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明細書 :ヘッドマウントディスプレイ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-118963 (P2020-118963A)
公開日 令和2年8月6日(2020.8.6)
発明の名称または考案の名称 ヘッドマウントディスプレイ
国際特許分類 G02B  27/02        (2006.01)
G02B  30/00        (2020.01)
H04N  13/339       (2018.01)
H04N  13/32        (2018.01)
H04N  13/398       (2018.01)
H04N  13/344       (2018.01)
H04N  13/122       (2018.01)
H04N   5/64        (2006.01)
FI G02B 27/02 Z
G02B 27/22
H04N 13/339
H04N 13/32
H04N 13/398
H04N 13/344
H04N 13/122
H04N 5/64 511A
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 20
出願番号 特願2020-002348 (P2020-002348)
出願日 令和2年1月9日(2020.1.9)
優先権出願番号 2019008855
優先日 平成31年1月22日(2019.1.22)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】高木 康博
出願人 【識別番号】504132881
【氏名又は名称】国立大学法人東京農工大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000877、【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
審査請求 未請求
テーマコード 2H199
5C061
Fターム 2H199BA06
2H199BA18
2H199BA29
2H199BA67
2H199BA69
2H199BB02
2H199BB17
2H199BB18
2H199BB43
2H199BB44
2H199BB48
2H199BB52
2H199CA02
2H199CA03
2H199CA12
2H199CA23
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA47
2H199CA70
2H199CA73
2H199CA84
2H199CA85
2H199CA88
2H199CA97
5C061AA01
5C061AB14
5C061AB18
要約 【課題】輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労を被ることなく立体像を視ることが可能なヘッドマウントディスプレイディスプレイを提供する。
【解決手段】HMD10は、1つの元画像をシフトすることにより複数の視差画像を画面上に生成する画像生成装置13、画面上に生成される画像の虚像を複数の視点のそれぞれから観察可能にする結像装置11a,11b、及び画像生成装置を制御して複数の視差画像を順次画面上に生成するとともに、この視差画像の虚像を複数の視点のうちの対応する視点から観察可能にする制御装置を備え、複数の視点の間隔はユーザの瞳孔径より小さいとする。複数の視差画像をそれぞれアイボックス内の異なる視点を介して映し出すことで、各視点を介して視ることのできる複数の視差画像のそれぞれについて被写界深度が拡大し、それによって輻輳性調節に応じて眼のピントが自然に立体像に合うようになり、視覚疲労を軽減することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の視差画像を一面上に生成する画像生成装置と、
前記一面上に生成される画像の虚像を、ユーザの少なくとも一方の眼のアイボックス内に配列される複数の視点のそれぞれから観察可能にする結像装置と、
前記画像生成装置を制御して前記複数の視差画像を順次、前記一面上に生成するとともに、該一面上に生成された視差画像の虚像を前記結像装置を制御して前記複数の視点のうちの対応する視点から観察可能にする制御装置と、
を備えるヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記結像装置は、前記一面を介して、前記アイボックス内の複数の視点にそれぞれ光を送る複数の光源を有し、
前記制御装置は、前記結像装置を制御して前記複数の光源を順次、点灯するとともに、該光源の点灯と同期して、前記画像生成装置を制御して前記複数の視差画像を順次、前記一面上に生成する、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記制御装置は、前記結像装置を制御して前記複数の光源から選択される一部の光源を順次、点灯する、請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記結像装置は、前記一面を介して、前記アイボックス内の複数の視点に光を送る共通の光源及び前記アイボックス内又は近傍に配置されて前記共通の光源からの光を遮断する複数のシャッタを有し、
前記制御装置は、前記結像装置を制御して前記複数のシャッタを順次、開放するとともに、該シャッタの開放と同期して、前記画像生成装置を制御して前記複数の視差画像を順次、前記一面上に生成する、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
前記結像装置は、前記一面を介して、前記アイボックス内の複数の視点に光を送る共通の光源、該光源の光を前記複数の視点のうちのいずれかに集光する少なくとも1つの光学素子、並びに前記共通の光源及び前記光学素子のうちの少なくとも1つを主視線に交差する方向に移動する第1の駆動装置を有し、
前記制御装置は、前記第1の駆動装置を制御して前記共通の光源及び前記光学素子のうちの少なくとも1つをユーザが画像のちらつきを感じない速度で移動するとともに、該移動と同期して、前記画像生成装置を制御して前記複数の視差画像を順次、前記一面上に生成する、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
前記複数の視差画像は、元画像を、前記複数の視点のそれぞれの位置に応じて前記一面に平行な少なくとも一軸方向にシフトして生成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
前記画像生成装置は、前記元画像を表示する画面を、前記一面に平行な少なくとも一軸方向に移動する第2の駆動装置を含む、請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項8】
前記第2の駆動装置は、前記画面を縦方向及び横方向にそれぞれ移動する2つの駆動装置を含み、前記横方向の移動ストロークは前記縦方向の駆動ストロークより長い、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項9】
前記画像生成装置は、電界を印加することで前記一面に平行な少なくとも一軸方向に光路シフトする液晶パネルにより元画像を前記一面に平行な少なくとも一軸方向にシフトする、請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項10】
前記複数の視点の間隔は、前記ユーザの瞳孔径より小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項11】
前記結像装置は、前記複数の視差画像の虚像をそれぞれユーザの左眼及び右眼の一方のアイボックス内に配列される複数の視点から観察可能にする、請求項1から10のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項12】
前記画像生成装置は、さらに、別の複数の視差画像を前記一面に生成し、
前記結像装置は、さらに、前記一面上に生成される画像の虚像を、ユーザの他方の眼のアイボックス内に配列される別の複数の視点のそれぞれから観察可能にし、
前記制御装置は、さらに、前記画像生成装置を制御して前記別の複数の視差画像を順次、前記一面上に生成するとともに、該一面上に生成された視差画像の虚像を前記結像装置を制御して前記別の複数の視点のうちの対応する視点から観察可能にする、請求項1から10のいずれか一項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想現実(VR)技術及び拡張現実(AR)技術の研究開発が進み、医療、設計などのプロフェッショナル分野からゲーム、娯楽などの一般コンシューマ分野までの幅広い分野における利用が期待されるようになった。VR技術及びAR技術では、頭部に装着するディスプレイ装置であり、左右の眼のそれぞれに対応する視差画像を虚像として表示することでユーザに対して立体像を映し出すヘッドマウントディスプレイ(HMD)が使用される(例えば、特許文献1参照)。なお、このように左右の眼に対応する視差画像を表示する立体表示方式を二眼式立体表示(単に、二眼表示とも呼ぶ)と呼ぶ。HMDでは、特に画角が大きい広角な立体像を表示することにより、ユーザに高い没入感を与えることができる。
【0003】
二眼式立体表示では、輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労により長時間の利用が妨げられ、若年者の利用が制限されるという問題がある(例えば、特許文献2参照)。ここで、輻輳は、注視点が網膜の中心にくるように左右の眼球が回転したとき、眼球の回転角情報より三角測量の原理で奥行きを知覚する。調節は、人間の眼は注視点に対して自動的にピントを合わせるが、眼のピント合わせ情報より奥行きを知覚する。左右の眼に対応した視差画像を表示面に表示すると、左右の眼球が回転して立体像を捉えることで輻輳により立体像の奥行きを正しく知覚する一方、両眼のピントは視差画像を表示している表示面に合うため調節によっては立体像の奥行きを正しく知覚することができない。輻輳と調節の間には相互作用があり輻輳により知覚した奥行きに眼のピントを誘導する輻輳性調節と呼ばれる作用があるが、これが二眼式立体表示による立体像に対しては機能できない。このように、輻輳と調節との間の矛盾により視覚疲労が生じると言われている。VR技術及びAR技術においては、虚像を数m先から無限遠までの遠方に結像し、立体像を近方の手作業空間に表示して立体像をインタラクティブに操作することがあり、輻輳と調節との間の矛盾はより深刻である。
