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明細書 :樹脂混合用ハイブリッドフィラー及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-128475 (P2020-128475A)
公開日 令和2年8月27日(2020.8.27)
発明の名称または考案の名称 樹脂混合用ハイブリッドフィラー及びその製造方法
国際特許分類 C08L 101/00        (2006.01)
C08K   3/04        (2006.01)
C08K   3/22        (2006.01)
C08K   3/36        (2006.01)
C08J   5/06        (2006.01)
FI C08L 101/00
C08K 3/04
C08K 3/22
C08K 3/36
C08J 5/06 CES
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2019-021226 (P2019-021226)
出願日 平成31年2月8日(2019.2.8)
発明者または考案者 【氏名】安藤 義人
【氏名】エクシラ クブラ
出願人 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100120086、【弁理士】、【氏名又は名称】▲高▼津 一也
審査請求 未請求
テーマコード 4F072
4J002
Fターム 4F072AA04
4F072AB03
4F072AC02
4F072AC03
4F072AD04
4F072AE00
4F072AE21
4F072AF06
4F072AG04
4F072AH23
4F072AK05
4F072AK14
4J002AA001
4J002AB012
4J002BB111
4J002DA016
4J002DE116
4J002DJ016
4J002FA042
4J002FB022
4J002FB026
4J002FD012
4J002FD016
要約 【課題】簡便に樹脂に分散させることができるセルロース繊維を含むハイブリッドフィラーを提供すること。
【解決手段】セルロース繊維及び微粒子の複合体を含有する樹脂混合用ハイブリッドフィラーであり、微粒子としては、シリカ、四酸化三鉄、グラフェンが挙げられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
セルロース繊維及び微粒子の複合体を含有することを特徴とする樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
【請求項2】
複合体が、セルロース繊維及び微粒子を液中で混合して懸濁させ、該液を乾燥させて複合化したものであることを特徴とする請求項1記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
【請求項3】
セルロース繊維が、セルロースナノファイバー又はセルロースマイクロクリスタルであることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
【請求項4】
微粒子が、シリカ、四酸化三鉄、及びグラフェンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
【請求項5】
微粒子が、ブレークダウン法で調製されたものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーを分散させたことを特徴とするハイブリッドフィラー含有樹脂。
【請求項7】
セルロース繊維及び微粒子を液中で混合して懸濁させ、該液を乾燥させて複合化して複合体を調製する工程を有することを特徴とする樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
【請求項8】
セルロース繊維が、セルロースナノファイバー又はセルロースマイクロクリスタルであることを特徴とする請求項7記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
【請求項9】
微粒子が、シリカ、四酸化三鉄、及びグラフェンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7又は8記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
【請求項10】
微粒子をブレークダウン法で調製することを特徴とする請求項7~9のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂に混合して用いるハイブリッドフィラー、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物由来の繊維であるセルロースは、環境負荷が小さく、かつ持続型資源であるとともに、高弾性率、高強度、低線膨張係数などの優れた特性を有する。そのため、幅広い用途、例えば、紙、フィルムやシートなどの材料、樹脂の複合材料などとして利用されている。特に、微細化したセルロース繊維(セルロースナノファイバー)などは、樹脂の補強剤として有用であり、樹脂との複合化に向けた多くの試みがなされている。
【0003】
このようなセルロース繊維を含む樹脂強化剤として、例えば、溶媒中で、ラジカルで活性化処理されたセルロース繊維と9,9-ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを反応させて得た修飾セルロース繊維が提案されている(特許文献1参照)。また、水とナノセルロース繊維を含む微小セルロース繊維と脂肪酸類で表面処理した充填材とを剪断力を加えながら混合する工程と、混合物を乾燥する工程と、乾燥後の固形分を粉砕する工程とを経て製造される樹脂材料強化材が提案されている(特許文献2参照)。さらに、平均繊維径が4~1000nmの酸化セルロース繊維と雲母等の薄片状無機材料とを含む複合体組成物が提案されている(特許文献3参照)。また、ミクロフィブリル化セルロースおよびナノ粒子を含有する分散体が提案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2017-222777号公報
【特許文献2】特開2017-144614号公報
【特許文献3】特開2010-285573号公報
【特許文献4】特表2014-530946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡便に樹脂に分散させることができるセルロース繊維を含むハイブリッドフィラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究した結果、セルロース繊維と微粒子(凝集性の高い微粒子)とを共存させることにより、セルロース繊維の凝集を抑制し、マトリクスである樹脂中への分散性を向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
〈1〉セルロース繊維及び微粒子の複合体を含有することを特徴とする樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
〈2〉複合体が、セルロース繊維及び微粒子を液中で混合して懸濁させ、該液を乾燥させて複合化したものであることを特徴とする〈1〉記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
〈3〉セルロース繊維が、セルロースナノファイバー又はセルロースマイクロクリスタルであることを特徴とする〈1〉又は〈2〉記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
〈4〉微粒子が、シリカ、四酸化三鉄、及びグラフェンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項〈1〉~〈3〉のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
〈5〉微粒子が、ブレークダウン法で調製されたものであることを特徴とする請求項〈1〉~〈4〉のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラー。
〈6〉〈1〉~〈5〉のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーを分散させたことを特徴とするハイブリッドフィラー含有樹脂。
〈7〉セルロース繊維及び微粒子を液中で混合して懸濁させ、該液を乾燥させて複合化して複合体を調製する工程を有することを特徴とする樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
〈8〉セルロース繊維が、セルロースナノファイバー又はセルロースマイクロクリスタルであることを特徴とする請求項〈7〉記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
〈9〉微粒子が、シリカ、四酸化三鉄、及びグラフェンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする〈7〉又は〈8〉記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
〈10〉微粒子をブレークダウン法で調製することを特徴とする〈7〉~〈9〉のいずれか記載の樹脂混合用ハイブリッドフィラーの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹脂混合用ハイブリッドフィラーは、セルロース繊維を含むにもかかわらず、簡便に樹脂に分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1、比較例1及び2で作製したフィルムの引張強度の結果を表す図(グラフ)である。
【図2】実施例1、比較例1及び2で作製したフィルムの引張弾性の結果を表す図(グラフ)である。
【図3】実施例2、比較例1及び3で作製したフィルムの引張強度の結果を表す図(グラフ)である。
【図4】実施例2、比較例1及び3で作製したフィルムの引張弾性の結果を表す図(グラフ)である。
【図5】実施例3、比較例1及び4で作製したフィルムの引張強度の結果を表す図(グラフ)である。
【図6】実施例3、比較例1及び4で作製したフィルムの引張弾性の結果を表す図(グラフ)である。
【図7】実施例1で作製したフィルムの透過性を確認した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の樹脂混合用ハイブリッドフィラー(以下、単に、ハイブリッドフィラーという)は、セルロース繊維及び微粒子の複合体を含有することを特徴とする。

