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明細書 :非接触測定システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-117070 (P2019-117070A)
公開日 令和元年7月18日(2019.7.18)
発明の名称または考案の名称 非接触測定システム
国際特許分類 G01N  27/22        (2006.01)
G01V   3/08        (2006.01)
G01R  27/26        (2006.01)
FI G01N 27/22 B
G01V 3/08 D
G01R 27/26 C
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2017-250214 (P2017-250214)
出願日 平成29年12月26日(2017.12.26)
発明者または考案者 【氏名】岩田 史郎
【氏名】今若 直人
【氏名】野村 健一
【氏名】堀井 美徳
【氏名】牛島 洋史
【氏名】鍛冶 良作
出願人 【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】110001243、【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2G028
2G060
2G105
Fターム 2G028BC04
2G028CG07
2G028DH04
2G028HN09
2G028HN14
2G028LR06
2G060AA06
2G060AE17
2G060AF03
2G060AF10
2G060AG06
2G060AG10
2G060AG11
2G060AG15
2G060HA02
2G060HC13
2G060HC14
2G060HC15
2G060KA06
2G105AA01
2G105BB04
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH05
要約 【課題】被測定物による汚染を回避することが可能な非接触測定システムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る非接触測定システムは、静電容量型センサと、前記静電容量型センサの静電容量値を測定する測定部と、を備えた非接触測定システムであって、前記静電容量型センサは、静電容量を形成する静電容量型センサ部と、被測定物を配置する被測定物用容器と、を含み、前記静電容量型センサは、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記被測定物用容器を隔てて前記被測定物とは接触しないように配置され、前記測定部は、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記静電容量型センサの静電容量値を測定することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
静電容量型センサと、
前記静電容量型センサの静電容量値を測定する測定部と、
を備えた非接触測定システムであって、
前記静電容量型センサは、静電容量を形成する静電容量型センサ部と、被測定物を配置する被測定物用容器と、を含み、
前記静電容量型センサは、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記被測定物用容器を隔てて前記被測定物とは接触しないように配置され、
前記測定部は、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記静電容量型センサの静電容量値を測定することを特徴とする非接触測定システム。
【請求項2】
前記被測定物用容器の近傍に、前記被測定物に接触しないように設けられた電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の非接触測定システム。
【請求項3】
前記電極はグラウンドに接地されたグラウンド電極であることを特徴とする請求項2に記載の非接触測定システム。
【請求項4】
前記静電容量型センサ部は、
基材と、
前記基材の第1の表面に形成された第1の電極と、
前記基材の前記第1の表面とは反対側の第2の表面に形成され、前記第1の電極とは面積が異なる第2の電極と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触測定システム。
【請求項5】
制御部と、
前記被測定物についての検出閾値範囲を記憶した記憶部と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記測定部によって測定された静電容量値が前記検出閾値範囲内にあるか否かを判定し、
前記測定された静電容量値が前記検出閾値範囲内にはないと判定した場合、前記被測定物における異常を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非接触測定システム。
【請求項6】
制御部と、
前記被測定物の濃度と前記測定部が測定した静電容量値の変化量との関係に関する検量線を記憶した記憶部と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記検量線において、前記測定部によって測定された静電容量値に対応する濃度を、前記被測定物の濃度とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非接触測定システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型センサを利用して被測定物に起因する静電容量値の変化を非接触で測定するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物体の導電性の有無や導電率を測定する方法として、金属からなる一対の電極を被測定物に接触させ、電極間に流れる電流を測定する手法があった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のような電極を被測定物に接触させる手法では、被測定物が電極に付着することが問題となっている。
【0003】
一方で、特許文献2に記載の手法では、導電率センサを構成する2枚の平板電極を樹脂で覆うことにより被測定物によって電極が汚染されることを防いでいる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平7-55744号公報
【特許文献2】特開平11-304856号公報
【特許文献3】特開2016-19588号公報
【0005】

