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明細書 :中空管、及び発電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6358737号 (P6358737)
公開番号 特開2014-209840 (P2014-209840A)
登録日 平成30年6月29日(2018.6.29)
発行日 平成30年7月18日(2018.7.18)
公開日 平成26年11月6日(2014.11.6)
発明の名称または考案の名称 中空管、及び発電装置
国際特許分類 H02S  10/30        (2014.01)
F23J  11/12        (2006.01)
H01L  35/30        (2006.01)
H01L  35/32        (2006.01)
H02N  11/00        (2006.01)
H02K  99/00        (2014.01)
FI H02S 10/30
F23J 11/12
H01L 35/30
H01L 35/32 A
H02N 11/00 A
H02K 99/00
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2014-057351 (P2014-057351)
出願日 平成26年3月20日(2014.3.20)
優先権出願番号 2013059745
優先日 平成25年3月22日(2013.3.22)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成29年3月3日(2017.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
発明者または考案者 【氏名】加藤 岳仁
個別代理人の代理人 【識別番号】100112689、【弁理士】、【氏名又は名称】佐原 雅史
【識別番号】100128934、【弁理士】、【氏名又は名称】横田 一樹
【識別番号】100128141、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 圭一
審査官 【審査官】佐藤 久則
参考文献・文献 特開2011-061027(JP,A)
特開平10-184101(JP,A)
実開平04-130456(JP,U)
特開2004-271063(JP,A)
国際公開第2005/117154(WO,A1)
特開平05-111101(JP,A)
特開2009-147208(JP,A)
国際公開第2011/116463(WO,A1)
特開平11-223683(JP,A)
特開2007-154509(JP,A)
特開2009-043752(JP,A)
米国特許出願公開第2011/0247669(US,A1)
米国特許第05554819(US,A)
調査した分野 H01L27/16
31/02
31/0216-31/0224
31/0236
31/0248-31/0256
31/0352-31/036
31/0392-31/078
31/18
35/00-37/04
51/42-51/48
H02K24/00-27/30
31/00-31/04
35/00-35/06
39/00
47/00-47/30
53/00
99/00
H02N1/00-1/12
3/00-99/00
H02S10/00-10/40
30/00-99/00
特許請求の範囲 【請求項1】
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、
前記熱電変換素子に熱エネルギーを与える流体を流す中空管本体と、
を具備し、
前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とする、
中空管。
【請求項2】
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、断熱材、又は放熱材を介して前記中空管本体の外周に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の中空管。
【請求項3】
少なくとも1つの前記光電変換シートにより構成された光電変換回路で発電された電力、並びに少なくとも1つの前記熱電変換シートにより構成された熱電変換回路で発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路をさらに設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の中空管。
【請求項4】
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、
前記熱電変換素子に熱エネルギーを与える流体を流す中空管本体と、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路と
を具備し、
前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とする
発電装置。
【請求項5】
燃焼装置の排気管としての中空管本体に取り付ける発電装置であって、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路と
を具備し、
前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記燃焼装置の燃焼により生ずる熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とする、
発電装置。
【請求項6】
内部に熱エネルギーを有した流体を流す中空管本体に取り付ける発電装置であって、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、
可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路と
を具備し、
前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、
前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とする、
発電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光、及び廃熱を利用して発電を行う中空管、及びその中空管を用いた発電装置、並びに燃焼装置の排気管等の内部に熱量を有した流体を流す中空管に取り付ける発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、震災の影響もあって、自然エネルギーを利用した発電の重要性が高まってきている。そのような中、工場、プラントにおいて太陽光により電力を発電する太陽光発電システムが普及してきている。その太陽光発電システムにおける太陽光パネルは、工場、プラントの建物の屋根に設置されることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2011-233715
【特許文献2】特開2011-216544
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の太陽光発電システムにおける太陽光パネルは、装置が大きいため設置箇所が限られる。また、太陽光パネルの設置箇所の補強も必要なことが多々あり、多大なコストを要する。上記従来の太陽光発電システムでは、上記問題点をはじめとする様々な問題点があり、新たな発電システムを構築する必要がある。
【0005】
そのような中、本願発明者は、特に投入電力の大きい、電気炉等を保有した工場、プラントに注目した。電気炉等から排出される高温ガスなどは、排気管などを介して大気に排出され、その排気管などを通じて熱エネルギーが放出される。また、排気管は屋外に設置されている部分が多く、太陽光エネルギーを受けやすい位置にある。そのような電気炉等を保有した工場、プラントなどは、電気料金の節約から日中はその操業を停止し、その設備の稼働を深夜に実施している場合が多い。したがって、上記工場、プラントなどは、日中は太陽光エネルギー、夜は熱エネルギーと一日中エネルギーを得られる状況にある。
【0006】
以上のような事情を鑑み、本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換、及び排熱による熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換を行う中空管、及びその中空管を利用した発電装置、並びに燃焼装置の排気管等の内部に熱量を有した流体を流す中空管に取り付ける発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の中空管は、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、前記熱電変換素子に熱エネルギーを与える流体を流す中空管本体と、を具備し、前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とするものである。これにより、光をエネルギー源とした光電変換、及び排熱による熱電変換を効率よく行わせるという作用をもたらす。特に、本発明の中空管を電気炉等の燃焼装置の排気管として屋外に配置すれば、一日中連続的に発電させることができる。また、上記中空管本体の同一外周上において上記光電変換シートを受光しやすい位置のみに配置したり等設置場所を工夫すれば、配線抵抗を減少させることができるため、発電効率向上を実現でき、さらに、単位体積(設置スペース)当たりでの発電量向上も実現させることができる。

