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明細書 :インプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和2年10月15日(2020.10.15)
発明の名称または考案の名称 インプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、およびプログラム
国際特許分類 A61C   8/00        (2006.01)
A61F   2/30        (2006.01)
A61F   2/28        (2006.01)
FI A61C 8/00 Z
A61F 2/30
A61F 2/28
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 34
出願番号 特願2019-542284 (P2019-542284)
国際出願番号 PCT/JP2018/033978
国際公開番号 WO2019/054442
国際出願日 平成30年9月13日(2018.9.13)
国際公開日 平成31年3月21日(2019.3.21)
優先権出願番号 2017177109
優先日 平成29年9月14日(2017.9.14)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】中島 大輔
【氏名】名倉 武雄
【氏名】錦野 将元
【氏名】長谷川 登
【氏名】三上 勝大
【氏名】北村 俊幸
【氏名】近藤 修司
【氏名】岡田 大
【氏名】島田 義則
出願人 【識別番号】899000079
【氏名又は名称】学校法人慶應義塾
【識別番号】301032942
【氏名又は名称】国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
【識別番号】591114803
【氏名又は名称】公益財団法人レーザー技術総合研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
【識別番号】100181722、【弁理士】、【氏名又は名称】春田 洋孝
【識別番号】100188592、【弁理士】、【氏名又は名称】山口 洋
審査請求 未請求
テーマコード 4C097
4C159
Fターム 4C097AA01
4C097BB10
4C159AA01
4C159AA51
要約 インプラント設置強度評価方法は、インプラントを振動させるステップと、振動させるステップで振動させたインプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、インプラントの振動数および振動強度の時系列データに基づいて、インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップとを有する。
特許請求の範囲 【請求項1】
インプラントを振動させるステップと、
前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、
前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップと
を有するインプラント設置強度評価方法。
【請求項2】
前記設置強度の指標を示す情報に基づいて、前記インプラントの設置強度の評価結果を取得するステップ
を有する、請求項1に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項3】
前記導出するステップでは、前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、周波数と振動数および振動強度との関係を求め、求めた周波数と振動数および振動強度との関係から、所定の振動数および振動強度に対応する周波数を求め、求めた前記周波数に関連付けられるインプラントの設置強度の指標を示す情報を、周波数とインプラントの設置強度の指標を表す情報との関連付けから求める、請求項1又は請求項2に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項4】
少なくとも一つのステップがコンピューターによって制御、実行される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項5】
前記インプラントの設置強度の指標を示す情報は、前記インプラントを骨に埋入したときのその骨に生じる抵抗を表す埋入トルクである、請求項3又は請求項4に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項6】
前記インプラントの設置強度の指標を示す情報は、骨に取り付けられた、人工関節カップに設置棒を取り付け、前記設置棒を引っ張った場合に骨から人工関節カップが外れるときに働く力である引き倒し力である、請求項3又は請求項4に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項7】
前記振動させるステップが、前記インプラントへレーザービームを照射することによって、前記インプラントを振動させる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項8】
前記振動させるステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって、前記インプラントを振動させる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項9】
前記振動させるステップでは、前記インプラントに力を加えることによって、前記インプラントを振動させる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項10】
前記測定するステップは、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを、加速度センサーで測定する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項11】
前記測定するステップは、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の前記時系列データを、生じる音に基づいて測定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項12】
前記振動させるステップでは、前記インプラントへ第一のレーザービームを照射することによって、前記インプラントを振動させ、
前記測定するステップでは、前記インプラントへ第二のレーザービームを照射し、前記インプラントが反射した前記第二のレーザービームに基づいて、前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項13】
前記振動させるステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって、前記インプラントを振動させ、
前記測定するステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって生じる音に基づいて、前記インプラントの振動強度の時系列データを測定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法。
【請求項14】
インプラントを振動させるステップと、
前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、
前記インプラントの前記振動数および振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップとを有し、
前記振動させるステップおよび前記測定するステップの双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、インプラント設置強度評価装置が実行する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載インプラント設置強度評価方法。
【請求項15】
インプラントを振動させる振動誘起部と、
前記振動誘起部が振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出する導出部と
を備える請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータを取得するインプラント設置強度評価装置。
【請求項16】
インプラントを振動させる振動誘起部と、
前記振動誘起部が振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出する導出部とを備え、
前記振動誘起部および前記測定部の双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、請求項1から請求項12、及び請求項14のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータを取得するインプラント設置強度評価装置。
【請求項17】
コンピューターに、
インプラントを振動させるステップと、
前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、
前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップと
を実行させ、
前記振動させるステップおよび前記測定するステップの双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、請求項1から請求項12、及び請求項14のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータ取得のためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、およびプログラムに関する。
本願は、2017年9月14日に、日本に出願された特願2017-177109号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
人工関節などのインプラントを人骨に設置するインプラント治療施術において、インプラントの設置強度は、施術医の感覚で判断する部分が大きい。インプラントの設置強度が十分でない場合、将来的にインプラントの緩みや逸脱につながる。
インプラントの設置強度は、研究段階において、施術外で、埋込トルクや引き抜き力による破壊検査によって、評価されることが多い。
【0003】
他方、歯科インプラント治療施術中に適応可能な評価技術として、磁気を用いた共鳴周波数を計測する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、レントゲンなどの画像診断もインプラント施術中および施術後に併用されている。画像診断は、インプラント設置位置の確認に主に使用される。画像診断とコンピューター解析技術とを組み合わせたインプラントの固定強度を評価する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特表2006-527627号公報
【特許文献2】特開2014-135974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁石を用いた磁気共鳴周波数計測は、インプラントへの磁石の着脱が容易な口腔内を対象とする歯科領域に適応可能な手法である。このため、磁石を用いた磁気共鳴周波数計測は、体内深部での外科施術が必要となる整形外科領域への適応が難しい。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、インプラントの設置強度を評価することができるインプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、インプラントを振動させるステップと、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップとを有する、インプラント設置強度評価方法である。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記設置強度の指標を示す情報に基づいて、前記インプラントの設置強度の評価結果を取得するステップを有する、インプラント設置強度評価方法である。
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は上記(2)に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記導出するステップでは、前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、周波数と振動数および振動強度との関係を求め、求めた周波数と振動数および振動強度との関係から、所定の振動数および振動強度に対応する周波数を求め、求めた前記周波数に関連付けられるインプラントの設置強度の指標を示す情報を、周波数とインプラントの設置強度の指標を表す情報との関連付けから求める、インプラント設置強度評価方法である。
(4)本発明の一態様は、上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、少なくとも一つの前記ステップがコンピューターによって制御、実行される、インプラント設置強度評価方法である。
(5)本発明の一態様は、上記(3)又は上記(4)に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報は、前記インプラントを骨に埋入したときのその骨に生じる抵抗を表す埋入トルクである、インプラント設置強度評価方法である。
(6)本発明の一態様は、上記(3)又は上記(4)に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報は、骨に取り付けられた、人工関節カップに設置棒を取り付け、前記設置棒を引っ張った場合に骨から人工関節カップが外れるときに働く力である引き倒し力である、インプラント設置強度評価方法である。
(7)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記振動させるステップが、前記インプラントへレーザービームを照射することによって、前記インプラントを振動させる、インプラント設置強度評価方法である。
(8)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記振動させるステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって、前記インプラントを振動させる、インプラント設置強度評価方法である。
(9)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記振動させるステップでは、前記インプラントに力を加えることによって、前記インプラントを振動させる、インプラント設置強度評価方法である。
(10)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記測定するステップは、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の前記時系列データを、加速度センサーで測定する、インプラント設置強度評価方法である。
(11)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記測定するステップは、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の前記時系列データを、生じる音に基づいて測定する、インプラント設置強度評価方法である。
(12)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記振動させるステップでは、前記インプラントへ第一のレーザービームを照射することによって、前記インプラントを振動させ、前記測定するステップでは、前記インプラントへ第二のレーザービームを照射し、前記インプラントが反射した前記第二のレーザービームに基づいて、前記インプラントの振動数および強度の時系列データを測定する、インプラント設置強度評価方法である。
(13)本発明の一態様は、上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法において、前記振動させるステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって、前記インプラントを振動させ、前記測定するステップでは、前記インプラントへ水流を加えることによって生じる音に基づいて、前記インプラントの振動数および強度の時系列データを測定する、インプラント設置強度評価方法である。
(14)本発明の一態様は、インプラントを振動させるステップと、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、前記インプラントの前記振動数および振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップとを有し、前記振動させるステップおよび前記測定するステップの双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、インプラント設置強度評価装置が実行する上記(1)から上記(6)のいずれか一項に記載インプラント設置強度評価方法である。
(15)本発明の一態様は、インプラントを振動させる振動誘起部と、前記振動誘起部が振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定する測定部と、前記測定部が測定した前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出する導出部とを備える、上記(1)から上記(14)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータを取得するインプラント設置強度評価装置である。
(16)本発明の一態様は、インプラントを振動させる振動誘起部と、前記振動誘起部が振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定する測定部と、前記測定部が測定した前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出する導出部とを備え、前記振動誘起部および前記測定部の双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、請求項1から請求項12、及び請求項14のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータを取得するインプラント設置強度評価装置である。
(17)本発明の一態様は、コンピューターに、インプラントを振動させるステップと、前記振動させるステップで振動させた前記インプラントの振動数および振動強度の時系列データを測定するステップと、前記インプラントの前記振動数および前記振動強度の時系列データに基づいて、前記インプラントの設置強度の指標を示す情報を導出するステップとを実行させ、前記振動させるステップおよび前記測定するステップの双方もしくはどちらか一方は、レーザービームを利用し、非接触に実行する、上記(1)から上記(12)、及び上記(14)のいずれか一項に記載のインプラント設置強度評価方法によってデータを取得するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、インプラントの設置強度を評価することができるインプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムの一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態の被評価体の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態のインプラント設置強度評価装置の一例を示すブロック図である。
【図4】導出テーブルの一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態のインプラント設置強度評価装置の動作の一例を示す図である。
【図6】振動評価システムの一例(例1)を示す図である。
【図7A】振動評価結果の一例(例1)を示す図である。
【図7B】振動評価結果の一例(例1)を示す図である。
【図8】ピーク周波数と埋入トルクとの関連付けの一例を示す図である。
【図9】ピーク周波数と磁気RFAによる測定値との関連付けの一例を示す図である。
【図10】振動評価システムの一例(例2)を示す図である。
【図11】ピーク周波数と埋入トルクとの関連付けの一例を示す図である。
【図12A】振動評価システムの一例(例3-1)を示す図である。
【図12B】振動評価システムの一例(例3-1)の部分拡大図である。
【図12C】振動評価システムの一例(例3-2)を示す図である。
【図12D】振動評価システムの一例(例3-2)の部分拡大図である。
【図13】振動評価結果の一例(例3)を示す図である。
【図14】第2の実施形態の被評価体の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態のインプラント設置強度評価装置の一例を示す図である。
【図16】導出テーブルの一例を示す図である。
【図17】第2の実施形態のインプラント設置強度評価装置の動作の一例を示す図である。
【図18】振動評価システムの一例(例4)を示す図である。
【図19】振動評価結果の一例(例4)を示す図である。
【図20】ピーク周波数と引き倒し力との関連付けの一例を示す図である。
【図21】重心周波数と引き倒し力との関連付けの一例を示す図である。
【図22】変形例のインプラント設置強度評価システムの一例(例5)を示す図である。
【図23】変形例のインプラント設置強度評価システムの一例(例6)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本実施形態のインプラント設置強度評価方法、インプラント設置強度評価装置、及びプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
また、本願でいう「インプラント」とは、骨などの硬組織に固定して用いる部材を指し、その形状および材質により限定されない。例えば、ボルト状、プレート状、カップ状、球状等の形状のものを包含し、チタン、ステンレス、セラミックス等の従来公知の材質を適宜選択することができる。
実施形態のインプラント設置強度評価システムには、例えばパルスレーザーを適用可能である。当該パルスレーザーに用いるレーザー媒質は特に限定されず、従来公知の固体レーザー媒質、液体レーザー媒質、気体レーザー媒質等を適宜採用すればよい。また、実施形態のインプラント設置強度評価システムには、例えば、Nd:YAGのような固体レーザー媒質、炭酸ガスのような気体レーザー媒質、色素レーザーのような液体レーザー媒質を採用可能であり、レーザーとしてNd:YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、色素レーザー等が適用可能である。

