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明細書 :植物病害の抑制剤及び植物病害の抑制方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-167338 (P2019-167338A)
公開日 令和元年10月3日(2019.10.3)
発明の名称または考案の名称 植物病害の抑制剤及び植物病害の抑制方法
国際特許分類 A01N  59/16        (2006.01)
A01P   3/00        (2006.01)
FI A01N 59/16 Z
A01P 3/00
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2019-056251 (P2019-056251)
出願日 平成31年3月25日(2019.3.25)
優先権出願番号 2018055614
優先日 平成30年3月23日(2018.3.23)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】伊藤 真一
【氏名】境 昭二
出願人 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
審査請求 未請求
テーマコード 4H011
Fターム 4H011AA01
4H011BB18
4H011DA15
要約 【課題】本発明の課題は、水と接しても安定で、かつ安全性に優れた植物病害の抑制効果を有する剤を提供することにある。
【解決手段】比表面積(BET)が70~200m/gである酸化鉄を含有することを特徴とする植物病害の抑制剤を作製する。ラジカル種を生成する酸化鉄であることや、酸化鉄が、ヘマタイト(ALPHA-Fe)又はゲータイト(ALPHA-FeOOH)であることや、植物がアブラナ科植物又はナス科植物であることが好ましい。
【選択図】 図3
特許請求の範囲 【請求項1】
比表面積(BET)が70~200m/gである酸化鉄を含有することを特徴とする植物病害の抑制剤。
【請求項2】
酸化鉄が、ケイ素及びリン酸を含まないことを特徴とする請求項1記載の植物病害の抑制剤。
【請求項3】
酸化鉄が、ヘマタイト(ALPHA-Fe)、又はゲータイト(ALPHA-FeOOH)であることを特徴とする請求項1又は2記載の植物病害の抑制剤。
【請求項4】
界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
【請求項5】
植物がアブラナ科植物、ナス科植物、ヒガンバナ科植物、イネ科植物、キク科植物、ウリ科植物、マメ科植物、ヒユ科植物、バラ科植物、トウダイグサ科植物、バショウ科植物、ムラサキ科植物、ヤシ科植物、モクセイ科植物であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
【請求項6】
植物病害が、アブラナ科植物の根こぶ病、黒腐病、若しくは萎黄病、又はナス科植物の萎ちょう病、青枯病、灰色カビ病、かいよう病、黒あざ病、そうか病、疫病、若しくは炭そ病であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか記載の植物病害の抑制剤を用いることを特徴とする植物病害の抑制方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、植物病害の抑制剤及び植物病害の抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の病害防除においては、いわゆる農薬として非天然性の有機化合物が主として使用されている。しかしながら、薬剤耐性菌の出現、人畜に対する安全性、及び環境への影響があるため、栽培法の改良及び工夫、病害抵抗性品種の作出、有用微生物の利用、特定波長の光照射、あるいは有機質農業資材の活用等の総合的な病害防除方法の研究が盛んに行われている。
【0003】
植物は、病原菌の感染、害虫の摂食、紫外線照射、凍結、乾燥等の外部からのシグナルを受けて、植物体内の免疫作用が働き、病害防除作用を発揮することが知られている。具体的には、植物病原菌のエリシターが植物細胞表面のレセプターに結合すると、NADPHオキシダーゼの活性化等を経て、サリチル酸やジャスモン酸等がシグナル伝達物質となり、病害抵抗性遺伝子の発現を誘導して病害を抑制すると考えられている。そこで近年、こうした植物生来の免疫作用を高めて病害を抑制する方法が知られている。
【0004】
植物自体の免疫作用を高めて病害を抑制する方法に関し、たとえば、BET比表面積が100~400m/gの範囲内である酸化マグネシウムを含むことを特徴とする植物病害防除剤(特許文献1参照)が開示されている。かかる方法は、酸化マグネシウムにおける、その触媒活性の一つである水素原子の引き抜き作用を利用して植物生来の免疫作用を高める技術である。また、酸化マグネシウムが、トマトの青枯れ病に対して抵抗誘導性を示すこと(非特許文献1参照)が開示されている。
【0005】
さらに、非晶質及び/又は微結晶性のケイ素及びリン含有酸化鉄を含む植物保護剤を施用する工程を備えた、植物病害の防除方法(特許文献2参照)が開示されている。かかる方法は、レプトスリックス属細菌等の鉄酸化細菌によって生成された非晶質及び/又は微結晶性のケイ素及びリン含有酸化鉄によって病害を防除するというものである。
【0006】
また、酸化銅(I)及び/又は塩基性硫酸銅、及び、アンモニウム塩であるクエン酸三アンモニウム等を配合してなる農薬水和性組成物が開示されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2013-256448号公報
【特許文献2】国際公開第2014/148396号パンフレット
【特許文献3】特開2013-230995号公報
【0008】