【0009】
また、本発明の中空管において、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、少なくとも一部が前記熱電変換シートを覆うように重なり合うことを特徴とする。熱電変換シートを光電変換シートよりも中空管本体の外周表面近くに配置させることにより、熱電変換シートに中空管本体の熱を伝導させやすくさせるという作用をもたらす。また、光電変換シートを熱電変換シートよりも外周外側に配置させるため、光電変換シートは光を受けやすくさせるという作用をもたらす。これにより、熱電変換シート、及び光電変換シートの発電効率をより向上させることができる。

【0010】
また、本発明の中空管において、上記光電変換シート、及び上記熱電変換シートは、断熱材、又は放熱材を介して上記中空管本体の外周に取り付けられたことを特徴とする。これにより、耐熱を超える高温から上記光電変換シート、及び上記熱電変換シートを保護し、効率よく発電させるという作用をもたらす。
【0011】
また、本発明の中空管において、少なくとも1つの上記光電変換シートにより構成された光電変換回路で発電された電力、並びに少なくとも1つの上記熱電変換シートにより構成された熱電変換回路で発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路をさらに設けたことを特徴とする。また、本発明の中空管において、少なくとも1つの上記光電変換シートにより構成された光電変換回路で発電された電力を外部に出力する光電変換出力回路と、少なくとも1つの上記熱電変換シートにより構成された熱電変換回路で発電された電力を外部に出力する熱電変換出力回路をさらに設けたことを特徴とする。また、本発明の中空管において、少なくとも1つの上記光電変換シートにより構成された光電変換回路で発電された電力、並びに少なくとも1つの上記熱電変換シートにより構成された熱電変換回路で発電された電力を外部に出力する出力回路をさらに設けたことを特徴とする。これにより、光電変換回路、熱電変換回路で発電された電力をそれぞれの回路に対応する別個の出力回路(複数あってもよい)に処理させて出力させたり、それぞれの回路で発電された電力を1つの出力回路に処理させて出力させたりするという作用をもたらす。
【0012】
また、本発明の発電装置は、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、前記熱電変換素子に熱エネルギーを与える流体を流す中空管本体と、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路とを具備し、前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とするものである。これにより、光をエネルギー源とした光電変換、及び排熱による熱電変換を効率よく行わせるという作用をもたらす。

【0013】
また、本発明の発電装置は、燃焼装置の排気管としての中空管本体に取り付ける発電装置であって、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路とを具備し、前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記燃焼装置の燃焼により生ずる熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とするものである。これにより、光をエネルギー源とした光電変換、及び排熱による熱電変換を効率よく行わせるという作用をもたらす。

