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明細書 :有機光学材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 令和2年10月1日(2020.10.1)
発明の名称または考案の名称 有機光学材料
国際特許分類 C09K  11/06        (2006.01)
C07D 213/30        (2006.01)
C07D 219/06        (2006.01)
C07D 233/58        (2006.01)
C07D 209/48        (2006.01)
C07D 275/06        (2006.01)
C07D 277/22        (2006.01)
FI C09K 11/06 660
C07D 213/30
C07D 219/06
C07D 233/58
C07D 209/48
C07D 275/06
C07D 277/22
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 67
出願番号 特願2019-537712 (P2019-537712)
国際出願番号 PCT/JP2018/031419
国際公開番号 WO2019/039597
国際出願日 平成30年8月24日(2018.8.24)
国際公開日 平成31年2月28日(2019.2.28)
優先権出願番号 2017161912
2018037356
優先日 平成29年8月25日(2017.8.25)
平成30年3月2日(2018.3.2)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LR , LS , MW , MZ , NA , RW , SD , SL , ST , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , RU , TJ , TM) , EP(AL , AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , MK , MT , NL , NO , PL , PT , RO , RS , SE , SI , SK , SM , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , KM , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AO , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BH , BN , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CL , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DJ , DK , DM , DO , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IR , IS , JO , JP , KE , KG , KH , KN , KP , KR , KW , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LU , LY , MA , MD , ME , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PA , PE , PG , PH , PL , PT , QA , RO , RS , RU , RW , SA , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , ST , SV , SY , TH , TJ , TM , TN , TR , TT
発明者または考案者 【氏名】國信 洋一郎
【氏名】金井 求
【氏名】山川 健司
【氏名】吉越 裕介
【氏名】王 子嘉
【氏名】永島 英夫
【氏名】田原 淳士
出願人 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4C033
4C055
4C204
Fターム 4C033AA03
4C033AD00
4C055AA01
4C055BA01
4C055CA01
4C055DA08
4C055DA17
4C055DB02
4C204CB04
4C204EB03
4C204FB01
4C204GB28
要約 固体状態でも発光する新たなドナーアクセプター型化合物の提供。
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、当該最大吸収波長の値の5%以上に相当する値のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
特許請求の範囲 【請求項1】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、当該最大吸収波長の値の5%以上に相当する値のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項2】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、当該最大吸収波長の値の5%以上に相当する値であるストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項3】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、15nm以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項4】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、15nm以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項5】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、1.5×103cm-1以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項6】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、前記共役分子と前記プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記複合体を形成した際に、最大吸収波長から長波長側に、1.5×103cm-1以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
【請求項7】
前記複合体が、次の一般式(1a)で表される複合体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1a)
(式中、Wは、(A)l、(B)m及び(C)nからなる共役系分子を示し、Aは同一又は異なり、電子供与性部位を示し、Bは同一又は異なり、共役系部位を示し、Cは同一又は異なり、電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l及びnは1~6の数を示し、mは0~6の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項8】
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよいこと、を示す請求項7記載の有機光学材料。
【請求項9】
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の置換基で連結されていてもよい、を示す請求項7記載の有機光学材料。
【請求項10】
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項11】
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項12】
Bは同一又は異なり、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、これら置換基の少なくとも一つの置換基とフェニレン基とが結合してなる置換基、又は、それらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項13】
Bは同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項14】
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項15】
Cは同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基を示すことを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項16】
Xが、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項17】
Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートであることを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項18】
Xが、ブレンステッド酸であることを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項19】
ブレンステッド酸が、プロトンを失うまたは供与することができる物質であることを特徴とする請求項18記載の有機光学材料。
【請求項20】
Xが、ルイス酸であることを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項21】
Xが、ハロゲン結合ドナーであることを特徴とする請求項7記載の有機光学材料。
【請求項22】
前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2-(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、Aは電子供与性部位を示し、Bは共役系部位を示し、Cは電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l1及びn1は1を示し、m1は0~2の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~2の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項23】
前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基、
で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0~3の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~3の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項24】
前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、ジエチルアミノ基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は、2価の置換で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0を示し、l2及びn2は1を示し、m2及びm3は0を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項25】
Wは、Aが同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基であり;
Bが同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基であり;
Cが同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基であり;
lが1、2若しくは3であり、nが1若しくは2であり、mが0若しくは1である共役系分子を示し;かつ、
Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、又は、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートを示し;かつ、
CとXとが非共有結合している複合体であることを特徴とする請求項7に記載の有機光学材料。
【請求項26】
蛍光発光組成物、蛍光塗料組成物、波長変換部材組成物、有機EL部材組成物、有機レーザ部材組成物、有機トランジスタ部材組成物、有機太陽電池部材組成物、及び化学センサ部材組成物からなる組成物群から選ばれる光学組成物に含まれる光学材料として請求項1~25のいずれか1項記載の有機光学材料の使用。
【請求項27】
請求項1~25のいずれか1項記載の有機光学材料を2種以上、又は、他の有機光学材料と混合してなることを特徴とする混合物。
【請求項28】
請求項1~25のいずれか1項記載の有機光学材料を1種又は2種以上、又は、当該有機光学材料の1種又は2種以上と他の有機光学材料との混合物を用いることを特徴とする発光色調の調整方法。
【請求項29】
(1)同一分子内に、少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位と、(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成したπ共役系化合物複合体であって、前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有していない複合体。
【請求項30】
次の一般式(1a)で表される複合体であることを特徴とする請求項29記載の複合体。
W:X ・・・・・(1a)
(式中、Wは、(A)l、(B)m及び(C)nからなる共役系分子を示し、Aは同一又は異なり、電子供与性部位を示し、Bは同一又は異なり、共役系部位を示し、Cは同一又は異なり、電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l及びnは1~6の数を示し、mは0~6の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項31】
次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項30記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、Aは電子供与性部位を示し、Bは共役系部位を示し、Cは電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l1及びn1は1を示し、m1は0~2の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~2の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項32】
次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項30記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基、
で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0~3の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~3の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
【請求項33】
次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする請求項30記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1または(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1または(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、ジエチルアミノ基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、これらの基は、2価の置換基で連結されていてもよい、を示し、
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し、
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0を示し、l2及びn2は1を示し、m2及びm3は0を示し、CとXとが非共有結合している。)

【請求項34】
請求項29~33のいずれか1項記載の複合体を含む蛍光剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液状態のみならず、固体状態においても強く発光する複合体及び有機光学材料に関する。
【背景技術】
【0002】
発光性有機化合物は、生体標識材料、有機エレクトロニクス材料、化学センサ、及び有機レーザなど幅広い分野で用いられており、新たな発光性材料の開発研究が盛んに行われている。とりわけX線や紫外線、又は可視光線の照射により発光する蛍光性有機化合物は上記の用途のほか有機蛍光塗料などにも利用可能である。
しかしながら、一般に発光性有機材料として用いられる分子は強固で平面性の高い分子が多いことから、溶液中では分子同士の接触や相互の干渉が少なく強く発光するものの、結晶状態などの固体状態では放出される電磁波のエネルギーが近傍の平面分子の影響を受けて減衰し、発光効率が著しく低下してしまう場合が多い。発光性有機材料は、アプリケーション上、固体状態で用いられる場合もあることから、溶液のみならず固体状態でも強い発光を示す材料の開発は重要な課題である。
【0003】
多くのドナーアクセプター型化合物が報告され、多様な特性を示すことが知られている。
特許文献1には、溶液状態のみならず固体状態であっても高い発光効率を有する含窒素芳香環を含む蛍光発光化合物が開示されている。
非特許文献1には、いわゆるドナーアクセプター型の化合物であって両者が共役をしている化合物に対して、塩酸、トリフロロ酢酸、三臭化ホウ素を活性化剤として作用させて蛍光波長が制御できる旨記載されている。
非特許文献2には、ジメチルアミノ基とピリジン環とからなる化合物にホウ素含有化合物を作用させて各種解析を行い、ピリジン環の窒素原子とホウ素原子とが作用することによって双極子モーメントが増大していることを見出しているが、蛍光波長に関する影響については開示されていない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第2014/132704号
【0005】

