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明細書 :抗ウィルス薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2020-164521 (P2020-164521A)
公開日 令和2年10月8日(2020.10.8)
発明の名称または考案の名称 抗ウィルス薬
国際特許分類 C07H  19/16        (2006.01)
C07H  19/20        (2006.01)
A61K  31/7076      (2006.01)
A61K  31/708       (2006.01)
A61P  31/12        (2006.01)
A61P  31/20        (2006.01)
A61P  31/14        (2006.01)
A61P  31/22        (2006.01)
A61P   1/16        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
C12N  15/113       (2010.01)
FI C07H 19/16
C07H 19/20 CSP
A61K 31/7076
A61K 31/708
A61P 31/12
A61P 31/20
A61P 31/14
A61P 31/22
A61P 1/16
A61P 35/00
C12N 15/113 100Z
C12N 15/113 ZNA
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 53
出願番号 特願2020-056916 (P2020-056916)
出願日 令和2年3月26日(2020.3.26)
優先権出願番号 2019069458
優先日 平成31年3月29日(2019.3.29)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】水田 賢志
【氏名】大滝 大樹
【氏名】田中 義正
【氏名】畑山 範
【氏名】石川 岳志
【氏名】池田 正徳
【氏名】武田 緑
【氏名】田中 靖人
出願人 【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
【識別番号】506218664
【氏名又は名称】公立大学法人名古屋市立大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100174296、【弁理士】、【氏名又は名称】當麻 博文
【識別番号】100137729、【弁理士】、【氏名又は名称】赤井 厚子
【識別番号】100151301、【弁理士】、【氏名又は名称】戸崎 富哉
【識別番号】100109542、【弁理士】、【氏名又は名称】田伏 英治
審査請求 未請求
テーマコード 4C057
4C086
Fターム 4C057BB02
4C057CC02
4C057CC03
4C057DD01
4C057LL34
4C057LL40
4C057LL44
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA18
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB26
4C086ZB33
要約 【課題】本発明は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有する核酸アナログを提供する。
【解決手段】下記の式(I):
JP2020164521A_000073t.gif
(式中、各記号は本明細書中で定義した通りである)で表される化合物またはその塩。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(I):
【化1】
JP2020164521A_000058t.gif


[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPOH)、または式(II):
【化2】
JP2020164521A_000059t.gif


(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基であり、Rが、水素である場合は、Rは、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【化3】
JP2020164521A_000060t.gif

(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基を表し;およびRは、上記の式(II)で表される基を表す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
下記の式(I):
【化4】
JP2020164521A_000061t.gif


[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPOH)、または式(II):
【化5】
JP2020164521A_000062t.gif


(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基の場合は、Rは、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【化6】
JP2020164521A_000063t.gif


(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基を表し;およびRは、上記の式(II)で表される基を表す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項3】
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【化7】
JP2020164521A_000064t.gif


(式中、Rは、前記と同義である)
で表される基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
Rが、(C-C)アルコキシカルボニル(C-C)アルキル基であり;および
Arが、フェニル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
が、下記の式(IIIa):
【化8】
JP2020164521A_000065t.gif


で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
が、下記の式(IIIb):
【化9】
JP2020164521A_000066t.gif


(式中、Rは、水素を表す)
で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
が、下記の式(IIIb):
【化10】
JP2020164521A_000067t.gif


(式中、Rは、ハロゲンを表す)
で表される基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
請求項1または2に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項8】
ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための、請求項7に記載の医薬。
【請求項9】
ウィルス感染が、B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウィルス(HCV)、ヘルペスウィルス(HSB-1またはHSB-2)、サイトメガロウィルス(CMV)、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)および/またはエプスタイン・バール・ウィルス(EBV)によるものである、請求項8に記載の医薬。
【請求項10】
下記の式(Ia):
【化11】
JP2020164521A_000068t.gif
[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基、または式(II):
【化12】
JP2020164521A_000069t.gif

(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよいアリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基であり、Rが、水素である場合は、
1)Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【化13】
JP2020164521A_000070t.gif

(式中、Rは、水素を表す)で表される基を表すか、または
2)Rが、下記の式(IIIb):
【化14】
JP2020164521A_000071t.gif

(式中、Rは、ハロゲンを表す)で表される基であり、かつ
が、式(II):
【化15】
JP2020164521A_000072t.gif

(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す]
で表される化合物またはその塩を、有効成分として含有するB型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための医薬。
【請求項11】
B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患が、肝炎、肝不全、肝硬変または肝臓癌である、請求項10に記載の医薬。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有する核酸アナログに関する。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎ウィルス(HBV)による慢性肝炎は肝硬変や肝臓癌の主要な原因の1つである。現在、全世界にはキャリアとして20億人、持続感染が4億人、日本でも100万人を超えるキャリアがいると言われている。90%以上のキャリアは自然治癒に至るが、5%以上の者が劇症化し、慢性肝炎、肝臓癌に移行し、死に至る。
HBV感染予防にはワクチンが開発されており、また既にいくつかの抗HBV薬も存在し、ラミブジン、アデホビル、そしてエンテカビル等の核酸アナログが上市されている。
核酸アナログは、逆転写機能を有するHBVのDNAポリメラーゼを標的として、抗HBV活性を示す。これらの使用により、血中のHBVは消失する。しかしながら、HBVは肝細胞内で安定な形のDNAとして存在するため、抗ウィルス薬による化学療法を中断すると、肝炎が再燃するおそれがある。また、既存の抗HBV薬に対する薬剤耐性ウィルスの出現も報告されている。このようなことから、既存の薬剤に加えて、新たな抗HBV薬の開発が望まれている。
【0003】
このような中核酸アナログの研究が進められているが、例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2は、2’位にフッ素原子、6’位にメチレン基を有する核酸アナログを開示している。特許文献2および特許文献3は、2’位にフッ素原子を有する核酸アナログを開示するが、本願発明の核酸アナログは具体的には開示していない。
【0004】
また、特許文献4および特許文献5は、2’位にフッ素原子を有する核酸アナログを開示するが、当該核酸アナログが抗B型肝炎ウィルス活性を有することについては開示しておらず、さらに後述される本願発明の化合物におけるRが式(II)で表される基である化合物を具体的には開示していない。
【0005】
他方、特許文献6は、クロファラビン(Clofarabine)が抗B型肝炎ウィルス活性を有することについて開示するが、後述される本願発明の化合物におけるRが式(II)で表される基である化合物を具体的には開示していない。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】国際公開第2011/060408号
【特許文献2】国際公開第2014/124430号
【特許文献3】特表2016-172736号公報
【特許文献4】米国特許第4751221号明細書
【特許文献5】特表2004-533406号公報
【特許文献6】国際公開第2017/155082号
【0007】

【非特許文献1】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,21(2011),pp.6328-6311
【非特許文献2】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,23(2013),pp.503-506
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、より優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウイルス活性)を有する核酸アナログを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記式(I)で表される化合物が、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有することを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の通りである。
【0010】
[1]下記の式(I):
【0011】
【化1】
JP2020164521A_000002t.gif

【0012】
[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPOH)、または式(II):
【0013】
【化2】
JP2020164521A_000003t.gif

【0014】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基であり、Rが、水素である場合は、Rは、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0015】
【化3】
JP2020164521A_000004t.gif

【0016】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基を表し;および
は、上記の式(II)で表される基を表す。]
で表される化合物またはその塩(以下、本発明化合物(I)と称する場合がある)。
【0017】
[2]下記の式(I):
【0018】
【化4】
JP2020164521A_000005t.gif

【0019】
[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基(-OPOH)、または式(II):
【0020】
【化5】
JP2020164521A_000006t.gif

【0021】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基の場合は、Rは、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0022】
【化6】
JP2020164521A_000007t.gif

【0023】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基を表し;および
は、上記の式(II)で表される基を表す。]
で表される化合物またはその塩。
[3]Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0024】
【化7】
JP2020164521A_000008t.gif

【0025】
(式中、Rは、前記と同義である)
で表される基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
Rが、(C-C)アルコキシカルボニル(C-C)アルキル基であり;および
Arが、フェニル基である、上記[1]または[2]に記載の化合物またはその塩。
[4]Rが、下記の式(IIIa):
【0026】
【化8】
JP2020164521A_000009t.gif

【0027】
で表される基である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[5]Rが、下記の式(IIIb):
【0028】
【化9】
JP2020164521A_000010t.gif

