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明細書 :四置換アルケンの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-125265 (P2020-125265A)
公開日 令和2年8月20日(2020.8.20)
発明の名称または考案の名称 四置換アルケンの製造方法
国際特許分類 C07C  17/263       (2006.01)
C07C  69/78        (2006.01)
C07C  67/28        (2006.01)
C07C  22/04        (2006.01)
C07C  39/23        (2006.01)
C07C  37/01        (2006.01)
C07C  43/225       (2006.01)
C07C  41/30        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 17/263 CSP
C07C 69/78
C07C 67/28
C07C 22/04
C07C 39/23
C07C 37/01
C07C 43/225 B
C07C 43/225 C
C07C 41/30
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 12
出願形態 OL
全頁数 33
出願番号 特願2019-018725 (P2019-018725)
出願日 平成31年2月5日(2019.2.5)
発明者または考案者 【氏名】岩澤 哲郎
出願人 【識別番号】597065329
【氏名又は名称】学校法人 龍谷大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000914、【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4H006
4H039
Fターム 4H006AA01
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC24
4H006AC41
4H006BA05
4H006BA32
4H006BA69
4H006BE60
4H006BJ50
4H006BM71
4H006BM73
4H006BN30
4H006BP30
4H006BT36
4H006FC50
4H006FE13
4H006GP03
4H006KA30
4H039CA41
4H039CD20
要約 【課題】新規四置換アルケンの簡便かつ立体選択的な製造方法の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物と、式(II)で表される化合物とを、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で、カルボン酸金属塩の存在下で反応させる、式(IV)で表される四置換アルケンの製造方法。
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(Arは芳香族基;XはBr又はCl;Rは脂肪族基;Arは芳香族炭化水素基;Rは脂肪族基;nは1~4の整数である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)
【化1】
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(式中、Arは芳香族基であり、XはBr又はClであり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、下記式(II)
【化2】
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(式中、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基であり、nは1~4の整数である。)
で表される化合物とを、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で、下記式(III)
【化3】
JP2020125265A_000047t.gif
(式中、Rは芳香族基であり、Mは一価の金属である)
で表されるカルボン酸金属塩の存在下で反応させる工程を含む下記式(IV)
【化4】
JP2020125265A_000048t.gif
(式中、Ar、Ar、X及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法。
【請求項2】
カルボン酸金属塩が2-チオフェンカルボン酸銅(I)である請求項1に記載の四置換アルケンの製造方法。
【請求項3】
下記式(V)
【化5】
JP2020125265A_000049t.gif
(式中、Rは炭化水素基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、アルカンチオールのアルカリ金属塩とを反応させる工程を含む下記式(VI)
【化6】
JP2020125265A_000050t.gif
(式中、Ar、Ar及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法。
【請求項4】
アルカンチオールのアルカリ金属塩がナトリウムエタンチオラートである請求項3に記載の四置換アルケンの製造方法。
【請求項5】
下記式(Ia)
【化7】
JP2020125265A_000051t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物。
【請求項6】
下記式(IVa)
【化8】
JP2020125265A_000052t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物。
【請求項7】
下記式(Va)
【化9】
JP2020125265A_000053t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物。
【請求項8】
Zがベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択される請求項5~7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Arがフェニル基である請求項6~8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Arがフェニル基である請求項7~9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
がエチル基又はn-ヘキシル基である請求項5~10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、下記化学式で表される化合物からなる群から選択される請求項5~11のいずれかに記載の化合物。
【化10】
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発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、四置換アルケンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲン受容体に対する相互作用を礎とした生理活性を有する物質として、(E)-および(Z)-タモキシフェン(Tamoxifen)が知られており、特に(Z)-タモキシフェンは、乳癌に対して著効を示すことが知られている。また、タモキシフェンの類縁体が、グルタミン酸トランスポーターの阻害剤(中枢神経作用薬)としても、脚光を浴びている。
【0003】
タモキシフェンは、炭素-炭素二重結合周辺の立体障害が非常に大きい構造を有するため、その合成において意図しない副反応が生じ、結果として異性体混合物だけでなく、その他の副生成物が生成することもある。
また、タモキシフェンをはじめとする四置換アルケン化合物の中でも、エチレンの全水素原子が4種類の異なる置換基によってそれぞれ置換され、炭素-炭素二重結合で結合した2個の炭素原子のそれぞれに2個の炭素原子が結合した構造を有する異種炭素四置換アルケンや、異種炭素四置換アルケンの置換基の1つがハロゲン原子に置き換わった異種炭素三置換ハロゲン化アルケンには、理論的上6種の幾何異性体が存在するため、一つの異性体だけを選択的に合成することが非常に難しいという課題が存在する。
【0004】
非特許文献1には、フェニル基とエチル基を有する非対称内部アルキンに対して、銅触媒を使用したボリルスタニル化反応を行い、有機スズ基と有機ホウ素基をシス型ビシナルの位置に導入した四置換アルケンを調製し、これをテンプレートとして(Z)-タモキシフェンを合成する方法が開示されている。しかしながら、非常に高価なビス(ピナコラート)ジボランを使用することや、有機ホウ素基をフェニル基で置換する最終ステップにおいて、強塩基性の水酸化カリウム水溶液を用いるため、塩基に耐えられない官能基を原料や中間体等に導入することが難しいという問題がある。
【0005】
非特許文献2には、2つの芳香族スルフィド基をシス型ビシナルの位置に有する三置換アルケンをテンプレートとして、(Z)-タモキシフェンを合成する方法が開示されている。しかしながら、スルフィドの活性化に強塩基性のGrignard試薬を用いるため、塩基に耐えられない官能基を有する原料を使用することができず、また、三置換アルケンが有するビニル水素を一旦臭素に変換してから鈴木反応を行っており、工程が煩雑であるという問題がある。