【0010】
(第1の実施形態)
(インプラント設置強度評価システム)
図1は、第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムの一例を示す図である。インプラント設置強度評価システムは、レーザービームを、インプラントなどの被評価体50に照射することによって、振動させる。第1の実施形態では、被評価体50の一例として、人工骨を想定する。
インプラント設置強度評価システムは、振動させた被評価体50の各振動周波数に対する振動数および振動強度の時系列データを取得し、取得した各振動周波数に対する振動数および振動強度の時系列データに基づいて、振動数および振動強度の周波数スペクトルを導出する。インプラント設置強度評価システムは、導出した周波数スペクトルを解析することによって、被評価体50の設置強度の指標を示す情報を取得する。
第1の実施形態では、被評価体50の設置強度の指標を示す情報の一例として、埋入トルクを適用した場合について説明を続ける。インプラント設置強度評価システムは、取得した被評価体50の埋入トルクに基づいて、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。

【0011】
インプラント設置強度評価システムは、インプラント設置強度評価装置100aと、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250と、照射ヘッド300とを備える。インプラント設置強度評価装置100aと第2のレーザーシステム250との間は、有線202によって接続される。第1のレーザーシステム200と、照射ヘッド300との間は、光ファイバー204によって接続される。第2のレーザーシステム250と、照射ヘッド300との間は、光ファイバー206によって接続される。

【0012】
第1のレーザーシステム200は、被評価体50に振動を誘起するためのレーザービームAを生成し、生成したレーザービームAを、光ファイバー204へ出力する。具体的には、第1のレーザーシステム200の一例は、Nd:YAGレーザーである。第1のレーザーシステム200が生成するレーザービームAの照射エネルギーは例えば1mJ-50mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には10mJ-30mJとすればよい。

【0013】
照射ヘッド300は、被評価体50へ、第1のレーザーシステム200が出力したレーザービームAを照射する。これによって、被評価体50は振動する。また、照射ヘッド300は、被評価体50が振動している状態で、被評価体50へ、第2のレーザーシステム250が出力したレーザービームB1を照射する。被評価体50は、照射ヘッド300が照射したレーザービームB1を反射し、反射したレーザービームB2は、照射ヘッド300から、光ファイバー206を伝送し、第2のレーザーシステム250へ出力される。

【0014】
第2のレーザーシステム250は、被評価体50に生じた振動を検出する。第2のレーザーシステム250は、被評価体50に誘起された振動を検出するためのレーザービームB1を生成し、生成したレーザービームB1を、光ファイバー206へ出力する。第2のレーザーシステム250は、被評価体50が反射したレーザービームB2を、光ファイバー206から取得し、取得したレーザービームB2を、振動数および振動強度へ変換する。第2のレーザーシステム250は、レーザービームB2を変換することによって得られた振動数および振動強度を示す情報を、インプラント設置強度評価装置100aへ出力する。具体的には、第2のレーザーシステム250の一例は、レーザードップラー振動計である。

【0015】
インプラント設置強度評価装置100aは、第2のレーザーシステム250が出力した振動数および振動強度を示す情報を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した振動数および振動強度を示す情報に基づいて、振動数および振動強度の時系列データをフーリエ変換することによって、周波数スペクトルを取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した周波数スペクトルから、振動数および振動強度がピークとなる周波数(以下「ピーク周波数」という。)を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得したピーク周波数に基づいて、埋入トルクを取得する。
ここで、埋入トルクとは、インプラントを骨に埋入したときのその骨に生じる抵抗を表す。埋入トルクが低すぎると初期固定が弱くなり、埋入トルクが高すぎるとインプラントの周囲に無血管性骨壊死を引き起こすおそれがある。このため、埋入トルクをモニタすることによって、インプラントの設置強度が適切であるか否かを評価することができる。