<nplcit num="1"> <text>K.Imadaet al., Plant Pathology (2016) 65, 551-560</text></nplcit>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1において用いている酸化マグネシウムは、水と接することで直ちに炭酸マグネシウム又は水酸化マグネシウムとなってしまい、固体塩基性触媒活性が低下しやすいという問題があった。さらに、酸化マグネシウムから生成した炭酸マグネシウム又は水酸化マグネシウムは塩基性物質であるために、塩基性を好む菌が生息する土壌では使用するのが難しいという問題があった。
【0010】
特許文献2において用いている酸化鉄は微生物由来であり、酸化鉄の製造工程が複雑でコストが高くなるという問題があった。
【0011】
特許文献3においては、酸化銅又は硫酸銅を用いているが、酸化銅又は硫酸銅から銅イオンが溶出する場合がある。この銅イオンは毒性があるといわれており、人畜に有害な影響を与える可能性があるという問題があった。
【0012】
そこで本発明の課題は、水と接しても安定で、かつ安全性に優れた植物病害の抑制効果を有する剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した中で、固体塩基触媒に注目した。その中で、金属酸化物の1種である酸化鉄について検討した。まずバーミキュライト又はポット栽培した幼植物の根部に酸化鉄の水懸濁液又はコントロールの水懸濁液を灌注し、所定期間後に新たなバーミキュライト又はポットに移植した後、病原菌(トマト萎ちょう病菌(FOL)又は根こぶ病菌)を土壌に接種し植物体の根に感染させた。そして、所定期間後に生育状況を観察し、発病度を数値化して評価したところ、酸化鉄の水懸濁液で灌注処理することで、植物における発病度を低下させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)比表面積(BET)が70~200m/gである酸化鉄を含有することを特徴とする植物病害の抑制剤。
(2)酸化鉄が、ケイ素及びリン酸を含まないことを特徴とする上記(1)記載の植物病害の抑制剤。
(3)酸化鉄が、ヘマタイト(ALPHA-Fe)、又はゲータイト(ALPHA-FeOOH)であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の植物病害の抑制剤。
(4)界面活性剤を含むことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
(5)植物がアブラナ科植物、ナス科植物、ヒガンバナ科植物、イネ科植物、キク科植物、ウリ科植物、マメ科植物、ヒユ科植物、又はバラ科植物、トウダイグサ科植物、バショウ科植物、ムラサキ科植物、ヤシ科植物、モクセイ科植物であることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
(6)植物病害が、アブラナ科植物の根こぶ病、黒腐病、若しくは萎黄病、又はナス科植物の萎ちょう病、青枯病、灰色カビ病、かいよう病、黒あざ病、そうか病、疫病、若しくは炭そ病であることを特徴とする上記(1)~(5)のいずれか記載の植物病害の抑制剤。
(7)上記(1)~(6)のいずれか記載の植物病害の抑制剤を用いることを特徴とする植物病害の抑制方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の植物病害の抑制剤の有効成分である酸化鉄は、毒性や皮膚刺激性がなく、食品添加物、口紅、化粧品、顔料として使用されている物質であり、安全性に極めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】トマトの苗をBET20のヘマタイト(ALPHA-Fe)、BET16のゲータイト(ALPHA-FeOOH)、BET14のマグヘマイト(GAMMA-Fe)、又はBET5.5のマグネタイト(Fe)の4種類のBETの酸化鉄の懸濁液(蒸留水に懸濁)(0.2%(w/v))又は0%(蒸留水)で潅注処理し、その後トマト萎ちょう病菌(FOL)を接種した場合の発病指数を調べた結果を示すグラフである。
【図2】金町コカブの苗をBET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)、BET136のヘマタイト(ALPHA-Fe)の2種類の酸化鉄で潅注処理し、その後トマト萎ちょう病菌(FOL)を接種した場合の発病指数を調べた結果を示すグラフである。
【図3】トマトの苗をBET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)の懸濁液(蒸留水に懸濁)(0.5若しくは1.0%(w/v))又は0%(蒸留水)で潅注処理し、その後根こぶ病菌を接種して1か月栽培し、観察した植物体の写真である。図中、白矢印はこぶが形成される位置を示す。
【図4】ジャガイモの苗をBET91のヘマタイト(ALPHA-Fe)の懸濁液(蒸留水に懸濁)(1.0%(w/v))で潅注処理し、その後放線菌を接種した場合の発病指数を調べた結果を示すグラフである。
【図5】トマトの苗をBET136のヘマタイト(ALPHA-Fe)の懸濁液(蒸留水に懸濁)(1.0%(w/v))で潅注処理し、処理から12時間、24時間、72時間、及び120時間後のPR1遺伝子、LoxA遺伝子、Pin2遺伝子、Osm遺伝子の発現を調べた結果を示すグラフである。
【図6】トマトの苗をBET91の焼成リモナイトの懸濁液(蒸留水に懸濁)(1.0%(w/v))及びBET91の焼成リモナイトの懸濁液(蒸留水に懸濁)(1.0%(w/v)+界面活性剤で潅注処理し、処理から7日後にトマト萎ちょう病(FOL)の菌体懸濁液(1×10個/ml)を接種し、さらに1か月後に発病指数を測定した結果を示す図である。
【図7】トマトの苗に焼成リモナイトの懸濁液(BET値:82、91、97、100)(1%(w/v))をそれぞれ灌注処理し、2週間後に植物体重量(根+地上部)を測定した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の植物病害の抑制剤としては、比表面積(BET)が70~200m/gである酸化鉄を含有する植物病害の抑制剤であれば特に制限されず、ここで、比表面積(BET)とは、単位質量当たりの表面積(m/g)を意味する。