【0006】
非特許文献3には、(E)-1-ブロモ-2-ヨードアルケンのヨウ素原子を芳香族炭化水素基に変換する反応において、2-チオフェンカルボン酸銅(I)とトリフェニルホスフィンの存在下、トリブチルチエニルスズを用いてクロスカップリングし、異種炭素三置換ハロゲン化アルケンを得る方法が開示されている。しかしながら、トリブチルチエニルスズをトリブチルフェニルスズに換えると、ヨウ素原子と臭素原子の脱離反応によりアルキンが多量に生成し、目的とするアルケンは得られないことが記載されている。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】Y. Takemoto, H. Yoshida, K. Takaki, Chem. Eur. J. 2012, 18, 14841-14844
【非特許文献2】J. Chen, S. Chen, X. Xu, Z. Tang, C.-T. Au, R. Qiu, J. Org. Chem. 2016, 81, 3246-3255
【非特許文献3】N. Endo, T. Iwasawa, Tetrahedron 73 (2017) 5833-5840
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、四置換アルケンを簡便かつ立体選択的に製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、アルケンの置換反応条件について詳しく検討したところ、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で置換反応を行うと、立体選択的に(E)-1-ブロモ-2-ヨードアルケンのヨウ素原子が芳香族炭化水素基に変換され、四置換アルケンが得られることを見出し、第一の本発明を完成した。
【0010】
また、本発明者は、これまで立体を保持した脱保護が困難であった炭素四置換アルケンのエステル保護基の脱保護についても検討したところ、アルカンチオールのアルカリ金属塩を使用すると脱保護できることを見出し、第二の本発明を完成した。
【0011】
すなわち、第一の本発明は、下記式(I)
【化1】
JP2020125265A_000002t.gif
(式中、Arは芳香族基であり、XはBr又はClであり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、下記式(II)
【化2】
JP2020125265A_000003t.gif
(式中、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基であり、nは1~4の整数である。)
で表される化合物とを、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で、下記式(III)
【化3】
JP2020125265A_000004t.gif
(式中、Rは芳香族基であり、Mは一価の金属である)
で表されるカルボン酸金属塩の存在下で反応させる工程を含む下記式(IV)
【化4】
JP2020125265A_000005t.gif
(式中、Ar、Ar、X及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法に関する。
【0012】
前記カルボン酸金属塩は2-チオフェンカルボン酸銅(I)であることが好ましい。
【0013】
第二の本発明は、下記式(V)
【化5】
JP2020125265A_000006t.gif
(式中、Rは炭化水素基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、アルカンチオールのアルカリ金属塩とを反応させる工程を含む下記式(VI)
【化6】
JP2020125265A_000007t.gif
(式中、Ar、Ar及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法に関する。
【0014】
前記アルカンチオールのアルカリ金属塩はナトリウムエタンチオラートであることが好ましい。
【0015】
第三の本発明は、下記式(Ia)
【化7】
JP2020125265A_000008t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。
【0016】
第四の本発明は、下記式(IVa)
【化8】
JP2020125265A_000009t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。
【0017】
第五の本発明は、下記式(Va)
【化9】
JP2020125265A_000010t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。
【0018】
前記式(Ia)、式(IVa)又は式(Va)で表される化合物において、Zがベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基及びトリフルオロメチル基からなる群から選択されることが好ましい。
【0019】
前記式(IVa)又は式(Va)で表される化合物において、Arがフェニル基であることが好ましい。
【0020】
前記式(Va)で表される化合物において、Arがフェニル基であることが好ましい。
【0021】
前記式(Ia)、式(IVa)又は式(Va)で表される化合物において、Rがエチル基又はn-ヘキシル基であることが好ましい。
【0022】
前記式(Ia)、式(IVa)又は式(Va)で表される化合物が、下記化学式で表される化合物からなる群から選択されることが好ましい。
【化10】
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【発明の効果】
【0023】
第一の本発明によれば、異種炭素三置換ハロゲン化アルケンを簡便かつ立体選択的に製造することができる。また、第二の本発明によれば、これまで立体を保持した脱保護が困難であった炭素四置換アルケンのエステル保護基の脱保護を、簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】化合物2のH NMRチャートである。
【図2】化合物2の13C NMRチャートである。
【図3】化合物4のH NMRチャートである。
【図4】化合物4の13C NMRチャートである。
【図5】化合物4のORTEP図である(水素原子は省略。熱振動楕円体の確率は50%)。
【図6】化合物5のH NMRチャートである。
【図7】化合物5の13C NMRチャートである。
【図8】(E)タモキシフェンのH NMRチャートである。
【図9】(E)タモキシフェンの13C NMRチャートである。
【図10】化合物10のH NMRチャートである。
【図11】化合物10の13C NMRチャートである。
【図12】化合物11のH NMRチャートである。
【図13】化合物11の13C NMRチャートである。
【図14】化合物12のH NMRチャートである。
【図15】化合物12の13C NMRチャートである。
【図16】化合物12のORTEP図である(水素原子は省略。熱振動楕円体の確率は50%)。
【図17】化合物13のH NMRチャートである。
【図18】化合物13の13C NMRチャートである。
【図19】(Z)タモキシフェンのH NMRチャートである。
【図20】(Z)タモキシフェンの13C NMRチャートである。
【図21】化合物8aのH NMRチャートである。
【図22】化合物8aの13C NMRチャートである。
【図23】化合物8bのH NMRチャートである。
【図24】化合物8bの13C NMRチャートである。
【図25】化合物8bの19F NMRチャートである(内部標準は1,4-ジフルオロベンゼン(120.05ppm))。
【図26】化合物8cのH NMRチャートである。
【図27】化合物8cの13C NMRチャートである。
【図28】化合物8cの19F NMRチャートである(内部標準は1,4-ジフルオロベンゼン(120.05ppm))。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第一の本発明>
第一の本発明は、下記式(I)
【化11】
JP2020125265A_000012t.gif
(式中、Arは芳香族基であり、XはBr又はClであり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、下記式(II)
【化12】
JP2020125265A_000013t.gif
(式中、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基であり、nは1~4の整数である。)
で表される化合物とを、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で、下記式(III)
【化13】
JP2020125265A_000014t.gif
(式中、Rは芳香族基であり、Mは一価の金属である)
で表されるカルボン酸金属塩の存在下で反応させる工程を含む下記式(IV)
【化14】
JP2020125265A_000015t.gif
(式中、Ar、Ar、X及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法に関する。

