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明細書 :仮想体の動作制御システム、人体拘束治具、及び仮想体の動作制御方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-077374 (P2020-077374A)
公開日 令和2年5月21日(2020.5.21)
発明の名称または考案の名称 仮想体の動作制御システム、人体拘束治具、及び仮想体の動作制御方法
国際特許分類 G06F   3/01        (2006.01)
A61B   5/11        (2006.01)
FI G06F 3/01 560
A61B 5/11 230
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 23
出願番号 特願2019-163861 (P2019-163861)
出願日 令和元年9月9日(2019.9.9)
優先権出願番号 2018209515
優先日 平成30年11月7日(2018.11.7)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】中村 壮亮
【氏名】望月 典樹
出願人 【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000165、【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
審査請求 未請求
テーマコード 4C038
5E555
Fターム 4C038VA04
4C038VB02
4C038VB11
4C038VB13
4C038VB14
4C038VB19
4C038VB34
4C038VC20
5E555AA08
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555CB74
5E555DA24
5E555DD06
5E555FA00
要約 【課題】人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体を、狭い実空間に人体があっても問題なく動作させる。
【解決手段】仮想体の動作制御システムは、人体の少なくとも1つの関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する非関節部位拘束治具と、前記非関節部位拘束治具それぞれの場所において、関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位が前記非関節部位拘束治具に作用する力の検出結果を処理して、前記仮想体の動作を制御するデータ処理装置と、を備える。前記データ処理装置は、前記センサーによる検出結果を用いて、前記関節部位に働くトルクを算出するトルク変換処理ユニットと、算出した前記トルクを用いて、前記関節部位に対応する前記仮想体の対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出する動作変換処理ユニットと、算出した前記回転動作データに応じて、前記対応関節部位に回転動作を与える回転動作付与ユニットと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御システムであって、
人体の少なくとも1つの関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する非関節部位拘束治具と、
前記非関節部位拘束治具それぞれの場所に設けられ、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りに作用するトルクに関する情報、あるいは、拘束された前記非関節部位それぞれの筋電情報を検出するセンサーと、
前記センサーによる検出結果を処理して、前記仮想体の動作を制御するデータ処理装置と、を備え、
前記データ処理装置は、
前記センサーによる検出結果を用いて、前記関節部位に働くトルクを算出するトルク変換処理ユニットと、
算出した前記トルクを用いて、前記関節部位に対応する前記仮想体の対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出する動作変換処理ユニットと、
算出した前記回転動作データに応じて、前記仮想体の前記対応関節部位に回転動作を与える回転動作付与ユニットと、を備える、ことを特徴とする仮想体の動作制御システム。
【請求項2】
前記トルク変換処理ユニットは、前記非関節部位拘束治具に作用する力又は圧力の情報、前記非関節部位拘束治具により拘束された前記非関節部位が前記非関節部位拘束治具に前記力又は前記圧力を付与する位置と前記関節部位との間の距離情報、前記非関節部位の長さの情報、及び前記非関節部位拘束治具が前記非関節部位を拘束したときの前記関節部位の関節角度の情報を用いて、前記トルクを算出する、請求項1に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項3】
前記動作変換処理ユニットは、前記トルクと、前記関節部位の動作を模擬するようにトルクにおける弾性係数が非線形に変化する非線形弾性要素、及びトルクにおける粘性抵抗係数が非線形に変化する非線形粘性要素を含む前記対応関節部位に対応した前記仮想体の運動力学モデルと、を用いて、前記仮想体の運動力学モデルにおける運動結果を算出し、算出した前記運動結果を前記回転動作データとする、請求項1又は2に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項4】
前記回転動作の付与に応じて、前記非関節部位あるいは前記関節部位に前記回転動作を実感させるための刺激信号を生成する刺激制御ユニットと、
前記刺激制御ユニットと接続され、生成した前記刺激信号により、前記非関節部位あるいは前記関節部位に刺激を付与する刺激付与素子と、を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項5】
前記回転動作の付与に応じて、前記対応関節部位に回転動作を与えて動作する前記仮想体の画像を表示させるディスプレイを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項6】
前記仮想体の、前記非関節部位に対応する対応非関節部位が予め定めた目標回転動作を行うために、前記非関節部位が力を発したときの前記仮想体の前記対応非関節部位の回転動作と、前記目標回転動作との間の誤差を算出し、前記誤差が小さくなるように、前記誤差に基づいて、前記トルク変換処理ユニットあるいは前記動作変換処理ユニットが前記トルクあるいは前記回転動作データを算出する際に用いるパラメータを調整するキャリブレーションユニットを、備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項7】
前記関節部位は、手あるいは腕の関節部位を複数含み、前記対応関節部位における回転動作は、前記仮想体の対応する指または腕の曲げ伸ばし動作を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項8】
前記関節部位は、脚及び腰の関節部位を複数含み、前記対応関節部位における回転動作は、前記仮想体の対応する脚による歩行動作を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の仮想体の動作制御システム。
【請求項9】
人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御を行うめに、人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する人体拘束治具であって、
人体の少なくとも1つの関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する非関節部位拘束治具と、
前記非関節部位拘束治具それぞれの場所に設けられ、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報を検出し、前記力、前記圧力、又は前記トルクに関する情報を外部のデータ処理装置に出力するセンサーと、
を備え、
前記センサーは、前記関節部位の動作により前記非関節部位が動こうとする方向の、前記非関節部位を挟んだ前記非関節部位拘束治具の両側の部分それぞれに設けられている、ことを特徴とする人体拘束治具。
【請求項10】
前記非関節部位拘束治具は、前記非関節部位の寸法に応じて寸法が調整可能に構成され、
前記非関節部位拘束治具により拘束された前記非関節部位が前記非関節部位拘束治具に前記力又は前記圧力を付与する位置と前記関節部位との間の距離情報、前記非関節部位の長さの情報、及び前記非関節部位拘束治具が前記非関節部位を拘束したときの前記関節部位の関節角度の情報の少なくとも1つを計測し、計測結果を前記データ処理装置に出力する計測装置を備える、請求項9に記載の人体拘束治具。
【請求項11】
人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御方法であって、
人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束した状態で、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報、あるいは、拘束された前記非関節部位それぞれの筋電情報を検出するステップと、
前記検出するステップの検出結果を用いて、前記関節部位に働くトルクを算出するステップと、
算出した前記トルクを用いて、前記関節部位に対応する前記仮想体の対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出するステップと、
算出した回転動作データに応じて、前記仮想体の前記対応関節部位に回転動作を与えるステップと、を備える、ことを特徴とする仮想体の動作制御方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御システム、仮想体の動作制御方法、及び仮想体の動作制御システムに用いる人体拘束治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体と同一、もしくは人体の少なくとも一部を模擬した仮想体が、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作するためのインタフェースとして、実際の空間で人体の各部位の位置の変化を計測するモーションセンサが広く用いられている。モーションセンサには、光学式、加速度・ジャイロ式、あるいは磁気式が広く用いられる。
【0003】
例えば、物体に配置された複数のモーションセンサタグから動作データを収集する方法であって、少なくとも一つの無線周波数信号で、前記動作データを送信し、送信した前記動作データを受信し、3次元空間における前記物体の位置、向き、加速、及び/又は、速度を含む3次元データを取得する方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特表2017-505908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような方法により、物体、例えば人体の動作を正確に捕捉することはできるが、捕捉した動作の情報を仮想体に与えて、この動作を模擬して仮想体に動作させる場合もある。この場合、以下の問題が発生する。