【0018】
本発明の植物病害の抑制剤における酸化鉄のBETとしては70~200m/g、好ましくは70~170m/g、より好ましくは70~150m/g、さらに好ましくは70~140m/gを挙げることができる。

【0019】
本発明の植物病害の抑制剤における酸化鉄としては、ラジカル種を生成する酸化鉄であることが好ましく、ラジカル種を生成する酸化鉄とは、活性酸素種を生成する酸化鉄を挙げることができる。なお、ラジカル種は、「植物病原菌のエリシターが植物細胞表面のレセプターに結合し、NADPHオキシダーゼの活性化等を経て、サリチル酸やジャスモン酸等がシグナル伝達物質となり、病害抵抗性遺伝子の発現を誘導する」というカスケードにおける植物の病原抵抗性遺伝子の発現を誘導するための因子の一つであると考えられている。

【0020】
上記酸化鉄としては、ヘマタイト(ALPHA-Fe)、ゲータイト(ALPHA-FeOOH)、マグヘマイト(GAMMA-Fe)、マグネタイト(Fe)、アカゲナイト(BETA-FeOOH)、レピッドクロサイト(GAMMA-FeOOH)、ウスタイト(FeO)、リモナイト(FeOOH・nHO)を挙げることができ、天然物であっても工業的に生成されたものであってもよい。かかる酸化鉄は天然物鉱石から取得できるほか、製鉄関連から副生するFeSO若しくはFeCl、又は酸化チタン製造の副産物である硫化鉄等を、酸化及び中和によって取得できる。そのため、本発明に用いる酸化鉄は安価に入手が可能である。

【0021】
ゲータイト(ALPHA-FeOOH)は、次式(I),(II)により硫酸第一鉄(FeSO)に水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて中和反応により水酸化第一鉄(Fe(OH))を生成し、さらに前記水酸化第一鉄を酸化することで得ることが可能である。

【0022】
【数1】
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【0023】
【数2】
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【0024】
マグネタイト(Fe)は、次式(III),(IV)により硫酸第一鉄(FeSO)に水酸化アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて中和反応により水酸化第一鉄(Fe(OH))を生成し、さらに前記水酸化第一鉄を酸化することで得ることが可能である。

【0025】
【数3】
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【0026】
【数4】
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【0027】
ヘマタイト(ALPHA-Fe)は、次式(V)によりゲータイトを200℃以上の温度で加熱脱水することで得ることが可能である。

【0028】
【数5】
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【0029】
マグヘマイト(GAMMA-Fe)は、次式(VI)によりマグネタイトを100~300℃で酸化することで得ることが可能である。

【0030】
【数6】
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【0031】
上記酸化鉄の粒子の大きさとしては特に限定されないが、幅0.1μm以下、長さ1μm以下を挙げることができる。

【0032】
上記酸化鉄には、ケイ素及びリン酸を含まないことが好ましい。また、上記酸化鉄の形状としては特に制限されないが、針状、紡錘状、球状を挙げることができる。