【非特許文献1】K. Nomura, R. Kaji, S. Iwata, 外8名, “A flexible proximity sensor formed by duplex screen/screen-offset printing and its application to non-contact detection of human breathing”, Scientific Reports 6, 19947 (2016).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に記載の手法であっても、測定プローブとしての樹脂を被測定物に浸す必要があるため、樹脂への被測定物の付着による悪影響を回避できない。さらに、被測定物が高純度物である場合には、測定プローブの浸漬による被測定物の汚染も問題となる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被測定物に起因する静電容量値の変化を非接触で測定することにより、被測定物による汚染を回避する非接触測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る非接触測定システムは、静電容量型センサと、前記静電容量型センサの静電容量値を測定する測定部と、を備えた非接触測定システムであって、前記静電容量型センサは、静電容量を形成する静電容量型センサ部と、被測定物を配置する被測定物用容器と、を含み、前記静電容量型センサは、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記被測定物用容器を隔てて前記被測定物とは接触しないように配置され、前記測定部は、前記被測定物用容器に前記被測定物を配置した状態において前記静電容量型センサの静電容量値を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る非接触測定システムによれば、被測定物に起因する静電容量値の変化を非接触で測定することにより被測定物による汚染を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る非接触測定システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る静電容量型センサの構成の概略図である。
【図3】本発明の実施例2に係る静電容量型センサの構成の概略図である。
【図4】本発明の実施例2に係る非接触測定システムにおいて用いた静電容量型センサ部の構成を示す図である。
【図5】被測定物用容器の近傍に何も配置しない場合、浮遊電極又はグラウンド電極を配置した場合におけるKCl溶液の濃度に対する静電容量値の変化量を示す図である。
【図6】本発明の実施例3に係る非接触測定システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例3に係る非接触測定システムにおいて、被測定物における異常の有無を検出する方法について説明するための図である。
【図8】本発明の実施例4に係る非接触測定システムにおいて使用される被測定物の濃度と静電容量値の変化量との関係に関する検量線を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1に係る非接触測定システムについて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る非接触測定システムの構成を示すブロック図を示す。図1に示されるように、本実施例1に係る非接触測定システムは、静電容量型センサ101と、静電容量型センサ101に所定の周波数で所定の振幅の交流電圧を印加する高周波電源102と、静電容量型センサ101における電流及び電圧の測定値に基づいて静電容量型センサ101の静電容量値を算出する測定部(例えばLCRメータなど)103と、を備える。

【0012】
図2は、本発明の実施例1に係る静電容量型センサ101の概略図を示す。図2には、静電容量を形成する静電容量型センサ部110と、被測定物120を配置する被測定物用容器130と、被測定物用容器130を支持する支持体140と、を備えた静電容量型センサ101が示されている。静電容量型センサ部110は、被測定物用容器130に被測定物120を配置した状態において被測定物用容器130を隔てて被測定物120とは接触しないように配置されている。また、静電容量型センサ部110は、高周波電源102及び測定部103に接続されている。

【0013】
静電容量型センサ部110は、例えば、基材の片面に互いの櫛歯が対向するように形成された2つの櫛歯型電極や基材の両面に互いに対向するように形成され、それぞれ面積が異なる非対称な2つの平板電極で構成された相互容量型の静電容量型センサや、1つの電極で構成され、当該電極と被測定物とで容量を形成する自己容量型の静電容量型センサとすることができる。静電容量型センサ部110で用いる基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドなどで構成された薄膜フィルムとすることができる。また、静電容量型センサ部110で使用される検出電極は、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル、錫、カーボンなどの導電材料で構成され、スクリーン印刷法などの印刷法、あるいは蒸着法やスパッタリング法など、種々の方法を用いて形成することができる。

【0014】
静電容量型センサ部110は、2つの電極の一方から他方に向かう電気力線で示される電界を利用して検出範囲を定めている。静電容量型センサ部110の検出範囲内に導電性を有する物体が入ると、当該物体により電界の一部が吸収されて静電容量型センサ部110の静電容量値が減少する。