例えば、仮想体を、無限に広い空間内で動作させる場合、実際の物体、例えば人体においても動作に制約のない広い空間内で動作する必要がある。例えば、仮想体が仮想空間内で、自由にダンスをするような場合、人体でも実空間内で自由にダンスをする必要がある。しかし、実空間内では、場所に制限があり、壁や障害物にぶつかる等して、仮想空間内の仮想体に思い通りの動作をさせることができない場合がある。
このため、実空間に比べて仮想空間における仮想体の動作範囲が広い場合、仮想体は、実空間から十分な動作の入力を受けることができない、といった問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作を制御するとき、人体が位置する実空間に比べて広い仮想空間内における仮想体の動作を、狭い実空間に人体があっても問題なく行わせることができる仮想体の動作制御システム、仮想体の動作制御方法、及び動作制御システムに用いる人体拘束治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御システムである。当該仮想体の動作制御システムは、
人体の少なくとも1つの関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する非関節部位拘束治具と、
前記非関節部位拘束治具それぞれの場所に設けられ、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報、あるいは、拘束された前記非関節部位それぞれの筋電情報を検出するセンサーと、
前記センサーによる検出結果を処理して、前記仮想体の動作を制御するデータ処理装置と、を備える。
前記データ処理装置は、
前記センサーによる検出結果を用いて、前記関節部位に働くトルクを算出するトルク変換処理ユニットと、
算出した前記トルクを用いて、前記関節部位に対応する前記仮想体の対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出する動作変換処理ユニットと、
算出した前記回転動作データに応じて、前記仮想体の前記対応関節部位に回転動作を与える回転動作付与ユニットと、を備える。
【0008】
前記トルク変換処理ユニットは、前記非関節部位拘束治具に作用する力又は圧力の情報、前記非関節部位拘束治具により拘束された前記非関節部位が前記非関節部位拘束治具に前記力又は前記圧力を付与する位置と前記関節部位との間の距離情報、前記非関節部位の長さの情報、及び前記非関節部位拘束治具が前記非関節部位を拘束したときの前記関節部位の関節角度の情報、に基づいて、前記トルクを算出する、ことが好ましい。
【0009】
前記動作変換処理ユニットは、前記トルクと、前記関節部位の動作を模擬するように弾性係数が非線形に変化する非線形弾性要素及び粘性抵抗係数が非線形に変化する非線形粘性要素を含む前記対応関節部位に対応した前記仮想体の運動力学モデルと、を用いて、前記仮想体の前記運動力学モデルにおける運動結果を算出し、算出した前記運動結果を前記回転動作データとする、ことが好ましい。
一実施形態によれば、前記非線形弾性要素は、前記対応関節部位の関節角度の情報に応じて弾性係数が非線形に変化する弾性要素であり、前記非線形粘性要素は、前記対応関節部位の関節角度の情報及び当該関節角度の時間変化の情報に応じて粘性抵抗係数が非線形に変化する粘性要素である。
前記回転動作付与ユニットは、前記仮想体を動作させる動作信号を前記回転動作データから生成し、前記動作信号を前記仮想体に供給する。
【0010】
前記仮想体の動作制御システムは、
前記回転動作の付与に応じて、前記非関節部位あるいは前記関節部位に前記回転動作を実感させるための刺激信号を生成する刺激制御ユニットと、
前記刺激制御ユニットと接続され、生成した前記刺激信号により、前記非関節部位あるいは前記関節部位に刺激を付与する刺激付与素子と、を備える、ことが好ましい。
前記刺激信号は、振動刺激、電気刺激、及び圧力刺激の少なくとも1つの刺激に関する刺激信号であることが好ましい。一実施形態によれば、前記刺激は、前記回転動作の付与に応じて、前記非関節部位に前記回転動作を実感させるための振動刺激である。
【0011】
前記仮想体の動作制御システムは、前記回転動作の付与に応じて、前記対応関節部位に回転動作を与えて動作する前記仮想体の画像を表示させるディスプレイを備える、ことが好ましい。
【0012】
前記仮想体の動作制御システムは、
前記仮想体の、前記非関節部位に対応する対応非関節部位が予め定めた目標回転動作を行うために、前記非関節部位が力を発したときの前記仮想体の前記対応非関節部位の回転動作と、前記目標回転動作との間の誤差を算出し、前記誤差が小さくなるように、前記誤差に基づいて、前記トルク変換処理ユニットあるいは前記動作変換処理ユニットが前記トルクあるいは前記回転動作データを算出する際に用いるパラメータを調整するキャリブレーションユニットを、備える、ことが好ましい。
【0013】
一実施形態によれば、前記関節部位は、手の指関節部位を複数含み、前記対応関節部位における回転動作は、前記仮想体の対応する指の曲げ伸ばし動作を含む。
【0014】
一実施形態によれば、前記関節部位は、脚及び腰の関節部位を複数含み、前記対応関節部位における回転動作は、前記仮想体の対応する脚による歩行動作を含む。
【0015】
本発明の他の一態様は、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御を行うめに、人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する人体拘束治具である。当該人体拘束治具は、
人体の少なくとも1つの関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束する非関節部位拘束治具と、
前記非関節部位拘束治具それぞれの場所に設けられ、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報を検出し、前記力、前記圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報を外部のデータ処理装置に出力するセンサーと、
を備える。
前記センサーは、前記関節部位の屈伸により前記非関節部位が動こうとする方向の、前記非関節部位を挟んだ前記非関節部位拘束治具の両側の部分それぞれに設けられている。
【0016】
前記非関節部位拘束治具は、前記非関節部位の寸法に応じて寸法が調整可能に構成され、
前記非関節部位拘束治具により拘束された前記非関節部位が前記非関節部位拘束治具に前記力又は前記圧力を付与する位置と前記関節部位との間の距離情報、前記非関節部位の長さの情報、及び前記非関節部位拘束治具が前記非関節部位を拘束したときの前記関節部位の関節角度の情報の少なくとも1つを計測し、計測結果を前記データ処理装置に出力する計測装置を備える、ことが好ましい。
【0017】
本発明の他の一態様は、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができる仮想体の動作制御方法である。当該仮想体の動作制御方法は、
人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束した状態で、前記関節部位を動作させようとするときに前記非関節部位それぞれが前記非関節部位拘束治具に作用する力、圧力、又は前記関節部位周りのトルクに関する情報、あるいは、拘束された前記非関節部位それぞれの筋電情報を検出するステップと、
前記検出するステップの検出結果を用いて、前記関節部位に働くトルクを算出するステップと、
算出した前記トルクを用いて、前記関節部位に対応する前記仮想体の対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出するステップと、
算出した回転動作データに応じて、前記仮想体の前記対応関節部位に回転動作を与えるステップと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
上述の仮想体の動作制御システム、仮想体の動作制御方法、及び人体拘束治具によれば、人体が位置する実空間に比べて広い仮想空間内における仮想体の動作を、狭い実空間に人体があっても問題なく行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一実施形態の仮想体の動作制御システムの概略を説明する図である。
【図2】仮想体の動作制御を行う一実施形態のデータ処理装置の構成の一例を示す図である。
【図3】一実施形態で用いる人体の関節部位の一例として、指関節を説明する図である。
【図4】(a)は、指関節周りの非関節部位と、一実施形態で用いる非関節部位拘束治具を詳細に説明する図であり、(b)は、一実施形態のデータ処理装置のトルク変換処理ユニットがセンサーの検出結果からトルクを算出するためのモデルの例を説明する図である。
【図5】非線形弾性要素及び非線形粘性要素における非線形関数の例を説明する図である。
【図6】(a),(b)は、一実施形態で用いる仮想体の動作の一例を説明する図である。
【図7】(a)~(c)は、図4(b)に示す第1~第3モデル関節に与えた非線形弾性要素の特性の例を示す図である。
【図8】図4(b)に示す第1~第3モデル関節に与えた非線形粘性要素の特性の例を示す図である。
【図9】(a)~(f)は、図4(a)に示す非関節部位がセンサーに与える力の時間変化の例を示す図である。
【図10】(a)~(c)は、図4(b)に示すモデルの第1~第3モデル関節それぞれの周りに作用するトルクの時間変化の例を示す図である。
【図11】(a)~(c)は、図4(b)に示すモデルの第1~第3モデル関節それぞれの非線形粘性要素に生じたトルクの時間変化の例を示す図である。
【図12】(a)~(c)は、図4(b)に示すモデルの第1~第3モデル関節それぞれの関節角度の時間変化の例を示す図である。
【図13】(a),(b)は、本実施形態の方法及び従来の方法で行った仮想体のタスク内容とその仮想体の動作結果の一例を示す図である。
【図14】(a)~(c)は、センサーによる検出結果に基づいて得られる仮想体の回転動作のキャリブレーションの一例を説明する図である。
【図15】人体拘束治具の一形態である人差し指の動作を拘束する指拘束治具の一例の概観斜視図である。
【図16】人体拘束治具の一形態である、脚の動作を拘束する脚拘束治具の一例の概観斜視図である。
【図17】(a)は、人体の頭部~胴体~脚~足の部分における、実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、(b)は、センサーの配置の例を説明する図である。
【図18】(a)は、人体の腕~手の部分における、本実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、(b)は、センサーの配置の例を説明する図である。
【図19】(a)は、人体の指における、本実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、(b)は、センサーの配置の例を説明する図である。
【図20】(a)は、人体の関節周りの捩じり回転動作を拘束する非関節部位とセンサーの配置の例を説明する図であり、(b)は、人体の腕の捩じり回転動作を拘束する非関節部位とセンサーの配置の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、一実施形態の仮想体の動作制御方法を実行する仮想体の動作制御システムを、図面を参照しながら説明する。