【非特許文献1】Chem. Sci. 2014, 4, 3288
【非特許文献2】Chem. Mater. 1998, 10, 1355
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、固体状態でも発光する新たなドナーアクセプター型有機光学材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、π共役系の化合物であって、ドナーとして作用する電子供与性部位とアクセプターとして作用する電子受容性部位を含む化合物に、ブレンステッド酸、ルイス酸、ハロゲン結合架橋構造を生成する物質等のプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を反応させたところ、非共有結合性相互作用により、電子受容性部位における複合体が容易に生成し、当該複合体が溶液状態のみならず、固体状態でも発光し、有機光学材料として有用であることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔66〕を提供するものである。
【0009】
〔1〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、当該最大吸収波長の値の5%以上に相当する値のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔2〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、当該最大吸収波長の値の5%以上に相当する値であるストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔3〕さらに、固体状態において280nm~400nmの範囲にある少なくとも一つの励起波長によって、蛍光量子収率が0.01以上の値を示す光を発する性質を有する〔1〕又は〔2〕記載の有機光学材料。
〔4〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、15nm以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔5〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、15nm以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔6〕さらに、固体状態において280nm~400nmの範囲にある少なくとも一つの励起波長によって、蛍光量子収率が0.01以上の値を示す光を発する性質を有する〔4〕又は〔5〕記載の有機光学材料。
〔7〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、1.5×103cm-1以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔8〕(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、前記電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成してなる有機光学材料であって、
前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しておらず、かつ、前記複合体が常温で固体であり、最大吸収波長から長波長側に、1.5×103cm-1以上のストークスシフトを生じる最大蛍光波長を有する光を発する性質を有することを特徴とする有機光学材料。
〔9〕さらに、固体状態において280nm~400nmの範囲にある少なくとも一つの励起波長によって、蛍光量子収率が0.01以上の値を示す光を発する性質を有する〔7〕又は〔8〕記載の有機光学材料。
〔10〕前記複合体が、次の一般式(1a)で表される複合体であることを特徴とする〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1a)
(式中、Wは、組成式(A)l、(B)m及び(C)nで表される共役系分子を示し、Aは同一又は異なり、電子供与性部位を示し、Bは同一又は異なり、共役系部位を示し、Cは同一又は異なり、電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l及びnは1~6の数を示し、mは0~6の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔11〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよいこと、を示す〔10〕記載の有機光学材料。
〔12〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の置換基で連結されていてもよい、を示す〔10〕記載の有機光学材料。
〔13〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔14〕Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔15〕Bは同一又は異なり、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、これら置換基の少なくとも一つの置換基とフェニレン基とが結合してなる置換基、又は、それらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔16〕Bは同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔17〕Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔18〕Cは同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基を示すことを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔19〕Xが、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物であることを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔20〕Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートであることを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔21〕Xが、ブレンステッド酸であることを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔22〕ブレンステッド酸が、プロトンを失うまたは供与することができる物質であることを特徴とする〔21〕記載の有機光学材料。
〔23〕ブレンステッド酸が、
(1)カルボン酸、
(2)スルホン酸、
(3)ホスホン酸又は、
(4)ホスフィン酸
であることを特徴とする〔21〕記載の有機光学材料。
〔24〕Xが、ルイス酸であることを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔25〕ルイス酸が、トリフルオロボラン、トリブロモボラン、トリフェニルボラン、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(ピロリジノ)ボラン、トリス(2,4,6,-トリメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、アルピンボラン、AlCl3、FeCl3、FeBr3、ZnCl2、InCl3、TiCl4、又は、金属トリフラート塩である(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)ことを特徴とする〔24〕記載の有機光学材料。
〔26〕Xが、ハロゲン結合ドナーであることを特徴とする〔10〕記載の有機光学材料。
〔27〕ハロゲン結合ドナーが、電子対を受け入れる空軌道を有しかつ他の化合物から不対電子を受け入れることができるハロゲンカチオンを失うまたは供与することができるハロゲン化物であることを特徴とする〔26〕記載の有機光学材料。
〔28〕ハロゲン化物が、置換されていてもよいベンゾ(ジ)カルボキシイミドハロゲン化物、置換1,3-ジアゾール-2-イルハロゲン化物、置換されていてもよいチアゾールハロゲン化物、フェニルハロゲン化物、ペンタフルオロフェニルハロゲン化物、又は、ハロゲン原子とそれよりも電気陰性度の低い元素との無機化合物であることを特徴とする〔27〕記載の有機光学材料。
〔29〕ハロゲン化物が、パーフルオロヨードベンゼン、ハロゲン分子、ハロゲンカチオン、パーフルオロヨードアルカン、N-ハロゲノジカルボン酸イミド、1,2,3-トリアゾリニウム-5-ハライド、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートであることを特徴とする〔27〕記載の有機光学材料。
〔30〕前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2-(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、Aは電子供与性部位を示し、Bは共役系部位を示し、Cは電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l1及びn1は1を示し、m1は0~2の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~2の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔31〕前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基、
で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0~3の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~3の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔32〕前記複合体が、次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の有機光学材料。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、ジエチルアミノ基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は、2価の置換で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0を示し、l2及びn2は1を示し、m2及びm3は0を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔33〕Wは、Aが同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基であり;
Bが同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基であり;
Cが同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基であり;
lが1、2若しくは3であり、nが1若しくは2であり、mが0若しくは1である共役系分子を示し;かつ、
Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、又は、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートを示し;かつ、
CとXとが非共有結合している複合体であることを特徴とする〔10〕に記載の有機光学材料。
〔34〕Bで示される、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位が、カルボニル基若しくはカルボニルオキソ基を有する芳香族炭化水素化合物、又は、カルボニル基若しくはカルボニルオキソ基を有する芳香族複素環式化合物であることを特徴とする〔13〕記載の有機光学材料。
〔35〕蛍光発光組成物、蛍光塗料組成物、波長変換部材組成物、有機EL部材組成物、有機レーザ部材組成物、有機トランジスタ部材組成物、有機太陽電池部材組成物、及び化学センサ部材組成物からなる組成物群から選ばれる光学組成物に含まれる光学材料として〔1〕~〔34〕のいずれかに記載の有機光学材料の使用。
〔36〕〔1〕~〔35〕のいずれかに記載の有機光学材料を2種以上、又は、他の有機光学材料と混合してなることを特徴とする混合物。
〔37〕〔1〕~〔34〕のいずれかに記載の有機光学材料を1種又は2種以上、又は、当該有機光学材料の1種又は2種以上と他の有機光学材料との混合物を用いることを特徴とする発光色調の調整方法。
〔38〕同一分子内に電子供与性部位及び電子受容性部位を有する共役系分子と、プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成したπ共役系化合物複合体であって、前記共役系分子がその分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有していない複合体。
〔39〕次の一般式(1a)で表される複合体であることを特徴とする〔38〕記載の複合体。
W:X ・・・・・(1a)
(式中、Wは、組成式(A)l、(B)m及び(C)nで表される共役系分子を示し、Aは同一又は異なり、電子供与性部位を示し、Bは同一又は異なり、共役系部位を示し、Cは同一又は異なり、電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l及びnは1~6の数を示し、mは0~6の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔40〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示す〔39〕記載の複合体。
〔41〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の置換基で連結されていてもよく、を示す〔39〕記載の複合体。
〔42〕Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔43〕Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔44〕Bは同一又は異なり、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、これら置換基の少なくとも一つの置換基とフェニレン基とが結合してなる置換基、又は、それらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔45〕Bは同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔46〕Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔47〕Cは同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基を示すことを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔48〕Xが、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔49〕Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートであることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔50〕Xが、ブレンステッド酸であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔51〕ブレンステッド酸が、プロトンを失うまたは供与することができる物質であることを特徴とする〔50〕記載の複合体。
〔52〕ブレンステッド酸が、
(1)カルボン酸、
(2)スルホン酸、
(3)ホスホン酸又は
(4)ホスフィン酸
であることを特徴とする〔49〕記載の複合体。
〔53〕Xが、ルイス酸であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔54〕ルイス酸が、トリフルオロボラン、トリブロモボラン、トリフェニルボラン、トリス(ジメチルアミノ)ボラン、トリス(ピロリジノ)ボラン、トリス(2,4,6,-トリメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、アルピンボラン、AlCl3、FeCl3、FeBr3、ZnCl2、InCl3、TiCl4、又は、金属トリフラート塩である(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)ことを特徴とする〔53〕記載の複合体。
〔55〕Xが、ハロゲン結合ドナーであることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔56〕ハロゲン結合ドナーが、電子対を受け入れる空軌道を有しかつ他の化合物から不対電子を受け入れることができるハロゲンカチオンを失うまたは供与することができるハロゲン化物であることを特徴とする〔55〕記載の複合体。
〔57〕ハロゲン化物が、置換されていてもよいベンゾ(ジ)カルボキシイミドハロゲン化物、置換1,3-ジアゾール-2-イルハロゲン化物、置換されていてもよいチアゾールハロゲン化物、フェニルハロゲン化物、ペンタフルオロフェニルハロゲン化物、又は、ハロゲン原子とそれよりも電気陰性度の低い元素との無機化合物であることを特徴とする〔56〕記載の複合体。
〔58〕ハロゲン化物が、パーフルオロヨードベンゼン、ハロゲン分子、ハロゲンカチオン、パーフルオロヨードアルカン、N-ハロゲノジカルボン酸イミド、1,2,3-トリアゾリニウム-5-ハライド、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートであることを特徴とする〔57〕記載の複合体。
〔59〕次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、Aは電子供与性部位を示し、Bは共役系部位を示し、Cは電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l1及びn1は1を示し、m1は0~2の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~2の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔60〕次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基、
で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0~3の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~3の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔61〕次の一般式(1b)で表される複合体であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1または(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1または(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、ジエチルアミノ基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、これらの基は、2価の置換基で連結されていてもよい、を示し、
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し、
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0を示し、l2及びn2は1を示し、m2及びm3は0を示し、CとXとが非共有結合している。)
〔62〕Wは、Aが同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基であり;
Bが同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基であり;
Cが同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基であり;
lが1、2若しくは3であり、nが1若しくは2であり、mが0若しくは1である共役系分子を示し;かつ、
Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、又は、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートを示し、かつ、
CとXとが非共有結合している複合体であることを特徴とする〔39〕記載の複合体。
〔63〕Bで示される、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位が、カルボニル基若しくはカルボニルオキソ基を有する芳香族炭化水素化合物、又は、カルボニル基若しくはカルボニルオキソ基を有する芳香族複素環式化合物であることを特徴とする〔43〕記載の複合体。
〔64〕Wで表されるπ共役系分子が、次の一般式(2)
(化1)
1-(-C(R2)-C(R3)-)p-Py・・・(2)
(式中、R1は水酸基、アルコキシ基、シロキシ基、又は水酸基、アルコキシ基及びシロキシ基から選ばれる1~6個が置換していてもよい、炭素数6~14の芳香族炭化水素基(式(1)中のXがBF3もしくはB(C653のとき、p-メトキシフェニル基もしくはp-ジメチルアミノフェニル基ではない)を示し、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、R2とR3が一緒になって炭素数6~14の芳香族炭化水素基を形成してもよく、Pyは置換基を有していてもよい1~3個の環構成窒素原子を有する単環又は多環式芳香族基を示し、pは0~3の数を示す。)
で表される化合物である〔39〕記載の複合体。
〔65〕Wで表されるπ共役系分子が、次の一般式(3)
(化2)
1-(-C(CN)-C(CN)-)p-R1・・・(3)
(式中、R1は水酸基、アルコキシ基、シロキシ基、又は水酸基、アルコキシ基及びシロキシ基から選ばれる1~6個が置換していてもよい、炭素数6~14の芳香族炭化水素基を示し、pは0~3の数を示す。)
で表される化合物である〔39〕記載の複合体。
〔66〕〔39〕~〔65〕のいずれかに記載の複合体を含む蛍光剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の複合体は、溶液状態のみならず、固体状態でも強い発光をする。複雑な構造でなく、同一分子内に電子供与性部位と電子受容性部位を有する共役系化合物に、ブレンステッド酸等の化合物を反応させるだけで容易に蛍光強度の強い複合体が得られる。複合体にした化合物は、複合体を形成する前の共役分子と比較して、最大発光波長が長くなり、蛍光量子収率も高く、かつ蛍光寿命が延長される。従って、本発明の複合体は、蛍光発光組成物、蛍光塗料組成物、波長変換部材組成物、有機EL部材組成物、有機トランジスタ部材組成物、有機太陽電池部材組成物、化学センサ、及び、有機レーザ部材組成物からなる組成物群から選ばれる光学組成物に含まれる有機光学材料として有用である。
本発明において有機光学材料とは、光を受けて材料を構成する電子のエネルギー準位が変換されることを利用する材料全般を示す。そのような材料は、光を受けて機能を発揮し、例えば、着色したり、蛍光を発するところから具体的には、有機EL、有機固体レーザ、有機非線形光学材料、インキ等として用いることができるほか、有機太陽電池、有機固体センサなどに用いることができる。更に、光作動性の電子輸送層、有機導波路、ダイオード、トランジスタなどの光電子材料に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図2】実施例8で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図3】実施例13で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図4】実施例2で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図5】実施例9で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図6】実施例11で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図7】実施例14で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図8】実施例3で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図9】実施例10で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図10】実施例12で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図11】実施例15で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図12】実施例7で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図13】実施例16で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図14】実施例17で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図15】実施例18で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図16】実施例19で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図17】実施例20で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図18】実施例21で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図19】実施例22で得られた化合物の発光スペクトルを示す。
【図20】実施例1及び8で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図21】実施例1及び13で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図22】実施例2及び9で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図23】実施例2及び11で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図24】実施例2及び14で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図25】実施例10及び15で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図26】実施例3及び12で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図27】実施例3及び15で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図28】実施例7及び16で得られた化合物の溶液中での発光スペクトルを示す。
【図29】実施例17で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図30】実施例18で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図31】実施例19で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図32】実施例20で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図33】実施例21で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図34】実施例22で得られた化合物の溶媒中での発光スペクトルを示す。
【図35】(a)2,3-ビス(4-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)フマロニトリル (b)2,3-ビス(4-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)フマロニトリルと、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン。複合体形成前(a)および複合体形成後(b)についてのX線構造解析により求められた結晶構造を、モデル的に2分子が会合している状態を、二重結合を横から見た場合の図である。ただし、簡略化のために水素原子を省略した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の複合体は、(1)同一分子内に(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子と、(2)プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが電子受容性部位において非共有結合性相互作用をもつ複合体を形成したπ共役系化合物複合体である。
ただし、前記共役系分子は、その分子内に、炭素原子と炭素原子との間の脂肪族二重結合を構成する一方の炭素原子上に一つの水素原子と一つのジ置換アミノ基との両者を同時に有しているものを含まないことが本発明の有機光学材料としては好ましい。