【0011】
本発明のハイブリッドフィラーは、微粒子を含むことから、樹脂中への分散が困難なセルロース繊維を樹脂に簡便に分散させることができる。すなわち、セルロース繊維を化学修飾する必要がなく、セルロース繊維をそのまま利用できることから、コストが安く、汎用性が高い。また、微粒子として種々の粒子を用いることができることから、多種多様なフィラーとすることができ、例えば、微粒子が特定の機能を有する場合には、その機能(第2の特性)を樹脂に付与することができる。

【0012】
(セルロース繊維)
本発明におけるセルロース繊維は、天然セルロース、合成セルロースを微小化して調製することができる。天然セルロースとしては、植物由来のセルロースを挙げることができ、具体的に、広葉樹系パルプ、針葉樹系パルプ、竹、油やし等を例示することができる。

【0013】
天然セルロース等を微小化してセルロース繊維とする方法としては、公知の種々の方法を挙げることができる。具体的には、高圧ホモジナイザー法、ボールミル粉砕法、グラインダー摩砕法、強剪断力混練法、凍結粉砕法等を例示することができる。

【0014】
なお、本発明においては、セルロース繊維が化学修飾を行っていないものであっても本発明の効果を発揮するが、化学修飾したものを用いることを妨げるものではない。

【0015】
ここで、セルロース繊維としては、セルロースナノファイバー、セルロースマイクロクリスタル等を挙げることができ、セルロースナノファイバーが好ましい。

【0016】
(微粒子)
本発明における微粒子としては、セルロース繊維と共存させた場合に樹脂への分散性を向上させることができる表面特性を有する微粒子であれば特に制限されるものではなく、有機微粒子であってもよいが、無機微粒子であることが好ましい。