【0033】
本発明における植物病害の抑制剤における酸化鉄の含有量は、植物病害効果が得られる限り特に限定されないが、その含有量は本発明の植物病害の抑制剤100重量%に対して、好ましくは0.002~100重量%、より好ましくは0.02~95重量%、さらに好ましくは0.1~90重量%を挙げることができる。

【0034】
本発明における植物病害の抑制剤には、界面活性剤を含有させてもよく、界面活性剤を加えることで、植物病害の抑制効果を向上させることが可能となる。かかる界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。

【0035】
非イオン系界面活性剤としては、オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル、ノニルフェニルポリエチレングルコール、ポリオキシエチレン分枝型ノニルシクロヘキシルエーテル、及びポリオキシエチレン分枝型ノニルフェノキシポリエトキシエタノールを挙げることができる。アニオン系界面活性剤としては、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩、ホルムアルデヒド縮合物、及びジアルキルスルホコハク酸塩を挙げることができる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、及び塩化ベンゼトニウムを挙げることができる。両性界面活性剤としては、レシチン、アルキルベタイン、N-ラウリルアラニン、アルキルグリシン、及びアミンオキサイドを挙げることができる。

【0036】
本発明の植物病害の抑制剤において界面活性剤を含有する場合には、その含有量は本発明の植物病害の抑制剤100重量%に対して、通常1~30重量%、好ましくは2~20重量%、より好ましくは3~15重量%とすることができる。

【0037】
本発明の植物病害における植物としては、アブラナ科植物、ナス科植物、ヒガンバナ科植物、イネ科植物、キク科植物、ウリ科植物、マメ科植物、ヒユ科植物、バラ科植物、トウダイグサ科植物、バショウ科植物、ムラサキ科植物、ヤシ科植物、モクセイ科植物等を挙げることができる。

【0038】
アブラナ科植物としては、ハクサイ、キャベツ、アブラナ、ブロッコリー、カブ、カリフラワー、ミズナ、ノザワナ、小松菜、チンゲンサイ、ケール、ダイコン等を挙げることができる。ナス科植物としては、トマト、ナス、ジャガイモ、ピーマン、トウガラシ、タバコ等を挙げることができる。ヒガンバナ科植物としては、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ等を挙げることができる。イネ科植物としては、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ等を挙げることができる。キク科植物としては、キク、レタス、ヨモギを挙げることができる。ウリ科植物としては、キュウリ、スイカ、カボチャ、メロン、ゴーヤ、ズッキーニを挙げることができる。マメ科植物としては、ダイズ、エンドウ、アラビアゴムノキ、カンゾウを挙げることができる。ヒユ科植物としては、ホウレンソウを挙げることができる。バラ科植物としては、イチゴ、リンゴ、ナシ、ウメ、モモを挙げることができる。トウダイグサ科植物としては、パラゴムノキを挙げることができる。バショウ科植物としては、バナナを挙げることができる。ムラサキ科植物としては、ムラサキを挙げることができる。ヤシ科植物としては、アブラヤシを挙げることができる。モクセイ科植物としては、オリーブを挙げることができる。

【0039】
本発明の植物病害における病害としては、アブラナ科植物の根こぶ病、黒腐病、萎黄病や、ナス科植物の萎ちょう病、そうか病、青枯病、灰色カビ病、かいよう病、黒あざ病、疫病、炭そ病や、ヒガンバナ科の苗立枯れ病、紅色根腐病や、イネ科植物のいもち病、ばか苗病、苗立枯れ細菌病、赤かび病、紅色雪腐病や、キク科植物の灰色かび病や、ウリ科植物のうどんこ病、炭そ病、べと病や、マメ科植物の苗立枯れ病、紫斑病や、ヒユ科植物の立枯病、株腐病や、バラ科植物のうどんこ病、萎ちょう病、萎黄病等や、トウダイグサ科植物の南米葉枯病、根白腐病や、バショウ科植物のフザリウム萎ちょう病、シガトカ病や、ヤシ科植物のガノデルマ病(basal stem rot)や、モクセイ科植物のピアス病を挙げることができ、ナス科植物の萎ちょう病又はそうか病やアブラナ科植物の根こぶ病を好適に挙げることができる。

【0040】
本発明の植物病害の抑制方法としては、上記本発明の植物病害の抑制剤を用いれば特に制限されず、かかる植物病害の抑制剤の施用方法としては、上記植物病害の抑制剤を植物の苗又は株元に灌注する方法や、上記植物病害の抑制剤を植物の根部に浸漬する方法や、上記植物病害の抑制剤を植物の葉面又は茎に散布する方法や、上記植物病害の抑制剤を、植物を栽培する土壌作土層へ混和する方法を挙げることができる。また、植物病害の抑制剤を施用する際に、本発明の植物病害の抑制剤を1回投与でも複数回投与でもよい。