【0015】
被測定物120は、例えば、食品、化学反応性溶液、高温溶液、乳濁/懸濁溶液等とすることができる。

【0016】
被測定物用容器130及び支持体140は、静電容量型センサ部110と離間するように被測定物120を保持する手段であり、例えば、透明スチロールケースやガラスなどの導電性を有しない材料で構成することができる。本実施例1では、被測定物用容器130としてプール型の構成を例示しているが、例えば、被測定物120を流入可能に構成された導管型等、その形状や大きさを含めて種々の形態を採ることができる。同様に、本実施例1では、支持体140として台のような構成を例示しているが、その形状や大きさを含めて種々の形態を採ることができる。

【0017】
本実施例1に係る非接触測定システムでは、被測定物用容器130に被測定物120を配置すると、静電容量型センサ部110が形成する電界が被測定物120に入射する。被測定物120が導電性を有しない場合、静電容量型センサ部110が形成する電界が被測定物120を透過して静電容量型センサ部110における静電容量値は変動しない一方で、被測定物120が導電性を有する場合、静電容量型センサ部110が形成する電界が被測定物120に吸収され、静電容量型センサ部110の静電容量値が減少する。そのため、測定部103で静電容量型センサ部110の静電容量値及びその変化量を測定することにより、例えば、被測定物120の導電性の有無、被測定物120における異常の有無や被測定物120の濃度を測定することができる。

【0018】
本発明の実施例1に係る非接触測定システムによると、被測定物に起因する静電容量値の変化を非接触で測定することにより、被測定物による汚染を回避することが可能となる。

【0019】
ここで、支持体140の高さは、例えば、被測定物用容器130に被測定物120を配置した場合に被測定物120と静電容量型センサ部110とを数mm程度(例えば7~8mm)離間するように設定することが検出動作の安定性及び検出感度の観点から好ましいが、本発明の原理及び概念を逸脱しない範囲で適宜設計可能である。

【0020】
(実施例2)
以下、本発明の実施例2に係る非接触測定システムについて説明する。図3は、本発明の実施例2に係る非接触測定システムで使用される静電容量型センサの概略図を示す。図3には、静電容量型センサ部210と、被測定物220を配置する被測定物用容器230と、被測定物用容器230を支持する支持体240と、グラウンドに接地されたグラウンド電極250と、を備えた静電容量型センサ201が示されている。

【0021】
本実施例2に係る非接触測定システムでは、被測定物用容器230の近傍に、被測定物220に接触しないようにグラウンド電極250が設けられている。グラウンド電極250を設けることにより、検出動作の安定性及び検出感度を向上させることが可能となる。

【0022】
また、本実施例2に係る非接触測定システムでは、静電容量型センサ部210として、特許文献3に記載されるような静電容量型センサを用いた。具体的には、図4に示されるように、静電容量型センサ部210は、基材211と、基材211の第1の表面に形成された第1の電極2121と、基材211の第1の表面とは反対側の第2の表面に形成された第2の電極2122と、第1の表面において引き出されて第1の電極2121に電圧を印加する第1の引き出し配線2131と、第2の表面において引き出されて第2の電極2122に電圧を印加する第2の引き出し配線2132と、を含む。

【0023】
実施例2に係る静電容量型センサ部210では、第1の電極2121及び第2の電極2122は、それぞれ、第1の引き出し配線2131及び第2の引き出し配線2132を介して、測定部103に接続されている。

【0024】
第1の電極2121及び第2の電極2122並びに第1の引き出し配線2131及び第2の引き出し配線2132は、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル、錫、カーボンなどの導電材料で構成することができ、スクリーン印刷法などの印刷法を用いて形成することができる。

【0025】
例えば第1の電極2121をシグナル電極とし、第2の電極2122をグラウンド電極として、被測定物用容器220がシグナル電極である第1の電極2121側にある場合、グラウンド電極として機能する第2の電極2122の方が第1の電極2121よりも面積が大きくなるように構成されている。