【0013】
本発明の複合体は、常温で個体である。ここで常温とは、5~35℃の範囲をいう。

【0014】
前記複合体は、固体状態においても、複合体を形成する前の共役分子と比較して、最大吸収波長から長波長側に、1つまたは複数の長波長シフト、いわゆるストークスシフトが観測される。ストークスシフトを、蛍光波長(nm)-最大吸収波長(≒励起波長)(nm)として表した場合、その大きさは、15nm以上、好ましくは30nm以上、より好ましくは60nm以上である。また、ストークシストの大きさ(nm)を蛍光波長(nm)に対する大きさで表し場合、その大きさは当該最大吸収波長の値の5%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。さらに、、さらに、ストークスシフトとは本来はエネルギー差であり、波数の関数であるため、通常は波数表記すべきとの考えからは、(1/蛍光波長)(cm-1)-(1/最大吸収波長)(cm-1)の大きさで表され、そのストークスシフトは、1.5×103cm-1以上であり、好ましくは3.0×103cm-1以上であり、より好ましくは4.5×103cm-1以上である。なお、固体状態において蛍光を観測することが困難な場合は、溶液として測定することが代用できる。
ここで、前記ストークスシフトは、280nm~400nmの範囲の少なくとも一つの励起波長の光によって生じる。
従って、本発明の複合体は、光を受けて材料を構成する電子のエネルギー準位が変換される化学現象を利用する種々の有機発光材料として有用である。
前記複合体は、固体状態において280nm~400nmの範囲にある少なくとも一つの励起波長によって、蛍光量子収率が0.01以上であり、好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.15%以上である。