【0016】
(被評価体)
被評価体50の一例について説明する。
図2は、第1の実施形態の被評価体の一例を示す図である。ここでは、被評価体50の一例として、整形外科用のインプラント20を示す。インプラント20は、インプラント材料で形成され、被評価体50として用いられる本体21を備えている。
本体21の外形は、一般的な本体と同様であり、埋入の対象となる骨24の内部に埋め込まれるネジ部22と、ネジ部22に接続された頭部23とを備えている。頭部23には、脊椎固定のためのロッドが挿通される横穴23aが形成されている。

【0017】
インプラント20を用いて上述の評価方法を実行する場合は、タップでネジ溝を形成した埋め込み用の穴を測定穴とし、この埋め込み用穴にインプラント20を仮設置する。仮設置は、想定している埋め込み深さまでネジ部22を埋め込んで行ってもよいし、想定している埋め込み深さより浅い位置までの埋め込みとしてもよい。

【0018】
第1のレーザーシステム200が生成したレーザービームAは、照射ヘッド300から、インプラント20の根元23bまたは頭部23へ照射される。さらに、第2のレーザーシステム250が生成したレーザービームB1は、照射ヘッド300から、インプラント20の根元23bまたは頭部23へ照射される。
特に限定するものではないが、ここではレーザービームAとレーザービームB1とをインプラントB1の根元23bに照射する場合を例に説明する。なお、レーザービームAが照射されるインプラント20の領域(例えば根元23bの領域)と、レーザービームB1が照射されるインプラント20の領域(例えば根元23bの領域)とは、一致してもよいし、一致しなくてもよい。

【0019】
(インプラント設置強度評価装置)
図3は、第1の実施形態のインプラント設置強度評価装置の一例を示すブロック図である。
インプラント設置強度評価装置100aは、通信I/F105と、記憶部110と、操作部120と、情報処理部130aと、表示部140と、前記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
通信I/F105は、第2のレーザーシステム250との間のI/Fである。通信I/F105には、第2のレーザーシステム250が出力した振動数および振動強度を示す情報が入力される。通信I/F105は、振動数および振動強度を示す情報を取得し、取得した振動数および振動強度を示す情報を、情報処理部130aへ出力する。
記憶部110は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部110には、情報処理部130aにより実行されるプログラム112と、導出テーブル114aとが記憶される。

【0020】
(導出テーブル)
図4は、導出テーブルの一例を示す図である。導出テーブル114aは、ピーク周波数と、埋入トルクとを関連付けたテーブルである。ピーク周波数は、レーザービームAによって被評価体50を振動させた場合に、その被評価体50の振動数および振動強度の周波数スペクトルから取得されるピーク周波数である。埋入トルクは、振動させた被評価体50のピーク周波数に関連付けられる埋入トルクである。被評価体50のピーク周波数と、埋入トルクとの関連付けについては、後述する。図4に示される例では、ピーク周波数「a1」と埋入トルク「b1」とが関連付けて記憶されている。

【0021】
図3に戻り、説明を続ける。操作部120は、例えば、タッチパネルなどによって構成され、表示部140に表示される画面に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理部130aへ出力する。タッチ操作には、インプラントの評価を開始する操作などが含まれる。操作部120は、インプラントの評価を開始する操作を検出した場合、インプラントの評価を開始することを示す情報を、情報処理部130aへ出力する。

【0022】
情報処理部130aの全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部110に格納されたプログラム112を実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、情報処理部130aの全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。

【0023】
情報処理部130aは、例えば、取得部132と、導出部134aと、評価部136aとを備える。
取得部132は、操作部120が出力するインプラントの評価を開始することを示す情報を取得する。取得部132は、通信I/F105が出力する被評価体50の振動数および振動強度を示す情報を取得する。取得部132は、取得した被評価体50の振動数および振動強度を示す情報を、導出部134aへ出力する。
導出部134aは、取得部132が出力した被評価体50の振動数および振動強度を示す情報に基づいて、被評価体50の各振動周波数に対する振動強度の周波数スペクトルを導出する。導出部134aは、導出した周波数スペクトルにおいて、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得する。具体的には、導出部134aは、2kHz-10kHzの範囲で、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得する。又は、導出部134aは、xを周波数として、周波数スペクトルを表す関数をf(x)とする。導出部134aは、x=1kHz-20kHz、より好ましくは、高周波数の振動強度の成分は不変であるためx=2kHz-10kHzの周波数の範囲を指定する。
導出部134aは、関数f(x)をxで微分したdf(x)/dx=0と、関数f(x)をxで二回微分したdf(x)/dx<0とを満たすxとを求める。導出部134aは、xを値の小さい方から順に、f(n)(n=0,1,2,・・・)とする。導出部134aは、f(n)>maxf(x)×C(maxf(x)は、f(x)の最大値を示し、Cは閾値を決定するための任意の定数を示す)を満たす最小のf(n)を取得する。

【0024】
導出部134aは、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを、記憶部110に記憶された導出テーブル114aに含まれるピーク周波数と埋入トルクとの関連付けから取得する。導出部134a、取得した埋入トルクを示す情報を、評価部136aへ出力する。
評価部136aは、導出部134aが出力した埋入トルクを示す情報を取得する。評価部136aは、取得した埋入トルクが、予め設定される範囲であるか否かを判定する。評価部136aは、取得した埋入トルクが、予め設定される範囲に含まれる場合には、埋入トルクが適切であるとする評価結果を取得する。評価部136aは、取得した埋入トルクが、予め設定される範囲に含まれない場合には、埋入トルクが不適切であるとする評価結果を取得する。評価部136aは、埋入トルクの評価結果を、表示部140へ出力する。
表示部140は、評価部136aが出力した埋入トルクの評価結果を取得する。表示部140は、取得した埋入トルクの評価結果を表示する。

【0025】
(インプラント設置強度評価装置の動作)
図5は、第1の実施形態のインプラント設置強度評価装置の動作の一例を示す図である。
(ステップS101) 第1のレーザーシステム200は、被評価体50を振動させる。具体的には、第1のレーザーシステム200は、レーザービームAを生成し、生成したレーザービームAを、光ファイバー204へ出力する。ユーザは、照射ヘッド300から照射されるレーザービームAが被評価体50へ照射されるように、照射ヘッド300を、固定する。照射ヘッド300は、第1のレーザーシステム200が出力したレーザービームAを、被評価体50へ照射する。これによって、被評価体50は、レーザービームAによって振動が誘起され、振動する。

【0026】
(ステップS102) 第2のレーザーシステム250は、被評価体50に生じた振動を測定する。具体的には、第2のレーザーシステム250は、被評価体50に誘起された振動を検出するためのレーザービームB1を生成し、生成したレーザービームB1を、光ファイバー206へ出力する。ユーザは、照射ヘッド300から照射されるレーザービームBが被評価体50へ照射されるように、照射ヘッド300を、固定する。
照射ヘッド300は、第2のレーザーシステム250が出力したレーザービームB1を、被評価体50へ照射する。第2のレーザーシステム250は、被評価体50がレーザービームB1を反射したレーザービームB2を、光ファイバー206から取得し、取得したレーザービームB2に基づいて、振動数および振動強度を取得する。第2のレーザーシステム250は、振動数および振動強度を示す情報を、インプラント設置強度評価装置100aへ出力する。

【0027】
(ステップS103) インプラント設置強度評価装置100aの取得部132は、第2のレーザーシステム250が出力した振動数および振動強度を示す情報を取得する。取得部132は、取得した振動数および振動強度を示す情報を、導出部134aへ出力する。
導出部134aは、取得部132が出力した振動数および振動強度を示す情報に基づいて、振動数および振動強度の周波数スペクトルを求める。導出部134aは、周波数スペクトルから、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得する。
(ステップS104a) インプラント設置強度評価装置100aの導出部134aは、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを、記憶部110に記憶された導出テーブル114aに含まれるピーク周波数と埋入トルクとの関連付けから取得する。導出部134aは、取得した埋入トルクを示す情報を、評価部136aへ出力する。