【0029】
(式中、Rは、水素を表す)
で表される基である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[6]Rが、下記の式(IIIb):
【0030】
【化10】
JP2020164521A_000011t.gif

【0031】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)
で表される基である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【0032】
[7]上記[1]または[2]に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する医薬。
[8]ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための、上記[7]に記載の医薬。
【0033】
[9]上記[1]または[2]に記載の化合物(I)またはその塩の有効量を、哺乳動物に投与することを含む、当該哺乳動物におけるウィルス活性抑制方法。
[10]上記[1]または[2]に記載の化合物(I)またはその塩の予防または治療有効量を、その投薬を必要とする哺乳動物に投与することを含む、ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療方法。
【0034】
[11]医薬として使用するための、上記[1]または[2]に記載の化合物またはその塩。
[12]ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療に使用するための、上記[1]または[2]に記載の化合物またはその塩。
[13]ウィルス感染が、B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウィルス(HCV)、ヘルペスウィルス(HSB-1またはHSB-2)、サイトメガロウィルス(CMV)、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)および/またはエプスタイン・バール・ウィルス(EBV)によるものである、上記[8]に記載の医薬、[9]に記載のウィルス活性抑制方法、[10]に記載の予防または治療方法、または上記[12]に記載の化合物またはその塩。
【0035】
[14]下記の式(Ia):
【0036】
【化11】
JP2020164521A_000012t.gif

【0037】
[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基、または式(II):
【0038】
【化12】
JP2020164521A_000013t.gif

【0039】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよいアリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基であり、Rが、水素である場合は、
1)Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0040】
【化13】
JP2020164521A_000014t.gif

【0041】
(式中、Rは、水素を表す)で表される基を表すか、または
2)Rが、下記の式(IIIb):
【0042】
【化14】
JP2020164521A_000015t.gif

【0043】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)で表される基であり、かつ
が、式(II):
【0044】
【化15】
JP2020164521A_000016t.gif

【0045】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す。)
で表される基を表す]
で表される化合物またはその塩(以下、本発明化合物(Ia)と称する場合がある)を、有効成分として含有するB型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための医薬。
[15]下記の式(Ia):
【0046】
【化16】
JP2020164521A_000017t.gif

【0047】
[式中、Rは、置換されていてもよいプリン塩基を表し;
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表し;
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表し;および
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基、または式(II):
【0048】
【化17】
JP2020164521A_000018t.gif

【0049】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよいアリール基を表す)
で表される基を表す;
但し、Rが、ヒドロキシ基の場合は、
1)Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0050】
【化18】
JP2020164521A_000019t.gif

【0051】
(式中、Rは、水素を表す)で表される基を表すか、または
2)Rが、下記の式(IIIb):
【0052】
【化19】
JP2020164521A_000020t.gif

【0053】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)で表される基であり、かつ
a)Rが、式(II):
【0054】
【化20】
JP2020164521A_000021t.gif

【0055】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す。)
で表される基を表す]
で表される化合物またはその塩を、有効成分として含有するB型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための医薬。
[16]Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0056】
【化21】
JP2020164521A_000022t.gif

【0057】
(式中、Rは、前記と同義である)
で表される基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
Rが、(C-C)アルコキシカルボニル(C-C)アルキル基であり;および
Arが、フェニル基である、上記[14]または[15]に記載の医薬。
[17]Rが、下記の式(IIIa):
【0058】
【化22】
JP2020164521A_000023t.gif

【0059】
で表される基である、上記[14]~[16]のいずれかに記載の医薬。
[18]Rが、下記の式(IIIb):
【0060】
【化23】
JP2020164521A_000024t.gif

【0061】
(式中、Rは、水素を表す)
で表される基である、上記[14]~[16]のいずれかに記載の医薬。
[19]Rが、下記の式(IIIb):
【0062】
【化24】
JP2020164521A_000025t.gif

【0063】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)
で表される基である、上記[14]~[16]のいずれかに記載の医薬。
[20]B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患が、肝炎、肝不全、肝硬変または肝臓癌である、上記[14]~[19]のいずれかに記載の医薬。
【0064】
[21]上記[14]または[15]に記載の化合物またはその塩の予防または治療有効量を、その投薬を必要とする哺乳動物に投与することを含む、B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療方法。
[22]B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患が、肝炎、肝不全、肝硬変または肝臓癌である上記[21]に記載の予防または治療方法。
【0065】
[23]B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療に使用するための、上記[14]または[15]に記載の化合物またはその塩。
[24]B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患が、肝炎、肝不全、肝硬変または肝臓癌である、上記[23]に記載の化合物またはその塩。
【0066】
[25]上記[14]に記載の化合物(Ia)が、上記[1]に記載の化合物(I)である、上記[14]~[20]に記載の医薬、上記[21]または[22]に記載の予防または治療方法、および上記[23]または[24]に記載の化合物またはその塩。
[26]Rが、下記の式(IIIa)または(IIIb):
【0067】
【化25】
JP2020164521A_000026t.gif

【0068】
(式中、Rは、水素を表す)で表される基であり;
が、ヒドロキシ基である、上記[14]~[20]に記載の医薬、上記[21]または[22]に記載の予防または治療方法、および上記[23]または[24]に記載の化合物またはその塩。
【発明の効果】
【0069】
本発明化合物(I)および本発明化合物(Ia)は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有し、ウィルス感染により誘発される疾患(特に、B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患(例えば、肝炎、肝不全、肝硬変、肝臓癌等))の予防または治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1-1】図1は、NUK-1~NUK-17(化合物番号を示す)の各構造式を示す。
【図1-2】図1は、NUK-1~NUK-17(化合物番号を示す)の各構造式を示す。
【図2】図2は、NUK-1の抗HBV活性の評価結果を示す。
【図3】図3は、NUK-2~NUK-17の抗HBV活性の評価結果、ならびに細胞毒性の評価結果を示す。
【図4】図4は、NUK-2、NUK-3、およびNUK-15のエンテカビル耐性株に対する抗HBV活性の評価結果を示す。
【図5-1】図5は、NUK-2(ComA)およびNUK-15(ComB)のPXB-cellsでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【図5-2】図5は、NUK-2(ComA)およびNUK-15(ComB)のPXB-cellsでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【図5-3】図5は、NUK-2(ComA)およびNUK-15(ComB)のPXB-cellsでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【図5-4】図5は、NUK-2(ComA)およびNUK-15(ComB)のPXB-cellsでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【図6-1】図6は、NUK-2のPXBマウスでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【図6-2】図6は、NUK-2のPXBマウスでの抗HBV活性の評価結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、本明細書中で用いられる各用語の定義について詳述する。特記しない限り各用語は以下の定義を有する。

【0072】
本明細書中、特に限定しない限り、「プリン塩基」としては、グアニン、アデニン、およびその誘導体が挙げられる。当該プリン塩基は、プリン骨格の9位窒素原子を介して化合物(I)および化合物(Ia)のテトラヒドロフラン骨格に結合している。

【0073】
当該「プリン塩基」は、プリン塩基を構成する酸素および/または窒素官能基が保護基により保護されていてもよい。好適な保護基としては、例えば、トリメチルシリル基、ジメチルヘキシルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基またはt-ブチルジフェニルシリル基のようなシリル基、アセチル基またはプロプロニル基のようなアシル基、メタンスルホニル基またはp-トルエンスルホニル基のようなスルホニル基等が挙げられる。

【0074】
当該「プリン塩基」は、適当な置換基により置換されていてもよく、このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、(C-C)アルキル基、(C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基、(C)アルコキシ基等が挙げられる。

【0075】
本明細書中、特に限定しない限り、「(C-C)アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-エチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2-メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基等が挙げられる。

【0076】
本明細書中、特に限定しない限り、「(C-C)アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基等が挙げられる。

【0077】
本明細書中、特に限定しない限り、「(C-C)アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基等が挙げられる。

【0078】
当該「(C-C)アルキル基」、「(C-C)アルケニル基」および「(C-C)アルキニル基」は、適当な置換基により置換されていてもよく、このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、(C-C)アルコキシ基等が挙げられる。

【0079】
本明細書中、特に限定しない限り、「(C-C)アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。