【0004】
上記の問題に対して、非特許文献1には、立体像を高速で時分割表示するDMD及び光軸方向の任意の位置に立体像を結像するための可変焦点距離ミラーを用いて、光軸方向に複数の像を結像する立体表示方式が開示されている。この方式では、それぞれの結像面に対する被写界深度を連結してこれを実質的に広げることで、立体像への眼のピント合わせを可能にする。しかし、高速表示するディスプレイ、可変焦点距離ミラー等の高価なデバイスが必要となる。また、そのようなデバイスの有効径が小さいためHMDの画角が小さくなるという問題もある。
【0005】
また、非特許文献2には、センサを用いて眼の輻輳位置を検出し、可変焦点距離レンズを用いることにより又はモータを用いてディスプレイを移動させることにより検出した位置に虚像を結像することで、輻輳と調節による奥行き知覚位置を一致させる表示方式が開示されている。この方式では、眼の輻輳位置を高精度で検出するセンサが必要になる。可変焦点距離レンズを用いる方法では、可変焦点距離レンズの有効径が小さいため画角が小さくなるという問題もある。また、モータを用いてディスプレイを移動させる方法では、ディスプレイの移動量が数mmと大きいため輻輳位置の移動に高速に追従駆動できないという問題もある。
【0006】
また、非特許文献3には、フラットパネルディスプレイに取り付けられたレンズアレイにより光線の進行方向を制御するインテグラルイメージング方式の立体表示方式が開示されている。光線密度を増して光線群を高密度に制御することで立体像への眼のピント合わせが可能になる。この方式では、高い解像度を有するディスプレイを必要とする。
【0007】
図11に、メガネなし立体表示を実現する多眼式立体表示(単に、多眼表示とも呼ぶ)の原理を示す。多眼表示では、空間に複数の視点を設定し、各視点位置からその位置に応じた視差を有する視差画像が観察されるようにすることで、立体メガネを装着しなくとも、運動視差を有する立体表示を可能とする。このような立体表示においても、二眼式立体表示と同様に、両眼に異なる視差画像を表示することで立体視を可能にするので輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労が生じる。ここで、図12A及び図12Bに示すように視点間隔を眼の瞳孔径以下と小さくして、2つ以上の視点が瞳孔内に入るように複数の視点を設定すると(これを超多眼式立体表示、或いは単に超多眼表示と呼ぶ)、ディスプレイのスクリーンから出射した2本以上の光線が立体像の一点を通り、次いで異なる視点を通って同時に瞳孔内に入る。このとき、図12Aに示すように眼のピントを立体像に合わせた場合、光線が網膜上の一点に集光するのに対して、図12Bに示すようにスクリーン上に合わせた場合、光線は網膜上の一点に集光しない。従って、輻輳性調節により、眼のピントが輻輳により誘導されて立体像に移動した場合にボケが少ない立体像を観察することができ、これにより輻輳調節矛盾が解決して視覚疲労を解消することができる。
【0008】
眼の被写界深度、すなわち眼球結像系において事実上ボケがない網膜像が得られる物体の光軸方向の存在範囲は、眼球結像系の瞳の大きさによって決まる。図13Aに示すように、視点間隔が瞳孔径より大きい多眼表示では、スクリーンの1点から出射した光線は視点位置において視点間隔程度の広がりを有するため、眼の被写界深度は眼球結像系の瞳である瞳孔径によって決まる。図13Bに示すように、超多眼表示では、光線の広がりとなる視点間隔は瞳孔径より小さくなりこれが実質的な瞳の大きさを与えるため、眼の被写界深度は視点間隔によって決まる。ここで、被写界深度の大きさは瞳孔径に反比例するため、超多眼表示は眼の被写界深度を拡大する効果をもつ。その拡大された被写界深度内に立体像が表示されると、網膜に映る像にボケを知覚されなくなるため、輻輳性調節によって眼のピントが自然に立体像に合うこととなる。
特許文献1 国際公開第2015/137165号
特許文献2 特開平9-297282号公報
非特許文献1 X. Hu and H. Hua, "High-resolution optical see-through multi-focal-plane head-mounted display using freeform optics," Optics Express, vol.22, 13896 (2014).
非特許文献2 N. Padmanaban, R. Konrad, T. Stramer, E. A. Cooper, and G. Wetzstein, "Optimizing virtual reality for all users through gaze-contingent and adaptive focus displays," Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., vol.114, 2183-2188 (2017).
非特許文献3 D. Lanman and D. Luebke, "Near-eye light field displays," ACM Trans. Graph., vol.32, 220 (2013).
非特許文献4 T. Ueno and Y. Takaki, "Super multi-view near-eye display to solve vergence-accommodation conflict," Opt. Express, vol.26, no.23, 30703-30715 (2018).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、瞳孔径は周囲の明るさによって2~8mmと変化し、平均で5mmであるから、実用的な視域幅を有する超多眼立体ディスプレイを実現するには、多数の視点を発生する必要がある。超多眼表示をHMDに導入した超多眼HMD(例えば、非特許文献4)において、HMDの使用における視覚疲労を解決するためには、左右の眼のそれぞれに対して瞳孔径以下の間隔で視点を形成する必要がある。左右の眼に対する視域(アイボックス)の大きさは10×10mm程度であるから、水平方向と垂直方向に視差を有するフルパララックス表示を行う場合には左右の眼のそれぞれに対して5×5程度の視点が必要となり、水平方向にのみ視差を有する水平視差型表示を行う場合には5程度の視点が必要となる。
【0010】
超多眼HMDの実現方法として、時分割方式及びレンズアレイ方式が考えられる。時分割方式では、ディスプレイを高速に駆動して各視点に画像を表示する。この方式では、ディスプレイの解像度を維持することができるが、視点数に比例して高速に画像表示する高フレームレートなディスプレイを必要とする。レンズアレイ方式では、ディスプレイにレンズアレイを取り付けて視点を発生させる。この方式では、視点数に比例してより高い解像度を有するディスプレイを必要とする。このように、超多眼HMDでは、多数の視点のそれぞれに視差画像を表示できる高価なハードウエアが必要となるため、また多数の視点のそれぞれに対して視差画像をカメラで撮影したりコンピュータで合成する必要があるため、その実現が難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様においては、複数の視差画像を一面上に生成する画像生成装置と、一面上に生成される画像の虚像を、ユーザの少なくとも一方の眼のアイボックス内に配列される複数の視点のそれぞれから観察可能にする結像装置と、画像生成装置を制御して複数の視差画像を順次、一面上に生成するとともに、一面上に生成された視差画像の虚像を結像装置を制御して複数の視点のうちの対応する視点から観察可能にする制御装置と、を備えるヘッドマウントディスプレイが提供される。
【0012】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図2】擬似超多眼HMDの制御系の構成を示す。
【図3A】擬似超多眼表示の一態様(立体像が虚像に対して視点と逆側にある場合)を示す。
【図3B】擬似超多眼表示の一態様(立体像が虚像より視点側にある場合)を示す。
【図4】擬似超多眼HMDにおける眼の被写界深度を示す。
【図5A】擬似超多眼HMDによる疑似超多眼表示の実施例を示す。
【図5B】二眼式立体表示による比較例を示す。
【図6】第1の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図7】第2の実施形態に係る擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図8】第2の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図9】第3の実施形態に係る擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図10】第3の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMDの概略構成を示す。
【図11】多眼式立体表示の原理を示す。
【図12A】超多眼表示の一態様(立体像に眼のピントを合わせた場合)を示す。
【図12B】超多眼表示の一態様(スクリーンに眼のピントを合わせた場合を示す。
【図13A】多眼式立体表示における眼の被写界深度を示す。
【図13B】超多眼立体表示における眼の被写界深度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

