または、第1端面21以外の第1部材2を疎水性材料で形成し、第1端面21のみに親水性材料をコーティング等で形成してもよい。

【0025】
第2部材3は、第1端面21との間に架橋液体LIBを保持可能な第2端面31を有する。架橋液体LIBは、例えば、主成分として水を含有する。図1の例において、第2部材3は、円柱形状の柱状体であり、第2端面31は、第1端面21側の柱状体の一端に設けられた円形面である。すなわち、第2部材3は、第1部材2と同一形状の柱状体である。第2端面31は、その全面が親水性を有する。第2端面31の全面が親水性を有するようにするため、例えば、第2部材3の全体をステンレス等の親水性材料で形成してもよく、または、第2端面31以外の第2部材3を疎水性材料で形成し、第2端面31のみに親水性材料をコーティング等で形成してもよい。

【0026】
破断部4は、第1端面21の第1領域A1の幾何中心C1と、第2端面31の第2領域A2の幾何中心C2と、を結ぶ線分Lの中点Pに液滴が形成されるように、第1端面21と第2端面31との間に保持された架橋液体LIBを破断させる。

【0027】
ここで、第1領域A1とは、第1端面21に接する架橋液体LIBの第1接触線CL1で囲まれる第1端面21上の領域である。第2領域A2とは、第2端面31に接する架橋液体LIBの第2接触線CL2で囲まれる第2端面31上の領域である。

【0028】
図1の例において、破断部4は、第1端面21と第2端面31とが離間するように第1部材2と第2部材3との双方を図1の矢印で示される互いに反対方向に移動させるアクチュエータである。

【0029】
中点Pに液滴を形成するため、第1領域A1と第2領域A2とは同一形状である。より詳しくは、図1の例において、第1端面21と第2端面31とは同一形状であり、第1領域A1は、第1端面21の全領域であり、第2領域A2は、第2端面31の全領域である。なお、本実施形態では、第1端面21および第2端面31は円形であるが、その他の形状(例えば、楕円形や多角形など)であってもよい。

【0030】
より高い位置精度で中点Pに液滴を形成するため、第1領域A1の幾何中心C1を通り第1端面21に直交する第1領域A1の第1中心軸は、第2領域A2の幾何中心C2を通り第2端面31に直交する第2領域A2の第2中心軸と一致している。図1の例において、第1中心軸および第2中心軸は、線分Lに一致している。

【0031】
さらに、より高い位置精度で中点Pに液滴を形成するため、破断部4は、第1接触線CL1が第1端面21上で移動せず、かつ、第2接触線CL2が第2端面31上で移動しないように、第1部材2および第2部材3を移動させることで架橋液体LIBを破断させる。例えば、破断部4は、第1部材2および第2部材3を中心軸方向に沿って移動させることで、第1接触線CL1が第1端面21上で移動せず、かつ、第2接触線CL2が第2端面31上で移動しないようにする。

【0032】
次に、図1の液滴生成装置1の動作例について説明する。図2は、第1の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、液体LIの供給工程を示す図である。

【0033】
先ず、図2に示すように、第1端面21と第2端面31との間に液体供給装置6によって液体LIを供給する。液体供給装置6は、例えば、マイクロピペットおよびマイクロピペットの駆動装置である。液体LIの供給は、例えば、破断部4によって第1部材2と第2部材3とを端面21、31の中心軸方向に離間させた状態で、第1端面21および第2端面31のいずれか一方に液体LIが付着するように行う。

【0034】
図3は、第1の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、架橋液体LIBの保持工程を示す図である。第1端面21と第2端面31との間に液体LIを供給した後、破断部4によって、第1端面21と第2端面31との中心軸を一致させた状態で、第1端面21と第2端面31とが近接するように第1部材2および第2部材3を移動させる。そして、第1端面21と第2端面31との双方に液体LIが接する位置まで第1部材2および第2部材3が移動すると、図3に示すように、第1端面21の全面および第2端面31の全面に液体LIが濡れ広がり、第1端面21と第2端面31との間に架橋液体LIBが保持される。すなわち、第1端面21と第2端面31との間に液体架橋が形成される。

【0035】
このとき、第1端面21の全面に架橋液体LIBが濡れ広がっていることで、第1端面21に接する架橋液体LIBの第1接触線CL1は、第1端面21の外周端に一致している。すなわち、第1接触線CL1で囲まれた第1端面21の第1領域A1は、第1端面21の全領域に一致している。また、第2端面31の全面に架橋液体LIBが濡れ広がっていることで、第2端面31に接する架橋液体LIBの第2接触線CL2は、第2端面31の外周端に一致している。すなわち、第2接触線CL2で囲まれた第2端面31の第2領域A2は、第2端面31の全領域に一致している。

【0036】
また、このとき、図3に示すように、端面21、31の中心軸方向に直交する架橋液体LIBの断面の面積は、第1端面21および第2端面31の位置において最大であり、中点Pの位置において最小である。

【0037】
図4は、第1の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、第1部材2および第2部材3の移動工程を示す図である。