【0028】
(ステップS105a) インプラント設置強度評価装置100aの評価部136aは、導出部134aが出力した埋入トルクを示す情報を取得する。評価部136aは、取得した埋入トルクを示す情報に基づいて、埋入トルクが、予め設定される範囲に含まれる場合には、埋入トルクが適切とする判定結果を取得する。この場合、被評価体50の設置強度が適切と評価される。評価部136aは、取得した埋入トルクが、予め設定される範囲に含まれない場合には、埋入トルクが不適切とする判定結果を取得する。この場合、被評価体50の設置強度が不適切と評価される。評価部136aは、被評価体50の設置強度の評価結果を、表示部140へ出力する。
(ステップS106) インプラント設置強度評価装置100aの表示部140は、評価部136aが出力した被評価体50の設置強度の評価結果を取得する。表示部140は、取得した被評価体50の設置強度の評価結果を表示する。

【0029】
図5に示されるインプラント設置強度評価装置の動作によれば、インプラント設置強度評価装置100aは、振動させた被評価体50の振動数および振動強度の周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを、ピーク周波数と埋入トルクとの関連付けから、取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した埋入トルクから、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。

【0030】
(ピーク周波数と、埋入トルクとの関連付けの導出例)
ここで、ピーク周波数と、埋入トルクとの関連付けの導出例について説明する。
図6は、振動評価システムの一例(例1)を示す図である。インプラント設置強度評価装置100aが、被評価体50の設置強度が適切か否かを評価する処理に先立って、ピーク周波数と、埋入トルクとが関連付けられる。そして、ピーク周波数と、埋入トルクとの関連付けが、導出テーブル114aに記憶される。
図6に示される振動評価システムでは、異なる埋入トルクで人工骨に固定された複数のインプラントの各々にレーザービームを照射することによって、インプラントを振動させる。そして、振動評価システムは、振動させたインプラントの周波数スペクトルを求め、求めた周波数スペクトルからピーク周波数を取得する。そして、振動評価システムは、取得したピーク周波数と、埋入トルクとを関連付ける。

【0031】
振動評価システムは、第1のレーザーシステム470と、第2のレーザーシステム410と、第1の反射体420と、加速度センサー440と、インプラント450と、人工骨460とを備える。
人工骨460にインプラント450が、埋め込まれている。
第1のレーザーシステム470は、インプラント450に振動を誘起するためのレーザービームを生成し、生成したレーザービームを、インプラント450の根元へ照射する。レーザービームを、インプラント450の根元へ照射することによって、インプラント450は振動する。具体的には、第1のレーザーシステム470の一例は、Nd:YAGレーザーである。第1のレーザーシステム470が生成するレーザービームの照射エネルギーは例えば10mJ-30mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には15mJ-25mJとすればよい。また、レーザー繰り返し周波数は、5Hz-15Hzである。スペクトル平均回数は、100回-150回である。

【0032】
第2のレーザーシステム410は、インプラント450に誘起された振動を検出するためのレーザービームを生成し、生成したレーザービームを出力する。第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームは、第1の反射体420で反射し、第1の反射体420で反射したレーザービームは、インプラント450の根元へ照射される。第1の反射体420は、第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームが、インプラント450の根元へ照射されるように、その向きが調整されている。なお、第1の反射体420と、インプラントの根元との距離は、1m程度である。
インプラント450は、第2のレーザーシステム410が照射したレーザービームを反射する。インプラント450が反射したレーザービームは、第1の反射体420で反射し、第1の反射体420で反射したレーザービームは、第2のレーザーシステム410へ入力される。図6に示される振動評価システムでは、主に、インプラント450が、人工骨460へ埋め込まれる方向に対して、90度の方向の振動が検出される。第2のレーザーシステム410の一例は、レーザードップラー振動計であり、出力が0.5mW-1.5mWである。
加速度センサー440は、インプラント450の頭部に取り付けられ、インプラント450に誘起された振動を検出する。

【0033】
図7Aと図7Bとは、振動評価結果の一例(例1)を示す図である。図7Aは、加速度センサー440によって、インプラント450に誘起された振動を測定した結果を示す。図7Aにおいて、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は強度(V)である。
図7Bは、第2のレーザーシステム410によって、インプラント450に誘起された振動を測定した結果を示す。図7Bにおいて、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は強度(arb.unit)である。
図7Aと、図7Bとによれば、加速度センサー440で測定した振動数および振動強度の周波数スペクトルと、第2のレーザーシステム410で測定した振動数および振動強度の周波数スペクトルとは類似する。したがって、インプラント450の振動数および振動強度を求めるのに、第2のレーザーシステム410を使用できることが分かる。

【0034】
図8は、埋入トルクとピーク周波数との関連付けの一例を示す図である。図8において、横軸は埋入トルク(Nm)であり、縦軸はピーク周波数(Hz)である。図8には、被評価体50の例として、人工骨460にインプラント450を設置して計測した場合と、未凍結生鮮屍体骨(以下「献体骨」という)にインプラント450を設置して計測した場合とについて示す。図8によれば、最も生体に近い献体骨を使用した場合でも、人工骨460を使用した場合と同様に、埋入トルクとピーク周波数とは相関関係を有することが分かる。したがって、ピーク周波数から、インプラント450の埋入トルクを推定できる。
図9は、磁気RFAによる測定値(ISQ(Implant Stability Quotient))とピーク周波数との関連付けの一例を示す図である。図9において、横軸は磁気共振周波数計測(Resonance Frequency Analysis: RFA)で測定した磁気RFAによる測定値(ISQ)であり、縦軸はピーク周波数(Hz)である。ここで、磁気RFAは体内の深部に設置する整形外科インプラントでは適応が難しいが、歯科インプラントでは既に臨床導入されている手法である。単位ISQは、磁気RFAを歯科領域で臨床導入する際に使用されている値の一例であり、この値が高いものほどインプラントの設置強度が高いことを意味する。図9には、被評価体50の例として、人工骨460にインプラント450を設置して計測した場合と、献体骨にインプラント450を設置して計測した場合とについて示す。図9によれば、磁気RFAによる測定値とピーク周波数とは相関関係を有することが分かる。したがって、ピーク周波数から、インプラント450の磁気RFAによる測定値を推定できる。

【0035】
図10は、振動評価システムの一例(例2)を示す図である。
振動評価システムは、第1のレーザーシステム470と、第2のレーザーシステム410と、第1の反射体420と、加速度センサー440と、インプラント450と、人工骨460と、第2の反射体480とを備える。第2の反射体480を備える点が、図6に示した振動評価システムと異なる。
図6と同様に、振動評価システムは、異なる埋入トルクで人工骨に固定された複数のインプラントの各々にレーザービームAを照射することによって、インプラントを振動させる。そして、振動評価システムは、振動させたインプラントの振動数および振動強度の周波数スペクトルを求め、求めた周波数スペクトルからピーク周波数を取得する。そして、振動評価システムは、取得したピーク周波数と、埋入トルクとを関連付ける。
人工骨460にインプラント450が、埋め込まれている。第1のレーザーシステム470は、インプラント450に振動を誘起するためのレーザービームAを生成し、生成したレーザービームAを、インプラント450の根元へ照射する。レーザービームAを、インプラント450の根元へ照射することによって、インプラント450は振動する。具体的には、第1のレーザーシステム470の一例は、Nd:YAGレーザーである。第1のレーザーシステム470が生成するレーザービームAの照射エネルギーは10mJ-30mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には15mJ-25mJとすればよい。また、レーザー繰り返し周波数は、5Hz-15Hzである。スペクトル平均回数は、100回-150回である。

【0036】
第2のレーザーシステム410は、インプラント450に誘起された振動を検出するためのレーザービームB1を生成し、生成したレーザービームB1を出力する。第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームB1は、第1の反射体420で反射し、第1の反射体420で反射したレーザービームB1は、第2の反射体480で反射し、第2の反射体480で反射したレーザービームB1は、インプラント450の頭部へ照射される。
第1の反射体420は、第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームB1が、第2の反射体480へ反射されるように、その向きが調整されている。第2の反射体480は、第1の反射体420が反射したレーザービームB1が、インプラント450の頭部へ反射されるように、その向きが調整されている。なお、第1の反射体420と、第2の反射体480との距離は、1m程度である。
インプラント450は、第2の反射体480が照射したレーザービームB1を反射する。インプラント450が反射したレーザービームB2は、第2の反射体480で反射し、第2の反射体480で反射したレーザービームB2は、第1の反射体420で反射し、第1の反射体420で反射したレーザービームB2は、第2のレーザーシステム410へ入力される。図10に示される振動評価システムでは、主に、インプラント450が、人工骨460へ埋め込まれる方向の振動が検出される。第2のレーザーシステム410の一例は、レーザードップラー振動計であり、出力が0.5mW-1.5mWである。