【0021】
(仮想体の動作制御の概略説明)
図1は、一実施形態の仮想体の動作制御システム(以下、単にシステムという)の概略を説明する図である。図1に示すシステム1は、非関節部位拘束治具10と、センサー12と、データ処理装置14と、振動子16と、ウェアラブルディスプレイ18と、を備える。

【0022】
非関節部位拘束治具10は、ベッド3上に横になった人体の各関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束するように配置されている。例えば、非関節部位拘束治具10は、腕の肘関節に対して上腕と前腕の部位(非関節部位)を拘束する。非関節部位拘束治具10は、各非関節部位が変位することがないように各非関節部位を固定する。

【0023】
センサー12は、非関節部位拘束治具10それぞれの場所に設けられ、関節部位を動作(屈伸あるいは回転)させようとするときに非関節部位それぞれが非関節部位拘束治具10に作用する力、圧力、又は関節部位周りに作用するトルクに関する情報を検出する部分である。例えば、非関節部位拘束治具10の非関節部位と接する面に、センサー12が設けられる。図1では、わかり易く示すために、非関節部位拘束治具10とは別の場所にセンサー12があるように図示されているが、センサー12は、各非関節部位拘束治具10に設けられている。非関節部位拘束治具10のそれぞれに設けられたセンサー12からの検出結果がデータ処理装置14に供給される。

【0024】
なお、センサー12は、非関節部位それぞれが非関節部位拘束治具10に作用する力又は圧力の情報を検出する場合に限定されず、拘束された非関節部位それぞれの筋電情報を検出してもよい。少なくとも、動きが拘束された非関節部位がどの程度の力を発揮するかの情報を検出することができればよい。検出された情報は、適宜、データ処理装置14内でキャリブレーションされ、力の情報に変換される。また、センサー12は、関節部位周りのトルクに関する情報を検出してもよい。この場合、検出したトルクに関する情報は、データ処理装置14において、所定の換算式を介してトルクの値が算出される。

【0025】
データ処理装置14は、コンピュータで構成され、センサー12による検出結果を処理して、別の空間内に位置する仮想体Vの動作を制御する装置である。仮想体Vは、操作者の人体により制御される。
ここで、別の空間とは、実際の操作者の人体が位置する実空間とは異なる空間であって、仮想空間でもいいし、操作者の人体が位置する空間とは異なる、離間した実空間(例えば、遠隔地の空間)であってもよい。仮想空間は、例えば、コンピュータで作成された非現実空間である。
仮想体Vは、人体の少なくとも一部の動作を模擬して動作することができるもので、実際の空間に存在するロボット(例えば、遠隔ロボット)でもよいし、仮想空間内のアバターや分身キャラクタ等であってもよい。また、仮想体Vは、人体全てを模擬するものに制限されず、人体の一部を模擬して動作することができるものであってもよい。例えば、仮想体Vは、手を模擬して指が曲げ伸ばし運動をするものであってもよい。