【0014】
また、本発明の発電装置は、内部に熱エネルギーを有した流体を流す中空管本体に取り付ける発電装置であって、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの光電変換素子が形成された少なくとも1つの光電変換シートと、可撓性を有するシート状基板上に少なくとも1つの熱電変換素子が形成された少なくとも1つの熱電変換シートと、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートで発電された電力を外部に出力する少なくとも1つの出力回路とを具備し、前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うと共に、前記流体の熱エネルギーを受け取り可能な位置に配されるように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記光電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、前記中空管本体の外周の少なくとも一部を覆うように前記中空管本体に取付けられ、前記光電変換シート、及び前記熱電変換シートは、前記中空管本体の断面を見たときに、同一外周上に互いが重なり合わないように取付けられることを特徴とするものである。これにより、光をエネルギー源とした光電変換、及び排熱による熱電変換を効率よく行わせるという作用をもたらす。


【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、光をエネルギー源とした光電変換、及び排熱による熱電変換を効率よく行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における中空管100を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における光電変換シート20に形成された光電変換素子の構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における熱電変換シート30に形成された熱電変換素子の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における中空管100を含む発電装置200を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

【0018】
図1は、本発明の実施の形態における中空管100を示す図である。中空管100は、図1(a)に示すように、中空管本体10と、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換部材の一態様である光電変換シート20と、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換部材の一態様である熱電変換シート30とを備える。中空管本体10は、例えば円筒形状が想定されるが、これに限るものではなく、その他の形状であってもよい。

【0019】
光電変換シート20は、可撓性を有するフレキシブルなシート状基板を基板として、光電変換素子が形成されたものである。光電変換シート20は、中空管本体10の外周に少なくとも1つ取り付けられる。光電変換シート20は、可撓性を有していてフレキシブルであるため、中空管本体10の形状に沿って取り付けることができる。また、例えば、中空管本体10の温度が、光電変換シート20の耐熱温度を超える高温になることが想定される場合、光電変換シート20は、断熱材40又は(図示しない)放熱材を介して中空管本体10の外周に取り付けるようにしてもよい。断熱材40又は(図示しない)放熱材として、どのような材質のものを用いるかは、光電変換シート20の耐熱温度や中空管本体10の温度など様々な要素を考慮して決定する。

【0020】
また、熱電変換シート30は、可撓性を有するフレキシブルなシート状基板を基板として、熱電変換素子が形成されたものである。熱電変換シート30は、中空管本体10の外周に少なくとも1つ取り付けられる。熱電変換シート30は、可撓性を有していてフレキシブルであるため、中空管本体10の形状に沿って取り付けることができる。また、例えば、中空管本体10の温度が、熱電変換シート30の耐熱温度を超える高温になることが想定される場合、熱電変換シート30も、断熱材40又は(図示しない)放熱材を介して中空管本体10の外周に取り付けるようにしてもよい。断熱材40又は(図示しない)放熱材として、どのような材質のものを用いるかは、熱電変換シート30の耐熱温度や中空管本体10の温度など様々な要素を考慮して決定する。

【0021】
光電変換シート20、及び熱電変換シート30の中空管本体10の外周への取り付け態様(以下、中空管本体外周取り付け態様と呼ぶ。)として、例えば、図1(a)に示すように、中空管本体10の外周に沿って、同一外周上においてそれぞれが外周の半分ずつを覆うように取り付ける態様(光電変換シート20、及び熱電変換シート30の中空管本体10の外周を覆う割合が1:1)が一例として挙げられるが、これに限るものではない。なお、上記同一外周上とは、2次元的な同一外周上のみならず、3次元的な同一外周上をも含むものである。光電変換シート20は、図1(a)に示すように、中空管本体10の外周の中でも照射される光を多く受けられるような位置に配置し、熱電変換シート30は中空管本体10を通じて伝導される熱を効率よく受け取れるような位置に配置する。この観点からすれば、中空管本体10の同一外周上において光電変換シート20、及び熱電変換シート30が外周の一部(受光しやすい場所等)のみを覆う態様も本発明に含まれる。このようにすれば、配線抵抗を減少させることができるため、発電効率向上を実現できる。また、上記のようにすれば、単位体積(設置スペース)当たりでの発電量向上も実現させることができる。