【0037】
加速度センサー440は、インプラント450の頭部に取り付けられ、インプラント450に誘起された振動を検出する。
この場合においても、図7Aと図7Bと同様に、加速度センサー440で測定した振動の周波数スペクトルと、第2のレーザーシステム410で測定した振動の周波数スペクトルとは類似する。したがって、インプラント450の振動数および振動強度を求めるのに、第2のレーザーシステム410を使用できることが分かる。
振動評価システムは、振動の周波数スペクトルに基づいて、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得し、取得したピーク周波数と、埋入トルクとを関連付ける。

【0038】
図11は、埋入トルクとピーク周波数との関連付けの一例を示す図である。図11において、横軸は埋入トルク(Nm)であり、縦軸はピーク周波数(Hz)である。図11には、加速度センサー440で測定した振動の周波数スペクトルから取得したピーク周波数と、第2のレーザーシステム410(レーザー振動計)で測定した振動の周波数スペクトルから取得したピーク周波数に加え、磁気共振周波数計測で測定した磁気RFAによる測定値(ISQ)が示される。図11によれば、測定手法によらず、埋入トルクと、ピーク周波数とは、相関関係を有することが分かる。したがって、ピーク周波数から、インプラント450の埋入トルクを推定できる。

【0039】
図12Aは、振動評価システムの一例(例3-1)を示す図である。
図12Bは、振動評価システムの一例(例3-1)の部分拡大図である。
図12Cは、振動評価システムの一例(例3-2)を示す図である。
図12Dは、振動評価システムの一例(例3-2)の部分拡大図である。
振動評価システムは、第1のレーザーシステム470と、加速度センサー440と、インプラント450と、人工骨460と、プローブ510とを備える。加速度センサー440を設置したプローブ510を、インプラント450に接触させて、インプラント450の振動を計測する点が、図10に示した振動評価システムと異なる。
図12Aでは、プローブ510の一端が、インプラント450の根元部分に接触する。図12Cでは、プローブ510の一端が、インプラント450の頭部に接触する。
プローブ510の一例は、ステンレス棒であり、その一端が、インプラント450に接触している。また、プローブ510には、その一端が、インプラント450に接触しないように、プローブ510よりも、その長さが短いことによって、僅かに先端が奥まった光ファイバー208が備わっている。
光ファイバー208は、第1のレーザーシステム470が出力する光を伝送する。光ファイバー208からレーザー光を、インプラント450に照射することによって、インプラント450を振動させる。光ファイバー208から出力されるレーザー光によって誘起されたインプラント450の振動は、プローブ510を伝達し、加速度センサー440で、検出される。
光ファイバー208から出力されるレーザー光は、出力直後より回折広がりが生じることで急速にエネルギー密度が低下することから、インプラント450により近いことが望まれる。一例として、プローブ510の先端より0.1mm以上2mm以下ほど奥まった距離をとることが望ましく、図12Bと図12Dに示される拡大図は、プローブ510の先端と、光ファイバー208の先端との距離aとして、約1mmの距離をとった場合の実施例である。しかしながら、光ファイバー208の先端にマイクロレンズなどの集光光学素子が装着される場合はこの限りではなく、集光光学素子の焦点距離が最適な奥まった距離(例えば、10mm以上50mm以下など)となる。
図13は、振動評価結果の一例(例3)を示す図である。図13において、横軸は時間(s)であり、縦軸は電圧(V)である。
図13によれば、加速度センサー440で検出されたインプラント450の振動は、電圧の変化で表される。加速度センサー440で検出された信号をフーリエ変換することによって、振動スペクトルが得られる。
図12に示した振動評価システムの一例においては、プローブ510がステンレス棒である場合について説明したが、この例に限られない。例えば、プローブ510の材質は、金属材料、樹脂材料などいずれの材料でもよい。また、プローブ510の断面は、円形に限らず、矩形であってもよい。また、プローブ510の形状は、直線に限らず、曲げられた曲線であってもよい。また、加速度センサー440の設置位置は、プローブ510の側面に限らず、端部であってもよい。

【0040】
また、インプラント450の振動を検出する方法は、加速度センサー440による検出に限られない。例えば、インプラント450に誘起された振動を検出するためのレーザービームを生成する第2のレーザーシステム410が用意され、用意された第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームが、プローブ510に照射される。プローブ510に照射されたレーザービームは、プローブ510で反射し、プローブ510で反射したレーザービームは、第2のレーザーシステム410へ入力される。第2のレーザーシステム410の一例は、レーザードップラー振動計である。
また、プローブ510が伝達するインプラント450の振動は、レーザービームが照射されることによって誘起される振動に限定されない。

【0041】
前述した第1の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100aと第2のレーザーシステム250との間が、有線202によって接続される場合について説明したが、この限りでない。例えば、インプラント設置強度評価装置100aと第2のレーザーシステム250との間が、無線によって接続されてもよい。
前述した第1の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100aと、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250とが異なる装置である場合について、説明したが、この例に限られない。例えば、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250とが、インプラント設置強度評価装置100aに含まれてもよい。
前述した第1の実施形態では、被評価体50の設置強度の指標を示す情報の一例として、埋入トルクを適用した場合について説明をしたが、この限りでない。例えば、被評価体50の設置強度の指標を示す情報として、埋入トルク以外の情報が使用されてもよいし、埋入トルクと埋入トルク以外の情報とを組み合わせた情報が使用されてもよい。

【0042】
前述した第1の実施形態では、周波数スペクトルから、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得する場合について説明したが、この限りでない。例えば、周波数スペクトルから、所定の振動強度に対応する周波数を取得してもよい。
前述した第1の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100aが、埋入トルクが、予め設定される範囲に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には埋入トルクが適切とし、含まれない場合には埋入トルクが不適切とする場合について説明したが、この例に限られない。例えば、埋入トルクの値によって、三以上に分類され、分類された埋入トルクについて、その状態が示されてもよい。
前述した第1の実施形態では、整形外科用のインプラントを人骨に設置した場合に、そのインプラントの設置強度を評価する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、歯科領域において、人工歯根を顎骨に埋め込んだ場合に、その人工歯根の設置強度を評価する場合にも適用できる。

【0043】
少なくとも第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムによれば、インプラント設置強度評価システムは、レーザービームAを、被評価体に照射することによって、その被評価体を振動させる。このように構成することによって、非接触で、被評価体を振動させることができる。仮に、RFAで、磁力を用いて、インプラントを振動させることで、共振周波数を取得する場合には、インプラントに磁石を有する治具を設置する必要がある。このため、体内の深部に設置されることがある整形外科インプラントへの応用は難しい。
インプラント設置強度評価システムは、振動している被評価体へ、レーザービームB1を照射し、そのレーザービームB1が被評価体で反射したレーザービームB2に基づいて、被評価体の振動の周波数スペクトルを導出する。このように構成することによって、加速度センサーなどの装置を、被評価体に取り付けることなく非接触で、被評価体の振動の周波数スペクトルを導出できる。
インプラント設置強度評価システムは、導出した周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得し、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを取得する。このように構成することによって、被評価体と、その被評価体を固定している土台(骨)との間の隙間や、その土台の強度とを反映した埋入トルクを取得できる。そして、埋入トルクに基づいて、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得できる。

【0044】
近年、骨粗しょう症患者が増加し、四肢脊椎骨折に対するインプラント手術が急増しているが、四肢や、脊椎では、インプラントの設置強度が低下する。その結果、インプラントの弛みを生じることで手術の目的を果たせず、再手術を要する事態となることが問題となっている。
しかし、インプラントの設置強度の評価項目は、近年においても、未だ引き抜き力や埋入トルクなどの古典的な手法にとどまり、これらの手法は、実際に体内でインプラントにかかる力を反映しているとは言えず、計測結果と、弛みの発生率とは相関しない。また、これらの手法は、侵襲的であり、一度しか実行できず、検者内、検者間のばらつきが大きい。
第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムは、無侵襲的であり、繰り返し可能であり、検者内、検者間のばらつきを小さくできる。第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムは、インプラントに磁石を有する治具を設置する必要がないため、手術中に、インプラントの設置強度を評価できる。いままで、インプラントの選択や、設置強度は、手術者の判断に頼るしかなかったが、そのインプラントの選択や、設置強度に客観性をもたらすことができる。このため、手術者の技量によらず、手術の成功率を向上させることができる。