【0026】
なお、本実施例では、グラウンドに接地されたグラウンド電極を使用した例を示したが、グラウンドに接地されていない浮遊電極を使用した場合でも、検出動作の安定性及び検出感度を向上させることができる。

【0027】
図5は、被測定物用容器230の近傍に何も配置しない場合、浮遊電極又はグラウンド電極を配置した場合におけるKCl溶液の濃度に対する静電容量値の変化量を示す。図5では、各KCl濃度について、KCl濃度が0mMの溶液の場合の静電容量値に対する静電容量値の変化量を求めた。

【0028】
図5に示されるように、浮遊電極又はグラウンド電極を被測定物220に接触しないように被測定物用容器230の近傍に設けた場合、何も配置しない場合によりも大きな静電容量値の変化量を得ることができ、1mMよりも低濃度領域でも高感度な検出が可能となる。また、図5の結果から、グラウンド電極を設置した場合のほうが浮遊電極を設置した場合よりも大きな静電容量値の変化量を得ることができるため、グラウンド電極を使用することが好ましい。

【0029】
本実施例2に係る非接触測定システムによると、被測定物による汚染を回避しながら、検出動作の安定性及び検出感度に優れた非接触測定システムを実現することが可能となる。

【0030】
ここで、グラウンド電極250は、被測定物220に可能な限り近接させることが検出動作の安定性及び検出感度の観点から好ましいが、グラウンド電極250と被測定物220との間の距離は本発明の原理及び概念を逸脱しない範囲で適宜設計可能である。

【0031】
(実施例3)
以下、本発明の実施例3に係る非接触測定システムについて説明する。図6は、本発明の実施例3に係る非接触測定システムの構成のブロック図を示す。図6に示されるように、本実施例3に係る非接触測定システムは、静電容量型センサ301と、所定の周波数で所定の振幅の交流電圧を印加する高周波電源302と、静電容量型センサ301の静電容量値を測定する例えばLCRメータなどの測定部303と、制御部304と、記憶部305と、を備える。本実施例3において、上記実施例で説明した構成要素と同様の構成要素については、同様の構成・機能を有しているため、説明を省略する。

【0032】
制御部304は、測定した静電容量値が所定の検出閾値範囲を超えたか否かを判定し、所定の検出閾値範囲を超えている場合には、被測定物320に異常があることを検出することができる。また、制御部304は、被測定物320に異常があることを検出した場合、例えば、その旨の警告音を発したり、その旨を表示したりする等、所定の警告を行うように警告部(不図示)を制御することができる。

【0033】
記憶部305は、被測定物320に異常があるかどうかを判断する基準となる検出閾値範囲を記憶することができる。ここで、「検出閾値範囲」とは、例えば、被測定物用容器330に被測定物320を配置した状態で、且つ被測定物320に異常がない状態で、測定部303としてLCRメータを用いて静電容量型センサ301の静電容量値の測定を行い、得られた静電容量値を基準に適宜設定することができる。例えば、「検出閾値範囲」は、得られた静電容量値の平均値(μ)と標本標準偏差(σ)から求まる(μ±3σ)を基準に設定することができる(例えば、非特許文献1参照)。

【0034】
本発明に係る非接触測定システムでは、厳密な検出を必要とする場合、例えば、装置起動時に被測定物ごとに閾値補正(初期キャリブレーション)を行うことにより、検出閾値範囲を被検出物ごとに調整することが好ましく、また、厳密な検出を必要としない場合、例えば、被測定物のある程度の個体差を包含する形で検出閾値範囲を(μ±3σ)を基準に調整することが好ましい。

【0035】
本実施例3に係る非接触測定システムでは、測定した静電容量値が所定の検出閾値範囲を超えたか否かを判定することにより、被測定物320内に被測定物320とは導電率が異なる異物が存在しているか、被測定物320とは異なる別の物質が誤って投入されていないか等の被測定物320における異常の有無を検出することができる。