【0022】
その他の中空管本体外周取り付け態様として、光電変換シート20、及び熱電変換シート30の中空管本体10の外周を覆う割合を1:1以外にしてもよい。また、その他の中空管本体外周取り付け態様として、図1(b)の中空管100の断面図に示すように、中空管本体10の外周を一周するような態様で熱電変換シート30を中空管本体10に取り付け、その熱電変換シート30の上から光電変換シート20を中空管本体10の外周に取り付けるようにしてもよい。なお、必ずしも光電変換シート20、及び熱電変換シート30は、中空管本体10の外周を一周してもしなくても、又、互いに重なり合わなくてもよいが、層状になるようにして取り付ける。また、熱電変換シート30は、光電変換シート20よりも内側外周(内側層)に取り付けることが好ましい。これにより、熱電変換シート30を光電変換シート20よりも中空管本体10の外周表面近くに配置させることになり、熱電変換シート30に中空管本体10の熱を伝導させやすくなる。また、光電変換シート20を熱電変換シート30よりも外周外側に配置させるため、光電変換シート20は光を受けやすくなる。この場合、光電変換シート20と、熱電変換シート30との間に断熱材40又は(図示しない)放熱材を入れるようにしてもよい。

【0023】
光電変換シート20、及び熱電変換シート30で得られた電力が出力回路50へ供給されるよう光電変換シート20、及び熱電変換シート30と出力回路50とを接続する。なお、出力回路50は、光電変換シート20と、熱電変換シート30で発電された電力を外部に出力するものである。すわなち、出力回路50は、光電変換シート20と、熱電変換シート30で発電された電力に所定の処理を行なって所定の電力を負荷に供給する。所定の処理として、昇圧したり、又は直流—交流変換を行ったりすることが一例として挙げられるが、これに限るものではなく、その他様々な処理を含ませるようにしてもよい。すなわち、出力回路50は、昇圧回路のみの態様でもよいし、昇圧回路及びインバータ回路まで含ませるようにしてもよいし、それ以外の回路でもよく、様々な出力回路50の態様が想定され、そのような全ての態様が本発明に含まれる。

【0024】
また、本発明においては図1(c)に示すように、光電変換シート20、及び熱電変換シート30で得られた電力をそれぞれ別個の出力回路51及び出力回路52へ供給されるよう光電変換シート20、及び熱電変換シート30と出力回路51及び出力回路52とを接続するようにしてもよい。また、光電変換シート20、及び熱電変換シート30それぞれに複数の出力箇所を設け、それに対応する出力回路を設けてもよい。すなわち、本発明においては、光電変換シート20、及び熱電変換シート30との電気的な接続態様、及び出力態様は様々な態様をも含む。

【0025】
また、本発明においては中空管100の構成要素に出力回路50、又は出力回路51及び出力回路52も含めて中空管100として捉えるようにしてもよい。また、本発明においては中空管100と出力回路50、又は出力回路51及び出力回路52とを別要素として捉え、中空管100と出力回路50、又は出力回路51及び出力回路52とで発電装置を構成していると捉えてもよい。

【0026】
また、内部に熱量を有した流体を流す中空管(例えば、電気炉やボイラー装置等の燃焼装置における排気管)として中空管100を用いてその中空管100を屋外に配置すれば、中空管100を流れる排気ガス等の流体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができると、同時に、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。なお、本発明において燃焼装置とは、電気炉やボイラー装置のみならず燃焼に伴って熱エネルギーを有する流体を排出する全ての装置を言う。

【0027】
特に、電気炉等を保有した工場、プラントなどは、電気料金の節約から日中はその操業を停止し、その設備の稼働を深夜に実施していることが多い事情を鑑みると、本発明の中空管100を用いれば、日中は太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電を行い、夜間は廃熱の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電を容易に行うことができる。この場合、中空管本体外周取り付け態様を図1(b)に示すような態様(断熱材40がない場合も含む)にすれば、排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を向上させることができると同時に、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を向上させることができる。なお、中空管本体10を内部に熱量を有した流体を流す中空管(例えば、燃焼装置が備えた排気管)と捉えれば、光電変換シート20と、熱電変換シート30と、出力回路50とを内部に熱量を有した流体を流す中空管に取り付ける発電装置として捉えることもできる。

【0028】
また、光電変換シート20は拡散光でも発電可能である。したがって、内部に熱量を有した流体を流す中空管(例えば、電気炉やボイラー装置等の燃焼装置における排気管)として中空管100を用いてその中空管100を屋内に配置しても、屋内に光があれば光電変換シート20で発電可能である。これにより、中空管100を屋内外のいずれに配置しても、排気管を流れる排気ガス等の流体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができると、同時に、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。

【0029】
図2は、本発明の実施の形態における光電変換シート20に形成された光電変換素子21の構成の一例を示す図である。本発明の実施の形態における光電変換シート20に形成された光電変換素子21の構成として、図2に示すような基板22上に正極23、正孔輸送層24、光電変換層25、負極26が順次設けられた構成が一例として挙げられる。

