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Specification :(In Japanese)全固体ナトリウム電池用の固体電解質及び全固体ナトリウム電池

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)再公表特許(A1)
Date of issue Nov 19, 2020
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)全固体ナトリウム電池用の固体電解質及び全固体ナトリウム電池
IPC (International Patent Classification) H01M  10/0562      (2010.01)
H01M  10/054       (2010.01)
H01M   4/58        (2010.01)
H01B   1/06        (2006.01)
FI (File Index) H01M 10/0562
H01M 10/054
H01M 4/58
H01B 1/06 A
Demand for international preliminary examination (In Japanese)未請求
Total pages 16
Application Number P2019-552777
International application number PCT/JP2018/041013
International publication number WO2019/093273
Date of international filing Nov 5, 2018
Date of international publication May 16, 2019
Application number of the priority 2017217782
Priority date Nov 10, 2017
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Designated state AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】林 晃敏
【氏名】辰巳砂 昌弘
【氏名】作田 敦
Applicant (In Japanese)【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
Representative (In Japanese)【識別番号】100065248、【弁理士】、【氏名又は名称】野河 信太郎
【識別番号】100159385、【弁理士】、【氏名又は名称】甲斐 伸二
【識別番号】100163407、【弁理士】、【氏名又は名称】金子 裕輔
【識別番号】100166936、【弁理士】、【氏名又は名称】稲本 潔
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 5G301
5H029
5H050
F-term 5G301CA05
5G301CA17
5G301CA22
5G301CD01
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5H050HA02
Abstract (In Japanese) 下記式:Na3-xSbS4-xAx(式中、Aは、F、Cl、Br、I、NO3、BH4、BF4、PF6、ClO4、BH4、CF3SO3、(CF3SO22N、(C2F5SO22N、(FSO22N及び[B(C2O42]から選択され、xは0<x<3である)で表される全固体二次電池用の固体電解質。
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
下記式:
Na3-xSbS4-xAx
(式中、Aは、F、Cl、Br、I、NO3、BH4、BF4、PF6、ClO4、BH4、CF3SO3、(CF3SO22N、(C2F5SO22N、(FSO22N及び[B(C2O42]から選択され、xは0<x<3である)
で表される全固体ナトリウム電池用の固体電解質。
【請求項2】
前記Aが、F、Cl、Br及びIから選択される請求項1に記載の全固体ナトリウム電池用の固体電解質。
【請求項3】
前記xは、Na3SbS4よりも大きいイオン伝導度を示す固体電解質を提供し得る範囲を示す請求項1に記載の全固体ナトリウム電池用の固体電解質。
【請求項4】
前記AがClであり、前記xが0.01~0.12である請求項1に記載の全固体ナトリウム電池用の固体電解質。
【請求項5】
前記AがBrであり、前記xが0.01~0.12である請求項1に記載の全固体ナトリウム電池用の固体電解質。
【請求項6】
正極及び負極と、正極と負極間に位置する固体電解質層とを備え、
前記固体電解質層が、請求項1に記載の固体電解質を含む層である全固体ナトリウム電池。
【請求項7】
前記正極が金属硫化物を正極活物質として、前記負極がNa合金を負極活物質として、それぞれ含む請求項6に記載の全固体ナトリウム電池。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体ナトリウム電池用の固体電解質及び全固体ナトリウム電池に関する。更に詳しくは、本発明は、全固体ナトリウム電池用の、イオン伝導度の向上した固体電解質、及びそれを含む全固体ナトリウム電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車等の自動車、太陽電池、風力発電等の発電装置等において、電力を貯蔵するためにリチウムイオン電池の需要が増大している。しかし、リチウムイオン電池は、埋蔵量が少なく、かつ産出地が偏在しているリチウムを使用するため、リチウムに代えて、資源量が豊富なナトリウムを使用することが提案されている。
また、安全性の確保の観点から、電解質に液体を使用せず、固体の電解質(固体電解質)を使用した全固体ナトリウム電池が盛んに研究されている。
ところで固体電解質には、全固体ナトリウム電池の放電容量等の物性を向上させる観点から、より高いイオン伝導度が求められている。特に全固体ナトリウム二次電池は、充放電容量、サイクル数等の物性を向上させる観点から、より高いイオン伝導度が固体電解質に求められている。この観点から、A. Banerjee et al., Angew. Chem. Int. Ed., 55 (2016) 9634.(非特許文献1)及びH. Wang et al., Angew. Chem. Int. Ed., 55 (2016) 9551.(非特許文献2)では、Na3SbS4が高いイオン伝導度を示し、加えて、高い大気安定性を示すことが報告されている。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】A. Banerjee et al., Angew. Chem. Int. Ed., 55 (2016) 9634.