【0026】
[式(I)で表される化合物]
式(I)中、Arは芳香族基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、非置換のフェニル基や、式
【化15】
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(式中、Zは電子求引性基)
で表される置換フェニル基等が挙げられる。ここで、Zとしては、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、トリフルオロメチル基、2-ナフトイル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル基、アセチル基等が挙げられる。電子求引性の点で、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基及びトリフルオロメチル基が好ましい。Arとしては、電子求引性の点で、非置換のフェニル基、又は、前記式においてZがベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基又はトリフルオロメチル基である置換フェニル基が特に好ましい。

【0027】
式(I)中、XはBr又はClであり、収率の点でBrが好ましい。

【0028】
式(I)中、Rは脂肪族基であり、ヘテロ原子が含まれていてもよい。Rは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、置換又は非置換のアルキル基が挙げられる。中でも、エチル基及びn-ヘキシル基が好ましい。

【0029】
式(I)で表される化合物は、例えば特開2016-30731号公報に開示された方法で製造することができる。具体的には、下記式に示すように、アルキン化合物をブロモトリメチルシラン等のハロゲン化合物と反応させた後に、N-ヨードスクシンイミド等のヨウ素化合物を反応させることにより合成することができる。
【化16】
JP2020125265A_000017t.gif
(式中、Ar、X及びRは上記と同じ)

【0030】
前記アルキン化合物として、Arが式
【化17】
JP2020125265A_000018t.gif
(式中、Zは電子求引性基)
で表される置換フェニル基であるものを用い、Xを含有するハロゲン化合物としてブロモトリメチルシラン等の臭素化合物を用いると、第三の本発明である式(Ia)で表される化合物を得ることができる。

【0031】
[式(II)で表される化合物]
式(II)中、Arは芳香族炭化水素基であり、複素環基は含まない。Arは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、置換又は非置換のフェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。

【0032】
式(II)中、Rは脂肪族基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数の場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、アルキル基等が挙げられる。中でも、n-ブチル基が好ましい。

【0033】
式(II)中、nは1~4の整数であり、1が好ましい。

【0034】
式(II)で表される化合物としては、トリブチルフェニルスズ(IV)が好ましい。

【0035】
[式(III)で表される化合物]
式(III)中、Rは芳香族基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数の場合は同一でも異なっていてもよく、たとえばチエニル基等が挙げられる。式(III)中、Mは一価の金属であり、銅等が挙げられる。式(III)で表されるカルボン酸金属塩としては、2-チオフェンカルボン酸銅(I)(CuTC)が好ましい。

【0036】
[式(IV)で表される化合物]
式(IV)中、Ar、Ar、X及びRの詳細は前述のとおりである。

【0037】
第一の本発明において、式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とは、実質的にトリフェニルホスフィンの非存在下で反応させる。

【0038】
実質的に非存在下とは、反応溶液中のトリフェニルホスフィンの濃度が0.1モル/L以下であることを意味し、0.01モル/L以下が好ましく、0.001モル/L以下がより好ましい。トリフェニルホスフィンが0.1モル/Lを超えて存在すると、式(I)で表される化合物からヨウ素原子とX原子が脱離してアルキンが生成し、目的とする化合物を得ることができない。

【0039】
第一の本発明においては、トリフェニルホスフィン以外の三価のリン化合物や、五価のリン化合物も、実質的に非存在下で反応させることが好ましい。トリフェニルホスフィン以外の三価のリン化合物としては、t-ブチルホスフィン等が挙げられる。また、五価のリン化合物としては、トリフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。

【0040】
この反応において、式(II)で表される化合物は、式(I)で表される化合物1モルに対し、1.5~6.0モル使用することが好ましく、1.5~4.5モル使用することがより好ましい。また、式(III)で表されるカルボン酸金属塩は、式(I)で表される化合物1モルに対し、1.5~6.0モル使用することが好ましく、1.5~4.5モル使用することがより好ましい。

【0041】
反応溶媒は、特に限定されないが、トルエン、2-キシレン等が挙げられる。

【0042】
反応温度は特に制限されないが、105~135℃が好ましい。反応時間は特に制限されないが、2~22時間が好ましく、2~19時間がより好ましい。

【0043】
第一の本発明において、式(I)で表される化合物として、第三の本発明である式(Ia)で表される化合物を用いると、第四の本発明である式(IVa)で表される化合物を得ることができる。

【0044】
<第二の本発明>
第二の本発明は、下記式(V)
【化18】
JP2020125265A_000019t.gif
(式中、Rは炭化水素基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物と、アルカンチオールのアルカリ金属塩とを反応させる工程を含む下記式(VI)
【化19】
JP2020125265A_000020t.gif
(式中、Ar、Ar及びRは上記と同じ)
で表される四置換アルケンの製造方法に関する。

【0045】
[式(V)で表される化合物]
式(V)中、Rは炭化水素基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数の場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、フェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。中でもフェニル基が好ましい。

【0046】
式(V)中、Arは芳香族基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数の場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、フェニル基が好ましい。

【0047】
式(V)中、Arは芳香族炭化水素基であり、複素環基は含まない。Arは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、置換又は非置換のフェニル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。

【0048】
式(V)中、Rは脂肪族基であり、ヘテロ原子が含まれていてもよい。Rは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、置換又は非置換のアルキル基が挙げられ、エチル基及びn-ヘキシル基が特に好ましい。

【0049】
式(V)で表される化合物は、式(IV)においてAr
【化20】
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(式中、Rは上記と同じ)
である化合物をアリールボロン酸(ArB(OH))と、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、フッ化カリウム等のアルカリ金属塩及びパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン、パラジウムビストリt-ブチルホスフィン等の触媒存在下で反応させることにより得ることができる。

【0050】
式(IV)で表される化合物として、第四の本発明である式(IVa)で表される化合物を用いると、第五の本発明である式(Va)で表される化合物を得ることができる。

【0051】
[式(VI)で表される化合物]
式(VI)中、Ar、Ar及びRの詳細は前述のとおりである。

【0052】
第二の本発明では、アルカンチオールのアルカリ金属塩を使用する。式(V)で表される化合物の脱保護において、脱保護条件として一般的に用いられる酸性条件(トリフルオロ酢酸、塩酸等)や塩基性条件(炭酸カリウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等)では、立体化学を保持することできない。アルカンチオールとしては、エタンチオールが好ましい。アルカリ金属としては、ナトリウムが好ましい。

