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明細書 :片麻痺前腕機能回復訓練装置及びその使用方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和2年10月1日(2020.10.1)
発明の名称または考案の名称 片麻痺前腕機能回復訓練装置及びその使用方法
国際特許分類 A61H   1/02        (2006.01)
FI A61H 1/02 K
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 31
出願番号 特願2019-539667 (P2019-539667)
国際出願番号 PCT/JP2018/032373
国際公開番号 WO2019/045051
国際出願日 平成30年8月31日(2018.8.31)
国際公開日 平成31年3月7日(2019.3.7)
優先権出願番号 2017167540
優先日 平成29年8月31日(2017.8.31)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】余 永
【氏名】森本 隆志
【氏名】前田 俊一
【氏名】五十嵐 光栄
出願人 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
【識別番号】517306938
【氏名又は名称】株式会社マルマエ
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100162259、【弁理士】、【氏名又は名称】末富 孝典
【識別番号】100168114、【弁理士】、【氏名又は名称】山中 生太
【識別番号】100146916、【弁理士】、【氏名又は名称】廣石 雅紀
審査請求 未請求
テーマコード 4C046
Fターム 4C046AA02
4C046AA10
4C046AA11
4C046AA25
4C046AA30
4C046AA45
4C046BB04
4C046BB05
4C046CC04
4C046DD02
4C046DD14
4C046DD33
4C046DD37
4C046EE02
4C046EE03
4C046EE04
4C046FF09
4C046FF22
4C046FF23
4C046FF24
要約 片麻痺前腕機能回復訓練装置は、前腕部(S)を装着する前腕装着部(2)を備える。前腕装着部(2)は、前腕部(S)を装着する前腕固定部(22)と、前腕部(S)の手で把持可能な把持機構(23)とを有する装着体(20)と、装着体(20)と嵌合し、前腕部(S)を中心として回転可能な内枠部(2B)と、内枠部(2B)をその回転方向に案内する外枠部(2A)と、内枠部(2B)の回転角情報を取得しつつ内枠部(2B)の正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、正転では筋緊張とその上の伸張反射を引き起こす前腕装着部(2)の訓練目標筋を刺激とするために内枠部(2B)の角速度又は加速度を制御し、逆転では訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を内枠部(2B)に付与する一連の制御を行う制御部と、を備える。
特許請求の範囲 【請求項1】
半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部を訓練して回復を促す片麻痺前腕機能回復訓練装置であって、
前腕部を装着する前腕装着部を備え、
前記前腕装着部は、
前記前腕部を固定する前腕固定部と、前記前腕固定部で前記前腕部が固定された手で把持可能な把持機構とを有する装着体と、
前記装着体と嵌合し、前記前腕部を中心として回転可能な内枠部と、
前記内枠部をその回転方向に案内する外枠部と、
前記内枠部の回転角情報を取得しつつ前記内枠部の正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、前記正転では前記前腕部の訓練目標筋を刺激するために前記内枠部の角速度又は加速度を制御し、前記逆転では前記訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を前記内枠部に付与する一連の制御を行う制御部と、
を備える、
片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項2】
前記把持機構は、
前記前腕部の手で把持可能なように一方向に延びる棒状の部材であり、その長手方向に直交する断面が楕円状又は長円状であるグリップを、備え、
前記長手方向に延びる回転軸回りの前記グリップの回転位置を調整する第1の調整機構と、
前記内枠部の回転中心の中心軸を基準とする前記グリップのオフセットを調整する第2の調整機構と、
前記内枠部の回転中心の中心軸の方向に関する前記グリップの位置を調整する第3の調整機構と、
のいずれかをさらに備える、
請求項1に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項3】
前記前腕固定部は、
前記内枠部と嵌合するベース部と、
両側から前記前腕部を狭持する一対のパッド部と、
前記各パッド部を前記前腕部に押し付け可能であるとともにワンタッチ操作で前記前腕部への押し付けを解除可能に前記ベース部に取り付けられたラチェット機構と、
を備える、
請求項1又は2に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項4】
前記ラチェット機構は、
前記ベース部に対しスライド可能で、先端に前記パッド部が設けられたスライダを備え、
前記スライダに目盛りが設けられている、
請求項3に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項5】
前記内枠部又は前記前腕装着部には、前記前腕部の肘を付く肘付き台が設けられている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項6】
先端に、前記前腕固定部と連結する第1の連結部が設けられ、基端に、基台に取り付けられる取付部と連結する第2の連結部が設けられたアーム部を備え、
前記第1の連結部と前記第2の連結部とにより、前記前腕固定部の位置を5自由度で調整可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項7】
前記取付部が、板状の部材に取り付け可能なバイス機構を備える、
請求項6に記載の片麻痺前腕機能回復訓練装置。
【請求項8】