【非特許文献2】H. Wang et al., Angew. Chem. Int. Ed., 55 (2016) 9551.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記Na3SbS4でも十分ではなく、より高いイオン伝導度を示す固体電解質を提供することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発明者等は、Na3SbS4中のS原子を種々の物質で置換することを試みた。その結果、特定の物質であれば、Na3SbS4より高いイオン伝導度を示す固体電解質を提供できることを見いだし本発明に到った。
【0006】
かくして本発明によれば、下記式:
Na3-xSbS4-xAx
(式中、Aは、F、Cl、Br、I、NO3、BH4、BF4、PF6、ClO4、BH4、CF3SO3、(CF3SO22N、(C2F5SO22N、(FSO22N及び[B(C2O42]から選択され、xは0<x<3である)
で表される全固体ナトリウム電池用の固体電解質が提供される。
また、本発明によれば、正極及び負極と、正極と負極間に位置する固体電解質層とを備え、
前記固体電解質層が、上記固体電解質を含む層である全固体ナトリウム電池が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より高いイオン伝導度を示す固体電解質、及びそれを用いた全固体ナトリウム電池を提供できる。
また、以下の構成のいずれかを有する場合、より高いイオン伝導度を示す固体電解質を提供できる。
(1)Aが、F、Cl、Br及びIから選択される。
(2)xは、Na3SbS4よりも大きいイオン伝導度を示す固体電解質を提供し得る範囲を示す。
(3)AがClであり、x0.01~0.12である。
(4)AがBrであり、x0.01~0.12である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1及び比較例1のガラス状のペレットのXRDパターンである。
【図2】実施例1及び比較例1のガラス状のペレットのDTA曲線である。
【図3】実施例1及び比較例1のガラス状及びガラスセラミックス状のペレットのXRDパターンである。
【図4】実施例1のペレットの加熱冷却工程での導電率を示すグラフである。
【図5】実施例1のペレットのインピーダンスプロットである。
【図6】実施例1のガラス状のペレットのSEM写真である。
【図7】実施例1の170℃で加熱したガラスセラミックス状のペレットのSEM写真である。
【図8】実施例1の290℃で加熱したガラスセラミックス状のペレットのSEM写真である。
【図9】実施例2のペレットのSEM写真である。
【図10】実施例1のペレットの大気安定性評価に使用する装置の概略図である。
【図11】実施例1のペレットの経時毎のH2S量を示すグラフである。
【図12】実施例1の固体電解質を用いた全固体ナトリウム電池の充放電挙動を示すグラフである。
【図13】実施例3のガラスセラミックス状のペレットのXRDパターンである。
【図14】実施例4のペレットの導電率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(全固体ナトリウム電池用の固体電解質)
固体電解質は、下記式:
Na3-xSbS4-xAx
で表される。式中、Aは、F、Cl、Br、I、NO3、BH4、BF4、PF6、ClO4、BH4、CF3SO3、(CF3SO22N、(C2F5SO22N、(FSO22N及び[B(C2O42]から選択される。Aは、一種類からなっていてもよく、複数種の組み合わせからなっていてもよい。Aは、ハロゲン原子、即ち、F、Cl、Br及びIから選択されることが好ましい。
xは0<x<3である。xは、0.001、0.002、0.004、0.006、0.008、0.01、0.012、0.015、0.02、0.05、0.1、0.12、0.25、0.5、1.5、2.5、2.9等の種々の値をとり得る。また、xはAの価数に応じてその範囲が変化する。xは、Na3SbS4よりも大きいイオン伝導度(導電率)を示す固体電解質を提供し得る範囲を示すことが好ましい。xは、AがClの場合、0.01~0.12であることが好ましく、AがBrの場合、0.01~0.12であることが好ましい。