【0041】
上記酸化鉄は安全性に優れており、収穫直前の植物体への収穫直前処理等、処理時期を制限することなく利用することが可能である。

【0042】
植物病害の抑制剤を植物の苗又は株元に灌注する場合には、植物病害の抑制剤を、酸化鉄含量として0.05~5%(w/v)、好ましくは0.1~3%(w/v)、より好ましくは0.15~2%(w/v)の水懸濁液として植物の苗又は株元に潅注処理する方法を挙げることができる。

【0043】
植物病害の抑制剤を、植物の根部に浸漬(dipping)する場合には、植物病害の抑制剤を、酸化鉄含量として0.05~5%(w/v)、好ましくは0.1~3%(w/v)、より好ましくは0.15~2%(w/v)の水懸濁液として植物の根に1~60秒ほど浸漬処理する方法を挙げることができる。

【0044】
植物病害の抑制剤を植物の葉面又は茎に散布する場合には、植物病害の抑制剤を、酸化鉄含量として0.05~5%(w/v)、好ましくは0.1~3%(w/v)、より好ましくは0.15~2%(w/v)の水懸濁液として植物の葉面に噴霧器などで散布する方法を挙げることができる。

【0045】
植物病害の抑制剤を、植物を栽培する土壌作土層へ混和する場合には、植物病害の抑制剤を、植物を栽培する土壌作土層に10a当り10~250kg、好ましくは30~130kgとなるように混和する方法を挙げることができる。