【0030】
本発明の実施の形態における光電変換シート20に形成された光電変換素子において、光が入射すると、光電変換層25において励起子が生成され、更に、電子と正孔とが発生する。そして、電子は負極26側へ、正孔は正孔輸送層24(正極23)へ移動する。その結果、正極23、負極26に接続された(図示しない)外部回路に、電流(光励起電流)が流れる。

【0031】
基板22は、可撓性を有するフレキシブルな材質により構成され、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)のような樹脂材料により形成された透明フィルム基板が一例として挙げられるが、これに限るものではない。また、基板22の材質の選択において、例えば中空管本体10が電気炉やボイラー装置のような燃焼装置における排気管として利用される場合、耐久温度も考慮され、そのような材質も本発明に含まれる。

【0032】
光電変換層25に十分な光を入射させるため、正極23、負極26の少なくともいずれか一方は、可視光に対して透明なものを使用する。可視光に対して透明な材料として、公知の材料を用いてもよく、適宜選択して正極23、負極26の材料として用いる。可視光に対して透明な材料として、具体的には、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0033】
正孔輸送層24は、光電変換層25で発生した電荷をより効率的に取り出すことを可能にさせる。正孔輸送層を構成する材料としては、例えば、低分子化合物であればNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が一例として挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4-エチレンジオキシ)チオフェン等に代表される公知の導電性高分子等が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0034】
光電変換層25は、p型有機半導体材料とn型半導体材料とを含有している。光電変換層25においてp型有機半導体材料とn型半導体材料とは、平面的な接合界面を形成させても、三次元的に混合させたバルクへテロ接合を形成させてもよい。p型有機半導体として、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物等の高分子材料、及び、各種ポルフィリンやフタロシアニン等の低分子材料が一例として挙げられるが、これに限るものではない。また、n型有機半導体として、フラーレン、及び、フラーレン誘導体が一例として挙げられるが、これに限るものではない。また、n型半導体としては有機半導体だけではなく、酸化物半導体を用いてもよく、例えば酸化亜鉛や酸化チタンの無機化合物粒子が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0035】
なお、以上の光電変換素子は一例であって、可撓性を有するフレキシブルなシート状基板上に形成させることができれば、全ての公知の光電変換素子も本発明に含まれる。

【0036】
図3は、本発明の実施の形態における熱電変換シート30に形成された熱電変換素子の構成の一例を示す図である。図3(a)は、熱電変換素子31の構成を示す図である。本発明の実施の形態における熱電変換シート30に形成された熱電変換素子31の構成として、図3(a)に示すような基板32上に熱電変換層33、電極34a、電極34bが順次設けられた構成が一例として挙げられる。

【0037】
熱電変換層33は、例えば、図3(a)に示すようにp型半導体とn型半導体とを接合させた態様が一例として挙げられる。p型半導体とn型半導体を接合して、電極34a、電極34bを通じて(図示しない)外部負荷と電気的に接続する。そして、接合部33aを高温にするとともに電極34a、電極34b側を低温にする。これにより、接合部33aと電極34a、電極34b側との間に温度差ができ、その温度差により電極34a、電極34b間に起電力が生じ、熱電変換素子31は発電する。

【0038】
p型半導体及びn型半導体は、熱電変換材料として使用可能な全て半導体材料を使用することができ、上記光電変換層の作製に用いられる高分子化合物と低分子化合物の他に、無機系材料を用いることができる。無機系材料として、例えば、BiTe系材料やPbTe系材料が一例として挙げられるが、これに限るものではない。電極34a、電極34bは、電極として機能するように十分な導電性を有する材料で形成されればよく、その材質として、例えば、アルミ、銀、白金、銅等が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0039】
また、本発明の実施の形態における熱電変換シート30に形成された別の熱電変換素子35の構成として、図3(b)に示すような基板36上にキャリア輸送層37と、キャリア発生層38と、電極39a及び電極39bが順次設けられた構成も一例として挙げられる。