【0036】
図7を用いて、本実施例3に係る非接触測定システムにおいて、被測定物320における異常の有無を検出する方法について説明する。図7では、静電容量型センサ部310として実施例2に係る静電容量型センサ部210と同様の構成を有するセンサ、被測定物用容器330として透明スチロールケース、基材311として厚さ0.1mmのポリエチレンナフタレートフィルム、及び測定部303としてLCRメータをそれぞれ用い、被測定物用容器330の近傍に被測定物320に接触しないようにグラウンド電極350を設け、第1の印刷電極3121の直径を1mmとし、第2の印刷電極3122の直径を18mmとし、1MHz、振幅1Vの交流電圧を印加して静電容量値を測定した。また、検出閾値範囲は、事前に被測定物320を配置して測定した静電容量型センサ301の静電容量値に基づいて(μ±3σ)に設定した。

【0037】
図7では、被測定物320を被測定物用容器330に配置した状態から、被測定物320とは導電率が異なる異物を混入させている。図7に示すように、被測定物320を被測定物用容器330に配置した状態で、被測定物320に異物を混入させた場合、異物混入直後に静電容量値が検出閾値範囲を超えたことを制御部304が検出する。このように、制御部304は、静電容量値が検出閾値範囲を超えたことを検出することにより、被測定物320に異物が混入して被測定物320に異常が発生したことを検出することができる。

【0038】
本実施例3に係る非接触測定システムによると、非接触な手法により、被測定物による汚染を回避しながら、被測定物における異常の有無を検出することが可能となる。

【0039】
(実施例4)
以下、本発明の実施例4に係る非接触測定システムについて説明する。本実施例4に係る非接触測定システムは、図6で示した構成と同様の構成を有しており、被測定物の濃度を測定することができる。本実施例4においては、特に言及する場合を除き、上記実施例で説明した構成要素と同様の構成要素については同様の構成・機能を有しているため、説明を省略する。

【0040】
本実施例4では、制御部304は、測定部303で測定した静電容量値の変化量から、被測定物320の濃度と静電容量値の変化量との関係に関する検量線に基づいて、被測定物320の濃度を算出することができ、その濃度を表示部(不図示)に表示することができる。また、記憶部305は、被測定物320の濃度と測定部303が測定する静電容量値の変化量との関係に関する検量線を記憶することができる。

【0041】
図8を用いて、本発明の実施例4に係る非接触測定システムにおいて、被測定物の濃度を測定する際に使用する検量線を例示する。図8では、図7で用いた静電容量型センサと同様のセンサを用い、被測定物用容器330に、被測定物320として酢酸、HCl、NaOH、Na2HPO4、KCl、スクロースの水溶液を注入し、各々について濃度が0mMの溶液の場合の静電容量値に対する静電容量値の変化量ΔCを測定することにより、酢酸、HCl、NaOH、Na2HPO4、KCl、スクロースに関する濃度の検量線を求めた。

【0042】
図8に示されるように、電離度が大きい強電解質であるHCl、NaOH、Na2HPO4、KClは0.1~1mM付近で静電容量値が大きく変化しており、電離度が小さい弱電解質である酢酸は1~10mM付近で静電容量値が大きく変化している。一方で、スクロースは、電離しないため、濃度を変化させても静電容量値が変化していない。

【0043】
被測定物320について事前に試験をして図8に示すような検量線を記憶部305に事前に記憶しておき、実際の測定における静電容量値の変化量ΔCと事前に記憶した被測定物320の検量線とを比較して、被測定物320の検量線において、当該変化量ΔCに対応する濃度を被測定物320の濃度とすることにより、被測定物320の濃度を算出することが可能となる。

【0044】
本実施例4に係る非接触測定システムでは、静電容量値の変化が顕著に現れる濃度となるように被測定物を適宜希釈して、静電容量値を測定することが好ましい。

【0045】
本実施例4に係る非接触測定システムによると、非接触な手法により、被測定物による汚染を回避しながら被測定物の濃度を測定することが可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7