【0053】
アルカンチオールのアルカリ金属塩は、式(V)で表される化合物1モルに対し、2~30モル使用することが好ましい。

【0054】
反応溶媒は特に制限されないが、ジメチルホルムアミド(DMF)を使用することができる。

【0055】
反応温度は特に制限されず、100~160℃が好ましい。反応時間は特に制限されないが、15~60分が好ましく、15~30分がより好ましい。

【0056】
<第三の本発明>
第三の本発明は、下記式(Ia)
【化21】
JP2020125265A_000022t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。この化合物は、前述の式(I)で表される化合物において、Arが式
【化22】
JP2020125265A_000023t.gif
(式中、Zは電子求引性基)
で表される置換フェニル基、XがBrである化合物である。

【0057】
式(Ia)中、Zは電子求引性基であり、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、トリフルオロメチル基、2-ナフトイル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル基、アセチル基等が挙げられる。中でも、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。

【0058】
式(Ia)中、Rは脂肪族基であり、ヘテロ原子が含まれていてもよい。Rは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、置換又は非置換のアルキル基等が挙げられる。中でも、エチル基及びn-ヘキシル基が好ましい。

【0059】
式(Ia)で表される具体的な化合物としては、下記化合物10
【化23】
JP2020125265A_000024t.gif
が好ましい。

【0060】
式(Ia)で表される化合物の製造方法は、<第一の本発明>において説明したとおりである。

【0061】
<第四の本発明>
第四の本発明は、下記式(IVa)
【化24】
JP2020125265A_000025t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。この化合物は、前述の式(IV)で表される化合物において、Arが式
【化25】
JP2020125265A_000026t.gif
(式中、Zは電子求引性基)
で表される置換フェニル基、XがBrである化合物である。

【0062】
式(IVa)中、Zは電子求引性基であり、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、トリフルオロメチル基、2-ナフトイル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル基、アセチル基等が挙げられる。中でも、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。

【0063】
式(IVa)中、Rは脂肪族基であり、ヘテロ原子が含まれていてもよい。Rは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、置換又は非置換のアルキル基等が挙げられる。中でも、エチル基及びn-ヘキシル基が好ましい。

【0064】
式(IVa)中、Arは芳香族炭化水素基であり、複素環基は含まない。Arは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、置換又は非置換のフェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。

【0065】
式(IVa)で表される具体的な化合物としては、下記化合物8a、8b、8c又は11が好ましい。
【化26】
JP2020125265A_000027t.gif

【0066】
式(IVa)で表される化合物の製造方法は、<第一の本発明>において説明したとおりである。

【0067】
<第五の本発明>
第五の本発明は、下記式(Va)
【化27】
JP2020125265A_000028t.gif
(式中、Zは電子求引性基であり、Arは芳香族炭化水素基であり、Arは芳香族基であり、Rは脂肪族基である。)
で表される化合物に関する。この化合物は、前述の式(V)で表される化合物において、RC(O)基がZである化合物である。

【0068】
式(Va)中、Zは電子求引性基であり、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、トリフルオロメチル基、2-ナフトイル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル基、アセチル基等が挙げられる。中でも、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。

【0069】
式(Va)中、Rは脂肪族基であり、ヘテロ原子が含まれていてもよい。Rは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Rとしては、置換又は非置換のアルキル基等が挙げられる。中でも、エチル基及びn-ヘキシル基が好ましい。

【0070】
式(Va)中、Arは芳香族炭化水素基であり、複素環基は含まない。Arは置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、置換又は非置換のフェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。

【0071】
式(Va)中、Arは芳香族基であり、置換基を有していてもよく、置換基が複数の場合は同一でも異なっていてもよい。Arとしては、フェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。

【0072】
式(Va)で表される化合物の製造方法は、<第二の本発明>において説明したとおりである。

【0073】
式(Va)で表される具体的な化合物としては、下記化合物12
【化28】
JP2020125265A_000029t.gif
が好ましい。

【0074】
<タモキシフェンの製造方法>
第一~第五の本発明を利用して、(E)-タモキシフェン及び(Z)-タモキシフェンをそれぞれ選択的に製造することができる。

【0075】
たとえば、(E)-タモキシフェンは、下記スキームにより製造することができる。
【化29】
JP2020125265A_000030t.gif

【0076】
化合物2は、化合物1を用いて第一の本発明の製造方法により合成することができる。

【0077】
化合物4は、炭酸カリウムなどの塩基性化合物及びパラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下で、化合物2と4-メトキシフェニルボロン酸を反応させることにより合成することができる。

【0078】
化合物5は、化合物4を用いて第二の本発明の製造方法により合成することができる。

【0079】
そして、炭酸カリウムなどの塩基性化合物の存在下、化合物5と2-ジメチルアミノエチルクロリドの塩酸塩を反応させることにより、(E)-タモキシフェンを合成することができる。