【0080】
本明細書中、特に限定しない限り、「エステル化されたカルボキシ(基)」としては、例えば、「(C-C)アルコキシ-カルボニル(基)」が挙げられ、その具体例としては、例えば、メトキシカルボニル(基)、エトキシカルボニル(基)、プロポキシカルボニル(基)、イソプロポキシカルボニル(基)、ブトキシカルボニル(基)、イソブトキシカルボニル(基)、sec-ブトキシカルボニル(基)、tert-ブトキシカルボニル(基)、ペンチルオキシカルボニル(基)、ヘキシルオキシカルボニル(基)等が挙げられる。

【0081】
本明細書中、特に限定しない限り、「エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基」とは、上記「エステル化されたカルボキシ」により置換された上記「(C-C)アルキル基」をいう。具体的には、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルエチル基、プロポキシカルボニルプロピル基、イソプロポキシカルボニルプロピル基、ブトキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルブチル基、イソブトキシカルボニルブチル基、イソブトキシカルボニルエチル基、sec-ブトキシカルボニルメチル基、sec-ブトキシカルボニルエチル基、tert-ブトキシカルボニルエチル基、ペンチルオキシカルボニルペンチル基、ヘキシルオキシカルボニルヘキシル基等が挙げられる。

【0082】
本明細書中、特に限定しない限り、「(C-C14)アリール基」とは、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基等が挙げられる。
当該「(C-C14)アリール基」は、適当な置換基により置換されていてもよく、このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、(C-C)アルキル基、(C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基、(C)アルコキシ基等が挙げられる。

【0083】
本明細書中、特に限定しない限り、「ハロゲン」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。

【0084】
本発明の一つの態様は、本発明化合物(I)に関する。以下、式(I)の各記号について説明する。

【0085】
は、置換されていてもよいプリン塩基を表す。
は、好ましくは、プリン塩基であり、さらに好ましくは、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0086】
【化26】
JP2020164521A_000027t.gif

【0087】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)で表される基である。

【0088】
は、ヒドロキシ基またはアジド基を表す。

【0089】
は、水素、置換されていてもよい(C-C)アルキル基、置換されていてもよい(C-C)アルキニル基、またはシアノ基を表す。
は、好ましくは、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基、より好ましくは、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基である。

【0090】
は、ヒドロキシ基、ホスホリルオキシ基、または式(II):

【0091】
【化27】
JP2020164521A_000028t.gif

【0092】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基を表す。
は、好ましくは、ヒドロキシ基または式(II):

【0093】
【化28】
JP2020164521A_000029t.gif

【0094】
(式中、Rは、(C-C)アルコキシ-カルボニル(C-C)アルキル基、より好ましくは、(C-C)アルコキシ-カルボニル(C-C)アルキル基であり、およびArは、(C-C14)アリール基、より好ましくはフェニル基である)
で表される基である。

【0095】
以下、化合物(I)の好適な具体例について説明する。

【0096】
[化合物A-1]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0097】
【化29】
JP2020164521A_000030t.gif

【0098】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基であり;
が、アジド基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
が、ヒドロキシ基または式(II):

【0099】
【化30】
JP2020164521A_000031t.gif

【0100】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基である、
化合物(I)。
[化合物A-2]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0101】
【化31】
JP2020164521A_000032t.gif

【0102】
(式中、Rは、水素またはハロゲン(例、塩素原子)を表す)
で表される基であり;
が、アジド基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基、より好ましくは水素、ヒドロキシメチル基、エチニル基、またはシアノ基であり;
が、ヒドロキシ基または式(II):

【0103】
【化32】
JP2020164521A_000033t.gif

【0104】
(式中、Rは、(C-C)アルコキシ-カルボニル(C-C)アルキル基(例、イソブトキシカルボニルエチル基)であり、およびArは(C-C14)アリール基(例、フェニル基)である)
で表される基である、
化合物(I)。

【0105】
[化合物A-3]
が、下記の式(IIIa):

【0106】
【化33】
JP2020164521A_000034t.gif

【0107】
で表される基である、[化合物A-1]または[化合物A-2]。

【0108】
[化合物A-4]
が、下記の式(IIIb):

【0109】
【化34】
JP2020164521A_000035t.gif

【0110】
(式中、Rは、水素を表す)
で表される基である、[化合物A-1]または[化合物A-2]。

【0111】
[化合物A-5]
が、下記の式(IIIb):

【0112】
【化35】
JP2020164521A_000036t.gif

【0113】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)
で表される基である、[化合物A-1]または[化合物A-2]。

【0114】
[化合物B-1]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0115】
【化36】
JP2020164521A_000037t.gif

【0116】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基であり;
が、ヒドロキシ基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
が、式(II):

【0117】
【化37】
JP2020164521A_000038t.gif

【0118】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基である、
化合物(I)。

【0119】
[化合物B-2]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0120】
【化38】
JP2020164521A_000039t.gif

【0121】
(式中、Rは、水素またはハロゲン(例、塩素原子)を表す)
で表される基であり;
が、ヒドロキシ基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基、より好ましくは水素、ヒドロキシメチル基、エチニル基、またはシアノ基であり;
が、式(II):

【0122】
【化39】
JP2020164521A_000040t.gif

【0123】
(式中、Rは、(C-C)アルコキシ-カルボニル(C-C)アルキル基(例、イソブトキシカルボニルエチル基)であり、およびArは(C-C14)アリール基(例、フェニル基)である)
で表される基である、
化合物(I)。

【0124】
[化合物B-3]
が、下記の式(IIIa):

【0125】
【化40】
JP2020164521A_000041t.gif

【0126】
で表される基である、[化合物B-1]または[化合物B-2]。

【0127】
[化合物B-4]
が、下記の式(IIIb):

【0128】
【化41】
JP2020164521A_000042t.gif

【0129】
(式中、Rは、水素を表す)
で表される基である、[化合物B-1]または[化合物B-2]。

【0130】
[化合物B-5]
が、下記の式(IIIb):

【0131】
【化42】
JP2020164521A_000043t.gif

【0132】
(式中、Rは、ハロゲンを表す)
で表される基である、[化合物B-1]または[化合物B-2]。

【0133】
[化合物C-1]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0134】
【化43】
JP2020164521A_000044t.gif

【0135】
(式中、Rは、水素またはハロゲンを表す)
で表される基であり;
が、ヒドロキシ基であり;
が、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
が、ヒドロキシ基または式(II):

【0136】
【化44】
JP2020164521A_000045t.gif

【0137】
(式中、Rは、エステル化されたカルボキシ(C-C)アルキル基を表し、およびArは置換されていてもよい(C-C14)アリール基を表す)
で表される基である、
化合物(I)。
ここでより好ましい化合物[C-1]は、Rが、ヒドロキシ基である化合物である。

【0138】
化合物(I)の特に好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
2-クロロ-9-(3’-アジド-2’3’-ジデオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(NUK-15)
9-(3’-アジド-2’3’-ジデオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(NUK-16)
2-クロロ-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン 5’-O-[α-フェニル-N-(イソブチル L-アラニル)]リン酸アミド(NUK-1)
2-クロロ-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-4’-C-ヒドロキシメチル-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(NUK-17)

【0139】
本発明の別の態様は、本発明化合物(Ia)を有効成分として含有するB型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患の予防または治療のための医薬等に関する。ここで、式(Ia)の各記号としては、上記式(I)の各記号について説明されたものと同じものが挙げられる。

【0140】
化合物(Ia)の好適な具体例としては、上記化合物(I)について説明された[化合物A-1]~[化合物A-5]、[化合物B-1]~[化合物B-5]および[化合物C-1]と同じ化合物が挙げられるが、加えて以下の化合物が挙げられる。

【0141】
[化合物D-1]
が、下記の式(IIIa)または(IIIb):

【0142】
【化45】
JP2020164521A_000046t.gif

【0143】
(式中、Rは、水素を表す)で表される基であり;
が、ヒドロキシ基であり;
が、水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基、より好ましくは水素、ヒドロキシ(C-C)アルキル基、(C-C)アルキニル基、またはシアノ基であり;
が、ヒドロキシ基である、
化合物(Ia)。

【0144】
化合物(I)および化合物(Ia)における塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
以上の塩の中で、好ましいものとしては、無機酸との塩および有機酸との塩が挙げられる。

【0145】
化合物(I)またはその塩、並びに化合物(Ia)またはその塩(以下、本発明化合物と称する場合がある)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても本発明化合物に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。本発明化合物は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。本発明化合物は、溶媒和物(例、水和物等)であっても、無溶媒和物(例、非水和物等)であってもよく、いずれも本発明化合物に包含される。