【0015】
(1)同一分子内に、(a)少なくとも一つ以上の電子供与性部位、(b)少なくとも一つ以上の電子受容性部位、及び(c)少なくとも一つ以上の共役系部位を有する共役系分子は、原則的には、共役π結合分子であって、少なくとも一つ以上の電子供与性部位と少なくとも一つ以上の電子受容性部位とを有する化合物である。本発明の電子供与性部位と電子受容性部位は、一つのπ共役系を形成しており、2つの部位はπ共役系構造によりブリッジされていても良い。電子供与性部位と電子受容性部位とは直接結合していても良い。
本発明の複合体の一部を構成する共役系分子は、公知の手法および後述の実施例等に準じて製造すれば良い。

【0016】
本発明の「電子受容性部位」とは、プロトン供与性または電子受容性を有する化合物がその部位に直接作用することにより非共有結合性の複合体が形成する部位をいう。本発明において、このような形で供与される電子はπ共鳴構造に参加していた電子であり、非共有結合性複合体が形成された状態で分子全体に電子密度に片寄りが生じる場合がある。また、電子受容部位が化学構造の一部に局在的に存在する場合は、その周囲の構造から電子が供与される構造を取っていてもよい。

【0017】
このように、例えば芳香族炭化水素や芳香族複素環は、共役系であるとともに電子供与性部位にも電子受容性部位にもなり得るので、本発明の複合体及び有機光学材料は、例えば次の一般式(1a)で表される化合物が好ましい。

【0018】
W:X ・・・・・(1a)
(式中、Wは(A)l、(B)m及び(C)nからなる共役系分子を示し、Aは同一又は異なり、電子供与性部位を示し、Bは同一又は異なり、共役系部位を示し、Cは同一又は異なり、電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l及びnは1~6の数を示し、mは0~6の数を示し、CとXとが非共有結合している。)

【0019】
一般式(1a)中のWは、(A)l、(B)m及び(C)nからなる共役系分子である。このWは、A、B、Cの組成がl:m:nとしていわゆる化学組成式として記載される場合もあるが、(A)l-(B)m-(C)nと化学構造を表している場合もある。さらに具体的には、

【0020】
【化1】
JP2019039597A1_000002t.gif

【0021】
という場合を例示することができる。

【0022】
電子供与部位(A)は、同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい。

【0023】
アルコキシ基としては、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数2~8の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基が挙げられる。具体的には、ビニル基、プロペニル基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、トリアルキルシリルオキシ基、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基等が挙げられる。

【0024】
モノ置換アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等が挙げられ、具体的にはメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。ジ置換アミノ基としては、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられ、具体的にはジメチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。

【0025】
1価又は2価の芳香族炭化水素基及び1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、フェニレン基、インデン環式基、ナフチル基、ナフタレン環式基、フェニルフェニレン基(ビフェニル基)、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基等が挙げられる。

【0026】
1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基及び1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基としては、ピロール環式基、フラン環式基、チオフェン環式基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ジアゾール環式基、トリアゾール環式基、ピリミジン環式基、ピラジン環式基、ピペリジン環式基、ピペラジン環式基、ベンゾオキサゾール環式基、ベンゾチアゾール環式基、インドール環式基、キノリン環式基、イソキノリン環式基、ベンゾチアジアゾール環式基、ポルフィリン環式基等が挙げられる。

【0027】
前記の電子供与性の基には、少なくとも一つ以上の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子など)で置換されていてもよく、その置換基は電子供与性基であるのが好ましい。また、これらの基が複数存在するときは、それらの基は2価の原子(例えば、酸素原子、硫黄原子)又は2価の置換基(例えばメチレン、ビニレン)で連結されていてもよい。

【0028】
Aとしては、同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の置換基で連結されていてもよい、を示すことが好ましい。

【0029】
Aとしては、同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことがより好ましい。
一般式(1a)中、共役部位(B)は、同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示すのが好ましい。
Bは、同一又は異なり、アルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、これら置換基の少なくとも一つの置換基とフェニレン基とが結合してなる置換基、又は、それらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基を示すことが好ましい。

【0030】
Bは、同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基を示すのがより好ましい。より具体的には、フェニレン、ビフェニレン、ビニレン、1,3-ブタジエニレン、アセチレン、1,3-ジアセチレン、シリレン、ナイトレン、ナフチレン、ピレニレン、ペリレニレン、チオフェニレン、ビチオフェニレンが挙げられる。当該π共役系部位は、電子供与性部位又は電子受容性部位に、芳香族炭化水素基、窒素含有芳香族基等の共役系を有する場合には、存在しなくてもよい。すなわち、一般式(1a)中のmは0であってもよい。

【0031】
電子受容性部位(C)は、同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン[R-N(:):]、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基であるのが好ましい。

【0032】
また、Cは、同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基を示すのが好ましい。

【0033】
Wの形態としては、次の一般式(1b)で表される複合体であることが好ましい。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2-(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、Aは電子供与性部位を示し、Bは共役系部位を示し、Cは電子受容性部位を示し、:は非共有結合性相互作用を示し、Xはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物を示し、l1及びn1は1を示し、m1は0~2の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~2の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)

【0034】
Wで表されるπ共役系分子としては、次の一般式(2)
(化1)
1-(-C(R2)-C(R3)-)p-Py・・・(2)
(式中、R1は水酸基、アルコキシ基、シロキシ基、又は水酸基、アルコキシ基及びシロキシ基から選ばれる1~6個が置換していてもよい、炭素数6~14の芳香族炭化水素基(式(1)中のXがBF3もしくはB(C653のとき、p-メトキシフェニル基もしくはp-ジメチルアミノフェニル基ではない)を示し、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、R2とR3が一緒になって炭素数6~14の芳香族炭化水素基を形成してもよく、Pyは置換基を有していてもよい1~3個の環構成窒素原子を有する単環又は多環式芳香族基を示し、pは0~3の数を示す。)
で表される化合物であるのが好ましい。

【0035】
また、W表されるπ共役系分子が、次の一般式(3)
(化2)
1-(-C(CN)-C(CN)-)p-R1・・・(3)
(式中、R1は水酸基、アルコキシ基、シロキシ基、又は水酸基、アルコキシ基及びシロキシ基から選ばれる1~6個が置換していてもよい、炭素数6~14の芳香族炭化水素基を示し、pは0~3の数を示す。)
で表される化合物であるのが好ましい。

【0036】
Wで表される共役系分子のうち、A-B-C型の化合物としては、

【0037】
【化2】
JP2019039597A1_000003t.gif

【0038】
などを挙げることが出来る。Cの部位にルイス酸類等と非共有結合性相互作用をすることによって、Aの電子供与部位からBのブリッジ部を通り電子が共鳴する構造を取り新たなπ共役系が生成する。

【0039】
A-C-C-A型化合物としては、以下の化合物が挙げられる。

【0040】
【化3】
JP2019039597A1_000004t.gif

【0041】
C-B-A-B-C型化合物としては、以下の化合物が挙げられる。

【0042】
【化4】
JP2019039597A1_000005t.gif

【0043】
上記の化合物の場合、ピリジン環がC、アルケニレン基がB、アニソールタイプのメトキシ基がパラ位に存在する部位がAであり、Aは、2つのB-Cをブリッジしていると考えられる構造を示している。