【0040】
キャリア輸送層37は、高いキャリア移動度を有する真性有機半導体材料により構成さえることが想定される。上記真性有機半導体材料として、例えばペンタセン若しくはその誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、テトラセン若しくはその誘導体、ペンタセンの誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、フラーレン若しくはその誘導体、グラフェン若しくはその誘導体、ピセン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリジアセチレン若しくはその誘導体等が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0041】
キャリア発生層38は、キャリア輸送層37に所定のキャリアを供給するものである。キャリア発生層38を構成する材質として、例えば、アクセプター型材料としてなら、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化タングステン(WO3)、ドナー型材料としてなら、ジベンゾテトラチアフルバレン(DB-TTF)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDT-TTF)、ビスシクロペンタジエニルの金属錯体若しくはその誘導体、アクリジンオレンジベース(AOB)、炭酸セシウム(CsCO3)、フッ化リチウム(LiF)が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0042】
電極39a、電極39bは、電極として機能するように十分な導電性を有する材料で形成されればよく、その材質として、例えば、アルミ、銀、白金、銅等が一例として挙げられるが、これに限るものではない。

【0043】
なお、以上の熱電変換素子は一例であって、可撓性を有するフレキシブルなシート状基板上に形成させることができれば、全ての公知の熱電変換素子も本発明に含まれる。

【0044】
図4は、本発明の実施の形態における中空管100を含む発電装置200を示す図である。なお、図4において光電変換シート20、及び熱電変換シート30には、それぞれ2つの光電変換素子、及び2つの熱電変換素子しか配置していないが、これは一例であって、光電変換シート20、及び熱電変換シート30に形成させる光電変換素子、及び熱電変換素子の数、面積等は設計事項であり、それらは適宜様々な要素から決定されるものである。

【0045】
発電装置200は、中空管100と、出力回路110とを備える。中空管100は、図1において説明したように、中空管本体10と、少なくとも1つの光電変換シート20と、少なくとも1つの熱電変換シート30とを備える。

【0046】
図4において、各々の光電変換シート20上には、複数の光電変換素子21が直列に接続されるように形成されている。なお、光電変換シート20は、複数の光電変換素子21が並列に接続されるように形成されたものであってもよいし、複数の光電変換素子21が直列、及び並列が混在して接続されるよう形成されたものであってもよい。必要とする電力の大きさ等様々な要素を考慮して、光電変換シート20上における光電変換素子21の接続態様(回路設計)は決定される。

【0047】
また、それぞれの光電変換素子21には、図4に示すように、バイパスダイオード61を並列に接続させるようすることが好ましい。バイパスダイオード61は、光電変換素子21に光が当たらなかったり、光電変換素子21に不具合が生じた場合に電流をバイパスさせるからである。

【0048】
また、光電変換シート20は、例えば、図4に示すように、中空管本体10に沿って複数配置され、それぞれを直列に接続させるようにしてもよい。なお、図4のように複数の光電変換シート20を接続させて光電変換シート20の面積を増やす構成以外にも、1つの光電変換シート20にたくさんの光電変換素子21を形成させて実現させてもよい。これは、光電変換シート20をどのように設計するかの設計事項の問題であり、本発明にはそのような設計事項の全てが含まれる。そして、光電変換シート20の最終出力には逆流防止ダイオード62を設けることが好ましい。

【0049】
図4において、各々の熱電変換シート30上には、複数の熱電変換素子31が直列に接続されるように形成されている。なお、熱電変換シート30は、複数の熱電変換素子31が並列に接続されるように形成されたものであってもよいし、複数の熱電変換素子31が直列、及び並列が混在して接続されるよう形成されたものであってもよい。必要とする電力の大きさ等様々な要素を考慮して、熱電変換シート30上における熱電変換素子31の接続態様(回路設計)は決定される。

【0050】
また、それぞれの熱電変換素子31には、バイパスダイオード63を並列に接続させるようすることが好ましい。バイパスダイオード63は、熱電変換素子31に不具合が生じた場合に電流をバイパスさせるからである。

【0051】
また、熱電変換シート30は、例えば、図4に示すように、中空管本体10に沿って複数配置され、それぞれを直列に接続させるようにしてもよい。なお、図4のように複数の熱電変換シート30を接続させて熱電変換シート30の面積を増やす構成以外にも、1つの熱電変換シート30にたくさんの熱電変換素子31を形成させて実現させてもよい。これは、熱電変換シート30をどのように設計するかの設計事項の問題であり、本発明にはそのような設計事項の全てが含まれる。そして、熱電変換シート30の最終出力には逆流防止ダイオード64を設けることが好ましい。