半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部を訓練して回復を促す片麻痺前腕機能回復訓練方法であって、
前記前腕部を固定する前腕固定部と、前記前腕固定部で前記前腕部が固定された手で把持可能な把持機構とを備える装着体に前記前腕部を装着する装着工程と、
前記前腕部を中心として回転可能な内枠部に、前記装着体を挿入する挿入工程と、
前記内枠部の回転角情報を取得しつつ前記内枠部の正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、前記正転では前記前腕部の訓練目標筋を刺激するために前記内枠部の角速度又は加速度を制御し、前記逆転では前記訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を前記内枠部に付与する一連の制御を行う制御工程と、
を含む、
片麻痺前腕機能回復訓練方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、片麻痺前腕機能回復訓練装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中を発症すると左半身と右半身の一方に麻痺が残ることがある。左半身と右半身の一方に残る麻痺は、片麻痺と呼ばれる。この片麻痺は、リハビリテーションにより、機能の一部を回復させることが可能である。このリハビリテーションは、熟練した医師の手や療法士の手で行われる。しかしながら、訓練が長時間、長期間にわたるため、医師や療法士の身体的な負担が大きい。この負担を解消することを目的に、様々な訓練装置が提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2012-061101号公報
【特許文献2】国際公開第2014/092076号
【特許文献3】特開2016-101497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1乃至3に開示された訓練装置においては、前腕部を装置に装着する必要があるが、前腕部の形や状態は被検者によって様々であり、場合によっては、前腕部の筋が萎縮して手首を真っ直ぐに伸ばすことが困難なこともある。したがって、前腕部を装置に装着する作業は煩雑であり、その作業は時間を要するものとなっていることから、訓練の効率の低下が懸念されている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、訓練を効率良く行うことができる片麻痺前腕機能回復訓練装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置は、
半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部を訓練して回復を促す片麻痺前腕機能回復訓練装置であって、
前腕部を装着する前腕装着部を備え、
前記前腕装着部は、
前記前腕部を固定する前腕固定部と、前記前腕固定部で前記前腕部が固定された手で把持可能な把持機構とを有する装着体と、
前記装着体と嵌合し、前記前腕部を中心として回転可能な内枠部と、
前記内枠部をその回転方向に案内する外枠部と、
前記内枠部の回転角情報を取得しつつ前記内枠部の正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、前記正転では前記前腕部の訓練目標筋を刺激するために前記内枠部の角速度又は加速度を制御し、前記逆転では前記訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を前記内枠部に付与する一連の制御を行う制御部と、
を備える。
【0007】
この場合、前記把持機構は、
前記前腕部の手で把持可能なように一方向に延びる棒状の部材であり、その長手方向に直交する断面が楕円状又は長円状であるグリップを、備え、
前記長手方向に延びる回転軸回りの前記グリップの回転位置を調整する第1の調整機構と、
前記内枠部の回転中心の中心軸を基準とする前記グリップのオフセットを調整する第2の調整機構と、
前記内枠部の回転中心の中心軸の方向に関する前記グリップの位置を調整する第3の調整機構と、
のいずれかをさらに備える、
こととしてもよい。
【0008】
また、前記前腕固定部は、
前記内枠部と嵌合するベース部と、
両側から前記前腕部を狭持する一対のパッド部と、
前記各パッド部を前記前腕部に押し付け可能であるとともにワンタッチ操作で前記前腕部への押し付けを解除可能に前記ベース部に取り付けられたラチェット機構と、
を備える、
こととしてもよい。
【0009】
前記ラチェット機構は、
前記ベース部に対しスライド可能で、先端に前記パッド部が設けられたスライダを備え、
前記スライダに目盛りが設けられている、
こととしてもよい。
【0010】
前記内枠部又は前記前腕装着部には、前記前腕部の肘を付く肘付き台が設けられている、
こととしてもよい。
【0011】
先端に、前記前腕固定部と連結する第1の連結部が設けられ、基端に、基台に取り付けられる取付部と連結する第2の連結部が設けられたアーム部を備え、
前記第1の連結部と前記第2の連結部とにより、前記前腕固定部の位置を5自由度で調整可能である、
こととしてもよい。
【0012】
前記取付部が、板状の部材に取り付け可能なバイス機構を備える、
こととしてもよい。
【0013】
本発明の第2の観点に係る片麻痺前腕機能回復訓練方法は、
半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部を訓練して回復を促す片麻痺前腕機能回復訓練方法であって、
前記前腕部を固定する前腕固定部と、前記前腕固定部で前記前腕部が固定された手で把持可能な把持機構とを備える装着体に前記前腕部を装着する装着工程と、
前記前腕部を中心として回転可能な内枠部に、前記装着体を挿入する挿入工程と、
前記内枠部の回転角情報を取得しつつ前記内枠部の正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、前記正転では前記前腕部の訓練目標筋を刺激するために前記内枠部の角速度又は加速度を制御し、前記逆転では前記訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を前記内枠部に付与する一連の制御を行う制御工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前腕部を装着する前腕装着部が、回転する内枠部と前腕部を装着する装着体とに分割されているので、装着体に前腕部を装着してから、内枠部に装着体を挿入するだけで、前腕部を装置内に容易に装着することができる。この結果、訓練を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置の構成を示す斜視図である。