【0080】
(Z)-タモキシフェンは、下記スキームにより製造することができる。
【化30】
JP2020125265A_000031t.gif

【0081】
化合物11は、化合物10を用いて第一の本発明の製造方法により合成することができる。

【0082】
化合物12は、化合物11を用いて<第二の本発明>において説明した製造方法により合成することができる。

【0083】
化合物13は、化合物12を用いて第二の本発明の製造方法により合成することができる。

【0084】
そして、炭酸カリウムなどの塩基性化合物の存在下、化合物13と2-ジメチルアミノエチルクロリドの塩酸塩を反応させることにより、(Z)-タモキシフェンを合成することができる。
【実施例】
【0085】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【実施例】
【0086】
実施例1
(E)-タモキシフェン(2-{4-[(1E)-1,2-ジフェニル-1-ブテン-1-イル]フェノキシ}-N,N-ジメチルエタンアミン)
a)[第一の本発明](E)-(1-ブロモブタ-1-エン-1,2-ジイル)ジベンゼン(化合物2)
【化31】
JP2020125265A_000032t.gif
特開2016-30731号公報の実施例2に開示された方法で(E)-(1-ブロモ-2-ヨードブタ-1-エン-1-イル)ベンゼン(化合物1)を調製した。アルゴン雰囲気下、300mLのフラスコに化合物1(5.39g,16mmol)のトルエン(96mL)溶液を入れ、これにトリブチルフェニルスズ(7.83mL,24mmol)とCuTC(4.58g,24mmol)を懸濁させた。105℃にて19時間攪拌後に自然降温させ、トルエン(60mL)を用いて反応溶液をフロリジルとセライトで濾過した。濾液を飽和食塩水(50mL)で洗浄後に減圧濃縮し、ヘキサンを用いてシリカゲルカラムで精製したところ、黄色で油状の化合物2(2.91g、純度約95%、収率約63%)及び1-フェニル-1-ブチン(化合物3)(収率21%)が得られた。
得られた化合物2をヘキサン/酢酸エチル(50/1)を用いて再度シリカゲルカラムで精製すると、純度がほぼ100%の化合物2が得られることを確認した。
【実施例】
【0087】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.15-6.99(m,10H),2.81(q,J=7.5Hz,2H),1.06(t,J=7.5Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 144.8,141.3,140.8,130.5,129.4,128.3,128.0,127.7,127.1,120.9,33.5,12.0ppm;
MS(DART-TOF)m/z:286[M(79)]
IR(neat):3052,2965,2928,2869,1483,1440,763,690cm-1
HRMS(DART-TOF)calcd for C1615Br(79):286.0352[M],found:286.0336;
Anal. Calcd for C1615Br:C,66.91;H,5.26. Found:C,66.75;H,5.22.
【実施例】
【0088】
b)(E)-(1-(4-メトキシフェニル)ブタ-1-エン-1,2-ジイル)ジベンゼン(化合物4)
【化32】
JP2020125265A_000033t.gif
アルゴン雰囲気下、20mLのフラスコに化合物2(3.25g,11.3mmol)のDMF(56mL)溶液を入れ、4-メトキシフェニルボロン酸(2.58g,17mmol)、炭酸カリウム(3.12g,22.6mmol)及びパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(1.31g,1.1mmol)を加えた。105℃にて7時間攪拌したのちに自然降温させ、反応溶液をセライトとフロリジルで濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣をトルエン(100mL)に溶かして水(80mL)で洗浄し、水相をトルエン(15mL×3)で抽出後、飽和食塩水(80mL)で洗浄し、芒硝で乾燥後に濃縮したところ、橙色の固体と油状物の混合物を得た。ヘキサン/トルエン(4/1)を用いてシリカゲルカラムで精製したところ、純度がほぼ100%の化合物4が白色固体として得られた(2.73g、収率77%)。
【実施例】
【0089】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.18-7.08(m,7H),7.03-6.95(m,3H),6.91-6.87(m,4H),3.83(s,3H),2.51(q,J=7.4Hz,2H),0.95(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 158.6,143.7,142.7,142.2,138.7,136.3,131.1,130.9,130.0,128.1,127.6,126.4,126.0,113.8,55.5,29.3,13.9ppm;
MS(DART-TOF)m/z:315[MH]
IR(neat):2956,1603,1503,1436,1240,1034cm-1
HRMS(DART-TOF)calcd for C2323O:315.1743[MH],found:315.1726;
Anal. Calcd for C2322O:C,87.86;H,7.05. Found:C,87.71;H,6.94.
ORTEP図における結合距離[Å]C7-C8 1.353,C7-C13 1.497,C7-C1 1.495,C8-C19 1.497,C2-C6 1.515. 結合角[度]C13-C7-C8 123.1(6),C13-C7-C1 114.1(3),C1-C7-C8 122.6(3),C19-C8-C7 122.8(3),C19-C8-C9 113.53,C9-C8-C7 123.6(3).
【実施例】
【0090】
c)(E)-4-(1,2-ジフェニルブタ-1-エン-1-イル)フェノール(化合物5)
【化33】
JP2020125265A_000034t.gif
窒素雰囲気下、化合物4(314mg,1.0mmol)をDMF(5mL)に溶かし、ナトリウムエタンチオラート(841mg,10mmol)を加えて1時間加熱還流を行った。0℃にて3M塩酸(15mL)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応溶液にトルエン(30mL)を加えた後に水相をトルエン(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を3M塩酸(10mL×3)及び飽和食塩水(15mL×3)でそれぞれ洗浄後、芒硝で乾燥させて濃縮したところ、300mgの白色固体を得た。ヘキサン(2mL×3)で洗浄すると、化合物5の白色粉末が得られた(283mg、E/Z>99/1、収率94%)。
【実施例】
【0091】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.17-7.08(m,7H),7.03-6.96(m,3H),6.88-6.86(m,2H),6.81(d,J=8.4Hz,2H),4.68(brs,1H),2.51(q,J=7.4Hz,2H),0.94(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 154.5,143.6,142.7,142.3,138.6,136.5,131.1(2つのピークが重なる),130.0,128.1,127.6,126.4,126.0,115.3,29.3,13.9ppm;
MS(DART-IT-TOF)m/z:301[MH]
IR(neat):3362,3035,2963,2963,2922,2866,1505,1219,694cm-1
HRMS(DART-IT-TOF)calcd for C2221O:301.1587[MH],found:301.1566.
【実施例】
【0092】
d)(E)-タモキシフェン
【化34】
JP2020125265A_000035t.gif