【0044】
A-C型の化合物としては、以下の化合物が挙げられる。

【0045】
【化5】
JP2019039597A1_000006t.gif

【0046】
【化6】
JP2019039597A1_000007t.gif

【0047】
としては、以下の化合物が挙げられる。

【0048】
【化7】
JP2019039597A1_000008t.gif

【0049】
上記の化合物の場合、ニトリル基がC、アルケニレン基がB、シロキシベンゼンがAということになるが、B部は2つのA、C部で共通の部位である。

【0050】
また、π共役系分子(W)としては、少なくとも水酸基、アルコキシ基及びシロキシ基から選ばれる1~6個が置換しており、構造中にカルボニル基、ラクトン環若しくはカルボン酸エステル構造を有する芳香族炭化水素化合物又は構造中にカルボニル基、ラクトン環若しくはカルボン酸エステル構造を有する芳香族複素環式化合物が挙げられる。構造中にカルボニル基、ラクトン環又はカルボン酸エステル構造を有する芳香族炭化水素化合物としては、ベンゾフェノン構造を有する化合物、キノイド構造を有する化合物、フラボン骨格を有する化合物、インジゴ構造を有する化合物、キナクリドン構造を有する化合物、メロシアニン構造を有する化合物、カルコン構造を有する化合物、オーロン構造を有する化合物が挙げられる。また構造中にカルボニル基、ラクトン環又はカルボン酸エステル構造を有する芳香族複素環式化合物としては、クマリン構造を有する化合物、フルオレセイン構造を有する化合物、ピコリン酸構造を有する化合物、ナイアシン構造を有する化合物、メラニン構造を有する化合物、フィコシアニン構造を有する化合物、グアニン構造を有する化合物、カフェイン構造をもつ化合物が挙げられる。
このような化合物として、以下の化合物が挙げられる。

【0051】
【化8】
JP2019039597A1_000009t.gif

【0052】
Xは、プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物であり、前記の電子受容性部位と非共有結合相互作用をする化合物であり、具体的にはブレンステッド酸、ルイス酸、ハロゲン結合ドナーが知られているが、本発明においては広く電子受容体であると言う。なお、本明細書において、ハロゲン結合ドナーをハロゲン供与体ということがある。
電子受容体は、電子対を受け入れ可能な空軌道を有し、前記Wで表されるπ共役系分子と相互作用して当該化合物から電子対を受け取り、複合体を形成する。電子受容体としては、ルイス酸のほか、カチオン種が挙げられる。カチオン種は、プロトンやハロゲンカチオンに代表される。通常、プロトンはブレンステッド酸により提供され、ハロゲンカチオンは、ハロゲン結合供与体により提供される。

【0053】
ハロゲンカチオンは電子対を受け入れる空軌道を有し、Wで表されるπ共役系分子と相互作用して電子対を受け入れ、複合体を形成することができる。さらに、詳細にそのメカニズムを検討すると、ハロゲンカチオンとして何らかの形で提供される場合を除き、以下の例で示すような3つのタイプに分類して考える事ができる。
(1)ハロゲン同士が結合した化合物I-Clの場合、電気陰性度の差が大きいためI(δ+)-Cl(δ-)に分極し、ヨウ素上に電子対を受け入れる空軌道が生じた状態となるためWで表されるπ共役系分子と複合体を形成する。
(2)I-C6F5は、Fの電気陰性度が大きいためベンゼン環上の電子密度が低くなり、ヨウ素上に存在する非共有電子対がベンゼン環上の電子密度を補てんするように動き、ヨウ素が正に強く分極した共鳴構造により安定化する。ヨウ素上には電子対を受け入れる空軌道が形成されるためWで表されるπ共役系分子と複合体を形成する。
(3)ヨードイミダゾリニウム塩の場合は、トリフルオロメタンスルホネートアニオンとイミダゾールカチオンが塩をつくることから安定であり、ヨウ素上に存在する非共有電子対が、イミダゾール環上の電子密度を補てんするように動き、ヨウ素が正に強く分極した共鳴構造により安定化する。ヨウ素上には電子対を受け入れる空軌道が形成されるためWで表されるπ共役系分子の不対電子と複合体を形成する。

【0054】
プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物Xは、π共役系分子Wと複合体を形成することにより有機光学材料としての効果を示す場合において、次のような効果を起こしている場合がある。たとえば、(1)本発明のXが、π共役系分子Wとの複合体の結晶において、立体障害などのために消光を伴うWの置換基のスタッキングや、その他蛍光を観測するには不適切な構造を取ることを防止する。(2)本発明のXは、π共役系分子Wとの複合体において、複合体を形成する前のWのHOMOとLUMPのエネルギー準位よりも、複合体形成をした後のWのHOMO/LUMOのエネルギー準位の差を小さくする。
本発明者らは、いかなる場合も上記(1)および/または(2)のメカニズムにより、特異な蛍光特性を示すと考えているわけではないが、本発明のπ共役系分子Wはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物Xと複合体にすることによって、HOMOとLUMOのギャップを小さくすることで、複合体を形成する前に比べて蛍光波長を長波長にシフトさせることができると考えている。すなわち、本発明のπ共役系分子Wはプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物Xにより蛍光波長を制御することが出来る。

【0055】
ブレンステッド酸としては、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸などを挙げることが出来る。酢酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、エチルスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2,4-ジニトロベンゼンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸等のスルホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、tert-ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸等のホスホン酸、ジメチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジイソオクチルホスフィン酸等のホスフィン酸等が挙げられる。

【0056】
ルイス酸としては、BF3、BBr3、B(NMe2)3、トリス(ピロリジノ)ボラン、トリス(メシチル)ボラン、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、アルピンボラン、トリフェニルボラン、B(C653、AlCl3、FeCl3、FeBr3、ZnCl2、InCl3、TiCl4、金属トリフラート塩が挙げられる。

【0057】
ハロゲン結合ドナーとしては、ハロゲン結合ドナー自身の構造により生じる空軌道にルイス塩基官能基の非共有電子対を受容することができる。具体的には、パーフルオロヨードベンゼン、ハロゲン分子、ハロゲンカチオン、パーフルオロヨードアルカン、N-ハロゲノジカルボン酸イミド、1,2,3-トリアゾリニウム-5-ハライド、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナート等が挙げられる。

【0058】
本発明複合体においては、共役系分子中の電子受容性部位とプロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物とが、非共有結合により結合している。例えば、シアノ基とルイス酸との配位結合、芳香族基中の窒素原子(例えばピリジン環中の窒素原子)とブレンステッド酸、ルイス酸、又はハロゲン結合ドナーとのイオン結合、配位結合等が挙げられる。

【0059】
なお、本発明の複合体には、p-CH3O-C65-CH=CH-C54NBF3、p-CH3O-C65-CH=CH-C54NB(C653、p-(CH32N-C65-CH=CH-C54NBF3及びp-(CH32N-C65-CH=CH-C54NB(C653は含まれない。