【図2】前腕装着部の外観を示す斜視図である。
【図3】前腕装着部の内部構成(その1)を示す斜視図である。
【図4】前腕装着部の内部構成(その2)を示す斜視図である。
【図5】前腕装着部の内部構成(その3)を示す斜視図である。
【図6】装着体の構成を示す斜視図である。
【図7】装着体が内枠部に嵌め込まれる様子を示す図である。
【図8】装着体が内枠部に嵌め込まれた様子を示す図である。
【図9】前腕部が装着体に装着された状態を示す図である。
【図10】装着体の上面図である。
【図11】ラチェット機構の内部構成を示す透過図である。
【図12A】ラチェット機構の動作(その1)を示す模式図である。
【図12B】ラチェット機構の動作(その2)を示す模式図である。
【図12C】ラチェット機構の動作(その3)を示す模式図である。
【図12D】ラチェット機構の動作(その4)を示す模式図である。
【図12E】ラチェット機構の動作(その5)を示す模式図である。
【図13】前腕固定部に設けられた目盛りの一例を示す図である。
【図14A】把持機構の内部構成(その1)を示す模式図である。
【図14B】把持機構の内部構成(その2)を示す模式図である。
【図15】把持機構の調整機構による調整の様子を示す模式図である。
【図16A】肘付き台の設置例(その1)を示す図である。
【図16B】肘付き台の設置例(その2)を示す図である。
【図17A】ハンド部の構成(その1)を示す模式図である。
【図17B】ハンド部の構成(その2)を示す模式図である。
【図18】前腕装着部とアーム部との連結部分の内部構成を示す模式図である。
【図19】アーム部と取付部との連結部分の内部構成を示す模式図である。
【図20】取付部の内部構成を示す模式図である。
【図21】取付部が机に取り付けられた様子を示す模式図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置の使用方法のフローチャートである。
【図23A】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その1)を示す図である。
【図23B】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その2)を示す図である。
【図23C】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その3)を示す図である。
【図23D】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その4)を示す図である。
【図23E】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その5)を示す図である。
【図23F】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その6)を示す図である。
【図23G】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その7)を示す図である。
【図23H】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その8)を示す図である。
【図23I】前腕装着部を分離できない一体型とした場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その9)を示す図である。
【図24A】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その1)を示す図である。
【図24B】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その2)を示す図である。
【図24C】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その3)を示す図である。
【図24D】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その4)を示す図である。
【図24E】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その5)を示す図である。
【図24F】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その6)を示す図である。
【図24G】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その7)を示す図である。
【図24H】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その8)を示す図である。
【図24I】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の前腕部の装着時間を計測する様子(その9)を示す図である。
【図25A】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その1)を示す図である。
【図25B】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その2)を示す図である。
【図25C】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その3)を示す図である。
【図25D】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その4)を示す図である。
【図25E】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その5)を示す図である。
【図25F】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その6)を示す図である。
【図25G】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その7)を示す図である。
【図25H】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その8)を示す図である。
【図25I】本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測する様子(その9)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

