【0019】 (ii)果糖液製造工程 上記糖アルコール製造工程により得られた糖アルコール溶液に含まれる糖アルコールは、酢酸菌による酸化反応により果糖へ変換する。 糖アルコールを、酢酸菌を用いて果糖にする手法は、糖アルコールを含む培養液中で酢酸菌を培養する公知の手法に準じて実施することができる。(例えば、T. Asai, Oxidation of polyalcohols, in Acetic Acid Bacteria, ed. by T. Asai, pp.148-166 (1968). University of Tokyo Press.参照) 果糖液製造工程に用いる酢酸菌は、マンニトールをフルクトースへと変換可能なマンニトール酸化酵素を有するものであれば特に制限されない。果糖液製造工程に用いることのできる酢酸菌としては、Gluconobacter 属またはGluconacetobacter属に属するほとんどの酢酸菌を挙げることができる。好ましくは、Gluconobacter oxydans やGluconacetobacter liquefaciensなどがある。 培養に用いる培養液は、酢酸菌が生育可能な公知の培養液であればよく、糖アルコール酸化活性を有していれば酢酸菌は死菌でも生菌でもよい。 当業者であれば、果糖液製造工程に用いる酢酸菌に応じて適宜好ましい培養液、培養条件(温度、pH、時間など)を設定することができる。 上記の発明に係る果糖液の製造方法によれば、コンニャク芋加水分解液(M/G比=1.6)を接触水添することで該当する糖アルコールへ変換して、酢酸菌の酵素で酸化することで、一気に高濃度果糖液に変換できる。酢酸菌による糖アルコールの酸化は一方向的に進行して反応平衡がないので、すべての基質の酸化が終了するまで続く。これは、従来の糖の異性化酵素を使用する異性化技術でブドウ糖を果糖への変換(返還率50%)に比べると、酸化発酵が優れていることを示す画期的な技術革新である。