【0017】
無機微粒子としては、具体的に、シリカ、四酸化三鉄(マグネタイト)、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等を挙げることができる。本発明においては、これらを混合して用いてもよい。

【0018】
微粒子としては、ナノ粒子、マイクロ粒子を挙げることができる。
微粒子の粒子径(1次粒子径)としては、5nm~10μmであることが好ましく、10nm~5μmであることがより好ましく、50nm~1μmであることがさらに好ましく、50nm~500nmであることが特に好ましい。なお、粒子径は、動的光散乱法で測定したものをいう。

【0019】
微粒子の調製方法は、微粒子が調製できれば特に限定されず、例えば、化学反応により原子や分子等の集合体の成長を制御して微粒子とするビルドアップ法や、粒子に機械的なエネルギーを加えて微細化するブレークダウン法を用いて調製することができる。本発明においては簡便さの点から、ブレークダウン法を用いて調製することが好ましく、湿式粉砕により調製することが特に好ましい。湿式粉砕により調製することにより、微粒子の表面を活性化することができ、セルロース繊維の分散性をより向上させることができる。

【0020】
(複合体)
本発明におけるセルロース繊維及び微粒子の複合体は、例えば、セルロース繊維及び微粒子を液中で混合して懸濁させ、液を乾燥させて複合化することにより調製することができる。本発明の複合体(ハイブリッドフィラー)は、このような極めて簡易な方法で得ることができる。

【0021】
セルロース繊維及び微粒子を混合するための液としては、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール、クロロベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、フルオロベンゼン、ジクロロエタン、アセトノニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。

【0022】
セルロース繊維及び微粒子の混合割合(質量比)としては、1:0.5~20であることが好ましく、1:1~15であることがより好ましく、1:2~10であることがさらに好ましく、1:5~10であることが特に好ましい。

【0023】
なお、本発明のハイブリッドフィラーは、セルロース繊維及び微粒子の複合体の他に、他の添加剤を含んでいてもよい。

【0024】
(マトリクス樹脂)
本発明のハイブリッドフィラーを混合する樹脂(マトリクス樹脂)としては、その種類は特に種類は限定されず、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよい。マトリクス樹脂にハイブリッドフィラーを分散したものが、本発明のハイブリッドフィラー含有樹脂である。

【0025】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸や、これらの共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は混合して用いてもよい。

【0026】
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ラテックスや、これらの共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は混合して用いてもよい。

【0027】
(ハイブリッドフィラー含有樹脂)
本発明のハイブリッドフィラーをマトリクス樹脂に混合して、本発明のハイブリッドフィラー含有樹脂を得るには、例えば、まず、混錬機を用いて本発明のハイブリッドフィラーをマトリクス樹脂と混錬し、複合材料を得る。次いで、得られた複合材料に、射出成形、押出成形、インサート成形、圧縮成形などの成形処理を施すことにより、成形された本発明のハイブリッドフィラー含有樹脂を得ることができる。

【0028】
樹脂に対するフィラーの添加量としては、質量比で、樹脂100に対して0.1~30であることが好ましく、1~20であることがより好ましく、5~20であることがさらに好ましく、5~15であることが特に好ましい。