【0017】
図1に示すように、片麻痺前腕機能回復訓練装置1は、半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部S(図9参照)を訓練して回復を促す装置である。片麻痺前腕機能回復訓練装置1は、前腕装着部2と、アーム部3と、取付部4と、を備える。前腕装着部2には被検者の前腕部Sが装着される。アーム部3は、一方向に延びる棒状の部材である。取付部4は、机5に取り付けられる。

【0018】
アーム部3の基端は、取付部4に取り付けられる。前腕装着部2は、アーム部3の先端に取り付けられる。アーム部3は、取付部4に対して回動可能であり、前腕装着部2は、アーム部3に対して回動可能である。したがって、片麻痺前腕機能回復訓練装置1では、取付部4が机5に取り付けられた状態で、前腕装着部2を前腕部Sを動かし易い位置に位置決め可能である。そのような位置に前腕装着部2が位置決めされて、前腕部Sが装着される。

【0019】
まず、前腕装着部2の構成について説明する。前腕装着部2は、図2に示すように、外枠部2Aと、内枠部2Bと、制御部2Cと、を備える。内枠部2Bは、制御部2Cの駆動により、外枠部2Aに対して回転する。

【0020】
図2では、外枠部2Aの筐体2Aaが示されている。この筐体2Aaを取り除くと、図3に示すように、外枠部2Aの回転ガイド2Abが外部に露出する。外枠部2Aの回転ガイド2Abは、最上部でアーム部3に連結されている。回転ガイド2Abは、円環状の部材であり、内枠部2Bをその円周方向に案内する。

【0021】
外枠部2Aの回転ガイド2Abには、図4に示すように、複数のベアリング2Acが設けられている。これに対応して、内枠部2Bの外周には、円周方向に沿ってベアリング2Acと嵌合する溝部2Baが設けられている。ベアリング2Acは、溝部2Baに嵌まりつつ、内枠部2Bを円滑に回転させる。

【0022】
内枠部2Bは、回転ガイド2Abに沿って回転する。内枠部2Bには、後述する制御部2Cのタイミングベルト2Caが巻回されるプーリ2Bbが設けられている。プーリ2Bbの外周には、タイミングベルト2Caと係合する溝が形成されている。タイミングベルト2Caがこの溝と係合し、プーリ2Bbとタイミングベルト2Caとは滑りなく回転する。

【0023】
制御部2Cは、図5に示すように、タイミングベルト2Caと、プーリ2Cbと、回転駆動部2Ccと、を備える。タイミングベルト2Caは、前述のように、プーリ2Bbと、プーリ2Cbとに巻回され、両者を連結している。プーリ2Cbは、回転駆動部2Ccの回転軸に接続されている。

【0024】
回転駆動部2Ccは、外枠部2Aに取り付けられており、モータ及びエンコーダを有している。回転駆動部2Ccのモータが回転すると、プーリ2Cbが回転し、タイミングベルト2Caを介してプーリ2Cb、すなわち内枠部2Bが外枠部2Aに対して回転する。回転駆動部2Ccのエンコーダは、回転駆動部2Ccの回転軸の回転角度を検出する。一方、内枠部2Bが回転すると、タイミングベルト2Caを介してプーリ2Cbが回転可能となっている。

【0025】
制御部2Cは、内枠部2Bの回転を制御する。具体的には、制御部2Cは、エンコーダで内枠部2Bの回転角情報を取得しつつモータで内枠部2Bの正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、正転では筋緊張とその上の伸張反射を引き起こす前腕部の訓練目標筋を刺激するために内枠部2Bの角速度又は加速度を制御し、逆転では訓練目標筋への刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を内枠部2Bに付与する一連の制御を行う。

【0026】
図4に示すように、前腕装着部2は、装着体20を備える。装着体20は、前腕部Sに装着された後、内枠部2Bに嵌合される。装着体20が装着されることで、内枠部2Bは、前腕部Sを中心として回転可能となる。図6に示すように、装着体20は、ベース部21と、前腕固定部22と、把持機構23とを備える。

【0027】
ベース部21は、図7に示すように、内枠部2Bに嵌合される。内枠部2Bの内側壁には、内側に向けて突出する一対の突出部2Bcが設けられている。一方、ベース部21には、一対の突出部21Bcが設けられている。図7に示すように、装着体20が内枠部2B内に挿入されると、図8に示すように、内枠部2Bの一対の突出部2Bcと、装着体20の一対の突出部21Bcとが、装着体20の挿入方向と内枠部2Bの回転方向とに当接する。これにより、装着体20と内枠部2Bとは、一体となって、外枠部2Aに対して回転可能となる。