【0026】
振動子16は、非関節部位拘束治具10が人体の非関節部位と接触する接触面に設けられる刺激付与素子である。振動子16は、データ処理装置14から供給される振動信号に応じて非関節部位に振動刺激を与えることにより、関節部位及び非回転部位が固定されているにも拘らず、関節部位があたかも回転動作した錯覚を与えることができる。なお、振動信号は、データ処理装置14において、関節部位の回転動作に応じて生成される。本実施形態では、関節部位があたかも回転動作した錯覚を与える刺激として、振動刺激を用いるが、振動刺激に制限されず、非関節部位あるいは関節部位に回転動作を実感させるための種々の刺激を用いることもできる。一実施形態によれば、刺激は、振動刺激、電気刺激、及び圧力刺激の少なくとも1つの刺激あるいは、これらの組み合わせた複合の刺激であることが好ましい。したがって、刺激の種類に応じて刺激付与素子は、振動素子16と異なる素子に変更される。
ウェアラブルディスプレイ18は、回転動作をした仮想体V(の状態)が画面表示されるものであり、画面を見た仮想体Vの操作者に、自分の関節部位があたかも回転動作したかのような錯覚を、視覚を通して与えることができる。

【0027】
このように、実施形態では、関節部位を間に挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束し、人体が関節部位の周りにトルクを作用させるように力を加えた場合、非関節部位に対応して設けられたセンサー12でこの力を検出することにより、データ処理装置14は関節部位の周りに作用するトルクを算出する。さらに、データ処理装置14は、算出したトルクを用いて、関節部位をモデル化した仮想体Vの運動力学モデル(回転に関する運動方程式)を用いて、関節部位の動きを表す回転動作データを算出する。この運動力学モデルは、仮想体Vの対応関節部位に対応したモデルである。
データ処理装置14は、算出した回転動作データから仮想体Vを動作させる動作信号を生成して、動作信号を仮想体Vに供給して、仮想体Vを動作させる。すなわち、データ処理装置14は、算出した回転動作データに応じて、関節部位に対応する仮想体Vの対応関節部位に回転動作を与える。

【0028】
このように、人体は動作することなく静止した状態で、仮想体Vを動作させることができるので、実空間に比べて広い仮想空間内における仮想体Vの動作を、実空間が極めて狭い空間であっても問題なく動作させることができる。すなわち、従来は、人体の動作に合わせて仮想体Vを動作させていたが、実施形態では、人体が発する力、圧力、トルクに関する情報、或いは筋電位情報を利用して仮想体Vを動作させる。
したがって、人体の動作が制限されるような狭い空間でも、仮想体Vを自由に動作させることができる。

【0029】
(仮想体の動作制御の具体的な説明)
図2は、仮想体Vの動作制御を行うデータ処理装置14の構成の一例を示す図である。データ処理装置14は、CPU20及びメモリ22を有するコンピュータで構成されている。コンピュータには、マウスやキーボード等の入力操作系24及びディプレイ26が接続されている。ディスプレイ26は、図1に示すようなウェアラブルディスプレイ18であってもよい。
メモリ22に記憶されているプログラムを呼び出して起動することにより、仮想体Vの動作制御を行うソフトウェアモジュールが形成される。具体的には、ソフトウェアモジュールとして、トルク変換処理ユニット28、動作変換処理ユニット30、及び回転動作付与ユニット32が形成される。これらのユニットそれぞれの処理は、ソフトウェアモジュールにつき、実質的にはCPU20で行われる。

【0030】
トルク変換処理ユニット28は、センサー12による検出結果を用いて、関節部位に働くトルクを算出する部分である。
動作変換処理ユニット30は、算出したトルクを用いて、関節部位に対応する仮想体Vの対応関節部位の回転動作データを算出する部分である。
回転動作付与ユニット32は、算出した回転動作データに応じて、仮想体Vの対応関節部位に回転動作を与える部分である。すなわち、回転動作付与ユニット32は、仮想体Vを動作させる動作信号を生成し、この動作信号を仮想体Vに供給する。
仮想体Vは、注目する関節部位の動作を再現することができるように、各関節部位に対応した対応関節部位を有し、データ処理ユニット14から供給された動作信号に応じて対応関節部位が回転動作をするように構成されている。

【0031】
以降、実施形態をわかり易く説明するために、指関節を人体の関節部位の一例として挙げて説明する。
図3は、人体の関節部位の一例として、指関節を説明する図である。図3には、指関節として、第1関節50、第2関節52、及び第3関節54が図示されている。さらに、第1関節50を間に挟む非関節部位56,58と、第2関節52を間に挟む非関節部位58,60とが図示されている。
図4(a)は、指関節周りの非関節部位56,58,60と、非関節部位拘束治具10を詳細に説明する図である。非関節部位拘束治具10は、非関節部位56,58,60それぞれの外周を取り巻いて、非関節部位56,58,60それぞれを動かないように固定する。
非関節部位拘束治具10が非関節部位56,58,60のそれぞれと接する面には、非関節部位56,58,60が非関節部位拘束治具10に与える力を検出するセンサー12が非関節部位56,58,60の指内側及び指外側に設けられる。指内側とは、指の腹の側をいい、指外側とは、指の背側(腹の側と反対側)をいう。すなわち、センサー12は、図4(a)に示すように、関節部位50,52の屈伸により非関節部位56,58,60が動こうとする方向の、非関節部位56,58,60を挟んだ非関節部位拘束治具10の両側の部分それぞれに設けられている。
図4(a)では、指内側に設けられるセンサー12をセンサー12aと記載し、指外側に設けられるセンサー12をセンサー12bと記載して区別している。以降、このセンサーを総称して説明するときは、センサー12とし、指内側及び指外側のセンサーを区別して説明するときは、センサー12aあるいはセンサー12bと記載して説明する。

【0032】
非関節部位拘束治具10に設けるセンサー12の配置位置及び配置数は、データ処理装置14において、関節部位のどのような回転動作を算出するかによって異なる。図3に示すように指関節の場合、第1関節50、第2関節52、及び第3関節54周りの動作は、一方向(図4(a)の紙面に垂直方向)に延びる軸周りの回転動作であるため、センサー12が非関節部位56,58,60の指内側及び指外側から非関節部位拘束治具10に与える力を検出するように、センサー12が非関節部位56,58,60の指内側及び指外側に設けられる。二方向の軸周りの回転動作をするような関節部位の場合、四方向に少なくとも力を検出するセンサー12を設ける。さらに、三方向の軸周りの回転動作をするような関節部位の場合、非関節部位拘束治具10を拘束する非関節部位が延びる軸周りの回転トルクを検出するセンサーを備えることが好ましい。