【0015】
図1及び図2に、それぞれ、第1の実施形態に係るVR用の擬似超多眼HMD(混乱のない限り、単にHMDと呼ぶ)10の概略構成及びHMD10の制御系の構成を示す。図1及びその他の図面において、ユーザの左眼Ea及び右眼Ebを図面上下方向に並べ、この方向を横方向(図面下方を左方及び図面上方を右方)、図面左右方向を前後方向(図面左方を前方及び図面右方を後方)、横方向及び前後方向のそれぞれに直交する方向を縦方向とする。なお、左眼Ea及び右眼Ebの中心を通って前後方向に延びる基準線を中心線L、左眼Ea及び右眼Ebのそれぞれから中心線Lに平行に図面左に延びる基準線を主視線La,Lbとする。HMD10は、簡便な構成により、輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労を被ることなく立体像を視ることを可能とするものであり、画像生成装置13、左眼用及び右眼用結像装置11a,11b、及び制御装置50を備える。

【0016】
なお、画像生成装置13並びに左眼用及び右眼用結像装置11a,11bの構成各部は、フレーム(不図示)により保持されている。フレームの形状は、一例として、画像生成装置13(の表示装置13d)を内側に保持するよう前面が閉じ、表示装置13dの表示画面を後側から覗くことができるよう背面が開き、表示装置13dを覗く両眼の周囲を覆うよう前面の周囲を側面が囲む形状とする。また、フレームの一側面からユーザの後頭部を周って他側面に接続することで、HMD10をユーザの顔前に装着する装着バンド(不図示)を設けてもよい。なお、ユーザがHMD10を装着した状態において、左眼Ea及び右眼Ebの視域内にそれぞれ視点群Pa,Pbが配置されるよう、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bがフレーム内に保持されているものとする。

【0017】
画像生成装置13は、複数の視差画像を一面上に生成する装置である。ここで、複数の視差画像は、左眼及び右眼のそれぞれについて、1つの元画像を、複数の視点のそれぞれの位置に応じて一面に平行な少なくとも一軸方向にシフトすることにより生成される。表示装置により複数の視差画像を時分割表示する場合、視点数倍のビデオレートを有する表示装置を要するところ、これによれば、複数の視差画像を、1つの元画像からこれを複数の視点のそれぞれの位置に応じて一面に平行な少なくとも一軸方向にシフトすることで簡便に生成することができる。画像生成装置13は、表示装置13d及び駆動装置13cを含む。

【0018】
表示装置13dは、複数の視差画像を画面上に表示する装置であり、液晶パネル等のフラットパネルディスプレイを採用することができる。表示装置13dは、左眼Ea及び右眼Ebの主視線La,Lb上に位置して左眼用及び右眼用視差画像13a,13bをそれぞれ表示する2つの領域を含む。なお、単一の画面を有する表示装置13dに代えて、左眼用及び右眼用視差画像13a,13bをそれぞれ表示する2つの表示装置を使用してもよい。

【0019】
駆動装置13cは、表示装置13dの画面を主視線La,Lbに交差する方向、例えば画面に平行な少なくとも一軸方向に駆動する装置であり、ステッピングモータ、ピエゾ素子等、任意の適当なアクチュエータを採用することができる。本実施形態では、駆動装置13cは、横方向及び縦方向の二軸方向にそれぞれ移動する第1及び第2駆動装置を含んで構成される。ここで、第1駆動装置の(横方向の)移動ストロークは第2駆動装置の(縦方向の)移動ストロークより長くしてもよい。これによれば、人の眼が横方向に長いことに対応して、縦方向より横方向に並ぶ多くの視点に視差画像を生成することができる。また、第1駆動装置の移動速度(例えば、振動速度)は第2駆動装置の移動速度より速いとしてもよい。それにより、第1駆動装置により画面を横方向に複数回シフトし、次いで第2駆動装置により縦方向に1回シフトし、次いで第1駆動装置により画面を横方向を先と逆に複数回シフトし、次いで第2駆動装置により縦方向に1回シフトすることを繰り返すことにより、画面をこれに平行な二軸方向に効率良く移動することができる。例えば、視点群Pa,Pb内の横方向の視点数N及び縦方向の視点数N(全視点数N×N)及び表示装置13dのビデオレートf3Dに対して、横方向の振動数はN3D/2、縦方向の振動数はf3D/2とする。ただし、横方向と縦方向のシフトの行きと帰りの両方で視点形成を行うので、2で割った。

【0020】
上述の構成の画像生成装置13により、駆動装置13cにより、1つの元画像を表示する表示装置13dの画面をこれに平行な二軸方向に移動することで、元画像を二軸方向に順次シフトすることにより疑似的に、複数の視差画像を画面に平行な一面上に生成することができる。なお、シフトの速度は、ユーザが画像のちらつきを感じない程度の速度、例えば30~60Hzとする。これにより、複数の視差画像を生成するために高いビデオレートの表示装置を採用する必要がない。

【0021】
左眼用及び右眼用結像装置11a,11bは、画像生成装置13により表示装置13dの画面上に生成される左眼用及び右眼用視差画像13a,13bの虚像を、それぞれ、ユーザの左眼Ea及び右眼Ebのアイボックス内にそれぞれ配列される視点群Pa,Pbから観察できるように結像する装置である。