【0045】
(第2の実施形態)
(インプラント設置強度評価システム)
第2の実施形態のインプラント設置強度評価システムの一例は、図1を適用できる。
インプラント設置強度評価システムは、レーザービームを、インプラントなどの被評価体50に照射することによって、振動させる。第2の実施形態では、被評価体50の一例として、人工関節を想定する。
インプラント設置強度評価システムは、振動させた被評価体50の各振動周波数に対する振動の時系列データを取得し、取得した各振動周波数に対する振動の時系列データに基づいて、振動の周波数スペクトルを導出する。インプラント設置強度評価システムは、導出した周波数スペクトルを解析することによって、被評価体50の設置強度の指標を示す情報を取得する。第2の実施形態では、被評価体50の設置強度の指標を示す情報の一例として、引き倒し力を適用した場合について説明を続ける。インプラント設置強度評価システムは、導出した被評価体50の引き倒し力に基づいて、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。

【0046】
インプラント設置強度評価システムは、インプラント設置強度評価装置100bと、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250と、照射ヘッド300とを備える。第1の実施形態のインプラント設置強度評価システムと、インプラント設置強度評価装置100aの代わりに、インプラント設置強度評価装置100bと備える点で異なる。
インプラント設置強度評価装置100bは、第2のレーザーシステム250が出力した振動数および振動強度を示す情報を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した振動数および振動強度を示す情報に基づいて、振動数および振動強度の時系列データをフーリエ変換することによって、周波数と、振動強度とを関連付けた周波数スペクトルを取得する。
インプラント設置強度評価装置100bは、取得した周波数スペクトルから、振動数がピークとなるピーク周波数を取得する。インプラント設置強度評価装置100bは、取得したピーク周波数に基づいて、引き倒し力を取得する。ここで、引き倒し力とは、骨(人工骨および人骨)に取り付けられた、人工関節カップに設置棒を取り付け、その設置棒を引っ張った場合に骨から人工関節カップが外れるときに働く力である。ここでは、引き倒し力は、骨と人工関節カップとの隙間や、その土台の強度とを反映したものである。引き倒し力が低すぎると初期固定が弱くなり、引き倒し力が高すぎると人工関節カップの周囲に無血管性骨壊死を引き起こすおそれがある。このため、引き倒し力をモニタすることによって、インプラントの設置強度が適切であるか否かを評価することができる。

【0047】
(被評価体)
被評価体50の一例について説明する。
図14は、第2の実施形態の被評価体の一例を示す図である。ここでは、被評価体50の一例として、人工関節カップ500を示す。人工関節カップ500は、チタンまたはチタン合金などの金属または金属合金を含んでもよい。人工関節カップ500は、外側表面502を有する。外側表面502は、適切に収納された時に手術部位の形状に近似し得るように凸状となっている。外側表面502は、手術部位への人工関節カップ500の結合を向上させる多孔質材料でコーティングされる。多孔質材料コーティングは、チタンまたはチタン合金を含んでもよい。
人工関節カップ500はまた、適切な手術用または骨セメントを使用して、手術部位に固められてもよい。人工関節カップ500の内側表面504は、凹状であり、外側表面502と同じ材料で作製されてもよい。

【0048】
人工関節カップ500は、さらに、ねじなどの一つ以上の設置棒が人工関節カップ500を通して骨盤骨内に前進することができる穴506を備える。骨盤骨内で足場を得ることにより、各設置棒は、骨盤内の所望の位置において人工関節カップ500の固定を補助することができる。
第1のレーザーシステム200が生成したレーザービームAは、照射ヘッド300から、人工関節カップ500の内側表面504の所定の位置へ照射される。さらに、第2のレーザーシステム250が生成したレーザービームB1は、照射ヘッド300から、人工関節カップ500の内側表面504の所定の位置へ照射される。

【0049】
(インプラント設置強度評価装置)
図15は、第2の実施形態のインプラント設置強度評価装置100bの一例を示す図である。
インプラント設置強度評価装置100bは、通信I/F105と、記憶部110と、操作部120と、情報処理部130bと、表示部140と、前記各構成要素を図11に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
記憶部110は、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部110には、情報処理部130bにより実行されるプログラム112と、導出テーブル114bとが記憶される。

【0050】
(導出テーブル)
図16は、導出テーブルの一例を示す図である。導出テーブル114bは、ピーク周波数と、引き倒し力とを関連付けたテーブルである。ピーク周波数は、レーザービームによって被評価体50を振動させた場合に、その被評価体50の振動の周波数スペクトルから取得されるピーク周波数である。引き倒し力は、振動させた被評価体50のピーク周波数に関連付けられる引き倒し力である。被評価体50のピーク周波数と、引き倒し力との関連付けについては、後述する。図16に示される例では、ピーク周波数「a1」と引き倒し力「c1」とが関連付けて記憶されている。

【0051】
図15に戻り、説明を続ける。情報処理部130bの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部110に格納されたプログラム112を実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130bの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130bは、例えば、取得部132と、導出部134bと、評価部136bとを備える。

【0052】
導出部134bは、取得部132が出力した被評価体50の振動数および振動強度を示す情報に基づいて、被評価体50の各振動周波数に対する振動の周波数スペクトルを導出する。導出部134bは、導出した周波数スペクトルにおいて、振動強度がピークとなるピーク周波数を取得する。具体的には、導出部134bは、xを周波数として、周波数スペクトルを表す関数をf(x)とする。導出部134bは、x=1kHz-20kHz、より好ましくは、高周波数の振動数の成分は不変であるためx=2kHz-10kHzの周波数の範囲を指定する。
導出部134bは、関数f(x)をxで微分したdf(x)/dx=0と、関数f(x)をxで二回微分したdf(x)/dx<0とを満たすxとを求める。導出部134bは、xを値の小さい方から順に、f(n)(n=0,1,2,・・・)とする。導出部134bは、f(n)>maxf(x)×C(maxf(x)は、f(x)の最大値を示し、Cは閾値を決定するための任意の定数を示す)を満たす最小のf(n)を取得する。
導出部134bは、取得したピーク周波数に関連付けられる引き倒し力を、記憶部110に記憶された導出テーブル114bに含まれるピーク周波数と引き倒し力との関連付けから取得する。導出部134b、取得した引き倒し力を示す情報を、評価部136bへ出力する。

【0053】
評価部136bは、導出部134bが出力した引き倒し力を示す情報を取得する。評価部136bは、取得した引き倒し力が、予め設定される範囲であるか否かを判定する。評価部136bは、取得した引き倒し力が、予め設定される範囲に含まれる場合には、引き倒し力が適切であるとする評価結果を取得する。評価部136bは、取得した引き倒し力が、予め設定される範囲に含まれない場合には、引き倒し力が不適切であるとする評価結果を取得する。評価部136bは、引き倒し力の評価結果を、表示部140へ出力する。
表示部140は、評価部136bが出力した引き倒し力の評価結果を取得する。表示部140は、取得した引き倒し力の評価結果を表示する。

【0054】
(インプラント設置強度評価装置の動作)
図17は、第2の実施形態のインプラント設置強度評価装置の動作の一例を示す図である。ステップS101-S103と、ステップS106は、図5を参照して、説明したので、ここでの説明は省略する。
(ステップS104b) インプラント設置強度評価装置100bの導出部134bは、取得したピーク周波数に関連付けられる引き倒し力を、記憶部110に記憶された導出テーブル114bから取得する。導出部134bは、取得した引き倒し力を示す情報を、評価部136bへ出力する。

【0055】
(ステップS105b) インプラント設置強度評価装置100bの評価部136bは、導出部134bが出力した引き倒し力を示す情報を取得する。評価部136bは、取得した引き倒し力を示す情報に基づいて、引き倒し力が、予め設定される範囲に含まれる場合には、引き倒し力が適切とする判定結果を取得する。この場合、被評価体50の設置強度が適切と評価される。評価部136bは、取得した引き倒し力が、予め設定される範囲に含まれない場合には、引き倒し力が不適切とする判定結果を取得する。この場合、被評価体50の設置強度が不適切と評価される。評価部136bは、被評価体50の設置強度の評価結果を、表示部140へ出力する。