化合物5(174mg,0.58mmol)をトルエンとエタノールの混合溶液(6mL/6mL)に溶かし、2-ジメチルアミノエチルクロリドの塩酸塩(173mg,1.2mmol)と炭酸カリウム(318mg,2.3mmol)を加えた。85℃にて3時間撹拌した後に自然降温させた。0℃にて飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)を加え、室温にて40分間撹拌することにより反応を停止させた。反応溶液にトルエン(15mL)を加えて水相をトルエン(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を水(15mL×2)及び飽和食塩水(15mL)でそれぞれ洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、黄色油状物質を得た(208mg、E/Z=96/4、収率97%)。ヘキサンを用いてこの物質を再結晶させたところ、E/Z比がほぼ100/0の(E)-タモキシフェンが得られた(収率45%)。
【実施例】
【0093】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.16-7.09(m,7H),7.02-6.97(m,3H),6.91-6.86(m,4H),4.08(t,J=5.8Hz,2H),2.74(t,J=5.8Hz,2H),2.51(q,J=7.4Hz,2H),2.35(s,6H),0.94(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 157.9,143.7,142.7,142.2,138.7,136.3,131.1,130.9,130.0,128.1,127.6,126.3,125.9,114.4,66.2,58.7,46.3,29.3,13.9ppm;
MS(DART-TOF)m/z:372[MH]
IR(neat):2945,2861,2810,2769,1606,1503,1240,1029,694cm-1
HRMS(DART-IT-TOF)calcd for C2630NO:372.2322[MH],found:372.2317.
【実施例】
【0094】
実施例2
(Z)-タモキシフェン(2-{4-[(1Z)-1,2-ジフェニル-1-ブテン-1-イル]フェノキシ}-N,N-ジメチルエタンアミン)
a)[第三の本発明](E)-4-(1-ブロモ-2-ヨードブタ-1-エン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物10)
【化35】
JP2020125265A_000036t.gif
1-(ブタ-1-イン-1-イル)-4-メトキシベンゼン(1.14g、7.1mmol)のDMF(35mL)溶液に、ナトリウムエタンチオラート(5.97g、71mmol)を懸濁させた。加熱還流下15分撹拌した。自然降温後、0℃にて3M塩酸(75mL)を加えて反応を停止させた。水相をトルエン(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を3M塩酸(30mL×3)及び飽和食塩水(30mL×3)でそれぞれ洗浄し、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、橙色の油状の粗生成物が得られた(1.04g)。これを精製することなく次の工程に用いた。
【実施例】
【0095】
粗生成物(4-(ブタ-1-イン-1-イル)フェノール)のアセトニトリル(39mL)溶液に0℃にて、N-メチルイミダゾール(2.38g、29mmol)、N,N,N,N-テトラメチルエチレンジアミン(3.37g、29mmol)および塩化ベンゾイル(4.08g、29mmol)を添加した。室温で15時間撹拌後、混合物をセライトとシリカゲルで濾過し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を添加して反応を停止させた。有機相を飽和食塩水(100mL×2)で洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、橙色油状物質を粗生成物として得た(6.51g)。シリカゲルカラムで精製して、4-(ブタ-1-イン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物9)を白色固体として得た(3.30g、収率68%)。
【実施例】
【0096】
アルゴン雰囲気下、化合物9(1.74g,7mmol)の無水トルエン溶液(28mL)を-78℃に冷却し、ブロモトリメチルシランのジクロロメタン溶液(1M、10.5mL)を5分間かけて滴下し、さらに5分間撹拌した。N-ヨードスクシンイミド(2.57g,10.5mmol)のアセトニトリル溶液(0.5M、21mL)を5分間かけてゆっくり加えた後に自然昇温し、室温にて1時間撹拌後、0℃にて飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加して反応を停止させた。10分間撹拌後に室温に昇温し、水相をトルエン(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、粗生成物を黄色固体として得た(3.12g)。ヘキサン/ジクロロメタン(4/1)を用いてシリカゲルカラムで精製し、化合物10を白色固体として得た(2.45g、収率77%、純度90%)。
【実施例】
【0097】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.21(d,J=8.4Hz,J=8.4Hz,2H),7.65(dd,J=8.4Hz,J=8.4Hz,1H),7.53(dd,J=8.4Hz,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.8Hz,2H),7.24(d,J=8.8Hz,2H),2.88(q,J=7.4Hz,2H),1.20(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 161.1,151.2,141.7,134.1,130.9,130.5,129.7,129.0,121.8,116.2,104.5,39.8,13.2ppm;
MS(MALDI-IT-TOF)m/z:457[M(79)+H]
IR(neat):1729(C=O),1595,1496,1444,1196,1057,705cm-1
HRMS(MALDI-IT-TOF)calcd for C1715Br(79)IO:456.9300[M(79)+H],found:456.9301.
【実施例】
【0098】
b)[第一の本発明][第四の本発明](E)-4-(1-ブロモ-2-フェニルブタ-1-エン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物11)
【化36】
JP2020125265A_000037t.gif
アルゴン雰囲気下、化合物10(7.31g,16mmol)のトルエン(160mL)溶液にトリブチルフェニルスズ(13.2g,11.7mL,72mmol)とCuTC(13.7g,72mmol)を懸濁させた。105℃にて4時間攪拌後に自然降温させ、トルエン(250mL)を用いてセライトで濾過した。濾液を飽和食塩水(200mL)で洗浄後に減圧濃縮し、ヘキサン/ジクロロメタン(4/1)を用いてシリカゲルカラムで精製したところ、化合物11が白色固体として得られた(2.95g、収率45%)。
【実施例】
【0099】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.14(d,J=7.4Hz,2H),7.62(dd,J=7.4Hz,J=7.4Hz,1H),7.49(dd,J=7.4Hz,J=7.4Hz,2H),7.20-7.11(m,5H),7.03(d,J=7.5Hz,2H),6.97(d,J=8.5Hz,2H),2.82(q,J=7.4Hz,2H),1.06(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 165.1,150.1,145.3,140.6,138.9,133.9,131.7,130.4,129.7,129.4,128.9,128.4,127.2,121.1,119.9,33.6,11.9ppm;
MS(MALDI-IT-TOF)m/z:429[M+Na]
IR(neat):1717(C=O),1595,1499,1444,1247,1200,705cm-1
HRMS(MALDI-IT-TOF)calcd for C2319Br(79)O:429.0466[M+Na],found:429.0454;
Anal. Calcd for C2319Br(79)O:C,67.82;H,4.70. Found:C,67.76;H,4.70.
【実施例】
【0100】
c)[第五の本発明](Z)-4-(1,2-ジフェニルブタ-1-エン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物12)