【0022】
左眼用結像装置11aは、光源アレイ12a、ミラー16a、結像素子14a,15aを有する。

【0023】
光源アレイ12aは、表示装置13dの画面を介して、左眼Eaのアイボックス内の視点群Paを構成するそれぞれの視点に光を送る複数の光源を有する。光源アレイ12aは、視点群Paを構成する視点と同数の光源を、視点の配列に対応して横方向の一軸方向のみに又は縦方向及び横方向の二軸方向に配列することで構成することができる。本実施形態では、光源アレイ12aは、光源を二軸方向に配列して構成されているものとする。なお、個々の光源として、例えば、LEDを採用することができる。光源アレイ12aは、主視線Laに対して左側に配置される。

【0024】
ミラー16aは、光源アレイ12aから発せられる光を視点群Paに向けて反射する光学素子である。ミラー16aは、主視線La上で、表示装置13dの画面上の左眼用視差画像13aが表示される領域の前方に配置されている。

【0025】
結像素子14a,15aは、それぞれ、左眼用視差画像13aが表示される表示装置13dの画面上の領域に対して前方(すなわち、光源アレイ12a側)及び後方(すなわち、視点群Pa側)に配置される。結像素子15aにより左眼用視差画像13aを虚像表示面Va上に虚像結像するとともに、結像素子14a,15aより構成される結像光学系により光源アレイ12a内の複数の光源を実像結像して視点群Pa内の複数の視点を生成する。それにより、左眼用視差画像13aの虚像が視点群Paのうちの視点から観察できる。結像素子14a,15aとしてレンズ素子を採用することができるが、これらにさらに別の光学素子を組み合わせて光学系を構成してもよい。

【0026】
右眼用結像装置11bは、光源アレイ12b、ミラー16b、結像素子14b,15bを有する。光源アレイ12b、ミラー16b、結像素子14b,15bは、それぞれ、左眼用結像装置11aの光源アレイ12a、ミラー16a、及び結像素子14a,15aと同様に構成される。ただし、中心線Lに対して左右対称に配置される。

【0027】
左眼Ea及び右眼Ebによりそれぞれ左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを介して、表示装置13dの画面上の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを視ると、それらの虚像がそれぞれ虚像表示面Va,Vb上に映し出される。虚像表示面Va,Vbの重複領域において虚像表示面Va上の虚像を左眼Eaにより視ると同時に虚像表示面Vb上の虚像を右眼Ebにより視ることで、両眼から重複領域を臨む領域内で虚像を立体視することができる。つまり、立体像が映し出される。

【0028】
制御装置50は、画像生成装置13を制御して複数の視差画像を順次、一面上に生成するとともに、その一面上に生成された視差画像の虚像を左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを制御してそれぞれ視点群Pa,Pbのうちの対応する視点から観察可能にする装置である。制御装置50として、例えば、マイクロコンピュータを採用することができる。

【0029】
制御装置50は、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを制御して光源アレイ12a,12bのそれぞれの複数の光源を順次、点灯して対応する視点を発生するとともに、この光源の点灯と同期して、画像生成装置13を制御して左眼及び右眼に対する各1つの元画像を表示する表示装置13dの画面を、点灯した光源に対応して発生する視点の位置に応じて画面に平行な一軸方向又は二軸方向にシフトすることにより、複数の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを順次、画面に平行な一面上に生成する。なお、シフトの速度は、ユーザが画像のちらつきを感じない程度の速度、例えば30~60Hzとする。それにより、左眼及び右眼のそれぞれについて、一面上に生成される複数の視差画像の虚像を対応する視点で順次、観察可能にして、複数の視差画像をそれぞれアイボックス内の異なる視点を介して映し出す。

【0030】
なお、光源アレイ12a,12bのそれぞれが有する複数の光源のすべてを使用するに限らず、複数の光源から選択される一部の光源のみを使用することとしてもよい。斯かる場合、制御装置50は、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを制御して、複数の光源のうちの一部の光源を順次、点灯する。それにより、個々のユーザの眼のアイボックスの位置に応じて使用する光源を選択することで、適切に視点をアイボックス内に配置することができる。

【0031】
本実施形態に係るMHD10に対して採用する擬似超多眼表示について説明する。各眼のアイボックスの幅は例えば10mmと小さく、その内に配列する視点の数は横方向及び縦方向のそれぞれについて数個であること、視点間隔は例えば1~5mm程度と小さいことから、各眼に表示すべき複数の視差画像の間の違いは小さい。ここで、立体表示の奥行き範囲(すなわち、立体像9の前後方向の表示範囲)は小さいと仮定することにより、各眼に表示する複数の視差画像は、同一の画像(元画像と呼ぶ)をシフトすることで近似的に生成できる。シフト量は、立体表示の奥行き位置と視点位置に応じて適切に決めることができる。このように、各眼に表示する複数の視差画像を同一の画像から生成する超多眼表示を擬似超多眼表示と呼ぶ。ただし、左右の眼には異なる視差を有する元画像を使用する。

【0032】
図3A及び図3Bに示す擬似超多眼表示の例よりわかるように、視差画像のシフト量sは、立体表示の中心(すなわち、立体像9の表示中心)から視点群Pa,Pbまでの距離z、虚像表示面Va,Vbから視点群Pa,Pbまでの距離l、横方向の視点間隔dを用いて、
s=(1-l/z)d
と与えられる。ただし、立体表示の中心が虚像表示面Va,Vbより視点群Pa,Pb側にあるか、逆側にあるかによって、シフトの方向を逆にする。なお、駆動装置13cによる表示装置13dの画面のシフト量は、結像素子15aの結像倍率Mを用いてs/Mと与えられる。

【0033】
図3Aに、立体像9が虚像表示面Va,Vbに対して視点群Pa,Pbと逆側にある場合の擬似超多眼表示の一例を示す。この例では、一例として、視点群Pa,Pbはそれぞれ横方向に配列された5つの視点Pa~Pa,Pb~Pbを含む。左眼用の視差画像Va~Vaについて、視点Paに対して左に位置する視点Paに対応する視差画像Vaは、左眼に対する視差を有する元画像を視差画像Vaに対してシフト量sだけ左にシフトして生成される。視点Paに対して左に位置する視点Paに対応する視差画像Vaは、元画像を視差画像Vaに対してシフト量sだけ左にシフトして生成される。視点Pa,Paに結像される視差画像も同様に生成される。右眼用の視差画像Vb~Vbについて、視点Pbに対して右に位置する視点Pbに対応する視差画像Vbは、右眼に対する視差を有する別の元画像を視差画像Vbに対してシフト量sだけ右にシフトして生成される。視点Pbに対して右に位置する視点Pbに対応する差画像Vbは、元画像を視差画像Vbに対してシフト量sだけ右にシフトして生成される。視点Pb,Pbに対応する視差画像も同様に生成される。