【0146】
本発明化合物には、その互変異性体が存在する場合があるが、このような互変異性体もまた本発明化合物に包含される。例えば、本発明化合物において、式(IIIa)で表される基が、式(IIIa’)で表される構造を有する基で存在する場合の化合物が、このような互変異性体の例として挙げられる。

【0147】
【化46】
JP2020164521A_000047t.gif

【0148】
本発明化合物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、優れた抗ウィルス活性を有し、これらの動物におけるウィルス感染(B型肝炎ウィルス(HBV)、C型肝炎ウィルス(HCV)、ヘルペスウィルス(HSB-1またはHSB-2)、サイトメガロウィルス(CMV)、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)および/またはエプスタイン・バール・ウィルス(EBV)による感染、特に、B型肝炎ウィルスによる感染)により誘発される疾患の予防・治療薬として使用できる。「ウィルス感染(特に、B型肝炎ウィルス感染)により誘発される疾患」としては、例えば、肝炎(急性肝炎、劇症肝炎等)、肝不全、肝硬変、肝臓癌等が挙げられる。
本発明化合物は、毒性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等)が低く、さらに、安定性及び体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄等)にも優れているので、医薬品として有用である。

【0149】
本発明化合物を含有する医薬(以下、本発明医薬と称する場合がある)は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明化合物を単独で、あるいは薬理学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の医薬組成物とすることができる。
経口的または非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内等)に安全に投与することができる。
本発明化合物の本発明医薬中の含有量は、医薬全体の約0.01~99重量%である。本発明医薬の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患、症状等により異なるが、例えばウィルス感染(特に、B型肝炎ウィルス感染)により誘発される疾患の治療の目的で成人患者に経口投与する場合、有効成分である本発明化合物として約0.001~約100mg/kg体重、好ましくは約0.005~約50mg/kg体重、さらに好ましくは約0.01~約2mg/kg体重であり、これらの服用量を症状に応じて1日約1~3回投与するのが望ましい。

【0150】
上記薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤としては、例えばブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール等が挙げられる。緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤としては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α-トコフェロール等が挙げられる。

【0151】
本発明化合物を上記各疾患に適用する際には、それら疾患に通常用いられる薬剤又は治療法と適宜併用することが可能である。以下、本発明化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
併用薬物としては、例えば、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テノホビル等の他の抗ウィルス剤が挙げられる。

【0152】
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、(1)本発明化合物、あるいは併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、併用薬物を選択することができる、(3)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、(4)本発明化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。

【0153】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明化合物、あるいは(及び)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠等も含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、徐放剤(例、舌下錠、マイクロカプセル等)、貼布剤、口腔内崩壊錠、口腔内崩壊フィルム等として、経口的又は非経口的(例、皮下、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤、又は液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。

【0154】
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物あるいはその医薬組成物と、併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。

【0155】
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例、本発明化合物;併用薬物の順序での投与、又は逆の順序での投与等)等が挙げられる。

【0156】
本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~99重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01~99重量%、好ましくは約0.1~50重量%、さらに好ましくは約0.5~20重量%である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1~99重量%、好ましくは約10~90重量%である。
また、本発明化合物及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。

【0157】
[製造方法]
以下、本発明化合物の製造方法について説明する。以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物の塩と同様のものが挙げられる。

【0158】
製造方法1

【0159】
【化47】
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【0160】
製造方法2

【0161】
【化48】
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【0162】
[式中、Rは、置換されていてもよい、保護されたプリン塩基を表し;
は、保護されたヒドロキシ基を表し;
は、式(II):

【0163】
【化49】
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【0164】
(式中、RおよびArは、それぞれ前記と同義である)で表される基を表し;
、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり;および
Xは、脱離基を表す]

【0165】
Xで表される「脱離基」としては、ハロゲン(例、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)が挙げられ、好ましくは塩素原子が挙げられる。

【0166】
以下に、上記製造方法について説明する。

【0167】
製造方法1

【0168】
Step1
化合物(V)は、1)化合物(IV)のプリン塩基上のアミノ基を保護基により保護し、並びに2)化合物(IV)の5’位のヒドロキシ基を保護基により保護することにより製造することができる。
プリン塩基上のアミノ基の保護は、当技術分野で汎用される保護基導入方法により行うことができる。例えば、イソ酪酸無水物のようなアシル化試薬とピリジンのような適当な溶媒中で反応させることにより保護基を導入することができる。反応は、トリメチルシリルクロリドのような促進剤の存在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、例えば、室温~加温下に行うことができる。
5’位のヒドロキシ基の保護は、当技術分野で汎用される保護基導入方法により行うことができる。例えば、t-ブチルジメチルシリルクロリドのようなシリル化試薬とDMFやイミダゾールのような適当な溶媒中で反応させることにより保護基を導入することができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、室温~加温下で行うことができる。
上記反応の諸条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。
化合物(IV)は、公知化合物であるか、当業者であれば、公知化合物から出発して、後記の実施例に記載された方法、当分野で公知の方法、またはこれらに準じる方法により適宜製造して入手することができる。

【0169】
Step2
化合物(VI)は、化合物(V)の2’位のヒドロキシ基の立体を反転させることにより製造することができる。
ヒドロキシ基の立体の反転化は、酸化と還元とを組み合わせることにより行うことができる。例えば、デス・マーチン試薬のような適当な酸化剤とジクロロメタンのような適当な溶媒中で反応させて酸化して、ヒドロキシ基をカルボニル基へと変換した後、水素化ホウ素ナトリウムのような適当な還元剤とイソプロパノールのような適当な溶媒中で反応させることにより行うことができる。
上記反応の諸条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。

【0170】
Step3
化合物(VII)は、化合物(VI)の2’位のヒドロキシ基をアジド基で置換することにより製造することができる。
本反応は、例えばジフェニル-2-ピリジルホスフィンのようなリン試薬とアゾジカルボキシレート剤によりヒドロキシ基を活性化した後、例えばアジ化ナトリウムのようなアジ化剤と反応させることにより行うことができる。反応はDMFのような適当な溶媒中で行うことができる。
上記反応の諸条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。

【0171】
Step4
化合物(Ib)は、化合物(VII)のプリン塩基上のアミノ基の保護基、並びに2)化合物(VII)の5’位のヒドロキシ基の保護基を脱保護することにより製造することができる。
プリン塩基上のアミノ保護基の脱保護は、当技術分野で汎用される方法により行うことができ、例えば、NaOMeのような試薬とジクロロメタン、メタノールのような適当な溶媒中で反応させてアミド結合を加水分解することにより行うことができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、室温~加温下に行うことができる。
5’位のヒドロキシ保護基の脱保護は、当技術分野で汎用される方法により行うことができ、例えば、3HF・EtN、テトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)のような試薬とTHFのような適当な溶媒中で反応させてヒドロキシ基上のシリル保護基を除去することにより行うことができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、室温~加温下に行うことができる。
上記反応の諸条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。