【0028】
前腕固定部22は、図9に示すように、前腕部Sを固定する。前腕固定部22は、一対のパッド部22Aと、一対のラチェット機構22Bと、を備える。図10に示すように、一対のパッド部22Aは、互いに対向して配置され、両側から前腕部Sを狭持する。ラチェット機構22Bは、各パッド部22Aを前腕部Sに押し付け可能であるとともにワンタッチ操作で前腕部Sへの押し付けを解除可能にベース部21に取り付けられている。

【0029】
図10に示すように、ラチェット機構22Bは、スライダ22Baと、筐体22Bbと、を備える。図11に示すように、筐体22Bbは、係止枠22Bbaと、突出部22Bbbと、スプリング22Bbcと、解除部22Bbdと、を備える。スライダ22Baは、棒状体であり、一端にパッド部22Aが取り付けられている。スライダ22Baの下面には、長手方向に沿って複数の穴22Baaが設けられている。係止枠22Bbaは、筐体22Bbの矩形状の内部空間に挿入されている。係止枠22Bbaは、矩形状の枠であり、この係止枠22Bbaの枠内をスライダ22Baが通過している。また、係止枠22Bbaの枠内には突出部22Bbbが設けられている。突出部22Bbbがスライダ22Baの穴22Baaに入り込むことにより、スライダ22Baが位置決めされる。

【0030】
解除部22Bbdは、係止枠22Bbaの上部に設けられている。突出部22Bbbでは、パッド部22A側の面がスライダ22Baの移動方向に対して直交しており、パッド部22Aと反対側の面がスライダ22Baの移動方向に対して傾斜している。したがって、図12Aに示すように、解除部22Bbdが押下されていない状態でも、図12Bに示すように、スライダ22Baは、パッド部22A側にスライドすることが可能である一方、図12Cに示すように、スライダ22Baは、パッド部22Aと反対側にスライドすることが制限される。

【0031】
また、係止枠22Bbaは、スプリング22Bbcで支持されており、筐体22Bb内の内部空間を上下方向に変位可能となっている。したがって、図12D及び図12Eに示すように、解除部22Bbdが押下された場合には、係止枠22Bbaが下側に移動し、突出部22Bbbと穴22Baaとのロックが解除され、スライダ22Baをパッド部22Aの反対側にスライドさせることが可能となる。

【0032】
このように、前腕固定部22では、ラチェット機構22Bにより、容易に一対のパッド部22Aで挟み込むことができるようになっている。

【0033】
また、スライダ22Baには、目盛り22Babが設けられている。図13に示すように、目盛り22Babが色付けされており、その色によるパターンが目盛りとなっている。この目盛り22Babにより、前腕部Sを装着体20の中心に合わせやすくなっている。なお、目盛り22Babは色付けされてなくてもよく、等間隔で線が配列されて目盛りが構成されていてもよい。

【0034】
把持機構23は、前腕部Sが前腕固定部22に固定された状態で、前腕部Sの手が把持可能な位置に設けられている。図14A及び図14Bに示すように、把持機構23は、グリップ部23Aと、第1の調整機構23Bと、第2の調整機構23Cと、第3の調整機構23Dと、を備える。

【0035】
グリップ部23Aは、前腕部Sの先端の手で把持可能に一方向に延びる棒状の部材であり、長手方向に直交する断面が楕円状又は長円状である。第1の調整機構23Bは、図15に示すように、長手方向に延びる回転軸回り(矢印αの回転方向)のグリップ部23Aの回転位置を調整する。第1の調整機構23Bは、グリップ部23Aの向きを固定可能である。この第1の調整機構23Bにより、グリップ部23Aの向き(回転位置)を位置決めして、グリップ部23Aの幅を調整し、手で握り易くすることができる。

【0036】
第2の調整機構23Cは、内枠部2Bの回転中心の中心軸を基準とするグリップ部23Aのオフセットを調整する。具体的には、第2の調整機構23Cは、回転中心軸23Eを中心に回転可能な板状部材であり、板状部材の回転(矢印βの方向の回転)により、グリップ部23Aのオフセットを調整する。第2の調整機構23Cは、グリップ部23Aの矢印βの方向の位置を固定可能である。この第2の調整機構23Cにより、前腕部Sの手首の角度に応じてグリップ部23Aを握り易い位置に位置決めすることができる。