【0052】
複数の光電変換シート20により構成された光電変換回路と、複数の熱電変換シート30により構成された熱電変換回路とは、例えば、図4に示すように並列に接続させる。なお、場合によっては上記光電変換回路と、上記熱電変換回路とを直列に接続させた構成であってもよい。また、上記光電変換回路と、上記熱電変換回路とを電気的に接続させなくてもよい。すなわち、上記光電変換回路と、上記熱電変換回路との電気的な接続は回路設計の問題であり、様々な態様が想定され、そのような全ての態様が本発明に含まれる。

【0053】
上記光電変換回路と、上記熱電変換回路とで生成された電力は、出力回路110に供給される。出力回路110は、光電変換回路と、上記熱電変換回路とで発電された電力を外部に出力するものである。すわなち、出力回路110は、光電変換回路と、上記熱電変換回路とから供給された電力に所定の処理を行なって所定の電力を外部負荷に供給する。所定の処理として、昇圧したり、又は直流—交流変換を行ったりすることが一例として挙げられるが、これに限るものではなく、その他様々な処理を含ませるようにしてもよい。すなわち、出力回路110は、昇圧回路のみの態様でもよいし、昇圧回路及びインバータ回路まで含ませるようにしてもよいし、それ以外の回路でもよく、様々な出力回路110の態様が想定され、そのような全ての態様が本発明に含まれる。

【0054】
また、光電変換回路と、熱電変換回路とで生成された電力は、図1(c)で示したが、それぞれ(図4では図示しない)別個の出力回路に供給されるように構成してもよい。さらに、複数の出力回路と、複数の光電変換シート20と、複数の熱電変換シート30とで様々な回路構成が想定されるが、そのような回路構成も本発明に含まれる。