【化37】
JP2020125265A_000038t.gif
アルゴン雰囲気下、300mLのフラスコに化合物11(4.07g,10mmol)の1,4-ジオキサン(80mL)溶液を入れ、フェニルボロン酸(3.66g,30mmol)、炭酸セシウム(6.52g,20mmol)及びパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(924mg,0.8mmol)を加えた。95℃にて4時間攪拌後、自然降温させ、セライトで濾過した。濾液を減圧濃縮後、得られた残渣をトルエン(50mL)に溶かし、飽和食塩水(80mL)で洗浄した。芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、茶褐色の固体の粗結晶を得た。ヘキサン/トルエン(2/1)を用いてシリカゲルカラムで精製し、化合物12を白色固体として得た(3.74g、E/Z=1/99、収率92%)。
【実施例】
【0101】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.12(d,J=7.8Hz,2H),7.60(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,1H),7.47(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,2H),7.37(dd,J=7.1Hz,7.1Hz,2H),7.28(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,3H),7.20(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,2H),7.14(dd,J=7.1Hz,7.1Hz,3H),6.93(d,J=8.4Hz,2H),6.87(d,J=8.4Hz,2H),2.49(q,J=7.5Hz,2H),0.95(t,J=7.5Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 165.3,149.1,143.6,143.0,142.3,140.9,138.3,133.8,132.1,130.4,130.0,129.9,129.9,128.8,128.5,128.3,127.1,126.7,29.4,13.9ppm;
MS(MALDI-IT-TOF)m/z:404[M]
IR(neat):1725,1499,1264,1197,1061,699cm-1
HRMS(MALDI-IT-TOF)calcd for C2924:404.1776[M],found:404.1798;
Anal. Calcd for C2924:C,86.11;H,5.98. Found:C,85.96;H,5.92.
ORTEP図における結合距離[Å]C7-C8 1.352,C7-C1 1.498,C7-C14 1.501,C8-C9 1.520,C8-C20 1.511. 結合角[度]C8-C7-C1 124.8(7),C1-C7-C14 114.2(3),C14-C7-C8 120.8(0),C7-C8-C9 121.9(0),C9-C8-C20 115.7(0),C20-C8-C7 122.3(7).
【実施例】
【0102】
d)[第二の本発明](Z)-4-(1,2-ジフェニルブタ-1-エン-1-イル)フェノール(化合物13)
【化38】
JP2020125265A_000039t.gif
アルゴン雰囲気下、化合物12(607mg、1.5mmol)をDMF(7.5mL)に溶かし、ナトリウムエタンチオラート(1.26g,15mmol)を加えて15分間加熱還流を行った。0℃にて3M塩酸(23mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応溶液にトルエン(20mL)を加えた後に水相をトルエン(15mL×3)で抽出し、合わせた有機相を3M塩酸(15mL×3)及び飽和食塩水(15mL×3)でそれぞれ洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、626mgの黄色固体を得た。トリエンを用いてシリカゲルカラムで精製後に、ヘキサン(2mL×3)で洗浄することにより、化合物13を得た(397mg、E/Z<1/99、収率88%)。
【実施例】
【0103】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35(dd,J=7.6Hz,7.6Hz,2H),7.23-7.39(m,3H),7.18(dd,J=6.5Hz,6.5Hz,2H),7.10-7.13(m,3H),6.74(d,J=8.7Hz,2H),6.48(d,J=8.7Hz,2H),4.48(s,1H),2.46(q,J=7.4Hz,2H),0.93(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 153.6,144.1,142.7,141.8,138.4,136.1,132.4,130.0,129.8,128.4,126.9,126.4,114.6,29.3,13.9ppm;
MS(ESI)m/z:299[M]
IR(neat):3402,3044,2965,2865,1595,1503,1436,1232,822,587cm-1
HRMS(ESI)calcd for C2219O:299.1436[M-H],found:299.1430.
【実施例】
【0104】
e)(Z)-タモキシフェン
【化39】
JP2020125265A_000040t.gif
化合物13(174mg,0.58mmol)をトルエンとエタノールの混合溶液(6mL/6mL)に溶かし、2-ジメチルアミノエチルクロリドの塩酸塩(173mg,1.2mmol)と炭酸カリウム(318mg,2.3mmol)を加えた。85℃にて4時間半撹拌した後に自然降温させた。0℃にて飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)を加え、室温にて40分間撹拌することにより反応を停止させた。反応溶液にトルエン(15mL)を加えて水相をトルエン(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を水(15mL×2)及び飽和食塩水(15mL)でそれぞれ洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、黄色油状物質を得た。ジクロロメタン/メタノール(9/1)を用いて濾過カラムで精製し、(Z)-タモキシフェンを白色固体として得た(179mg,E/Z=4/96、収率83%)。ヘキサンを用いてこの物質を再結晶させたところ、E/Z比が0/100の(Z)-タモキシフェンが得られた(収率30%)。
【実施例】
【0105】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.34(dd,J=7.4Hz,7.4Hz,2H),7.23-7.28(m,3H),7.17(dd,J=7.5Hz,7.5Hz,2H),7.09-7.12(m,3H),6.76(d,J=8.5Hz,2H),6.56(d,J=8.5Hz,2H),3.92(t,J=5.8Hz,2H),2.64(t,J=5.8Hz,2H),2.45(q,J=7.4Hz,2H),2.28(s,6H),0.92(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 157.1,144.1,142.7,141.6,138.6,135.8,132.1,130.0,129.8,128.4,128.2,126.8,126.3,113.7,66.0,58.6,46.2,29.3,13.9ppm;
MS(ESI)m/z:372[M]
IR(neat):2933,2814,2762,1606,1507,1244,818,767,595cm-1
HRMS(ESI)calcd for C2630NO:372.2327[M+H],found:372.2319.
【実施例】
【0106】
実施例3
(E)-4-(1-ブロモ-2-フェニルオクタ-1-エン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物8a)
a)(E)-4-(1-ブロモ-2-ヨードクタ-1-エニル)フェニルベンゾエート(化合物7a)
【化40】
JP2020125265A_000041t.gif