【0046】
上記植物病害の抑制剤を施用する際には、上記植物病害の抑制剤と共に、他の植物病害の抑制剤と併用して施用してもよい。

【0047】
本発明の植物病害の抑制剤に含まれる酸化鉄は水と接しても安定なため、植物病害の抑制効果を長期間維持することができる。

【0048】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの
例示に限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
[実施例1]比表面積(BET)の検討(1)
酸化鉄における病害抑制作用は、酸化鉄の比表面積(BET)による影響があると考えられる。そこで、比表面積が異なる4種類の酸化鉄を用いて病害抑制作用を調べた。
【実施例】
【0050】
1.供試菌及び胞子懸濁液の調整
トマト萎ちょう病菌 Fusarium oxysporum f. sp. lycopersici(CK3-1、race2)(以下、「FOL」ともいう)をポテトデキストロース斜面寒天培地(PDA)で生育した後、4℃で保存し、FOL保存菌株とした。FOL保存菌株の菌叢を白金耳でかき取ってポテトデキストロース液体培地(PDB)100mLに加え、25℃、120rpmで1週間程度振とう培養した。培養後、滅菌した三重ガーゼでろ過し、ろ液を50mL容アシストチューブに回収した。ろ液を3,000×gで5分間遠心し、上清を除去した。沈澱物(FOL胞子)に滅菌水を10mL加え、3,000×gで5分間遠心し、上清を除去することによってFOL胞子を洗浄した。沈澱物(FOL胞子)を20mLの滅菌水に溶解し、FOL胞子懸濁液とした。胞子濃度はトーマ氏血球計算盤を用いて1×10個/mLになるように調整し、以下の実験に用いた。
【実施例】
【0051】
2.供試植物
トマト(品種:桃太郎)の種子を0.5%次亜塩素酸で15分間消毒した後、滅菌した湿室シャーレ内で25℃、12時間明期条件下で約1週間生育させた。その後、滅菌した人工培土(バーミキュライト:パーライト=1:1)に植えたものを用いた。
【実施例】
【0052】
3.接種試験
(1)酸化鉄によるトマト萎ちょう病菌(FOL)病害抑制
27℃、12時間明期条件下で上記人工培土にて1ヶ月生育させたトマトの苗に、BET20のヘマタイト(ALPHA-Fe:R-516-L、チタン工業社製)、BET16のゲータイト(ALPHA-FeOOH:LL-XLO、チタン工業社製)、BET20のマグヘマイト(GAMMA-Fe:GAMMA-MRD チタン工業社製)、又はBET20のマグネタイト(Fe:BL-100、チタン工業社製)の4種類のBETの酸化鉄の懸濁液(蒸留水に懸濁)(0.2%(w/v))又は0%(蒸留水)を50mL潅注処理した。酸化鉄で潅注処理1週間後、水道水で根を洗浄し、FOLの菌体懸濁液(1×10個/ml)に約1時間浸漬することによってFOLを接種した。接種したトマト個体を滅菌したバーミキュライトに植え付け、27℃、12時間明期条件下で生育し、発病の進展を観察した。
【実施例】
【0053】
以下の表1に示す発病程度A~Dに属するトマトの株数に対し、次の式(VII)によってそれぞれ4、3、2、1の重みづけして、発病指数(DI)を求めた(nは個体数)。それぞれの酸化鉄で処理した場合の発病指数を図1に示す。
【実施例】
【0054】
【表1】
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【実施例】
【0055】
【数7】
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【実施例】
【0056】
(結果)
図1に示すように、いずれの比表面積(BET)の酸化鉄で処理した場合にも発病指数(DI)はコントロールである水で処理した場合とほぼ同様の結果であり、BETが大きい方が、若干萎ちょう病を抑制する傾向があることが明らかとなった。
【実施例】
【0057】
[実施例2]比表面積(BET)の検討(2)
実施例1により、BET値が大きい方が、萎ちょう病の抑制効果が高いことが考えられた。そこで、さらにBET値が高い酸化鉄を用いて解析を行った。
【実施例】
【0058】
生育したトマトの苗に、BET106の酸化鉄としてヘマタイト(ALPHA-Fe:TRR-100P(#6903-2)、チタン工業社製)、BET136のヘマタイト(ALPHA-Fe:TRR-100(#6991)、チタン工業社製)を用いた以外は、上記実施例1と同様の方法で発病指数を求めた。それぞれの酸化鉄で処理した場合の発病指数を図2に示す。
【実施例】
【0059】
(結果)
図2に示すように、BETが106、136のいずれの酸化鉄で処理した場合もトマトにおいて萎ちょう病を抑制する傾向があることが明らかとなり、特にBET136を用いた場合にその抑制効果が顕著であることが明らかとなった。また、植物体の株それぞれにおいて、発病程度が植物体全体にわたってほぼ均一であった。そのため、酸化鉄を用いた場合の植物生来の免疫作用の向上が全身抵抗性誘導であると考えられ、根部処理で地上部病害を、また茎葉処理して根部からの病害を防除することもできる。
【実施例】
【0060】
[実施例3]根こぶ病に対する発病抑制効果の検討(1)
1.供試菌
供試菌として、根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae Woronin)を用いた。
2.供試植物
供試植物として、以下の表2に示す5種類を用いた。
【実施例】
【0061】
【表2】
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【実施例】
【0062】