【0172】
製造方法2

【0173】
Step1
化合物(Id)は、化合物(Ic)と化合物(VIII)とを反応させることにより製造することができる。
反応は、Cu(OTf)、トリエチルアミンのような縮合促進剤の存在下、THFのような適当な溶媒中で行うことができる。反応温度は特に限定されないが、例えば、室温~加温下に行うことができる。
上記反応の諸条件は、当業者であれば、適宜決定することができる。
【実施例】
【0174】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【実施例】
【0175】
[本発明化合物の製造に関する実施例]
【実施例】
【0176】
参考例1
【実施例】
【0177】
【化50】
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【実施例】
【0178】
step(1): 2-デオキシ-2-フルオロ-3,5-ジ-O-ベンゾイル-α-D-アラビノフラノシル ブロミド(compound(1-II))
2-デオキシ-2-フルオロ-1,3,5-トリ-O-ベンゾイル-α-D-アラビノフラノース(compound(1-I))2.5gをジクロロメタン(80mL)に溶解し、臭化亜鉛606mg,トリメチルシリルブロミド1.8mLを加えて、0℃にて20時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLで希釈後、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、トルエンを加えて減圧下留去した。更なる精製操作を行わないで、白色シロップ状の生成物2.3g(収率99%)を得た。
【実施例】
【0179】
HNMR (500MHz,CDCl)δ4.73(dd,J=3.9,11.7Hz,1H),4.80-4.85(m,2H),5.56(dd,J=3.9,22.0Hz,1H),5.61(d,J=50.1Hz,1H),6.6(d,J=12.2Hz,1H),7.43-8.14(m,10H)
【実施例】
【0180】
step(2): 2-アミノ-6-クロロ-9-(3’,5’-ジ-O-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)-9H-プリン(compound(1-III))
2-アミノ-6-クロロプリン1.4gを1,2-ジメトキシエタン(100mL)に溶解し、カリウムtert-ブトキシド931mgを加えて、室温にて1時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、アセトニトリル175mL、2-デオキシ-2-フルオロ-3,5-ジ-O-ベンゾイル-α-D-アラビノフラノシル ブロミド2.3gのジクロロエタン(140mL)溶液を加えて、室温にて20時間撹拌した。反応液をろ過し、アセトニトリルで洗浄した。ろ液を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ヘキサン=1:2 to 1:1)で精製し、無色固体の生成物1.1g(収率36%)を得た。
【実施例】
【0181】
HNMR (500MHz,CDCl)δ4.57-4.60(m,1H),4.77-4.83(m,2H),5.14(br.s,NH),5.34(dd,J=2.7,50.0Hz,1H),5.78(dd,J=2.7,16.6Hz,1H),6.46(dd,J=2.9,22.5Hz,1H),7.45-7.69(m,6H),8・05(d,J=3.2Hz,1H),8.09-8.11(m,4H)
【実施例】
【0182】
step(3)および(4): 9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound1;NUK-2)
2-アミノ-6-クロロ-9-(3’,5’-ジ-O-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)-9H-プリン1.1gを酢酸(14mL)に溶解し、無水酢酸14mL,酢酸ナトリウム820mgを加えて、120℃にて3時間撹拌した。反応液を室温に戻し、メタノール(MeOH)50mLを加えた後、溶媒を減圧下留去した。残渣物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLで希釈後、クロロホルムで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をアンモニアメタノール溶液(7N,100mL)に溶解し、室温にて2日間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液による再結晶より、白色固体の生成物256mg(収率45%)を得た。
【実施例】
【0183】
HNMR (500MHz,CDOD)δ3.59-3.64(m,2H),3.79-3.82(m,1H),4.36(ddd,J=4.7,13.0,17.9Hz,1H),5.05-5.16(m,2H),5.93(d,J=4.9Hz,OH),6.12(dd,J=4.1,15.9Hz,1H),6.52(br.s,NH),7.79(d,J=2.5Hz,1H),10.4(br.s,NH)
【実施例】
【0184】
参考例2
【実施例】
【0185】
【化51】
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【実施例】
【0186】
step(1): N-ベンゾイル-9-(3’,5’-ジ-O-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(2-II))
-ベンゾイルアデニン(216mg)を1,2-ジメトキシエタン(28mL)に溶解し、カリウムtert-ブトキシド100mgを加えて、0℃にて20分間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、アセトニトリル8.8mL,CaH40mgを加えて10分間撹拌した。2-デオキシ-2-フルオロ-3,5-ジ-O-ベンゾイル-α-D-アラビノフラノシル ブロミド(compound(2-I))308mgのジクロロエタン(12mL)溶液を加えて、室温にて24時間撹拌した。反応液をろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を減圧下留去後、水50mLで希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ヘキサン=1:1 to酢酸エチルエステル:メタノール=10:1)で精製し、白色固体の生成物230mg(収率44%)を得た。
【実施例】
【0187】
HNMR (500MHz,CDCl)δ4.62-4.64(m,1H),4.83(d,J=4.7Hz,2H),5.41(dd,J=2.7,49.8Hz,1H),5.79(dd,J=2.7,16.4Hz,1H),6.74(dd,J=2.7,2.2Hz,1H),7.44-8.12(m, 15H),8.32(d,J=2.9Hz, 1H),8.82(s,1H),9.21(br.s,NH)
【実施例】
【0188】
step(2): 9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound2;NUK-3)
-ベンゾイル-9-(3’,5’-ジ-O-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン230mgをアンモニアメタノール溶液(7N,15mL)に溶解し、室温にて2日間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液による再結晶より、白色固体の生成物85mg(収率80%)を得た。
【実施例】
【0189】
HNMR (500MHz,d-DMSO)δ3.63-3.70(m,2H),3.83-3.86(m,1H),4.42-4.47(m,1H),5.11(t,J=5.6Hz,OH),5.20(dt,J=4.2,52.8Hz,1H),5.95(d,J=5.1Hz,OH),6.40(dd,J=4.6,14.7Hz,1H),7.33(br.s,NH),8.16(s,1H),8.23(d,J=2.2Hz,1H)
【実施例】
【0190】
参考例3
【実施例】
【0191】
【化52】
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【実施例】
【0192】
step(1): O-(ベンゾトリアゾール-1H-イル)-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-II))
9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-I))520mgをアセトニトリル(10mL)に溶解し、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム(BOP)(884mg)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)(300μL)を加えて、室温にて20時間撹拌した。反応液に水を加えてクロロホルムで抽出した。抽出液に飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノルマルヘキサン=1:2)で精製し、生成物257mg(収率41%)を得た。
【実施例】
【0193】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.13(s,6H),0.17(s,3H),0.17(s,3H),0.94(s,9H),0.95(s,9H),3.82(d,J=4.2Hz,2H),3.97-3.99(m,1H),4.63(ddd,J=3.0,3.2,16.9Hz,1H),4.80(br.s,NH),4.99(ddd,J=2.7,3.7,52.1Hz,1H),6.36(dd,J=3.7,17.9Hz,1H),7.44-7.54(m,3H),8.08(d,J=2.5Hz,1H),8.12(d,J=8.3Hz,1H)
【実施例】
【0194】
step(2): O-アリル-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-III))
-(ベンゾトリアゾール-1H-イル)-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン257mgをアリルアルコール(5mL)に溶解し、CsCO(265mg)を加えて、室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノルマルヘキサン=1:4)で精製し、白色シロップ状の生成物150mg(収率66%)を得た。
【実施例】
【0195】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.10(s,6H),0.16(s,3H),0.17(s,3H),0.93(s,9H),0.94(s,9H),3.82-3.83(m,2H),3.93-3.96(m,1H),4.63(ddd,J=2.7,3.9,17.1Hz,1H),4.83(br.s,NH),4.95(ddd,J=2.5,3.7,52.1Hz,1H),5.03(ddd,J=1.7,3.2,5.6Hz,2H),5.28(ddd,J=1.2,2.7,10.5Hz,1H),5.44(ddd,J=1.7,3.2,17.4Hz,1H),6.14(ddt,J=5.6,10.5,17.1Hz,1H),6.34(dd,J=3.7,19.1Hz,1H),7.89(d,J=1.9Hz,1H)
【実施例】
【0196】
step(3): O-アリル-2-アジド-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-IV))
-アリル-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン150mgをジクロロメタン(3mL)に溶解し、トリメチルシリルアジド354μL,亜硝酸 tert-ブチル(tBuONO)(90%,356μL)を-20℃で加えて1時間撹拌した後、室温にて24時間撹拌した。反応液に水を加えてクロロホルムで抽出した。抽出液に飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノルマルヘキサン=1:4)で精製し、黄色液状の生成物74mg(収率47%)を得た。