【0034】
図3Bは、立体像9が虚像表示面Va,Vbより視点群Pa,Pb側にある場合の擬似超多眼表示の一例を示す。この例では、図3Aの例と同様に、視点群Pa,Pbはそれぞれ横方向に配列された5つの視点Pa~Pa,Pb~Pbを含む。左眼用の視差画像Vb~Vbについて、視点Paに対して左に位置する視点Paに対応する視差画像Vaは、左眼に対する視差を有する元画像を視差画像Vaに対してシフト量sだけ右にシフトして生成される。視点Paに対して左に位置する視点Paに対応する視差画像Vaは、元画像を視差画像Vaに対してシフト量sだけ右にシフトして生成される。視点Pa,Paに対応する視差画像も同様に生成される。右眼用の視差画像Vb~Vbについて、視点Pbに対して右に位置する視点Pbに対応する視差画像Vbは、右眼に対する視差を有する別の元画像を視差画像Vbに対してシフト量sだけ左にシフトして生成される。視点Pbに対して右に位置する視点Pbに対応する視差画像Vbは、元画像を視差画像Vbに対してシフト量sだけ左にシフトして生成される。視点Pb,Pbに対応する視差画像も同様に生成される。

【0035】
なお、アイボックス内に縦方向に配列された複数の視点のそれぞれに対応する視差画像も、上の例と同じ原理で、左眼又は右眼に対する視差を有する1つの元画像を上下にシフトすることにより生成することができる。また、アイボックス内に縦方向及び横方向に二次元配列された複数の視点のそれぞれに対応する視差画像も、上の例と同じ原理で、左眼又は右眼に対する視差を有する1つの元画像を上下左右にシフトすることにより生成することができる。

【0036】
図4に、擬似超多眼HMDにおける眼の被写界深度を示す。擬似超多眼表示では、視差画像のシフト量sを変えることで、前後方向に関する立体表示の中心位置を変えることができる。視点間隔d(すなわち、複数の視点のそれぞれの幅)をユーザの瞳孔径より小さくすることにより、各視点を介して視ることのできる複数の視差画像のそれぞれについて、超多眼表示と同様に、眼の被写界深度Dを瞳孔径より定まる深度より拡大する効果が得られる。これにより、擬似超多眼表示においても、拡大された被写界深度内に立体像を表示すると、網膜に映る像にボケを知覚されなくなるため、輻輳性調節によって眼のピントが自然に立体像9に合うこととなる。そのため、輻輳調節矛盾による視覚疲労を軽減することが可能となる。

【0037】
本実施形態に係るHMD10による擬似超多眼立体表示の実施例について説明する。表示装置13dとして、解像度2,560×1,440、画素ピッチ52μm、リフレッシュレート50Hzの液晶パネルを用いた。光源アレイ12a,12bとして、2.5mmピッチ及び8×8配列の2次元白色LEDアレイを用いた。なお、8×8のLEDのうちから選択したN×N個のLEDを使用する。駆動装置13cとして、1回のシフト量33μmを有するリニアタイプのステッピングモータを2つ用いて、表示装置13dの画面を横方向及び縦方向に二次元振動するようにした。一回の二次元振動の間にすべての視点を順次点灯する。

【0038】
ただし、表示装置13dの画面上での各眼への画像表示の解像度は691×691(35.9×35.9mm)とした。視点群Pa,Pbから虚像Va,Vbまでの距離は600mm、結像倍率は15.0倍、虚像の画面サイズは30.0インチ(540×540mm)とした。画角は48.5度である。視点間隔は2.0mmとし、視点数は(N×N=)4×3とした。光源アレイ12a,12bと駆動装置13cの2つのステッピングモータとの同期には小型マイコンを用いた。

【0039】
なお、視点群Pa,Pbから立体像9の表示中心までの距離を800mmとした。この場合の視差画像のシフト量sは0.500mmである。一視点に対応する表示装置13dのシフト量s/Mは33μmであり、ステッピングモータの1回のシフト量に等しい。

【0040】
図5Aに、本実施形態に係るHMD10による疑似超多眼表示の実施例を示す。ここで、立体像は、立方体、球、及び四角錐の3つの物体を用いて構成し、視点群Pa,Pbからの距離(左図)700mm、(中図)800mm、(右図)1,000mmとして左眼用及び右眼用の視差画像をコンピュータグラフィックスにより生成し、表示装置13dの画面上に表示した。網膜像を評価するために、カメラを左眼Eaの位置に置いて、立体像の表示位置にピントを合わせて撮影した結果が図中に示されている。

【0041】
図5Bに、二眼式立体表示による比較例を示す。この例では、駆動装置13cを稼働せず、表示装置13dの画面を移動しなかったことを除いて、上述の実施例と同様に撮影を行った。すなわち、すべての視点に対して同一の視差画像を表示した。比較例では、ピント位置が虚像位置から離れるにつれてボケが大きくなっていることがわかる。その場合、輻輳で知覚した奥行き位置に眼のピントを合わせることができず、輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労が生じる。

【0042】
これに対して、図5Aの実施例では、ボケが小さく、ピント位置を700mmから1,000mmに変えても画像の変化はほとんどないことがわかる。そのため、輻輳で知覚した奥行き位置に眼のピントを合わせることができ、輻輳調節矛盾に起因する視覚疲労を軽減することができる。

【0043】
以上説明したように、本実施形態に係るHMD10によれば、複数の視差画像を一面上に生成する画像生成装置13、一面上に生成される画像の虚像を、ユーザの少なくとも一方の眼のアイボックス内に配列される複数の視点のそれぞれから観察可能にする左眼用及び右眼用結像装置11a,11b、及び画像生成装置13を制御して複数の視差画像を順次、一面上に生成するとともに、この一面上に生成された視差画像の虚像を左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを制御して複数の視点のうちの対応する視点から観察可能にする制御装置50を備える。ここで、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bにより、光源アレイ12a,12bに含まれる複数の光源を順次、点灯して、表示装置13dの画面を介して、アイボックス内の複数の視点にそれぞれ光を送るとともに、これと同期して、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bにより、元画像を表示する表示装置13dの画面を画面に平行な少なくとも一軸方向に移動することで、元画像を少なくとも一軸方向に順次シフトして複数の視差画像を疑似的に順次、画面に平行な一面上に生成する。ここで、複数の視点の間隔は、ユーザの瞳孔径より小さく定められている。人間の瞳孔径は2~8mmで変化して平均5mmであるから、視点間隔は1~5mm程度に設定する。それにより、複数の視差画像をそれぞれアイボックス内の異なる視点を介して映し出すことで、各視点を介して観察できる複数の視差画像のそれぞれについて被写界深度が拡大し、拡大された被写界深度内に立体像を表示すると輻輳性調節により眼のピントが自然に立体像に合うことになり、これにより視覚疲労を軽減することができる。

【0044】
また、左眼用及び右眼用結像装置11a,11bを構成する光学素子には、可変焦点距離レンズなどの特別な光学素子を必要とせず従来のHMDで利用されているミラー、レンズ素子等を利用できるため、低コストで広画角な立体表示を実現することができる。また、表示装置13dの画面に表示する視差画像は、従来の二眼式MHDと同様に左眼及び右眼に対応する2つのみであるから、従来の二眼式MHDにおける画像作成方法及びコンテンツを利用することができる。