3.休眠胞子懸濁液の調製
-40℃で冷凍保存していたハクサイ根こぶ病罹病根を室温で自然解凍し、蒸留水を等容量加え、乳鉢で磨砕した。得られた磨砕液を3重ガーゼでろ過し、ろ液を以下の(a)~(d)の手順で処理し、精製休眠胞子懸濁液を得た。
(a)ろ液を50mLチューブに入れ、50×gで2分間遠心分離し、50mLチューブに上清を回収した。
(b)上清を420×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。この操作を3回繰り返した。
(c)得られた沈殿物に蒸留水を適量加え、ボルテックスミキサーを用いて懸濁し、15mLチューブに入れ、420×gで15分間遠心分離し、上清を捨てた。
(d)(c)の操作を上清が澄むまで繰り返した後、蒸留水を2mL加えて沈殿物を懸濁し、これを精製休眠胞子液とした。
【実施例】
【0063】
得られた精製休眠胞子懸濁液の休眠胞子濃度を、トーマ氏血球計算板(日本臨床器械工業社)を用いて計測した。
【実施例】
【0064】
4.接種試験
ビニールハウス内で、植物体をポットに植えて栽培した。ポットは常に5mm程度湛水したバットに置いて底面給水を行った。床土は、育苗培土(タキイ種苗社)を121℃で蒸気滅菌して用いた。手順は以下のように行った。
(1)播種
種子は、播種前に5%アンチホルミン(次亜塩素酸ナトリウム、有効塩素濃度0.25%)水溶液に浸し、アスピレーターで約5分間脱気しながら表面消毒した後、流水で十分に洗浄した。セルトレイに適切に吸水させた土を詰め、ピンセットを用いて深さ3mm程度の穴をあけ、1粒播種した。
(2)酸化鉄処理
播種約3週間後に、濃度1%(w/v)のBET136のヘマタイト(ALPHA-Fe:TRR-100(#6991)、チタン工業社製)懸濁液(蒸留水に懸濁)を調製し、トランスファーピペットを用いて、植物体周囲に3ml滴下(灌注)した。コントロール区には蒸留水を用いた。なお、植物体周辺に滴下することで、植物体の一部、すなわち植物体の根のみが酸化鉄処理されたこととなる。
(3)定植と菌接種
BET136のヘマタイト処理1週間後、土ごとジフィーポットに定植した。精製休眠胞子懸濁液を胞子濃度が1.0×107胞子/mlになるよう蒸留水で希釈し、トランスファーピペットを用いて植物体の周囲に10ml接種した。
(4)発病調査
菌接種から1か月後、植物体の根を傷つけないようにジフィーポットから抜き取り、次の文献(Seaman, W.L., Walker, J. C. and Larson, R. H. (1963) A new race of
Plasmodiophora brassicae affecting Badger Shipper cabbage. Phytopathology 53:
1426-1429.)の手法に基づいて、肉眼で根こぶの形態を観察し、発病評点に該当する植物体の株数を数えた。
【実施例】
【0065】
発病指数(D1)は、こぶの状態を以下の0~IIIのいずれかに属するかに基づいて、以下の式(VIII)に基づいて求めた。
0: 根にこぶを形成していない
I: 側根に少数の小さなこぶを形成している
II: 側根に多数のこぶを形成している、又は主根の先端に小さなこぶを形成している
III: 主根に大きなこぶを形成している
【実施例】
【0066】
発病評点0、I、II、IIIに属する植物体の株数にそれぞれ0、10、60、100の重みづけして、上記式(VIII)により発病指数(DI)を求め、上記式(IX)により発病株率を求めた。
【実施例】
【0067】
【数8】
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【実施例】
【0068】
【数9】
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【実施例】
【0069】
(結果)
結果を表3、4に示す。表3、4に示すとおり、BET136のFe処理により、いずれの植物においても根こぶ病の発病を抑制することが明らかとなった。なかでもブロッコリーにおいて顕著な根こぶ病の発病抑制効果を示した。また、酸化鉄懸濁液の処理を植物体の一部に灌注した後、菌接種1か月後も発病指数が30以下であった。
【実施例】
【0070】
【表3】
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【実施例】
【0071】
【表4】
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【実施例】
【0072】
[実施例4]根こぶ病に対する発病抑制効果の検討(2)
上記BET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)懸濁液を用い、実施例3と同様の方法で処理濃度の影響を調べた。
【実施例】
【0073】
供試植物として、金町コカブ(Brassica rapa L. var. rapa)を用い、接触区と非接触区に分けて発病抑制効果を調べた。接触区では蒸留水、0.5%(w/v)又は1%(w/v)の上記BET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)懸濁液(水懸濁液)で処理し、その後根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae Woronin)を滴下により接種した。非接触区では、蒸留水、0.5%(w/v)又は1%(w/v)の上記BET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)懸濁液で処理し、根こぶ病菌は接種しなかった。休眠胞子懸濁液の調製、接種試験については実施例3と同様の方法で行った。菌接種から1か月後、植物体の根を傷つけないようにジフィーポットから抜き取り、観察した植物体の写真を図3に示す。