【0037】
第3の調整機構23Dは、内枠部2Bの回転中心の中心軸の方向(矢印γの方向)に関するグリップ部23Aの位置を調整する。具体的には、回転中心軸23Eが矢印γの方向に移動することにより、グリップ部23Aの位置が調整される。第3の調整機構23Dは、グリップ部23Aの矢印γの方向の位置を固定可能である。この第3の調整機構23Dにより、前腕部Sの長さ(距離)に応じてグリップ部23Aを握り易い位置に位置決めすることができる。

【0038】
このように、把持機構23では、グリップ部23Aの向き及び位置を調整して、手で握り易くすることができる。なお、本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置1は、第1の調整機構23B、第2の調整機構23C及び第3の調整機構23Dを備えるものとしたが、いずれかを備えているだけでもよい。

【0039】
なお、図16Aに示すように、装着体20に、肘付き台24が取り付けられるようにしてもよい。肘付き台24において、実際に肘が付く場所にはパッド部24Aが設けられている。また、図16Bに示すように、内枠部2Bに、肘付き台25が取り付けられるようにしてもよい。肘付き台25において、実際に肘が付く場所には、パッド部25Aが設けられている。このように、肘付き台24,25を設けることにより、前腕装着部2に装着された前腕部Sを無理なく支えることができる。

【0040】
次に、アーム部3の構成について説明する。図18に示すように、アーム部3は、アーム本体3Aを備える。アーム本体3Aは、その基端部から先端に向かって一方向に延びる棒状の部材である。

【0041】
アーム部3は、前腕装着部2と連結される部分において、先端カバー3Bと、球体部3Cと、取付部3Dと、を備える。先端カバー3Bと、球体部3Cと、取付部3Dとで、前腕固定部22と連結する第1の連結部が構成される。

【0042】
アーム本体3Aには、先端カバー3Bが取り付けられており、球体部3Cは、アーム本体3Aと、先端カバー3Bとの間に、球体部3Cが回転可能に狭持されている。球体部3Cは、取付部3Dと一体化しており、取付部3Dに前腕装着部2が接続されている。したがって、球体部3Cにより、図17A及び図17Bに示すように、前腕装着部2は、アーム部3に対して、3自由度に回転可能である。球体部3Cは、アーム本体3Aと先端カバー3Bとのねじの締め付けにより、固定される。取付部3Dと球体部3Cは一直線ではなく、ずらして接続しているため、球体部3Cの鉛直方向を中心とした回転により、距離の微調整が可能となっている。

【0043】
アーム部3は、図19に示すように、取付部4と連結される部分において、回転部3Eと、回転部3Fと、を備える。回転部3Eと、回転部3Fとで第2の連結部が構成される。回転部3Eは、取付部4の取付面(例えば机5の上面)と垂直な回転軸を有し、アーム部3をその回転軸まわりに回転させる。さらに、回転部3Fは、回転部3Eの回転軸に垂直な回転軸まわりにアーム部3を回転させる。これにより、アーム部3の先端の前腕装着部2の位置調整が可能である。回転部3E,3Fは、それぞれの回転軸方向のアーム部3の向きをねじ締めにより固定可能である。

【0044】
このように、アーム部3では、第1の連結部と第2の連結部とにより、前腕固定部22の位置を5自由度で調整可能である。

【0045】
次に、取付部4の構成について説明する。取付部4は、アーム部3の基端部(第2の連結部)を机5等の板状の部材(基台)に取り付け可能なバイス機構である。図20に示すように、取付部4は、筐体4Aと、下板部4Bと、パッド部4Cと、締結部4Dと、補助締結部4Eと、を備える。

【0046】
筐体4Aには、アーム部3が載置されており、取付対象の机5の上に設置される。下板部4Bは、取付対象の机5の下部に設置される。下板部4Bには、机5の板の裏側に当接するパッド部4Cが接続されている。机5の板が、筐体4Aの裏面と下板部4Bとに挟まれた状態で締結部4D及び補助締結部4Eによって締結されることによって、すなわち筐体4Aの裏面と、パッド部4Cとが机面を狭持することによって、図21に示すように、取付部4が、机5等に固定される。

【0047】
次に、片麻痺前腕機能回復訓練装置1の動作について説明する。

【0048】
図22に示すように、まず、取付部4を机5等に取り付ける(ステップS1;取付工程)。具体的には、机5の板状の部分に、筐体4Aを机面の上に配置するとともに、下板部4Bを机面の下に配置して、締結部4D及び補助締結部4Eで、筐体4Aと下板部4Bとを挟み込んで、取付部4を机5に取り付ける。なお、この取り付け前に、アーム部3が取付部4に接続されるようにしてもよいし、取付部4が机5に固定された後にアーム部3が取付部4に接続されるようにしてもよい。