【0055】
なお、光電変換シート20における光電変換素子21同士の接続態様(回路設計)、及び熱電変換シート30における熱電変換素子31同士の接続態様(回路設計)、並びに光電変換シート20と、熱電変換シート30との接続態様は、所望する電力量や、日照時間、中空管本体10の一日を通じての温度変化の態様など様々な要素を考慮して決定されるものであり、そのような様々な要素を考慮して決定された全ての態様が本発明に含まれる。
【実施例】
【0056】
次に、以下において、本発明の実施例を挙げて、本発明の一例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【実施例】
【0057】
<実施例1>
実施例1では、光電変換シート20における光電変換素子を以下のように作製した。まず、膜厚約150nmのITOがパターニングされたPENフィルムを、有機溶媒、アルカリ洗剤、及び超純水で洗浄し、乾燥させた。そして、フィルジェン製UVオゾンクリーナーUV253Eを用い、上記PENフィルムに紫外線オゾン(UV-O3)処理を施した。
【実施例】
【0058】
次に、SIGMAS ALDRICH社より購入したPoly(3-hexylthiophene-2,5-diyl)(P3HT)と、SIGMAS ALDRICH社より購入したTitanium(IV)isopropoxide97%のそれぞれをクロロベンゼンの重量に対してそれぞれ0.5重量%、1.0重量%となるように添加し、PENフィルム上に発電層(光電変換層)を作製するための塗布溶液を作製した。その塗布溶液中にスターラーチップを投入し、600rpmの回転数で攪拌混合を行った。攪拌混合は温度可変機能付きホットスターラー上で行い、設定温度を80℃とした。その後、PENフィルム上に塗布溶液をスピンコートした後、乾燥を行い、PENフィルム上に発電層を形成させた。その発電層の膜厚は90nmであった。膜厚の測定にはアルバック社製DektakXT-Eを用いた。
【実施例】
【0059】
次に、Heraeus社より購入したCLEVIOS(登録商標)SV3をバーコーターによりPENフィルム上に塗布し、乾燥させることにより電極を形成させた。そして、エポキシ樹脂(急速硬化型アラルダイト)を封止材として用いてPENフィルムを接着することで封止処理を施し、光電変換素子を得た。この光電変換素子の発電面積は5mm×20mmであった。光電変換素子をアルミ製の中空管にセメダイン株式会社製無機系充てん剤(品番HJ-112)を介してエポキシ樹脂(急速硬化型アラルダイト)を用いて張り付けた。この光電変換素子にソーラシミュレーター(三永電機製作所、商品名:XES-40S1、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電圧を測定した。発電電圧は270mVであった。
【実施例】
【0060】
また、実施例1では、熱電変換シート30における熱電変換素子及びモジュールを以下のように作製した。まず、PENフィルムを、有機溶媒、アルカリ洗剤、及び超純水で洗浄し、乾燥させた。そして、フィルジェン製UVオゾンクリーナーUV253Eを用い、上記PENフィルムに紫外線オゾン(UV-O3)処理を施した。
【実施例】
【0061】
実施例1の熱電変換素子の発電層は、以下に示す組成物1と組成物2とを重量比1:1で混合させることにより作製した。なお、組成物1は、トルエン0.5gにPolystyrene(ALDRICH社製、average MW~280,000 By GBC)を0.17g、Elicarb社製Multi-Wall Carbon Nanotuvesを0.02gを添加し、80℃で加熱攪拌を行った組成物である。また、組成物2は、クロロベンゼン0.5gにP3HTを0.025g添加し、80℃で加熱攪拌を行った組成物である。
【実施例】
【0062】
その後、スキージ法を用いて上記PENフィルム上に5mm×20mmの発電層を作製し、更に銀ペーストを用いて4直列の熱電変換モジュールを作製した。そして、エポキシ樹脂(急速硬化型アラルダイト)を封止材として用いてPENフィルムを接着することで封止処理を施し、熱電変換モジュールを得た。
【実施例】
【0063】
この熱電変換モジュールに水平方向に150℃の温度差を与えるため、高温源をAS ONE社製ホットスターラーREXIM RSH-1DN,低温源には金属性ラボジャッキを用い、MASTECH社製マルチメーターMAS830Lを用いて発電電圧を測定した。発電電圧は9.2mVであった。ワニ口クリップを用いて同様に作製した4直列熱電変換モジュールを5個直列に接続した。このモジュールをアルミ製の中空管に銅箔を介してエポキシ樹脂(急速硬化型アラルダイト)を用いて張り付けた。モジュールの一部をヒートガンにより加熱し、MASTECH社製マルチメーターMAS830Lを用いて発電電圧を測定した。実施例1の熱電変換モジュールの発電電圧は31mVであった。したがって、実施例1の光電変換素子と熱電変換モジュールの発電電圧の合計は301mV(270mV+31mV)となった。
【実施例】
【0064】
<実施例2>
実施例2では、4直列熱電変換モジュールの発電層に、組成物1と組成物2を用いず、Heraeus社製のCLEVIOS(登録商標)SV3のみを用いた。光電変換素子も含むそれ以外のことは実施例1と同様である。実施例1と同様に熱電変換モジュールの発電電圧を測定した結果、実施例2の熱電変換モジュールの発電電圧は22mVであった。したがって、実施例2の光電変換素子と熱電変換モジュールの発電電圧の合計は292mV(270mV+22mV)となった。
【実施例】
【0065】
<比較>
実施例1の光電変換素子のみでは、270mvの発電電圧であった。そこに、実施例1の熱電変換モジュールが加えると、さらに31mVの発電電圧が得られ、合計で301mVの発電電圧が得られる。実施例2の熱電変換モジュールの場合、さらに22mVの発電電圧が得られ、合計で292mVの発電電圧が得られる。以上より、光電変換素子と熱電変換モジュールを一緒に用いれば、より大きな発電電圧が得られることが明らかとなった。工場、プラントのような設備の中の、特に、高温ガス、高温流体などの排管として屋外で本発明の中空管を用いれば、中空管はたくさんの光エネルギーと熱エネルギーを受けるため、本発明の中空管は、それらのエネルギーを素に無駄なくより大きな出力電圧を生成することができるという優れた効果を奏する。
【実施例】
【0066】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。例えば、本発明の中空管を用いた発電システムや、本発明の中空管を高温ガス、流体などの排管として(屋外に配置して)用いた生産設備、建物等の全ての設備も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 中空管本体
20 光電変換シート
21 光電変換素子
22、32、36 基板
23 正極
24 正孔輸送層
25 光電変換層
26 負極
30 熱電変換シート
31、35 熱電変換素子
33 熱電変換層
33a 接合部
34a、39a 電極
34b、39b 電極
37 キャリア輸送層
38 キャリア発生層
40 断熱材
50、51、52 出力回路
61、63 バイパスダイオード
62、64 逆流防止ダイオード
100 中空管
110 出力回路
200 発電装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3