【0045】
なお、本実施形態に係るMHD10では、光源アレイ12aは光源を横方向及び縦方向の二軸方向に配列して構成され、それら複数の光源を順次、点灯することで二軸方向に視点を順次、生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を二軸方向にシフトすることで、二軸方向に超多眼効果を得ることとしたが、これに代えて、光源を横方向に配列して光源アレイを構成し、これを用いて横方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を横方向にシフトすることとしてもよい。これにより、横方向に超多眼効果を得ることができる。また、光源を縦方向に配列して光源アレイを構成し、これを用いて縦方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を縦方向にシフトすることとしてもよい。これにより、縦方向に超多眼効果を得ることができる。

【0046】
なお、本実施形態に係るHMD10は両眼用HMDとして構成されるが、同様に、左眼用又は右眼用の片眼用HMDを構成することもできる。

【0047】
図6に、第1の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMD(単に、HMDとも呼ぶ)110の概略構成を示す。HMD110は、一例として右眼に装着するHMDであり、画像生成装置113、右眼用結像装置11b、及び制御装置50(図2参照)を備える。右眼用結像装置11b及び制御装置50は、先述のそれらと同様に構成される。ここで、右眼用結像装置11bは、複数の視差画像の虚像をそれぞれユーザの右眼Ebのアイボックス内に配列される視点群Pbのうちの視点から観察可能にする。

【0048】
画像生成装置113は、表示装置113d及び駆動装置113cを含む。表示装置113dは、右眼用の複数の視差画像を画面上に表示する装置であり、先述の表示装置13dと同様に構成することができる。表示装置113dは、右眼Ebの主視線Lb上に位置して右眼用視差画像113bを表示する。駆動装置113cは、表示装置113dの画面を主視線Lbに交差する方向、例えば画面に平行な少なくとも一軸方向にシフトする装置であり、先述の駆動装置13cと同様に構成することができる。

【0049】
左眼に装着するHMDも、右眼用のHMD110と同様に、ただし左右の構成を逆にすることで構成することができる。

【0050】
上述の構成のHMD110によれば、ユーザの左眼及び右眼の一方に対して映し出される立体像の表示位置をユーザが見る物体の位置に合わせることができ、さらに眼の被写界深度が拡大するため、立体像に眼のピントを合わせ易くなる。

【0051】
図7に、第2の実施形態に係る擬似超多眼HMD(単にMHDとも呼ぶ)20の概略構成を示す。HMD20は、画像生成装置13、左眼用及び右眼用結像装置21a,21b、及び制御装置50(図2参照)を備える。

【0052】
なお、画像生成装置13並びに左眼用及び右眼用結像装置21a,21bの構成各部は、フレーム(不図示)により保持されている。フレームは、先述のHMD10のフレームと同様に構成することができる。

【0053】
画像生成装置13は、先述の画像生成装置13と同様に構成される。

【0054】
左眼用及び右眼用結像装置21a,21bは、画像生成装置13により表示装置13dの画面上に生成される左眼用及び右眼用視差画像13a,13bの虚像を、それぞれ、ユーザの左眼Ea及び右眼Ebのアイボックス内にそれぞれ配列される視点群Pa,Pbから観察可能にする。

【0055】
左眼用結像装置21aは、バックライト22(の領域22a)、結像素子25a、及びシャッタアレイ26aを有する。

【0056】
バックライト22は、表示装置13dの画面を照明し、これを介して左眼Eaのアイボックス内の視点群Paに光を送る光源(共通の光源の一例)である。バックライト22は、一例として、一面から照明光を射出し、表示装置13dの画面の全面を照明するよう構成されている。主視線La上に位置するバックライト22の領域22aから射出される光により左眼用視差画像13aを表示する表示装置13dの画面上の領域を照明し、表示装置13dの画面からの出射光を拡散させることで、左眼用視差画像13aを映し出す光線が左眼Eaのアイボックス全体に拡げられる。

【0057】
結像素子25aは、左眼用視差画像13aが表示される表示装置13dの画面上の領域に対して後方(すなわち、視点群Pa側)に配置される。結像素子25aにより、左眼用視差画像13aを虚像表示面Va上に虚像結像する。結像素子25aとしてレンズ素子を採用することができるが、これらにさらに別の光学素子を組み合わせて光学系を構成してもよい。

【0058】
シャッタアレイ26aは、開閉可能な複数のシャッタを有する装置である。シャッタアレイ26aは、左眼Eaのアイボックス内又は近傍に配置され、複数のシャッタのそれぞれを開閉してバックライト22から射出され、画面を介した光を部分的に通過又は遮断する。シャッタアレイ26aは、視点群Paのうちの視点と同数又はより多数のシャッタを、視点の配列に対応して横方向の一軸方向のみに、縦方向の一軸方向のみに、又は縦方向及び横方向の二軸方向に配列することで構成することができる。シャッタアレイ26aとして、例えば、複数の液晶素子に駆動電圧を印加して光の透過率を制御する液晶シャッタ、微小電気機械システム(MEMS)技術により製造される微小なシャッタを静電力で開閉する静電駆動式のマイクロシャッタアレイ等を採用することができる。

【0059】
シャッタアレイ26aにより、複数のシャッタのそれぞれを開くことで、それぞれの位置に虚像Vaを観察することができる視点が形成される。それにより、視点群Paが発生する。

【0060】
右眼用結像装置21bは、上述のバックライト22(の領域22b)、結像素子25b、及びシャッタアレイ26bを有する。結像素子25b及びシャッタアレイ26bは、それぞれ、左眼用結像装置21aの結像素子25a及びシャッタアレイ26aと同様に構成される。ただし、中心線Lに対して左右対称に配置される。

【0061】
左眼Ea及び右眼Ebによりそれぞれ左眼用及び右眼用結像装置21a,21bを介して、表示装置13dの画面上の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを視ると、それらの虚像がそれぞれ虚像表示面Va,Vb上に映し出される。虚像表示面Va,Vbの重複領域において虚像表示面Va上の虚像を左眼Eaにより視ると同時に虚像表示面Vb上の虚像を右眼Ebにより視ることで、両眼から重複領域を臨む領域内で虚像を立体視することができる。つまり、立体像が映し出される。

【0062】
制御装置50は、左眼用及び右眼用結像装置21a,21bを制御してシャッタアレイ26a,26bのそれぞれの複数のシャッタを順次、開放して複数の視点を順次、発生させるとともに、このシャッタの開放(すなわち、視点の発生)と同期して、画像生成装置13を制御して左眼及び右眼に対する各1つの元画像を表示する表示装置13dの画面を、発生した視点の位置に応じて画面に平行な一軸方向又は二軸方向にシフトすることにより、複数の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを順次、画面に平行な一面上に生成する。それにより、左眼及び右眼のそれぞれについて、一面上に生成される複数の視差画像を対応する視点に順次、結像して、複数の視差画像をそれぞれアイボックス内の異なる視点を介して映し出す。

【0063】
なお、シャッタアレイ26a,26bのそれぞれが有する複数のシャッタのすべてを開閉するに限らず、複数のシャッタから選択される一部のシャッタのみを開閉することとしてもよい。斯かる場合、制御装置50は、左眼用及び右眼用結像装置21a,21bを制御して、複数のシャッタのうちの一部のシャッタを順次、開閉する。それにより、個々のユーザの眼のアイボックスの位置に応じて開閉するシャッタを選択することで、適切に視点をアイボックス内に形成することができる。