【実施例】
【0197】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.11(s,6H),0.15(s,3H),0.16(s,3H),0.92(s,9H),0.94(s,9H),3.85(dd,J=1.5,4.9Hz,2H),3.96-3.98(m,1H),4.59-4.63(m,1H),4.97(ddd,J=2.7,3.9,52.1Hz,1H),5.12(ddd,J=1.5,3.5,5.9Hz,2H),5.33(ddd,J=1.2,2.4,10.3Hz,1H),5.49(ddd,J=1.5,3.0,17.6Hz,1H),6.14(ddt,J=5.9,10.5,17.1Hz,1H),6.45(dd,J=4.0,17.6Hz,1H),8.13(d,J=2.5Hz,1H)
【実施例】
【0198】
step(4): O-アリル-2-(4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3-トリアゾール-1H-イル)-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-V))
-アリル-2-アジド-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン74mgをtert-ブタノール(tBuOH)/HO(1:1,2mL)に溶解し、4-エチニルアニソール33μL、CuCl(3mg)を加えて、室温にて12時間撹拌した。反応液に水を加えてクロロホルムで抽出した。抽出液に飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノルマルヘキサン=1:8to1:2)で精製し、白色固体の生成物62mg(収率67%)を得た。
【実施例】
【0199】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.13(s,6H),0.18(s,3H),0.16(s,3H),0.96(s,18H),3.87-3.93(m,5H),3.99-4.00(m,1H),4.69(ddd,J=2.7,4.4,18.4Hz,1H),5.11(ddd,J=3.0,4.2,52.3Hz,1H),5.27(ddd,J=1.5,4.2,5.9Hz,2H),5.39(d,J=1.3,2.5,10.3Hz,1H),5.57(ddd,J=1.5,2.9,17.1Hz,1H),6.14(ddt,J=5.6,10.5,17.4Hz,1H),6.67(dd,J=4.2,16.4Hz,1H),7.02(d,J=8.8Hz,2H),7.90(d,J=8.8Hz,2H),8.30(d,J=2.5Hz,1H),8.66(s,1H)
【実施例】
【0200】
step(5): O-アリル-2-(4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3-トリアゾール-1H-イル)-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(3-VI))
-アリル-2-(4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3-トリアゾール-1H-イル)-9-(3’,5’-ジ-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン61mgをテトラヒドロフラン(THF)3mLに溶解し、トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(3HF・EtN)84μLを加えて、室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノルマルヘキサン=1:2)で精製し、白色固体の生成物38mg(収率91%)を得た。
【実施例】
【0201】
HNMR (500MHz,d-DMSO)δ3.68-3.75(m,2H),3.82(s,3H),3.91-3.94(m,1H),4.55(ddd,J=5.1,9.5,18.8Hz,1H),5.11(t,J=5.6Hz,OH),5.28-5.31(m,2H),5.37-5.40(m,1H),5.57(ddd,J=1.7,3.2,17.4Hz,1H),6.05(br.s,OH),6.14(ddt,J=5.6,10.3,17.1Hz,1H),6.59(dd,J=4.7,13.5Hz,1H),7.07(d,J=8.8Hz,2H),7.90(d,J=8.8Hz,2H),8.62(d,J=2.0Hz,1H),9.34(s,1H)
【実施例】
【0202】
step(6): 2-(4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3-トリアゾール-1H-イル)-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound3;NUK-6)
-アリル-2-(4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3-トリアゾール-1H-イル)-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン38mgをMeOH/THF(1:2)の混合溶液3mLに溶解し、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム塩(PhSONa)16mg,テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(Ph)4mgを加えて、室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、酢酸エチルエステルで洗浄し、析出した黄色固体の生成物30mg(収率86%)を得た。
【実施例】
【0203】
HNMR (500MHz,d-DMSO)δ3.63-3.71(m,2H),3.81(s,3H),3.86-3.89(m,1H),4.55(ddd,J=4.9,9.1,13.7Hz,1H),5.08(t,J=5.6Hz,OH),5.19-5.31(m,1H),5.37-5.40(m,1H),6.01(d,J=4.9Hz,1H),6.43(dd,J=4.4,15.4Hz,1H),7.07(d,J=9.1Hz,2H),7.93(d,J=8.8Hz,2H),8.17(br.s,1H),9.34(s,1H)
【実施例】
【0204】
実施例1
【実施例】
【0205】
【化53】
JP2020164521A_000054t.gif
【実施例】
【0206】
step(1): 2-クロロ-N-イソブチリル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(E1-II))
クロファラビン(compound(E1-I))(606mg)をピリジンに溶解し、ピリジンを減圧下留去する操作を3回行い、減圧下で乾燥した。残渣をピリジン(10mL)に溶解し、トリメチルシリルクロリド1.5mLを加えて、0℃にて2時間撹拌した。イソ酪酸無水物2mLを加えて、室温にて24時間撹拌した。反応液にアンモニア水(28%,3mL)、水(3mL)を加えて、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5to90:10)で精製し、白色固体の生成物453mg(収率61%)を得た。
【実施例】
【0207】
HNMR (500MHz,CDCl)δ1.32(d,J=6.9Hz,3H),1.32(d,J=6.9Hz,3H),3.26-3.28(m,1H),3.97-4.12(m,3H),4.77-4.83(m,1H),5.21(ddd,J=3.4,4.4,51.8Hz,1H),6.50(dd,J=4.4,15.2Hz,1H),8.28(d,J=2.0Hz,1H),8.53(br.s,NH)
【実施例】
【0208】
step(2): 2-クロロ-N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(E1-III))
2-クロロ-N-イソブチリル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(350mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)7mLに溶解し、tert-ブチルジメチルシリルクロリド150mg,イミダゾール136mgを加えて、室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物453mg(収率99%)を得た。
【実施例】
【0209】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.13(s,3H),0.13(s,3H),0.94(s,9H),1.32(d,J=6.9Hz,6H),3.28-3.30(m,1H),3.89(ddd,J=1.3,5.9,11.0Hz,1H),3.94(ddd,J=1.0,4.2,11.0Hz,1H),4.01-4.05(m,1H),4.66-4.72(m,1H),5.15(ddd,J=2.5,3.7,51.6Hz,1H),6.51(dd,J=3.7,17.1Hz,1H),8.23(d,J=2.5Hz,1H),8.37(br.s,NH)
【実施例】
【0210】
step(3): 2-クロロ-N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-リキソフラノシル)アデニン(compound(E1-IV))
2-クロロ-N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(456mg)をジクロロメタン3mLに溶解し、デス・マーチン・ペルヨージナン(Dess-Martin periodinate)594mgを0℃で加えて、1時間後撹拌後、室温にて3時間撹拌した。反応液を-60℃に冷却し、イソプロパノール3mL,水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)80mgを順次加えて、-60℃にて12時間撹拌した。反応液にアセトン3mLを加えた後、室温にした。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液に飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物406mg(収率89%)を得た。
【実施例】
【0211】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.93(s,9H),1.32(d,J=7.1Hz,6H),3.27-3.30(m,1H),4.03-4.28(m,3H),4.68-4.71(m,1H),5.15(dt,J=5.1,51.8Hz,1H),6.39(dd,J=5.1,11.5Hz,1H),8.36(d,J=2.0Hz,1H),8.39(br.s,NH)
【実施例】
【0212】
step(4)および(5): 2-クロロ-9-(3’-アジド-2’3’-ジデオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compoundE1;NUK-15)
2-クロロ-N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-リキソフラノシル)アデニン(300mg)をDMF2.5mLに溶解し、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン197mg、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)(1.9M,395μL),アジ化ナトリウム(NaN)96mgを加えて、室温にて8時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=98:2)で精製した。得られた生成物をTHF2mLに溶解し、3HF・EtN326μLを加えて、室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、ジクロロメタン/メタノールの混合溶液(1:1,4mL)で溶解し、ナトリウムメトキシド(NaOMe)70mgを加えて、45℃にて20時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5to90:10)で精製し、白色固体の生成物30mg(収率16%)を得た。