【0038】
第1端面21と第2端面31との間に架橋液体LIBを保持した後、図4に示すように、破断部4によって第1端面21と第2端面31とが離間するように第1部材2および第2部材3を第1端面21および第2端面31の中心軸方向に沿って移動させる。このとき、破断部4は、例えば、第1部材2および第2部材3を、同一速度で移動させる。この場合、中点Pの位置は第1部材2および第2部材3の移動工程で変化せず、液滴Dの形成予定位置にあり続ける。

【0039】
第1部材2および第2部材3の移動に伴って、第1端面21と第2端面31との間に保持された架橋液体LIBは、第1端面21および第2端面31の中心軸方向に引き伸ばされる。このとき、架橋液体LIBの第1接触線CL1は、第1端面21の外周端にピン止めされて移動せず、また、架橋液体LIBの第2接触線CL2は、第2端面31の外周端にピン止めされて移動しない。すなわち、端面21、31の中心軸方向に直交する架橋液体LIBの断面の面積は、第1端面21および第2端面31の位置において変化せず、それ以外の位置で縮小する。

【0040】
図5は、第1の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、架橋液体LIBの破断工程を示す図である。

【0041】
第1部材2および第2部材3を反対方向に移動させることによって第1端面21と第2端面31との距離が所定の距離に達したとき、第1端面21と第2端面31との間に保持された架橋液体LIBの破断(架橋破断)が生じる。

【0042】
図5に示すように、架橋液体LIBが破断することで、中点Pに液滴Dが形成される。なお、図3~図5の例では、第1端面21の中心軸と第2端面31の中心軸とを一致させた状態で第1部材2と第2部材3とを離間させていたが、第1端面21の中心軸と第2端面31の中心軸とをずらした状態で第1部材2と第2部材3とを離間させてもよい。

【0043】
上記のように、第1の実施形態によれば、予め意図された中点Pに液滴Dが形成されるように架橋液体LIBを破断させることで、液滴Dを所望の位置に形成することができる。

【0044】
また、第1の実施形態によれば、第1端面21の全領域と第1端面21と同一形状の第2端面31の全領域との間に架橋液体LIBを保持することで、簡易な手法で高い位置精度で液滴Dを中点Pに形成することができる。

【0045】
また、第1の実施形態によれば、第1端面21の第1中心軸と第2端面31の第2中心軸とを一致させることで、より高い位置精度で液滴Dを中点Pに形成することができる。

【0046】
また、第1の実施形態によれば、第1接触線CL1および第2接触線CL2を移動させずに架橋液体LIBを破断させることで、より高い位置精度で液滴Dを中点Pに形成することができる。

【0047】
また、第1の実施形態によれば、中点Pが移動しないように第1端面21と第2端面31とが離間する方向に第1部材2および第2部材3の双方を移動させることで、より高い位置精度で液滴Dを中点Pに形成することができる。また、液滴Dの体積を容易に制御することもできる。

【0048】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、移動工程において第1部材2および第2部材3の一方のみを移動させる点で第1の実施形態と異なる。図6は、第2の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、第2部材3の移動工程を示す図である。

【0049】
第1の実施形態では、中点Pが移動しないように第1部材2および第2部材3の双方を移動させていた。これに対して、第2の実施形態において、破断部4は、第2部材3のみを移動させることで第1端面21と第2端面31との間に保持された架橋液体LIBを引き伸ばす。架橋液体LIBの引き伸ばしにともなって、中点Pは第2部材3の移動方向に移動する。

【0050】
そして、第1の実施形態と同様に、第1端面21と第2端面31との距離が所定の距離に達したとき、第1端面21と第2端面31との間に保持された架橋液体LIBが破断して、中点Pに液滴Dが形成される。

【0051】
第2の実施形態によれば、第2部材3のみを移動させることで、第1部材2と第2部材3との双方を移動させる場合に比べて破断部4(すなわち、アクチュエータ)の構造を簡略化することができる。

【0052】
(第3の実施形態)
次に、第1端面21の親水性領域と第2端面31の親水性領域との間に架橋液体LIBを保持する第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態による液滴生成装置1を示す図である。第1の実施形態においては、第1端面21の全面と第2端面31の全面との間に架橋液体LIBを保持していた。これに対して、第3の実施形態においては、第1端面21の親水性領域と第2端面31の親水性領域との間に架橋液体LIBを保持する。

【0053】
具体的には、第1端面21は、親水性の第3領域A3を有する。図7の例において、第3領域A3は、第1端面21の中心側の所定範囲の円形領域である。第3領域A3の外側の第1端面21は、疎水性を有する。第3領域A3は、例えば、疎水性材料で形成された第1部材2の第1端面21を親水性材料で部分的にコーティングすることで形成することができる。

【0054】
また、第2端面31は、親水性の第4領域A4を有する。図7の例において、第4領域A4は、第2端面31の中心側の所定範囲の円形領域である。第4領域A4の外側の第2端面31は、疎水性を有する。第4領域A4は、例えば、疎水性材料で形成された第2部材3の第2端面31を親水性材料で部分的にコーティングすることで形成することができる。