【0033】
図4(b)は、トルク変換処理ユニット28がセンサー12の検出結果からトルクを算出するための関節部位に対応したモデルの例を説明する図である。このモデルの挙動に一致するように、仮想体Vは動作する。
モデルは、第1関節50、第2関節52、及び第3関節54のそれぞれに対応した第1モデル関節50a、第2モデル関節52a、及び第3モデル関節54aと、非関節部位56,58,60のそれぞれに対応するモデル非関節部位56a,58a,60aと、有する。

【0034】
図4(b)には、センサー12が検出した、非関節部位60,58,56が非関節部位拘束治具10に与える力F,F,Fが示されている。力F,F,Fは、非関節部位拘束治具10の固定部分の中心位置に作用するものとして扱われる。
したがって、センサー12で検出された力F,F,Fから各関節部位周りのトルクτ,τ,τを算出するとき、力F,F,Fの情報、第3モデル関節54aから力Fの作用する位置までの距離S1、第2モデル関節52aから力Fの作用する位置までの距離S、第1モデル関節50aから力Fの作用する位置までの距離S、非関節部位60,58,56の長さl,l,lの情報、及び関節角度θ,θ,θの情報(非関節部位拘束治具10が拘束した関節部位の関節角度の情報)を用いて、トルクτ,τ,τを算出する。なお、距離S、距離S、及び距離Sは、非関節部位60,58,56が非関節部位拘束治具10に力又は圧力を付与する位置(センサー12の配置される位置)から第3関節54第、第2関節52、及び1関節50までの距離でもある。
このように、トルク変換処理ユニット28は、非関節部位60,58,56が非関節部位拘束治具10に与える力F,F,Fの情報と、非関節部位60,58,56が非関節部位拘束治具10に力又は圧力を付与する位置から第3関節54第、第2関節52、及び1関節50までの距離情報(距離S、距離S、距離S)と、非関節部位60,58,56の長さの情報(長さl,l,l)と、関節部位における関節角度の情報(関節角度θ,θ,θ)と、を用いて、トルクτ,τ,τを算出するので、関節部位周りのトルクを正確に算出することができる。なお、距離S、距離S、距離S、長さl,l,lの情報は、予め値が設定されたパラメータであり、入力操作系24から入力される。あるいは、非関節部位拘束治具10に上記距離情報、上記長さの情報、上記関節角度の情報を検出する図示されない計測装置が設けられ、この計測装置の計測結果が、トルク変換処理ユニット28に送信されてもよい。

【0035】
動作変換処理ユニット30は、トルク変換処理ユニット28で算出したトルクτ,τ,τを用いて、仮想体Vの対応関節部位の回転動作データを算出する。データ処理装置14には、センサー12から検出結果が常時供給されるので、トルク変換処理ユニット28は、力F,F,Fに基づいて所定の間隔でトルクτ,τ,τを算出し、動作変換処理ユニット30は、トルクτ,τ,τの算出の度に、回転動作データを算出する。
具体的には、動作変換処理ユニット30は、第3関節54、第2関節52、第1関節50の慣性モーメントと、算出したトルクτ,τ,τと、非関節部位の自重により発生するトルクと、を関係付けた回転に関する運動方程式(仮想体Vの運動力学モデル)に、トルクτ,τ,τを与えて、運動方程式を解くことにより、関節角度θ,θ,θの時間変化を算出することができる。

【0036】
このとき、一実施形態によれば、動作変換処理ユニット30は、算出したトルクと、第3関節54、第2関節52、第1関節50の各関節部位の動作を模擬するようにトルクにおける弾性係数及び粘性抵抗係数が非線形に変化する非線形弾性要素及び非線形粘性要素を含む、仮想体Vの対応関節部位に対応した仮想体Vの運動力学モデルモデルと、を用いて、仮想体Vのモデルにおける運動結果を算出し、算出した運動結果を回転動作データとする、ことが好ましい。
ここで、一実施形態によれば、非線形弾性要素は、仮想体Vの対応関節部位の関節角度の情報に応じてトルクにおける弾性係数が非線形に変化する弾性要素であり、非線形粘性要素は、仮想体Vの対応関節部位の関節角度の情報及びこの関節角度の時間変化の情報に応じてトルクにおける粘性抵抗係数が非線形に変化する粘性要素である、ことが好ましい。

【0037】
非線形弾性要素及び非線形粘性要素は、仮想体Vを操作しやすくするために導入され、また、人間の関節部位の動作を適切に模擬することができるように導入される。
例えば、非線形弾性要素のパラメータ値を適正に設けることにより、回転動作データの応答速度を実際の関節部位の回転動作の応答速度に近づけることができ、非線形粘性要素のパラメータ値を適正に設けることにより、実際の関節部位の回転動作では起こり得ない回転動作データのオーバシュートを防止することができる。

【0038】
図5は、非線形弾性要素及び非線形粘性要素における非線形関数の例を説明する図である。例えば、関節角度θ,θ,θ、あるいは関節角度θ,θ,θの時間微分が所定の範囲、例えば-Pth(n=1,2、または3)~Pth内にある場合は、弾性要素及び粘性要素の値は、関節角度θ,θ,θ、あるいは関節角度θ,θ,θの時間微分によって変化せず一定であるが、上記所定の範囲外にある場合、弾性要素及び粘性要素の値は、関節角度θ,θ,θ、あるいは関節角度θ,θ,θの時間微分の変化に対して急激に指数関数のように非線形に変化する。すなわち、弾性係数及び粘性抵抗係数は関節角度θ,θ,θあるいは関節角度θ,θ,θの時間微分に対して非線形に変化する。ここで、関節角度θ,θ,θは、仮想体Vの動作によって変化する対応関節部位における関節角度である。図5に示す例では、所定の範囲の上限及び下限の絶対値は、同じ値(Pth)であるが、異なる値であってもよい。また、上記所定の範囲を超えると、図5に示すように、弾性要素及び粘性要素の値が、指数関数的に急激に非線形に変化するが、このときの非線形に変化する挙動は異なってもよい。さらに、上記所定の範囲を超えると、弾性要素及び粘性要素の値が、指数関数的に急激に非線形に変化する形態に限らず、急激に変化した後、その変化が徐々に小さくなる形態であってもよい。
このように、関節部位をモデル化するとき、非線形弾性要素K,K,Kと、非線形粘性要素D,D,Dと、を用いることにより、仮想体Vの回転動作を、人が意図した動作に近づけることができる。図5に示す例では、弾性要素及び粘性要素の値が一定となる範囲の上限(Pth)と下限(-Pth)の絶対値は同じとしたが、異なってもよい。また、非線形粘性要素D,D,Dは、関節角度θ,θ,θの時間微分及び関節角度θ,θ,θに依存して値が変化するものであってもよい。