【実施例】
【0213】
HNMR (300MHz,CDOD)δ3.86-4.01(m,2H),4.13-4.18(m,1H),4.52-4.56(m,1H),4.61(br.s,OH),5.40(ddd,J=7.8,9.8,51.0Hz,1H),6.38(dd,J=6.5,7.0Hz,1H),8.36(d,J=1.2Hz,1H)
【実施例】
【0214】
実施例2
【実施例】
【0215】
【化54】
JP2020164521A_000055t.gif
【実施例】
【0216】
step(1): N-イソブチリル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(E2-II))
9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(5-I))(900mg)をピリジン(15mL)に溶解し、トリメチルシリルクロリド2.4mLを加えて、0℃にて2時間撹拌した。イソ酪酸無水物3.2mLを加えて、室温にて24時間撹拌した。反応液にアンモニア水(28%,3mL)、水(3mL)を加えて、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5to90:10)で精製し、白色固体の生成物680g(収率61%)を得た。
【実施例】
【0217】
HNMR (500MHz,d-DMSO)δ1.03(d,J=6.9Hz,6H),3.33-3.41(m,1H),3.62-3.68(m,2H),3.85-3.86(m,1H),4.39-4.44(m,1H),5.11-5.24(m,1H),6.22(dd,J=4.4,14.7Hz,1H),8.20(d,J=2.0Hz,1H)
【実施例】
【0218】
step(2): N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compound(E2-III))
-イソブチリル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(680mg)をDMF14mLに溶解し、tert-ブチルジメチルシリルクロリド302mg,イミダゾール272mgを加えて、室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物345mg(収率37%)を得た。
【実施例】
【0219】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.17(s,3H),0.18(s,3H),0.95(s,9H),1.30(d,J=7.1Hz,6H),2.63(sept, J=7.1Hz,1H),4.15-4.18(m,1H),4.33(dd,J=4.7,11.7Hz,1H),4.43(dd,J=5.6,11.7Hz,1H),4.47-4.52(m,1H),4.91(ddd,J=2.0,5.7,51.8Hz,1H),6.22(dd,J=3.4,20.0Hz,1H),7.88(d,J=2.5Hz,1H),8.10(br.s,NH)
【実施例】
【0220】
step(3): N-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-リキソフラノシル)グアニン(compound(E2-IV))
-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(345mg)をジクロロメタン3mLに溶解し、Dess-Martin periodinate467mgを0℃で加えて、1時間後撹拌後、室温にて3時間撹拌した。反応液を-60℃に冷却し、イソプロパノール3mL,NaBH55mgを順次加えて、-60℃にて12時間撹拌した。反応液にアセトン3mLを加えた後、室温にした。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液に飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物250mg(収率73%)を得た。
【実施例】
【0221】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.11(s,3H),0.11(s,3H),0.91(s,9H),1.30(d,J=6.9Hz,6H),3.26(sept, J=6.9Hz,1H),4.03-4.15(m,3H),5.26(ddd,J=4.9,5.2,51.5Hz,1H),6.40(dd,J=5.4,10.5Hz,1H),8.40(d,J=2.0Hz,1H),8.71(br.s,NH)
【実施例】
【0222】
step(4)および(5): 9-(3’-アジド-2’3’-ジデオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)グアニン(compoundE2;NUK-16)
-イソブチリル-9-(5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-リキソフラノシル)グアニン(150mg)をDMF2mLに溶解し、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン126mg、DIAD(1.9M,250μL),NaN62mgを加えて、室温にて8時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: 酢酸エチルエステル:ノーマルヘキサン=2:1)で精製した。得られた生成物をTHF2mLに溶解し、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF)(1M,300μL)を加えて、室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、ジクロロメタン/メタノールの混合溶液(1:1,4mL)で溶解し、NaOMe10mg加えて、45℃にて20時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=90:10to80:20)で精製し、白色固体の生成物5mg(収率5%)を得た。
【実施例】
【0223】
HNMR (500MHz,CDOD)δ3.84-3.97(m,2H),4.09-4.11(m,1H),4.51-4.53(m,1H),5.33(ddd,J=4.6,5.9,51.3Hz,1H),6.26(dd,J=6.1,7.6Hz,1H),8.05(d,J=1.5Hz,1H),8.55(bs.s,NH)
【実施例】
【0224】
実施例3
【実施例】
【0225】
【化55】
JP2020164521A_000056t.gif
【実施例】
【0226】
step(1): 2-クロロ-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン 5’-O-[α-フェニル-N-(イソブチル L-アラニル)]リン酸アミド(compoundE3;NUK-1)
クロファラビン(compound(E3-I))(60mg)をTHF(6mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(Cu(OTf))(14mg),イソブチル (2S)-2-(クロロ(フェノキシ)ホスホリルアミノ)プロパノエート64mg,トリエチルアミン75μLを加えて、室温にて12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=98:2to95:5)で精製し、白色シロップ状の生成物18mg(収率15%)を得た。
【実施例】
【0227】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.87-0.90(m,6H),1.38-1.40(m,3H),1.87-1.93(m,1H),3.72-4.39(m,6H),4.54-4.63(m,1H),5.10(ddd,J=2.3,3.2,51.6Hz,1H),6.43-6.48(m,1H),7.16-7.33(m,5H),7.98-8.04(m,1H)
【実施例】
【0228】
実施例4
【実施例】
【0229】
【化56】
JP2020164521A_000057t.gif
【実施例】
【0230】
step(1): 2-クロロ-N-ベンゾイル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(E4-II))
クロファラビン(compound(E1-I))(600mg)をピリジンに溶解し、ピリジンを減圧下留去する操作を3回行い、減圧下で乾燥した。残渣をピリジン(10mL)に溶解し、トリメチルシリルクロリド1.5mLを加えて、0℃にて30分間撹拌した。ベンゾイルクロリド(697μL)をゆっくり加えて、室温にて24時間撹拌した。反応液にアンモニア水(28%,3mL)、水(3mL)を加えて、酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物618mg(収率76%)を得た。
【実施例】
【0231】
HNMR (500MHz,CDOD)δ3.28(dd,J=5.2,12.3Hz,1H),3.87(dd,J=2.7,12.0Hz,1H),4.03(q,J=4.2Hz,1H),4.53-4.58(m,2H),5.21(ddd,J=3.2,4.2,52.0Hz,1H),6.55(dd,J=4.2,15.2Hz,1H),7.55(t,J=7.8Hz,2H),7.63-7.67(m,1H),8.06(d,J=8.6Hz,2H),8.59(d,J=2.0Hz,1H)
【実施例】
【0232】
step(2): 2-クロロ-N-ベンゾイル-9-(3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(E4-III))
2-クロロ-N-ベンゾイル-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(560mg)をピリジン(5.5mL)に溶解し、ジメトキシトリチルクロリド674mgを加えて、室温にて3時間撹拌した。エタノールを加えて反応を止め、溶媒を減圧下留去後、水を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、得られた生成物760mgをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)3mLに溶解し、tert-ブチルジメチルシリルクロリド289mg、イミダゾール158mgを加えて、室温にて24時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。残渣物をクロロホルム/メタノールの混合溶液(2:1)に溶解し、p-トルエンスルホン酸・水和物262mgを加えて、室温にて15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=98:2)で精製し、白色固体の生成物442mg(収率62%)を得た。
【実施例】
【0233】
HNMR (500MHz,CDCl)δ0.15(s,3H),0.16(s,3H),0.93(s,9H),3.82-4.01(m,3H),4.67(ddd,J=3.0,4.7,19.1Hz,1H),5.08(ddd,J=2.7,3.9,52.1Hz,1H),6.48(dd,J=3.9,16.1Hz,1H),7.53(t,J=7.4Hz,2H),7.62(t,J=7.3Hz,1H),8.02(d,J=8.1Hz,2H),8.27(d,J=2.2Hz,1H),9.10(br.s,NH)
【実施例】
【0234】
step(3):2-クロロ-9-(3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-4’-C-ヒドロキシメチル-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compound(E4-IV))