【0056】
図17に示されるインプラント設置強度評価装置の動作によれば、インプラント設置強度評価装置100bは、振動させた被評価体50の振動の周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得したピーク周波数に関連付けられる引き倒し力を、ピーク周波数と引き倒し力との関連付けから、取得する。インプラント設置強度評価装置100bは、取得した引き倒し力から、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。

【0057】
(ピーク周波数と、引き倒し力との関連付けの導出例)
ここで、ピーク周波数と、引き倒し力との関連付けの導出例について説明する。
図18は、振動評価システムの一例(例4)を示す図である。インプラント設置強度評価装置100bが、被評価体50の設置強度が適切か否かを評価する処理に先立って、ピーク周波数と、引き倒し力とが関連付けられる。そして、ピーク周波数と、引き倒し力との関連付けが、導出テーブル114bに記憶される。
図18に示される振動評価システムでは、異なる力で設置棒が固定された人工関節カップ500の各々にレーザービームを照射することによって、人工関節カップを振動させる。そして、振動評価システムは、振動させた人工関節カップの振動の周波数スペクトルを求め、求めた周波数スペクトルからピーク周波数を取得する。そして、振動評価システムは、取得したピーク周波数と、引き倒し力とを関連付ける。
振動評価システムは、第1のレーザーシステム470と、第2のレーザーシステム410と、第1の反射体420と、第2の反射体480と、第3の反射体495と、人工関節カップ500とを備える。

【0058】
人工関節カップ500の底のボルト穴に設置棒が取り付けられている。
第1のレーザーシステム470は、人工関節カップ500に振動を誘起するためのレーザービームAを生成し、生成したレーザービームAを出力する。第1のレーザーシステム470が出力したレーザービームAは、第3の反射体495で反射し、第3の反射体495で反射したレーザービームAは、人工関節カップ500へ照射される。レーザービームAを、人工関節カップ500へ照射することによって、人工関節カップ500は振動する。
第3の反射体495は、第1のレーザーシステム470が出力したレーザービームAが、人工関節カップ500の内側表面504の所定の位置へ照射されるように、その向きが調整されている。具体的には、第1のレーザーシステム470の一例は、Nd:YAGレーザーである。第1のレーザーシステム470が生成するレーザービームの照射エネルギーは例えば20mJ-80mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には40mJ-60mJとすればよい。また、レーザー繰り返し周波数は、5Hz-15Hzである。

【0059】
第2のレーザーシステム410は、人工関節カップ500に誘起された振動を検出するためのレーザービームB1を生成し、生成したレーザービームB1を出力する。第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームB1は、第1の反射体420で反射し、第1の反射体420で反射したレーザービームB1は、第2の反射体480で反射し、第2の反射体480で反射したレーザービームは、人工関節カップ500の内側表面504の所定の位置へ照射される。
第1の反射体420は、第2のレーザーシステム410が出力したレーザービームB1が、第2の反射体480へ照射されるように、その向きが調整されている。また、第2の反射体480は、第1の反射体420が反射したレーザービームB1が、人工関節カップ500の内側表面504の所定の位置へ照射されるように、その向きが調整されている。なお、第1の反射体420と、第2の反射体480との距離は、1m程度である。
人工関節カップ500は、第2の反射体480が反射したレーザービームB1を反射する。人工関節カップ500が反射したレーザービームB2は、第2の反射体480で反射され、第2の反射体480で反射したレーザービームB2は、第1の反射体420で反射され、第1の反射体420で反射されたレーザービームB2は、第2のレーザーシステム410へ入力される。

【0060】
図19は、振動評価結果の一例(例4)を示す図である。
図19において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は振幅(arb.unit)である。図19は、引き倒し力が、1.97Nm、2.25Nm、2.58Nm、3.37Nm、4.80Nm、4.92Nm、5.86Nm、6.47Nm、7.20Nm、および8.78Nmの各々について、周波数と振幅との関係を示す。引き倒し力に限らず、類似する波形が得られている。また、図19において、「□」はピークを示す。

【0061】
図20は、引き倒し力とピーク周波数との関連付けの一例を示す図である。図20において、横軸は引き倒し力(Nm)であり、縦軸はピーク周波数(Hz)である。図20には、第2のレーザーシステム410(レーザー振動計)で測定した振動の周波数スペクトルから取得したピーク周波数が示される。図20によれば、引き倒し力と、振動周波数がピークとなるピーク周波数とは、相関関係を有することが分かる。したがって、ピーク周波数を取得することによって、人工関節カップのボルト穴に取り付けられた設置棒の引き倒し力を取得できる。

【0062】
図21は、引き倒し力と重心周波数との関連付けの一例を示す図である。図21において、横軸は引き倒し力(kg)であり、縦軸は重心周波数(Hz)である。図21には、骨(人工骨および人骨)に取り付けられた人工関節カップに設置棒を取り付け、その設置棒を引っ張った場合に人工骨から人工関節カップが外れるときに働く引き倒し力と重心周波数との関係と、献体骨に取り付けられた人工関節カップに設置棒を取り付け、その設置棒を引っ張った場合に献体骨から人工関節カップが外れるときに働く引き倒し力と重心周波数との関係とについて示す。図21によれば、最も生体に近い献体骨を使用した場合でも、人工骨を使用した場合と同様に、引き倒し力と重心周波数とは相関関係を有することが分かる。したがって、重心周波数から、人工関節カップの引き倒し力を推定できる。
人工関節カップに限らず、インプラント450についても、周波数ピークではなく重心周波数を用いて、引き倒し力や埋入トルク、磁気RFAによる測定値(ISQ)の推定が実施されてもよい。

【0063】
前述した第2の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100bと第2のレーザーシステム250との間が、有線202によって接続される場合について説明したが、この限りでない。例えば、インプラント設置強度評価装置100bと第2のレーザーシステム250との間が、無線によって接続されてもよい。
前述した第2の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100bと、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250とが異なる装置である場合について、説明したが、この例に限られない。例えば、第1のレーザーシステム200と、第2のレーザーシステム250とが、インプラント設置強度評価装置100bに含まれてもよい。
前述した第2の実施形態では、被評価体50の設置強度の指標を示す情報の一例として、引き倒し力を適用した場合について説明をしたが、この限りでない。例えば、被評価体50の設置強度の指標を示す情報として、引き倒し力以外の情報が使用されてもよいし、引き倒し力と引き倒し力以外の情報とを組み合わせた情報が使用されてもよい。
前述した第2の実施形態では、周波数スペクトルから、振動数がピークとなるピーク周波数を取得する場合について説明したが、この限りでない。例えば、周波数スペクトルから、所定の振動に対応する周波数を取得してもよい。
前述した第2の実施形態では、インプラント設置強度評価装置100bが、引き倒し力が、予め設定される範囲に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には引き倒し力が適切とし、含まれない場合には引き倒し力が不適切とする場合について説明したが、この例に限られない。例えば、引き倒し力の値によって、三以上に分類され、分類された引き倒し力について、その状態が示されてもよい。

【0064】
少なくとも第2の実施形態のインプラント設置強度評価システムによれば、インプラント設置強度評価システムは、レーザービームAを、被評価体に照射することによって、その被評価体を振動させる。このように構成することによって、非接触で、被評価体を振動させることができる。仮に、RFAで、磁力を用いて、インプラントを振動させることで、共振周波数を取得する場合には、インプラントに磁石を有する治具を設置する必要がある。このため、体内の深部に設置されることがある整形外科インプラントへの応用は難しい。
インプラント設置強度評価システムは、振動している被評価体へ、レーザービームB1を照射し、そのレーザービームB1が被評価体で反射したレーザービームB2に基づいて、被評価体の振動の周波数スペクトルを導出する。このように構成することによって、加速度センサーなどの装置を、被評価体に取り付けることなく非接触で、被評価体の振動の周波数スペクトルを導出できる。
インプラント設置強度評価システムは、導出した周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得し、取得したピーク周波数に関連付けられる引き倒し力を取得する。このように構成することによって、被評価体と、その被評価体に取り付けられている設置棒との間の隙間や、その土台の強度とを反映した引き倒し力を取得できる。そして、引き倒し力に基づいて、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得できる。
インプラント設置強度評価システムは、無侵襲的であり、繰り返し可能であり、検者内、検者間のばらつきを小さくできる。インプラント設置強度評価システムは、インプラントに磁石を有する治具を設置する必要がないため、手術中に、インプラントの設置強度を評価できる。いままで、インプラントの選択や、設置強度は、手術者の判断に頼るしかなかったが、そのインプラントの選択や、設置強度に客観性をもたらすことができる。このため、手術者の技量によらず、手術の成功率を向上させることができる。

