AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
【0034】 なお、イデユコゴメ綱に属する藻類は、自然界から単離されたものに限定されず、天然のイデユコゴメ綱に属する藻類に変異が生じたものであってもよい。変異は、自然発生的に生じたものであってもよく、人為的に生じたものであってもよい。例えば、自然界から単離されたシアニディオシゾン・メロラエは、1倍体の細胞形態を有するが、ゲノムサイズが小さく(約16Mbp)、ゲノム配列の解読が完了しているため(Matsuzaki M et al., Nature. 2004 Apr 8;428(6983):653-7.)、遺伝子改変を行いやすい。したがって、シアニディオシゾン・メロラエを遺伝子改変して生じた形質転換体は、イデユコゴメ綱に属する藻類の好適な例である。また、シアニディオシゾン・メロラエに限らず、遺伝子改変可能であれば、イデユコゴメ綱に属する藻類の形質転換体を、イデユコゴメ綱に属する藻類として、本発明の実施形態にかかる栄養成分組成物等に用いてもよい。例えば、後述するように、天然から単離されるガルデリア属に属する藻類及びシアニジウム属に属する藻類は強固な細胞壁を有する2倍体の細胞形態を有するが、本発明の方法により1倍体の細胞形態とすることが出来るので、1倍体の細胞形態と、2倍体の細胞形態とを有する。いずれの細胞形態も細胞群として用いても良い。これらの藻類の1倍体の細胞形態の細胞のうち、アニディオシゾン・メロラエと同様に強固な細胞壁を持たない細胞は、遺伝子改変を行いやすい。したがって、ガルデリア属又はシアニジウム属に属する藻類の1倍体の細胞形態の細胞または強固な細胞壁を持たない細胞を遺伝子改変して生じた形質転換体もまた、イデユコゴメ綱に属する藻類の好適な例である。より具体的には、シアニディオシゾン・メロラエのほかにはガルデリア属の1倍体、シアニジウム属の1倍体、シアニディオシゾン・メロラエ以外のシアニディオシゾン属の1倍体、シアニジウム属の1倍体を用いることが好ましい。また、これらのうちで強固な細胞壁を持たない細胞を用いることがより好ましい。また、強固な細胞壁を持たないイデユコゴメ綱に属する2倍体も好ましい。
【0043】 イデユコゴメ綱に属する藻類の形質転換を行う場合、導入核酸は、核ゲノム、葉緑体ゲノム、及びミトコンドリアゲノムのいずれかに挿入してもよい。導入核酸をゲノムに挿入する場合、ゲノムの特定の位置に挿入してもよく、ランダムにゲノムに挿入してもよい。 ゲノムの特定の位置に導入核酸を挿入する方法としては、相同組換えを用いることができる。例えば、シアニディオシゾン・メロラエでは、全ゲノム配列の解読が終了しているため(Matsuzaki M et al., Nature. 2004 Apr 8;428(6983):653-7.)、ゲノム上の所望の位置に導入核酸を挿入することが可能である。シアニディオシゾン・メロラエにおける導入遺伝子の挿入位置は、特に限定されないが、例えば、CMD184CとCMD185Cとの間の領域が例示される。
【0061】 本実施形態の藻類は、酸性温泉排水を用いた培地で培養することもできる。「酸性温泉排水」とは、温泉施設から排出される酸性の排水を意味する。酸性温泉排水としては、特に限定されないが、pH1.0~4.0であることが好ましく、pH1.0~3.0であることがより好ましい。また、「酸性温泉排水を用いた培地」とは、酸性温泉排水に窒素源、リン源、微量元素等を添加して調製した培地を意味する。酸性温泉排水を用いた培地としては、酸性温泉排水に窒素源を添加したものが好ましく、窒素源及びリン源を添加したものがより好ましい(例えば、Hirooka S and Miyagishima S.Y. (2016) Cultivation of Acidophilic Algae Galdieria sulphuraria and Pseudochlorella sp. YKT1 in Media Derived from Acidic Hot Springs. Front Microbiol. Dec 20;7:2022.参照)。 窒素源としては、アンモニウム塩(硫酸アンモニウム等)、尿素、硝酸塩(硝酸ナトリウム等)等が挙げられるが、アンモニウム塩、尿素が好ましく、アンモニウム塩がより好ましい。窒素源の添加量としては、例えば、窒素添加量として1~50mMを挙げることができる。窒素源の添加量は、窒素添加量として5~40mMが好ましく、10~30mMがより好ましい。リン源としては、リン酸塩(リン酸二水素カリウム等)が挙げられる。リン源の添加量としては、リン添加量として0.1~10mMを挙げることができる、リン源の添加量は、リン添加量として0.5~5mMが好ましく、1~3mMがより好ましい。本実施形態の藻類は、酸性温泉排水を用いた培地で培養することもできるため、酸性温泉排水の有効利用が可能であり、且つ低コストで培養することができる。 本実施形態の藻類が、ガルデリア属に属する藻類である場合、上記の窒素源としては、アンモニア塩、尿素が好ましく、アンモニア塩がより好ましい。本実施形態の藻類が、シアニジウム属に属する藻類である場合、上記の窒素源としては、アンモニア塩、硝酸塩が好ましく、アンモニア塩がより好ましい。
【0089】 培養条件としては、上記「[イデユコゴメ綱(Cyanidiophyceae)に属する藻類]」又は「[2倍体の細胞形態と1倍体の細胞形態とを有する藻類]」に挙げた培養条件が挙げられる。具体的には、pH条件としては、pH1.0~6.0を例示することができ、pH1.0~5.0が好ましい。また、温度条件としては15~50℃を例示することができ、30~50℃が好ましい。培地は、上記「[イデユコゴメ綱(Cyanidiophyceae)に属する藻類]」又は「[2倍体の細胞形態と1倍体の細胞形態とを有する藻類]」で挙げた培地が例示され、中でも、酸性温泉排水を用いた培地が好ましい。酸性温泉排水を用いた培地の具体例としては、塚原鉱泉培地(Hirooka et al. 2016 Front in Microbiology)が挙げられる。