2-クロロ-N-ベンゾイル-9-(3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(150mg)をトルエン/ジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶液(2:3)に溶解し、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルジイミド塩酸塩(85mg)、ピリジン20μM、トリフルオロ酢酸10μMを加えて、室温にて2時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物を1,4-ジオキサン1.0mLに溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液153μM、2NNaOH水溶液153μMを加えて、室温にて3時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をメタノール1mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム22mgを氷冷下で加えて、30分間撹拌した。酢酸を加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルエステルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム乾燥した。溶媒を減圧下留去後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=95:5)で精製し、白色固体の生成物70mg(収率56%)を得た。
【実施例】
【0235】
HNMR (500MHz,CDOD)δ0.16(s,3H),0.18(s,3H),0.96(s,9H),3.50(d,J=11.5Hz,1H),3.63(d,J=12.0Hz,1H),3.68(d,J=12.0Hz,1H),3.82(d,J=11.8Hz,1H),5.02(dd,J=5.9,24.7Hz,1H),5.55(dt,J=5.7,56.2Hz,1H),6.55(t,J=6.1Hz,1H),8.34(s,1H)
【実施例】
【0236】
step(4): 2-クロロ-9-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-4’-C-ヒドロキシメチル-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(compoundE4;NUK-17)
2-クロロ-9-(3’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-2’-デオキシ-2’-フルオロ-4’-C-ヒドロキシメチル-β-D-アラビノフラノシル)アデニン(30mg)をTHF2mLに溶解し、3HF・EtN22μLを加えて、室温にて24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、残渣物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒: ジクロロメタン:メタノール=80:20)で精製し、白色固体の生成物11mg(収率49%)を得た。
【実施例】
【0237】
HNMR (500MHz,CDOD)δ3.57(d,J=11.7Hz,1H),3.69(s,2H),3.85(d,J=11.7Hz,1H),4.80(dd,J=5.6,24.5Hz,1H),5.51(dt,J=5.9,55.5Hz,1H),6.56(dd,J=6.1,7.6Hz,1H),8.34(d,J=1.0Hz,1H)
【実施例】
【0238】
[本発明化合物の抗ウィルス活性に関する試験例]
1.試験方法
【実施例】
【0239】
1-1.抗HBV活性の測定
抗HBV活性の評価は、ヒト肝癌細胞株HepG2にHBVゲノムの2倍長の遺伝子を導入したHBV産生細胞であるHepG2.2.15細胞株を用いて行い、薬剤(試験化合物)の添加後7日間当該細胞を培養した後、細胞内HBV DNA量あるいは細胞上清中のHBV DNA量をPCR法にて定量評価することにより行った。HBV DNAのPCRは、Forward Primer(HBV-S703R;5’-GAA CCA
CTG AAC AAA TGG CAC TAG TA-3’)(配列番号1)を用いた。PCRは95℃10秒、62℃10秒、72℃30秒を1サイクルとして35サイクル実施した。
各薬剤についてのより具体的な試験方法を以下に述べる。
(1)NUK-1
HepG2.2.15細胞を1×10cell/wellになるように播種した。24時間後にETV(entecavir),Clofarabine,Sofosbuvir及び薬剤NUK-1を1μMになるように希釈して細胞に添加した。7日間培養後、細胞質分画を回収し、フェノール・クロロホルム抽出にてDNAを精製した。精製されたDNA20ngを使用して、細胞内HBV DNA量を定量的PCR法にて評価した。
(2)NUK-2~NUK-17
HepG2.2.15細胞を1×10cell/wellになるように播種した。24時間後に上記各NUK化合物を1μMと10μMになるように希釈して細胞に添加した。7日間培養後、細胞質分画を回収し、フェノール・クロロホルム抽出にてDNAを精製した。精製されたDNA20ngを使用して、細胞内HBV DNA量を定量的PCR法にて評価した。
【実施例】
【0240】
1-2.エンテカビル耐性株に対する抗HBV活性の測定
薬剤耐性型HBVに対する薬剤感受性試験を以下の通り実施した。HepG2 NTCP-myc細胞に野生型(C_JPNAT wt)または、薬剤耐性型遺伝子(C_JPNAT mt)(mt: L180M, S202G, M204V)を導入し、24時間後にETV(entecavir)、Clofarabine、薬剤NUK-2、NUK-3、およびNUK-15を1μMになるように希釈して細胞に添加し、7日間培養した。細胞内HBV DNA量あるいは培養上清中のHBV DNA量をPCR法にて定量評価した。
【実施例】
【0241】
1-3.細胞毒性の測定
HepG2 NTCP-myc細胞を2×10cell/wellになるように播種した。24時間後に薬剤NUK-2~NUK-17を1μMと10μMになるように希釈して細胞に添加し、7日間培養した。培養後、premix WST-1 Cell Proliferation Assay System(TaTaRa)を10μL添加して37℃2時間培養後、450nmでマイクロプレートリーダーを用いて吸光度を測定して、細胞生存率を求めた。
【実施例】
【0242】
1-4.PXB-cellsでの抗HBV活性の測定
JFC(Caucasian,1Y,Male)を移植して作製されたPXBマウス(登録商標)から,コラゲナーゼ灌流法により分離されたヒト肝細胞(PXB-cells)を用いた抗HBV薬効評価試験を行った。PXB-cellsにHBV(gt C)を感染させて、12、17、22、27日間培養後、にETV(entecavir)、薬剤NUK-2(本試験においてComAと表記する場合がある)およびNUK-15(本試験においてComBと表記する場合がある)を2.5、25、250nMになるように希釈して細胞に添加した。実験期間中、培養開始日から12、17、22、27日後の上清中のHBV DNA量及びヒトアルブミン量を測定した。培養32日後に、上清中のHBV DNA量及びヒトアルブミン量、加えて細胞内のHBV DNA量とcccDNA量を測定した。
HBV DNAのPCRは、Forward Primer(5’-CAC ATC AGG ATT CCT AGG ACC-3’)(配列番号2)、Reverse primer(5’-AGG TTG GTG AGT GAT TGG AG-3’)(配列番号3)、TaqMan probe(5’-CAG AGT CTA GAC TCG TGG TGG ACT TC-3’)(配列番号4)(Dye:FAM for
5’, TAMRA for 3’)を用いた。PCRは50℃2秒を1サイクル、95℃20秒を1サイクル、95℃3秒、60℃32秒を53サイクル実施した。
【実施例】
【0243】
1-5.PXBマウスでの抗HBV活性の測定
JFC(Caucasian,1Y,Male)を移植して作製されたPXBマウス(ヒト肝細胞キメラマウス)を用いた抗HBV薬効評価試験を行った。PXBマウスにHBV(gt C)を感染させたヒト肝細胞キメラマウス(4匹)へ0.02mg/kgのNUK-2を2週間経口投与し、血清HBVDNA量(HBsAg量、HBcrAg量)およびBW、hALB量を測定した。2週間の休薬後、1mg/kgのNUK-2を2週間経口投与し、血清HBVDNA量(HBsAg量、HBcrAg量)およびBW、hALB量を測定した。なお感染源は、野生群では感染キメラマウス由来血清を接種した。HBV DNAのPCRは、Forward Primer(5’-CAC ATC AGG ATT CCT AGG ACC-3’)(配列番号2)、Reverse primer(5’-AGG TTG GTG AGT GAT TGG AG-3’)(配列番号3)、TaqMan probe(5’-CAG AGT CTA GAC TCG TGG TGG ACT TC-3’)(配列番号4)(Dye:FAM for 5’, TAMRA for 3’)を用いた。PCRは50℃2秒を1サイクル、95℃20秒を1サイクル、95℃3秒、60℃32秒を53サイクル実施した。
【実施例】
【0244】
2.薬剤(試験化合物)
上記試験で用いられた各種薬剤(試験化合物)(NUK-1~NUK-17)の構造を図1に示す。これらの薬剤は、市販されているものは購入することにより、または、本明細書中に開示された方法もしくは公知の方法により合成することにより入手することができる。
【実施例】
【0245】
3.実験結果
【実施例】
【0246】
試験1-1:抗HBV活性
NUK-1を薬剤として用いた試験での結果を図2に示す。
NUK-2~NUK-17を薬剤として用いた試験での結果を図3に示す。
【実施例】
【0247】
試験1-2:エンテカビル耐性株に対する抗HBV活性
NUK-2、NUK-3、およびNUK-15を薬剤として用いた試験での結果を図4に示す。
【実施例】
【0248】
試験1-3:細胞毒性
NUK-2~NUK-17を薬剤として用いた試験での結果を図3に示す。
【実施例】
【0249】
試験1-4:PXB-cellsでの抗HBV活性
NUK-2およびNUK-15を薬剤として用いた試験での結果を図5に示す。
【実施例】
【0250】
試験1-5:PXBマウスでの抗HBV活性
NUK-2を薬剤として用いた試験での結果を図6に示す。
【実施例】
【0251】
[本発明医薬に関する製剤例]
製剤例1(カプセル剤の製造)
1)実施例1の化合物 30 mg
2)微粉末セルロース 10 mg
3)乳糖 19 mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1 mg
計 60 mg
1)、2)、3)および4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【実施例】
【0252】
製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例3の化合物 30 g
2)乳糖 50 g
3)トウモロコシデンプン 15 g
4)カルボキシメチルセルロースカルシウム 44 g
5)ステアリン酸マグネシウム 1 g
1000錠 計 140 g
1)、2)、3)の全量および30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)および1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物30mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【産業上の利用可能性】
【0253】
本発明化合物は、優れた抗ウィルス活性(特に抗B型肝炎ウィルス活性)を有し、ウィルス感染により誘発される疾患(特に、B型肝炎ウィルス感染により誘発される疾患(例えば、肝炎、肝不全、肝硬変、肝臓癌等))の予防または治療に有用である。
図面
【図1-1】
0
【図1-2】
1
【図2】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図5-1】
5
【図5-2】
6
【図5-3】
7
【図5-4】
8
【図6-1】
9
【図6-2】
10