【0065】
(変形例1)
前述した第1の実施形態と、第2の実施形態では、振動している被評価体へ、レーザービームB1を照射し、そのレーザービームB1が被評価体50で反射したレーザービームB2に基づいて、被評価体50の振動の周波数スペクトルを導出する場合について説明した。変形例のインプラント設置強度評価システムでは、被評価体50の振動を、加速度センサーによって検出するようにしたものである。

【0066】
図22は、変形例のインプラント設置強度評価システムの一例(例5)を示す図である。
変形例のインプラント設置強度評価システムは、第1のレーザーシステム470と、レンズ430と、加速度センサー440と、インプラント450と、人工骨460とを備える。
人工骨460にインプラント450が、埋め込まれている。
第1のレーザーシステム470は、インプラント450に振動を誘起するためのレーザービームを生成し、生成したレーザービームを照射する。レンズ430は、第1のレーザーシステム470が照射したレーザービームを集光する。レンズ430が集光したレーザービームは、インプラント450の根元へ照射される。レーザービームを、インプラント450の根元へ照射することによって、インプラント450は振動する。具体的には、第1のレーザーシステム470の一例は、Nd:YAGレーザーであり、レーザーエネルギーは、例えば10mJ-30mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には15mJ-25mJである。また、レーザー繰り返し周波数は、5Hz-15Hzである。スペクトル平均回数は、100回-150回である。

【0067】
加速度センサー440は、インプラント450の頭部に取り付けられ、インプラント450に生じる加速度を検出する。加速度センサー440は、検出した加速度を示す情報を、インプラント設置強度評価装置の通信I/Fへ出力する。
インプラント設置強度評価装置は、インプラント設置強度評価装置100aを適用できる。ただし、取得部132は、通信I/F105が出力する被評価体50に生じた加速度を示す情報を取得する。取得部132は、取得した被評価体50に生じた加速度を示す情報を、導出部134aへ出力する。導出部134aは、取得部132が出力した被評価体50に生じた加速度を示す情報に基づいて、被評価体50の各振動周波数に対する振動数および振動強度の周波数スペクトルを導出する。
図22に示されるインプラント設置強度評価装置の動作によれば、インプラント設置強度評価装置100aは、振動させた被評価体50の振動数および振動強度の周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを、ピーク周波数と埋入トルクとの関連付けから、取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した埋入トルクから、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。このように構成することによって、前述した第1の実施形態と、第2の実施形態と同様に、非接触で、インプラントの設置強度の評価結果を取得できる。

【0068】
(変形例2)
前述した第1の実施形態と、第2の実施形態では、振動している被評価体へ、レーザービームB1を照射し、そのレーザービームB1が被評価体50で反射したレーザービームB2に基づいて、被評価体50の振動数および振動強度の周波数スペクトルを導出する場合について説明した。変形例のインプラント設置強度評価システムでは、振動している被評価体50によって、生じる音を検出することによって、被評価体の振動の周波数スペクトルを導出するようにしたものである。被評価体50が振動することによって、空気が振動し、空気が振動することによって、音が生じる。インプラント設置強度評価システムは、この音を検出する。

【0069】
図23は、変形例のインプラント設置強度評価システムの一例(例6)を示す図である。
変形例のインプラント設置強度評価システムは、第1のレーザーシステム470と、レンズ430と、インプラント450と、人工骨460と、マイクロフォン490とを備える。
人工骨460にインプラント450が、埋め込まれている。
第1のレーザーシステム470は、インプラント450に振動を誘起するためのレーザービームを生成し、生成したレーザービームを照射する。レンズ430は、第1のレーザーシステム470が照射したレーザービームを集光する。レンズ430が集光したレーザービームは、インプラント450の根元へ照射される。レーザービームを、インプラント450の根元へ照射することによって、インプラント450は振動する。具体的には、第1のレーザーシステム470の一例は、Nd:YAGレーザーであり、レーザーエネルギーは、例えば10mJ-30mJの範囲内で適宜設定すればよく、典型的には、15mJ-25mJである。また、レーザー繰り返し周波数は、5Hz-15Hzである。スペクトル平均回数は、100回-150回である。

【0070】
マイクロフォン490は、被評価体50が振動することによって生じる音を検出する。マイクロフォン490は、検出した音を示す情報を、インプラント設置強度評価装置の通信I/Fへ出力する。
インプラント設置強度評価装置は、インプラント設置強度評価装置100aを適用できる。ただし、取得部132は、通信I/F105が出力する被評価体50が振動することによって、生じた音を示す情報を取得する。取得部132は、取得した被評価体50が振動することによって生じた音を示す情報を、導出部134aへ出力する。導出部134aは、取得部132が出力した被評価体50が振動することによって生じた音を示す情報に基づいて、被評価体50の各振動周波数に対する振動数および振動強度の周波数スペクトルを導出する。

【0071】
図23に示されるインプラント設置強度評価装置の動作によれば、インプラント設置強度評価装置100aは、振動させた被評価体50の振動の周波数スペクトルから、ピーク周波数を取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得したピーク周波数に関連付けられる埋入トルクを、ピーク周波数と埋入トルクとの関連付けから、取得する。インプラント設置強度評価装置100aは、取得した埋入トルクから、被評価体50の設置強度が適切か否かを示す評価結果を取得する。このように構成することによって、前述した第1の実施形態と、第2の実施形態と同様に、非接触で、インプラントの設置強度の評価結果を取得できる。

【0072】
前述した第1の実施形態と、第2の実施形態では、被評価体50へ、レーザービームAを照射することによって、その被評価体を振動させる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ウォータージェットなどを適用することによって、被評価体50へ、水流を加えることによって、その被評価体に力を加えて、振動させるようにしてもよい。また、例えば、ハンマー、振り子などによって、物理的な打撃を、被評価体50へ、加えることによって、その被評価体に力を加えて、振動させるようにしてもよい。これらの場合、振動している被評価体50へ、レーザービームB1を照射し、そのレーザービームB1が被評価体50で反射したレーザービームB2に基づいて、被評価体50の振動の周波数スペクトルを導出するようにしてもよいし、マイクロフォンによって、振動している被評価体50によって空気が振動することによって生じる音を検出してもよいし、加速度センサーによって、被評価体50の振動の周波数スペクトルを導出するようにしてもよい。

【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合わせを行うことができる。これら実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、前述のインプラント設置強度評価装置100a、及びインプラント設置強度評価装置100bは内部にコンピューターを有している。そして、前述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピューター読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピューターが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピューター読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータープログラムを通信回線によってコンピューターに配信し、この配信を受けたコンピューターが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
前述した実施形態において、第1のレーザーシステムは振動誘起部の一例であり、第2のレーザーシステムは測定部の一例であり、レーザービームAは第一のレーザービームの一例であり、レーザービームBは第二のレーザービームの一例である。
【符号の説明】
【0074】
20、450…インプラント、 21…本体、 22…ネジ部、 23
…頭部、 23a…横穴、 23b…根元、 24…骨、 50…被評価体、 100a、100b…インプラント設置強度評価装置、 105…通信I/F、 110…記憶部、 112…プログラム、 114a、114b…導出テーブル、 120…操作部、 130a、130b…情報処理部、 132…取得部、 134a、134b…導出部、 136a、136b…評価部、 140…表示部、 150…バスライン、 200、 470…第1のレーザーシステム、 202…有線、 204、206、208…光ファイバー、 250、410…第2のレーザーシステム、 300…照射ヘッド、 420…第1の反射体、 430…レンズ、 440…加速度センサー、 460…人工骨、 480…第2の反射体、 490…マイクロフォン、 495…第3の反射体、 500…人工関節カップ、 502…外側表面、 504…内側表面、 506…穴、 510…プローブ
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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