【0060】
本発明の複合体を形成するπ共役系分子の具体例を以下に示す。

【0061】
【化9】
JP2019039597A1_000010t.gif

【0062】
【化10】
JP2019039597A1_000011t.gif

【0063】
【化11】
JP2019039597A1_000012t.gif

【0064】
【化12】
JP2019039597A1_000013t.gif

【0065】
【化13】
JP2019039597A1_000014t.gif

【0066】
【化14】
JP2019039597A1_000015t.gif

【0067】
【化15】
JP2019039597A1_000016t.gif

【0068】
本発明の複合体における、A、B、C及びXの好ましい組み合わせは次のとおりである。

【0069】
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、アルコキシカルボニル基、1価又は2価の芳香族炭化水素基、1価又は2価の縮合多環芳香族炭化水素基、1価又は2価の飽和又は不飽和の複素環式基、1価又は2価の飽和又は不飽和の縮合多環複素環式基、又はこれらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は2価の原子若しくは2価の置換基で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基、
で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0~3の数を示し、l2及びn2は1を示し、m2は0~3の数を示し、m3は1の数を示し、CとXとが非共有結合している。)
次の一般式(1b)で表される複合体である。
W:X ・・・・・(1b)
(式中、Wは(A)l1-(B)m1-(C)n1、(C)n2-(B)m2- (A)l2 -(B)m3- (A)l1-(B)m1-(C)n1又は(A)n2-(B)m2- (C)l2 -(B)m3- (C)l1-(B)m1-(A)n1からなる共役系分子を示し、
Aは同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、シリルオキシ基、シリル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、ピロール基、フェニル基、フェニレン基、フェニルフェニレン基、アントラセン環式基、フェナントレン環式基、ナフタセン環式基、トリフェニレン環式基、ピレン環式基、クリセン環式基、ペリレン環式基、ジエチルアミノ基、オキサゾール環式基、チアゾール環式基、ポルフィリン環式基、ピペラジン環式基、アルコキシカルボニル基、又は、これらの基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、同一又は異なるこれらの基が複数存在するとき、それらの基は、2価の原子で連結されていてもよい、を示し;
Bは同一又は異なり、多重結合が炭素原子と炭素原子との間の単結合で連結している化学構造を含む共役系部位を示し;
Cは同一又は異なり、
(1)ハロゲン原子、又は、
(2)ニトロ基、フェニルアミノ基、カルベン、N-ヘテロ環状カルベン、シリレン、N-ヘテロ環状シリレン、ナイトレン、N-ヘテロ環状ナイトレン、BF2基、シアノ基、ピリジル基、ピリジンNオキシ基、アクリジン環式基、アクリジンNオキシ基、ジアゾ基、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、ジアゾール基、ベンゾジアゾール基、アミノ基、モノ置換アミノ基、ジ置換アミノ基、ピラジン環式基、フェナジン環式基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、芳香族複素環式基、縮合多環芳香族複素環式基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、又は、
(3)ホルミル基、カルボニル基、カルボジイミド基、ピロリドン環式基、ピリドン環式基、ホルミル基、キノン環式基、キノリン環式基、ナフトキノン環式基、アントラキノン環式基、ラクトン環式基、オキシカルボニル基、若しくは、これらの基上の炭素原子に結合する少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていても電子受容性を有する置換基、
を示し;
Xは、ブレンステッド酸、ルイス酸及びハロゲン結合ドナーから選ばれる化合物(但し、Xがトリフルオロボラン又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランであるとき、Wは、Aは4位にメトキシ基を有するフェニル基若しくは4位にジメチルアミノ基を有するフェニル基であり、かつ、Bが-CH=CH-若しくは-C≡C-であり、かつ、mは0若しくは1であり、かつ、Cがピリジン基である、共役系分子ではない。)を示し、
l1及びn1は1を示し、m1は0を示し、l2及びn2は1を示し、m2及びm3は0を示し、CとXとが非共有結合している。)

【0070】
上記一般式(b)において、Wは、Aが同一又は異なり、水酸基、アルコキシ基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルキル基で置換されていてもよいシリルオキシ基、水酸基で置換されていてもよいフェニル基、フェニルフェニレン基、又は、芳香族炭化水素基の少なくとも一つ以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい電子供与性を有する置換基であり;
Bが同一又は異なり、アルケニレン基、又は、ジフェニレン置換されていてもよいビニレン基であり;
Cが同一又は異なり、シアノ基、ピリジル基、アクリジン環式基、又は、ラクトン環式基であり;
lが1、2若しくは3であり、nが1若しくは2であり、mが0若しくは1である共役系分子を示し;かつ、
Xが、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフェニルボラン、N,N-ジアルキルイミダゾリニウム-2-ハライド、又は、2-ハロゲノイソインドリル-1,3-ジオン、2-ハロゲノベンゾ〔d〕イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド、2-ハロゲノ-5-ニトロイソインドリル-1,3-ジオン、又は、2-ハロゲノ-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナートを示し、かつ、
CとXとが非共有結合している複合体。

【0071】
図35は、(a)2,3-ビス(4-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)フマロニトリル (b)2,3-ビス(4-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)フマロニトリルと、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの複合体のX線構造解析により求められた結晶のうち2分子が会合している状態を示す図である。複合体を形成する前の段階において、かさ高いOTIPS基により、ジシアノジフェニルアルケン骨格同士のスタッキングが抑制されている。複合体形成後においては、さらに、ルイス酸の立体障害によって二重結合どうしの距離が顕著に広がっている。ルイス酸は、複合体形成前のLUMOのエネルギー準位を複合体形成後のLUMOのエネルギー準位を押し下げる効果を有していると考えられ、可視光の吸収波長の長波長シフトが観測される。

【0072】
本発明の複合体は、固体でも消光することなく蛍光を発する。溶液中で蛍光を示す分子は、希薄溶液では光るが濃縮すると光らなくなる。これがいわゆる消光である。消光は、π共役系どうしが重なるように分子間で接近(H-会合)して、内部転換やエネルギー移動などの無輻射失活過程により起こる。すなわち、π共役系がH-会合でスタッキングすると光らなくなる。一方、分子の重なり方が少しずれたような状況(J-会合)になると、長波長シフトと発光が起こりうることが知られている。加えて、一般に、π共役系が長いほど、長波長での吸収が起こるため、より長波長での蛍光を発することが知られている。本発明の複合体においては、π共役系を長くすることで長波長の発光を示すが、下記の化合物は、固体の状態において特に顕著な変化を示すものである。

【0073】
【化16】
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【0074】
これらの化合物は、プロトン供与性又は電子対受容性を有する化合物Xとの複合体とすることによって直感的にπ共役系の共鳴構造に大きな変化はないと考えられるものである。しかし、ドナーのHOMOの分子軌道とアクセプターのLUMOの分子軌道とのエネルギー準位のギャップが小さくなることで長波長シフトするものと考えられる。

【0075】
本発明の複合体は、前記共役系化合物とブレンステッド酸、ルイス酸、又はハロゲン結合ドナーとを反応させることにより容易に製造することができる。反応は、塩化メチレン等の不活性溶媒中0℃~100℃で5分間~1時間撹拌するだけで十分である。

【0076】
得られた複合体はシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶などの通常の分離・精製操作により単離することができる。本明細書の実施例に本発明の複合体の製造方法を具体的に示したので、当業者はこの実施例を参照し、原料化合物及び反応条件を適宜選択することにより、本発明の複合体を容易に合成することができる。

【0077】
また、本発明は、1種又は2種以上、あるいは、当該有機光学材料の1種又は2種以上と他の有機光学材料との混合物を用いることを特徴とする発光色調の調整方法を提供する。本発明の混和可能な有機光学材料を1種または2種以上選択し、公知の粉砕、混練方法により混和することにより、新たな複合体組成物を得ることが出来る。本発明の有機光学材料の種類、混合比、などにより発光色調を調整することが出来る。また、複合体形成前の原料と複合体形成後の有機光学材料との組成物を用いても発光色調を調整することが出来る。

【0078】
本発明の複合体は溶液状態のみならず固体状態において強い蛍光を発する性質を有している。本明細書において「蛍光」という用語は、発光の一態様として、X線、紫外線、及び/又は可視光線が照射された際にそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、それが基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出する現象を意味しており、いかなる意味においても限定的に解釈してはならず、最も広義に解釈しなければならない。固体状態での蛍光測定は一般的には絶対PL量子収率測定装置C-9920-02(マルチチャンネル検出器 PMA-11、浜松ホトニクス株式会社)などを使用して行うことができるが、この特定の装置及び方法に限定されるわけではない。