【0049】
続いて、アーム部3を動かして、前腕装着部2を適切な位置に位置決めする(ステップS2;位置決め工程)。具体的には、回転部3E,3Fを回転させてアーム部3の延びる方向を決めた後、球体部3Cを回転させて、前腕装着部2の姿勢を変更して、前腕装着部2を、挿入した前腕部Sが動かし易い位置に位置決めする。

【0050】
続いて、装着体20に前腕部Sを装着する(ステップS3;装着工程)。まず、手でグリップ部23Aを握った状態で、前腕部Sをベース部の上に載せる。この場合、グリップ部23Aを握るのが困難な場合には、グリップ部23Aの向き及び位置を、第1の調整機構23B、第2の調整機構23C、第3の調整機構23Dにより調整することができる。

【0051】
その後、前腕固定部22を用いて、前腕部Sを装着体20に固定する。具体的には、一対のラチェット機構22Bのスライダ22Baを前腕部Sの方向にスライドさせて、パッド部22Aを前腕部Sに押し当てる。この場合、前腕部Sは、装着体20の中心に位置するのが望ましい。

【0052】
続いて、装着体20を前腕装着部2の内枠部2Bに挿入する(ステップS4;挿入工程)。具体的には、装着体20の突出部21Bcを、内枠部2Bの突出部2Bcに当接するように、装着体20を前腕装着部2内に挿入する。

【0053】
続いて、前腕部Sの訓練を行う(ステップS5;制御工程)。具体的には、制御部2Cは、制御部2Cのエンコーダで回転角情報を取得しつつモータを駆動して内枠部2Bの正転、停止、逆転、停止を繰り返し行い、正転では筋緊張とその上の伸張反射を引き起こす前腕部Sの訓練目標筋を刺激とするために内枠部2Bの角速度又は加速度を制御し、逆転では筋の刺激を持続して筋緊張を維持するために抵抗力を内枠部2Bに付与する一連の制御を行う。

【0054】
これにより、例えば、前腕部Sについて急加速回内(又は回外)他動運動を行い、回外(または回内)の随意的自動運動を行わせる。ここで、随意的回外(又は回内)をさせる前に回内(又は回外)方向に急加速の促通刺激を与えることができる。急加速促通刺激によって、伸張反射が促され、効果的な訓練が期待できる。

【0055】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、前腕部Sを装着する前腕装着部2が、回転する内枠部2Bと前腕部Sを装着する装着体20とに分割されているので、装着体20に前腕部Sを装着してから、内枠部2Bに装着体20を挿入するだけで、前腕部Sを装置内に容易に装着することができる。この結果、訓練を効率良く行うことができる。

【0056】
また、本実施の形態によれば、手首の屈曲・進展の状態に対応してグリップ部23Aの向き及び位置を調整することができるので、手でグリップ部23Aを握り易くなっている。これにより、訓練を効率良く行うことができる。

【0057】
また、本実施の形態によれば、ラチェット機構22Bにより、前腕部Sを装着体20に固定しているので、前腕部Sを固定する作業が容易になる。ラチェット機構22Bでなく、ねじ締めにより前腕部Sを固定するよりも迅速に前腕部Sを固定することが可能であり、解除もワンタッチで行うことができる。

【0058】
また、本実施の形態によれば、アーム部3により、前腕装着部2の位置を、訓練をし易い位置(前腕部の回内、回外運動がし易い位置)に位置決めすることができるので、訓練の効果を最大限に発揮することができる。

【0059】
また、本実施の形態によれば、取付部4により、様々な場所に片麻痺前腕機能回復訓練装置1を設置することができるので、その汎用性を高めることができる。取付部4を固定していた専用台には電源ボックスと制御ユニットを収納することができ、さらに、振動・電気刺激などの補助刺激装置を収納することができる。このような専用台は一般的な机より背が低いため、机の下などの台ごと入れることができる。

【0060】
図23A~図23Iに示すように、従来のように、前腕装着部2を分離できない一体型のものとした場合の前腕部Sの装着時間を計測した。前腕部Sを前腕装着部2の前に置いた状態で装着を開始する(図23A;00分00秒)。手首を伸ばしながら前腕部Sを前腕装着部2に挿入する(図23B;00分15秒)。前腕装着部2に前腕部Sを押し入れようとすると(図23C;00分25秒)、手が把持機構23にあたるので(図23D;00分41秒)、把持機構23を取り外した後(図23E、図23F;00分41秒~00分44秒)、手を開いて把持機構23を入れてから(図23G;00分50秒)、把持機構23を固定した(図23H;01分02秒)。その後、手首を固定し装着が完了した(図23I;01分28秒)。このように、一体のままで前腕部Sを前腕装着部2に装着した場合には、1分28秒を要した。