【0029】
本発明のハイブリッドフィラー含有樹脂においては、通常は分散しにくいセルロース繊維が、均一に分散されたものとなる。また、本発明のハイブリッドフィラー含有樹脂は、本発明のハイブリッドフィラーを含んでいることから、このフィラーに含まれる微粒子がもつ導電性、高強度、高弾性、高熱伝導性などの機能が付加された新規機能性樹脂となる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を具体的な実施例に基づき説明するが、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
セルロースナノファイバー(平均繊維径10-50nm,比表面積120m2/g;以下同様)及びシリカ粉末(粒子径3.8μm;以下同様)を湿式粉砕した。1.25質量%の湿式粉砕したセルロースナノファイバー及び8.75質量%の湿式粉砕したシリカ粉末のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをハイブリッドフィラーとした。ハイブリッドフィラーと母材であるポリプロピレンとの質量比が1対9となるように二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0031】
(比較例1)
1.25質量%のセルロースナノファイバーのエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをフィラーとした。フィラーに98.75質量%の母材であるポリプロピレンを二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0032】
(比較例2)
8.75質量%のシリカ粉末のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをフィラーとした。フィラーに91.25質量%の母材であるポリプロピレンを用いて二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0033】
(実施例2)
マグネタイトFe3O4粉末(粒子径372.5nm;以下同様)を湿式粉砕した。1.25質量%のセルロースナノファイバー及び8.75質量%の湿式微粉砕したマグネタイトFe3O4のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをハイブリッドフィラーとした。ハイブリッドフィラーと母材であるポリプロピレンとの質量比が1対9となるように二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0034】
(比較例3)
8.75質量%のFe3O4粉末のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをフィラーとした。フィラーに91.25質量%の母材であるポリプロピレンを用いて二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0035】
(実施例3)
グラフェンナノプレート(GNP)粉末(粒子径163.5nm;以下同様)を湿式粉砕した。1.25質量%のセルロースナノファイバー及び8.75質量%の湿式微粉砕をしたGNP粉末のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをハイブリッドフィラーとした。ハイブリッドフィラーと母材であるポリプロピレンとの質量比が1対9となるように二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0036】
(比較例4)
8.75質量%のGNP粉末のエタノール溶液を調製し、溶媒留去を行った後、一晩真空乾燥を行った。これをフィラーとした。フィラーに91.25質量%の母材であるポリプロピレンを用いて二軸混練押出機を用いて溶融混練を行った。回転速度、温度および滞留時間は、それぞれ40rpm、180℃および5分の条件にて複合材の準備を行った。この複合材を使って作成したフィルムは、30MPaの圧力下、180℃で3分間、油圧ホットプレスを用いて調製し、次いで室温に冷却した。
【実施例】
【0037】
各複合材フィルムの評価方法は、以下の通りである。
(1)引張試験
引張試験は井元製作所製小型材料試験機IMC-18EOを用い,クロスヘッド測定速度5mm/min,室内温度25± 2℃, 40± 5% RHで作成した各フィルムの測定(引張強度及び引張弾性)を行った。
【実施例】
【0038】
1)実施例1、比較例1及び2で作製したフィルムの引張強度及び引張弾性についての結果を図1及び図2に示す。
【実施例】
【0039】
図1及び図2に示すように、セルロースナノファイバー及びシリカ粉末をポリプロピレンに加えた実施例1は、セルロースナノファイバー単独の比較例1や、シリカ粉末単独の比較例2と比較して、引張強度及び引張弾性率の双方が向上していた。したがって、樹脂中にセルロースナノファイバーが均一に分散されていることがわかる。
【実施例】
【0040】
2)実施例2、比較例1及び3で作製したフィルムの引張強度及び引張弾性についての結果を図3及び図4に示す。
【実施例】
【0041】
図3及び図4に示すように、セルロースナノファイバー及びマグネタイトFe3O4粉末をポリプロピレンに加えた実施例2は、セルロースナノファイバー単独の比較例1や、Fe3O4粉末単独の比較例3と比較して、引張強度及び引張弾性率の双方が向上していた。したがって、樹脂中にセルロースナノファイバーが均一に分散されていることがわかる。
【実施例】
【0042】
3)実施例3、比較例1及び4で作製したフィルムの引張強度及び引張弾性についての結果を図5及び図6に示す。
【実施例】
【0043】
図5に示すように、セルロースナノファイバー及びグラフェンナノプレート(GNP)粉末をポリプロピレンに加えた実施例3は、セルロースナノファイバー単独の比較例1や、GNP粉末単独の比較例4と比較して、引張強度が向上していた。したがって、樹脂中にセルロースナノファイバーが均一に分散されていることがわかる。引張弾性率については、図6に示すように、実施例3は、比較例4よりも若干低い値であったが、比較例1より向上していた。
なお、実施例3で作製したフィルムは、導電性を示した。したがって、樹脂中にGNP粉末(及びそれと共に添加したセルロースナノファイバー)が均一に分散されていることがわかる。
【実施例】
【0044】
(2)外観観察
実施例1で作製したフィルムの透過性を確認するため、裏側の模様が視認できるか観察を行った。その結果を図7に示す。
【実施例】
【0045】
図7に示すように、実施例1で作製したフィルムは、裏側の模様が視認できる程度の透過性を有しており、添加した材料が均一に分散していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のハイブリッドフィラーは、樹脂に簡便に混合して用いることができることから、産業上有用である。

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6