【0079】
より具体的には、本発明の複合体は、固体状態において、複合体を形成する前の共役系分子と比較して、最大吸収波長から長波長側に、1つ又は複数の長波長シフト、いわゆるストークスシフトが観測され、その大きさは当該最大吸収波長の値の5%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上である。また、そのストークスシフトは、15nm以上、好ましくは30nm以上、より好ましくは60nm以上である。さらに、そのストークスシフトは、1.5×103cm-1以上であり、好ましくは4.5×103cm-1以上であり、より好ましくは3.0×103cm-1以上である。
ここで、前記ストークスシフトは、280nm~400nmの範囲の少なくとも一つの励起波長の光によって生じる。
従って、本発明の複合体は、光を受けて材料を構成する電子のエネルギー準位が変換されることを利用する種々の有機発光材料として有用である。
すなわち、本発明の複合体は、具体的には、有機EL、有機固体レーザ、有機非線形光学材料、インキ等として用いることができるほか、有機太陽電池、有機固体センサなどに用いることができる。更に、光作動性の電子輸送層、有機導波路、ダイオード、トランジスタなどの光電子材料に用いることもできる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【実施例】
【0081】
[実施例1](E)-4-(4-メトキシスチリル)ピリジン
【実施例】
【0082】
【化17】
JP2019039597A1_000018t.gif
【実施例】
【0083】
アルゴン雰囲気下で酢酸パラジウム(44.9mg、0.2mmol),トリフェニルホスフィン(52.5mg、0.2mmol)、4-ビニルピリジン(105.1mg、1.0mmol)、4-ヨードアニソール(245.7mg、1.05mmol)をトリエチルアミン(1.5mL)に加えた。得られた混合物を、115℃で14時間加熱撹拌した。反応混合物を室温に冷やした後、前記混合物を塩化メチレンを用いてシリカゲル上で濾過した。濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒としてヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=50:50:1を用いた)で精製し、さらに塩化メチレンとヘキサンとの混合溶媒にて再結晶することにより目的物を薄い黄色い固体として得た(147.9mg、70%)。
【実施例】
【0084】
[実施例2]4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピリジン
【実施例】
【0085】
【化18】
JP2019039597A1_000019t.gif
【実施例】
【0086】
アルゴン雰囲気下で酢酸パラジウム(11.2mg、0.05mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル(41.0mg、0.1mmol)、4-クロロピリジン塩酸塩(750mg、5.0mmol)、4-ビフェニルボロン酸(1.09g、5.5mmol)、およびリン酸三カリウム(3.18g、15.0mmol)を水(20mL)とアセトニトリル(5mL)の混合物に加えた。得られた混合物を、100℃で14時間加熱撹拌した。反応混合物を室温に冷やした後、水層を一回あたり30mLの塩化メチレンを用いて、合計3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて(展開溶媒として最初はヘキサン:酢酸エチル=1:1を用い、その後ヘキサン:酢酸エチル:塩化メチレン=3:7:2)精製し、さらに塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒にて再結晶した。得られた固体を塩化メチレンに溶かし、1Nの塩酸で抽出した。合わせた水層を水酸化ナトリウムで塩基性にし、水層を塩化メチレンにて抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥させることで目的物を白色固体として得た(630mg、55%)。
【実施例】
【0087】
[実施例3]9-メトキシアクリジン
【実施例】
【0088】
【化19】
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【実施例】
【0089】
アルゴン雰囲気下で9-クロロアクリジン(641mg、3.00mmol)をメタノール(10mL)に加えて溶解した。さらにその溶液にナトリウムメトキシドメタノール溶液(5.0M、1.8mL、9.0mmol)を加えた。得られた混合物を9時間加熱還流し撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、減圧下にて濃縮した。得られた残渣に対し、水(30mL)および塩化メチレン(30mL)を各々加えて、有機層と水層とに分離した。水層を一回あたり30mLの塩化メチレンを用いて、合計3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。固体を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて(展開溶媒として塩化メチレン:メタノール=20:1を用いた)精製することで目的物を薄い黄色の固体として得た(351mg、56%)。
【実施例】
【0090】
[実施例4]2-(4-(メトキシメトキシ)フェニル)アセトニトリル
【実施例】
【0091】
【化20】
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【実施例】
【0092】
アルゴン雰囲気下で4-ヒドロキシベンジルシアニド(4.0g、30mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)に加え、さらに水素化ナトリウム(60%流動パラフィンに分散させた粉末、1.44g、36mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を室温にて30分間撹拌した。その反応混合物に対してクロロメチルメチルエーテル(3.39mL、45.0mmol)を0℃にて加え、室温にて一時間撹拌した。反応混合物に対して水(20mL)を加え反応を停止させた。有機層と水層とに分離した後、水層を一回あたり20mLの塩化メチレンを用いて、合計3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮することにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにて(展開溶媒として最初はヘキサン:酢酸エチル=100:1、次にヘキサン:酢酸エチル=5:1、次にヘキサン:酢酸エチル=4:1、次にヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いた)精製することにより目的物を無色の液体として得た(4.80g、90%)。
【実施例】
【0093】
[実施例5]2,3-ビス(4-(メトキシメトキシ)フェニル)フマロニトリル
【実施例】
【0094】
【化21】
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【実施例】
【0095】
アルゴン雰囲気下で、2-(4-(メトキシメトキシ)フェニル)アセトニトリル(4.80g、27.0mmol)およびヨウ素(6.86g、27mmol)をジエチルエーテル(27mL)に加えた溶液に、ナトリウムメトキシドメタノール溶液(5.0M、11.3mL、56.7mmol)を-78℃で5分間かけて加えた。得られた混合物を室温にて二時間撹拌した。反応混合物をろ紙で濾過し、得られた固体を冷やした水とメタノールとの混合溶液(1:1)で洗浄し、続けて少量のジエチルエーテルにて洗浄することにより、目的物を薄い黄色い粉末として得た(3.23g、68%)。
【実施例】
【0096】
[実施例6]2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フマロニトリル
【実施例】
【0097】
【化22】
JP2019039597A1_000023t.gif
【実施例】
【0098】
アルゴン雰囲気下で、2,3-ビス(4-(メトキシメトキシ)フェニル)フマロニトリル(2.8g、8mmol)を塩化メチレン(24mL)に加えて溶解させた。さらに塩酸のメタノール溶液(5%、24mL)を加えた。得られた混合物を室温にて22時間撹拌した。反応混合物をろ紙で濾過し、得られた固体をジエチルエーテルで洗浄することにより目的物をオレンジ色の固体として得た(308mg)。濾液に析出した固体は、濾紙を用いて濾過することにより、さらに目的物をオレンジ色の固体として得た(866mg)。濾液を減圧下で濃縮することで析出する固体を少量のクロロホルムで洗浄することにより、さらに目的物をオレンジ色の固体として得た(804mg)。得られた固体の合計は1.98g、収率は94%であった。
【実施例】
【0099】
[実施例7]
【実施例】
【0100】
【化23】
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【実施例】
【0101】
アルゴン雰囲気下、2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フマロニトリル(1.05g、4mmol)、イミダゾール(953mg、14mmol)、およびトリイソプロピルシリルクロリド(2.31g、12mmol)を、塩化メチレン(40mL)に、0℃にて加えた。得られた混合物を、室温にて8時間撹拌した。反応混合物に対して水を加えて反応を停止させ、有機層と水層とに分離した。水層を一回あたり30mLの塩化メチレンを用いて、合計3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体を濾別した後、濾液を減圧下で濃縮するこおtにより、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲル上で濾過し、塩化メチレンとメタノールの混合溶媒を用いて再結晶することにより目的物を薄い緑色の固体として得た(1.82g、79%)。
【実施例】
【0102】
[実施例8]
【実施例】
【0103】
【化24】
JP2019039597A1_000025t.gif
【実施例】
【0104】
大気中で(E)-4-(4-メトキシスチリル)ピリジン(21.1mg、0.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(19.0mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0105】
[実施例9]
【実施例】
【0106】
【化25】
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【実施例】
【0107】
大気中で4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピリジン(23.1mg、0.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(19.0mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0108】
[実施例10]
【実施例】
【0109】
【化26】
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【実施例】
【0110】
大気中で9-メトキシアクリジン(20.9mg、0.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(19.0mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0111】
[実施例11]
【実施例】
【0112】
【化27】
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【実施例】
【0113】
大気中で4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピリジン(23.1mg、0.1mmol)およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた、得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を白い固体として得た。
【実施例】
【0114】
[実施例12]
【実施例】
【0115】
【化28】
JP2019039597A1_000029t.gif
【実施例】
【0116】
大気中で9-メトキシアクリジン(20.9mg、0.1mmol)およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0117】
[実施例13]
【実施例】
【0118】
【化29】
JP2019039597A1_000030t.gif
【実施例】
【0119】
大気中で(E)-4-(4-メトキシスチリル)ピリジン(21.1mg、0.1mmol)および2-ヨード-1,3-ジメチル-1H-イミダゾール-3-イウムトリフルオロメタンスルホネート(37.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0120】