【0010】
固体電解質は、ガラス状であっても、ガラスセラミックス状であってもよい。なお、ガラス状とは、実質的に非結晶状態を意味する。ここで、実質的にとは、100%非結晶状態に加えて、結晶状態の固体電解質が微分散している場合を含んでいる。ガラスセラミックス状とは、ガラス状の固体電解質をガラス転移点以上の温度で加熱することにより生じる状態を意味する。
ガラスセラミックス状の固体電解質は、非晶質状態のガラス成分中に、結晶質部が分散した状態であってもよい。結晶質部の割合は、ガラスセラミックス全体に対して、50質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。なお、結晶質部の割合は固体NMRにより測定可能である。
結晶質部は、立方晶及び/又は正方晶からなっていてもよい。
更に、ガラスセラミックス状の固体電解質は、対応するガラス状の固体電解質に存在していたガラス転移点が存在しないものであってもよい。
上記固体電解質は、一種類からなっていてもよく、複数種の混合物からなっていてもよい。

【0011】
固体電解質の製造方法は、その原料を混合可能な方法であれば、特に限定されない。ここで、原料としては、例えば、Na2S、Sb2S3、S及びAのナトリウム塩の混合物が挙げられる。
混合可能な方法としては、より均一に各成分を混合する観点から、メカニカルミリング処理が好ましい。
メカニカルミリング処理は、均一に各成分を混合できさえすれば、処理装置及び処理条件には特に限定されない。
処理装置としては、通常ボールミルが使用できる。ボールミルは、大きな機械的エネルギーが得られるため好ましい。ボールミルの中でも、遊星型ボールミルは、ポットが自転回転すると共に、台盤が自転の向きと逆方向に公転回転するため、高い衝撃エネルギーを効率よく発生できるので、好ましい。

【0012】
処理条件は、使用する処理装置に応じて適宜設定できる。例えば、ボールミルを使用する場合、回転速度が大きいほど及び/又は処理時間が長いほど、原料を均一に混合できる。具体的には、遊星型ボールミルを使用する場合、50~600回転/分の回転速度、0.1~100時間の処理時間、1~100kWh/原料1kgの条件が挙げられる。
上記メカニカルミリング処理により、ガラス状の固体電解質が得られる。ガラスセラミックス状の固体電解質は、ガラス状の固体電解質をガラス転移点以上の温度(例えば、100~400℃)で加熱することにより得ることができる。

【0013】
(全固体ナトリウム電池)
全固体ナトリウム電池は、一次電池でも、二次電池でもよい。二次電池の場合、充放電容量及び/又はサイクル数を向上できる。
全固体ナトリウム電池は、正極及び負極と、正極と負極間に位置する固体電解質層とを備えている。
固体電解質層は、上記固体電解質を含む層である。
固体電解質層には、上記固体電解質以外に、全固体ナトリウム電池に使用されている他の成分を含んでいてもよい。例えば、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Sn、As、Ti、Fe、Zn及びBi等の金属酸化物、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等の結着材が挙げられる。
固体電解質は、例えば、所定の厚さになるようにプレスすることにより固体電解質層とすることができる。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1~1mmとすることができる。

【0014】
正極は、特に限定されない。正極は、正極活物質のみからなっていてもよく、結着材、導電材、電解質等と混合されていてもよい。
正極活物質としては、例えば、Na4Ti5O12、NaCoO2、NaMnO2、NaVO2、NaCrO2、NaNiO2、Na2NiMn3O8、NaNi1/3Co1/3Mn1/3O2、NaFeO2、NaMn2O4等のNa含有酸化物、Na2S、FeS、TiS2等の金属硫化物、S、Na3V2(PO4)3等が挙げられる。正極活物質はNaNbO3、Al2O3、NiS等の材料で被覆されていてもよい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等が挙げられる。