【0064】
なお、本実施形態に係るMHD20では、シャッタアレイ26a,26bはシャッタを横方向及び縦方向の二軸方向に配列して構成され、それら複数のシャッタを順次、開閉することで二軸方向に視点を順次、生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を二軸方向にシフトすることで、二軸方向に超多眼効果を得ることとしたが、これに代えて、シャッタを横方向に配列してシャッタアレイを構成し、これを用いて横方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を横方向にシフトすることとしてもよい。これにより、横方向に超多眼効果を得ることができる。また、シャッタを縦方向に配列してシャッタアレイを構成し、これを用いて縦方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を縦方向にシフトすることとしてもよい。これにより、縦方向に超多眼効果を得ることができる。

【0065】
なお、本実施形態に係るHMD20は両眼用HMDとして構成されるが、同様に、左眼用又は右眼用の片眼用HMDを構成することもできる。

【0066】
図8に、第2の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMD(単に、HMDとも呼ぶ)120の概略構成を示す。HMD120は、一例として右眼に装着するHMDであり、画像生成装置113、右眼用結像装置21b、及び制御装置50(図2参照)を備える。画像生成装置113は、第1の変形例に係るMHD110におけるそれと同様に構成される。右眼用結像装置21b及び制御装置50は、第2の実施形態に係るMHD20におけるそれらと同様に構成される。ここで、右眼用結像装置21bは、複数の視差画像をそれぞれユーザの右眼Ebのアイボックス内に配列される視点群Pbのうちの視点に結像する。

【0067】
左眼に装着するHMDも、右眼用のHMD120と同様に、ただし左右の構成を逆にすることで構成することができる。

【0068】
上述の構成のHMD120によれば、ユーザの左眼及び右眼の一方に対して映し出される立体像の表示位置をユーザが見る物体の位置に合わせることができ、さらに眼の被写界深度が拡大するため、立体像に眼のピントを合わせ易くなる。

【0069】
図9に、第3の実施形態に係る擬似超多眼HMD(単にMHDとも呼ぶ)30の概略構成を示す。HMD30は、画像生成装置13、左眼用及び右眼用結像装置31a,31b、及び制御装置50(図2参照)を備える。

【0070】
なお、画像生成装置13並びに左眼用及び右眼用結像装置31a,31bの構成各部は、フレーム(不図示)により保持されている。フレームは、先述のHMD10のフレームと同様に構成することができる。

【0071】
画像生成装置13は、先述の画像生成装置13と同様に構成される。

【0072】
左眼用及び右眼用結像装置31a,31bは、画像生成装置13により表示装置13dの画面上に生成される左眼用及び右眼用視差画像13a,13bの虚像を、それぞれ、ユーザの左眼Ea及び右眼Ebのアイボックス内にそれぞれ配列される視点群Pa,Pbから観察可能にする。

【0073】
左眼用結像装置31aは、光源32a、ミラー36a、結像素子34a,35a、及び駆動装置36を有する。

【0074】
光源32aは、表示装置13dの画面を介して、左眼Eaのアイボックス内の視点群Paのうちのそれぞれの視点に光を送る単一の光源(共通の光源の一例)である。光源として、例えば、LEDを採用することができる。光源32aは、主視線Laに対して左側に配置される。

【0075】
ミラー36aは、光源32aから発せられる光を視点群Paに向けて反射する光学素子である。ミラー36aは、主視線La上で、表示装置13dの画面上の左眼用視差画像13aが表示される領域の前方に配置されている。

【0076】
結像素子34a,35aは、光源32aの光を視点群Paのうちのいずれかの視点に集光する光学素子であり、それぞれ、左眼用視差画像13aが表示される表示装置13dの画面上の領域に対して前方(すなわち、光源32a側)及び後方(すなわち、視点群Pa側)に配置される。結像素子35aにより左眼用視差画像13aを虚像表示面Va上に虚像結像するとともに、結像素子34a,35aより構成される結像光学系により光源32aを実像結像して視点群Pa内の複数の視点を生成する。それにより、左眼用視差画像13aが視点群Paのうちの視点に結像される。結像素子34a,35aとしてレンズ素子を採用することができるが、これらにさらに別の光学素子を組み合わせて光学系を構成してもよい。なお、本実施形態では、結像素子35aは、右眼用結像装置31bの結像素子35bと連結されている。

【0077】
駆動装置36は、結像素子35a(及び35b)を表示装置13dの画面に平行な少なくとも一軸方向に移動して、結像素子35a(及び35b)により生成される視点を移動する装置である。これにより、左眼Ea(及びEb)のアイボックス内に視点群Pa(及びPb)が発生する。

【0078】
駆動装置36は、ステッピングモータ、ピエゾ素子等、任意の適当なアクチュエータを採用することができる。本実施形態では、駆動装置36は、横方向及び縦方向の二軸方向にそれぞれ移動する第3及び第4駆動装置を含んで構成される。ここで、第3駆動装置の(横方向の)移動ストロークは第4駆動装置の(縦方向の)移動ストロークより長くしてもよい。これによれば、人の眼が横方向に長いことに対応して、縦方向より横方向に多くの視点を発生することができる。また、第3駆動装置の移動速度(例えば、振動速度)は第4駆動装置の移動速度より速いとしてもよい。それにより、第3駆動装置により結像素子35a(及び35b)を横方向に複数回シフトし、次いで第4駆動装置により縦方向に1回シフトすることを繰り返すことにより、結像素子35a(及び35b)を二軸方向に効率良く移動することができる。

【0079】
右眼用結像装置31bは、光源32b、ミラー36b、結像素子34b,35b、及び駆動装置36を有する。なお、本実施形態では、駆動装置36は、左眼用及び右眼用結像装置31a,31bで共有されている。光源32b、ミラー36b、結像素子34b,35bは、それぞれ、左眼用結像装置31aの光源32a、ミラー36a、及び結像素子34a,35aと同様に構成される。ただし、中心線Lに対して左右対称に配置される。

【0080】
左眼Ea及び右眼Ebによりそれぞれ左眼用及び右眼用結像装置31a,31bを介して、表示装置13dの画面上の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを視ると、それらの虚像がそれぞれ虚像表示面Va,Vb上に映し出される。虚像表示面Va,Vbの重複領域において虚像表示面Va上の虚像を左眼Eaにより視ると同時に虚像表示面Vb上の虚像を右眼Ebにより視ることで、両眼から重複領域を臨む領域内で虚像を立体視することができる。つまり、立体像が映し出される。