【0061】
これに対して、図24A~図24Iに示すように、本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置1を用いた場合の前腕部Sの装着時間を計測した。装着が開始された後(図24A;00分00秒)、手の下から把持機構23を入れ(図24B;00分01秒)、把持機構23を手で握らせ(図24C;00分04秒)、手首を左右の前腕固定部22で押さえる(図24D;00分08秒)。そして、手首を固定し前腕部Sの装着体20への装着が完了する(図24E;00分15秒)。そして、装着体20を前腕装着部2に嵌め込む(図24F、図24G、図24H;00分18秒~00分19秒~00分21秒)。装着体20を前腕装着部2の最奥まで嵌め込むと、装着が完了する(図24I;00分24秒)。このように、本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置1では、装着に24秒しか要しなかった。

【0062】
また、図25A~図25Iに示すように、本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置1を用いた場合の重度の患者の前腕部の装着時間を計測した。まず、指、手首を伸ばしながら装着体20を前腕部Sの下から入れ(図25A;00分00秒)、前腕部Sを装着体20の上に置く(図25B;00分03秒)。さらに、手首を押しながら真っ直ぐに伸ばしながら(図25C;00分15秒)、手首を前腕固定部22で挟んで前腕部Sを装着体20に固定する(図25D;00分39秒)。続いて、指を1本ずつ把持機構23にかけ(図25E;01分03秒)、装着体20の装着を完了させる(図25F;01分16秒)。この状態で、装着体20を前腕装着部2の中に嵌め込み(図25G、図25H;01分19秒~01分25秒)。装着体20が前腕装着部2の最奥まで入ると、装着が完了する(図24I;01分27秒)。このように、本実施の形態に係る片麻痺前腕機能回復訓練装置1では、重度の患者でも、その装着時間は1分27秒であった。

【0063】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

【0064】
なお、本願については、2017年8月31日に出願された日本国特許出願2017-167540号を基礎とする優先権を主張し、本明細書中に日本国特許出願2017-167540号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、半身が麻痺した患者において、麻痺している方の前腕部を訓練して回復を促すのに適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 片麻痺前腕機能回復訓練装置、2 前腕装着部、2A 外枠部、2Aa 筐体、2Ab 回転ガイド、2Ac ベアリング、2B 内枠部、2Ba 溝部、2Bb プーリ、2Bc 突出部、2C 制御部、2Ca タイミングベルト、2Cb プーリ、2Cc 回転駆動部、3 アーム部、3A アーム本体、3B 先端カバー、3C 球体部、3D 取付部、3E,3F 回転部、4 取付部、4A 筐体、4B 下板部、4C パッド部、4D 締結部、4E 補助締結部、5 机、20 装着体、21 ベース部、21Bc 突出部、22 前腕固定部、22A パッド部、22B ラチェット機構、22Ba スライダ、22Baa 穴、22Bab 目盛り、22Bb 筐体、22Bba 係止枠、22Bbb 突出部、22Bbc スプリング、22Bbd 解除部、23 把持機構、23A グリップ部、23B 第1の調整機構、23C 第2の調整機構、23D 第3の調整機構、23E 回転中心軸、24,25 肘付き台、24A,25A パッド部、S 前腕部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12A】
11
【図12B】
12
【図12C】
13
【図12D】
14
【図12E】
15
【図13】
16
【図14A】
17
【図14B】
18
【図15】
19
【図16A】
20
【図16B】
21
【図17A】
22
【図17B】
23
【図18】
24
【図19】
25
【図20】
26
【図21】
27
【図22】
28
【図23A】
29
【図23B】
30
【図23C】
31
【図23D】
32
【図23E】
33
【図23F】
34
【図23G】
35
【図23H】
36
【図23I】
37
【図24A】
38
【図24B】
39
【図24C】
40
【図24D】
41
【図24E】
42
【図24F】
43
【図24G】
44
【図24H】
45
【図24I】
46
【図25A】
47
【図25B】
48
【図25C】
49
【図25D】
50
【図25E】
51
【図25F】
52
【図25G】
53
【図25H】
54
【図25I】
55