【0055】
そして、第3領域A3と第4領域A4とは、同一形状である。なお、本実施形態では、第3領域A3および第4領域A4は円形であるが、その他の形状(例えば、楕円形や多角形など)であってもよい。

【0056】
第3の実施形態においては、第3領域A3と第4領域A4との間に架橋液体LIBを保持した状態で第1端面21と第2端面31とが離間するように第1部材2および第2部材3を移動させることで、第1端面21と第2端面31との距離が所定の距離に達したときに、第3領域A3と第4領域A4との間に保持された架橋液体LIBが破断して中点Pに液滴Dが形成される。

【0057】
第3の実施形態によれば、第1端面21上に親水性の第3領域A3を設け、第2端面31上に親水性の第4領域A4を設け、第3領域A3と第4領域A4との間に保持した架橋液体LIBを破断することで、第1端面21および第2端面31の形状および大きさの制約を緩和しつつ、所望の位置に液滴Dを高い位置精度で形成することができる。

【0058】
(第4の実施形態)
次に、中点Pをレーザ光の焦点に一致させた状態で架橋液体LIBを破断させる第4の実施形態について説明する。図8は、第4の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、架橋液体LIBの保持工程を示す図である。図9は、第4の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、第1部材2および第2部材3の移動工程を示す図である。図10は、第4の実施形態による液滴生成装置1の動作例において、架橋液体LIBの破断工程を示す図である。

【0059】
図8~図10に示すように、第4の実施形態における液滴生成装置1は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、レーザ光Laを照射するレーザ照射装置6を有する。

【0060】
図8に示すように、破断部4は、レーザ照射装置6から照射されるレーザ光Laの焦点に中点Pを一致させた状態で、第1端面21と第2端面31との間に架橋液体LIBを保持する。

【0061】
次いで、図9に示すように、破断部4は、レーザ光Laの焦点に中点Pを一致させた状態で、第1端面21と第2端面31とが離間するように第1部材2および第2部材3を反対方向に移動させる。

【0062】
そして、図10に示すように、第1端面21と第2端面31との距離が所定の距離に達したときに、レーザ光Laの焦点に中点Pが一致した状態で、架橋液体LIBが破断して中点Pに液滴Dが形成される。中点Pに形成された液滴Dはレーザ光Laに保持される。

【0063】
第4の実施形態によれば、レーザ光Laの焦点を中点Pに一致させることで、中点Pに形成した架橋液体LIBをレーザ光Laによって中点Pに安定的に保持することができる。

【0064】
また、第4の実施形態によれば、従来の光ピンセット法、またはレーザ光の代わりに音場や静電気力を用いて液滴を捕捉する音響トラップ法や静電浮遊法による液滴の捕捉に比べて、液滴を高い精度で、効率的に捕捉することができる。 なお、第4の実施形態では、中点Pを、捕捉手段の捕捉位置としてのレーザ光Laの焦点に一致させた状態で架橋液体LIBを破断させることで液滴Dを保持している。本発明は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、音響トラップ法や静電浮遊法等の光ピンセット法以外の手法を用いて液滴Dを保持してもよい。音響トラップ法を用いる場合、中点Pを、捕捉手段の捕捉位置としての超音波音場の音圧の節に一致させた状態で架橋液体LIBを破断させることで液滴Dを保持する。静電浮遊法を用いる場合、中点Pを、捕捉手段の捕捉位置としての架橋液体LIBに電圧を印加する電極間に一致させた状態で架橋液体LIBを破断させることで液滴Dを保持する。静電浮遊法では、電極間に印加する電圧を制御することで、帯電した状態の液滴Dを電極間に浮遊させて保持することができる。

【0065】
(第5の実施形態)
次に、第1部材2および第2部材3を板状体とする第5の実施形態について説明する。図11は、第5の実施形態による液滴生成装置1を示す図である。第1の実施形態では、第1部材2および第2部材3が柱状体であった。これに対して、第5の実施形態における第1部材2および第2部材3は、板状体である。

【0066】
図7と同様に、第1端面21上には、親水性の第3領域A3が設けられ、第2端面31上には、親水性の第4領域A4が設けられている。

【0067】
第5の実施形態によれば、第1部材2および第2部材3の形状および大きさの制約を緩和しつつ、中点Pに液滴Dを適切に形成することができる。

【0068】
なお、上述した実施形態では、破断部4として、第1部材2および第2部材3を移動させるアクチュエータを例示した。破断部4は、アクチュエータに限定されず、例えば、第1端面21および第2端面31を加熱するヒータであってもよい。または、破断部4は、第1端面21および第2端面31に振動を付与するバイブレータであってもよい。これらの場合でも、架橋液体LIBを蒸発または振動させて破断することで、中点Pに液滴Dを形成することが可能である。

【0069】
上述した実施形態は、あくまで一例であって、発明の範囲を限定するものではない。発明の要旨を逸脱しない限度において、上述した実施形態に対して種々の変更を行うことができる。変更された実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 液滴生成装置
2 第1部材
21 第1端面
3 第2部材
31 第2端面
4 破断部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10