【0039】
図6(a),(b)は、仮想体Vの動作の一例を説明する図である。図6(a)は、指が半球上の台座上にあり、この台座上において非関節部位拘束治具10で指が拘束された初期状態を再現した仮想体Vの初期状態の一例を示す。仮想体Vは、図4(a)に示す指を模擬したものである。台座上に位置する指において、非関節部位拘束治具10で拘束された指に力をいれたときのセンサー12による検出結果に基づいて指の回転動作データを作成し、この回転動作データに応じて、回転動作付与ユニット32が仮想体Vに回転動作を与えた状態を、図6(b)は示す。図6(b)に示す例では、指関節を図6(a)に示すように屈曲した状態から真っ直ぐに伸ばした様子を示している。

【0040】
図7(a)~(c)は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行ったときに、図4(b)に示す第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aに与えた非線形弾性要素K,K,Kの特性を示す図である。図8は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行うときに、図4(b)に示す関節部位をモデル化した第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aに与えた非線形粘性要素D,D,Dの特性を示す図である。図8に示すように、非線形粘性要素の特性は、関節角度θ,θ,θの時間微分によって変化する。なお、関節角度θ,θ,θは、関節部位をモデル化した第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aの関節の動作を規定するパラメータであって、実際の関節部位を図4(a)に示すように固定した時の固定した角度とは異なる。第1モデル関節50a、第2モデル関節52a、第3モデル関節54aの非線形粘性要素D,D,Dの特性は同じであるが、異なる特性であってもよい。

【0041】
図9(a)~(f)は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行ったときに、図4(a)に示す非関節部位60,58,56がセンサー12a,12bに与えた力の時間変化の例を示す図である。図9(a),(b)は、非関節部位60がセンサー12a,12bに与える力の時間変化を示す。図9(c),(d)は、非関節部位58がセンサー12a,12bに与える力の時間変化を示す。図9(e),(f)は、非関節部位56がセンサー12a,12bに与える力の時間変化を示す。

【0042】
図10(a)~(c)は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行ったときに、第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aそれぞれの周りに作用したトルクτ,τ,τの時間変化の例を示す図である。これらのトルクτ,τ,τは、上述した距離情報(距離S、距離S、距離S)、長さの情報(長さl,l,l)、及び関節角度の情報(関節角度θ,θ,θ)を用いて算出したものである。

【0043】
図11(a)~(c)は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行ったときに、第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aそれぞれに与えたトルクから非線形弾性要素K,K,K及び非線形粘性要素D1,D2,D3によって生じたトルクを差し引いた残りの例を示す図である。

【0044】
図12(a)~(c)は、は、仮想体Vが図6(a),(b)に示す動作を行ったときに、第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aそれぞれの関節角度θ,θ,θが示した時間変化の例を示す図である。なお、関節角度θ,θ,θは、関節部位をモデル化した第3モデル関節54a、第2モデル関節52a、第1モデル関節50aの関節の動作を規定するパラメータであって、実際の関節部位を図4(a)に示すように固定した時の固定した角度とは異なる。

【0045】
このように、データ処理装置14は、非関節部位拘束治具10で指が拘束された状態で、センサー12が検出した検出結果を用いて、関節角度θ,θ,θを算出し、この関節角度θ,θ,θを回転動作データとして仮想体Vの対応関節部位に回
転動作を与えて、仮想体Vを動作させることができる。ディプレイ26あるいはウェアラブルディスプレイ18は、図6(a),(b)に示すような、仮想体Vの回転動作を画面表示することができる。

【0046】
図13(a),(b)は、本実施形態の方法及び従来の方法で行った仮想体のタスク内容とその仮想体の動作結果の一例を示す図である。図13(b)には、上述の方法で仮想体Vに指の動作を模擬させて動作させたときの結果の一例(実施例)と、従来の方法で仮想体Vの指に、実施例と同じ指の動作を模擬させて動作させたときの結果の一例(従来例)が示されている。
従来例では、非関節部位の動作(変位)をカメラで撮影するモーションキャプチャデバイス(https://www.leapmotion.com/motion-live/)を用いて非関節部位及び関節部位の動作を取得し、この取得した動作を仮想体Vに反映させた。
指の動作は、図13(a)に示すように、真っ直ぐに伸ばした人差し指を曲げて○印の目標到達点まで動かす動作である。図13(b)では、目標到達点からの距離の時間変化を示している。図13(b)からわかるように、実施例では、人差し指の先端が従来例と略同じ時間に目標到達点に到達していることがわかる。これより、本実施形態の方法は、従来のモーションキャプチャの技術と同様に、仮想体Vに、人体の動作を精度よく模擬して動作させることができる、といえる。

【0047】
一実施形態によれば、データ処理装置14は、上述したように、回転動作付与ユニット32による回転動作の付与に応じて、非関節部位に回転動作を人体に実感させるための振動刺激の信号を生成する刺激制御ユニットを備えることが好ましい。この場合、刺激制御ユニットと接続され、生成した振動刺激の信号により、非関節部位に振動刺激を与える、非関節部位拘束治具10に設けられた振動子16(刺激付与振動子)が図1に示されるように設けられることが好ましい。振動刺激により、関節部位及び非回転部位が固定されているにも拘らず、関節部位があたかも回転動作した錯覚を受けることができ、回転動作した関節部位の状態から、人体がさらに意図した回転動作をするように非関節部位に与える力を調整しようとする。このため、関節部位及び非関節部位が固定されていても、上記錯覚した関節部位の状態から、意図した回転動作を仮想体Vは実現し易くなる。また、ディスプレイ26あるいはウェアラブルディスプレイ18には、図6(b)に示すような仮想体Vの状態が画面表示されることが好ましい。すなわち、ディスプレイ26は、回転動作付与ユニット32による仮想体Vへの回転動作の付与に応じて、仮想体Vの対応関節部位に回転動作を与えて動作する仮想体Vの画像を表示させることが好ましい。これにより、この画面を見た仮想体Vの操作者は、自分の手があたかも回転動作したかのような錯覚を受けて、人体がさらに意図した回転動作をするように、操作者は、非関節部位に与える力を調整しようとする。

【0048】
一実施形態によれば、データ処理装置14はキャリブレーションユニットを備えることが好ましい。キャリブレーションユニットは、非関節部位に対応する仮想体Vの対応非関節部位が予め定めた目標回転動作を行うために、非関節部位が力を発したときの仮想体Vにおける対応非関節部位の回転動作と、目標回転動作との間の誤差を算出し、この誤差が小さくなるように、誤差に基づいて、トルク変換処理ユニット28あるいは動作変換処理ユニット30がトルクあるいは回転動作を算出する際に用いるパラメータを調整することが好ましい。パラメータの例として、図5に示す非線形弾性要素や非線形粘性要素における、上限の閾値Pth,下限の閾値-Pth,指数関数の肩に用いるα,βが挙げられる。このようなキャリブレーションは、仮想体Vに、人体の動作を模擬した動作をさせる制御前に行われる。