導電材としては、天然黒鉛、人工黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、デンカブラック、カーボンブラック、気相成長カーボンファィバ(VGCF)等が挙げられる。
電解質としては、固体電解質層に使用される電解質が挙げられる。本発明の固体電解質を使用することも可能である。
正極は、例えば、正極活物質及び、任意に結着材、導電材、電解質等を混合し、得られた混合物をプレスすることで、ペレット状として得ることができる。

【0015】
負極は、特に限定されない。負極は、負極活物質のみからなっていてもよく、結着材、導電材、電解質等と混合されていてもよい。
負極活物質としては、Na、In、Sn、Sb等の金属、Na合金、グラファイト、ハードカーボン、Na4/3Ti5/3O4、Na3V2(PO4)3、SnO等の種々の遷移金属酸化物等が挙げられる。
結着材、導電材及び電解質は、上記正極の欄で挙げた物をいずれも使用できる。
負極は、例えば、負極活物質及び、任意に結着材、導電材、電解質等を混合し、得られた混合物をプレスすることで、ペレット状として得ることができる。また、負極活物質として金属又はその合金からなる金属シート(箔)を使用する場合、をそのまま使用可能である。
正極及び/又は負極は、SUS(ステンレススチール)、アルミニウム又は銅等の集電体上に形成されていてもよい。
全固体ナトリウム電池は、例えば、正極と、固体電解質層と、負極とを積層し、プレスすることにより得ることができる。

【0016】
負極と固体電解質層との間には、Au、Pt、In、Al、Sn、Si等から選択される金属層を設けてもよい。また、金属層は、正極と固体電解質層との間に設けられていてもよい。
金属層は、負極及び/又は正極の一部を覆っていてもよいが、よりサイクル寿命を延ばす観点から、全面を覆っていることが好ましい。
金属層は、気相法により形成できる。気相法により形成することで、固体電解質層の表面に密着性よく、かつ緻密に形成できる。その結果、充放電時のNaの溶解及び析出により生じるデンドライトの発生を抑制できるため、サイクル寿命を延ばすことが可能となる。また、金属層表面の凹凸が、固体電解質層表面の凹凸より小さくなるように、金属層が形成されていることが好ましい。このように形成することで、固体電解質層と負極及び/又は正極との密着性を向上でき、その結果、長サイクル寿命の全固体ナトリウム二次電池を提供できる。
気相法としては、蒸着法、CVD法、スパッタ法等が挙げられる。この内、蒸着法が簡便である。
金属層の厚さは、Naの溶解及び析出の可逆性を改善できさえすれば特に限定されない。例えば、0.01~10μmの厚さとすることができる。より好ましい厚さは、0.03~0.1μmである。
【実施例】
【0017】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。以下の実施例及び比較例において、Na2Sはナガオ社製(純度>99.1%)、Sb2S3はAldrich社製(純度>99.995%)、SはAldrich社製(純度>99.98%)、NaClはAldrich社製(純度>99.999%) 、NaBrはAldrich社製(純度>99.999%)を用いた。
実施例1
Na2S、Sb2S3、S及びNaClを2.875:1:2:0.125のモル比となるように計量し、遊星型ボールミルに投入した。投入後、メカニカルミリング処理することで、ガラス状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)を得た。
遊星型ボールミルは、Fritsch社製Pulverisette P-7を使用し、ポット及びボールはZrO2製であり、45mlのポット内に直径4mmのボールが2500個入っているミルを使用した。メカニカルミリング処理は、投入量2g、210rpmの回転速度、室温、乾燥アルゴングローブボックス内で50時間行った。
ガラス状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)を室温(25℃)から170℃又は290℃で1時間加熱することで、ガラスセラミック状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)を得た。