【実施例】
【0074】
(結果)
図3に示すように、根こぶ病菌を接種した場合であっても、0.5%(w/v)又は1%(w/v)のBET106のヘマタイト(ALPHA-Fe)で処理することによって、わずか1回の酸化鉄懸濁液の処理によって、菌接種から1か月後も、根こぶの形成を抑制することが明らかとなった。また、実施例1~3の結果と合わせることで、植物体の種類が異なっても、酸化鉄による植物病害の抑制効果が認められ、その植物病害の抑制効果の度合いは濃度に依存的であることが明らかとなった。
【実施例】
【0075】
[実施例5]そうか病に対する発病抑制効果の検討
上記では萎ちょう病や根こぶ病に対する発病抑制効果を調べたが、さらに他の植物病害であるジャガイモそうか病に対する発病抑制効果を調べた。
【実施例】
【0076】
1.供試菌
供試菌として、ジャガイモそうか病菌(Streptomyces scabies)を用いた。ジャガイモそうか病菌をポテトデキストロース斜面寒天培地(PDA)で生育した後、4℃で保存し、保存菌株とした。ジャガイモそうか病菌保存菌株の菌叢を白金耳でかき取ってポテトデキストロース液体培地(PDB)200mLに加え、25℃、120rpmで2週間程度振とう培養した。培養後、培養液を滅菌水で5倍希釈し、以下の実験に用いた。
【実施例】
【0077】
2.供試植物
供試植物として、ジャガイモ(Solanum
tuberosum L.品種:ニシユタカ)を用いた。ジャガイモを、ジャガイモ栽培用培土(ジャガイモの土、あかぎ園芸)を1/2容充填した深型プラスチックポットに植え、屋外で生育した。発芽後、生育の良い1~2本の茎を残して芽かきを行った。
【実施例】
【0078】
3.接種試験
15cmほど生育したジャガイモ苗に、茎の部分がかくれるまでジャガイモ栽培用培土を充填(土寄せ)した。土寄せしたジャガイモ苗に1%(w/v)のBET91の焼成リモナイト(日本リモナイト社製のリモニドの焼成物)を200mL灌注処理した。灌注処理後、上記の供試菌希釈液をジャガイモ植物体あたり200mLほど灌注接種し、屋外で生育した。約2か月間生育した後、ジャガイモ植物体全体を抜き取り、各ジャガイモの発病指数(DI)を求めた。結果を図4に示す。
【実施例】
【0079】
図4に示すように、酸化鉄の処理によって、ジャガイモそうか病に対しても発病が抑制されることが明らかとなった。
【実施例】
【0080】
[実施例6]植物病害抵抗性遺伝子の発現解析
上記のように酸化鉄の処理によって植物病害の抑制効果が明らかとなったが、そのメカニズムを解明するために、植物病害抵抗性遺伝子の発現を解析した。
【実施例】
【0081】
1か月間生育したトマト(品種:桃太郎:n=5)にヘマタイト懸濁液(BET値:136)(1%(w/v))をそれぞれ50ml灌注処理した。処理後12時間、24時間、72時間、及び120時間後にトマト植物体の根のRNAを調整し、qRT-PCRによってPR1遺伝子、LoxA遺伝子、Pin2遺伝子、Osm遺伝子の発現を調べた。結果を図5に示す。図中、Feはヘマタイト処理区、NCは無処理区を意味する。なお、PR1はサリチル酸シグナル、LoxA及びPin2はジャスモン酸シグナル、Osmはエチレンシグナルに関与する。
【実施例】
【0082】
図5から明らかなように、いずれの遺伝子も処理後24時間で発現が上昇しており、酸化鉄処理によって植物の病害抵抗性遺伝子の発現が高まり、その結果病害抵抗性を高めていると考えられる。
【実施例】
【0083】
[実施例7]酸化鉄と界面活性剤との組み合わせ
植物に対する病害抵抗性をさらに高めるために、酸化鉄に界面活性剤を加えてその効果を検証した。
【実施例】
【0084】
1か月生育したトマト(品種:桃太郎:n=5)に焼成リモナイト(日本リモナイト社製のリモニドの焼成物)懸濁液(BET値:91)(1%(w/v))及び1万倍希釈した界面活性剤(シンダイン、住化アグロ製造社)を含む焼成リモナイト1%(w/v))を50ml灌注処理した。コントロール区には蒸留水で処理した。週に一度、1000倍希釈したハイポネックス(登録商標)を投与した。灌注処理から7日後に、実施例1と同様にトマト萎ちょう病(FOL)の菌体懸濁液(1×10個/ml)を接種し(根に浸漬)、さらに1か月後に発病指数(DI)を測定した。結果を図6に示す。
【実施例】
【0085】
図6から明らかなように、界面活性剤を加えることによって、病害抑制効果がより向上することが明らかとなった。
【実施例】
【0086】
[実施例8]酸化鉄処理による成長促進効果の検討
上記実施例では、酸化鉄処理による植物病害の抑制効果を調べたが、さらに植物の成長促進効果について検討した。
【実施例】
【0087】
1か月生育したトマト(品種:桃太郎:n=5)に焼成リモナイト濁液(BET値:82、91、97、100)(1%(w/v))をそれぞれ50ml灌注処理した。コントロール区には蒸留水で処理した。週に一度、1000倍希釈したハイポネックス(登録商標)を投与した。
【実施例】
【0088】
灌注処理から2週間後に、根についた土を洗い落とし、植物体重量(根+地上部)を測定した。結果を図7に示す。
【実施例】
【0089】
図7から明らかなように、いずれのBET値の焼成リモナイトを用いても、コントロールと比較して重量が増加していた。したがって、酸化鉄処理によって植物病害の抑制効果だけでなく、植物成長促進効果も有することが明らかとなった。


図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6