【0049】
図14(a)~(c)は、センサー12による検出結果に基づいて得られる仮想体Vの回転動作のキャリブレーションの一例を説明する図である。図14(a),(b)は、図4(b)に示すモデルを用いてその動作を示している。仮想体Vの回転動作は、図4(b)に示すモデルの回転動作と同じである。

【0050】
図14(a),(b)に示すように、仮想体Vの指先端(非関節部位)の動作102(図14(b)参照)が、目標動作である円弧形状の動作100(図14(a)参照)をするように、仮想体Vの指先端(非関節部位)の動作102と目標の円弧形状の動作100との間の誤差104(図14(c)参照)を算出し、この誤差104が小さくなるように、この誤差104に基づいて、トルクあるいは回転動作データを算出する際に用いるパラメータを調整する。パラメータは、例えば、図5に示す非線形弾性要素や非線形粘性要素のパラメータ、例えば、指数関数の肩に用いる定数α、β、閾値±Pth等を調整する。目標動作は、円弧形状の動作に限られず、水平方向に沿った直線形状の動作や垂直方向に沿った直線形状の動作であってもよい。

【0051】
一実施形態によれば、図4(a),(b)に示すように、関節部位は、手の指関節部位を複数含み、仮想体Vの対応関節部位における回転動作は、仮想体Vの対応する指の曲げ伸ばし動作を含む、ことが好ましい。また、一実施形態によれば、腕の関節部位を複数含み、仮想体Vの対応関節部位における回転動作は、仮想体Vの対応する腕の曲げ伸ばし動作を含む、ことも好ましい。このような複数の指関節部位、あるいは腕の根元に位置する肩関節部位、肘関節部位、及び腕の先端に位置する手首関節部位を含む回転動作は、複雑な動きをするが、データ処理装置14を含む仮想体Vの動作制御システムを用いることで、複雑な動きであっても、正確に動作を再現することができる。
また、一実施形態によれば、関節部位は、脚及び腰の関節部位を複数含み、対応関節部位における回転動作は、仮想体Vの対応する脚による歩行動作を含む、ことが好ましい。このような回転動作を、人体を図1に示すように固体した状態で、再現することができるので、人体が位置する実空間に比べて広い仮想空間内における仮想体Vの動作を、狭い実空間に人体があっても問題なく動作させることができる。

【0052】
図15は、人体拘束治具の一形態である人差し指の動作を拘束する指拘束治具の一例の概観斜視図である。
図15に示す指拘束治具100は、非関節部位拘束治具10と、センサー12a,12bと、を備える。

【0053】
非関節部位拘束治具10は、人差し指の非関節部位56,58,60(図4(a)参照)それぞれの動作を拘束する。非関節部位拘束治具10は、人差し指の非関節部位56,58,60の腹側部分を載せる基台156a,158a,160aと、非関節部位56,58,60の背側の部分に対応して直線状に延びるフレーム部156b,158b,160bと、を備える。非関節部位拘束治具10は、人差し指の第1関節50、第2関節52及び第3関節54の屈曲にあわせて、第1関節50、第2関節52、及び第3関節の対応する部分が自在に曲がるように構成されている。具体的には、フレーム部156bは、フレーム部158bに回転可能に軸支され、フレーム部158bは、フレーム部160bに回転可能に軸支され、フレーム部160bは、第3関節54に対応する部分に回転可能に軸支されている。

【0054】
センサー12a,12bは、フレーム部156b,158b,160bのそれぞれの場所に設けられ、関節部位を動作させようとするときに非関節部位56,58,60それぞれが基台156a,158a,160a及びフレーム部156b,158b,160bに作用する力又は圧力の情報を検出し、力又は圧力の情報を外部のデータ処理装置14に出力するように構成されている。
センサー12a,12bは、第1関節50及び第2関節52の屈伸により非関節部位50,52,54が動こうとする方向の、非関節部位56,58,60を挟んだフレーム部156b,158b,160b及び基台156a,158a,160aに設けられている。
このように、センサー12a,12bが、非関節部位56,58,60を挟んだ非関節部位拘束治具10の両側に設けられているので、非関節部位56,58,60それぞれが動作しなくても、第1関節50、第2関節52、及び第3関節54に作用するトルクを得ることができる。

【0055】
指は、人によって非関節部位56、58,60の長さが異なるため、フレーム部156b,158b,160bは、非関節部位56、58,60の長さに応じて伸縮するように構成されている。フレーム部156b,158b,160bの伸縮に合わせて、基台156a,158a,160aも移動させることができる。
したがって、指拘束治具100は、人差し指の非関節部位56,58,60の長さに合わせて自在に調整することができ、第1関節50、第2関節52、及び第3関節54の屈曲にあわせてフレーム部156bとフレーム部158bの間、フレーム部158bとフレーム部160bとの間を自在に屈曲させることができる。

【0056】
一実施形態によれば、非関節部位拘束治具10は、非関節部位拘束治具10により拘束された非関節部位56,58,60が非関節部位拘束治具10に力又は圧力を付与する位置と第1関節50、第2関節52、及び第3関節54との間の距離情報、非関節部位56,58,60の長さの情報、及び非関節部位拘束治具10が非関節部位56,58,60を拘束したときの第1関節50及び第2関節52の関節角度の情報の少なくとも1つを計測し、計測結果を事前にデータ処理装置14に出力する計測装置を備えることが好ましい。関節角度は、上述のフレーム部156bとフレーム部158bの間の屈曲角度、フレーム部158bとフレーム部160bの間の屈曲角度、フレーム部160bの水平面に対する傾斜角度を用いることができる。
なお、計測装置として、長さ及び距離の計測では例えばレーザー変位計を用いることができ、関節角度の計測では、例えばロータリーポテンショメータやエンコーダを用いることができる。

【0057】
図16は、人差し指ではなく、脚の動作を拘束する脚拘束治具の一例の概観斜視図である。図16に示す脚拘束治具は、椅子に腰掛けた状態で、骨盤からひざ関節部位までの大腿部、ひざ関節部位から足首関節部位までの下腿部、及び足首関節部位から足先端までの部分を、非関節部位とし拘束する。このような脚拘束治具は、図15に示す指拘束治具と同様に、非関節部位に対応して直線状に延びるフレーム部を用いて構成することができる。この装置構成は、指拘束治具100と同じ構成であるので、その説明は省略する。脚拘束治具においても、図示されないが、センサー12a,12bが、ひざ関節部位及び足首関節部位の屈伸により非関節部位が動こうとする方向の、非関節部位を挟んだ非関節部位拘束治具の両側に設けられる。