【0081】
制御装置50は、左眼用及び右眼用結像装置31a,31bが共有する駆動装置36を制御して結像素子35a,35bを移動して順次、視点群Pa,Pbのうちの視点を発生するとともに、この結像素子35a,35bの移動と同期して、画像生成装置13を制御して左眼及び右眼に対する各1つの元画像を表示する表示装置13dの画面を、発生した視点の位置に応じて画面に平行な一軸方向又は二軸方向にシフトすることにより、複数の左眼用及び右眼用視差画像13a,13bを順次、画面に平行な一面上に生成する。それにより、左眼及び右眼のそれぞれについて、一面上に生成される複数の視差画像の虚像を対応する視点から順次、観察可能にして、複数の視差画像をそれぞれアイボックス内の異なる視点を介して映し出す。

【0082】
なお、本実施形態に係るMHD30では、駆動装置36により結像素子35a,35bを横方向及び縦方向の二軸方向に移動することで二軸方向に視点を順次、生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を二軸方向にシフトすることで、二軸方向に超多眼効果を得ることとしたが、これに代えて、結像素子35a,35bを横方向に移動することで横方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を横方向にシフトすることとしてもよい。これにより、横方向に超多眼効果を得ることができる。また、結像素子35a,35bを縦方向に移動することで縦方向に視点を生成し、これに合わせて表示装置13dの画面を縦方向にシフトすることとしてもよい。これにより、縦方向に超多眼効果を得ることができる。

【0083】
なお、本実施形態に係るMHD30では、駆動装置36により結像素子35a,35bを移動することで、光源32a,32bの光を集光する位置(すなわち、視点位置)を移動して左眼Ea及び右眼Ebのアイボックス内に視点群Pa,Pbを発生することとしたが、これに代えて、光源32a,32b、ミラー36a,36b、又は結像素子34a,34b等の左眼用及び右眼用結像装置31a,31bに含まれるいずれか1つ又は複数の光学素子を移動することで、視点群Pa,Pbを発生することとしてもよい。

【0084】
なお、本実施形態に係るMHD30では、駆動装置36により結像素子35a,35b等の左眼用及び右眼用結像装置31a,31bに含まれるいずれか1つ又は複数の光学素子を表示装置13dの画面に平行な少なくとも一軸方向に移動することで視点群Pa,Pbを発生することとしたが、これに代えて又はこれに組み合わせて、左眼用及び右眼用結像装置31a,31bに含まれるいずれか1つ又は複数の光学素子を表示装置13dの画面に対して傾斜することで、視点群Pa,Pbを発生することとしてもよい。

【0085】
なお、本実施形態に係るHMD30では、駆動装置36により左眼用及び右眼用結像装置31a,31bにそれぞれ含まれる結像素子35a,35bを共通に移動する構成を採用したが、これに代えて、2つの駆動装置を用いて結像素子35a,35bを個別に移動する構成を採用してもよい。

【0086】
なお、本実施形態に係るHMD30は両眼用HMDとして構成されるが、同様に、左眼用又は右眼用の片眼用HMDを構成することもできる。

【0087】
図10に、第3の変形例に係る単眼用擬似超多眼HMD(単に、HMDとも呼ぶ)130の概略構成を示す。HMD130は、一例として右眼に装着するHMDであり、画像生成装置113、右眼用結像装置31b、及び制御装置50(図2参照)を備える。画像生成装置113は、第1の変形例に係るMHD110におけるそれと同様に構成される。右眼用結像装置31b及び制御装置50は、第3の実施形態に係るMHD30におけるそれらと同様に構成される。ここで、右眼用結像装置31bは、複数の視差画像をそれぞれユーザの右眼Ebのアイボックス内に配列される視点群Pbのうちの視点に結像する。

【0088】
左眼に装着するHMDも、右眼用のHMD130と同様に、ただし左右の構成を逆にすることで構成することができる。

【0089】
上述の構成のHMD130によれば、ユーザの左眼及び右眼の一方に対して映し出される立体像の表示位置をユーザが見る物体の位置に合わせることができ、さらに眼の被写界深度が拡大するため、立体像に眼のピントを合わせ易くなる。

【0090】
なお、第1から第3の実施形態に係るHMD10,20,30及び第1から第3の変形例に係るHMD110,120,130では、元画像を表示する表示装置13d,113dの画面を駆動装置13c,113cにより少なくとも一軸方向に移動することで複数の視差画像を疑似的に生成することとしたが、これに代えて、高いビデオレートの表示装置を用いて、元画像を画面上の表示可能な領域内で少なくとも一軸方向にシフトして時分割表示することで、画面上に複数の視差画像を順次生成してもよい。また、表示装置13d,113dとして、例えば、液晶素子に電界を印加することにより少なくとも一軸方向に光路をシフトするピクセルシフト技術を組み込んだ液晶パネルを光路内に配置することで、元画像を画面内で少なくとも一軸方向に順次シフトして複数の視差画像を疑似的に生成することとしてもよい。

【0091】
なお、AR用のHMDは、第1から第3の実施形態に係るHMD10,20,30及び第1から第3の変形例に係るHMD110,120,130において、例えば、フレームの前面を透光性部材により形成し、画像生成装置13,113を左眼用及び右眼用視差画像をそれぞれ生成する2つの装置に置き換え、それぞれの装置を左眼用及び右眼用結像装置11a,11b,21a,21b,31a,31bとともに主視線La,Lbから横方向に離間して配置し、主視線La,Lb上にハーフミラーを配置することで構成することができる。ハーフミラーにより、光源アレイ12a,12b、バックライト22、又は光源32a,32bから発生され画像生成装置を透過した光を反射するとともに前方の目標物からの光或いは背景光を透過し、それぞれの光を重ねることで、目標物又は背景に立体像を重ねるシースルー機能が実現される。

【0092】
なお、第1から第3の実施形態に係るHMD10,20,30及び第1から第3の変形例に係るHMD110,120,130において、画像生成装置13並びに左眼用及び右眼用結像装置11a,11b,21a,21b,31a,31bにより表示される左眼用及び右眼用視差画像はカラーでもモノクロでもよい。カラーの場合に、色収差を補正する光学系をさらに備えてもよい。

【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
9…立体像、10,20,30…擬似超多眼HMD(HMD)、11a,21a,31a…左眼用結像装置、11b,21b,31b…右眼用結像装置、12a,12b…光源アレイ、13…画像生成装置、13a…左眼用視差画像、13b…右眼用視差画像、13c…駆動装置、13d…表示装置、14a,14b,15a,15b,25a,25b,34a,34b,35a,35b…結像素子、16a,16b…ミラー、22…バックライト、22a,22b…領域、26a,26b…シャッタアレイ、31a…左眼用結像装置、31b…右眼用結像装置、32a,32b…光源、36…駆動装置、36a,36b…ミラー、50…制御装置、110,120,130…単眼用擬似超多眼HMD(HMD)、113…画像生成装置、113b…右眼用視差画像、113c…駆動装置、113d…表示装置、Ea…左眼、Eb…右眼、L…中心線、La,Lb…主視線、Pa,Pb…視点群、Pa~Pa,Pb~Pb…視点、Va,Vb…虚像表示面(虚像)、Va~Va,Vb~Vb…視差画像。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3A】
2
【図3B】
3
【図4】
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【図5A】
5
【図5B】
6
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
10
【図10】
11
【図11】
12
【図12A】
13
【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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