得られたガラス状及びガラスセラミックス状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)80mgを室温(約25℃)で0.1時間プレス(圧力360MPa)することで直径10mm、厚さ約1mmのガラス状及びガラスセラミックス状のペレットを得た。
【実施例】
【0018】
実施例2
170℃の加熱により得られたガラスセラミックス状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)のペレット製造時の温度を室温から170℃に変更すること以外は、実施例1と同様にしてガラスセラミックス状のペレットを得た。
比較例1
Na2S、Sb2S3及びSを3:1:2のモル比となるように計量し、遊星型ボールミルに投入すること以外は実施例1と同様にしてガラス状及びガラスセラミック状のNa3SbS4(x=0)を得た。また、実施例1と同様にしてガラス状及びガラスセラミックス状のペレットを得た。
【実施例】
【0019】
(考察)
(1)実施例1及び比較例1のガラス状のペレットのXRD測定
得られた2種類のガラス状のペレットのXRDパターンを図1に示す。図1には、立方晶(cubic)のNa3SbS4のXRDパターンも示す。図1から、実施例1及び比較例1では、立方晶Na3-xSbS4-xClxが析出していることが分かる。
(2)実施例1及び比較例1のガラス状のペレットのDTA曲線の測定
得られた2種類のガラス状のペレットのDTA曲線を図2に示す。図2中、矢印は、ガラス状からガラスセラミックス状への加熱温度を意味する。この加熱温度は、比較例1のガラス状のペレットのピークに基づいて設定した。
(3)実施例1及び比較例1のガラス状及びガラスセラミックス状のペレットのXRD測定
得られた4種類のガラス状及びガラスセラミック状のペレットのXRDパターンを図3に示す。図3には、立方晶のNaSbS2のXRDパターンも示す。図3から、実施例1及び比較例1において、170℃の加熱温度では、より高い結晶性の立方晶Na3-xSbS4-xClxが析出していることが分かる。290℃の加熱温度では、より高い結晶性の立方晶Na3-xSbS4-xClxが析出していると共に、一部正方晶Na3-xSbS4-xClx(図3中、ひし形のピーク)が析出していることが分かる。
(4)実施例1、2及び比較例1のペレットの導電率及び活性化エネルギー
上記ペレットの導電率及び活性化エネルギーを表1に示す。表1中、Gはガラス状態、GCはガラスセラミック状態を意味する(以下、同じ)。
【実施例】
【0020】
【表1】
JP2019093273A1_000003t.gif
【実施例】
【0021】
実施例1と比較例1とから、ガラス状、170℃加熱及び290℃加熱のいずれにおいても、実施例1のClを含むペレットが高い導電率を示すことが分かる。実施例1と実施例2とから、ペレット製造時に加熱することで、より高い導電率を示すペレットが得られることが分かる。
(5)実施例1のペレットの加熱冷却工程での導電率及びインピーダンスプロット
実施例1の170℃で加熱して得られたガラスセラミックスのペレットの加熱冷却工程での導電率及びインピーダンスプロットを図4及び5に示す。図4から、冷却時の方が向上した導電率を示すことが分かる。図5から全固体ナトリウム二次電池に使用し得る固体電解質であることが分かる。
(6)実施例1、2及び比較例1のペレットの嵩密度、見かけ密度及び相対密度
実施例1、2及び比較例1のペレットの嵩密度、見かけ密度及び相対密度を算出した。嵩密度は、ペレットの重量と体積から算出した。見かけ密度は、乾式密度計(島津製作所社製AccuPycII1340)を用いて算出した。相対密度は、嵩密度÷見かけ密度により算出した。算出結果を表2に示す。
【実施例】
【0022】
【表2】
JP2019093273A1_000004t.gif
【実施例】
【0023】
実施例1と実施例2とから、ペレット製造時に加熱することで、高い相対密度を示すペレットが得られることが分かる。
(7)実施例1及び2のSEM写真