【0058】
上述した仮想体Vの動作の制御は、以下の方法により実現することができる。
すなわち、仮想体Vの動作制御方法は、
仮想体Vを操作する操作者の人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束した状態で、関節部位を動作させようとするときに非関節部位それぞれが非関節部位拘束治具10に作用する力、圧力、又は関節部位周りに作用するトルクに関する情報、あるいは、拘束された非関節部位それぞれの筋電情報を検出するステップと、
検出するステップの検出結果を用いて、関節部位に働くトルクを算出するステップと、
算出したトルクを用いて、関節部位に対応する仮想体Vの対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出するステップと、
算出した回転動作データに応じて、仮想体Vの対応関節部位に回転動作を与えるステップと、を備える。

【0059】
このように、人体の少なくとも1つの関節部位を挟む2つの非関節部位それぞれの動作を拘束した状態で、関節部位を動作させようとするときに検出される力、圧力、又はトルクに関する情報あるいは筋電情報を用いて、仮想体Vの対応関節部位の動きを表す回転動作データを算出し、この回転動作データに応じて仮想体Vの対応関節部位に回転動作を与えるので、人体が位置する実空間に比べて広い仮想空間内における仮想体Vの動作を、狭い実空間に人体があっても問題なく動作させることができる。

【0060】
図17(a)は、人体の頭部~胴体~脚~足の部分における、実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、図17(b)は、センサー12の配置の例を説明する図である。
頭部200は、非関節部位として、首に対して前後左右方向に動き、胸部202は、非関節部位として、首に対して前後に動き、わき腹204は、非関節部位として、首に対して左右方向に動き、下半身206は、非関節部位として、骨盤に対して前後左右方向に動く。大腿部208は、非関節部位として、骨盤に対して前後左右方向に動き、下腿部210は、非関節部位として、ひざに対して前後方向に動き、足は,足首に対して上下方向に動く。したがって、図17(b)に示すように、上記非関節部位の上記動作を拘束しつつ、上記非関節部位それぞれに上記動作方向に対応してセンサー12が配置される。図17(a),(b)では、右脚の非関節部位のみを示しており、左脚の非関節部位については示されていないが、左脚の非関節部位についても、右脚の非関節部位と同様に拘束してセンサー12が配置される。

【0061】
図18(a)は、人体の腕~手の部分における、本実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、図18(b)は、センサー12の配置の例を説明する図である。
手214は、手首に対して上下左右方向に動き、前腕216は、肘に対して前後方向(あるいは左右方向)に動き、上腕218は、肩関節に対して上下左右方向(あるいは上下前後方向)に動く。したがって、図18(b)に示すように、上記非関節部位の上記動作を拘束しつつ、非関節部位それぞれに動作方向に対応してセンサー12が配置される。図18(a),(b)では、右腕~右手の非関節部位のみを示しており、左腕~左手の非関節部位については示されていないが、左腕~左手の非関節部位についても、右腕~右手の非関節部位と同様に上記動作を拘束して上記動作方向に対応してセンサー12が配置される。

【0062】
図19(a)は、人体の指における、本実施形態で動作を拘束する非関節部位の例を説明する図であり、図19(b)は、センサー12の配置の例を説明する図である。
非関節部位56は、第1関節に対して上下方向に動き、非関節部位58は、第1関節あるいは第2関節に対して上下方向に動き、非関節部位60は、第2関節あるいは第3関節に対して上下左右方向に動く。したがって、図19(b)に示すように、上記非関節部位の上記動作を拘束しつつ、非関節部位それぞれにセンサー12が上記動作方向に対応して配置される。図19(a),(b)では、人差し指の非関節部位のみを示しており、他の指の非関節部位については示されていないが、他の指の非関節部位についても、人差し指の非関節部位と同様に拘束してセンサー12が動作方向に対応して配置される。

【0063】
図20(a)は、人体の関節周りの捩じり回転動作を拘束する非関節部位とセンサー12の配置の例を説明する図である。
頭部200は、非関節部位として、首201に対して捩じり回転動作をし、胸部202は、非関節部位として、腰205に対してあるいは首201に対して捩じり回転動作をし、足212は、非関節部位として、骨盤に対して捩じり回転動作をする。このため、頭部200、胸部202、足212は捩じり回転動作を拘束するとともに、関節周りに捩じり回転しようとする各非関節部位に作用する力あるいは圧力を計測するセンサー12が頭部200、胸部202、及び足212に配置される。

【0064】
図20(b)は、人体の腕の捩じり回転動作を拘束する非関節部位とセンサー12の配置の例を説明する図である。
手214は、非関節部位として、肩に対して捩じり回転動作をする。このため、手214は捩じり回転動作を拘束するとともに、肩周りに捩じり回転しようとする非関節部位に作用する力あるいは圧力を計測するセンサー12が手214に配置される。例えば、手214の甲と手のひら側それぞれにおいて、親指側と小指側の2箇所に力あるいは圧力を検知するセンサーが設けられる。

【0065】
図17~20に示す非関節部位の動作の拘束とセンサー12の配置は、お互いに組み合わせて適用してもよいし、拘束しようとする非関節部位とその動作に応じて、図17~20に示す非関節部位の一部の動作の拘束とセンサー12の配置を適用してもよい。

【0066】
本発明の仮想体の動作制御システムは、例えば、広大な空間を有するバーチャルリアリティでの仮想体の操作、あるいは実際の遠隔空間におけるロボット等の遠隔操作に活用することができる。バーチャルリアリティの広い空間に対して人体が位置する狭い実際の空間は、インターネットカフェや自宅の空間等とすることもできる。
上記遠隔空間で操作されるロボットとして、例えば、作業者が近づけないような作業環境下の工業用ロボット、遠隔医療ロボット、あるいは災害支援ロボットが挙げられる。

【0067】
以上、本発明の仮想体の動作制御システム、仮想体の動作制御方法、及び人体拘束治具について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0068】
1 仮想体の動作制御システム
3 ベッド
10 非関節部位拘束治具
12,12a,12b センサー
14 データ処理装置
16 振動子
18 ウェアラブルディスプレイ
20 CPU
22 メモリ
24 入力操作系
26 ディスプレイ
28 トルク変換処理ユニット
30 動作変換処理ユニット
32 回転動作付与ユニット
50 第1関節
50a 第1モデル関節
52 第2関節
52a 第2モデル関節
54 第3関節
54a 第3モデル関節
56,58,60 非関節部位
56a,58a,60a モデル非関節部位
100 円弧形状の動作
102 仮想体Vの指先端の動作
104 誤差
156a,158a,160a 基台
156b,158b,160b フレーム部
200 頭部
201 首
202 胸部
205 腰
204 わき腹
206 下半身
208 大腿部
210 下腿部
212 足
214 手
216 前腕
218 上腕
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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