4-(オクタ-1-イニル)フェニルベンゾエート(化合物6a)(1.95g,6.4mmol)を無水トルエン(26mL)に溶かし、-78℃にてブロモトリメチルシランのジクロロメタン(CHCl)溶液(1M、9.6mL)を5分間かけて滴下した。5分間撹拌後、N-ヨードスクシンイミド(2.16g,9.6mmol)のアセトニトリル(19mL)溶液を5分間かけてゆっくり添加後に室温に昇温し、2時間撹拌したところで原料の消失を確認した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を用いて0℃にて10分間撹拌後に室温に昇温して反応を停止させた。水相をトルエン(10mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(30mL)で洗浄後、芒硝で乾燥させて減圧濃縮したところ、粗生成物を褐色固体として得た(3.36g)。ヘキサン/ジクロロメタン(4/1)を用いてシリカゲルカラムで精製し、化合物7aを黄白色固体として得た(2.84g、収率87%)。
【実施例】
【0107】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.20(d,J=7.3Hz,2H),7.65(dd,J=7.3Hz,7.3Hz,1H),7.52(dd,J=7.3Hz,7.3Hz,2H),7.36(d,J=8.7Hz,2H),7.23(d,J=8.7Hz,2H),2.85(t,J=7.4Hz,2H),1.67(tt,J=7.4Hz,7.4Hz,2H),1.36-1.44(m,6H),0.93(t,J=7.4Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 165.1,151.1,141.8,134.0,130.8,130.5,129.7,128.9,122.0,116.8,103.4,45.6,32.0,28.6,28.4,22.9,14.4ppm.
【実施例】
【0108】
b)[第一の本発明][第四の本発明](E)-4-(1-ブロモ-2-フェニルオクタ-1-エン-1-イル)フェニルベンゾエート(化合物8a)
【化41】
JP2020125265A_000042t.gif
アルゴン雰囲気下、化合物7a(257mg、0.5mmol)のトルエン(5mL)溶液にトリブチルフェニルスズ(844mg、0.75mL、2.25mmol)を添加し、次いでCuTC(439mg、2.25mmol)を懸濁させた。105℃にて2時間撹拌後に自然降温させ、トルエン(10mL)を用いてセライトパッドで濾過した。有機相を飽和食塩水(13mL)で洗浄後に減圧濃縮した。得られた黄色油状物をヘキサン/ジクロロメタン(4/1)を用いてシリカゲルカラムで精製したところ、無色の粘稠な化合物8aが得られた(105mg、収率45%)。
【実施例】
【0109】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.14(d,J=7.8Hz,2H),7.62(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,1H),7.49(dd,J=7.8Hz,7.8Hz,2H),7.18(d,J=8.8Hz,2H),7.12-7.16(m,3H),7.01(d,J=8.1Hz,2H),6.96(d,J=8.8Hz,2H),2.78(t,J=7.4Hz,2H),1.27-1.46(m,8H),0.87(t,J=6.8Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 165.1,150.1,144.2,140.9,139.0,133.9,131.7,130.4,129.8,129.4,128.8,128.4,127.2,121.1,120.3,40.2,31.9,29.4,27.4,22.9,14.4ppm;
MS(DART-IT-TOF)m/z:480[M(79)+NH
IR(neat):2921,2849,1734(C=O),1595,1499,1447,1257,1208,1061,703cm-1
HRMS(DART-IT-TOF)calcd for C2731Br(79)NO:480.1533[M+NH,found:480.1514;
Anal. Calcd for C2727BrO:C,69.98;H,5.87. Found:C,69.98;H,5.87.
【実施例】
【0110】
実施例4
[第一の本発明][第四の本発明](E)-1-(1-ブロモ-2-フェニルオクタ-1-エン-1-イル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(化合物8b)
【化42】
JP2020125265A_000043t.gif
化合物7aの代わりに、(E)-1-(1-ブロモ-2-ヨードオクタ-1-エニル)-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを使用した以外は実施例3と同様に反応を行った。
【実施例】
【0111】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.14-7.16(m,5H),6.98(d,J=7.2Hz,2H),6.93(d,J=8.8Hz,2H),2.79(t,J=7.2Hz,2H),1.44(tt,J=7.2Hz,7.2Hz,2H),1.28-1.39(m,6H),0.88(t,J=7.2Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 148.3,144.8,140.6,140.0,132.0,129.3,128.5,127.3,120.7(JC-F=256.0Hz),120.2,119.4,40.2,31.9,29.4,27.4,22.9,14.4ppm;
19F NMR(376MHz,CDCl)δ 181.89ppm;
MS(DART-IT-TOF)m/z:426[M(79)]
IR(neat):2952,2924,2857(C-O),1599,1499,1441,1254,697cm-1
HRMS(DART-IT-TOF)calcd for C2122Br(79)FO:426.0806[M],found:426.0792.
【実施例】
【0112】
実施例5
[第一の本発明][第四の本発明](E)-4-(1-ブロモ-2-フェニルオクタ-1-エン-1-イル)フェニル2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゾエート(化合物8c)
【化43】
JP2020125265A_000044t.gif
化合物7aの代わりに、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ安息香酸(E)-4-(1-ブロモ-2-ヨードオクタ-1-エニル)フェニルを使用した以外は実施例3と同様に反応を行った。
【実施例】
【0113】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.19(d,J=8.6Hz,2H),7.14(m,3H),7.00(m,4H),2.78(t,J=6.9Hz,2H),1.28(m,8H),0.96(t,J=6.9Hz,3H)ppm;
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 149.1,146.1(C-F=267Hz,C-F=14.3Hz),144.7,144.0(C-F=259.1Hz),140.7,140.0,138.1(C-F=256.0Hz,C-F=13.1Hz,C-F=5.7Hz),131.9,129.4,129.0(JC-F=40.0Hz),128.5,127.3,120.7,119.7,108.0(JC-F=15.0Hz),40.2,32.0,29.4,27.4,22.9,14.4ppm;
MS(DART-IT-TOF)m/z:552[M(79)]
IR(neat):2928,2853,1753,1650(C=O),1499,1326,1203,1001cm-1
HRMS(DART-TOF)calcd for C2726BrFNO:570.1067[M(79)+NH,found:570.1038.
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明によれば、四置換アルケンを簡便かつ立体選択的に製造することができるため、(E)-および(Z)-タモキシフェンをはじめとする医薬品の簡便かつ安価な大量合成に応用することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27