[実施例14]
【実施例】
【0121】
【化30】
JP2019039597A1_000031t.gif
【実施例】
【0122】
大気中で4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)ピリジン(23.1mg、0.1mmol)および2-ヨード-1,3-ジメチル-1H-イミダゾール-3-イウムトリフルオロメタンスルホネート(37.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を白い固体として得た。
【実施例】
【0123】
[実施例15]
【実施例】
【0124】
【化31】
JP2019039597A1_000032t.gif
【実施例】
【0125】
大気中で9-メトキシアクリジン(20.9mg、0.1mmol)および2-ヨード-1,3-ジメチル-1H-イミダゾール-3-イウムトリフルオロメタンスルホネート(37.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて五分撹拌する。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0126】
[実施例16]
【実施例】
【0127】
【化32】
JP2019039597A1_000033t.gif
【実施例】
【0128】
大気中で2,3-ビス(4-((トリイソプロピルシリル)オキシ)フェニル)フマロニトリル(28.7mg、0.05mmol)およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51.2mg、0.1mmol)を塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて五分撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0129】
[実施例17]
【実施例】
【0130】
【化33】
JP2019039597A1_000034t.gif
【実施例】
【0131】
大気中で6,7-ジメトキシ-4-メチルクマリン(20.6mg、0.1mmol)およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51.2mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0132】
[実施例18]
【実施例】
【0133】
【化34】
JP2019039597A1_000035t.gif
【実施例】
【0134】
大気中でフルオレセイン(33.2mg、0.1mmol)およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(51.2mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0135】
[実施例19]
【実施例】
【0136】
【化35】
JP2019039597A1_000036t.gif
【実施例】
【0137】
(E)-4-(4-メトキシスチリル)ピリジン(21.1mg、0.1mmol)および2-ヨードイソインドリン-1,3-ジオン(13、27.3mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンの混合溶媒に加えて溶解させた。得られた混合物を室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を灰白色固体として得た。
【実施例】
【0138】
[実施例20]
【実施例】
【0139】
【化36】
JP2019039597A1_000037t.gif
【実施例】
【0140】
大気中で(E)-4-(4-メトキシスチリル)ピリジン(21.1mg、0.1mmol)および2-ヨードベンゾ[d]イソチアゾール-3(2H)-オン 1,1-ジオキシド(14、30.9mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンの混合溶媒に加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0141】
[実施例21]
【実施例】
【0142】
【化37】
JP2019039597A1_000038t.gif
【実施例】
【0143】
大気中で9-メトキシアクリジン(20.9mg、0.1mmol)および2-ヨード-5-ニトロイソインドリン-1,3-ジオン(31.8mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することで目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0144】
[実施例22]
【実施例】
【0145】
【化38】
JP2019039597A1_000039t.gif
【実施例】
【0146】
大気中で9-メトキシアクリジン(20.9mg、0.1mmol)および2-ヨード-3,4-ジメチルチアゾール-3-ニウム トリフルオロスルホナート(39.9mg、0.1mmol)をアセトンと塩化メチレンに加えて溶解させた。得られた混合物を、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去することにより目的物を黄色い固体として得た。
【実施例】
【0147】
[実施例23]
実施例1で得られた化合物に対して蛍光スペクトル、蛍光量子収率の測定を行った。
蛍光スペクトルの測定はHitachi F-7000を用いて行った。蛍光量子収率の測定はAbsolute PL Quantum Yield Spectrometer C11347, Quantaurus-QY Hamamatsu Photonics K.Kを用いて行った。蛍光寿命の測定は、Quantauras-Tau C11367-24(Hamamatsu Photonics)を用いて行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図1に示した。
【実施例】
【0148】
[実施例24]
実施例8で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図2に示した。
【実施例】
【0149】
[実施例25]
実施例13で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図3に示した。
【実施例】
【0150】
[実施例26]
実施例2で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図4に示した。
【実施例】
【0151】
[実施例27]
実施例9で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図5に示した。
【実施例】
【0152】
[実施例28]
実施例11で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図6に示した。
【実施例】
【0153】
[実施例29]
実施例14で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図7に示した。
【実施例】
【0154】
[実施例30]
実施例3で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図8に示した。
【実施例】
【0155】
[実施例31]
実施例10で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図9に示した。
【実施例】
【0156】
[実施例32]
実施例12で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図10に示した。
【実施例】
【0157】
[実施例33]
実施例15で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として300ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図11に示した。
【実施例】
【0158】
[実施例34]
実施例7で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として400ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図12に示した。
【実施例】
【0159】
[実施例35]
実施例16で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として400ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図13に示した。
【実施例】
【0160】
[実施例36]
実施例17で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として280ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図14に示した。
【実施例】
【0161】
[実施例37]
実施例18で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として280ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図15に示した。
【実施例】
【0162】
[実施例38]
実施例19で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として365ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図16に示した。
【実施例】
【0163】
[実施例39]
実施例20で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として365ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図17に示した。
【実施例】
【0164】
[実施例40]
実施例21で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として365ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図18に示した。
【実施例】
【0165】
[実施例41]
実施例22で得られた化合物に対し、実施例23と同様の測定を行った。励起波長として365ナノメートルの波長を用いた固体状態での発光スペクトルを図19に示した。
【実施例】
【0166】
[実施例42~実施例83]
前記実施例と同様にして、次の複合体42~83を製造した。
【実施例】
【0167】
【化39】
JP2019039597A1_000040t.gif
【実施例】
【0168】
【化40】
JP2019039597A1_000041t.gif
【実施例】
【0169】
【化41】
JP2019039597A1_000042t.gif
【実施例】
【0170】
【化42】
JP2019039597A1_000043t.gif
【実施例】
【0171】
【化43】
JP2019039597A1_000044t.gif
【実施例】
【0172】
【化44】
JP2019039597A1_000045t.gif
【実施例】
【0173】
【化45】
JP2019039597A1_000046t.gif
【実施例】
【0174】
前記実施例で得られた複合体の発光スペクトル(ピーク波長)、蛍光量子収率、蛍光寿命をまとめて表1に示す。なお、蛍光寿命の( )内表記は、蛍光減衰曲線の2成分系とした際の寿命を示す。得られた複合体は、極めて高い蛍光量子収率を示すことがわかる。表中の「原料」は、複合体形成前の化合物である。
【実施例】
【0175】
【表1】
JP2019039597A1_000047t.gif
【実施例】
【0176】
前記実施例で得られた複合体の発光スペクトルをジクロロメタン(DCM)もしくはアセトン溶液中で測定した。その結果を図20~図28及び表2に示す。
【実施例】
【0177】
【表2】
JP2019039597A1_000048t.gif
【実施例】
【0178】
同じ複合体を固体状態で測定した場合(表1)と溶液中で測定した場合(表2)とで、ほぼ同じ蛍光波長を示しているが、数値的に完全には一致していない。このことは、固体状態での測定が困難な場合に溶液での測定を代用することを否定することにつながるものではない。しかし、完全には一致していないことについては、固体と液体とでは、電子受容体Xのπ共役分子WのHOMOーLUMOの電子準位に対する寄与が異なるためであると考えられる。さらに、同じπ共役分子Wであっても電子受容体Xの種類によって蛍光波長を調節することができることを示すものである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
25
【図27】
26
【図28】
27
【図29】
28
【図30】
29
【図31】
30
【図32】
31
【図33】
32
【図34】
33
【図35】
34