実施例1のガラス状のペレット、170℃で加熱したガラスセラミックス状のペレットの、290℃で加熱したガラスセラミックス状のペレットの、それぞれのSEM写真を図6~8に示す。実施例2のペレットのSEM写真を図9に示す。図6~9において、(a)は1000倍の、(b)は5000倍の倍率のSEM写真である。これら写真から、上記表2と同様の傾向があることが分かる。
(8)実施例1のプレス前の170℃で加熱したガラスセラミックス状のNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)の大気安定性評価
図10に示す、室温(約25℃)、湿度70%に維持された内容量2000cm3のデシケータ1中に上記Na3-xSbS4-xClx(x=0.0625)2を約0.05g置いた。デシケータ1内には、H2Sセンサ(イチネンジコー社製GBL-HS)3を予め置いた。経時毎のH2S量を測定し、結果を図11に示した。Na3-xSbS4-xClx(x=0.0625)は、高湿度の大気下に長時間放置しても、分解せず、H2Sをほとんど生じないことが分かる。
【実施例】
【0024】
(9)全固体ナトリウム二次電池の作製例
実施例1において、170℃で加熱して得たNa3-xSbS4-xClx(x=0.0625)ガラスセラミックス状固体電解質を使用した。
負極活物質にNa15Sn4合金、上記ガラスセラミックス状固体電解質、正極活物質にTiS2を用いて、全固体ナトリウム二次電池を作製した。
得られた全固体ナトリウム二次電池に、室温下、電流密度0.013mAcm-2、カットオフ電圧1.17-2.40Vで充放電した場合における充放電曲線を図12に示す。作製した電池は5回の充放電の間、TiS2の重量あたり約100mAhg-1の容量を保持した。Na3-xSbS4-xClx(x=0.0625)ガラスセラミックス状固体電解質は全固体ナトリウム二次電池の固体電解質として使用できることが分かる。
【実施例】
【0025】
実施例3
Na2S、Sb2S3、S及びNaClを2.75:1:2:0.25のモル比となるように計量し、加熱温度を290℃とすること以外は、実施例1と同様にしてガラスセラミックス状のペレット:Na3-xSbS4-xClx(x=0.125)を得た。
実施例4
Na2S、Sb2S3、S及びNaBrを2.875:1:2:0.125のモル比となるように計量すること以外は、実施例2と同様にしてガラスセラミックス状のペレット:Na3-xSbS4-xBrx(x=0.0625)を得た。
【実施例】
【0026】
(考察)
(1)実施例3のガラスセラミックス状のペレットのXRD測定
実施例3のガラスセラミックス状のペレットのXRDパターンを図13に示す。図13から、主に立方晶Na3-xSbS4-xClxが析出していることが分かる(図中、●のプロット)。
(2)実施例3及び4のペレットの導電率
上記ペレットの導電率を表3に示す。
【実施例】
【0027】
【表3】
JP2019093273A1_000005t.gif
【実施例】
【0028】
実施例3から、Cl(x=0.125)を含むペレットが、Cl(x=0.0625)と比べて低いが、比較例1より高い導電率を示すことが分かる。
(3)実施例4のペレットの導電率プロット
実施例4のガラスセラミックス状のペレットの導電率プロットを図14に示す。図14から、室温で高い導電率を示すことが分かる。
【符号の説明】
【0029】
1 デシケータ1、2 Na3-xSbS4-xClx(x=0.0625)、3 H2Sセンサ
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
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(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図12】
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(In Japanese)【図13】
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(In Japanese)【図14】
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